JPS6122930B2 - - Google Patents

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JPS6122930B2
JPS6122930B2 JP58065703A JP6570383A JPS6122930B2 JP S6122930 B2 JPS6122930 B2 JP S6122930B2 JP 58065703 A JP58065703 A JP 58065703A JP 6570383 A JP6570383 A JP 6570383A JP S6122930 B2 JPS6122930 B2 JP S6122930B2
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JP
Japan
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cream
whipping
rotary stirrer
whipped
flow rate
Prior art date
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JP58065703A
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English (en)
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JPS59192044A (ja
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Akio Wada
Akifumi Ishibashi
Motokazu Kikuchi
Haruo Endo
Shinichiro Myajima
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Morinaga Milk Industry Co Ltd filed Critical Morinaga Milk Industry Co Ltd
Priority to JP58065703A priority Critical patent/JPS59192044A/ja
Publication of JPS59192044A publication Critical patent/JPS59192044A/ja
Publication of JPS6122930B2 publication Critical patent/JPS6122930B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ホイツプ食品の連続式製造法に関す
るものであり、詳しくは高いオーバーランに由来
する圧縮性を有するとともに、ホイツプ過程にお
ける粘度等の物性変化の大きいホイツプクリーム
に代表されるホイツプ食品の連続式製造法に関す
るものであり、さらに詳しくは、ホイツプ食品を
吐出するホイツプ用回転型攪拌機への流入圧力を
一定に維持するために、上記ホイツプ用回転型攪
拌機の吐出部に排出ポンプを付設し、その攪拌機
からの吐出流量を調節する制御手段を用いるホイ
ツプ食品の連続式製造法に関する。
〔技術の背景及び先行技術〕
従来から、基本的なホイツプクリームの連続式
製造法としては、第1図のフローシートにその概
要を示した方法が知られている。すなわち、この
方法では液状クリームのライン1に圧縮気体のラ
イン2より気体を連続的に吹き込んで気泡を分散
させ、更に必要に応じ固定型攪拌機3により気泡
を微細化させ、最後にホイツプ用回転型攪拌機4
によりせん断力を付与し続け、徐々に気泡の囲り
に脂肪球を凝集させ、最適のホイツプ状態のとこ
ろでホイツプ用回転型攪拌機4より吐出させる。
しかしながら、従来のホイツプ食品の連続式製
造法においては、たとえホイツプ用回転型攪拌機
より吐出されるホイツプ用クリームのオーバーラ
ンを所望の一定値に維持するために、液状クリー
ムの流量および気体の吹き込み量を調節するとと
もに、分散気体の微細化および均一化を行なつた
としても、ホイツプクリームの吐出流量が周期的
に変動し、それに対応して吐出されるホイツプク
リームが周期的に過剰にホイツプされたり、また
は、過少にホイツプされたりする現象(以下「ホ
イツプクリームのサイクリング現象」という)を
生じ、品質の一定したホイツプクリームが得られ
ない。この過剰または過少ホイツプは、ホイツプ
クリームに与えられたせん断量の多寡およびホイ
ツプクリームの品質に関係があり、この関係は、
従来公知の知見から次のように説明される。
液状クリームに気体を分散させ、せん断を与え
ると、液体状態から半固形状態のホイツプクリー
ムになり、更にせん断を与え続けると完全に相転
換(バター化)し、バターとバターミルクに分離
する。つまり、相が0/WからW/0へと転換さ
れるが、ホイツプクリームは、この中間の相とも
いえる不安定な遷移域にある。ところが、ホイツ
プクリームの製品として満足される場合は、ホイ
ツプクリームが、この遷移域のうちの一部の最適
域とでもいえる領域にある場合であり、せん断量
が、この最適域より僅かでも不足すると、得られ
たホイツプクリームの保型性が低下し、いわゆる
「ダレ」気味の傾向となる。これとは逆に、せん
断量が僅かでも過剰になると、得られたホイツプ
クリームの表面のなめらかさがなくなり、いわゆ
る「肌の荒れた」傾向になる。これらはいずれも
製品として満足されるものではない。
そして、連続的にホイツプクリームを製造する
場合、特に上記過剰ホイツプ又は、過少ホイツプ
が品質の安定性上大きな問題となる。
また、このようにホイツプクリームの連続式製
造法にみられるホイツプクリームのサイクリング
現象は、ホイツプクリームと同様高いオーバーラ
ンに基づく圧縮性及びホイツプ過程における粘度
等の物性の急激な変化を有するホイツプ食品の連
続式製造法においても程度の差こそあれ同様にみ
られるものであり(以下ホイツプクリームのサイ
クリング現象を含めて「サイクリング現象」とい
う)、いずれの場合も、ホイツプ食品の連続式製
造法における品質面での不均一性をもたらしてい
るのである。
本発明者らは、ホイツプクリームの生成過程に
おける最適域及びそれに伴う粘性の変化などを定
量的に把握し、これをホイツプ用回転型攪拌機内
の挙動の解明に利用し、かつサイクリング現象が
ホイツプ用回転型攪拌機への流入圧力の変動とあ
る規則的な対応関係にあることを発見し、併せて
その圧力制御の効果的な方法を確立することによ
り、ホイツプクリームに代表される特異な性質の
故に不可避的に生じるサイクリング現象を防止す
ることによつて、一定の品質を維持する優れたホ
イツプ食品の連続式製造法を完成した。
〔発明の目的及び発明の要約〕
本発明の目的は、上記サイクリング現象を防止
し、品質が一定したホイツプ食品の連続式製造法
を提供することにある。
本発明はホイツプ用回転型攪拌機を使用するホ
イツプ食品の連続式製造法において、ホイツプ食
品を吐出するホイツプ用回転型攪拌機の吐出部に
排出ポンプを付設し、その攪拌機からの吐出流量
を調節することによつて、上記ホイツプ用回転型
攪拌機への流入圧力を所定の一定値に維持するこ
とを特徴とするホイツプ食品の連続式製造法であ
る。
〔発明の具体的な説明〕
次に本発明の方法をホイツプクリームの製造の
場合について詳述する。
(技術構成の説明) 本発明の方法において、ホイツプ用回転型攪拌
機への流入圧力を一定に維持するために、ホイツ
プ用回転型攪拌機の吐出部に排出ポンプを取り付
け、この攪拌機からの吐出流量を調節することが
行なわれる。即ち、上記ホイツプ用回転型攪拌機
内の圧力が設定値より上昇、換言すればこの攪拌
機からの吐出流量の低下に対しては、排出ポンプ
の駆動電動機主軸の回転速度を増加させるなどし
て上記攪拌機からの吐出流量を上げ内圧を設定値
に戻す。これによりホイツプ用回転型攪拌機内の
吐出部の近傍のホイツプクリームがせん断過剰と
なる以前に吐出させる。また上記圧力の低下に対
しては、これとは逆に上記回転速度を下げるなど
して、吐出流量を低下させる。そして吐出流量の
具体的な調節法としては、通例流入圧力を電気信
号としてうけ演算器にて設定値との差により、排
出ポンプの駆動電動機の主軸の回転速度を周波数
制御することにより行なわれる。
この調節により、流入圧力は常に所定の一定値
に維持され、ホイツプ用回転型攪拌機内にクリー
ムの滞留時間、即ちせん断時間も一定に制御され
る。この排出ポンプによる流量調節をホイツプ用
回転型攪拌機への流入部にて行なつてホイツプ用
回転型攪拌機内の圧力を一定値に制御しようとし
ても、これによつて滞留時間を制御することはで
きない。
すなわち、ホイツプ用回転型攪拌機内の圧力が
上昇した場合、流入部に設けた流入ポンプにより
流入するクリームの流量を減少させると、ホイツ
プ用回転型攪拌機内に圧縮蓄積されたクリームの
量が少なくなつて、ホイツプ用回転型攪拌機内の
圧力は低下するが、この圧力の低下によつてホイ
ツプ用回転型攪拌機のホイツプクリームの吐出流
量も減少するので、ホイツプ用回転型攪拌機内に
おけるクリームの滞留時間は却つて増加する。そ
して、この滞留時間の増加は、クリームのせん断
量の増大をもたらし、これによつて更にせん断過
剰のホイツプクリームがホイツプ用回転型攪拌機
から吐出される結果となる。しかしながら後述す
るとおり、クリームのせん断量が一定以上を超え
て、ホイツプクリームの降伏値を超えると、クリ
ームの粘度は急激に低下し、これによつてホイツ
プ用回転型攪拌機内のクリームが一気に吐出する
ので、このようになると、ホイツプ用回転型攪拌
機内でのクリームの滞留時間、即ちせん断時間が
減少し逆にせん断不足のホイツプクリームがホイ
ツプ用回転型攪拌機から吐出される。これはサイ
クリング現象を助長することに外ならない。
従つて、本発明においてホイツプ用回転型攪拌
機内圧力の制御は、その吐出部に設置した排出ポ
ンプによつて、上記攪拌機からの吐出流量を調節
することにより、クリームの滞留時間を一定に
し、せん断量を一定することによらなければなら
ない。また、ポンプを用いてこの調節を行なうに
あたり、ポンプの羽根車の回転によるせん断効果
がホイツプしたクリームに生じさせないようにす
ることが必要である。また、制御性を高めるた
め、羽根車の回転速度変化による流量変化の追随
性のよいものが望ましく、例えば歯車ポンプ型の
ロータリーポンプなどが適している。
本発明においてホイツプ用回転型攪拌機内圧力
を制御する手段は、その吐出部に設置した排出ポ
ンプの流量を調節しうる手段であれば、いかなる
手段であつてもよい。例えば、排出ポンプの羽根
車の回転速度を調節する手段および羽根車のピツ
チを変える手段がある。
本発明者らは、液状クリームに付与されるせん
断量を増加させ、それに伴うホイツプ食品の保型
性及び表面性状などの品質変化を観察し、同時に
粘度の変化を測定することによつて、上記最適域
の存在を定量的に把握するために次の実験を行な
つた。
(実験 1) 回分式電動ホイツパー(ケンウツド社製、ケン
ミツクス機)に実施例1で用いたものと同一の合
成クリーム各400gを入れ、攪拌回転速度175r.p.
m.、温度8℃で第2図に示された各時間ホイツ
プし、ホイツプクリームを製造した。
与えたせん断量の指標として攪拌時間をとり、
攪拌時陥に応じ適宜サンプリングを行ない粘度を
常法より測定した。更に得られたホイツプクリー
ムを常法により造花し、造花のエツジの状態、造
花頂上部の状態、造花の腰の状態、造花の肌の状
態を、そして得られたホイツプクリームを25℃で
3時間保持して離水の状態を肉眼で観察し、ホイ
ツプの適否を試験した。それらの結果を第2図に
示した。図中、(〓〓〓)は粘度(CP)を、a,
bおよびcは、相変化の遷移域内にあつてホイツ
プクリームの上記性状からみて、それぞれせん断
過剰、最適域及びせん断不足の領域を示す。
この実験1の結果から次のことが判明した。ホ
イツプ終了までに要した時間は、4分10秒(250
秒)であるが、0/W型の領域を経過するまでに
3分50秒(230秒)を要し、全攪拌時間の90%以
上を占めており、一方、a,bおよびcの領域で
は、それぞれ10秒、5及び15秒という極めて短い
時間であつて、全攪拌時間に占める比率もそれぞ
れ4%、2%及び6%程度に過ぎない。また、粘
度の変化についてみると、攪拌開始時の粘度300
〜400CPに比べ、その終了時には30万CP程度ま
で増粘しており、特に上記最適域bの付近におい
て著しい増粘傾向を示している。
更に、本発明者らは、前記実験1の結果が、連
続式製造法におけるホイツプ用回転型攪拌機を用
いた試験においても同様であること、即ち、この
ホイツプ用回転型攪拌機内での最適域の滞留巾が
極めて狭いこと及び著しい増粘傾向にあることを
確認した。
(実験 2) 実施例1と同一の装置及び条件でホイツプクリ
ームを製造した。使用したホイツプ用回転型攪拌
機を第3図に示した。第3図において歯車状の回
転板材5及びそれを若干の間隔をもつて囲繞し、
相補的に対する固定板材6が軸方向に交互にそれ
ぞれ36枚及び37枚位置され、気泡の分散された液
状クリームは上記間隔を通過しながらせん断力を
受けつつホイツプされる(第3図イは軸方向の断
面図、ロは半径方向断面図よりみた板材5及び6
を示す)。連続式製造法では、回分式の装置に比
べ、単位時間当りのせん断能力は、はるかに高く
設計されるのが普通である。その為単位処理量の
受けるせん断(攪拌)時間も回分式に比べ短かく
なつている。従つて、本実験においては攪拌時
間、即ちホイツプ用回転型攪拌機内の平均滞留時
間を30秒とし、安定的な製造途中で運転を停止
し、ホイツプ用回転型攪拌機を解体し、内部を観
察した。その結果ホイツプ用回転型攪拌機内のク
リームのホイツプ状態は、第4図Aの,及び
の如く3つに区分され、では完全にホイツプ
した状態、では半流動の状態及びでは液状に
近く、気液が容易に分離するような未ホイツプ状
態であり、及びの区分は全区分に比して非常
に狭い領域となつていることが判明した。
以上の結果から、ホイツプクリームの連続式製
造法においても、実験1の結果に記載したような
ホイツプ化への状態の推移が生じており、,
及びは、実験1の最適域、せん断不足の領域及
び0/Wの領域にそれぞれ相当する。そうする
と、単位液状クリームの受ける攪拌時間が30秒の
場合に、0/Wの領域経過時間間、せん断不足
領域にいる時間及び最適域にある時間は、そ
れぞれ27.6秒、1.8秒及び0.6秒程度のものとな
る。
以上の実験1及び実験2からホイツプクリーム
の連続式製造法における最適域について一定程度
の定量的把握が可能となつたが、その領域が極め
て狭い範囲にあると同時に、その領域内及びその
付近での増粘傾向が特に著しいことが判明した。
従つて、連続式製造法では、系全体における僅
かな流れ状態の変化が生じると、製品の品質が最
適なものから劣化したものに容易に変転してしま
う。また、連続式製造法では僅か0.5mにも満た
ない長さのホイツプ用回転型攪拌機内で流れ方向
に向かつて粘度が1000倍以上も増加するため、粘
度が低く流動性の高い未ホイツプクリームが、ホ
イツプ用回転型攪拌機内をシヨートパスしたり、
またバツクミキシワグが局部的に発生しやすく、
これによつてホイツプ用回転型攪拌機内に完全な
ピストン流れを維持することが困難になりやす
い。また、ホイツプ用回転型攪拌機内の容積の半
分近くが気体で占められており、処理液自体が高
い圧縮性を有しているために、押し出し流れが完
全でなく、ホイツプクリーム物性や内圧のわずか
な変化で入口流量と出口流量とのバランスが容易
に失なわれる。これらの理由から連続式製造法で
はホイツプ用回転型攪拌機内での滞留時間は、不
均一となる可能性が非常に大きいのである。
上記の実験と考察に基づく認識から、前記した
サイクング現象を実験2の観察結果の区分,
及びを用いて模式的に表現するならば第4図に
示す如くになる。
すなわち、第4図のAでは、右から流入したク
リームはおよびの状態を経て、最適域の状
態で左方に吐出されているが、ホイツプ用回転型
攪拌機内のクリームの一部が少しでも過度なせん
断を受けると、その部分のクリームの粘度は増大
し、そのために流動性が低下し、さらに出口流量
が減少するので、クリームの滞留時間が長くな
る。クリームの滞留時間が長くなると、クリーム
はさらに過度のせん断を受けるので、クリームの
粘度はさらに増大する。そのために吐出流量はさ
らに減少し、ホイツプ用回転型攪拌機内では圧縮
性の気体を含有したクリームがクリームポンプに
よる押し込み圧で加圧圧縮されながら蓄積され、
内圧は上昇すると共に滞留時間及び粘度の増加を
さらに助長する。このようになると、最適域は
ホイツプ用回転型攪拌機吐出口より右側に後退
し、代つてせん断過剰域′が形成されることに
なる。これを図示したのが同図のBである。とこ
ろが、せん断量が一定以上を超えホイツプクリー
ムの降伏値(ホイツプクリームは典型的な非ニユ
ートン流体であり粘弾性指向が強い)を過ぎる
と、クリームの粘度が急激に低下するために、こ
のせん断過剰域′にあつたものは高い内圧に押
され、吐出口より高い速度で一度に排出され内圧
も下降する。このようになるとホイツプ用回転型
攪拌機内の流動速度が増加し、前記Bの場合とは
逆に滞留時間が短くなり、そのためにホイツプク
リームはせん断不足となる。この場合ホイツプ用
回転型攪拌機内の最適域は形成されず、吐出部
には、このせん断不足域が生じ、その結果吐出
流量は増加する。これを示したのが同図のCであ
る。そして次には、クリームポンプによつて規制
される標準流量のものがホイツプ用回転型攪拌機
内に流入するため、再び上記Aで示される状態に
復帰することになる。
このように、上記の現象の繰り返しがサイクリ
ング現象のメカニズムであることを、本発明者ら
は探知するに至つたのであるが、その主因は、第
2図について前記したように、付与されるせん断
量の最適域が極めて狭く、かつ、この近辺におけ
る粘度の著しい増加及び降伏値の存在することな
どホイツプクリームに代表されるその独特な性質
にあるものといえる。
次に、本発明者らは、ホイツプ用回転型攪拌機
内のクリームは圧縮性の気泡混相流体となつてい
ることから、吐出流量の変動とそれに伴うせん断
量の過不足によるホイツプ性の変動の繰り返し
が、ホイツプ用回転型攪拌機内の流路抵抗による
バツクプレツシヤーを受けるホイツプ用回転型攪
拌機への流入部の圧力といかなる関係にあるかを
知るため次の実験を行なつた。
(実験 3) 実施例1で用いた装置において、排出ポンプを
とり付けず、代りに圧力自動記録計を設置し、合
成クリーム移送流量を75Kg/hrとした以外は、実
施例1と同一の条件でホイツプクリームを製造
し、ホイツプ用回転型攪拌機からの吐出流量及び
ホイツプ用回転型攪拌機への流入部圧力の変動を
測定した。
その結果を第5図に示した。第5図において、
〓〓〓1はホイツプ用回転型攪拌機の吐出流量を
示し、また〓〓〓2はその流入圧力を示す。吐出
流量及び流入圧力は、時間の経過とともに周期的
に変化するが、第5図はその一周期分を示してい
る。この結果から、吐出流量は、最大215Kg/hr最
小45Kg/hrの範囲において、約72秒間隔で周期的
に変動し、同時にそれぞれせん断不足及びせん断
過剰のホイツプクリームとなつており、典型的な
サイクリング現象を呈していることがわかる。
尚、前記実験1と同一の方法による造花性からみ
た品質は不良であつた。また、圧力の変動につい
てみると0.22〜0.62Kg/cm2の範囲を流量と同様、
約72秒の周期で変動している。このように、吐出
流量及び圧力の変動は、ある位相差を有するもの
の、共に同じ周期の規則性を示していることが判
明し、それ故吐出流量及びホイツプ性の変動を上
記圧力の変動に置き換えて検知することができる
のみならず逆にこの圧力変動を僅少なものに、望
ましくは一定の圧力値に制御できれば、サイクリ
ング現象を防止し得るとの予見に基づいて次の実
験を行なつた。
(実験 4) 実施例1で用いた装置において、圧力自動記録
計を付加し、合成クリームの移送流量80Kg/hrと
し流入圧力を0.78Kg/cm2に設定した以外は実施例
1と同一の条件でホイツプクリームを製造した。
そして前記実験1と同一の方法によりホイツプク
リームの品質を試験した。このときホイツプ用回
転型攪拌機の流入圧力(略々内圧に等しい)及び
吐出流量の変動を第6図に示した。第6図におい
て〓〓〓1はホイツプ用回転型攪拌機の吐出流量
を示し、また〓〓〓2はその流入圧力を示す。こ
の圧力は0.78〜0.785Kg/cm2とほぼ一定値を示し、
また同時に測定した吐出流量79.8〜80.8Kg/cm2
あつた。ホイツプ用回転型攪拌機の内圧を、その
吐出流量によつて調節すると、その内圧(流入圧
力に略々等しい)は、吐出流量とともにほぼ一定
値に制御され、しかもそのオーバーランも119%
〜120%であつて、得られたホイツプクリームの
品質も一定であつた。
サイクリング現象の防止方法として本発明の方
法以外に種々の方法が考えられるが、それらの主
な方法について比較例として示す。
比較例 1 ホイツプ用回転型攪拌機内の滞留時間そのもの
を直接一定値に制御するために流入量を調節する
方法である。この方法は、ホイツプ用回転型攪拌
機からの吐出流量が減少し、滞留時間が長くなる
傾向を示したときに、クリームの流入量を増加さ
せ、クリームの押し込み圧によつて強制的にホイ
ツプクリームの吐出速度を増加させるものであ
る。しかし、クリームは圧縮性があるため吐出流
量の増加にはタイムラグがあり、一方圧力は上昇
を続けるため、ある時点でホイツプ用回転型攪拌
機からホイツプクリームが高速で一度に吐出さ
れ、これによつて逆に吐出流量が標準値より遥か
に増加する。この場合、粘度の低いせん断不足の
ものが排除され、ホイツプ用回転型攪拌機内は標
準より流動性の良い状態となつているため、吐出
流量を標準値に減少させるべく流入量を減少させ
ようとすると、標準流量より下回つた値にまで減
少することとなり、今度は、滞留時間が長くな
る。
以上のようにこの方法は、結果的にはサイクリ
ング現象を防止することに結びつかず逆に強制的
にサイクリング現象を発生させ、その繰り返し周
期を短くするのみならず、せん断の過剰及び不足
の度合を高め、品質の変動巾を拡大することにな
る。また、ホイツプ用回転型攪拌機内の圧力の変
動は、当然バツクプレツシヤーとして空気の吹き
込み部に作用するため、吹き込み圧の制御も必要
となるなど系を複雑化させることにもなる。
比較例 2 ホイツプ用回転型攪拌機内の滞留時間を制御せ
ず、攪拌翼の回転数、即ちせん断強度を調節して
ホイツプ用回転型攪拌機内の圧力を一定値に制御
する方法である。この方法は、圧力が上昇する傾
向となり、即ち第4図のAの状態からBの状態へ
の移行を示し始めると攪拌翼の回転速度を減少さ
せ、同図においてから′への領域の移行並び
に及びの領域にあるクリームのホイツプを遅
延させるものである。しかしながら、一旦過剰ホ
イツプを開始された領域′のクリームを吐出さ
せるという直接的作用がないため制御効果に遅れ
が生じる。また、回転数の減少後領域′のクリ
ームが吐出された場合標準の状態に比して領域
及びのクリームがせん断不足となつているため
領域のクリームが排出されるに従い圧力の減少
とともに回転速度を標準の状態より可成り上昇さ
せることになる。この場合は逆に、せん断不足の
クリームの吐出を抑制する直接的作用がないため
同様に制御効果に遅れが生じる。そして、新たに
領域及びに到達したクリームがせん断過剰と
なるため、やがては回転速度を減少せざるを得な
くなる。以上のようにこの方法は、制御効果に遅
れが生じ結局サイクリング現象の変動巾を抑える
ことができても現象そのものを防止できない。
次に、ホイツプ用回転型攪拌機内圧力が、ホイ
ツプクリームの品質に及ぼす効果を調べるために
次の実験を行つた。
(実験 5) 実施例1で用いた装置において、ホイツプ用回
転型攪拌機の回転速度を430r.p.m合成クリーム
移送流量を85Kg/hr圧縮空気流量を150N/hrと
し、流入圧力の設定値を0Kg/cm2〜0.8Kg/cm2の範
囲で変化させた以外は、実施例1と同一の条件で
ホイツプクリームを製造し、各流入圧力設定値と
オーバーランとの関係を調べた。
その結果を第8図に示す。図中で縦軸は、各圧
力下での最高オーバーラン値を示している。ホイ
ツプ用回転型攪拌機内圧が、0.6Kg/cm2以上でのオ
ーバーラン値はクリーム及び空気のそれぞれの容
積流量比に一致した値を示しているが、圧力がそ
れ以下では、圧力低下に従つて最高オーバーラン
値も低下の傾向を示し、供給した空気がクリーム
中に有効に取りこみきれないことを示している。
これは、ホイツプ用回転型攪拌機の回転速度を決
め攪拌能力が決まると、分散しうる空気容積の限
界も決まることが、この理由と考えられる。内圧
を変化させることにより、攪拌機内の空気容積比
率はそれに応じて変化する。その為空気の流入比
率が高い場合、つまり高オーバーラン条件下でも
内圧を高くすることにより、ホイツプ用回転型攪
拌機内での容積比率を低下させることができるの
で、供給した空気が全て有効に取りこまれ、ホイ
ツプ用回転型攪拌機からでてきたホイツプクリー
ムも高いオーバーランを示すことになるが、逆に
内圧が低い場合では、ホイツプ用回転型攪拌機内
での空気の容積比率は増加するが、一定割合以上
には取りこめない。その為、ホイツプ用回転型攪
拌機からでてきたホイツプクリームのオーバーラ
ン値も上記の場合より低下する。取りこみきれな
かつた空気はホイツプクリーム中に塊状に散在し
た状態で排出される。
これらの実験結果から、ホイツプクリームを安
定して製造するには、まずサイクリング現象を抑
制する為内圧を一定に制御することが重要である
が、それと共に品質のコントロールをも含めるに
は、その内圧をどの値に一定化させるかも同様に
必要であることが分つた。
本発明の方法による設定内圧の変更に対する応
答性を示したのが第9図である。第9図において
イの点で設定圧力を減少させると、ロの点で流入
圧力が低下する。設定値変更に伴う追随速度は、
3〜5秒程度であり、設定圧力値にかかわらずそ
の振れ巾は無視しうる範囲におさまつている。
実施例 次に本発明の実施例を記載する。
実施例 1 本実施例で用いた装置の概略を第7図に示し
た。1はクリームタンク2よりクリームライン3
を介してクリームを移送するポンプであり、4は
除菌清浄化した圧力5Kg/cm2の空気が空気供給ラ
イン10より微細な気泡となつて吹き込まれる空
気分散装置である。5は第3図に示し、前記した
ホイツプ用回転型攪拌機であり、6はホイツプ用
回転型攪拌機5の吐出部に設置された排出ポンプ
(クリマリーパツケージ社製、ギヤポンプNo.2)
である。圧力検出部7(株式会社N.M.B.製、サ
ニタリーストレンゲージ式圧力計、PR/10S型)
より流入圧力が電気信号としてコントローラー9
(山武ハネウエル株式会社製、デジタル指示調節
計、SDC 300、5GCO11YA2)に送られる。そこ
で設定値との偏差によつて、周波数変換器8(三
菱電機株式会社製、はん用インバータ、
FREQROL−E(FR−E−3700M))により排出
ポンプ6のモータ回転速度を調節し、内圧が設定
値に回復するようにフイードバツク制御が行なわ
れる。尚、コントローラのP,I,D値は限界感
度法により、P値を7%、I値を11sec、そして
D値を3secとした。
先ず使用するクリームを次のようにして調製し
た。
市販の硬化大豆油(上昇融点35℃)50部を65℃
に加温し、市販の精製大豆レシチン0.3部及びモ
ノグリセライド0.3部を加え、攪拌して溶解、分
散させて油相を得た。一方脱脂乳50部に市販のシ
ユガーエステル0.4部を加え、攪拌して溶解、分
散させて水相を得た。
前記油相と水相とを混合して乳化し、70℃で15
分間加熱殺菌し、次いで50Kg/cm2及び10Kg/cm2の圧
力で2度均質化し、8℃に冷却し、前記クリーム
タンク2に貯蔵し、同温度で一夜エージングし、
ホイツプ用合成クリームを得た。
このホイツプ用合成クリームをポンプ1により
流量120Kg/hrで移送し、同時に空気分散装置4に
より5Kg/cm2の圧縮空気を180N/hrで吹き込
み、回転速度を520r.p.m.としたホイツプ用回転
型攪拌機5によりホイツプさせ、ホイツプクリー
ムを製造した。この間吐出流量及び圧力検出部7
の圧力はそれぞれ119〜120Kg/hrおよび0.69〜
0.70Kg/cm2とほぼ一定の値を維持し、サイクリン
グ現象の発生もなく得られた製品のオーバーラン
は約150%であり、前記実験1と同一の方法で試
験した造花性及び保型性も良好かつ一定であり、
優れたものであつた。
実施例 2 実施例1で用いた装置を使用し、次のように調
製された合成クリームからホイツプクリームを製
造した。
市販の硬化菜種油(上昇融点35℃)40部を65℃
に加温し、市販の精製大豆レシチン0.2部及びモ
ノグリセライド0.25部を加え、攪拌して溶解、分
散させて油相を得た。一方、脱脂乳60部に市販の
シユガーエステル0.3部を加え攪拌して溶解、分
散させて水相を得た。
前記油相と水相とを混合して乳化し、70℃で15
分間加熱殺菌し、次いで50Kg/cm2及び10Kg/cm2の圧
力で2度均質化し、8℃に冷却し、クリームタン
ク2に貯蔵し、同温度で一夜エージングし、ホイ
ツプ用合成クリームを得た。
このホイツプ用合成クリームをポンプ1により
流量80/hrで移送し、同時に空気分散装置4に
より5Kg/cm2の圧縮空気を100N/hrで吹き込み
内圧を0.6Kg/cm2に設定し、回転速度を380r.p.m.
としたホイツプ用回転型攪拌機8によりホイツプ
させ、ホイツプクリームを製造した。この間、実
施例1と同様に吐出流量及び圧力はほぼ一定値を
維持し、サイクリングの発生もなく、得られた製
品の品質も一定であり、優れたものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ホイツプクリームの一般的な連続式
製造法のフローシート、第2図はホイツプ用クリ
ームの攪拌時間に対する粘度の変化及びせん断の
最適域を示すグラフである。第3図は、ホイツプ
用回転型攪拌機であつて、イは軸方向断面図及び
ロは半径方向断面図である。第4図は、サイクリ
ング現象を説明するための模式図であり、第5図
は、サイクリング現象の起きている場合のホイツ
プ用回転型攪拌機流入部の圧力および吐出流量の
経時変化を示すグラフである。第6図は、本発明
の方法により、サイクリング現象の発生を防止し
た場合の上記圧力の経時変化及び吐出流量変化を
示すグラフ、第7図は、本発明の方法を実施する
ための装置の1例を示すフローシート、第8図
は、攪拌機内圧と到達するオーバーランとの相関
を示すグラフであり、第9図は、本発明の方法に
よる攪拌機の内圧の変更に対する応答性を示すグ
ラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ホイツプ用回転型攪拌機を使用するホイツプ
    食品の連続式製造法において、ホイツプ食品を吐
    出するホイツプ用回転型攪拌機の吐出部に排出ポ
    ンプを付設し、上記ホイツプ用回転型攪拌機から
    の吐出流量を調節することによつて、上記ホイツ
    プ用回転型攪拌機への流入圧力を所定の一定値に
    維持することを特徴とするホイツプ食品の連続式
    製造法。 2 吐出流量の調節が、ポンプの駆動電動機主軸
    回転速度を操作することによつて行なわれること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の製造
    法。 3 ポンプの駆動電動機主軸の回転速度の操作
    が、ホイツプ用回転型攪拌機への流入圧力信号を
    うけて駆動電動機の周波数制御を介して行なわれ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載
    の製造法。
JP58065703A 1983-04-15 1983-04-15 ホイツプ食品の連続式製造法 Granted JPS59192044A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5833908Y2 (ja) * 1980-05-16 1983-07-29 明治乳業株式会社 ホイツプクリ−ムの移送制御装置

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JPS59192044A (ja) 1984-10-31

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