JP3273720B2 - シザーズギア機構 - Google Patents

シザーズギア機構

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JP3273720B2 JP24569695A JP24569695A JP3273720B2 JP 3273720 B2 JP3273720 B2 JP 3273720B2 JP 24569695 A JP24569695 A JP 24569695A JP 24569695 A JP24569695 A JP 24569695A JP 3273720 B2 JP3273720 B2 JP 3273720B2
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博 三宅
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DOHCエンジン
において2本のカム軸を同期回転させるために設けられ
るシザーズギア機構など、ドライブギアとシザーズギア
からなるドリブンギアとを備え、バックラッシュを無く
した状態で回転伝達するシザーズギア機構に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】DOHCエンジンにおいては、図3に示
すように、クランク軸1の回転をチェーン2又はタイミ
ングベルトを介して一方のカム軸3に伝達し、この一方
のカム軸3の回転を他方のカム軸4にドライブギア5と
ドリブンギア6を介して伝達するように構成されてい
る。この場合、一方のカム軸3に取付けられたドライブ
ギア5と他方のカム軸4に取付けられたドリブンギア6
をバックラッシュを除去した状態で噛合回転させる必要
があるため、ドリブンギア6にはシザーズギアが用いら
れている。7は直打式のオーバーヘッドカム機構であ
る。
【0003】シザーズギアの具体例を図4、図5を参照
して説明すると、カム軸4の一端部にドリブンギア6で
あるシザーズギア11が嵌合されている。シザーズギア
11はメインギア12とサブギア13から成り、これら
メインギア12とサブギア13は重なった状態で鍔14
とスナップリング15の間に保持され、かつメインギア
12はキー16にてカム軸4に回転不可に係合されてい
る。メインギア12の内側面には環状溝17が形成さ
れ、C字状のばね18が収容配置されている。ばね18
の一端はメインギア12側の第1ストッパ19に、ばね
18の他端はサブギア13側の第2ストッパ20に当接
し、図5に矢印で示すように、サブギア13をメインギ
ア12とサブギア13の歯すじが合った位置からギアの
回転方向に付勢するように成されている。また、メイン
ギア12とサブギア13におけるばね18の両端間の位
置に、メインギア12とサブギア13の歯すじが合った
時に軸芯が一致するようにねじ穴21とボルト穴22が
形成され、歯すじを合わせた状態で仮止め用ボルト23
をボルト穴22を通してねじ穴21に螺合することによ
り、その状態を仮保持できるように構成されている。
【0004】このシザーズギア11から成るドリブンギ
ア6をドライブギア5に噛合させて回転伝達している状
態では、図6に示すように、ドライブギア5を矢印a方
向に回転すると、その歯5aがメインギア12の歯12
aに着力点pで当接してメインギア12を矢印b方向に
回転駆動し、ドライブギア5の歯5aの後に生じるバッ
クラッシュはばね18の付勢力により後続するサブギア
13の歯13aがドライブギア5の歯5aに回転方向後
方側から着力点qで圧接することによって除去され、こ
れによって負トルク時でも着力点pが離れず、歯打ちが
防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ド
ライブギア5と、シザーズギア11から成るドリブンギ
ア6とを噛合させたシザーズギア機構においては、ドラ
イブギア5の歯5aに対して、図7に示すように、メイ
ンギア12の歯12aから受ける押圧反力Pとサブギア
13の歯13aによる押圧力Qが歯すじ方向に異なった
位置で互いに反対方向作用することになり、そのために
ドライブギア5の歯5aに図7(a)に破線で示すよう
な歯すじ方向の捩じれを生じることになり、この捩じれ
によって歯当たり不良を招き、騒音や摩耗を発生し、そ
の解消が課題となっていた。
【0006】なお、実開昭61−204057号公報や
実開平1−63850号公報には、ドライブギア側を歯
のねじれ方向の異なる一対のヘリカルギアにて構成し、
ドリブンギア側のメインギアとサブギアがスラスト力を
受けて相互に接近するようにしたものが開示されている
が、上記課題の解決を目的とするものではなく、かつド
ライブギアを複数のギアで構成しているためコスト高に
なってしまう。
【0007】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、ドライブギアの歯の捩じれ変形による歯当たり不良
を生じず、騒音や摩耗を低減できるシザーズギア機構を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ドライブギア
とドリブンギアとを備え、ドリブンギアはメインギアと
サブギアを相対回転可能にかつ重ねて組み合わせるとと
もに両ギアが互いに反対方向に回転付勢されたシザーズ
ギアから成るシザーズギア機構において、ドライブギア
に、メインギアとサブギアの重合面に対応する位置で歯
を歯すじ方向に分割する切溝を設け、メインギアとサブ
ギアの歯がドライブギアの歯にそれぞれ反対方向から当
接して押圧しても、その着力点が切溝によって互いに縁
切りされていることによってそれぞれ独立して変形し、
歯すじ方向の捩じれを発生せず、歯当たり不良を生じな
いようにしている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図
1、図2を参照して説明する。なお、シザーズギア機構
の配設状態及びシザーズギアの構成は、図3、図4を参
照して説明した従来例のものと同一であり、その説明を
援用してここでの説明は省略する。
【0010】図1において、5はドライブギア、6はシ
ザーズギア11から成るドリブンギアである。シザーズ
ギア11は、メインギア12とサブギア13にて構成さ
れ、メインギア12は従動側の軸(図示せず)に固定さ
れ、このメインギア12に対してサブギア13は相対回
転可能にかつ重ねて組み合わされ、またサブギア13を
メインギア12の回転方向に回転付勢する手段を内蔵し
ている。
【0011】ドライブギア5の歯5aに対して、ドリブ
ンギア6におけるメインギア12の歯12aとサブギア
13の歯13aが噛合しており、その噛合状態ではドラ
イブギア5の歯5aの回転方向前方の歯面がメインギア
12の歯12aの回転方向後方側の歯面に着力点pで当
接して押圧する一方、サブギア13が回転付勢手段にて
付勢されているのでその歯13aがドライブギア5の歯
5aの後側の歯面に着力点qで当接して押圧している。
そして、ドライブギア5には、メインギア12とサブギ
ア13の重合面に対応する位置で歯5aを歯すじ方向に
分割する切溝8が設けられている。
【0012】以上の構成によると、ドライブギア5を図
1の矢印a方向に回転するとその歯5aがメインギア1
2の歯12aに着力点pで当接してメインギア12を矢
印b方向に回転駆動し、ドライブギア5の歯5aの後に
生じるバックラッシュはサブギア13の回転付勢力によ
り後続するサブギア13の歯13aがドライブギア5の
歯5aの回転方向後方側の着力点qに圧接することによ
って除去され、負トルク時でも着力点pが離れることが
なく、歯打ちが防止される。
【0013】この噛合回転状態において、ドライブギア
5の歯5aには、図2に示すように、メインギア12の
歯12aから受ける押圧反力Pとサブギア13の歯13
aによる押圧力Qが歯すじ方向に異なった位置で互いに
反対方向作用することになる。しかし、図2に示すよう
に、ドライブギア5の歯5aが切溝8にてその歯すじ方
向に分割されてメインギア12に対応部分とサブギア1
3に対応する部分とに分離されているので、メインギア
12とサブギア13の歯12a、13aがドライブギア
5の歯5aにそれぞれ反対方向から当接して押圧して
も、その着力点p、qが切溝8によって互いに縁切りさ
れているために破線で示すように歯すじが捩じれること
なくそれぞれ独立して変形することになる。従って、歯
当たり不良を生じず、騒音や摩耗の発生を抑制すること
ができる。また、ドライブギア5の歯5aの歯幅が切溝
8によって分割されてそれぞれ小さくなるため、その歯
5aの剛性が低下して変形が大きくなるため、特に低負
荷時にも歯ピッチ誤差を吸収することができ、各歯への
力の分担が向上し、騒音を低減することができるという
効果も発揮する。
【0014】なお、切溝8の深さは、歯底よりも深く形
成すると大きな効果が発揮されるが、歯の設計強度や剛
性によって適宜設定すればよく、切溝8が歯底まで達し
なくてもそれなりの効果は発揮される。
【0015】
【発明の効果】本発明のシザーズギア機構によれば、以
上のようにドライブギアに、メインギアとサブギアの重
合面に対応する位置で歯を歯すじ方向に分割する切溝を
設けているので、メインギアとサブギアの歯がドライブ
ギアの歯にそれぞれ反対方向から当接して押圧しても、
その着力点が切溝によって互いに縁切りされているため
に、それぞれ押圧力を受けた方向に独立して変形し、そ
のため歯面が歯すじ方向に捩じれず、歯当たり不良を生
じることがなく、騒音や摩耗の発生を抑制することがで
きる。さらに、歯幅が小さくなるため、ドライブギアの
歯の剛性が低下して変形が大きくなるため、特に低負荷
時にも歯ピッチ誤差を吸収することができて、各歯への
力の分担が向上し、騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のシザーズギア機構におけ
るドライブギアとドリブンギアの噛合部を示し、(a)
は横断平面図、(b)は正面図である。
【図2】同実施形態におけるドライブギアの歯に作用す
る力と変形状態の説明図であり、(a)は平面図、
(b)は正面図である。
【図3】従来例のシザーズギア機構の配設状態を示す斜
視図である。
【図4】従来例のジザーズギアの分解斜視図である。
【図5】従来例のジザーズギアの斜視図である。
【図6】従来例のシザーズギア機構におけるドライブギ
アとドリブンギアの噛合部を示し、(a)は横断平面
図、(b)は正面図である。
【図7】従来例におけるドライブギアの歯に作用する力
と変形状態の説明図であり、(a)は平面図、(b)は
正面図である。
【符号の説明】
5 ドライブギア 5a ドライブギア5の歯 6 ドリブンギア 8 切溝 11 シザーズギア 12 メインギア 12a メインギア12の歯 13 サブギア 13a サブギア13の歯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 55/00 - 55/30 F16H 1/00 - 1/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドライブギアとドリブンギアとを備え、
    ドリブンギアがメインギアとサブギアを相対回転可能に
    かつ重ねて組み合わせるとともに両ギアが互いに反対方
    向に回転付勢されたシザーズギアから成るシザーズギア
    機構において、ドライブギアに、メインギアとサブギア
    の重合面に対応する位置で歯を歯すじ方向に分割する切
    溝を設けたことを特徴とするシザーズギア機構。
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US5979260A (en) 1997-05-08 1999-11-09 Cummins Engine Company, Inc. Anti-lash gear assembly
JP3971941B2 (ja) 2002-03-05 2007-09-05 三洋電機株式会社 データ記憶装置
JP4722761B2 (ja) * 2006-05-08 2011-07-13 株式会社稲坂歯車製作所 伝動装置
CN104514864B (zh) * 2013-09-30 2017-09-29 上海汽车集团股份有限公司 一种变齿隙齿轮及使用其的齿轮传动方法

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