JP3271457B2 - 自動販売機の縦積み式商品収納ラック - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たばこ等の箱形商品を
販売する自動販売機に搭載した縦積み式商品収納ラック
に関する。

【０００２】

【従来の技術】頭記したたばこ自動販売機の商品収納ラ
ックとして、前面を開放したラックケースの各コラム内
に積み上げ収納した商品をプッシャ式ベンド機構の操作
により最下位から順に１個ずつ瀬切りして前方に搬出す
るよう構成したものが、例えば特開平３−１５４９９５
号公報などに開示されて公知である。

【０００３】図６（ａ),（ｂ）は、かかるプッシャ式ベ
ンド機構と組合わせた縦積み式商品収納ラックの従来構
造を示すものであり、図において、１は前面開放形の縦
長なラックケース、２は左右一列に並ぶコラム３を画成
する仕切隔壁、４は各コラム３ごとにその底部側に配備
したプッシャ式ベンド機構、５は各コラム３ごとにベン
ド機構４のステージ４ａ上に積み上げ収納した商品であ
る。また、ラックケース１の前面側には、各コラムごと
にベンド機構４のステージ４ａとの間に商品１個分に相
応したゲート通路を隔てて対向する商品瀬切り用のゲー
ト部材６，およびコラム内に積み上げ収納した商品５を
前方から支えて転倒，脱落を防ぐクランク軸形の支持ガ
イド棒７を備えている。ここで、ゲート部材６はラック
ケース１の前方に敷設したレール状のゲート取付台８の
上に並べてねじ止めされており、支持ガイド棒７はゲー
ト部材６と上部の取付板９との間にまたがって架設され
ている。

【０００４】かかる構成による商品販売動作は周知であ
り、販売指令に基づいてプッシャ式ベンド機構４が動作
すると、プッシャ４ｂが最下位に並ぶ商品５を後方から
押し出すとともに、その商品は前記ゲート部材６との間
のゲート通路を擦り抜けて前方に搬出し、シュータ（図
示せず）を経て商品取出口に送出される。また、販売商
品をサイズの異なる商品に変更する場合には、その商品
のサイズに合わせてゲート部材６の取付け位置を前後方
向に調節する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した縦
積み式商品収納ラックの従来構造では、ラックに商品を
補充する際に、ゲート部材６，ゲート取付台８が障害物
となって商品の補充作業がやり難くなるといった難点が
ある。すなわち、たばこ自動販売機などでは、商品収納
ラックのコラム３が左右，上下段に並んで仕切られてお
り、コラムへ商品を補充する際には、まず支持ガイド棒
７を手動操作によりコラムの側方へ退避させ、次にゲー
ト部材６の上方からコラム内に手を差し入れて複数個ず
つ商品５を積み上げ装填するようにしている。このため
に、商品売切状態で空になったコラム内に商品を装填す
る場合に、特に高い位置に並ぶ上段コラム，あるいは商
品収納数の少ないコラムでは、コラム３の前方に横切っ
ているゲート取付台８，およびゲート部材６がコラムの
前面一部を塞ぐことになり、商品の補充作業が非常にや
り難くなる。また、ゲート取付台８，およびゲート部材
６が邪魔になってコラム内の残っている商品の銘柄，数
量を目視確認し難いことから、誤って異なる銘柄の商品
を装填するなどの商品ローディングミスを引き起こし易
い。

【０００６】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、前記課題を解決してコラムへの商品補充が楽に
行えるようにした自動販売機の縦積み式商品収納ラッ
ク、特にラックに組み込んだゲート機構を提供すること
を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、ラックケースの各コラム毎に、そ
の前面に上端を支点に水平姿勢の商品補充位置，垂下姿
勢の商品販売位置へ揺動可能な商品支持ガイド兼用のレ
バー式ゲート機構を備え、該ゲート機構が、ラックケー
スの前面上部に配備され、その固定位置を商品のサイズ
に合わせて前後方向に調節可能な取付基板と、該取付基
板にヒンジピンを介して上端を軸支した商品支持ガイド
兼用のゲート板と、該ゲート板を水平姿勢の商品補充位
置，および垂下姿勢の商品販売位置に係止保持するスト
ッパ機構とからなり、前記ストッパ機構を、ゲート板に
添わせて案内支持された把手付きのスライド式ストッパ
片と、該ストッパ片の上端から左右側方に突出したスト
ッパピンと、該ストッパピンと嵌合してゲート板を商品
販売位置，および商品補充位置に係止するよう取付基板
の側壁面に穿孔した異形案内溝と、ストッパ片を係止位
置に鎖錠する付勢ばねとから構成するものとする。構成
するものとする。

【０００８】

【作用】上記の構成において、商品販売時にはゲート板
を垂下姿勢の位置に鎖錠してラックケースのコラム前面
を塞ぎ、コラム内に積み上げた収納商品が転倒，脱落す
るのを防ぐとともに、この位置でゲート板の先端とこれ
に対向するベンド機構のステージとの間には商品１個分
に相応した高さのゲート通路を確保する。

【０００９】一方、コラムへ商品を補充する際には、ゲ
ート板の鎖錠を解いた上で該ゲート板を上方へ跳ね上げ
て水平姿勢に移してこの位置に鎖錠する。これにより、
コラムの前面が上端から下端まで開放状態となり、した
がって手を自由に差し入れてコラム内に商品を楽に積み
上げ装填することができる。この場合に、コラムの前面
には障害物がないので奥まで覗くことができ、コラム内
に残っている商品の銘柄，数量が目視確認できる。そし
て、商品補充後にゲート板を垂下姿勢に戻せば再び販売
状態に復帰する。

【００１０】この場合に、ストッパ機構を採用すること
により、ゲート板の商品販売位置，商品補充位置への鎖
錠，および把手操作で鎖錠の釈放が簡単に行える。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 実施例１： 図１ないし図４において、本発明による商品支持ガイド
兼用のレバー式ゲート機構は、ラックケースの前面上部
に配置した取付板９（図６参照）にねじ止め固定した取
付基板１０と、該取付基板１０にヒンジピン１１を介し
て揺動自在に吊り下げた商品支持ガイドを兼ねる長尺な
ゲート板１２と、該ゲート板１２を水平姿勢の商品補充
位置，および垂下姿勢の商品販売位置に係止保持するス
トッパ片１３と、ゲート板１２の先端に取付けた調節板
１４との組立体としてなり、図７で述べたゲート部材
６，支持ガイド棒７，ゲート取付台８の代替え部品とし
てラックケースのコラム前面に装備される。

【００１２】ここで、取付基板１０は断面逆Ｕ字形の枠
であり、その上面には商品５の長さサイズＬに合わせて
取付板９への固定位置を前後方向に調節する長穴式のね
じ穴１０ａを備えている。また、前記ストッパ片１３は
樋状になるゲート板１２の中にスライド可能に組み込ま
れており、その上端から左右に突き出たストッパピン１
３ａがゲート板１２の側壁に開口した長穴１２ａを貫通
して取付基板１０の側壁面に穿孔した異形案内溝１０ｂ
に嵌まり込んでいる。さらに、ストッパ片の下端には把
手１３ｂが前方に突出しており、該把手１３ｂと対向し
てゲート板１２に設けた把手１２ｂとの間にはストッパ
片を係止位置に鎖錠する付勢ばね（圧縮ばね）１５が介
装されている。ここで、前記の異形案内溝１０ｂは、ヒ
ンジピン１１を中心とした円弧角９０゜の円弧状案内溝
部と、該案内溝部の両端から水平，および垂直方向に延
在する係止溝部を有する。また、調節片１４は、連結ピ
ン１６を介してゲート板１２に結合されており、かつ調
節片１４の先端とベンド機構４のステージ面との間に設
定したゲート通路１７の高さＡを商品１個分の厚さｄに
合わせて調節するように、調節板１４には位置をずらし
て複数段のピン穴が開口している。

【００１３】かかる構成で、商品販売時には図１で表す
ように、ゲート板１２は垂下姿勢に係止保持されてコラ
ム３の前面を塞いでおり、この位置でコラム内に積み上
げ収納した商品５が前方に転倒，脱落するのを防ぐとと
もに、ゲート板１２とベンド機構４のステージ面の間に
商品５を１個ずつ瀬切りするゲート通路１７を確保す
る。これにより、図７と同様に販売動作ごとに商品５が
最下位から順に１個ずつ搬出される。なお、この商品販
売位置では、ゲート板１２に添わせたストッパ片１３の
ストッパピン１３ａが異形案内溝１０ｂの垂直係止溝部
に嵌まり込み、付勢ばね１５のばね力でこの位置に鎖錠
されている。

【００１４】一方、商品補充時には把手１２ｂと１３ｂ
に手を掛け、付勢ばね１５に抗してストッパ片１３を上
方にスライド操作し、ストッパピン１３ａを案内溝１０
ａの垂直係止溝部から抜き出してゲート板１２の鎖錠状
態を解く。続いてストッパピン１３ａを異形案内溝１０
ｂの円弧状案内溝部に沿って移動しながら、ゲート板１
２を図４で示すように上方に跳ね上げて水平姿勢の商品
補充位置に移し替える。なお、ゲート板１２が水平姿勢
の位置に移動すると、付勢ばね１５のばね力でストッパ
片１３のストッパピン１３ａが自動的に異形案内溝１０
ｂの水平係止溝部に嵌まり込み、ゲート板１２がこの位
置に鎖錠される。この状態になると、コラム３の前面が
上端から下端までの全域が開放状態となるのでコラム内
部の奥まで自由に手を差し入れて商品５を装填すること
ができほか、コラム内に残っている商品の銘柄，数量を
確実に目視確認できる。そして、商品補充が済んだとこ
ろで、前記と同様にストッパ片１３の把手１３ｂを操作
して鎖錠を解くと、ゲート板１２は自重で垂下姿勢に垂
れ下がるとともに、この位置で自動的にロックが掛かっ
て図１に示した販売位置に係止保持される。

【００１５】なお、販売商品５を異なるサイズの商品に
変更する場合には、その商品の長さＬ，厚さｄに合わせ
て取付基板１０の固定位置，および調節板１４の突出し
長さを調節することで簡単に対応できる。

【００１６】実施例２： 次に、前記実施例１のゲート機構を改良した応用実施例
を図５に示す。この実施例は基本的に実施例１の構成と
同様であるが、実施例１の構造に加えて、さらに符号２
５で示す捩じりコイルばね、フラッパ２６，および透視
窓穴２７，２８などの部品が新たに追加装備されてい
る。

【００１７】ここで、捩じりコイルばね２５は、取付基
板１０にゲート板１２を軸支したヒンジピン１１の軸上
に設け、そのばね力でゲート板１１を販売位置に向けて
付勢するようにしている。すなわち、先記実施例１の構
成では、ゲート板１２の自重で水平姿勢の商品補充位置
から垂下姿勢の販売位置へ戻すようにしているが、ゲー
ト板１２とヒンジピン１１との間の摩擦，齧りなどが原
因でしばしばゲート板１２が完全に戻らずに中途半端な
位置に停止してしまってゲート板１２が販売位置に鎖錠
されないことがある。しかも、この状態で販売動作を行
うと、ゲート板が商品支持ガイドの役目を果たさずに、
半開き状態となって商品ラック内に積み上げ収納した商
品が崩れ落ちるといったベンドトラブルを引き起こす。
かかる点、前記の捩じりコイルばね２５を設けてゲート
板１２を販売位置に付勢しておけば、商品ラック内への
商品補充の終了後にストッパを釈放してゲート板１２を
フリーにすると、特に手に力を加えてゲート板を１２を
押し込まなくても、ゲート板１２は捩じりコイルばね２
５のばね力を受けて販売位置へ確実に復帰し、この位置
でストッパ機構が働いて鎖錠される。

【００１８】一方、フラッパ２６はゲート板１２の先端
にスルーピン２６ａを介して軸支されており、かつばね
力の弱い捩じりコイルばね２６ｂで閉方向に付勢されて
いる。かかる構成で、ゲート板１２を垂下姿勢の販売位
置にセットすると、ゲート板１２の先端から下方に突き
出すフラッパ２６（突出し寸法は図１に示したゲート通
路１７の高さに相応する）が商品ラック側のゲート通路
１７を塞ぎ、販売動作時にベンド機構のプッシャが商品
を搬出すると、この搬出商品に押されてフラッパ２６が
開いてゲート通路１７を開放する。つまり、このフラッ
パ２６は販売待機中にはゲート通路を閉じて防盗フラッ
パの役目を果たすほか、自動販売機を揺すったりした場
合でも誤って商品がゲート通路を擦り抜けて落下搬出す
るのを防ぐ役目を果たす。

【００１９】また、先記した透視窓穴２７，２８はそれ
ぞれゲート板１２，およびストッパ片１３の中央部分に
開口されており、ゲート板１２を閉じてラックケース１
（図１参照）の前面を塞いでいる状態でも、この透視窓
穴２７，２８を覗くことにより、ラック内に残っている
商品の在庫量を目視確認できる。

【００２０】

【発明の効果】以上述べた説明から明らかなように、本
発明の構成によれば、次記の効果を奏する。 （１）商品補充時にレバー式ゲート機構を上方位置に跳
ね上げることにより、ラックケースのコラム前面が開放
状態になるので、ゲート部材，ゲート取付台が障害物と
してそのまま残っている従来構造と比べて、コラム内に
手を自由に差し入れることができ、これにより商品補充
の作業を能率よく楽に行える。

【００２１】 （２）また、ゲート機構を上方へ跳ね上げることによ
り、コラムの奥まで覗くことが可能となるので、コラム
内に残っている商品の銘柄，数量を目視確認することが
でき、これにより補充商品の銘柄を間違えるなどの商品
ローディングミスが防げる。 （３）販売時には垂下姿勢に係止保持されているゲート
機構のゲート板自身がコラムの前面を塞いでコラム内に
積み上げ収納した商品の転倒，脱落を防ぐ商品支持ガイ
ドの役目を果たしつつ、その先端とプッシャ式ベンド機
構の間に確保したゲート通路を通じて、ベンド機構の操
作により商品を最下位から順に１個ずつ確実に瀬切りし
て搬出させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１に対応する縦積み式商品収納
ラックのゲート機構の販売位置セット状態を表す構成図

【図２】図１の上面図

【図３】図１の正面図

【図４】図１のゲート機構を商品補充位置に移動セット
した状態を表す図

【図５】本発明の実施例２に対応するゲート機構の正面
図

【図６】従来における縦積み式商品収納ラックの構成図
であり、（ａ）は１コラム分の外観斜視図、（ｂ）プッ
シャ式ベンド機構と組合わせたコラムの断面側視図

【符号の説明】

１ ラックケース ３ コラム ４ プッシャ式ベンド機構 ５ 商品 １０ 取付基板 １０ｂ 異形案内溝 １１ ヒンジピン １２ ゲート板 １３ ストッパ片 １３ａ ストッパピン １３ｂ 把手 １４ 調節片 １５ 付勢ばね ２５ 捩じりコイルばね ２６ フラッパ ２６ｂ 拘束ばね ２７，２８ 透視窓穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−180694（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−116883（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G07F 9/00 - 11/26

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】たばこ等の箱型商品を販売する自動販売機
   の縦積み式商品収納ラックであり、前面を開放したラッ
   クケースの各コラム内に積み上げ収納した商品をベンド
   機構の操作により最下位から順に１個ずつ瀬切りして前
   方に搬出するものにおいて、ラックケースの各コラム毎
   に、その前面に上端を支点に水平姿勢の商品補充位置，
   垂下姿勢の商品販売位置へ揺動可能な商品支持ガイド兼
   用のレバー式ゲート機構を備え、該ゲート機構が、ラッ
   クケースの前面上部に配備され、その固定位置を箱型商
   品の長さサイズに合わせて前後方向に調節可能な取付基
   板と、該取付基板にヒンジピンを介して上端を軸支した
   商品支持ガイド兼用のゲート板と、該ゲート板を水平姿
   勢の商品補充位置，および垂下姿勢の商品販売位置に係
   止保持するストッパ機構とからなり、前記ストッパ機構
   が、ゲート板に添わせて案内支持された把手付きのスラ
   イド式ストッパ片と、該ストッパ片の上端から左右側方
   に突出したストッパピンと、該ストッパピンと嵌合して
   ゲート板を商品販売位置，および商品補充位置に係止す
   るよう取付基板の側壁面に穿孔した異形案内溝と、スト
   ッパ片を係止位置に鎖錠する付勢ばねとからなることを
   特徴とする自動販売機の縦積み式商品収納ラック。