JP3271374B2 - ポリスチレン系フィルム - Google Patents

ポリスチレン系フィルム

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JP3271374B2 JP15036293A JP15036293A JP3271374B2 JP 3271374 B2 JP3271374 B2 JP 3271374B2 JP 15036293 A JP15036293 A JP 15036293A JP 15036293 A JP15036293 A JP 15036293A JP 3271374 B2 JP3271374 B2 JP 3271374B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属、金属酸化物等の
薄膜を表面に有するポリスチレン系フィルムに関し、よ
り詳しくは、熱安定性に優れ、長尺状の該フィルムを巻
取等により走行させたときに走行性が良好であり、かつ
耐摩耗性が充分であるため、薄膜層の表面にフィルムの
削れ粉の発生や滑剤の脱落に基づく薄膜層のピンホール
状欠点や傷等の薄膜欠陥が生じないポリスチレン系フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチック構造をもつポリスチ
レン系重合体が開発され、優れた結晶性を持ち耐熱性や
耐溶剤性に優れた素材であることが知られている。(特
公平3-7685号公報)。これらを用いた延伸フィルムの開
発も行われている(特開平1-110122号、同1-168709号、
同1-182346号、同2-279731号、同3-74437 号、同3-1094
53号、同3-99828 号、同3-124427号、同3-131644号)。
これらシンジオタクチックポリスチレン系フィルムは機
械特性、透明性、耐薬品性、誘電損失や誘電率等の電気
特性が優れており、各種工業用、包装用フィルムに展開
されることが期待されている。これらの中で、フィルム
に金属薄膜層を設けた金属化フィルムが知られている
(特開平2-143851号) 。
【0003】蒸着やスパッタ等により金属薄膜層を設け
る場合には高度の熱収縮特性が要求される。シンジオタ
クチックポリスチレン系フィルムにおいて、高温におけ
る熱収縮特性を良好なものにするためには高温下で比較
的長時間の熱固定処理が必要であった。しかしながら、
シンジオタクチックポリスチレン系フィルムは脆く削れ
が発生しやすいうえに、熱固定処理を厳しくすることに
より、製膜時や蒸着時にフィルムの削れが更に発生しや
すくなり、この削れた粉が欠点となり特性が不良となっ
ていた。また、走行特性を良好とするために添加した微
粒子により生じた突起の中に特性の低下の原因となる欠
点が生じることが分かってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱安定性に
優れ、且つ走行時の削れ粉の発生や表面突起に起因する
薄膜欠点に伴う特性低下が少ない薄膜層を形成したシン
ジオタクチックポリスチレン系フィルムを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、シンジオタク
チック構造を有するポリスチレン重合体を含有する樹脂
組成物と粒子径のばらつき度(標準偏差と平均粒子径と
の比率)が25%以下かつ面積形状係数が60% 以上
の滑剤からなるベースフィルムと、該ベースフィルムの
少なくとも一表面上に設けられた金属および/又は金属
酸化物の薄膜層とを含有するシンジオタクチックポリス
チレン系フィルムであって、150℃における熱収縮率
が3%以下であり、該ポリスチレン系フィルムの薄膜層
表面の三次元表面粗さSRaが0.01μm以上、0.
1μm以下であり、かつ粗さの中心面における1mm 2
面積当りの突起数PCC値(個/mm 2 が PCC値(個/mm 2 ≧20000×SRa(μm) の関係を満足することを特徴とする、熱安定性に優れ、
且つ走行時の削れ粉の発生や表面突起に起因する薄膜欠
点に伴う特性低下が少ない薄膜層を形成したシンジオタ
クチックポリスチレン系フィルムを提供するものであ
る。
【0006】本発明に用いられる立体規則性がシンジオ
タクチック構造であるポリスチレン系重合体は、側鎖で
あるフェニル基又は置換フェニル基が核磁気共鳴法によ
り定量されるタクテイシテイがダイアッド(構成単位が
二個)で85%以上、ペンタッド(構成単位が5個)で50
%以上のシンジオタクチック構造であることが望まし
い。
【0007】該ポリスチレン系重合体としては、ポリス
チレン、ポリ(p-、m-又はo-メチルスチレン)、ポリ
(2,4-、2,5-、3,4-又は3,5-ジメチルスチレン)、ポリ
(p-ターシャリーブチルスチレン)等のポリ(アルキル
スチレン)、ポリ(p-、m-又はo-クロロスチレン)、ポ
リ(p-、m-又はo-ブロモスチレン)、ポリ(p-、m-又は
o-フルオロスチレン)、ポリ(o-メチル-p- フルオロス
チレン)等のポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(p-、
m-又はo-クロロメチルスチレン)等のポリ(ハロゲン置
換アルキルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-メトキシス
チレン)、ポリ(p-、m-又はo-エトキシスチレン)等の
ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-カル
ボキシメチルスチレン)等のポリ(カルボキシアルキル
スチレン)ポリ(p-ビニルベンジルプロピルエーテル)
等のポリ(アルキルエーテルスチレン)、ポリ(p-トリ
メチルシリルスチレン)等のポリ(アルキルシリルスチ
レン)、さらにはポリ(ビニルベンジルジメトキシホス
ファイド)等が挙げられる。本発明においては、前記ポ
リスチレン系重合体のなかで、特にポリスチレンが好適
である。また、本発明で用いるシンジオタクチック構造
を有するポリスチレン系重合体は、必ずしも単一化合物
である必要はなく、シンジオタクティシティが前記範囲
内であればアタクチック構造やアイソタクチック構造の
ポリスチレン系重合体との混合物や、共重合体及びそれ
らの混合物でもよい。
【0008】また本発明に用いるポリスチレン系重合体
は、重量平均分子量が10,000以上、更に好ましくは50,0
00以上である。重量平均分子量が10,000未満のもので
は、強伸度特性や耐熱性に優れたフィルムを得ることが
できない。重量平均分子量の上限について特に限定され
るものではないが、1500,000以上では延伸張力の増大に
伴う破断の発生等が生じることもあり、余り好ましくな
い。
【0009】更に、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン系フィルムは、公知の方法、例えば、縦延伸及び
横延伸を順に行なう逐次二軸延伸方法のほか、横・縦・
縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法等の延
伸方法を採用することができる。本発明におけるシンジ
オタクチックポリスチレン系フィルムは高温における耐
熱性の優れたフィルムを要求されることがあり、その場
合には、これらの延伸方式の選択のほかに、延伸の条件
が大きく影響し、また特に150 ℃の熱収縮率が3%以下と
いうような優れた耐熱性とするためには、熱固定処理、
縦弛緩処理、横弛緩処理等を施すことが好ましい。そし
て、前記の、三次元表面粗さSRa 、粗さの中心面におけ
る単位面積当たりの突起数PCC 値および耐熱性は、フィ
ルムの製膜条件及び滑剤粒子によって調整される。滑剤
粒子の種類及び添加量は粗さの中心面における単位面積
当たりの突起数PCC 値および三次元表面粗さSRaが所
定の範囲内に入るならば特に限定されるものではない
が、シリカ、二酸化チタン、タルク、カオリナイト等の
金属酸化物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸
バリウム等の金属の塩または架橋ポリスチレン樹脂、架
橋アクリル樹脂、シリコン樹脂、および架橋ポリエステ
ル樹脂等の有機ポリマーからなる粒子等のシンジオタク
チックポリスチレン系ポリマーに対し不活性な粒子が例
示される。
【0010】これらの滑剤は、いずれか一種を単独で用
いてもよく、また2種以上を併用してもよいが、使用す
る滑剤の平均粒子径は0.01μm以上3.5μm以下
が好ましく、粒子径のばらつき度(標準偏差と平均粒子
径との比率)が25%以下であることが必要で、添加量
はシンジオタクチックポリスチレン系ポリマー100重
量%に対し0.005重量%以上2.0重量%以下含有
することが好ましく、特に1.0重量%以下が好ましい。
また、滑剤粒子の形状は、面積形状係数が60%以上の
ものが1種類以上含まれていることが走行特性には必要
である。 面積形状係数=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円の面積)×100(%)
【0011】本発明に用いられるポリスチレン系重合体
には必要に応じて、公知の酸化防止剤、帯電防止剤等を
適量配合したものを用いることができる。配合量は、ポ
リスチレン系重合体100 重量%に対して、10重量%以下
が望ましい。10重量%を越えると延伸時に破断が起こり
易くなり、生産安定性が不良となる。また、本発明の薄
膜層を形成するシンジオタクチックポリスチレン系フィ
ルムには、必要に応じて、公知の各種機能、例えば、静
電防止、易接着、走行易滑、走行耐擦傷、等を有するコ
ーティング層等を表面に設けることができる。このコー
ティング層はフィルムの製膜中に行なうインライン・ コ
ーティング方式、あるいはフィルムの延伸・ 熱固定が終
了した後に、改めてコーティングを行なうオフライン・
コーティング方式で設けてもよい。
【0012】本発明における薄膜層を形成したシンジオ
タクチックポリスチレン系フィルムの用途としてはコン
デンサ、磁気記録媒体、透明導電フィルム、フレキシブ
ルプリント基板、ガスバリアフィルム、フレキシブル太
陽電池等として有効に使用される。薄膜層の種類は特に
限定されるものではないが、使用される用途によって決
められ、例えば、磁気記録媒体用では、Co、Ni、Cr、Fe
やこれらの合金、酸化物等が使用され、コンデンサ用に
はAl、Zn等が使用され、更に透明導電フィルムには酸化
インジウム、酸化錫や金等が使用される。
【0013】これらの薄膜層をフィルム上に形成する方
法としては、例えば真空蒸着法、イオンプレーティング
法、スパッタリング法、プラズマ蒸着法、メッキ法、コ
ーティングやラミネーションによる積層等がある。
【0014】本発明のシンジオタクチックポリスチレン
系フィルムの150 ℃における熱収縮率は3%以下、好まし
くは2.0%以下、更に好ましくは1.5%以下である。150 ℃
の熱収縮率が3%を越えると、薄膜層を蒸着やスパッタで
形成するさいしわが発生したり平面性が悪化するために
好ましくない。ここで、熱収縮率を下げるために高温に
フィルムを長時間さらすと脆さが増し耐摩耗性が不良に
なるため、縦延伸処理後に緩和処理を行うことや、熱固
定温度及び時間を一定範囲に保つこと、更に必要に応じ
て熱固定処理後に横及び/又は縦弛緩処理することが好
ましい。ここで、縦延伸後の縦弛緩処理は延伸温度以
上、融点未満の温度で、縦弛緩処理後のフィルムの150
℃の収縮率が5 %以下になるように弛緩処理し、熱固定
処理は220℃以上、融点未満の温度で30秒以内、好まし
くは20秒以内で行い、横及び縦方向の弛緩処理は熱固定
処理の最高温度以下で平面性が乱れない程度に弛緩処理
することが好ましい。
【0015】本発明のシンジオタクチックポリスチレン
系フィルムの薄膜層の三次元表面粗さSRa は0.01μm以
上0.1 μm以下の範囲内にある事が必要である。SRa が
0.01μm未満では走行性が不良になり、0.1 μmを越え
るとフィルムの走行時に突起がフィルムから脱落し薄膜
層にピンホールや傷等の欠陥が生じるため好ましくな
い。
【0016】更に、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン系フィルムの薄膜層の粗さの中心面における単位
面積当たりの突起数PCC 値が PCC ≧20000 ×SRa の関係を満足する必要がある。粗さの中心面における単
位面積当たりの突起数PCC 値がこの範囲を外れると、フ
ィルムの走行性と耐摩耗性の両方の特性を良好とするこ
とが困難となる。
【0017】以上、本発明のポリスチレン系フィルムは
熱収縮率および表面粗さが所定の範囲を満足するため、
薄膜形成時にしわや平面性の乱れ等の発生がなく、表面
突起に起因する薄膜層の欠点やフィルムの走行時の表面
突起の削れによる薄膜層の欠点発生がなく、フィルムの
種々の特性(ガスバリヤ性、ドロップアウトや絶縁破壊
を生じないこと等)が良好である。
【0018】
【実施例】以下に実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。いかに、実施例および比較例で作成されたポリスチ
レン系フィルムおよび用いる滑剤粒子の特性を測定する
方法を示す。
【0019】(1)150 ℃における熱収縮率 無張力の状態で150 ℃の雰囲気中30分におけるフィルム
の収縮率を求めた。
【0020】(2)三次元表面粗さSRa フィルム表面を触針式3次元表面粗さ計(SE-3AK, 株式
会社小坂研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重
30mgの条件化に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.
25mmで、測定長1mm にわたって測定し、2μm ピッチで
500 点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(SP
A-11) に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの
幅方向について2μm 間隔で連続的に150 回、即ちフィ
ルムの幅方向0.3mm にわたって行ない、解析装置にデー
タを取り込ませた。次に、解析装置を用いて、SRa(μ
m)を求めた。
【0021】(3)PCC 値 SRa の算出時における基準高さを有する基準面から0.00
625 μm以上の高さをもつ突起数を1mm2当たりについて
表したもの。
【0022】(4)平均粒子径 滑剤粒子を(株)日立製作所製S-510 型走査型電子顕微
鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、滑剤
の外形をトレースし任意に200 個の粒子を黒く塗りつぶ
した。この像をニコレ(株)製ルーゼックス500 型画像
解析装置を用いて、それぞれの粒子の水平方向のフェレ
径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。また、粒
子径のばらつき度は下記の式により算出した。 ばらつき度=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)× 100
(%)
【0023】(5)面積形状係数 平均粒子径の測定に用いたトレース像から任意に20個の
粒子を選び(4)で用いた画像解析装置を用いて、それ
ぞれの粒子の投影断面積を測定した。また、それらの粒
子に外接する円の面積を算出し、下記の式により算出し
た。 面積形状係数=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円
の面積)× 100 (%)
【0024】(6)フィルムの走行性、耐摩耗性 フィルムを細幅にスリットし、金属ロールにこすり付け
て走行するとき、一定の供給張力に体してガイドロール
通過後のテープの張力の大小、擦り傷の発生及び白紛の
ロールへの付着量を5段回評価し、次のランク付けで表
す。
【0025】走行性評価 1級;張力大、擦り傷非常に多い 2級;張力やや大、擦り傷多い 3級;張力中、擦り傷ややあり 4級;張力やや小、擦り傷ほとんどなし 5級;張力小、擦り傷なし ここで張力と擦り傷の得られた結果のランクが異なる場
合、悪いほうのランクを採用する。
【0026】耐摩耗性評価 1級;白紛発生非常に多い 2級;白紛発生多い 3級;白紛発生ややあり 4級;白紛発生ほとんどなし 5級;白紛発生なし
【0027】(7)薄膜欠点数 Co-Ni 合金を1500Å蒸着し、1/2インチ幅にスリット
し、VHS 方式のビデオテープレコーダを用いドロップア
ウトの数をドロップアウトカウンターを用いて測定し、
相対評価した。
【0028】(8)平面性 Co-Ni 合金を1500Å蒸着した幅50cmのフィルムをロール
から長さ200cm 巻出し、フィルムの平面性の状態を観察
し5 段回評価し、次のランク付けで表した。 1級;強い張力をかけても波打ち全面にあり 2級;強い張力をかけても波打ち一部あり 3級;強い張力をかけると波打ちなし 4級;弱い張力をかけると波打ちなし 5級;張力をかけなくても波打ちなし
【0029】実施例1 〜3 滑剤として、平均粒子径1.0 μm、ばらつき度20%、面
積形状係数80%の炭酸カルシウムをシンジオタクチック
ポリスチレン(重量平均分子量300000)100 重量%に対
して3.0 重量%添加したポリマーチップと、滑剤の添加
されていないポリマーチップを重量比で0.2 対9.8 (実
施例1)、1対9(実施例1)、1.8 対8.2 (実施例
3)の割合で混合した後、乾燥し、305 ℃で溶融し、80
0 μmのリップギャップのT ダイから押し出し、50℃の
冷却ロールに静電印荷法により密着・ 冷却固化し、135
μmの無定形シートを得た。
【0030】該無定形シートをまずセラッミクロールに
より95℃に予熱し、シリコンゴムロールにより141 ℃に
加熱し、縦方向に3.5 倍延伸し、ついで150 ℃のセラミ
ックロールと40℃の金属ロールの間で18% 縦弛緩処理
し、テンターでフィルムを120℃に予熱し、横方向に延
伸温度120 ℃で1.8 倍延伸し、更に180 ℃で横方向に1.
9 倍延伸し、250 ℃で12秒熱固定処理した。その後、21
5 ℃で3%横弛緩処理し、更に210 ℃で2%縦弛緩処理し
た。得られたフィルムの厚みは14μmであった。得られ
たフィルムの湿度膨張係数は5×10-7/%RHと非常に低い
数値を示し、また熱膨張係数も2×10-5/℃と良好な値
であるため、薄膜層形成後の加工時や使用時における環
境変化による寸法安定性に優れておりCo-Ni 合金を1500
Å蒸着したフィルムの環境変化に基づく薄膜層の剥離、
ひび割れ、そり、波打ち等の欠点発生が生じなかった。
なお、得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0031】比較例1、2 滑剤として、平均粒子径1.0 μm、ばらつき度20% 、面
積形状係数80% の炭酸カルシウムをシンジオタクチック
ポリスチレン(重量平均分子量300000)100 重量%に対
して3.0 重量%添加したポリマーチップと、滑剤の添加
されていないポリマーチップを重量比で0.1 対9.9 (比
較例1 )、2対8(比較例2)の割合で混合した後、乾
燥し、305 ℃で溶融し、800 μmのリップギャップのT
ダイから押し出し、50℃の冷却ロールに静電印荷法によ
り密着・冷却固化し、135 μmの無定形シートを得た以
外は実施例1 と同様の操作を行った。得られたフィルム
の厚みは14μmであった。Co-Ni 合金を1500Å蒸着した
フィルムの環境変化に基づく薄膜層の剥離、ひび割れ、
そり、波打ち等の欠点発生はなかった。得られたフィル
ムの物性を表1 に示す。
【0032】比較例3 滑剤として、平均粒子径2.0 μm、ばらつき度50% 、面
積形状係数80% のシリカをシンジオタクチックポリスチ
レン(重量平均分子量300000)100 重量%に対して0.5
重量%添加したポリマーチップと、滑剤の添加されてい
ないポリマーチップを重量比で1対9の割合で混合した
後、乾燥し、305 ℃で溶融し、800 μmのリップギャッ
プのT ダイから押し出し、50℃の冷却ロールに静電印荷
法により密着・ 冷却固化し、135 μmの無定形シートを
得た以外は実施例1 と同様の操作を行った。得られたフ
ィルムの厚みは14μmであった。Co-Ni 合金を1500Å蒸
着したフィルムの環境変化に基づく薄膜層の剥離、ひび
割れ、そり、波打ち等の欠点発生はなかった。得られた
フィルムの物性を表1 に示す。
【0033】比較例4 滑剤として、平均粒子径1.0 μm、ばらつき度20% 、面
積形状係数80% の炭酸カルシウムをシンジオタクチック
ポリスチレン(重量平均分子量300000)100 重量%に対
して3.0 重量%添加したポリマーチップと、滑剤の添加
されていないポリマーチップを重量比で1対9の割合で
混合した後、乾燥し、305 ℃で溶融し、800 μmのリッ
プギャップのT ダイから押し出し、50℃の冷却ロールに
静電印荷法により密着・ 冷却固化し、130 μmの無定形
シートを得た。縦方向の延伸において、ロールによりフ
ィルム温度を103 ℃に加熱し、3.0 倍縦方向に延伸した
後、テンターでフィルムを120 ℃に予熱し、横方向に延
伸温度120 ℃で3.3 倍延伸し、260 ℃で12秒熱固定処理
した。その後、215 ℃で3%横弛緩処理し、更に210℃で2
%縦弛緩処理した。以外実施例と同様の操作を行った。
得られたフィルムの厚みは14μmであった。Co-Ni 合金
を1500Å蒸着した結果フィルムに波打ちが発生した。フ
ィルムの物性を表1に示す。
【0034】表1より、実施例1 〜4 で得られたベース
フィルム及び薄膜層を有するポリスチレンフィルムは、
薄膜層を形成した後のフィルムの走行時又は使用時の環
境変化によるフィルムの寸法安定性に優れ、かつフィル
ムの環境変化による薄膜層の剥離、薄膜層を有するフィ
ルムのひび割れ、そり及び波打ち等の発生が生じなかっ
た。
【0035】
【発明の効果】以上で明らかなように、本発明のポリス
チレン系フィルムはベースフィルム表面に金属、金属酸
化物等の薄膜を有し、熱安定性を有し(高温化でも熱収
縮がない)、走行性及び耐摩耗性に優れ、走行時に薄膜
層の表面に削れ粉が発生しない。このフィルムは、コン
デンサ、磁気記録媒体、透明導電フィルム、フレキシブ
ルプリント基板、ガスバリアフィルム、フレキシブル太
陽電池等に利用することができる。
【0036】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの走行性および耐摩耗製を評価するた
めに用いられる装置の模式図である。
【符号の説明】 1 フィルム 21 キャプスタン 22 張力検出装置 23 固定金属ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−143851(JP,A) 特開 平4−103757(JP,A) 特開 平2−279731(JP,A) 特開 昭61−295023(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクチック構造を有するポリス
    チレン重合体を含有する樹脂組成物と粒子径のばらつき
    度(標準偏差と平均粒子径との比率)が25%以下かつ
    面積形状係数が60% 以上の滑剤からなるベースフィ
    ルムと、該ベースフィルムの少なくとも一表面上に設け
    られた金属および/又は金属酸化物の薄膜層とを含有す
    るシンジオタクチックポリスチレン系フィルムであっ
    て、ポリスチレン系フィルムの150℃における熱収縮
    率が3%以下であり、該ポリスチレン系フィルムの薄膜
    層表面の三次元表面粗さSRaが0.01μm以上、
    0.1μm以下であり、かつ粗さの中心面における1m
    2 面積当りの突起数PCC値(個/mm 2 が PCC値(個/mm 2 ≧20000×SRa(μm) の関係を満足することを特徴とするポリスチレン系フィ
    ルム。
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