JP2003205586A - 脂肪族ポリエステル系フィルム及び防湿性脂肪族ポリエステル系フィルム - Google Patents

脂肪族ポリエステル系フィルム及び防湿性脂肪族ポリエステル系フィルム

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JP2003205586A
JP2003205586A JP2002004262A JP2002004262A JP2003205586A JP 2003205586 A JP2003205586 A JP 2003205586A JP 2002004262 A JP2002004262 A JP 2002004262A JP 2002004262 A JP2002004262 A JP 2002004262A JP 2003205586 A JP2003205586 A JP 2003205586A
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aliphatic polyester
film
layer
inorganic
polyester film
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JP2002004262A
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Toshiyuki Aritake
利行 有竹
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸着膜を形成させても防湿性を保持する脂肪
族ポリエステル系フィルム、及びこれに蒸着膜を形成さ
せた防湿性脂肪族ポリエステル系フィルムを提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 少なくとも3層からなる共押出2軸配向
脂肪族ポリエステル系フィルムにおいて、2つの最外層
のうち少なくとも1層が無機系粒子含有層であって、こ
の無機系粒子含有層の厚み、無機系粒子の最大粒径及び
無機系粒子の平均粒径が所定の関係を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2軸延伸配向脂
肪族ポリエステルフィルム及び、そのフィルムに防湿性
を付与した脂肪族ポリエステル系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプラスチック製品の多く、特にプ
ラスチック包装材は、使用後すぐに棄却されることが多
く、その処理の問題が指摘されている。一般包装用プラ
スチックとして代表的なものとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、PET等があげられるが、これら材料
は燃焼時の発熱量が多く、燃焼処理中に燃焼炉を傷める
恐れがある。さらに、現在でも使用量の多いポリ塩化ビ
ニルは、自己消火性のため燃焼することができない。ま
た、このような焼却できない材料も含めプラスチック製
品は埋め立て処理されることが多いが、その化学的、生
物的安定性のためほとんど分解せず残留し、埋立地の寿
命を短くする等の問題を起こしている。これに対し、燃
焼熱量が低く、土壌中で分解し、かつ安全であるものが
望まれ、多くの研究がされている。
【0003】その一例として、ポリ乳酸があげられる。
ポリ乳酸は、燃焼熱量はポリエチレンの半分以下であ
り、土中・水中で自然に加水分解が進行し、次いで微生
物により無害な分解物となる。現在、ポリ乳酸を用いて
成形物、具体的にはフィルム・シートやボトルなどの容
器等を得る研究がなされている。
【0004】ところで、ポリ乳酸からなるフィルムを製
造する場合、フィルムの滑りが悪いと、フィルムの生産
中、あるいは印刷やラミネート等の二次加工において、
ワインダー等で連続して巻き取る際に、フィルムの蛇行
や、しわが入るなどの問題を生じる。これに対し、無機
系粒子等をフィルム内に含有させることにより、表面の
滑り性を改良にしたフィルムが検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
滑り性を改良したフィルムに蒸着膜を形成させて、防湿
性を付与させる場合、この防湿性フィルムの巻き替え等
において、上記無機系粒子等の脱落や移動等によってピ
ンホールが生じ、防湿性が低下する場合がある。
【0006】そこで、この発明は、蒸着膜を形成させて
も防湿性を保持する脂肪族ポリエステル系フィルム、及
びこれに蒸着膜を形成させた防湿性脂肪族ポリエステル
系フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、少なくとも
3層からなる共押出2軸配向脂肪族ポリエステル系フィ
ルムにおいて、2つの最外層のうち少なくとも1層が無
機系粒子含有層であって、この無機系粒子含有層の厚み
をa(μm)、無機系粒子の最大粒径をb(μm)、無
機系粒子の平均粒径c(μm)としたとき、下記の式
(1)〜式(4)の全てを同時に満たすことを特徴とす
ることにより、上記の課題を解決したのである。 1≦a≦15 (1) 0.5≦b≦2.5a (2) 0.1≦c≦5 (3) c≦a (4)
【0008】また、上記の脂肪族ポリエステル系フィル
ムを構成する上記無機系粒子含有層の少なくとも片側
に、アルミニウムを主成分としてマグネシウム、シリコ
ン、タンタル、チタン、硼素、カルシウム、バリウム、
炭素、マンガンを少なくとも1種の元素を含む合金の薄
膜層を形成させることにより、防湿性脂肪族ポリエステ
ル系フィルムを得ることができる。
【0009】無機系粒子含有層の厚み、無機系粒子の最
大粒径及び平均粒径を所定の関係に設定したので、蒸着
膜を形成させても、ピンホールの発生が抑制され、防湿
性が保持される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。この発明にかかる脂肪族ポリエステル系フィルム
は、少なくとも3層からなる共押出2軸配向脂肪族ポリ
エステル系フィルムであり、表裏面の2つの最外層のう
ち少なくとも1層が無機系粒子含有層である。
【0011】上記脂肪族ポリエステルとは、ポリ乳酸系
重合体を主成分とする樹脂である。上記ポリ乳酸系重合
体とは、L−、D−、またはDL−乳酸単位を主成分と
する重合体をいい、ポリ乳酸のみの重合体、または、L
−、D−、またはDL−乳酸とヒドロキシカルボン酸、
脂肪族ジカルボン酸(脂環族も含む。以下同じ)および
/または脂肪族ジオールとの共重合体でありポリ乳酸成
分を50%以上含むものがあげられる。
【0012】上記ポリ乳酸系重合体の重合法としては、
縮重合法、開環重合法等公知の方法を採用することがで
きる。例えば、縮重合法では、L−乳酸、D−乳酸、あ
るいは、これらと上記ほかのモノマーの混合物を直接脱
水縮合重合することにより、任意の組成を持ったポリ乳
酸系重合体を得ることができる。
【0013】また、開環重合法(ラクチド法)では、乳
酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調
整剤などを用いながら、選ばれた触媒を使用して、必要
に応じて上記ほかのモノマーを混合して重合させること
により、ポリ乳酸系重合体を得ることができる。
【0014】この発明に使用されるポリ乳酸系重合体の
重量平均分子量の好ましい範囲としては、6万〜70万
であり、より好ましくは、6万〜40万、とくに好まし
くは6万〜30万である。分子量が6万より小さいと機
械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現せず、70
万より大きいと溶融粘度が高すぎ成形加工性に劣る場合
がある。
【0015】また、上記無機系粒子含有層を構成するポ
リ乳酸系重合体の重量平均分子量は、上記2つの最外層
に挟まれる中間層の少なくとも1層を構成するポリ乳酸
系重合体の重量平均分子量以上であることが表層に含有
する無機系粒子が適度に中間層側にも部分埋没し、脱落
しづらくなり、好ましい。
【0016】すなわち、上記無機系粒子含有層を構成す
るポリ乳酸の重量平均分子量をX、上記中間層のうち少
なくとも1層を構成するポリ乳酸の重量平均分子量をY
としたとき、下記式を満たす場合が好ましい。 60,000≦Y≦X
【0017】上記無機系粒子含有層や中間層のうち少な
くとも1層を構成する脂肪族ポリエステル中のポリ乳酸
系重合体中のL−乳酸とD−乳酸の割合は、好ましい表
面特性を得るために、100:0〜94:6若しくは
6:94〜0:100が好ましい。94:6より小さ
く、又は6:94より大きい場合は、延伸後の熱処理に
おいて十分に結晶化させることができず、フィルムの熱
収縮率を抑制することができない場合がある。また、延
伸後、配向の緩和が起こり、配向の効果による物性向上
が見られなくなる場合がある。さらに、後述するように
延伸時に配合した無機系粒子が突起して、表面が粗さ
れ、フィルムの滑り性が向上するが、結晶性の低いある
いは結晶化しないポリ乳酸重合体では熱処理工程でフィ
ルムの配向緩和とともに突起した無機系粒子が再び、フ
ィルム内部に埋没してしまい、滑りの良好なフィルムを
えることができない場合がある。この発明において、熱
処理工程を経る配向フィルムの製造における無機系粒子
の配合と共に結晶性の高い上記範囲のポリ乳酸系重合体
を使用することは極めて重要である。
【0018】また、上記無機系粒子含有層や中間層のう
ち少なくとも1層を構成する脂肪族ポリエステル中のポ
リ乳酸系重合体の含有量は、70重量%以上が好まし
く、80重量%以上がより好ましい。70重量%より少
ないと、耐熱性が劣る場合がある。
【0019】上記ポリ乳酸に共重合される他のヒドロキ
シカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、又は脂肪族ジオー
ル等の他のモノマーとしては、次のものがあげられる。
すなわち、乳酸として所定の光学異性体を有する乳酸を
持つ場合は、他の光学異性体を有する乳酸(例えば、L
−乳酸に対してD−乳酸、D−乳酸に対してL−乳酸)
があげられる。また、ヒドロキシカルボン酸としては、
グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪
酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,
3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、
2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能
脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロ
ラクトン、バレロラクトン等のラクトン類があげられ
る。
【0020】上記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク
酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸等の脂肪族ジカルボン酸、又はこれらの無水物や誘導
体があげられる。また、脂肪族ジオールとしては、エチ
レングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、
オクタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘ
キサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪
族ジオール、又はこれらの誘導体があげられる。いずれ
も、炭素数2〜10のアルキレン基又はシクロアルキレ
ン基を持つ、2官能性化合物を主成分とするものが好ま
しい。もちろん、これらカルボン酸成分あるいはアルコ
ール成分のいずれにおいても、2種類以上用いても構わ
ない。
【0021】さらに、上記脂肪族ポリエステルには少量
共重合として、(a)3官能基以上のカルボン酸、アル
コール又はヒドロキシカルボン酸単位、(b)非脂肪族
ジカルボン酸単位及び/又は非脂肪族ジオール単位、を
含んでもよく、また少量の鎖延長剤残基を含んでもよ
い。
【0022】上記(a)の単位は、溶融粘度の向上のた
めポリマー中に分岐を設ける目的で用いられ、具体的に
は、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸あるいはペンタエリスリットやトリメチロ
ールプロパン等の多官能性成分があげられる。これらの
成分は多量に用いると、得られるポリマーが架橋構造を
持ち、熱可塑性でなくなったり、熱可塑性であっても部
分的に高度に架橋構造を持ったミクロゲルが生じ、フィ
ルムにしたときフィッシュアイとなる恐れがある。従っ
て、これら多官能性成分が、ポリマー中に含まれる割合
は、ごくわずかで、ポリマーの化学的性質、物理的性質
を大きく左右しない程度に制限される。
【0023】また、上記(b)においては、非脂肪族ジ
カルボン酸の具体例としては、テレフタル酸等があげら
れ、また、非脂肪族ジオールとしては、ビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物等があげられる。
【0024】上記脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸系重
合体を主成分として含有するが、これ以外の樹脂成分
(以下、「他樹脂成分」と称する。)を含んでもよい。
透明性の観点から、30重量%以下が好ましく、20重
量%以下が更に好ましい。この他樹脂成分の例として
は、ポリ乳酸系重合体以外の脂肪族ポリエステルがあげ
られる。ポリ乳酸系重合体以外の脂肪族ポリエステルと
は、乳酸以外のヒドロキシカルボン酸の重合体、脂肪族
ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジオールからなるポリエ
ステル等があげられる。ここで使用されるヒドロキシカ
ルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールは、
それぞれ上記と同様である。さらに、上記脂肪族ポリエ
ステルには上記の同様の少量共重合単位を含んでもよ
く、また少量の鎖延長剤残基を含んでもよい。
【0025】上記の脂肪族カルボン酸と脂肪族ジオール
からなるポリエステルを調整するには、直接法、間接法
等公知の方法を採用することができる。例えば、直接法
は、脂肪族カルボン酸と脂肪族ジオールとを、これらの
成分中に含まれる、あるいは重合中に発生する水分を除
去しながら、直接重合して高分子量物を得る方法であ
る。間接法は、オリゴマー程度に重合した後、上記ポリ
乳酸系重合体の場合と同様、少量の鎖延長剤を使用して
高分子量化する間接的な製造方法である。
【0026】上記の他樹脂成分の重量平均分子量は、5
万〜25万が好ましい。重量平均分子量が5万より小さ
いとポリマーとしての性質が劣り、特にヒートシール性
の向上につながらないばかりか、経時的にフィルム表面
にブリードするなどの不具合を生じさせる。また、25
万より大きいと溶融粘度が高くなりすぎて、ポリ乳酸と
の混合性の低下や、ポリ乳酸と同様にフィルムにすると
きの押出成形性の低下を招く。なお、耐衝撃性の改良効
果、耐寒性の点から、他樹脂成分は、ガラス転移点(T
g)が0℃以下であることが好ましい。
【0027】特に好適な他樹脂成分としては、例えばポ
リエチレンスベレート、ポリエチレンセバケート、ポリ
エチレンデカンジカルボキシレート、ポリブチレンサク
シネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバ
ケート、ポリブチレンサクシネートアジペートやこれら
の共重合体があげられる。
【0028】この発明においては、上記他樹脂成分とと
もに、又は他樹脂成分に代えて、ポリ乳酸系重合体と他
樹脂成分とのブロック共重合体(その一部エステル交換
生成物、少量の鎖延長剤残基を含んだ生成物も含む。)
を使用することもできる。このブロック共重合体は、任
意の方法で調整することができる。例えば、ポリ乳酸系
重合体又は他樹脂成分のいずれか一方を別途重合体とし
て準備しておき、この重合体の存在下に他方の構成モノ
マーを重合させる。通常は、予め準備した他樹脂成分の
存在下でラクチドの重合を行うことにより、ポリ乳酸と
他樹脂成分のブロック共重合体を得る。基本的には、他
樹脂成分を共存させる点が相違するだけで、ラクチド法
でポリ乳酸系重合体を調整する場合と同様に重合を行う
ことができる。この時、ラクチドの重合が進行すると同
時に、ポリ乳酸と他樹脂成分の間で適度なエステル交換
反応が起こり、比較的ランダム性が高い共重合体が得ら
れる。出発物質として、ウレタン結合を有する脂肪族ポ
リエステルウレタンを用いた場合には、エステル−アミ
ド交換も生成する。
【0029】上記無機系粒子含有層に含有される無機系
粒子とは、無機物質の粒子をいう。この無機系粒子を構
成する無機物質としては、シリカ等の二酸化ケイ素、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、二酸化チタ
ン、カオリン、アルミナ等があげられ、好ましくは、シ
リカ等の二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、タルク、二酸化チタン、カオリンがあげられ、特
に好ましくは、シリカ等の二酸化ケイ素である。更に、
連鎖状の二酸化ケイ素粒子を用いると、フィルム製造時
や、アンカーコート、薄膜形成工程時の粒子の脱落も少
なく好ましい。上記無機系粒子は上記のうち1種のみを
使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよ
い。
【0030】上記の無機系粒子の配合量は、無機系粒子
含有層の脂肪族ポリエステル100重量部に対し、0.
01〜6重量部が好ましく、0.01〜5重量部がより
好ましく、0.01〜1重量部が更に好ましい。0.0
1重量部より少ないと滑性を与える効果が出ない場合が
ある。また、6重量部より多いと、粒子の脱落や透明性
の劣化が生じる場合がある。
【0031】また、透明性が必要なフィルムにおいて
は、上記無機系粒子の配合量をできるだけ減らしておく
ことが望ましい。また、配合量を少なくしても、粒径が
大きいと透明なフィルムが得難い。透明性の定義として
はヘーズを用いることができる。これは、JIS K
7105で測定することができる。このヘーズは、10
%以下のものが好ましい。ヘーズが10%を越えると十
分な透明性が得られない場合がある。
【0032】さらに、透明性を得たいときは、配合する
無機系粒子の種類や粒径、フィルムの厚みにもよるが、
多くとも0.5部程度にすることが好ましい。それ以上
入れると、フィルムのヘーズが10%を超え、クリア感
に欠ける。
【0033】また、後述するように、防湿性を付与する
ために、薄膜層を形成させる場合において、ピンホール
の発生を防止する必要がある。このため、上記無機系粒
子含有層の厚みをa(μm)、無機系粒子の最大粒径を
b(μm)、無機系粒子の平均粒径c(μm)としたと
き、下記の式(1)〜式(4)の全てを同時に満たす必
要がある。 1≦a≦15 (1) 0.5≦b≦2.5a (2) 0.1≦c≦5 (3) c≦a (4)
【0034】上記無機系粒子含有層の厚みが1μmより
薄いと、実質的に含有粒子を担持しにくくなり、粒子が
脱落しやすくなる。一方、15μmより厚いと、滑り性
付与に必要な表面性を付与しにくい。より好ましい厚み
は、1.5〜10μmである。
【0035】また、上記無機系粒子の最大粒径が0.5
μmより小さいと、フィルムの走行性に適した滑り性を
付与できない。一方、上記無機系粒子含有層の厚みの
2.5倍より大きいと、十分な防湿性を付与できない。
より好ましい最大粒径は、2.0〜15μmであり、か
つ、同時に上記(2)式を満足する範囲である。
【0036】さらに、上記無機系粒子の平均粒径は、大
きいほどフィルムの表面は粗され滑り性は向上し、摩擦
係数が小さくなる特徴を有する。しかし、上記無機系粒
子の平均粒径が0.1μmより小さいと、滑性を与える
効果が低すぎる。一方、5μmより大きいと、表面の平
滑性は低下し、粒子の脱落が起こりやすくなり、フィル
ムに防湿効果を付与するための薄膜を形成するときに薄
膜抜けが発生してピンホールが発生したり、硬度の高い
無機系粒子ではフィルム面同士でこすれあったとき薄膜
に傷等が発生する。より好ましい平均粒径は、0.4〜
4.5μmである。また、防湿性を付与する目的で、無
機薄膜を付与する場合は、更にこの発明の範囲に粒径を
選択することで、良好な防湿性(10g/m2・24h
r以下)を付与することができる。この無機系粒子の平
均粒径は、沈降天秤式測定法、コールターカウンター測
定法、光散乱法等を用いて測定することができる。
【0037】また、無機系粒子の平均粒子の大きさが、
無機系粒子含有層の厚み以下である。無機系粒子の平均
粒子の大きさが、無機系粒子含有層の厚みより大きい
と、粒子脱落が生じやすい。
【0038】この発明にかかる多層2軸配向ポリ乳酸フ
ィルムの製法としては、共押出法が採用される。以下、
この共押出法による積層化の例について説明する。ま
ず、それぞれの層を形成するポリ乳酸系重合体を主成分
とする脂肪族ポリエステルや無機系粒子等を共押出積層
用押出装置に供給する。これらは予め、別の押し出し機
でストランド形状に押し出してペレットを作製しておい
ても良い。いずれも、分解による分子量の低下を考慮し
なければならないが、均一に混合させるには後者を選択
する方がよい。
【0039】上記脂肪族ポリエステルを充分に乾燥し、
水分を除去した後、押出機で溶融する。ポリ乳酸系重合
体は、L−乳酸構造とD−乳酸構造の組成比によって融
点が変化することや、脂肪族ポリエステルの融点と混合
の割合を考慮して、適宜溶融押出温度を選択する。実際
には100〜250℃の温度範囲が通常選ばれる。
【0040】2または3台以上のマルチマニホールドま
たはフィードブロックを用いて積層化し、スリット状の
ダイから3層以上の溶融シートとして押し出す、その
際、それぞれの層の厚みはメルトラインに設置したギア
ポンプ等の定量フィーダーによるポリマーの流量調節に
より設定することができる。また、上記の外層を構成す
るためのマルチマニホールドまたはフィードブロックに
は、上記無機系粒子を溶融樹脂中に供給する。
【0041】次いで、このダイから押し出された溶融シ
ートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下で急冷
固化し、実質的に非晶質の未配向シートを得る。この
際、シートの平滑性や厚さ班を向上させる目的で、シー
トと回転冷却ドラムとの密着性を高める事が好ましく、
この発明においては、静電印加密着法および、または液
体塗布密着法が好ましくは用いられる。これらの混合物
には、諸物性を調整する目的で、熱安定剤、光安定剤、
光吸収剤、可塑剤、無機充填材、着色剤、顔料等を添加
することもできる。
【0042】このようにして得られたフィルムは、延伸
倍率が低いとフィルム表面上に粒子が突起しない。この
ため、粒子を突起させて、フィルムの表面の粗さを向上
させるためには、十分フィルムを配向させておくことが
必要である。具体的には、2軸延伸することにより、配
向されたフィルム(以下、「2軸配向脂肪族ポリエステ
ル系フィルム」と称する。)を得るのがよい。このとき
の配向の指標は、面配向ΔPで3.0×10-3以上がよ
い。これを達成するには少なくとも1軸方向に1.5倍
以上延伸させることが必要である。
【0043】この2軸配向脂肪族ポリエステル系フィル
ムは、2軸方向に延伸し、次いで、固定しながら熱処理
を行う。これにより、熱固定された2軸配向脂肪族ポリ
エステル系フィルムが得られる。このフィルムの縦方向
又は横方向の少なくとも一方の80℃での収縮率が10
%以下であることが好ましい。この収縮率が10%を越
えると、熱収縮しやすく、好ましくない。
【0044】得られた多層2軸配向脂肪族ポリエステル
系フィルムの表面粗さRa(中心線平均粗さ)は、0.
01<Ra≦0.08であることが好ましく、さらにこ
の範囲においてはRz(十点平均粗さ)が2.0以下で
あることがより好ましい。Raが大きいほどフィルムの
表面が粗く、滑り性が高くなる。しかし、Raが大きす
ぎるとフィルムの平滑性が劣ることとなる。平滑性の指
標としては、Rzを用いることができる。Raに比して
この数値が大きいほど、フィルムの凹凸(粗さ)がまば
らであり、均一性がなく、Raの数値に近づくほど凹凸
の大きさも均一であることを示す。RaやRzの測定
は、JIS B 0601に従って測定することができ
る。
【0045】多層2軸配向脂肪族ポリエステル系フィル
ムの摩擦係数は、静摩擦係数で0.8以下がよく、0.
5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。摩擦係
数には、静摩擦係数と動摩擦係数がある。一般的には、
静摩擦係数が小さいと動摩擦も小さくなる。また、静摩
擦係数の方が動摩擦係数よりも大きな数値を示す。フィ
ルムは連続的に生産され、通常はロール状にされる。こ
のとき、フィルム同士が接触するので、フィルムの摩擦
係数が大きいと滑らず、一様にきれいに巻き取ることは
できない。また、その後の蒸着工程やフィルムの加工、
例えば印刷やラミネート、製袋においても同様に問題と
なり、場合によっては静電気を発生させ、生産性を著し
く低下させることもある。このため、静摩擦係数で評価
すると、上記の要件を満たすのがよい。
【0046】得られた2軸配向脂肪族ポリエステル系フ
ィルムの用途として、フィルム表面上に接着剤を塗布し
て紙や金属薄膜、他のプラスチックフィルム等と貼り合
わせることがあるが、熱収縮率が高いと工程内でかかる
温熱により上記フィルムが収縮してしまい、しわ等の外
観を損なったり、ラミネート体がカールする等の問題が
起こりやすくなる。このため、得られた2軸配向脂肪族
ポリエステル系フィルムに防湿性を付与するためには、
薄膜層を蒸着法により形成するのがよい。この薄膜層を
上記脂肪族ポリエステルに蒸着させることにより、防湿
性脂肪族ポリエステル系フィルムが得られる。
【0047】上記の蒸着法としては、EB蒸着、誘導加
熱蒸着、マグネトロンスパッタ法、CVD法等公知の方
法があげられる。また、必要に応じて、密着性向上を目
的にして空気や酸素を若干導入してイオンボンバードを
施すとよい。無機薄膜の厚みの十分な防湿性を付与でき
る下限は20nmであり、経済的な厚みの上限は、10
0nmである。更に好適な範囲は30〜70nmであ
る。
【0048】上記薄膜層としては無機薄膜がよく、この
材質としては、純アルミニウム(99.9at%以上)
を使用することができるが、これ以外に、主成分として
アルミニウムを90.0〜99.8at%とし、マグネ
シウム、シリコン、タンタル、チタン、硼素、カルシウ
ム、バリウム、炭素、マンガンを少なくとも1種以上の
添加元素を0.2〜10.0at%を含む材質がよく、
アルミニウムを92〜99.5at%とし、添加元素を
0.5〜8at%を含む材質が好ましい。これは、純ア
ルミに比較して、薄膜層の結晶が微細化されるため、透
過ガスのパスが長くなること、薄膜の強度が向上し、表
面に凹凸を形成している添加粒子が脱落しづらくなるた
めと考えられる。膜の光沢度を向上させるためには、添
加元素量の添加量の上限は好適には10at%以下、よ
り好適には8at%以下にすることが必要である。
【0049】透明性が特に必要な用途においては、酸化
処理若しくは窒化酸化処理した上記材料からなる薄膜を
用いるとよい。蒸着法においては予め反応次数の低い酸
化物、窒化物を高真空容器中で電子線などにより照射加
熱する。このとき、若干の酸素、窒素を適宜導入して、
反応次数をコントロールする。スパッタ法に置いては、
合金ターゲットを使用し、アルゴンガスに窒素及びもし
くは酸素を適量混合し反応させながら製膜することで目
的の膜を製造できる。
【0050】上記薄膜層と基材となる脂肪族ポリエステ
ル系フィルムとの密着性を向上する目的で、上記薄膜層
を形成する前に、アンカーコートを行っても良い。この
アンカーコートの厚みは、好ましくは、0.01〜5μ
m、更に好ましくは0.1〜2μmである。アンカーコ
ート層には、従来フィルムに蒸着を施すときに下塗り層
として使用される樹脂であれば特に限定されないが、基
材の生分解後の環境問題に配慮して、ポリエステル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビ
ニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ば
れた1種以上で有ることが好ましい。
【0051】上記コート用樹脂の溶剤としては、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロパノールなど
のアルコール系溶剤、シクロヘキサン、ジメチルホルム
アミド、酢酸エチル、ベンゼン、アセトン、テトラハイ
ドロフラン、ジオキサン、クロロホルムなどが使用でき
るが、ポリ乳酸系重合体との密着性からメチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロパノール等のアルコー
ル系溶剤、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、酢
酸エチル、ベンゼンの群から選ばれた1種もしくは2種
以上の混合溶剤を使用すると良い。
【0052】アンカーコートを施すことにより、無機薄
膜膜の密着性を高めることができる。下塗り層の形成方
法も、特に限定されず、グラビアコーティング、リバー
スコーティング、などの樹脂液のコーティングに使用さ
れる方法を樹脂液の性状から適宜選択すればよい。
【0053】得られた防湿性脂肪族ポリエステル系フィ
ルムの薄膜層側から測定した光沢度は、400%以上が
よく、500%以上が好ましい。400%より低いと、
高級感に欠ける。
【0054】また、得られた防湿性脂肪族ポリエステル
系フィルムの透湿度は、10g/m2・24hr・at
m以下がよく、7g/m2・24hr・atm以下が好
ましい。10g/m2・24hr・atmより大きい
と、十分な防湿機能を有していない。例えば、包装材料
としての使用が不適となる。
【0055】
【実施例】以下、この発明について実施例を用いてより
詳細に説明するが、これらによりこの発明は何ら制限を
受けるものではない。なお、実施例及び比較例における
物性値等は、下記の方法によって測定、評価し、また、
使用したポリ乳酸系重合体は、下記の方法で製造した。
【0056】[重量平均分子量]東ソー製HLC−81
20GPCゲルパーミエーションクロマトグラフ装置を
用い、以下の測定条件で、標準ポリスチレンで検量線を
作製し、重量平均分子量を求めた。 ・使用カラム:島津製作所製Shim−Packシリー
ズ GPC−801C GPC−804C GPC−806C GPC−8025C GPC−800CP ・溶媒:クロロホルム ・サンプル溶液濃度:O.2wt/vol% ・サンプル溶液注入量:200μl ・溶媒流速:1.0ml/分 ・ポンプ、カラム、検出器温度:40℃
【0057】[光沢度の測定方法]JISK7105に
したがって測定した。測定角度は60°とした。 [フィルムのヘーズの測定方法]JISK7105にし
たがって測定した。 [透湿度]JISK7129B法にしたがって測定し
た。 [剥離強度]蒸着面にウレタン系接着剤にてPET25
ミクロンを、接着後、15mm幅に裁断し、T型剥離試
験強度を測定した。剥離速度は200mm/minとし
た。
【0058】[走行傷つき性]ロール ツー ロール
タイプの真空蒸着装置にフィルムロールを装着し、10
−4TORRの真空度に減圧した後、速度100m/m
inにてアルミニウムを蒸着、巻き取り後、常圧にて巻
き戻し、下記の基準で傷つき性を判定した。 ◎:特に良好 ○:良好 △:やや良好で、製品として使用できる ×:製品として使用できない
【0059】[平均粒径]コールターカウンター測定法
(コールター社製コールターカウンターII)により粒度
分布を測定し、算出した。 [最大粒径]篩にかけて最大粒径を測定した。[フィル
ム厚み](株)テクロック製ダイヤルゲージSM−12
01で十点測定を行い、その平均値で厚みとした。単位
はμmである。
【0060】[総合評価]透湿度、全厚、剥離強度、ヘ
ーズの各測定値、及び走行傷つき性の評価の全部を考慮
し、下記の基準で評価した。 ◎:特に優れている ○:優れている △:実用範囲である ×:使えない
【0061】[ポリ乳酸系重合体の製造1]ピューラッ
クジャパン製L−ラクチド(商品名:PURASORB
L)100Kgに、オクチル酸スズ15ppm添加
し、攪拌機と加熱装置を備えた500Lバッチ式重合槽
に入れた。窒素置換を行い、185℃、攪拌速度100
rpmで、60分重合を行った。得られた溶融物を、真
空ベントを3段備えた三菱重工製40mmφ同方向2軸
押出機に供し、ベント圧4torrで脱揮しながら、2
00℃でストランド状に押し出し、ペレット化した。得
られたポリ乳酸系重合体(以下、「PLA1」と略す
る。)の重量平均分子量は25万、L体含有量は99.
5%であった。
【0062】[ポリ乳酸系重合体の製造2,3]上記P
LA1を常温で十分に吸湿させた後、40mmφ同方向
2軸押出機に供し、ベント圧4torrで脱揮しなが
ら、220℃でストランド状に押し出し、ペレット化し
た。得られたポリ乳酸系重合体(以下、「PLA2」と
略する。)の重量平均分子量は20万、L体含有量は9
9.5%であった。さらに、同様の工程を繰り返し、重
量平均分子量18万、L体含有量は99.5%のポリ乳
酸系重合体(以下、「PLA3」と略する。)のペレッ
トを得た。
【0063】(実施例1〜8、比較例1〜4)無機系粒
子として、表1に記載の平均粒径の粒状二酸化ケイ素
(シリカ)(富士シリシア化学(株)製、商品名:サイ
ロホービック)1重量部をそれぞれ乾燥して十分に水分
を除去した後、Φ40mm同方向二軸押出機に投入し
て、約200℃に設定して溶融混合し、ストランドにし
て押出し、冷却しながらペレット状にカットした。この
ペレットをマスターバッチとし、再度乾燥して、同じく
乾燥した表1に示すポリ乳酸系重合体に表1に記載の量
を混合し、これを表面層とした。この表面層と表1に示
す中間層を表1に示す厚みの比で、2種3層構成の共押
出積層用押出装置の最外層のΦ40mm同方向二軸押出
機に投入し設定温度210℃でシート状に共押出しを
し、回転する冷却ドラムで急冷固化させ、実質的に非晶
質のシートを得た。
【0064】得られたシートを三菱重工業(株)製フィ
ルムテンターを用い、温水循環式ロールと接触させつつ
赤外線ヒーターを併用して75℃に加熱し、周速差ロー
ル間で縦方向に3.0倍延伸し、次いで、この縦延伸シ
ートをクリップで把持しながらテンターに導き、シート
流れの垂直方向に75℃で3.0倍延伸した後、140
℃で約15秒間熱処理し、25μm厚みのフィルムを作
成した。フィルムはワインダーにて巻き取られる直前に
コロナ処理を施した。
【0065】次いで、密着性を高める目的で、蒸着前に
コロナ処理側にポリエステル系樹脂をアンカーコート剤
としてドライ換算0.2μm塗布し、100℃で乾燥し
た。得られた脂肪族ポリエステル系フィルムにしわなど
の発生は無かった。そして、一方の表面層に電子ビーム
加熱方式真空蒸着機(レオホルト社製)を用いて、真空
度1×10-4hPaの雰囲気下で連続的に蒸着処理を行
い、60nmアルミ蒸着膜厚を形成した。得られたフィ
ルムの透湿度、剥離強度、ヘーズ、走行傷つき性を上記
の方法で測定及び評価した。その結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】(実施例9)実施例1で製造した脂肪族ポ
リエステルフィルムにアルミニウム又はアルミニウム−
シリカ−マンガン合金を電子線蒸着法にて製膜した。純
アルミ(99.9at%)の真空度1×10-4hPaで
の蒸着膜(膜厚60nm)の平均グレーンサイズは、1
00nmであった。AlSiMn合金(98.1at%
/1.1at%/0.8at%)の同条件の膜のグレー
ンサイズは30nmであった。前者の透湿度は6g/m
2・24hr・atmであり、後者は3g/m2・24h
r・atmと良好であった。また、前者の光沢度は76
6%で、非常に良好な金属光沢を示した。また、後者の
光沢度は722%で良好な金属光沢を示した。なお、実
施例1で製造した脂肪族ポリエステルフィルムの蒸着前
の表面の光沢度は、120%であった。
【0068】(比較例5)実施例1で製造した脂肪族ポ
リエステルフィルムにアルミ含有率が89at%、マグ
ネシウム4.5at%、タンタル6.5at%のアルミ
合金をDCマグネトロンスパッタリング法で製膜した。
アルゴンガスを装置内に100SCCM導入し、真空度
を1mTorrに保持した上で、ターゲット面積当たり
10W/cm2の直流電力を印加した。膜厚は60nm
であった。得られたフィルムの透湿度は、8g/m2
24hr・atmであったが、光沢度は380%であ
り、白くくすんでおり、包装用製品として使用できない
レベルであった。
【0069】(実施例10)実施例1で製造した脂肪族
ポリエステルフィルムに、アルミ含有率が91at%、
マグネシウム4.5at%、タンタル3.5at%のア
ルミ合金とした以外は、実施例7と同様として蒸着膜を
形成した。得られたフィルムの透湿度は、6g/m2
24hr・atm、光沢度は550%で、包装用製品と
して使用できるレベルであった
【0070】(実施例11)実施例3で得られた厚さ4
0μmの蒸着処理をしたフィルムを長手方向に100m
m、幅方向に15mmのサイズに切り出したフィルム試
験片を、20メッシュのSUS網製ホルダーに挟み込
み、完熟腐葉土20Kg、ドッグフード(日本ペットフ
ード(株)製ビタワン)10Kgとともに、家庭用コン
ポスター(静岡製機(株)製エコロンポEC−25D)
に入れ、毎日500ccの水を加えながら、5週間放置
し、5週間後の回収率(ホルダー中に残存していた率)
を測定した。回収率は30%以下で明らかに分解が進行
しており、良好な生分解性を示した。
【0071】
【発明の効果】この発明によると、無機系粒子含有層の
厚み、無機系粒子の最大粒径及び平均粒径を所定の関係
に設定したので、蒸着膜を形成させても、ピンホールの
発生が抑制され、防湿性が保持される。
【0072】また、フイルムの滑り性、透明性、耐熱性
が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C23C 14/14 C23C 14/14 B 14/20 14/20 A Fターム(参考) 4F100 AA01C AA08H AA20H AB10D AB31D AC10H AK41A AK41B AK41C AL05C BA03 BA04 BA10A BA10C BA13 CA23C DE01C EH20 EH66D EJ38 GB15 JA07B JA07C JD04 JM02D JN21 4J002 CF031 CF181 DE136 DE146 DE236 DJ016 DJ036 DJ046 FD016 GF00 GG00 4K029 AA11 AA25 BA23 BD00 CA01 DB04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層からなる共押出2軸配向
    脂肪族ポリエステル系フィルムにおいて、2つの最外層
    のうち少なくとも1層が無機系粒子含有層であって、こ
    の無機系粒子含有層の厚みをa(μm)、無機系粒子の
    最大粒径をb(μm)、無機系粒子の平均粒径c(μ
    m)としたとき、下記の式(1)〜式(4)の全てを同
    時に満たすことを特徴とする脂肪族ポリエステル系フィ
    ルム。 1≦a≦15 (1) 0.5≦b≦2.5a (2) 0.1≦c≦5 (3) c≦a (4)
  2. 【請求項2】 上記無機系粒子含有層は、脂肪族系ポリ
    エステル樹脂100重量部に対して、二酸化ケイ素、炭
    酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、二酸化チタ
    ン、カオリン及びアルミナの群から選ばれた1種以上の
    ものを主成分とする無機系粒子を0.01〜6重量部含
    む層であることを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポ
    リエステル系フィルム。
  3. 【請求項3】 上記の無機系粒子含有層、及び上記共押
    出2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルムのうち、上記
    2つの最外層に挟まれる中間層のうち少なくとも1層を
    構成する脂肪族ポリエステルは、主成分としてポリ乳酸
    を含有し、上記の無機系粒子含有層を構成するポリ乳酸
    の重量平均分子量をX、上記中間層のうち少なくとも1
    層を構成するポリ乳酸の重量平均分子量をYとしたと
    き、下記式(5)満たすことを特徴とする請求項1又は
    2に記載の脂肪族ポリエステル系フィルム。 60,000≦Y≦X (5)
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の脂肪
    族ポリエステル系フィルムを構成する上記無機系粒子含
    有層の少なくとも片側に、アルミニウムを主成分として
    マグネシウム、シリコン、タンタル、チタン、硼素、カ
    ルシウム、バリウム、炭素、マンガンを少なくとも1種
    の元素を含む合金の薄膜層を形成したことを特徴とする
    防湿性脂肪族ポリエステル系フィルム。
  5. 【請求項5】 上記薄膜層は、アルミニウムが90.0
    at%以上99.8at%以下であり、マグネシウム、
    シリコン、タンタル、チタン、硼素、カルシウム、バリ
    ウム、炭素、マンガンの群から選ばれた少なくとも1種
    以上の元素の合計の含有率が0.2at%以上10.0
    at%以下であることを特徴とする請求項4に記載の防
    湿性脂肪族ポリエステル系フィルム。
  6. 【請求項6】 薄膜層側から測定した光沢度が400%
    以上であり、透湿度が10g/m2・24hr・atm
    以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の防
    湿性脂肪族ポリエステル系フィルム。
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