JP3304005B2 - ポリスチレン系積層フィルム - Google Patents

ポリスチレン系積層フィルム

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JP3304005B2
JP3304005B2 JP26640793A JP26640793A JP3304005B2 JP 3304005 B2 JP3304005 B2 JP 3304005B2 JP 26640793 A JP26640793 A JP 26640793A JP 26640793 A JP26640793 A JP 26640793A JP 3304005 B2 JP3304005 B2 JP 3304005B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシンジオタクチックポリ
スチレン系積層フィルム、さらに詳しく言えば包装用、
コンデンサー用、および磁気テープ用ベースフィルム等
として好適な、透明性に優れ、且つフィルムの厚みに関
係なくハンドリング性に優れ、更に滑り性及び耐摩耗性
に優れたシンジオタクチックポリスチレン系積層フィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチックポリスチレン系延伸
フィルムは耐熱性、電気特性、透明性等に優れ、磁気テ
ープ用、写真・製版用、ラベル用、コンデンサー用、包
装用等、各種のフィルム用途に展開が期待されてる。こ
れらのフィルム用として用いられる場合、その走行性、
耐削れ性はフィルムの製造工程及び各用途における加工
工程の作業性の良否、更にはその製品品質の良否を左右
する大きな要因になっている。一方、フィルムの高透明
化や薄手化の要求が高まってきている。しかし、シンジ
オタクチックポリスチレン系延伸フィルムにおいては、
単にフィルムの製造時及び加工時のハンドリング特性
や、フィルムの走行時のガイドロール等との接触におけ
る走行性や、フィルム表面に擦り傷を発生すると言う耐
削れ性を改良するために添加剤を加えると、透明性が低
下し、更にフィルムの厚みが薄くなるとこれらの改良効
果が十分ではなかった。すべり性の良好なフィルムとし
て、無機粒子を添加し、表面粗さRaが特定の範囲にあ
り、静摩擦係数が限定されたものが知られている(特開
平3-74437 号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のす
べり性良好なフィルムでは、低速作業時には良好なハン
ドリング特性が得られるが、作業が高速になるとハンド
リング特性が急激に悪化するという問題があった。また
シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムにおい
ては、特にフィルムの厚みが薄くなるとハンドリング特
性が悪化する傾向が大きく、上記の無機粒子を添加し、
表面粗さRaと静摩擦係数の範囲を規定したフィルムにお
いても同様の傾向を備えており、そのために良好なハン
ドリング特性が得られたとしても、厚みが変わると所望
のハンドリング特性が得られなくなっていた。また、こ
れらの無機粒子を添加したフィルムでは透明性が低下す
る問題があった。更に、シンジオタクチックポリスチレ
ン系延伸フィルムは脆く、フィルムの製造時及び加工時
にロール等との摩擦によりフィルム表面に擦り傷が発生
しやすく耐削れ性に問題があった。本発明は透明性に優
れ、且つフィルムの厚みに関係なくハンドリング性に優
れ、更に走行性、耐削れ性が良好なシンジオタクチック
ポリスチレン系フィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、シンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体からなるフィルム
の少なくとも片面に平均粒子径0.5μm以上2μm以
下の微粒子及び平均粒子径0.5μm未満の微粒子を含
有する表面層が形成され、該表面層の三次元表面粗さS
Raと粗さの中心面における1mm 2 面積当たりの突起
数PCC値が 15000 ×SRa+500 ≦PCC ≦15000 ×SRa+3500 の関係を満足し、且つ空気抜け速さが900秒以下であ
ることを特徴とする、透明性に優れ、且つフィルムの厚
みに関係なくハンドリング性に優れ、更に走行性、耐削
れ性が良好なシンジオタクチックポリスチレン系積層フ
ィルムを提供するものである。
【0005】本発明に用いられる立体規則性がシンジオ
タクチック構造であるポリスチレン系重合体は、側鎖で
あるフェニル基又は置換フェニル基が核磁気共鳴法によ
り定量されるタクティシティがダイアッド(構成単位が
二個)で85%以上、ペンタッド(構成単位が5個)で50
%以上のシンジオタクチック構造であることが望まし
い。
【0006】該ポリスチレン系重合体としては、ポリス
チレン、ポリ(p-、m-又はo-メチルスチレン)、ポリ
(2,4-、2,5-、3,4-又は3,5-ジメチルスチレン)、ポリ
(p-ターシャリーブチルスチレン)などのポリ(アルキ
ルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-クロロスチレン)、
ポリ(p-、m-又はo-ブロモスチレン)、ポリ(p-、m-又
はo-フルオロスチレン)、ポリ(o-メチル-p- フルオロ
スチレン)などのポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ
(p-、m-又はo-クロロメチルスチレン)などのポリ(ハ
ロゲン置換アルキルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-メ
トキシスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-エトキシスチレ
ン)などのポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(p-、m-
又はo-カルボキシメチルスチレン)などのポリ(カルボ
キシアルキルスチレン)ポリ(p-ビニルベンジルプロピ
ルエーテル)などのポリ(アルキルエーテルスチレ
ン)、ポリ(p-トリメチルシリルスチレン)などのポリ
(アルキルシリルスチレン)、さらにはポリ(ビニルベ
ンジルジメトキシホスファイド)などが挙げられる。
【0007】本発明においては、前記ポリスチレン系重
合体のなかで、特にポリスチレンが好適である。また、
本発明で用いるシンジオタクチック構造を有するポリス
チレン系重合体は、必ずしも単一化合物である必要はな
く、シンジオタクティシティが前記範囲内であればアタ
クチック構造やアイソタクチック構造のポリスチレン系
重合体との混合物や、共重合体及びそれらの混合物でも
よい。また本発明に用いるポリスチレン系重合体は、重
量平均分子量が10,000以上、更に好ましくは50,000以上
である。重量平均分子量が10,000未満のものでは、強伸
度特性や耐熱性に優れたフィルムを得ることができな
い。重量平均分子量の上限については、特に限定される
ものではないが、1500,000以上では延伸張力の増加に伴
う破断の発生などが生じるため余り好ましくない。
【0008】更に、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン系フィルムは、公知の方法、例えば、縦延伸及び
横延伸を順に行なう逐次二軸延伸方法のほか、横・縦・
縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法などの
延伸方法を採用することができ、要求される強度や寸法
安定性などの諸特性に応じて選択される。また、熱固定
処理、縦弛緩処理、横弛緩処理などを施すことができ
る。
【0009】本発明に用いられるシンジオタクチックポ
リスチレン系重合体には必要に応じて、公知の酸化防止
剤、帯電防止剤等を適量配合したものを用いることがで
きる。配合量はシンジオタクチックポリスチレン系重合
体100 重量%に対して10重量%以下が望ましい。10重量
%を越えると延伸時に破断を起こしやすく、生産安定性
不良となるので好ましくない。
【0010】そして、前記の三次元表面粗さSRa、粗
さの中心面における突起数PCC値、及び空気抜け速さ
は、フィルムの製膜条件及び表面層に添加された微粒子
によって調整される。シンジオタクチックポリスチレン
系重合体層には微粒子を無添加または表面層に添加した
微粒子より少ない添加量とすることが好ましい。表面層
に添加される微粒子の種類及び添加量は三次元表面粗さ
SRa、粗さの中心面における突起数PCC値、及び空
気抜け速さが所定の範囲内に入るならば特に限定される
ものではないが、例えばシリカ、二酸化チタン、タル
ク、カオリナイト、ゼオライト等の金属酸化物、炭酸カ
ルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属
の塩またはシリコーン樹脂、架橋ポリスチレン等の有機
重合体からなる粒子等の添加が例示される。そして、こ
れら微粒子の種類は、いずれか1種を単独で用いてもよ
く、また2種以上を併用してもよいが、使用する微粒子
の平均粒子は、0.5μm以上2.0μm以下の物
と、平均粒子径0.5μm未満の物を混合して添加する
必要がある。また、粒子径のばらつき度(標準偏差と平
均粒子径との比率)は25%以下が好ましい。添加量は
シンジオタクチックポリスチレン系重合体100重量%
に対して0.005%以上2.0重量%以下含有するこ
とが好ましく、特に0.01重量%以上1.0重量%以
下が好ましい。
【0011】本発明のシンジオタクチックポリスチレン
系延伸フィルムの少なくとも片面の三次元表面粗さSRa
と粗さの中心面における単位面積当たりの突起数PCC 値
は 15000 ×SRa+500 ≦PCC ≦15000 ×SRa+3500 の関係を満足する必要がある。PCC値とSRaがこの関係を
満足している場合、透明性に優れ、且つ滑り性及び耐摩
耗性に優れたフィルムが得られる。一方、PCC 値がこの
範囲より小さくなると走行性及び耐削れ性が不良となる
ために好ましくない。また、PCC 値がこの範囲より大き
くなると透明性が低下するために好ましくない。また、
SRa は0.01μm以上、0.2 μm以下であることが好まし
い。SRa が0.01μm以下の場合、走行性及び耐削れ性が
不良となりやすい。また、SRa が0.2 μm以上の場合、
透明性と走行性及び耐削れ性の両方の特性を同時に満足
するフィルムを得ることが困難となる。
【0012】更に、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン系二軸延伸フィルムの空気抜け速さは900 秒以下
である必要がある。より好ましくは700 秒以下、更に好
ましくは500 秒以下である。即ち、空気抜け速さを900
秒以下、より好ましくは700秒以下、更に好ましくは500
秒以下にすることにより、高速作業時においても、フ
ィルムの厚みや強度とは無関係にハンドリング特性が良
好なシンジオタクチックポリスチレン系積層フィルムが
得られる。反対に、空気抜け速さが900 秒を越えた場
合、高速作業時のハンドリング特性が不良となり、例え
ばフィルムを高速でロール状に巻き取る場合にフィルム
と巻き取りロールの間に空気が取り込まれしわが生じや
すく、巻姿が不良になったり、フィルムが巻き込む空気
層の潤滑効果によってフィルムが幅方向に蛇行してロー
ルの端面の不揃いが生じたりする。
【0013】本発明に於ける微粒子を添加した表面層を
形成する方法としては、シンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体からなるフィルムの製膜中もしくは
製膜終了後に微粒子を含む樹脂を塗布する方法やフィル
ム製造時の溶融押し出し工程において微粒子を含む樹脂
を共押し出しにより積層する方法等が例示される。積層
される樹脂としてはシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体との密着状態が良好であることが重要と
なり、共押し出し法により積層する場合にはスチレン系
重合体を含有する熱可塑性樹脂を使用することにより特
に良好な密着状態が得られる。また塗布による場合は使
用される樹脂としてはアクリル系樹脂、スチレン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビ
ニル系樹脂、ポリアミド系樹脂等あるいはそれらの各種
変成樹脂等を単独あるいは混合して使用することができ
る。
【0014】フィルムの製膜中において塗布する場合に
は、延伸終了前に塗布する方が密着状態が良好となるた
め好ましい。この場合は塗布する樹脂溶液は水系の溶媒
に溶解もしくは分散状態にあるものの方が有機溶媒系の
ものよりフィルムの溶解や膨潤が発生せず製膜工程中の
フィルムの破断の発生が少なくなるため好ましい。フィ
ルム製膜後に塗布する場合にはコロナ処理等の表面処理
により接着性を改良することができる。塗布する方式と
してはロールコート法、グラビアコート法、ロールブラ
ッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、
ダイコート法等を単独あるいはこれらを組み合わせて使
用することができる。
【0015】積層された微粒子を含む表面層の厚みは特
に限定されないが、透明性を良好な範囲に保つためには
フィルム全厚みの1/2 以下、より好ましくは1/3 以下、
更に好ましくは1/5 以下である。
【0016】実施例 以下に実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、
フィルムの評価方法を以下に示す。
【0017】(1)三次元表面粗さSRa フィルム表面を触針式3次元表面粗さ計(SE-3AK, 株式
会社小坂研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重
30mgの条件化に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.
25mmで、測定長1mm にわたって測定し、2μmピッチで
500 点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(SP
A-11) に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの
幅方向について2μm間隔で連続的に150 回、即ちフィ
ルムの幅方向0.3mm にわたって行ない、解析装置にデー
タを取り込ませた。次に、解析装置を用いて、SRa(μm)
を求めた。
【0018】(2)PCC 値 SRa の算出時における基準高さを有する基準面から0.00
625 μm以上の高さをもつ突起数を1mm2当たりについて
表したもの。
【0019】(3)空気抜け速度 図1に示す測定装置を用意する。即ち、台盤1の上面に
円形の孔1a を設け、この孔1a内に直径70mmのガラス平
板2を固定してガラス平板2を固定してガラス平板2の
外周と孔壁1b との間に溝を形成し、更に上記の孔1bを
囲むリング状の溝孔1cを明け、この溝孔1cを上記ガラス
平板2の外周の溝と連通させ、溝孔1cにパイプ3を介し
て真空ポンプ4の吸引口を接続する。そして、台盤1の
上面に、ガラス平板2を覆う大きさのフィルム試料5を
重ね、その外周を粘着テープ6で台盤1状に密封状に固
定し、真空ポンプ4を駆動し、ガラス平板2の外周部に
干渉縞が出現してからガラス平板2の全面に干渉縞が広
がり、その動きが止るまでの時間(秒)を測定し、この
時間(秒)をもって空気抜け速さとする。
【0020】(4)フィルムのハンドリング特性 広幅のスリットロールを高速でスリットし、小幅のロー
ルに巻直すに際しロール端部の巻ずれ、しわ、バルブ等
を生じないで問題のないロールが得られるかどうかを4
段階評価し、次のランク付けで評価した。 1級;問題のないスリットロールを得ることは極めて困
難 2級;低速で問題のないスリットロールが得られる 3級;中速で問題のないスリットロールが得られる 4級;高速で問題のないスリットロールが得られる
【0021】(5)フィルムの加工性(滑り性及び耐摩
耗性) フィルムを細幅にスリットしたテープ状とし、これを図
2 に示す測定装置を用い、金属製ガイドロールにこすり
付けて高速でかつ長時間走行させ、このガイドロール擦
過後のテープ張力の大小およびガイドロールの表面に発
生する白紛量の多少を、それぞれ以下に示すように5段
階評価し、ランク付けした。 (イ)滑り性 1級;張力大(擦り傷非常に多い) 2級;張力やや大(擦り傷多い) 3級;張力中(擦り傷ややあり) 4級;張力やや小(擦り傷ほとんどなし) 5級;張力小(擦り傷発生なし) (ロ)耐摩耗性 1級;白紛の発生非常に多い 2級;白紛に発生多い 3級;白紛の発生ややあり 4級;白紛の発生ほぼなし 5級;白紛の発生なし
【0022】(6)平均粒子径 微粒子を(株)日立製作所製S-510型走査型電子顕微
鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、微粒
子の外形をトレースし任意に200 個の粒子を黒く塗りつ
ぶした。この像をニコレ(株)製ルーゼックス500 型画
像解析装置を用いて、それぞれの粒子の水平方向のフェ
レ径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。また、
粒子径のばらつき度は下記の式により算出した。 ばらつき度=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)× 100
(%)
【0023】(9)光線透過率 JIS-K6714 に準じ日本精密光学株式会社製ポイック積分
球式HTR メータSEP-H2D 形により光線透過率を求めた。
【0024】実施例1、2 (a) ポリエステル水溶液の調整 バイロナールMD16( 東洋紡績株式会社製) を5重量部
(固形分25%)と酸化チタン(粒子径=0.02 μm、ばら
つき度=25 %)を 0.005重量部をサンドミル(ジルコン
ビーズ;粒子径1mm)を用い分散し、更にバイロナール
MD1200(東洋紡績株式会社製) を15重量部(固形分25
%)および球状シリカ(平均粒子径=1.2μm、ばらつき
度=5%)を0.0025重量部(実施例1)又は0.0005重量部
(実施例2)、球状シリカ(平均粒子径=0.12 μm、ば
らつき度=5%)を0.005 重量部およびイソプロピルアル
コールを36重量部を添加し更にサンドミルを通し分散
し、最後に水を36重量部、ベンジルアルコールを8重量
部添加しサンドミルに1パス通しポリエステル水溶液を
調整した。
【0025】(b) 積層フィルムの製造 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)を乾燥した後、315 ℃で溶融し800 μmのリップギ
ャップのT ダイから押し出し、40℃の冷却ロールに静電
印荷法により密着・ 冷却固化し、70μmの無定形シート
を得た。該無定形シートをまずロールにより100 ℃に予
熱し、表面温度700 ℃の赤外線加熱ヒーターを4本使用
により更に加熱し、フィルム温度139 ℃で縦方向に3.6
倍延伸した。該一軸延伸フィルムに上記(a) で得た塗工
液をバーコート法により塗布した。ついでテンターで、
フィルムを120 ℃に予熱し、横方向に延伸温度120 ℃で
3.3 倍延伸し、260 ℃で熱固定した。得られた積層フィ
ルム全体の厚みは6μm、塗布膜は厚み0.1 μmで均一
な塗布膜であった。フィルム特性を表に示す。これらの
積層フィルムの塗布膜上にインキをグラビア印刷したと
ころ抜けやゆがみは見られず良好な印刷が可能であっ
た。また、印刷部の接着性をテープ剥離(セロハンテー
プ、ニチバン社製)試験により評価した結果、剥離は見
られず良好な接着性を示すことがわかった。また、直流
の耐電圧特性を評価した結果、480kV/mm(実施例1)お
よび485kV/mm(実施例2)という良好な結果が得られ
た。
【0026】比較例1 (a) ポリエステル水溶液の調整 バイオナールMD1200( 東洋紡績株式会社製) を20重量
部(固形分25%)および球状シリカ(平均粒子径=1.2μ
m、ばらつき度=5%)を0.005 重量部、イソプロピルア
ルコールを36重量部、水を36重量部、ベンジルアルコー
ルを8重量部添加しサンドミルを用い分散しポリエステ
ル水溶液を調整した。
【0027】(b) 積層フィルムの製造 実施例1と同様に積層フィルムの製造を行った。得られ
た積層フィルム全体の厚みは6μm、塗布膜は厚み0.1
μmで均一な塗布膜であった。フィルム特性を表に示
す。
【0028】比較例2、3 (a) ポリエステル水溶液の調整 バイオナールMD1200( 東洋紡績株式会社製) を20重量
部(固形分25%)および球状シリカ(平均粒子径=0.25
μm、ばらつき度=5%)を0.03重量部(比較例2)また
は0.015 重量部(比較例2 )、イソプロピルアルコール
を36重量部、水を36重量部、ベンジルアルコールを8重
量部添加しサンドミルを用い分散しポリエステル水溶液
を調整した。
【0029】(b) 積層フィルムの製造 実施例1と同様に積層フィルムの製造を行った。得られ
た積層フィルム全体の厚みは6μm、塗布膜は厚み0.1
μmで均一な塗布膜であった。フィルム特性を表に示
す。
【0030】実施例3 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)100 重量部に対して、突起形成剤として球状シリカ
微粒子(平均粒子径=1.0μm、ばらつき度=5%)を0.5
重量部、球状シリカ微粒子(平均粒子径=0.12 μm、ば
らつき度=5%)を3.0 重量部添加したポリマーチップ
と、突起形成剤の添加されていないポリマーチップを重
量比で1対9の割合で混合したもの(A) と、突起形成剤
を含まないシンジオタクチックポリスチレン(B) をそれ
ぞれ別々の押し出し機に供給し310℃で溶融し、表面形
成剤を含まないシンジオタクチックポリスチレン(B) が
内層になるようにT ダイ中で積層し、800 μmのリップ
ギャップのT ダイから押し出し、40℃の冷却ロールに静
電印荷法により密着・ 冷却固化し、70μmの無定形シー
トを得た。ここで、全体の厚みを70μmとなる用に押し
出し機の吐出量を制御し、表面形成剤を含むシンジオタ
クチックポリスチレン層の厚みを0μm(比較例3)、
7μm(実施例3)となるようにした。該無定形シート
をまずロールにより100 ℃に予熱し、表面温度700 ℃の
赤外線加熱ヒーターを4本使用により更に加熱し、フィ
ルム温度138 ℃で縦方向に3.6 倍延伸し、ついでテンタ
ーで、フィルムを120 ℃に予熱し、横方向に延伸温度12
0 ℃で3.3 倍延伸し、260 ℃で熱固定した。得られたフ
ィルムの厚みは6μmであった。フィルム特性を表に示
す。また、このフィルムの直流の耐電圧特性を評価した
結果、470kV/mmという良好な結果が得られた。
【0031】比較例4 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)100 重量部に対して、突起形成剤として球状シリカ
微粒子(平均粒子径=1.0μm、ばらつき度=5%)を0.5
重量部、球状シリカ微粒子(平均粒子径=0.12 μm、ば
らつき度=5%)を3.0 重量部添加したポリマーチップ
と、突起形成剤の添加されていないポリマーチップを重
量比で1対9の割合で混合したものを押し出し機に供給
し310 ℃で溶融し、800 μmのリップギャップのT ダイ
から押し出し、40℃の冷却ロールに静電印荷法により密
着・ 冷却固化し、70μmの無定形シートを得た。該無定
形シートをまずロールにより100 ℃に予熱し、表面温度
700 ℃の赤外線加熱ヒーターを4本使用により更に加熱
し、フィルム温度138 ℃で縦方向に3.6 倍延伸し、つい
でテンターで、フィルムを120 ℃に予熱し、横方向に延
伸温度120 ℃で3.3 倍延伸し、260 ℃で熱固定した。得
られたフィルムの厚みは6μmであった。フィルム特性
を表に示す。このフィルムにインキをグラビア印刷した
ところ抜けが見られ、良好な印刷が出来なかった。ま
た、印刷部の接着性をテープ剥離(セロハンテープ、ニ
チバン社製)試験により評価した結果、剥離が見られ、
接着性は不良であることが分かった。更に、直流の耐電
圧特性を評価した結果、330kV/mmであり、直流の耐電圧
特性は不良であった。表より、実施例1〜3で得られた
フィルムはハンドリング性、滑り性及び耐摩耗性に優れ
たものであり、更に光線透過率に関してもいずれも85%
以上の優れた透明性であった。
【0032】
【発明の効果】以上、記載のとおり、本発明は透明性に
優れ、且つフィルムの厚みに関係なくハンドリング性に
優れ、更に滑り性及び耐摩耗性に優れたシンジオタクチ
ックポリスチレン系積層フィルムが提供され、従って、
本発明の工業的価値は大である。
【0033】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の空気抜け速さを評価するた
めの装置である。
【図2】図2は、この発明の滑り性及び耐摩耗性を評価
するための装置である。
【符号の説明】
1;台盤 2;ガラス平板 3;吸引パイプ 4;真空ポンプ 5;フィルム試料 6;粘着テープ 7;フィルム 8;キャプスタン 9;張力検査装置 10;金属固定ピンにも問題があった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクチック構造を有するスチレ
    ン系重合体からなるフィルムの少なくとも片面に平均粒
    子径0.5μm以上2μm以下の微粒子及び平均粒子径
    0.5μm未満の微粒子を含有する表面層が形成され、
    該表面層の三次元表面粗さSRaと粗さの中心面におけ
    1mm 2 面積当たりの突起数PCC値が 15000 ×SRa+500 ≦PCC ≦15000 ×SRa+3500 の関係を満足し、且つ空気抜け速さが900秒以下であ
    ることを特徴とするポリスチレン系積層フィルム。
JP26640793A 1993-10-25 1993-10-25 ポリスチレン系積層フィルム Expired - Fee Related JP3304005B2 (ja)

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