JP2713337B2 - シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルム - Google Patents
シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルムInfo
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- JP2713337B2 JP2713337B2 JP4212701A JP21270192A JP2713337B2 JP 2713337 B2 JP2713337 B2 JP 2713337B2 JP 4212701 A JP4212701 A JP 4212701A JP 21270192 A JP21270192 A JP 21270192A JP 2713337 B2 JP2713337 B2 JP 2713337B2
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- film
- syndiotactic polystyrene
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
スチレン系二軸延伸フィルム、さらに詳しく言えば透明
性に優れ、且つフィルム表面の平滑性に優れ、更にフィ
ルムの厚みに関係なくハンドリング特性が良好なシンジ
オタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルムに関する
ものである。
延伸フィルムは耐熱性、電気特性、透明性などに優れ、
磁気テープ用、写真・製版用、コンデンサー用、包装用
等、各種のフィルム用途に展開が期待されてる。これら
のフィルム用として用いられる場合、フィルム表面の平
滑化や薄手化、更には特に写真、製版用途等では透明で
濁りがないことが要求される。しかし、シンジオタクチ
ックポリスチレン系二軸延伸フィルムにおいては、単に
平滑化、透明化したのでは、フィルムの製造時及び加工
時のハンドリング特性が不良となる。また、ハンドリン
グ特性を良好にするために滑剤を添加した場合、使用す
る滑剤によっては、ハンドリング特性が良好になったと
しても、表面の凹凸及び滑剤とポリマーの間隙に生じる
ボイドによって内部ヘーズが高くなり、全体としての透
明性が低下してしまう。
子を添加し、表面粗さRaが特定の範囲にあり、静摩擦係
数が限定されたものが知られている(特開平3-74437
号)。また、シンジオタクチックポリスチレン系二軸延
伸フィルムを用いた透明性の優れたフィルムが知られて
いる(特開平1-316246、特開平1-168709、特開平2-2797
31) 。
べり性良好なフィルムでは、低速作業時には良好なハン
ドリング特性が得られるが、作業が高速になるとハンド
リング特性が急激に悪化するという問題があった。ま
た、シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィル
ムにおいては、特にフィルムの厚みが薄くなるとハンド
リング特性が悪化する傾向が大きく、上記の無機粒子を
添加し、表面粗さRaと静摩擦係数の範囲を規定したフィ
ルムにおいても同様の傾向を備えており、そのために良
好なハンドリング特性が得られたとしても、厚みが変わ
ると所望のハンドリング特性が得られなくなっていた。
また、シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィ
ルムは脆さが大きいため、延伸工程において、すべり性
を良好にするために添加した滑剤の周りに、ボイドが発
生しやすく、透明性が不良となることがあった。
面の平滑性に優れ、更にフィルムの厚みに関係なくハン
ドリング特性に優れたシンジオタクチックポリスチレン
系二軸延伸フィルムを提供することを目的とする。
内部ヘーズ(10μm)の和が10% 以下であり、少なくと
も片面の三次元表面粗さS Δa が0.004 以上0.04以下で
あり且つ空気抜け速さが900 秒以下であることを特長と
する、透明性に優れ、且つフィルム表面の平滑性に優
れ、更にフィルムの厚みに関係なくハンドリング特性が
良好なシンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィ
ルムを提供するものである。
タクチック構造であるポリスチレン系重合体は、側鎖で
あるフェニル基又は置換フェニル基が核磁気共鳴法によ
り定量されるタクテイシテイがダイアッド(構成単位が
二個)で85%以上、ペンタッド(構成単位が5個)で50
%以上のシンジオタクチック構造であることが望まし
い。
チレン、ポリ(p-、m-又はo-メチルスチレン)、ポリ
(2,4-、2,5-、3,4-又は3,5-ジメチルスチレン)、ポリ
(p-ターシャリーブチルスチレン)などのポリ(アルキ
ルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-クロロスチレン)、
ポリ(p-、m-又はo-ブロモスチレン)、ポリ(p-、m-又
はo-フルオロスチレン)、ポリ(o-メチル-p- フルオロ
スチレン)などのポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ
(p-、m-又はo-クロロメチルスチレン)などのポリ(ハ
ロゲン置換アルキルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-メ
トキシスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-エトキシスチレ
ン)などのポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(p-、m-
又はo-カルボキシメチルスチレン)などのポリ(カルボ
キシアルキルスチレン)ポリ(p-ビニルベンジルプロピ
ル)などのポリ(アルキルエーテルスチレン)、ポリ
(p-トリメチルシリルスチレン)などのポリ(アルキル
シリルスチレン)、さらにはポリ(ビニルベンジルジメ
トキシホスファイド)などが挙げられる。
合体のなかで、特にポリスチレンが好適である。また、
本発明で用いるシンジオタクチック構造を有するポリス
チレン系重合体は、必ずしも単一化合物である必要はな
く、シンジオタクティシティが前記範囲内であればアタ
クチック構造やアイソタクチック構造のポリスチレン系
重合体との混合物や、共重合体及びそれらの混合物でも
よい。
は、重量平均分子量が10,000以上、更に好ましくは50,0
00以上である。重量平均分子量が10,000未満のもので
は、強伸度特性や耐熱性に優れた二軸延伸フィルムを得
ることができない。重量平均分子量の上限について特に
限定されるものではないが、1500,000以上では延伸張力
の増大に伴う破断の発生等が生じることもあり、余り好
ましくない。
チレン系二軸延伸フィルムは、公知の方法、例えば、縦
延伸及び横延伸を順に行なう逐次二軸延伸方法のほか、
横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸
法などの延伸方法を採用することができる。本発明にお
けるシンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィル
ムは高温における耐熱性の優れたフィルムを要求される
ことがあり、その場合には、これらの延伸方式の選択の
ほかに、延伸の条件が大きく影響し、また特に200 ℃の
熱収縮率が5%以下、更には2%以下というような優れ
た耐熱性とするためには、熱固定処理、縦弛緩処理、横
弛緩処理などを施すことが好ましい。そして、前記のヘ
ーズ、三次元表面粗さ SΔa 、空気抜け速さは、フィル
ムの製膜条件及び滑剤粒子によって調整される。滑剤粒
子の種類及び添加量はヘーズ、三次元表面粗さSΔa及
び空気抜け速さが所定の範囲内に入るならば特に限定さ
れるものではないが、シリカ、二酸化チタン、タルク、
カオリナイト等の金属酸化物、炭酸カルシウム、リン酸
カルシウム、硫酸バリウムなどの金属の塩または有機ポ
リマーからなる粒子等のシンジオタクチックポリスチレ
ン系ポリマーに対し不活性な粒子が例示される。そし
て、これらの滑剤は、いずれか一種を単独で用いてもよ
く、また2種以上を併用してもよいが、使用する滑剤の
平均粒子系は0.01μm以上2.0 μm以下、特に0.05μm
以上1.5 μm以下が好ましく、粒子径のばらつき度(標
準偏差と平均粒子径との比率)が25%以下が好まし
く、添加量はシンジオタクチックポリスチレン系ポリマ
ー100 重量%に対し0.005 重量%以上2.0 重量%以下含
有することが好ましく、特に0.1 重量%以上1.0 重量%
以下が好ましい。また、滑剤粒子の形状は、面積形状係
数が60%以上のものが1種類以上含まれていることが好
ましい。この面積形状係数は次式によって求められる。 面積形状係数=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円
の面積)× 100(%)
には必要に応じて、公知の酸化防止剤、帯電防止剤など
を適量配合したものを用いることができる。配合量は、
ポリスチレン系重合体100 重量%に対して、10重量%以
下が望ましい。10重量%を越えると延伸時に破断が起こ
り易くなり、生産安定性が不良となる。本発明における
シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルムの
表面ヘーズと内部ヘーズ(10μm当たり)の和は10%以
下であることが必要である。好ましくは7%以下、更に好
ましくは5%以下である。特に写真製版用途においては表
面ヘーズと内部ヘーズ(10μm当たり)が10%を越える
ことは好ましくない。またここで、表面ヘーズは4%以
下であることが好ましい。
チレン系二軸延伸フィルムの少なくとも片面の三次元表
面粗さ SΔa は0.004 以上0.04以下の範囲内にある事が
必要である。 SΔa が0.004 未満ではハンドリング特性
が不良になり0.04を越えると、例えば磁気テープ用途で
は電磁変換特性が不良になり、写真、製版用途では透明
性が減少するため好ましくなく、フィルムコンデンサー
用途では耐電圧特性の低下の問題を生じる。また、本発
明のシンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィル
ムの空気抜け速さは900 秒以下である必要がある。更に
好ましくは700秒以下である。即ち、空気抜け速さを900
秒以下、更に好ましくは700 秒以下にすることによ
り、高速作業時においても、フィルムの厚みや強度とは
無関係にハンドリング特性が良好なシンジオタクチック
ポリスチレン系二軸延伸フィルムが得られる。反対に、
空気抜け速さが900 秒を越えた場合、高速作業時のハン
ドリング特性が不良となり、例えばフィルムを高速でロ
ール状に巻き取る場合にフィルムと巻き取りロールの間
に空気が取り込まれしわが生じやすく、巻姿が不良にな
ったり、フィルムが巻き込む空気層の潤滑効果によって
フィルムが幅方向に蛇行してロールの端面の不揃いが生
じたりする。
はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、
フィルムの評価方法を以下に示す。 (1)フィルムヘーズ JIS-K6714 に準じ、日本精密光学株式会社製ポイック積
分球式HTR メータSEP-H2D 形により表面ヘーズと内部ヘ
ーズを求めた。 (2)三次元表面粗さ SΔa フィルム表面を触針式3次元表面粗さ計(SE-3AK, 株式
会社小坂研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重
30mgの条件化に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.
25mmで、測定長1mm にわたって測定し、2μm ピッチで
500 点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(SP
A-11) に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの
幅方向について2μm 間隔で連続的に150 回、即ちフィ
ルムの幅方向0.3mm にわたって行ない、解析装置にデー
タを取り込ませた。次に、解析装置を用いて、 SΔa を
求めた。 (3)空気抜け速度 図1に示す測定装置を用意する。即ち、台盤1の上面に
円形の孔1a を設け、この孔1a内に直径70mmのガラス平
板2を固定してガラス平板2を固定してガラス平板2の
外周と孔壁1b との間に溝を形成し、更に上記の孔1bを
囲むリング状の溝孔1cを明け、この溝孔1cを上記ガラス
平板2の外周の溝と連通させ、溝孔1cにパイプ3を介し
て真空ポンプ4の吸引口を接続する。そして、台盤1の
上面に、ガラス平板2を覆う大きさのフィルム試料5を
重ね、その外周を粘着テープ6で台盤1状に密封状に固
定し、真空ポンプ4を駆動し、ガラス平板2の外周部に
干渉縞が出現してからガラス平板2の全面に干渉縞が広
がり、その動きが止るまでの時間(秒)を測定し、この
時間(秒)をもって空気抜け速さとする。
ルに巻直すに際しロール端部の巻ずれ、しわ、バルブ等
を生じないで問題のないロールが得られるかどうかを4
段階評価し、次のランク付けで評価した。 1級;問題のないスリットロールを得ることは極めて困
難 2級;低速で問題のないスリットロールが得られる 3級;中速で問題のないスリットロールが得られる 4級;高速で問題のないスリットロールが得られる (5)平均粒子径 滑剤粒子を(株)日立製作所製S-510型走査型電子顕
微鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、滑
剤の外形をトレースし任意に 200個の粒子を黒く塗りつ
ぶした。この像をニコレ(株)製ルーゼックス500 型画
像解析装置を用いて、それぞれの粒子の水平方向のフェ
レ径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。また、
粒子径のばらつき度は下記の式により算出した。 ばらつき度=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
(%)
の粒子を選び(5)で用いた画像解析装置を用いて、そ
れぞれの粒子の投影断面積を測定した。また、それらの
粒子に外接する円の面積を算出し、下記の式により算出
した。 面積形状係数=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円の
面積)× 100 (%) 実施例 滑剤として、平均粒子径0.8 μm、ばらつき度20%、面
積形状係数70%のシリカをシンジオタクチックポリスチ
レン(重量平均分子量300000)100 重量%に対して3.0
重量%添加したポリマーチップと、滑剤の添加されてい
ないポリマーチップを重量比で1対9の割合で混合した
後、乾燥し、295 ℃で溶融し、200 μmのリップギャッ
プのT ダイから押し出し、40℃の冷却ロールに静電印荷
法により密着・ 冷却固化し、75μmの無定形シートを得
た。該無定形シートをまずロールにより80℃に予熱し、
表面温度750 ℃の赤外線加熱ヒーターを5 本使用し、更
に加熱し、フィルム温度 132℃で縦方向に3.8 倍延伸
し、ついでテンターで、フィルムを120 ℃に予熱し、横
方向に延伸温度 120℃で 3.3倍延伸し、 260℃で熱固定
した。得られたフィルムの厚みは6μmであった。
縦方向の延伸において、金属ロールによりフィルム温度
を100 ℃に加熱し、3.0 倍延伸した以外は実施例と同様
の操作を行なった。
請求の範囲のとおりの構成を採用することにより、透明
性に優れ、且つフィルム表面の平滑性に優れ、更にフィ
ルムの厚みに関係なくハンドリング特性に優れたシンジ
オタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルムが提供さ
れ、従って、本発明の工業的価値は大である。
の断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 表面ヘーズと内部ヘーズ(10μ当たり)
の和が10%以下であり、少なくとも片面の三次元表面粗
さS Δa が0.004 以上 0.04 以下であり、且つ空気抜け
速さが900 秒以下であることを特徴とするシンジオタク
チックポリスチレン系延伸フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4212701A JP2713337B2 (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4212701A JP2713337B2 (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0657015A JPH0657015A (ja) | 1994-03-01 |
JP2713337B2 true JP2713337B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=16627002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4212701A Expired - Lifetime JP2713337B2 (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルム |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2713337B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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---|---|---|---|---|
US8859087B2 (en) | 2007-06-21 | 2014-10-14 | Teijin Limited | Insulating film |
Family Cites Families (1)
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---|---|---|---|---|
JPH0391548A (ja) * | 1989-09-04 | 1991-04-17 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 耐熱性磁気テープ |
-
1992
- 1992-08-10 JP JP4212701A patent/JP2713337B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (7)
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---|---|
JPH0657015A (ja) | 1994-03-01 |
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