JP3287418B2 - シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルム - Google Patents

シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシンジオタクチックポリ
スチレン系二軸延伸フィルム、さらに詳しく言えばフィ
ルム表面の平滑性に優れ、且つフィルムの厚みに関係な
くハンドリング特性が良好であり、更にフィルム表面の
耐削れ特性が良好なシンジオタクチックポリスチレン系
二軸延伸フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチックポリスチレン系二軸
延伸フィルムは耐熱性、電気特性、透明性などに優れ、
磁気テープ用、写真・製版用、コンデンサー用、包装用
等、各種のフィルム用途に展開が期待されてる。これら
のフィルム用として用いられる場合、そのハンドリング
特性及び耐削れ特性はフィルムの加工工程の作業性の良
否、更にはその製品品質の良否を左右する大きな要因に
なっている。一方、これらの用途に於いては、フィルム
表面の平滑化や薄手化も要求されている。しかしなが
ら、シンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィル
ムにおいては、単に表面を平滑にし、更に薄手化したの
では、フィルムの製造時及び加工時のハンドリング特性
が不良になり、更にフィルムの走行時にガイドロールと
の接触等により、耐削れ特性不良によるフィルム表面の
擦り傷発生やロールへの白紛付着等の問題が生じる。
【0003】すべり性の良好なフィルムとして、無機粒
子を添加し、表面粗さRaが特定の範囲にあり、静摩擦係
数が限定されたものが知られている(特開平3-74437
号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のす
べり性良好なフィルムでは、低速作業時には良好なハン
ドリング特性が得られるが、作業が高速になるとハンド
リング特性が急激に悪化するという問題を発生すること
があった。またシンジオタクチックポリスチレン系二軸
延伸フィルムにおいては、特にフィルムの厚みが薄くな
るとハンドリング特性が悪化する傾向が大きく、上記の
無機粒子を添加し、表面粗さRaと静摩擦係数の範囲を規
定したフィルムにおいても同様の傾向を備えており、そ
のために良好なハンドリング特性が得られたとしても、
厚みが変わると所望のハンドリング特性が得られなくな
っていた。更に、シンジオタクチックポリスチレン系二
軸延伸フィルムは室温では脆いため、フィルムの製造時
及び加工時にロール等との接触によりフィルムに擦り傷
の発生やロールに白紛が付着する等の問題があった。
【0005】本発明は、フィルム表面の平滑性に優れ、
且つフィルムの厚みに関係なくハンドリング特性に優
れ、更に走行時のフィルム表面に擦り傷の発生やロール
上に白粉の発生が生じない耐削れ特性の良好なシンジオ
タクチックポリスチレン系二軸延伸フィルムを提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のシンジオタクチ
ックポリスチレン系二軸延伸フィルムは、実質的にシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体から成
り、少なくとも片面に1μm以上の突起が実質的に存在
し且つ10個/mm2以下、1μm未満0.54μm以
上の突起が200個/mm2以下、三次元表面粗さSR
aが0.01μm以上0.05μm以下であり、SΔa
が0.01以上0.04以下であり、更に、空気抜け速
さが140秒以下であることを特徴とする、フィルム表
面の平滑性に優れ、且つフィルムの厚みに関係なくハン
ドリング特性に優れ、更にフィルム表面の耐削れ特性が
良好なシンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィ
ルムを提供するものである。
【0007】本発明に用いられる立体規則性がシンジオ
タクチック構造であるポリスチレン系重合体は、側鎖で
あるフェニル基又は置換フェニル基が核磁気共鳴法によ
り定量されるタクテイシテイがダイアッド(構成単位が
二個)で85%以上、ペンタッド(構成単位が5個)で50
%以上のシンジオタクチック構造であることが望まし
い。
【0008】該ポリスチレン系重合体としては、ポリス
チレン、ポリ(p-、m-又はo-メチルスチレン)、ポリ
(2,4-、2,5-、3,4-又は3,5-ジメチルスチレン)、ポリ
(p-ターシャリーブチルスチレン)などのポリ(アルキ
ルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-クロロスチレン)、
ポリ(p-、m-又はo-ブロモスチレン)、ポリ(p-、m-又
はo-フルオロスチレン)、ポリ(o-メチル-p- フルオロ
スチレン)などのポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ
(p-、m-又はo-クロロメチルスチレン)などのポリ(ハ
ロゲン置換アルキルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-メ
トキシスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-エトキシスチレ
ン)などのポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(p-、m-
又はo-カルボキシメチルスチレン)などのポリ(カルボ
キシアルキルスチレン)ポリ(p-ビニルベンジルプロピ
ル)などのポリ(アルキルエーテルスチレン)、ポリ
(p-トリメチルシリルスチレン)などのポリ(アルキル
シリルスチレン)、さらにはポリ(ビニルベンジルジメ
トキシホスファイド)などが挙げられる。
【0009】本発明においては、前記ポリスチレン系重
合体のなかで、特にポリスチレンが好適である。また、
本発明で用いるシンジオタクチック構造を有するポリス
チレン系重合体は、必ずしも単一化合物である必要はな
く、シンジオタクティシティが前記範囲内であればアタ
クチック構造やアイソタクチック構造のポリスチレン系
重合体との混合物や、共重合体及びそれらの混合物でも
よい。
【0010】また本発明に用いるポリスチレン系重合体
は、重量平均分子量が10,000以上、更に好ましくは50,0
00以上である。重量平均分子量が10,000未満のもので
は、強伸度特性や耐熱性に優れた二軸延伸フィルムを得
ることができない。重量平均分子量の上限については、
特に限定されるものではないが1500,000以上では延伸張
力の増大に伴う破断の発生等が生じるため、余り好まし
くない。
【0011】更に、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン系二軸延伸フィルムは、公知の方法、例えば、縦
延伸及び横延伸を順に行なう逐次二軸延伸方法のほか、
横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸
法などの延伸方法を採用することができ、要求される強
度や寸法安定性などの諸特性に応じて選択される。な
お、必要に応じて、熱固定処理、縦弛緩処理、横弛緩処
理などを施してもよい。そして、前記の突起高さと突起
数の関係、三次元表面粗さSRa 及びS Δa 、空気抜け速
さは、フィルムの製膜条件及び滑剤粒子によって調整さ
れる。滑剤粒子の種類及び添加量は突起高さと突起数の
関係、三次元表面粗さSRa 及びS Δa 、空気抜け速さが
所定の範囲内に入るならば特に限定されるものではない
が、シリカ、二酸化チタン、タルク、カオリナイト等の
金属酸化物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸
バリウムなどの金属の塩または有機ポリマーからなる粒
子等のシンジオタクチックポリスチレン系ポリマーに対
し不活性な粒子が例示される。そして、これらの滑剤
は、いずれか一種を単独で用いてもよく、また2種以上
を併用してもよいが、使用する滑剤の平均粒子系は0.01
μm以上2.0μm以下、特に0.05μm以上1.5μm以下が
好ましく、粒子径のばらつき度(標準偏差と平均粒子径
との比率)が25%以下が好ましく、添加量はシンジオ
タクチックポリスチレン系ポリマー100 重量%に対し0.
005 重量%以上2.0 重量%以下含有することが好まし
く、特に0.1 重量%以上1.0 重量%以下が好ましい。ま
た、滑剤粒子の形状は、面積形状係数が60%以上のもの
が1種類以上含まれていることが好ましい。この面積形
状係数は次式によって求められる。 面積形状係数=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円
の面積)× 100(%) 本発明に用いられるポリスチレン系重合体には必要に応
じて、公知の酸化防止剤、帯電防止剤などを適量配合し
たものを用いることができる。配合量は、ポリスチレン
系重合体100 重量%に対して、10重量%以下が望まし
い。10重量%を越えると延伸時に破断が起こり易くな
り、生産安定性が不良となる。本発明のシンジオタクチ
ックポリスチレン系二軸延伸フィルムの少なくとも片面
の突起は、1μm以上のものが10個/mm2以下、1μm未
満で0.54μm以上の突起が200個/mm2以下である事が好
ましい。1μm以上の突起が10個/mm2を越えると走行時
にフィルムから突起の脱落による擦り傷や白紛が発生し
やすくなり、耐削れ特性が不良となる。また、1μm未
満で0.54μm 以上の突起が200 個/mm2を越えると突起脱
落により、耐削れ特性が不良になる。0.54μ未満の突起
については特に限定されないが、擦り傷発生による耐削
れ特性の悪化及びハンドリング特性の悪化を防止するた
めには、0.54μ未満0.27μ以上の突起が100 個/mm2以上
であることが望ましい。
【0012】また、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン系二軸延伸フィルムの少なくとも片面の三次元表
面粗さSRa は0.01μm以上0.05μm以下であることが必
要である。SRa が0.01μm未満ではハンドリング特性及
び耐削れ特性が不良になり、0.05μmを越えると、例え
ば磁気テープ用途では電磁変換特性が不良になり、写真
製版用途では透明性が減少するため好ましくなく、フィ
ルムコンデンサー用途では耐電圧特性の低下などの問題
が発生する。また、S Δaは0.01以上0.04以下であるこ
とが必要である。S Δaが0.01未満ではハンドリング特
性が不良になり、S Δa が0.04を越えると、例えば磁気
テープ用途では電磁変換特性が不良になり、写真、製版
用途では透明性が減少するため好ましくなく、フィルム
コンデンサー用途では耐電圧特性の低下等の問題を生じ
る。
【0013】更に、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン系二軸延伸フィルムの少なくとも片面の空気抜け
速さは140秒以下である。140秒以下にすることに
より、高速作業時においても、フィルムの厚みや強度を
無関係にハンドリング特性が良好なシンジオタクチック
ポリスチレン系二軸延伸フィルムが得られる。反対に空
気抜け速さが500秒を越えた場合、高速作業時のハン
ドリング特性が不良となり、例えばフィルムを高速でロ
ール状に巻き取る場合にフィルムと巻き取りロールの間
に空気が取り込まれしわが生じやすく、巻姿が不良にな
ったり、フィルムが巻き込む空気層の潤滑効果によって
フィルムが幅方向に蛇行してロールの端面の不揃いが生
じたりする。
【0014】実施例 以下に実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、
フィルムの評価方法を以下に示す。
【0015】(1)三次元表面粗さSRa,S Δa フィルム表面を触針式3次元表面粗さ計(SE-3AK, 株式
会社小坂研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重
30mgの条件化に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.
25mmで、測定長1mm にわたって測定し、2μm ピッチで
500 点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(SP
A-11) に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの
幅方向について2μm 間隔で連続的に150 回、即ちフィ
ルムの幅方向0.3mm にわたって行ない、解析装置にデー
タを取り込ませた。次に、解析装置を用いてSRa、SΔa
を求めた。 (2)空気抜け速度 図1に示す測定装置を用意する。即ち、台盤1の上面に
円形の孔1a を設け、この孔1a内に直径70mmのガラス平
板2を固定してガラス平板2を固定してガラス平板2の
外周と孔壁1b との間に溝を形成し、更に上記の孔1bを
囲むリング状の溝孔1cを明け、この溝孔1cを上記ガラス
平板2の外周の溝と連通させ、溝孔1cにパイプ3を介し
て真空ポンプ4の吸引口を接続する。そして、台盤1の
上面に、ガラス平板2を覆う大きさのフィルム試料5を
重ね、その外周を粘着テープ6で台盤1状に密封状に固
定し、真空ポンプ4を駆動し、ガラス平板2の外周部に
干渉縞が出現してからガラス平板2の全面に干渉縞が広
がり、その動きが止るまでの時間(秒)を測定し、この
時間(秒)をもって空気抜け速さとする。
【0016】(3)フィルム表面の突起数 フィルム表面にアルミニウムを薄く均一に蒸着した後、
Nache 社製二光束干渉顕微鏡を用い、400 倍の倍率で1m
m2の面積を観察し、突起高さに対応してできる干渉縞を
もつ突起を数えた。 (4)フィルムのハンドリング特性 広幅のスリットロールを高速でスリットし、小幅のロー
ルに巻直すに際しロール端部の巻ずれ、しわ、バルブ等
を生じないで問題のないロールが得られるかどうかを4
段階評価し、次のランク付けで評価した。 1級;問題のないスリットロールを得ることは極めて困
難 2級;低速で問題のないスリットロールが得られる 3級;中速で問題のないスリットロールが得られる 4級;高速で問題のないスリットロールが得られる
【0017】(5)フィルムの耐削れ特性 フィルムを細幅にスリットしたテープ上ロールを金属製
ガイドロールにこすり付けて走行するとき、一定の供給
張力に対してガイドロール擦過後の擦り傷の発生量及び
白紛のロールへに付着量を5段階評価し、次のランク付
けで表わす。擦り傷と白紛による評価結果が異なるとき
は両者のうちの悪いほうの結果を採用した。 1級;擦り傷多い、白紛発生非常に多い 2級;擦り傷かなり多い、白紛発生多い 3級;擦り傷ややあり、白紛発生ややあり 4級;擦り傷ほとんどなし、白紛発生ほぼなし 5級;擦り傷発生なし、白紛発生なし
【0018】(6)平均粒子径 滑剤粒子を(株)日立製作所製S-510型走査型電子顕
微鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、滑
剤の外形をトレースし任意に200 個の粒子を黒く塗りつ
ぶした。この像をニコレ(株)製ルーゼックス500 型画
像解析装置を用いて、それぞれの粒子の水平方向のフェ
レ径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。また、
粒子径のばらつき度は下記の式により算出した。 ばらつき度=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
(%) (7)面積形状係数 平均粒子径の測定に用いたトレース像から任意に20個
の粒子を選び(6)で用いた画像解析装置を用いて、そ
れぞれの粒子の投影断面積を測定した。また、それらの
粒子に外接する円の面積を算出し、下記の式により算出
した。 面積形状係数=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円
の面積)× 100(%)
【0019】実施例 滑剤として、平均粒子径1.2 μm、ばらつき度20%、面
積形状係数75%のシリカをシンジオタクチックポリスチ
レン(重量平均分子量300000)100 重量%に対して3.0
重量%添加したポリマーチップと、滑剤の添加されてい
ないポリマーチップを重量比で1対9の割合で混合した
後、乾燥し、295 ℃で溶融し、200 μmのリップギャッ
プのT ダイから押し出し、40℃の冷却ロールに静電印荷
法により密着・ 冷却固化し、71μmの無定形シートを得
た。該無定形シートをまずロールにより95℃に予熱し、
表面温度850 ℃の赤外線加熱ヒーターを3本使用し、更
に加熱し、フィルム温度138 ℃で縦方向に3.6 倍延伸
し、ついでテンターで、フィルムを120 ℃に予熱し、横
方向に延伸温度120 ℃で3.3 倍延伸し、260 ℃で熱固定
した。得られたフィルムの厚みは6μmであった。得ら
れたフィルムの測定結果を表に示す。
【0020】比較例 滑剤粒子のシリカのばらつき度を40%とした以外は実施
例と同様の操作を行なった。得られたフィルムの評価結
果を表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上、記載のとおり、本発明は前記特許
請求の範囲に記載のとおりの構成を採用することによ
り、フィルムの表面が平滑で、且つフィルムの厚みに関
係なくハンドリング特性が良好で、更にフィルム表面の
耐削れ性が優れたシンジオタクチックポリスチレン系二
軸延伸フィルムが提供され、従って、本発明の工業的価
値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の空気抜け速さを測定するための装置
の断面図である。
【符号の説明】
1:台盤 2:ガラス平板 3:吸引パイプ 4:真空ポンプ 5:フィルム試料 6:粘着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−74437(JP,A) 特開 昭63−105040(JP,A) 特開 平6−57013(JP,A) 特開 平6−57015(JP,A) 特開 平6−57016(JP,A) 特開 平6−57017(JP,A) 特開 平6−64037(JP,A) 特開 平6−65399(JP,A) 特開 平6−65400(JP,A) 特開 平6−65401(JP,A) 特開 平6−65402(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 B29C 55/12 - 55/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体から成り、少なくとも片面に1μm
    以上の突起が実質的に存在し且つ10個/mm2以下、
    1μm未満0.54μm以上の突起が200個/mm2
    以下、三次元表面粗さSRaが0.01μm以上0.0
    5μm以下であり、SΔaが0.01以上0.04以下
    であり、更に、空気抜け速さが140秒以下であること
    を特徴とするシンジオタクチックポリスチレン系二軸延
    伸フィルム。
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