JPH06322149A - ポリスチレン系フィルム - Google Patents

ポリスチレン系フィルム

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JPH06322149A
JPH06322149A JP5109451A JP10945193A JPH06322149A JP H06322149 A JPH06322149 A JP H06322149A JP 5109451 A JP5109451 A JP 5109451A JP 10945193 A JP10945193 A JP 10945193A JP H06322149 A JPH06322149 A JP H06322149A
Authority
JP
Japan
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film
polymer
syndiotactic polystyrene
weight
poly
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Pending
Application number
JP5109451A
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English (en)
Inventor
Naonobu Oda
尚伸 小田
Tomonori Yoshinaga
知則 吉永
Tadashi Okudaira
正 奥平
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はシンジオタクチックポリスチレン系
フィルム、さらに詳しく言えば包装用、コンデンサー
用、および磁気テープ用ベースフィルム等として好適
な、フィルムの走行時の滑剤の脱落を抑制し、ハンドリ
ング性、滑り性及び耐摩耗性に優れたシンジオタクチッ
クポリスチレン系フィルムに関するものである。 【構成】 実質的にシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体から成り、少なくとも片面の三次元表面
粗さSλaが15μm以下、SRa が0.01μm以上であり、且
つ空気抜け速さが900 秒以下であることを特徴とする、
シンジオタクチックポリスチレン系フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシンジオタクチックポリ
スチレン系フィルム、さらに詳しく言えば包装用、コン
デンサー用、および磁気テープ用ベースフィルム等とし
て好適な、フィルムの走行時の滑剤の脱落を抑制し、ハ
ンドリング性、滑り性及び耐摩耗性に優れたシンジオタ
クチックポリスチレン系フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シンジオタクチックポリスチレン系フィ
ルムは耐熱性、電気特性、透明性などに優れ、磁気テー
プ用、写真・製版用、コンデンサー用、包装用等、各種
のフィルム用途に展開が期待されてる。これらの用途に
使用される場合、その滑り性及び耐摩耗性はフィルムの
製造工程及び各用途における加工工程の作業性の良否、
更にはその製品品質の良否を左右する大きな要因になっ
ている。シンジオタクチックポリスチレン系フィルムに
おいても、磁気テープ用、写真・製版用、コンデンサー
用、包装用等の各用途において平滑化、透明化、又は薄
手化等が必要である。しかし、シンジオタクチックポリ
スチレン系フィルムでは、単に表面を平滑化、透明化又
は薄手化したのでは、フィルムの製造時及び加工時のハ
ンドリング特性の不良及びフィルムの走行時のガイドロ
ール等との接触時の滑り性不良により張力の増大、折れ
じわ及び擦り傷が発生し、更にフィルム表面の突起の削
れによる白紛等が発生すると言う耐摩耗性が不良とな
る。特に、シンジオタクチックポリスチレン系フィルム
は脆く、滑り性を得るために添加された滑剤が脱落しや
すく、フィルムの走行時の削れが著しいという欠点があ
った。すべり性の良好なフィルムとして、無機粒子を添
加し、表面粗さRaが特定の範囲にあり、静摩擦係数が限
定されたものが知られている(特開平3-74437 号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の滑
り性良好なフィルムにおいても、シンジオタクチックポ
リスチレン系フィルムは脆く、フィルムの製造時及び加
工時にロール等との摩擦によりフィルム表面に擦り傷や
白紛等が発生しやすく、耐摩耗性不良の問題があること
が分かった。本発明は、滑剤の脱落を抑制し、ハンドリ
ング性、滑り性及び耐摩耗性に優れたンジオタクチック
ポリスチレン系フィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のシンジオタクチ
ックポリスチレン系フィルムは、少なくとも片面の三次
元表面粗さSλaが15μm以下、SRa が0.01μm以上であ
り、且つ空気抜け速さが900 秒以下であることを特徴と
する滑剤の脱落を抑制し、ハンドリング性、滑り性及び
耐摩耗性に優れたシンジオタクチックポリスチレン系フ
ィルムを提供するものである。
【0005】本発明に用いられる立体規則性がシンジオ
タクチック構造であるポリスチレン系重合体は、側鎖で
あるフェニル基又は置換フェニル基が核磁気共鳴法によ
り定量されるタクティシティがダイアッド(構成単位が
二個)で85%以上、ペンタッド(構成単位が5個)で50
%以上のシンジオタクチック構造であることが望まし
い。該ポリスチレン系重合体としては、ポリスチレン、
ポリ(p-、m-又はo-メチルスチレン)、ポリ(2,4-、2,
5-、3,4-又は3,5-ジメチルスチレン)、ポリ(p-ターシ
ャリーブチルスチレン)などのポリ(アルキルスチレ
ン)、ポリ(p-、m-又はo-クロロスチレン)、ポリ(p
-、m-又はo-ブロモスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-フ
ルオロスチレン)、ポリ(o-メチル-p- フルオロスチレ
ン)などのポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(p-、m-
又はo-クロロメチルスチレン)などのポリ(ハロゲン置
換アルキルスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-メトキシス
チレン)、ポリ(p-、m-又はo-エトキシスチレン)など
のポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(p-、m-又はo-カ
ルボキシメチルスチレン)などのポリ(カルボキシアル
キルスチレン)ポリ(p-ビニルベンジルプロピルエーテ
ルスチレン)などのポリ(アルキルエーテルスチレ
ン)、ポリ(p-トリメチルシリルスチレン)などのポリ
(アルキルシリルスチレン)、さらにはポリ(ビニルベ
ンジルジメトキシホスファイド)などが挙げられる。本
発明においては、前記ポリスチレン系重合体のなかで、
特にポリスチレンが好適である。また、本発明で用いる
シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体
は、必ずしも単一化合物である必要はなく、シンジオタ
クティシティが前記範囲内であればアタクチック構造や
アイソタクチック構造のポリスチレン系重合体との混合
物や、共重合体及びそれらの混合物でもよい。
【0006】また本発明に用いるポリスチレン系重合体
は、重量平均分子量が10,000以上、更に好ましくは50,0
00以上である。重量平均分子量が10,000未満のもので
は、強伸度特性や耐熱性に優れたフィルムを得ることが
できない。重量平均分子量の上限については、特に限定
されるものではないが、1500,000以上では延伸張力の増
加に伴う破断の発生などが生じるため余り好ましくな
い。更に、本発明のシンジオタクチックポリスチレン系
フィルムは、公知の方法、例えば、縦延伸及び横延伸を
順に行なう逐次二軸延伸方法のほか、横・縦・縦延伸
法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法などの延伸方
法を採用することができ、要求される強度や寸法安定性
などの諸特性に応じて選択される。また、熱固定処理、
縦弛緩処理、横弛緩処理などを施すことができる。
【0007】本発明に用いられるシンジオタクチックポ
リスチレン系重合体には必要に応じて、公知の酸化防止
剤、帯電防止剤等を適量配合したものを用いることがで
きる。配合量はシンジオタクチックポリスチレン系重合
体100 重量%に対して10重量%以下が望ましい。10重量
%を越えると延伸時に破断を起こしやすくなり、生産安
定性不良となるので好ましくない。
【0008】そして、前記の三次元表面粗さSλa及びSR
a 、空気抜け速さは、フィルムの製膜条件、突起形成剤
及び積層化等によって調整される。突起形成剤の種類及
び添加量は三次元表面粗さS λa 、SRa 及び空気抜け速
さが所定の範囲内に入るならば特に限定されるものでは
ないが、シンジオタクチックポリスチレン系重合体に非
相溶且つ軟化温度の低い重合体を単独で添加又はシンジ
オタクチックポリスチレン系重合体に非相溶且つ軟化温
度の低い重合体と微粒子、例えばシリカ、二酸化チタ
ン、タルク、カオリナイト等の金属酸化物、炭酸カルシ
ウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属の塩
または有機重合体からなる粒子等のシンジオタクチック
ポリスチレン系重合体及びシンジオタクチックポリスチ
レン系重合体に非相溶且つ軟化温度の低い重合体に対し
不活性な粒子の混合物の添加が例示される。シンジオタ
クチックポリスチレン系重合体に非相溶且つ軟化温度の
低い重合体としてはポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン、ナイロン6等が挙げられる。そして、これら
重合体及び微粒子は、いずれか一種を単独で用いてもよ
く、また2種以上を併用してもよいが、使用する微粒子
の平均粒子系は0.01μm以上2.0 μm以下、特に0.05μ
m以上1.5 μm以下が好ましく、粒子径のばらつき度
(標準偏差と平均粒子径との比率)が25%以下が好まし
い。添加量はシンジオタクチックポリスチレン系重合体
100 重量%に対し0.005 重量%以上2.0 重量%以下含有
することが好ましく、特に0.1 重量%以上1.0 重量%以
下が好ましい。また、微粒子の表面エネルギーはシンジ
オタクチックポリスチレン系重合体の表面エネルギーよ
りもシンジオタクチックポリスチレン系重合体に非相溶
且つ軟化温度の低い重合体の表面エネルギーに近接して
る必要がある。これにより微粒子の周りをシンジオタク
チックポリスチレン系重合体に非相溶且つ軟化温度の低
い重合体が囲むため、延伸時に周りの樹脂層が変形し、
所定の表面状態が得られる。また、突起の数及び高さは
これらの添加剤を用いた場合、押し出し時の溶融樹脂に
対する剪断力を増大させることにより突起高さが減少
し、数は増大する。更に、突起の形状は添加した重合体
によっても異なるが延伸温度、速度、倍率をそれぞれ高
くすることによりなだらかなものとなる。積層により所
定の表面状態を得るためには、内層には微粒子を添加
し、外層には微粒子を無添加のシンジオタクチックポリ
スチレン系重合体を使用する方法や、外層にシンジオタ
クチックポリスチレン系重合体に非相溶且つ軟化温度の
低い重合体を単独又はシンジオタクチックポリスチレン
系重合体に非相溶且つ軟化温度の低い重合体と微粒子の
混合物を添加する方法等がある。
【0009】本発明に用いられるポリスチレン系重合体
には必要に応じて、公知の酸化防止剤、帯電防止剤など
を適量配合したものを用いることができる。配合量は、
ポリスチレン系重合体100 重量%に対して、10重量%以
下が望ましい。10重量%を越えると延伸時に破断が起こ
り易くなり、生産安定性が不良となる。
【0010】本発明のシンジオタクチックポリスチレン
系二軸延伸フィルムの少なくとも片面の三次元表面粗さ
Sλaは15μm以下、更に好ましくは13μm以下である事
が必要である。Sλaが15μmより大きい場合には突起の
削れに伴う白粉が生じ、耐磨耗性不良となるため好まし
くない。また本発明のシンジオタクチックポリスチレン
系二軸延伸フィルムの少なくとも片面の三次元表面粗さ
SRa は0.01μm以上である必要がある。SRa が0.01μm
未満では走行性不良となりフィルムの製造時及び加工時
にロールとの接触によりしわ及び傷等の欠点が発生する
ため好ましくない。SRa の上限は特に限定されないが、
0.2 μmを越えると使用する滑剤によっては透明性が低
下するために好ましくない。
【0011】更に、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン系二軸延伸フィルムの空気抜け速さは900 秒以下
である必要がある。更に好ましくは700 秒以下である。
即ち、空気抜け速さを900 秒以下、更に好ましくは700
秒以下にすることにより、高速作業時においても、フィ
ルムの厚みや強度とは無関係にハンドリング特性が良好
なシンジオタクチックポリスチレン系二軸延伸フィルム
が得られる。反対に、空気抜け速さが900 秒を越えた場
合、高速作業時のハンドリング特性が不良となり、例え
ばフィルムを高速でロール状に巻き取る場合にフィルム
と巻き取りロールの間に空気が取り込まれしわが生じや
すく、巻姿が不良になったり、フィルムが巻き込む空気
層の潤滑効果によってフィルムが幅方向に蛇行してロー
ルの端面の不揃いが生じたりする。
【0012】
【実施例】以下に実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。なお、フィルムの評価方法を以下に示す。 (1)三次元表面粗さSλa 、SRa フィルム表面を触針式3次元表面粗さ計(SE-3AK, 株式
会社小坂研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重
30mgの条件化に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.
25mmで、測定長1mm にわたって測定し、2μmピッチで
500 点に分割し、各点の高さを3次元粗さ解析装置(SP
A-11) に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの
幅方向について2μm間隔で連続的に150 回、即ちフィ
ルムの幅方向0.3mm にわたって行ない、解析装置にデー
タを取り込ませた。次に、解析装置を用いて、Sλaおよ
びSRa を求めた。 (2)空気抜け速度 図1に示す測定装置を用意する。即ち、台盤1の上面に
円形の孔1a を設け、この孔1a内に直径70mmのガラス平
板2を固定してガラス平板2を固定してガラス平板2の
外周と孔壁1b との間に溝を形成し、更に上記の孔1bを
囲むリング状の溝孔1cを明け、この溝孔1cを上記ガラス
平板2の外周の溝と連通させ、溝孔1cにパイプ3を介し
て真空ポンプ4の吸引口を接続する。そして、台盤1の
上面に、ガラス平板2を覆う大きさのフィルム試料5を
重ね、その外周を粘着テープ6で台盤1状に密封状に固
定し、真空ポンプ4を駆動し、ガラス平板2の外周部に
干渉縞が出現してからガラス平板2の全面に干渉縞が広
がり、その動きが止るまでの時間(秒)を測定し、この
時間(秒)をもって空気抜け速さとする。
【0013】(3)フィルムのハンドリング特性 広幅のスリットロールを高速でスリットし、小幅のロー
ルに巻直すに際しロール端部の巻ずれ、しわ、バルブ等
を生じないで問題のないロールが得られるかどうかを4
段階評価し、次のランク付けで評価した。 1級;問題のないスリットロールを得ることは極めて困
難 2級;低速で問題のないスリットロールが得られる 3級;中速で問題のないスリットロールが得られる 4級;高速で問題のないスリットロールが得られる (4)フィルムの加工性(滑り性及び耐摩耗性) フィルムを細幅にスリットしたテープ状とし、これを金
属製ガイドロールにこすり付けて高速でかつ長時間走行
させ、このガイドロール擦過後のテープ張力の大小およ
びガイドロールの表面に発生する白紛量の多少を、それ
ぞれ以下に示すように5段階評価し、ランク付けした。 (イ)滑り性 1級;張力大(擦り傷非常に多い) 2級;張力やや大(擦り傷多い) 3級;張力中(擦り傷ややあり) 4級;張力やや小(擦り傷ほとんどなし) 5級;張力小(擦り傷発生なし) (ロ)耐摩耗性 1級;白紛の発生非常に多い 2級;白紛に発生多い 3級;白紛の発生ややあり 4級;白紛の発生ほぼなし 5級;白紛の発生なし
【0014】(5)平均粒子径 微粒子を(株)日立製作所製S-510型走査型電子顕微
鏡で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、微粒
子の外形をトレースし任意に200 個の粒子を黒く塗りつ
ぶした。この像をニレコ(株)製ルーゼックス500 型画
像解析装置を用いて、それぞれの粒子の水平方向のフェ
レ径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。また、
粒子径のばらつき度は下記の式により算出した。 ばらつき度=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)× 100
(%)
【0015】実施例1 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)100 重量部に対して、突起形成剤としてポリエチレ
ンテレフタレート(IV=0.62) を5.0 重量部添加したポリ
マーチップと、突起形成剤の添加されていないポリマー
チップを重量比で1対9(実施例1)、0.5 対9.5 (比
較例1)の割合で混合した後、乾燥し、300 ℃で溶融し
800 μmのリップギャップのT ダイから押し出し、40℃
の冷却ロールに静電印荷法により密着・ 冷却固化し、70
μmの無定形シートを得た。該無定形シートをまずロー
ルにより100 ℃に予熱し、表面温度700 ℃の赤外線加熱
ヒーターを4本使用により更に加熱し、フィルム温度13
5 ℃で縦方向に3.6倍延伸し、ついでテンターで、フィ
ルムを120 ℃に予熱し、横方向に延伸温度125 ℃で3.3
倍延伸し、260 ℃で熱固定した。得られたフィルムの厚
みは6μmであった。フィルム特性を表に示す。この方
法で得られたフィルムの直流の耐電圧を測定したところ
520kV/mmであり、コンデンサ用フィルムとして良好な特
性を持つことがわかった。
【0016】比較例2および実施例2、3 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)100 重量部に対して、突起形成剤として炭酸カルシ
ウム微粒子(平均粒子径=1.2μm 、ばらつき度=20 %)
を40重量%含有するポリエチレンテレフタレート(IV=0.
62) を3.0 重量部添加したポリマーチップと、突起形成
剤の添加されていないポリマーチップの混合比を0.2 対
9.8 (比較例2)、0.5 対9.5 (実施例2)、1対9
(実施例3)とした以外は実施例1と同様に実施した。
得られたフィルムの厚みは6μmであった。フィルム特
性を表に示す。この方法で得られたフィルムの直流の耐
電圧を測定したところ、比較例2で得られたフィルムは
510kV/mmであり、実施例2で得られたフィルムは505kV/
mm、そして実施例3 で得られたフィルムは515kV/mmであ
り、この方法で得られたフィルムは良好な耐電圧特性を
持つことがわかった。
【0017】比較例3 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)100 重量部に対して、突起形成剤として炭酸カルシ
ウム微粒子(平均粒子径=1.2μm、ばらつき度=20 %)
を3.0 重量部添加したポリマーチップと、突起形成剤の
添加されていないポリマーチップを重量比で1対9の割
合で混合し、使用した以外は実施例1と同様に実施し
た。表に示したようにハンドリング性、滑り性は良好で
あるが、耐摩耗性は不良であった。この方法で得られた
フィルムの直流の耐電圧を測定したところ390kV/mmであ
り、コンデンサ用フィルムとしてあまり良好な特性とは
いえない。
【0018】比較例4、5および実施例4、5 シンジオタクチックポリスチレン(重量平均分子量2500
00)100 重量部に対して、突起形成剤として球状シリカ
微粒子(平均粒子径=1.2μm、ばらつき度=4%)を3.0
重量部添加したポリマーチップと、突起形成剤の添加さ
れていないポリマーチップを重量比で1対9の割合で混
合したもの(A) と、突起形成剤を含まないシンジオタク
チックポリスチレン(B) をそれぞれ別々の押し出し機に
供給し300 ℃で溶融し、表面形成剤を含まないシンジオ
タクチックポリスチレンが外層になるようにT ダイ中で
積層し、800 μmのリップギャップのT ダイから押し出
し、40℃の冷却ロールに静電印荷法により密着・ 冷却固
化し、70μmの無定形シートを得た。ここで、全体の厚
みを70μmとなる用に押し出し機の吐出量を制御し、表
面形成剤を含まないシンジオタクチックポリスチレン層
の厚みを1μm(比較例4 )、2μm(実施例4)、5
μm(実施例5 )、20μm(比較例5 )となるようにし
た。該無定形シートをまずロールにより100 ℃に予熱
し、表面温度700 ℃の赤外線加熱ヒーターを4本使用に
より更に加熱し、フィルム温度135 ℃で縦方向に3.6倍
延伸し、ついでテンターで、フィルムを120 ℃に予熱
し、横方向に延伸温度125 ℃で3.3 倍延伸し、260 ℃で
熱固定した。得られたフィルムの厚みは6μmであっ
た。フィルム特性を表に示す。表より、実施例1〜5で
得られたフィルムはハンドリング性、滑り性及び耐摩耗
性に優れたものであった。
【0019】
【発明の効果】以上、記載のとおり、本発明は前記特許
請求の範囲に記載のとおりの構成を採用することによ
り、フィルム表面の突起の脱落が抑制され、ハンドリン
グ性、滑り性及び耐摩耗性に優れたシンジオタクチック
ポリスチレン系フィルムが提供され、従って、本発明の
工業的価値は大である。
【0020】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の空気抜け速さを評価するた
めの装置である。
【図2】図2は、この発明の滑り性及び耐摩耗性を評価
するための装置である。
【符号の説明】
1;台盤 2;ガラス平板 3;吸引パイプ 4;真空ポンプ 5;フィルム試料 6;粘着テープ 7;フィルム 8;キャプスタン 9;張力検査装置 10;金属固定ピン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体から成り、少なくとも片面の三次元
    表面粗さSλaが15μm以下、SRa が0.01μm以上であ
    り、且つ空気抜け速さが900 秒以下であることを特徴と
    する、シンジオタクチックポリスチレン系フィルム。
JP5109451A 1993-05-11 1993-05-11 ポリスチレン系フィルム Pending JPH06322149A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015037238A1 (ja) * 2013-09-13 2015-03-19 パナソニックIpマネジメント株式会社 Pet/spsポリマーアロイ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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