JP3270916B2 - 光センサ - Google Patents

光センサ

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JP3270916B2
JP3270916B2 JP07203394A JP7203394A JP3270916B2 JP 3270916 B2 JP3270916 B2 JP 3270916B2 JP 07203394 A JP07203394 A JP 07203394A JP 7203394 A JP7203394 A JP 7203394A JP 3270916 B2 JP3270916 B2 JP 3270916B2
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    • A61B5/024Detecting, measuring or recording pulse rate or heart rate
    • A61B5/02416Detecting, measuring or recording pulse rate or heart rate using photoplethysmograph signals, e.g. generated by infrared radiation
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    • AHUMAN NECESSITIES
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    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/68Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient
    • A61B5/6801Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient specially adapted to be attached to or worn on the body surface
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体の動脈血管内を流
れる血液中の吸光物質による光透過量の変化を検出し
て、血液中の酸素飽和度や循環動態を求める光センサ
係り、特に浅側頭動脈近傍を透過した光を検出する光セ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】生体の血液中の酸素飽和度や、血液中に
色素を注入して循環動態を測定する、脈波分光法におけ
るプローブとしては、耳朶や耳甲介、或いは指先などに
装着して、発光手段としてのLEDなどの発光部から光
を照射し、装着部位に対して平行あるいは垂直方向の透
過光を受光手段としてのPDなどの受光部で受光して、
装着部位周辺の組織内にある動脈血管内を流れる血液中
の吸光物質を検出する光センサ用プローブが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うに構成された従来の光センサ用プローブによると、耳
朶や耳甲介、或いは指先などに対する装着は容易であり
問題はないが、指先に装着した場合大きな脈波振幅は得
られるが、深呼吸や注入液で神経反射による血管運動刺
激が発生したとき、血流変動が生じて測定値が不安定に
なるという問題があった。
【0004】また、耳に装着した場合視神経反射による
血管収縮の影響は受けにくいが、指先に比べて脈波振幅
が非常に小さく、特に全身麻酔時や手術直後のICU患
者では安定した測定ができないという問題があった。
【0005】また、色素を用いて循環動態を測定する場
合に、プローブの装着による血流阻害が発生し、測定精
度や再現性の低下を招くという問題もあった。さらに耳
朶などで使われるクリップ方式では被検者が動くとプロ
ーブが揺れ易く、安定かつ高精度の測定を行うことが困
難であり、測定誤差を生じ易い欠点があった。
【0006】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
もので、神経反射、深呼吸、注入液などの刺激、血流阻
害、体動などの影響を受けることが少なく、高精度の脈
波分光測定を安定して行うことのできる光センサを提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の光センサは、発光部あるいは受光
部のいずれか一方を先端部に保持し外耳道に挿入される
外耳道アームと、前記外耳道アームの前記先端部を浅側
頭動脈近傍の前記外耳道の内壁面に当接させる当接手段
と、前記発光部あるいは受光部の他方を側頭部外面の前
記浅側頭動脈近傍の皮膚表面に装着する装着部と、を設
けたことを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の光センサは、発光部ある
いは受光部のいずれか一方を先端部に保持し外耳道に挿
入される外耳道アームと前記発光部あるいは受光部の
他方を先端部に保持し、その先端部は側頭部外面の前記
浅側頭動脈近傍の皮膚表面に装着される保持アームと
前記外耳道アームと前記保持アームをそれぞれの前記先
端部が対向し相互に近接および離間できる状態に保持す
るアーム保持手段と前記外耳道アームと前記保持アー
ムをそれぞれの前記先端部が相互に近接するように付勢
する付勢手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の光センサは、前記外耳道
アームは、その先端部に前記外耳道の内壁面の形状に適
合する形状の透明部材を有することを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の光センサは、前記外耳道
アームと前記保持アームとの少なくともいずれか一方
に、皮膚と当接する滑り止め手段を設けたことを特徴と
する。
【0011】請求項5に記載の光センサは、前記滑り止
め手段は、前記外耳道アームと前記保持アームの内側に
それぞれに設けられて耳珠を挾持することを特徴とす
る。
【0012】請求項6に記載の光センサは、前記外耳道
アームと前記保持アームとを所定の角度に係止する係止
手段を設けたことを特徴とする。
【0013】請求項7に記載の光センサは、前記外耳道
アームと前記保持アームを、頭部の左右両側面を挾持す
る頭部挾持手段に取り付けたことを特徴とする。また、
請求項8に記載の光センサは、前記発光部は、その発光
部からの光が浅側頭動脈を透過して前記受光部に照射さ
れるように配置されていることを特徴とする。
【0014】請求項1に記載の光センサにおいては、外
耳道内に外耳道アームを介して挿入された発光部あるい
は受光部のいずれか一方を、当接手段を介して外耳道の
浅側頭動脈近傍に当接させることができると共に、発光
部あるいは受光部の他方を装着部を介して耳の側頭部外
面の浅側頭動脈近傍の皮膚表面に装着し、発光部から発
光する光を浅側頭動脈を透過させて受光部で受光するよ
うにしたので、外耳道近傍にある軟骨により浅側頭動脈
が押圧されることを防ぎ、血流を阻害することなく動脈
血管内を流れる血液中の吸光物質による光透過量の変化
を安定して検出し、血液中の酸素飽和度や循環動態を精
度よく測定することができる。
【0015】請求項に記載の光センサにおいては、外
耳道アームの先端に発光部あるいは受光部のいずれか一
方を取り付けて外耳道内に挿入し、保持アームの先端に
発光部あるいは受光部の他方を取り付けて側頭部外面の
耳近傍に装着して、外耳道アームと保持アームとで浅側
頭動脈を含む側頭部を挾持するようにできるので、装着
が容易となるばかりでなく、測定部位が一定となるた
め、動脈血管内を流れる血液中の吸光物質による光透過
量の変化を安定して検出し、血液中の酸素飽和度や循環
動態を精度よく測定することができる。
【0016】請求項に記載の光センサにおいては、外
耳道アームの先端部に前記外耳道の内壁面の形状に適合
する形状の透明部材を設けたので、その先端部を外耳道
の内壁面に密着させることができると共に、付着する耳
垢などを清掃しやすくすることができる。
【0017】請求項に記載の光センサにおいては、滑
り止め手段を設けたので、外耳道アームと保持アームが
所定の位置に安定して保持され、体動などによる測定装
置本体の脱落やずれの発生を防止し、精度のよい測定を
可能とすることができる。
【0018】請求項に記載の光センサにおいては、滑
り止め手段は、前記外耳道アームと保持アームの内側に
それぞれ設けられて耳珠を挾持するので、センサ本体を
耳珠で固定できるため、より滑り止め効果を大きくする
ことができ、安定した測定が可能となる。
【0019】請求項に記載の光センサにおいては、外
耳道アームと保持アームとを所定の角度に係止する係止
手段を設けたので、これらのアーム間の角度を一定にす
ることができる。また、請求項に記載の光センサにお
いては、外耳道アームおよび保持アームを、頭部の左右
両側面を挾持する頭部挾持手段に取り付けたので、セン
サ本体を容易にかつ確実に所定部位に装着することがで
きる。更に、請求項に記載の光センサにおいては、発
光部からの光が浅側頭動脈を透過して前記受光部に照射
されるように発光部が配置されているので、浅側頭動脈
を透過した光の強さが検出される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の光センサの実施例を図面を参
照して説明する。
【0021】図1及び図2に本発明の光センサの第1の
実施例の構成を示す。図1は図2に示す頭部のX−X線
断面における光センサ1の装着状態を示す。光センサ1
はほぼ円筒状の外耳道アーム1aと円板上の装着部1b
とから構成されている。外耳道アーム1aの先端近傍に
はPDなどの受光部7が装着されており、装着部1bの
中心近傍にはLEDなど発光部6が発光面を外側にして
取り付けられている。
【0022】外耳道アーム1aの受光部7の受光面に対
して反対側の面には、軸方向に沿って発泡ポリウレタン
などの多孔性物質によって柱状に形成された当接手段と
しての弾性部材51が接着されている。また、装着部1
bの発光分6が設けられた面には、発光部6の外周部に
図示しない粘着層が形成されている。さらに発光部6及
び受光部7にはそれぞれ発光部6に電圧を与えて点灯
し、受光部7からの信号を取り出すためのリード線5
2,53が接続されている。
【0023】つぎに上記のように構成された光センサ1
を用いて、血液中の光透過量を測定する方法について説
明する。図1に示すように外耳道アーム1aを受光部7
側を先端として、被検者の側頭部の耳甲介腔18を介し
て外耳道19近傍内に挿入し、受光部7を浅側頭動脈周
辺22に対向配置する。このとき受光部7の受光面を浅
側頭動脈周辺22の方向に向けておく。この状態で外耳
道アーム1aは弾性部材51の弾性力により、外耳道1
9近傍内に保持される。
【0024】一方、発光部6が取り付けられた装着部1
bを、被検者の側頭部外面の浅側頭動脈近傍22の皮膚
54の表面に粘着層を介して装着する。そして発光部6
を点灯し発光部6から発せられ浅側頭動脈近傍22を透
過した光を受光部7で受光することにより、浅側頭動脈
血管内を流れる血液中の吸光物質による光透過量の変化
を検出して、血液中の酸素飽和度や循環状態を求める。
【0025】本実施例によれば、動脈血液脈波の検出を
行うための動脈血管は浅側頭動脈周辺22の血管であ
り、発光部6と受光部7の間に位置する。この部位は耳
朶23などのように外気温度の変化に対して影響を受け
にくく、深部体温に近い温度を示す。このため血液の循
環が良好であり脈波を安定して検出することができる。
また受光部7が外耳道19内にあるため、外光や電気的
な影響を受けることが少なく、安定した脈波の検出を行
うことができる。しかも外耳道アーム1aは弾性部材5
1を介して外耳道19の近傍に挿入されているので、所
定位置に安定して保持され、かつ外来光が遮光され外来
光によるノイズの発生を少くすることができる。さらに
外耳道19に挿入された弾性部材51は多孔質であるの
で、外部の音は遮断されることなく鼓膜21に伝達され
る。
【0026】このとき外耳道アーム1aの先端と浅側頭
動脈周辺22との間には耳珠軟骨24と外耳道軟骨25
とが介在するため、外耳道アーム1aを外耳道19の近
傍に挿入したときに、浅側頭動脈周辺が圧迫されること
はない。
【0027】図3に本実施例の光センサ1を図1に示す
ように外耳道と側頭部外面とに装着した場合(a)と、
従来の光センサを耳朶に装着した場合(b)との、検出
された脈波の一例を比較してそれぞれ示す。図3により
明らかなように、本実施例による脈波信号の振幅は従来
に比べて大きくなっている。また被検者が頭を振ったと
きに、従来は(b)に矢印Aで示すように信号波形にノ
イズが混入するが、本実施例の光センサの場合は(a)
に示すようにノイズが混入することはない。
【0028】図4乃至図11に本発明の第2の実施例の
構成を示す。図5において、光センサ1はそれぞれ一端
近傍に屈曲部2a,3aを有する挟持手段としての1対
のアーム2,3すなわち保持アーム2と外耳道アーム3
とを備え、屈曲部2a,3aの両側にそれぞれ形成され
た1対の軸受部2b,3bには軸4が挿通されている。
そして1対のアーム2,3は軸4を介して回動可能に連
結されている。軸4にはコイルバネ5が巻回されてお
り、コイルバネ5の両端はアーム2,3の短い方の一辺
の内側に係止されていて、矢印Bで示すように短い方の
一辺を開く方向に回動付勢している。ここで軸受部2
b,3bと軸4がアーム保持手段を構成し、コイルバネ
5が付勢手段に相当する。
【0029】1対のアーム2,3の長い方の一辺の先端
にはそれぞれLEDなどの発光部6とPDなどの受光部
7とが装着されており、発光部6の発光面と受光部7の
受光面とが対向している。また光センサ1の後述する装
着部位の関係で、通常発光部6が装着された保持アーム
2の長さは受光部7が装着された外耳道アーム3の長さ
より長くなっており、外耳道アーム3の受光面には凸部
8が形成されている。なお、受光部7の受光面を透明樹
脂で被覆して、付着する耳垢などを清掃しやすくすると
よい。
【0030】また、凸部8を省略し、受光部7の受光面
を被覆する透明樹脂の形状を、外耳道19の内壁面に密
着するような曲面に形成してもよい。このような形状に
することにより、外耳道アーム3を外耳道19の内壁面
に密着させることができ、外耳道19の内壁面を傷付け
ることなく安定した測定を行うことができる。
【0031】アーム2,3にはそれぞれ滑り止め手段と
しての押圧部材9が装着されている。押圧部材9はアー
ム2,3にそれぞれ直角方向に移動可能に装着された軸
10と、軸10のアーム2,3から内側に突出する一端
に固定された押圧子11と、アーム2,3の外側の軸1
0に対向する位置に固定された係止部材12と、軸10
に巻回され押圧子11と係止部材12との間に張架され
たコイルバネ13とから構成されている。そして1対の
押圧子11はコイルバネ13により近接する方向に付勢
されている。なお、図示しないが、軸10の係止部材1
2側の一端には、脱落を防止する突起が設けられてい
る。
【0032】押圧部材9は図5に示すように1対のアー
ム2,3にそれぞれ装着してもよく、または図6に示す
ようにアーム2,3のいずれか一方、例えば保持アーム
2のみに装着してもよい。また押圧子11の形状は図5
に示すように、対向面が球面状に形成された円板であっ
てもよく、図7に示すような湾曲した板バネ14か、図
8に示すような円環状の板バネ15であってもよい。な
お図7、図8に示すような板バネ14,15を用いる場
合は、板バネ14,15の端部はビス16及びナット1
7で保持アーム2に固定される。また図4に示すように
押圧子11をレバー状に形成してもよい。
【0033】次に押圧子11がレバー状に形成された光
センサ1について、図4を参照して光センサ1の生体へ
の装着状態を説明する。側頭部の耳甲介腔18を介して
光センサ1の受光部側のアーム3を外耳道19の近傍内
に挿入する。また発光部側の保持アーム2をこめかみと
耳珠20との中間位置に装着し、コイルバネ5の付勢力
により、アーム2,3の発光部6及び受光部7が装着さ
れた側の端部を、それぞれ側頭部外面と外耳道19近傍
の内面とに押圧挟持する。なお、図4に示す符号21は
鼓膜である。
【0034】上記の状態において、外耳道19に近傍は
側頭部外面に対して鋭角をなしている。このためアーム
2,3は外側に滑って外れやすい。そこでアーム2,3
に装着された押圧部材9の押圧子11を外耳道19の入
口内面と耳珠20の近傍の外面に当接させ、図5に示す
ようにコイルバネ13の付勢力により挟持押圧して滑り
止めをしている。なお、外耳道アーム3の受光部7の周
囲に形成された凸部8により、外耳道アーム3を外耳道
19の近傍の内面に押圧したときにその部分の血流が阻
害されないように、また傷を与えないようにしている。
【0035】一方、動脈血脈波の検出を行うための動脈
血管は図4に示す浅側頭動脈周辺22であり、発光部6
と受光部7の間に位置する。この部位は耳朶23などの
ように外気温度の変化に対して影響を受けにくく、深部
体温に近い温度を示す。このため血液の循環が良好であ
り脈波を安定して検出することができる。また受光部7
が外耳道19内にあるため、外光の影響を受けることが
少なく、安定した脈波の検出を行うことができる。さら
にアーム2,3はコイルバネ5により所定部位に保持さ
れ、しかも押圧部材9により滑り止めが行われるので、
プローブ1のずれや脱落の発生を防止することができ
る。
【0036】このとき外耳道アーム3の先端と浅側頭動
脈周辺22との間には、耳珠軟骨24と外耳道軟骨25
とが介在するため、アーム2,3で所定部位を押圧挟持
したとき、浅側頭動脈22が圧迫されることはない。ま
た押圧部材9は浅側頭動脈周辺22から離れた部位を挟
持しているため、強固に押圧しても血流測定部に影響を
与えない。しかもアーム2,3による押圧力を弱くする
ことにより、外耳道19の近傍の表皮の損傷を防ぐこと
ができる。なお、外耳道アーム3の先端の受光部7をス
ポンジなどの柔らかな材質の部材で被覆し、そのスポン
ジなどを使い捨てとすることにより、使用感を向上させ
ることもできる。
【0037】上記実施例では押圧部材9をコイルバネ1
3または板バネ14,15で押圧付勢しているが、図9
に示すようにネジ止め方式にしてもよい。すなわち、図
9に示すように保持アーム2に直角方向に蝶ネジ26を
螺着し、蝶ネジ26の先端に押圧子11を固定する。そ
して蝶ネジ26の回転により押圧子11を進退させる。
このとき蝶ネジ26の軸部に図示しないナットを装着す
ることにより、押圧子11を所定の位置に固定すること
ができる。
【0038】図10,11に示す例は発光部6を被覆す
る被覆部材27を半球状に形成し、内面に反射板28を
設け、発光面に散乱板29を装着したものである。この
構成によると、発光部6から発した光は有効に発光面に
向って進み、散乱板29によって散乱されて、広い範囲
の浅側頭動脈周辺22を照射する。このとき散乱板29
の表面を図10(a)に示すように波状にしたり、
(b)に示すように鋸歯状とすることにより、保持アー
ム2の側頭部への把持を強固とすることができる。なお
発光面の周囲に両面接着テープや粘着剤フォームを貼付
して、側頭部に接着してもよい。
【0039】一方、発光部6を有する保持アーム2の長
さは受光部7を有する外耳道アーム3の長さより長くな
っており、発光部6と受光部7との間の距離はアーム
2,3の長さが等しい場合より長くなっている。このよ
うにすることにより、外耳道19の比較的奥側の外周に
ある浅側頭動脈周辺22を広い範囲にわたって光を照射
することができ、動脈血管内を流れる血液の情報をより
多く検知して、安定した脈波分光測定が可能となる。こ
のとき発光部6を図10に示すように側頭部表面に対し
て斜交させ、受光部7に対向させてもよく、または図1
1に示すように発光部6を側頭部表面に対して平行に配
置し、受光部7に対して斜交させてもよい。
【0040】図12乃至図18に本発明の第3の実施例
の構成を示す。これらの図において、図4及び図5に示
す第2の実施例の部分と対応する部分には同一の符号を
付してあり、その説明は適宜省略する。本実施例の特徴
は滑り止め手段を1対の押圧レバー30で構成し、押圧
レバー30の中間をアーム2,3を支持する軸4に回動
可能に取り付け、押圧レバー30の軸4に対する係止手
段を設けた点にある。
【0041】外耳道アーム3の屈曲部3aの両側端に
は、それぞれ外耳道アーム3に対して直角方向に軸受部
3bが形成されている。同様に保持アーム2の屈曲部2
aの両側端近傍には、それぞれ保持アーム2に対して直
角方向に軸受部2bが形成されていて、軸受部2bは軸
受部3bの内側に位置している。そして第2の実施例の
場合と同様に軸受部2b,3bには軸4が挿通されてお
り、アーム2,3はそれぞれ軸受部2a,3bを介して
軸4に回動可能に支持されている。アーム2,3の長手
方向の先端には図示していないが、図4,5に示す第2
の実施例と同様にそれぞれ発光部6、受光部7が設けら
れている。
【0042】軸4には1対の軸受部2bの内側におい
て、図13,14に示すように左右1対のコイルバネ5
が巻回されており、コイルバネ5の両端はそれぞれアー
ム2,3の短い方の一辺の内側に係止されていて、矢印
Cで示すように短い方の一辺を開く方向に回動付勢して
いる。
【0043】軸4にはコイルバネ5の内側の位置におい
て、1対の滑り止め手段としての押圧レバー30が回動
可能に取り付けられている。押圧レバー30はアーム
2,3の内側にほぼ平行に配置されており、中間に1対
の軸受部30aが押圧レバー30の面に対して直角方向
に形成されている。そして軸受部30aは図15に示す
ように軸4に回動可能に支持されており、押圧レバー3
0の一端30bはアーム2,3の短い方の一辺の内面に
当接している。また押圧レバー30の他端は拡幅されて
いて押圧部30cを形成している。
【0044】軸4には左右1対の軸受部30aの間にお
いて、コイルバネ31が巻回されており、コイルバネ3
1の両端はそれぞれ押圧レバー30の押圧部30cに対
して反対側の一辺の内側に係止されていて、図13に矢
印Cで示すように、この一辺を開く方向に回動付勢して
いる。
【0045】次に1対のアーム2,3を軸4に対して所
定の角度に係止保持する係止手段について、図16乃至
図20を参照して説明する。図16において、アーム
2,3にそれぞれ設けられた左右1対の軸受部2b,3
bには、それぞれ軸4を中心とする円環状の固定部材3
2,33,34,35が嵌合固定されている。固定部材
32乃至35は金属または硬質合成樹脂で構成されてお
り、内周面に鋸歯状の係止部が形成されている。
【0046】隣接するアーム2,3の軸受部2b,3b
のうち一方の側にそれぞれ固定された固定部材32,3
3内には、金属繊維を含むゴムで円環状に形成された1
個の第1の押圧部材36が同心上に装着されている。第
1の押圧部材36の一方の端面は軸受部3bの内側の面
に当接しており、他方の端面には軸4の一端に同心状に
固定された鍔部37が当接している。このとき軸4は軸
受部2bを貫通し、鍔部37は軸受部2b内に配置され
ており、鍔部37と軸受部3bの内側端面との間にはコ
イルバネ38が張架されていて、鍔部37を矢印D方向
に押圧付勢している。
【0047】一方、軸受部2b,3bのうち他方の側に
それぞれ固定された固定部材34,35内には、金属繊
維を含むゴムで有底円筒状に形成された1個の第2の押
圧部材39が同心上に装着されている。第2の押圧部材
39の一方の端面は軸受部2bの外側の面に当接してお
り、他方の端面は軸4に同心状に固定された鍔部40に
対向している。このとき軸4は軸受部2bを貫通し、鍔
部40は軸受部3b内に配置されており、第2の押圧部
材39の底面中心には軸4が貫通する貫通孔39aが形
成されている。
【0048】軸受3bの外周の側面には丸孔41が中心
孔に貫通して形成されている。また軸4の外周の一部に
は図17に示すように切欠部4aが形成されており、切
欠部4a内には軸4と一体に突起部4bが設けられてい
る。そして突起部4bは基部4cが弾性変形することに
より、軸受3bの内周に当接するか、丸孔41内に突出
して係止されるようになっている。また軸4の軸受部3
bから外側に突出する両端には、それぞれ把手42,4
3が着脱可能に取り付けられている。なお、本実施例に
おいては、把手42,43がそれぞれ取り付けられた軸
4は、鍔部37の部分で左右分離されている。
【0049】次に第3の実施例の作用を説明する。図1
6,17はアーム2,3が軸4に対して回動可能の場合
の状態を示し、図19,20はアーム2,3が軸4に対
して回動が係止固定された場合の状態を示す。軸4を矢
印E方向に移動した状態では図17に示すように、突起
部4bの先端は軸受部3bの内周に当接し、軸4は軸方
向に移動可能である。この状態では図16に示すよう
に、鍔部37,40はそれぞれ押圧部材36,39を押
圧していない。軸4を矢印F方向に移動すると、図20
に示すように突起部4bは軸受部3bに形成された丸孔
41に嵌合し、軸4は軸方向に移動不能である。この状
態では図19に示すように、鍔部37,40はそれぞれ
押圧部材36,39を押圧圧縮する。この結果、押圧部
材36,39は直径方向に拡径し、その外周が固定部材
32乃至35の内周に係合し、軸受部2b,3bが軸4
に対して回動不能となる。すなわち、アーム2,3の軸
4に対する位置が固定され、第2の実施例において説明
したアーム2,3による側頭部及び外耳道に対する挟持
が確実となり、装着後に安定した脈波分光測定を行うこ
とができる。
【0050】プローブ1を頭部から取り外すときは、丸
孔41内に例えば指先あるいはボールペンの先などを挿
入して突起部4bを押し、丸孔41との係合を解除する
ことにより図17に示す状態とすることができ、図16
に示すように押圧部材36,39の押圧を解除して、ア
ーム2,3の軸4に対する自由な回動を可能とする。
【0051】本実施例によれば、押圧部材36,39を
介してアーム2,3を軸4に固定することができ、発光
部6と受光部7との間の距離を一定として、精度のよい
脈波分光測定を可能とすることができる。
【0052】上記の第3の実施例においては、押圧レバ
ー30の押圧部30bを近接付勢する手段としてコイル
バネ31を用いた場合について説明したが、図21乃至
図23に示すようにほぼU字状の板バネ44を用いても
よい。板バネ44はアーム2,3に保持されており、両
端は押圧レバー30の押圧部30bの外側に当接してい
る。
【0053】またプローブ1を被検者の頭部45に装着
する方法としては、図24に示すような逆U字状のバン
ド46の一端にプローブ1を装着し、図25に示すよう
に受光部7が設けられたアーム3を外耳道に挿入し、発
光部6が設けられたアーム2とバンド46の他端47と
により頭部45の左右の骨元部を挟むようにして取り付
けてもよい。なお符号48,49はバンド46の長さを
調節する公知の長さ調節部である。
【0054】また、図4に示す押圧部材9を省略し、図
26及び図27に示すように、アーム2,3のいずれか
一方の短い方の一辺と耳朶23とをクリップ61で挟ん
で固定してもよい。クリップ61は1対の挾持片部材6
1aと61bの中間部が軸62を介して回動可能に連結
されている。そして挾持片部材61a,61bの耳朶2
3を挾持片する側の端部の幅Wは広くなっていおり、光
センサ1を耳朶23に安定して固定できるようになって
いる。
【0055】本実施例によれば、簡単な操作で光センサ
1を頭部に固定することができ、被検者の運動時にも安
定した測定を行うことがきできる。特に耳朶20などが
小さくてやわらかい場合に有効である。なお、アーム
2,3のいずれかの一端をクリップ61の幅広の一辺に
接着固定してもよい。
【0056】なお、上記各実施例に示した各部の詳細な
構造は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更してもよ
い。例えば受光部7を側頭部外面に装着し、受光部6を
外耳道近傍に挿入してもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の血液の光
減衰量測定方法および光センサによると、1対のアーム
の先端にそれぞれ発光部と受光部を取り付け、発光部又
は受光部を側頭部外面の耳近傍に装着し、受光部又は発
光部を耳の外耳道近傍に挿入して、動脈血管内を流れる
血液中の吸光物質による光透過量の変化を検出するよう
にしたので、外気にさらされている耳朶や耳甲分での測
定に比べ、深部体温に近い平均温度の高い外耳道近傍で
前記吸光物質の検出を行うことができ、しかもシャープ
で大きな脈波振幅の検出が可能となり、さらに血流阻
害、体動、神経反射などの影響を受けることが少ない。
この結果、高精度の脈波分光測定を安定して行うことが
でき、血液中の酸素飽和度や循環動態を精度よく測定す
ることができる。
【0058】また、挟持手段に滑り止め手段を設けたの
で、光センサの脱落を防止して所定の位置に安定して保
持することができ、精度のよい脈波の分光測定を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光センサの第1の実施例の装着状態を
示す図2のX−X線断面図。
【図2】被検者の測定部位を示す側面図。
【図3】本発明の第1の実施例の光センサと従来の光セ
ンサとによる脈波の測定結果を比較して示す線図。
【図4】本発明の光センサの第2の実施例の装着状態を
示す断面図。
【図5】本発明の光センサの第2の実施例の構成を示す
一部断面側面図。
【図6】図5の第1の変形例の構成を示す一部断面側面
図。
【図7】図5の第2の変形例の構成を示す要部側面図。
【図8】図5の第3の変形例の構成を示す要部側面図。
【図9】図5の第4の変形例の構成を示す一部断面側面
図。
【図10】図4に示す実施例の発光部の他の構成を示す
説明図。
【図11】図10に示す発光部と受光部の他の配置例を
示す説明図。
【図12】本発明の光センサの第3の実施例の構成を示
す斜視図。
【図13】図12の側面図。
【図14】図12の平面図。
【図15】図12の軸受部の構成を示す拡大側面図。
【図16】図12に示す実施例にアームの係止手段を設
けた場合の構成を示す一部断面正面図。
【図17】図16の軸の要部の構成を示す拡大断面図。
【図18】図16の係止手段の構成を示す分解斜視図。
【図19】図16のアームの係止状態を示す一部断面正
面図。
【図20】図16のアーム係止時の軸の状態を示す拡大
断面図。
【図21】図21に示す第2の実施例の変形例の構成を
示す斜視図。
【図22】図21の側面図。
【図23】図21の平面図。
【図24】本発明の光センサを支持するバンドの一例の
構成を示す斜視図。
【図25】図24に示すバンドを被検者の頭部に装着し
た状態を示す正面図。
【図26】図4に示す光センサの他の固定方法に用いら
れるクリップの構成を示す斜視図。
【図27】図26に示すクリップにより光センサを耳朶
に装着した状態を示す正面図。
【符号の説明】
1 光センサ 1a,3 外耳アーム 1b 装着部 2 保持アーム コイルバネ(付勢手段) 6 発光部 7 受光部 9 押圧部材(滑り止め手段) 19 外耳 20 耳珠 22 浅側頭動脈近傍 30 押圧レバー(滑り止め手段) 36,39 押圧部材(係止手段) 45 頭部 46 バンド(保持手段) 51 弾性部材(当接手段) 54 皮膚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/145 A61B 5/02 - 5/026

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光部あるいは受光部のいずれか一方を
    先端部に保持し外耳道に挿入される外耳道アームと、 前記外耳道アームの前記先端部を浅側頭動脈近傍の前記
    外耳道の内壁面に当接させる当接手段と、前記発光部あるいは受光部の他方を側頭部外面の前記浅
    側頭動脈近傍の皮膚表面に装着する装着部と 、を設けた
    ことを特徴とする光センサ。
  2. 【請求項2】 発光部あるいは受光部のいずれか一方を
    先端部に保持し外耳道に挿入される外耳道アームと前記発光部あるいは受光部の他方を先端部に保持し、そ
    の先端部は側頭部外面の前記浅側頭動脈近傍の皮膚表面
    に装着される保持アームと前記外耳道アームと前記保持アームをそれぞれの前記先
    端部が対向し相互に近接および離間できる状態に保持す
    るアーム保持手段と前記外耳道アームと前記保持アームをそれぞれの前記先
    端部が相互に近接するように付勢する付勢手段と、を備
    えたことを特徴とする 光センサ。
  3. 【請求項3】 前記外耳道アームは、その先端部に前記
    外耳道の内壁面の形状に適合する形状の透明部材を有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の光センサ。
  4. 【請求項4】 前記外耳道アームと前記保持アームとの
    少なくともいずれか一方に、皮膚と当接する滑り止め手
    段を設けたことを特徴とする請求項2または3記載の光
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記滑り止め手段は、前記外耳道アーム
    と前記保持アームの内側にそれぞれに設けられて耳珠を
    挾持することを特徴とする請求項記載の光センサ。
  6. 【請求項6】 前記外耳道アームと前記保持アームとを
    所定の角度に係止する係止手段を設けたことを特徴とす
    る請求項2ないし5のいずれかに記載の光センサ。
  7. 【請求項7】 前記外耳道アームと前記保持アームを、
    頭部の左右両側面を挾持する頭部挾持手段に取り付けた
    ことを特徴とする請求項記載の光センサ。
  8. 【請求項8】 前記発光部は、その発光部からの光が浅
    側頭動脈を透過して前記受光部に照射されるように配置
    されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれ
    かに記載の光センサ。
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