JP3270754B2 - 装飾シート - Google Patents

装飾シート

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JP3270754B2
JP3270754B2 JP2000086808A JP2000086808A JP3270754B2 JP 3270754 B2 JP3270754 B2 JP 3270754B2 JP 2000086808 A JP2000086808 A JP 2000086808A JP 2000086808 A JP2000086808 A JP 2000086808A JP 3270754 B2 JP3270754 B2 JP 3270754B2
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寿栄男 浅山
輝義 村田
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浅山織物株式会社
有限会社楽芸工房
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本真珠の光沢を有
する装飾シートおよび箔糸に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、本真珠は和装帯等の装飾品と
して珍重されていた。しかしながら、本真珠をそのまま
帯地等に張りつけると、コストが高くなり、またデザイ
ンが制限されてしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、種々
の分野で利用可能な本真珠を使用した高級感のある装飾
シートを提供することを課題とする。また、この装飾シ
ートを利用し、高級感のある和装帯を作製するための新
規な箔糸を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者は上記の課題
を解決すべく種々検討を重ねた結果、シート地と、前記
シート地の上面に塗布された塗料が乾燥して成る塗料層
と、前記塗料層の上面に付着するように前記塗料が乾燥
する前に振り落とされた真珠粉末から成る表面層とを有
することを特徴とする装飾シートとすることよって解決
されることを見いだした。以下に本発明を詳細に説明す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例として
の箔糸を作製するための装飾シート1の断面図である。
この一実施例としての装飾シート1は次のようにして作
製される。
【0006】シート地 まず、シート地2として和紙を用意する。そしてこの和
紙の片面に接着剤を塗布した後に金箔を張りつけて、常
温で2時間程度放置して接着剤を完全に乾燥させる。こ
れによってシート地2の上面に、金箔の下地層3が形成
される。なお、シート地2は和紙から成るものには限定
されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンおよび
ナイロン等からなるプラスチックシートや不織布からな
るものであってもよい。また、下地層3は、金箔から成
るものに限定されず、銀や白金の粉や箔から成るもので
あってもよい。金粉や銀粉や白金粉は、例えばスプレー
コーティング法によって和紙等のシート地に吹きつけら
れて、本発明の下地層を形成する。
【0007】塗料層 次に、上面に金箔が貼られたシート地に、二酸化チタン
とニトロセルロースと溶剤とからなる白色のラッカー等
の塗料を塗布して塗料層4を形成する。なお、この塗料
には、更に真珠粉末を含んでいることが好ましい。
【0008】また、塗料に含まれるバインダーは、ニト
ロセルロースに限定されない。例えば、アセチルセルロ
ース、酢酸プロピオン酸セルロースおよび酪酸セルロー
スなどのセルロースエステル、並びにエチルセルロース
およびベンジルセルロースなどのセルロースエーテルな
どを使用してもよい。
【0009】また、塗料に含まれる顔料としては、二酸
化チタンに限定されない。その他の有用な顔料として
は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウムおよびカ
オリン等が挙げられる。
【0010】本発明の塗料は、好ましくは、pHが5.
5≦pH≦8.5になっている。真珠が変色してしまう
のを防止するためである。
【0011】表面層 上記のラッカーが乾燥する前に、塗料層の上面に細かく
粉砕された真珠の粉末を振りかけて、その上から離型紙
を押し当てて真珠の粉末を塗料層の表面に付着させる。
また、塗料層の表面に真珠粉末を付着させることに加え
て、表面が二酸化チタンでコーティングされた雲母の粉
末を塗料層の表面に付着させてもよい。これによって、
得られる箔糸の表面光沢が向上する。その後、常温で数
時間放置して塗料を完全に乾燥させると、塗料層の上面
に付着した真珠粉末から成る表面層が形成される。その
後、表面に突出する真珠粉末や雲母粉末のエッジを取り
除くために、表面層の上面は鉄製のヘラで研磨される。
表面層に固着された真珠粉末の表面を研磨することによ
って、光沢がさらに向上する。なお、この研磨は、鉄製
のヘラに限定されず、例えば紙やすりなどを使用して実
行することができる。上記のようにして得られた表面層
の厚さは、好ましくは、5〜100μmになっている。
なお、真珠の粉末をシート地上に振りかけるにあたって
は、真珠の粉末を均一に振りかけてもよいし、不均一に
振りかけてもよい。
【0012】本発明において、表面層5を形成するため
に使用される真珠の粉末は、本真珠を、石臼や自動粉砕
機によって粉砕することによって調製される。この真珠
の粉末の粒径は、特に限定されないが、好ましくは、3
00μm以下、より好ましくは5〜100μm、最適に
は5〜50μmになっている。上記の範囲の直径を有す
る真珠粉末を使用することによって、真珠粉末はバイン
ダーに強固に保持され、しかも得られる装飾シートは良
好な光沢を有している。
【0013】表面層5を形成した後に、必要に応じて、
紙やすりを使用して表面層5を部分的に削り落として、
空隙6から下地層3の金箔が浮き出すようにしてもよ
い。また、さらに金箔を張りつけたり、絵の具で色付け
を行ったりしてもよい。
【0014】上記のようにして得られた装飾シートは、
本真珠の粉末が使用されているので、真珠が持つ独特の
光沢を有している。
【0015】上記の装飾シートは、例えば、襖地、壁
紙、屏風絵および化粧紙等の種々の用途に利用されても
よいが、細長く(例えば1mm幅程度に)裁断されて、箔
糸として、帯地や着物地に織り込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装飾シートの断面図である。
【符号の説明】
1 装飾シート(箔糸) 2 シート地 3 下地層 4 塗料層 5 表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−58566(JP,A) 特開 平8−156215(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 33/00 B32B 5/16 B32B 15/08 D02G 3/08 D02G 3/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート地と、前記シート地の上面に塗布
    された塗料が乾燥して成る塗料層と、前記塗料が乾燥す
    る前に真珠粉末が振り落とされて前記塗料層の上面に固
    着した前記真珠粉末から成る表面層とを有するものであ
    って、前記表面層の上面が、前記塗料が乾燥した後に、
    研磨されていることを特徴とする装飾シート。
  2. 【請求項2】 前記塗料は、顔料とバインダーと前記真
    珠粉末とを含んでおり、前記塗料のpHは5.5≦pH
    ≦8.5になっていることを特徴とする請求項1の装飾
    シート。
  3. 【請求項3】 前記表面層は、表面が二酸化チタンでコ
    ーティングされた雲母の粉末をさらに含むことを特徴と
    する請求項1又は2に記載の装飾シート。
  4. 【請求項4】 前記シート地と前記塗料層との間には、
    金、銀または白金から成る層が形成されていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装飾シー
    ト。
  5. 【請求項5】 前記シート地は和紙から成ることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装飾シー
  6. 【請求項6】 装飾シ−トを細長く切って成る箔糸であ
    って、前記装飾シートが、シート地と、 その上面に塗布された
    塗料が乾燥して成る塗料層と、前記塗料層の上面に付着
    するように前記塗料が乾燥する前に振り落とされた真珠
    粉末から成る表面層とを有するものであって、前記表面
    層の上面が、前記塗料が乾燥した後に、研磨されている
    ものであることを特徴とする箔糸。
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