JP3269449B2 - バスバーインサート樹脂板 - Google Patents

バスバーインサート樹脂板

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JP3269449B2
JP3269449B2 JP04239998A JP4239998A JP3269449B2 JP 3269449 B2 JP3269449 B2 JP 3269449B2 JP 04239998 A JP04239998 A JP 04239998A JP 4239998 A JP4239998 A JP 4239998A JP 3269449 B2 JP3269449 B2 JP 3269449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両の電子
制御式自動変速機を制御するための一種のコンピュータ
よりなるコントロールユニット等の電子部品を備えた基
板と対応する基板対応穴を備えると共に、上記基板の接
続端子とワイヤボンディングを介して接続されるインサ
ートバスバーを備えたバスバーインサート樹脂板に係
り、さらに詳細には、上記インサートバスバー周囲のシ
ール効果を向上したバスバーインサート樹脂板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子制御式自動変速機において
は、図8に概略的に示すように、エンジン1に連結した
オートマチックトランスミッション(ATM)3の下部
に、変速やエンジン1の出力に応じて変速比等を自動的
に制御する油圧コントロールバルブ5が装着してあり、
この油圧コントロールバルブ5の上側には、一種のコン
ピュータよりなるコントロールユニット等の電子部品7
を備えた配線板(バスバーインサート樹脂板)9が配置
してある。そして、各種センサー、スイッチや前記油圧
コントロールバルブ5の電磁ソレノイドなどのごとき各
種の電子機器11の端子部と前記電子部品7に接続され
前記配線板9の端縁から突出したインサートバスバーの
接続部とが接続してある。
【0003】より詳細には、前記バスバーインサート樹
脂板(配線板)9は、図6に示すように、前記電子部品
7を備えた基板13と対応する基板対応穴15を備える
と共に、上記基板13の接続端子部とワイヤボンディン
グ17(図7参照)を介して接続されるインサートバス
バー19を一体に備えた構成である。
【0004】前記電子部品7を保護するために、前記基
板13は、図7に示すように、容器21(1部分のみを
図示)の収納凹部21C内に収納配置される。そして、
バスバーインサート樹脂板9は前記容器21に載置さ
れ、蓋部材23によって前記収納凹部21Cを密封する
構成である。
【0005】ところで、前記収納凹部21Cを密封する
ために、図7(A)に示すように、バスバーインサート
樹脂板9の前記基板対応穴15の周囲において当該バス
バーインサート樹脂板9の上下両面に環状溝25A,2
5Bを形成し、この環状溝25A,25BにOリング等
のごときシール部材27をそれぞれ配置した構成であ
る。
【0006】また、図7(B)に示すように、容器21
及び蓋部材23にそれぞれ環状溝29A,29Bを形成
し、シール部材27を配置した構成である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとき従来の構
成においては、インサートバスバー19をインサートと
してバスバーインサート樹脂板9をインサート成形した
とき、樹脂の収縮等によって樹脂板9Aとインサートバ
スバー19との間に微小隙間が生じると、前記シール部
材によっては上記微小隙間を封鎖することができず、密
封効果が損われるという問題がある。
【0008】また、バスバーインサート樹脂板9の上下
両面にシール部材27を保持するための環状溝25A,
25Bを形成する構成においては、上記環状溝25A,
25Bを形成するためにバスバーインサート樹脂板9の
厚さが大きくなるという問題があり、容器21及び蓋部
材23に環状溝29A,29Bを設ける構成において
は、蓋部材23の厚さが大きくなるという問題がある。
【0009】さらに、従来の構成においては、シール部
材が2個必要であり、部品コストや作業性の面において
問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前述のごとき従
来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1の記載に係
る発明は、電子部品を備えた基板と対応する基板対応穴
を備えると共に上記基板の接続端子部と接続される複数
のインサートバスバーを備えてなるバスバーインサート
樹脂板において、前記基板対応穴の周囲において樹脂板
の表裏両面に環状の溝を設け、この環状溝において全周
面を露出されたインサートバスバーの上記全周面を、上
記環状溝に充填したシール部材によってシールした構成
である。
【0011】請求項2の記載に係る発明は、請求項1に
記載の発明において、樹脂板の表裏両面の環状溝に充填
されたシール部材は一体の1部品で構成してある。
【0012】請求項3の記載に係る発明は、請求項1又
は2に記載の発明において、樹脂板の表裏両面の環状溝
は、適宜の位置において表裏別個に分離して、環状溝よ
り内側の環状の内側樹脂部と環状溝より外側の外側樹脂
部とを一体に連結した構成である。
【0013】請求項4の記載に係る発明は、請求項1,
2又は3に記載の発明において、環状溝より内側の環状
の内側樹脂部と環状溝より外側の外側樹脂部とを一体的
に連結した変形抑制部材を備えている構成である。
【0014】
【発明の効果】請求項1の記載に係る発明は、電子部品
を備えた基板と対応する基板対応穴を備えると共に上記
基板の接続端子部と接続される複数のインサートバスバ
ーを備えてなるバスバーインサート樹脂板において、前
記基板対応穴の周囲において樹脂板の表裏両面に環状の
溝を設け、この環状溝において全周面を露出されたイン
サートバスバーの上記全周面を、上記環状溝に充填した
シール部材によってシールした構成であるから、インサ
ートバスバー樹脂板との間に微小隙間が生じた場合であ
っても、環状溝に充填したシール部材によってインサー
トバスバーの周面が密封された状態に保持されており、
密封効果を損うようなことはないものである。
【0015】請求項2の記載に係る発明は、請求項1に
記載の発明において、樹脂板の表裏両面の環状溝に充填
されたシール部材は一体の1部品であるから、部品点数
が少なくなると共に、作業性が向上するものである。
【0016】請求項3の記載に係る発明は、請求項1又
は2に記載の発明において、樹脂板の表裏両面の環状溝
は、適宜の位置において表裏別個に分離して、環状溝よ
り内側の環状の内側樹脂部と環状溝より外側の外側樹脂
部とを一体に連結した構成であるから、環状溝にシール
部材を充填し成形する際、環状溝の幅、形状を正確に保
持することができ、シール部材の成形を正確に行うこと
ができる。
【0017】請求項4の記載に係る発明は、請求項1,
2又は3に記載の発明において、環状溝より内側の環状
の内側樹脂部と環状溝より外側の外側樹脂部とを一体的
に連結した変形抑制部材を備えているものであるから、
樹脂板の成形時の収縮や反り、変形等を効果的に抑制す
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について詳細に説明するに、前述した従来の構成
と同様の機能を奏する構成部分には同一符号を付するこ
ととして重複した説明は省略する。
【0019】図1〜図5を参照するに、本例に係るバス
バーインサート樹脂板(配線板)9は、電子部品7(図
2,図3参照)を備えた基板13と対応する基板対応穴
15を備えており、上記配線板9における樹脂板9A内
には従来の構成と同様に複数のインサートバスバー19
がインサートとして埋設してある。
【0020】前記バスバーインサート樹脂板9の前記基
板対応穴15の周囲において上下両面(表裏両面)には
環状溝31A,31Bが形成してある。この環状溝31
A,31Bを形成したことにより、樹脂板9Aは上記環
状溝31A,31Bより内側の環状の内側樹脂部9Bと
外側の外側樹脂部9Cとに区画された態様である。
【0021】前記環状溝31A,31Bは、インサート
バスバー19に対応した位置においては、図2,図3に
示すように、表裏に貫通した連結穴33によって互いに
連結してある。換言すれば、インサートバスバー19は
連結穴33の位置においては樹脂板9Aから全周面を露
出した状態にあり、前記内側樹脂部9Bと外側樹脂部9
Cとを連結した態様である。
【0022】前記インサートバスバー19の配置されて
いない領域において前記環状溝31A,31Bは、図5
に示すように、内側樹脂部9Bと外側樹脂部9Cとを連
結した肉薄の連結部35によって上下(表裏)に分離し
た状態にある。なお、上記連結部35の適数箇所に連結
穴33を設けて上下の環状溝31A,31Bを適宜に連
結する構成としても良いものである。
【0023】さらに本例においては、前記環状溝31
A,31Bを横切って内側樹脂部9Bと外側樹脂部9C
とを一体的に連結した変形抑制部材37が樹脂板にイン
サートとして埋設してある。上記変形抑制部材37は、
樹脂板の成形時の収縮や反り、変形等を抑制するための
ものであって、本例においては金属部材やセラミック部
材などの板状部材よりなるものである。しかし、上記変
形抑制部材37は、必ずしも板状部材に限るものではな
く、例えばピン状、棒状など、その形状は所望の形状と
することができるものである。
【0024】そして、本例においては、前記環状溝31
A,31Bに射出成形によりゴム等の適宜の樹脂を充填
し成形することによってシール部材39が設けてある。
このシール部材39は、連結穴33に露出したインサー
トバスバー19の全周面及び変形抑制部材37の全周面
に密着してあると共に適宜位置に設けた連結穴を介して
表裏の環状溝31A,31Bに亘って一体の1部品に形
成されている。
【0025】以上のごとき構成において、容器21上に
バスバーインサート樹脂板9を載置した後に蓋部材23
を被せ、ボルト等のごとき締結部材によって蓋部材23
を容器21に締め付けると、バスバーインサート樹脂板
9の上下両面から突出した状態のシール部材39が挟圧
されることとなり、バスバーインサート樹脂板9と容器
21及び蓋部材23との間のシールが行われる。
【0026】この際、シール部材39が挟圧されると、
シール部材39はインサートバスバー19の全周面を押
圧することになる。したがって、インサートバスバー1
9と樹脂板9Aとの間に、仮りに微小隙間が生じた場合
であっても、インサートバスバー19の全周面をシール
部材39によって確実にシールすることができ、上記シ
ール部材39によって容器21の収納凹部21Cの気密
性を保持することができるものである。
【0027】既に理解されるように、本例においては、
バスバーインサート樹脂板9に形成した環状溝31A,
31Bに配置したシール部材39によって、環状溝に露
出したインサートバスバー19の全周面を直接包囲して
シールするので、樹脂板とインサートバスバー19との
間に仮りに微小隙間が生じた場合であっても密封機能を
損うようなことがないものである。
【0028】また、環状溝31A,31Bの深さは場所
によって任意の深さとすることが可能であり、バスバー
インサート樹脂板9の蓋部材23の厚さを薄く押えるこ
とが可能であり、全体的構成をより薄くすることができ
るものである。
【0029】さらに、シール部材39は射出成形等によ
って環状溝31A,31Bに充填して1部品に成形され
得るものであるから、樹脂板の射出成形の一貫工程とし
てシール部材39を射出成形することができ、その製造
が容易である。
【0030】また、環状溝31A,31Bを形成するこ
とによって区画された環状の内側樹脂部と外側樹脂部は
連結部35によって一体に連結してあるので、環状溝3
1A,31Bに射出成形によってシール部材39を成形
するとき、環状溝の深さ、幅を正確に保持することがで
きシール部材39を精度良く成形することができる。
【0031】さらに本例によれば、変形抑制部材37を
埋設してあることにより、樹脂板の射出成形後における
収縮や反り、変形等を効果的に抑制でき、精度の良い成
形加工が行われ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したバスバーインサート樹脂板の
主要部分を示す平面図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った断面説明図であ
る。
【図3】図1におけるIII−III線に沿った断面説明図で
ある。
【図4】図1におけるIV−IV線に沿った断面説明図であ
る。
【図5】図1におけるV−V線に沿った断面図である。
【図6】従来技術を示すバスバーインサート樹脂板の平
面説明図である。
【図7】従来のバスバーインサート樹脂板の主要部分を
示す断面説明図である。
【図8】本発明に係るバスバーインサート樹脂板が適用
され得る電子制御式自動変速機部分の概略的な構成説明
図である。
【符号の説明】
7 電子部品 9 バスバーインサート樹脂板(配線板) 13 基板 15 基板対応穴 19 インサートバスバー 21 容器 23 蓋部材 31A,31B 環状溝 33 連結穴 35 連結部 37 変形抑制部材 39 シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−60130(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 7/14 H05K 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を備えた基板と対応する基板対
    応穴を備えると共に上記基板の接続端子部と接続される
    複数のインサートバスバーを備えてなるバスバーインサ
    ート樹脂板において、前記基板対応穴の周囲において樹
    脂板の表裏両面に環状の溝を設け、この環状溝において
    全周面を露出されたインサートバスバーの上記全周面
    を、上記環状溝に充填したシール部材によってシールし
    た構成であることを特徴とするバスバーインサート樹脂
    板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、樹脂板
    の表裏両面の環状溝に充填されたシール部材は一体の1
    部品であることを特徴とするバスバーインサート樹脂
    板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の発明において、
    樹脂板の表裏両面の環状溝は、適宜の位置において表裏
    別個に分離して、環状溝より内側の環状の内側樹脂部と
    環状溝より外側の外側樹脂部とを一体に連結した構成で
    あることを特徴とするバスバーインサート樹脂板。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載の発明におい
    て、環状溝より内側の環状の内側樹脂部と環状溝より外
    側の外側樹脂部とを一体的に連結した変形抑制部材を備
    えていることを特徴とするバスバーインサート樹脂板。
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