JP3268516B2 - 電気掃除機 - Google Patents

電気掃除機

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正博 馬場
享 藤井
友寛 山崎
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、本体内に電動送風機
およびコード巻取装置を備えた電気掃除機に係り、さら
に詳しくは、電動送風機から発生する騒音を低減し、か
つコード巻取装置を冷却する場合に有効な電気掃除機の
防音および冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電動送風機の騒音の防音構造を採用した
電気掃除機の一例として特開昭62−109531号公
報に開示された発明があり、図4、図5にこの電気掃除
機の断面図および要部の平面図を示す。
【0003】図において、1は電気掃除機の本体で、内
部は本体隔壁2aと支持リブ(図示せず)によって支持
された本体隔壁2bとによって集塵室3、モータ室4お
よびコード巻取室5に仕切られており、本体隔壁2aに
はモータ室4側に連通する複数個の通気孔6aが形成さ
れていて、その通気孔6aを覆うように集塵室3側に前
フィルター7aが取付けられている。また、図5に示す
ように、本体隔壁2bの中心部にはコード巻取室5側に
連通する複数個の通気孔6bが形成されており、その通
気孔6bを覆うようにコード巻取室5側に例えばフェル
トなどの吸音材(図示せず)が貼付けられている。8は
本体1の後壁1aのモータ室4側に形成された排気口
で、排気口8を覆うようにモータ室4側に後フィルター
7bが設けられている。
【0004】9は電動送風機で、前支持ゴム10aと後
支持ゴム10bと本体1から一体に形成された防音壁1
1とにより一部囲まれた状態でモータ室4内に固定され
ている。12はコード13を巻き取るためのコード巻取
装置で、本体隔壁2bに取付けられた保持板14によっ
て保持されており、その軸の一端は本体隔壁2bのほぼ
中心部に回転可能に取付けられ、他端15は本体隔壁2
bに対向して形成された支持リブ16に回転可能に支持
されている。なお、17は吸込具(図示せず)が連結さ
れる連結部、18は集塵室3内に装着された集塵袋であ
る。
【0005】このように構成した電気掃除機は、まず、
本体1の連結部17に吸込具を連結した後、コード13
のプラグ(図示せず)を電源コンセントに接続し、電動
送風機9を駆動して掃除を開始すると、空気とともに塵
埃が吸込具を介して本体1内に吸込まれ、塵埃は集塵室
3内に装着された集塵袋18に補集される。そして、空
気は図4の矢印Bに示すように、集塵室3から前フィル
ター7aを通ってモータ室4内の電動送風機9に吸込ま
れ、電動送風機9を冷却しながら温風となって風路Yか
ら後フィルター7bを通って排気口8から本体1外に排
出される。この時、電動送風機9から発生した騒音は一
部の温風とともに本体隔壁2bの通気孔6bを通ってコ
ード巻取室5側に送られ、本体隔壁2bの通気孔6bお
よびコード巻取室5が一種の消音器となって騒音を低減
する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の電
気掃除機は、電動送風機9から発生した騒音が一部の温
風とともにコード巻取室5側に送られ、このコード巻取
室5の空間によりマフラー効果を発生させるように構成
されている。しかしながら、騒音のほとんどは本体隔壁
2bの通気孔6bを通過せず、風路Yを通る温風ととも
に排気口8から本体1外へ排出されてしまうので、騒音
を十分に低減させることができなかった。また、騒音と
ともに温風の一部が通気孔6bからコード巻取室5に送
られてしまうので、コード巻取室5の温度が上昇してし
まい、コード巻取装置12およびコード13等が温風の
熱によって損傷してしまうなど、電気掃除機の故障を招
いてしまうおそれがあった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、電動送風機から発生する騒音を
低減し、かつコード巻取装置等を冷却して温度上昇によ
る故障を防止することのできる信頼性の高い電気掃除機
を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電気掃除
機は、内部が集塵室、電動送風機を備えたモータ室、お
よびコード巻取装置を備えたコード巻取室に分割され、
集塵室の開口部に開閉可能の蓋体が設けられた本体と、
本体の後壁の少なくとも一部に形成された複数の排気口
とを備えてなり、モータ室とコード巻取室とを、通気孔
を有するコード巻取装置の側壁およびこのコード巻取装
置を保持する上下保持板によって分割し、コード巻取装
置の側壁および上下保持板と本体の後壁との間にコード
巻取室へ送られた温風をモータ室側へ送る第1の風路を
形成するとともに、モータ室において一端がコード巻取
装置の側壁に当接し、電動送風機の後方を封鎖するよう
に本体と一体に形成された防音壁を設けて、この防音壁
と本体の後壁との間に第1の風路からの温風を本体外へ
排気する第2の風路を形成したものである。
【0009】また、本体の後壁のモータ室側に複数の排
気口を設けたものである。
【0010】さらに、本体の後壁のモータ室側およびコ
ード巻取室側に複数の排気口を設けたものである。
【0011】
【作用】この発明に係る電気掃除機は、電動送風機が駆
動されると、空気とともに塵埃が本体内に吸込まれ、こ
の空気は集塵室からモータ室側に送られて電動送風機を
冷却しながら温風となってモータ室に広がる。そして、
温風は防音壁によって電動送風機の騒音とともにコード
巻取装置の側壁に設けられた通気孔を通ってコード巻取
室へ導かれ、コード巻取装置およびコード等を冷却しな
がら第1風路および第2の風路と通って本体外へ排気さ
れる。電動送風機の騒音はコード巻取室の空間によるマ
フラー効果の発生によって低減される。
【0012】また、本体の後壁のモータ室側に複数の排
気口を設けることにより、集塵室、モータ室、コード巻
取室、第1の風路および第2の風路と本体内に吸込まれ
た空気の風路が長くなり、マフラー効果をより上げるこ
とができて電動送風機の騒音の低減が計れる。
【0013】さらに、本体の後壁のモータ室側およびコ
ード巻取室側に複数の排気口を設けることにより、コー
ド巻取室内の温風がコード巻取室側の排気口より迅速に
本体外へ排気され、コード巻取装置およびコード等の冷
却効率をアップさせる。
【0014】
【実施例】図1はこの発明の第1の実施例の模式図、図
2はその横断面図である。なお、図4,5で説明した従
来例と同一部分には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0015】図において、12aは複数の通気孔12b
を有するコード巻取装置12の側壁で、本体1と一体に
形成された上下保持板21a,21bによって保持され
ている。そして、モータ室4とコード巻取室5とはコー
ド巻取装置12の側壁12aおよび上下保持板21a,
21bによって分割されており、側壁12aと本体1の
後壁1aとの間には第1の風路X1が形成されている。
22は一端がコード巻取装置12の側壁12aに当接
し、電動送風機9の後方を封鎖するように本体1と一体
に形成された防音壁で、本体1の後壁1aと防音壁22
との間に第2の風路X2を形成している。なお、図2に
おいて、23は集塵室3の上部を覆う開閉可能な蓋体、
24a,24bは前車輪および後車輪である。
【0016】このように構成したこの実施例において
は、本体1の連結部17に吸込具を連結してコード13
のプラグを電源コンセントに接続した後、電動送風機9
を駆動して掃除を開始すると、空気とともに塵埃が吸込
具を介して本体1内に吸込まれ、塵埃は集塵室3内に装
着された集塵袋18に補集される。そして、図1の矢印
Aに示すように、空気は前フィルター7a等を通過しな
がらモータ室4内の電動送風機9に吸込まれ、電動送風
機9を冷却しながら温風となって、コード巻取装置12
の側壁12aの通気孔12bを通ってコード巻取室5へ
送られる。ついで、送られた温風はコード巻取装置12
およびコード13を冷却しながら第1の風路X1へ送ら
れ、さらに第2の風路X2を通って本体1の後壁1aの
排気口8から本体1外に排出される。
【0017】この時、電動送風機9を冷却しながらモー
タ室4内に広がった温風および電動送風機9から発生し
た騒音は、防音壁22によってモータ巻取室5へと導か
れる。そして、温風はコード巻取室5内に溜まらずに第
1および第2の風路X1,X2を通って本体1外へ排気
され、コード巻取室5の温度上昇を防止してコード巻取
装置12およびコード13の熱による損傷を防ぐことが
できる。また、騒音は温風とともにコード巻取室5に送
られるので、コード巻取室5の空間によるマフラー効果
の発生によって、騒音を十分に低減させることができ
る。
【0018】このように、本体1内に吸込まれた全ての
空気を騒音とともにコード巻取室5へ確実に送り、第1
および第2の風路X1,X2を通って本体1外へ排気す
ることができるので、電動送風機9だけでなくコード巻
取装置12等も冷却できて、本体1内の温度上昇を防止
することができ、また、風路を長くすることによって騒
音の低減を計ることができる。
【0019】実施例2.図3はこの発明の第2の実施例
の模式図で、この実施例は、第1の実施例の本体1の後
壁1aのコード巻取室5側にも排気口8aを設けるとと
もに、後壁1aに形成された排気口8,8aを覆うよう
にモータ室4からコード巻取室5にかけてその内側に後
フィルター7cを設けたものである。
【0020】このように構成したことにより、実施例1
とほぼ同じ作用および効果が得られ、コード巻取室5の
空間によるマフラー効果の発生によって電動送風機9の
騒音を低減することができる。また、モータ室4からコ
ード巻取室5へ送られた温風の一部が、本体1の後壁1
aのコード巻取室5側に設けられた排気口8aから本体
1外へ排気されるので、コード巻取室5内に温風が溜ま
りにくく、コード巻取装置12およびコード13等の冷
却効率をさらにアップさせることができ、コード巻取装
置12等の熱に損傷を防止することができる。
【0021】
【発明の効果】以上のようにこの発明に係る電気掃除機
は、内部が集塵室、電動送風機を備えたモータ室、およ
びコード巻取装置を備えたコード巻取室に分割され、集
塵室の開口部に開閉可能の蓋体が設けられた本体と、本
体の後壁の少なくとも一部に形成された複数の排気口と
を備えてなり、モータ室とコード巻取室とを、通気孔を
有するコード巻取装置の側壁およびこのコード巻取装置
を保持する上下保持板によって分割し、コード巻取装置
の側壁および上下保持板と本体の後壁との間にコード巻
取室へ送られた温風をモータ室側へ送る第1の風路を形
成するとともに、モータ室において一端がコード巻取装
置の側壁に当接し、電動送風機の後方を封鎖するように
本体と一体に形成された防音壁を設けて、この防音壁と
本体の後壁との間に第1の風路からの温風を本体外へ排
気する第2の風路を形成したので、本体内に吸込まれた
全ての空気をコード巻取室へ送ることができ、電動送風
機だけでなくコード巻取装置等を冷却することができる
とともに、コード巻取室の空間により電動送風機の騒音
の低減を計ることができる。また、コード巻取装置の側
壁および上下保持板はモータ室とコード巻取室の仕切り
も兼ねているため、電気掃除機の構造が簡単になり、全
体構造の小型化を計ることができる。
【0022】また、本体の後壁のモータ室側に複数の排
気口を設けたので、本体内に吸込まれた空気の風路を長
くすることができ、電動送風機の騒音を確実に低減させ
ることができる。
【0023】さらに、本体の後壁のモータ室側およびコ
ード巻取室側に複数の排気口を設けたので、コード巻取
室内の温風を迅速に本体外へ排気することができ、コー
ド巻取室の温度上昇を防ぐとともに、コード巻取装置等
の冷却効率をアップさせることができ、熱による損傷を
防止できる信頼性の高い電気掃除機を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例の模式図である。
【図2】 図1の横断面図である。
【図3】 この発明の第2の実施例の模式図である。
【図4】 従来の電気掃除機の断面図である。
【図5】 図4の要部の平面図である。
【符号の説明】
1 本体、1a 後壁、3 集塵室、4 モータ室、5
コード巻取室、8,8a 排気口、9 電動送風機、
12 コード巻取装置、12a 側壁、12b通気孔、
21a,21b 上下保持板、22 防音壁、23 蓋
体、X1 第1の風路囲、X2 第2の風路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 正博 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地 1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 藤井 享 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地 1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 山崎 友寛 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地 1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 大木 政史 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地 1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−51189(JP,A) 特開 平7−51190(JP,A) 実開 昭51−93173(JP,U) 実公 昭56−26698(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 5/00 - 9/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が集塵室、電動送風機を備えたモー
    タ室、およびコード巻取装置を備えたコード巻取室に分
    割され、前記集塵室の開口部に開閉可能の蓋体が設けら
    れた本体と、該本体の後壁の少なくとも一部に形成され
    た複数の排気口とを備えてなり、 前記モータ室とコード巻取室とを、通気孔を有するコー
    ド巻取装置の側壁および該コード巻取装置を保持する上
    下保持板によって分割し、前記コード巻取装置の側壁お
    よび上下保持板と前記本体の後壁との間に前記コード巻
    取室へ送られた温風をモータ室側へ送る第1の風路を形
    成するとともに、前記モータ室において一端が前記コー
    ド巻取装置の側壁に当接し、電動送風機の後方を封鎖す
    るように本体と一体に形成された防音壁を設けて、該防
    音壁と本体の後壁との間に前記第1の風路からの温風を
    本体外へ排気する第2の風路を形成したことを特徴とす
    る電気掃除機。
  2. 【請求項2】 本体の後壁のモータ室側に複数の排気口
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
  3. 【請求項3】 本体の後壁のモータ室側およびコード巻
    取室側に複数の排気口を設けたことを特徴とする請求項
    1記載の電気掃除機。
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