JP3268376B2 - 建築用電動シャッターにおける補正装置 - Google Patents

建築用電動シャッターにおける補正装置

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JP3268376B2 JP24196293A JP24196293A JP3268376B2 JP 3268376 B2 JP3268376 B2 JP 3268376B2 JP 24196293 A JP24196293 A JP 24196293A JP 24196293 A JP24196293 A JP 24196293A JP 3268376 B2 JP3268376 B2 JP 3268376B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物の開口部に建付け
られる建築用電動シャッターにおける補正装置に関する
ものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、
この種電動開閉体は、開閉操作スイッチの操作や人検知
センサによる検知等に基づく電動開閉手段の駆動で開閉
移動するように構成されているが、この場合に、開閉体
が開閉限界位置に達したことを検知して電動開閉手段の
駆動停止を行う必要があり、そこで、開閉体の移動量や
電動開閉手段の駆動量を、ロータリエンコーダ等からな
るパルス検知手段で検知して、該検知信号が予め設定さ
れる開閉限界設定値となったことで電動開閉手段の停止
を行うように構成したものが有る。ところで、電動開閉
体のなかには、停電等の非給電時に手動で開閉体の緊急
的な開閉移動ができるようにするため手動開閉手段を設
けることが一般的であるが、前記パルス検知手段は、電
気的にパルス検知するものであるため、非給電時に手動
開閉手段によって開閉体を移動させても、該移動に基づ
くパルス検知はなされないことになる。このため、非給
電状態から給電状態になったとき、制御部は手動移動さ
せる以前の検知データの状態のままとなって、非給電時
に手動移動させた分だけデータが狂うことになり、この
結果、電源投入後にパルス検知手段の原点補正をする必
要があって、面倒かつ煩雑であった。そして、ついうっ
かりして原点補正しないまま開閉操作スイッチを操作す
ると、開閉体が開閉限界位置に達しないうちに停止した
り逆方向に移動したり、さらには、開閉限界位置に達し
ても電動開閉手段が駆動し続けたりすることになって故
障の原因となるという問題があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができるようにす
ことを目的として創作されたものであって、開、閉、
停止の操作スイッチの操作に伴う開閉制御手段からの駆
動制御指令に基づく電動開閉手段と、手動操作される手
動開閉手段とでシャッターカーテンの開閉移動ができる
ように構成してなる建築用電動シャッターにおいて、前
記開閉制御手段に、シャッターカーテンの移動量または
電動開閉手段の駆動量をパルス検知するためのパルス検
知手段を接続し、該パルス検知手段からの検知信号が、
予め設定される開閉限界設定値となったことで電動開閉
手段に停止指令を出力する限界位置停止回路と、電源投
入された初期起動時であるか否かの判別をし、初期起
動時であると判別されたときに開、閉何れか一方のスイ
ッチが操作された場合には、前記パルス検知手段からの
検知信号による開閉制御は無視して、予め全開位置を越
えて定められるパルス検知手段の原点補正位置にシャッ
ターカーテンを移動させると共に検知信号の原点補正を
するように構成したことを特徴とする建築用電動シャッ
ターにおける補正装置である。 またこのものにおいて、
前記初期起動時であると判別されたときの開閉体の原点
補正位置への移動は、停止スイッチの操作では途中停止
するものとし、該途中停止された後に開、閉何れかのス
イッチが操作された場合にはシャッターカーテンの原点
補正位置への移動が再開される構成にしたことを特徴と
することができる。
【0004】そして本発明は、この構成によって、非給
電状態から電源投入した場合、開、閉の何れか一方のス
イッチ操作を待ってシャッターカーテンを開放方向に移
動してパルス検知手段の原点補正が自動的に行われるよ
うにしたものである。
【0005】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、1は建物の開口部に建付けられ
る自重降下式の電動シャッターであって、該電動シャッ
ター1を構成するシャッターカーテン2は、押釦式の
開、閉、停止操作スイッチ3、4、5の操作に基づき、
開口部の左右両側に立設されたガイドレール6に案内さ
れて上下昇降移動して、開口部の開閉を行うこと等は何
れも従来通りである。
【0006】7は前記シャッターカーテン2の巻取りド
ラム8に連動連結された開閉機(本発明の電動開閉手段
に相当する)であって、該開閉機7は、電動モータ7
a、調速機7b、制動機7c等の部材装置を用いて構成
されるものであるが、開閉機7の正逆駆動は、制御部9
の駆動制御指令に基づいて行われるようになっている。
そして、制御部9には、開、閉、停止の各操作スイッチ
3、4、5、後述するパルス検知手段10、原点スイッ
チ11等の各種スイッチ類や検知手段、設定手段に接続
されていて、これらからの信号に基づいて必要な駆動制
御指令を開閉機7に出力するようになっている。ここ
で、前記パルス検出手段10は、実施例では巻取りドラ
ム8の回転数をパルス検知するロータリエンコーダ方式
のものが採用されるが、該パルス検知手段10からの検
知信号が、予め設定される上下限設定値(開閉限界設定
値)になった場合に、前記制御部9では、シャッターカ
ーテン2の上下限位置であると判断して、開閉機7に対
して停止指令を出力するようになっており、これによっ
て本発明の限界位置停止回路が構成されているが、この
開閉制御手順については従来通りであるので後述するよ
うに省略する。また、前記原点スイッチ11は、シャッ
ターカーテン2の上限位置より上位に配設されており、
後述するように、電源供給された初期起動時においてシ
ャッターカーテン2が上限位置を越えて原点補正位置ま
で上昇した場合に、シャッターカーテン2の最下端に設
けた座板2aに干渉してスイッチ切換えがなされるよう
に設定されている。因みに、シャッターカーテン2の上
限位置より上位への上昇を可能とするには、例えば、図
2に示すように、マグサ1aの座板呑込み口位置Aを上
限位置とし、座板2aがこの上限位置を越えて僅かの範
囲だけ上昇できるように構成し、この範囲内で検知する
ように構成することで実施できる。
【0007】一方、12は前記巻取りドラム8に歯車機
構(図示せず)を介して連動連結されるハンドルであっ
て、停電等の非給電時に、図示しない解除装置によって
前記制動機7cの制動解除をした後に、ハンドル12を
操作することでシャッターカーテン2を手動で開閉でき
るようになっており、これによって本発明の手動開閉手
段が構成されている。
【0008】次に、フローチャート図を用いて、制御部
9によるシャッターカーテン2の開閉制御手順を説明す
るが、まず、制御部9は、図3に示すメインルーチンに
おいて、電源が投入(例えばナイフスイッチの閉成)さ
れ、初期設定がなされると、初期起動フラグを「1」に
セットする。次いで、制御部9は、初期起動フラグが
「1」であるか「0」であるかの判断をする。そして初
期起動フラグが「1」にセットされていると判断した場
合には、初期起動時であるとして、原点補正制御のサブ
ルーチン制御状態となり、後述する原点補正制御によっ
てパルス検知手段10の原点補正がなされた後に、初期
起動フラグを「0」にセットする。一方、初期起動フラ
グが「0」にセットされていると判断したときには、原
点補正がなされているとして、開、閉操作スイッチ3、
4の操作およびパルス検知手段10の検知に基づく開閉
制御がなされるが、この開閉制御の詳細については省略
する。
【0009】次に、前記原点補正制御のサブルーチンに
ついて、図4を用いて説明する。ここでは、まず開、閉
操作スイッチ3、4が操作されたか否かが判断され、操
作されたと判断された場合には、開、閉何れの操作スイ
ッチ3、4が操作された場合であっても、上限位置より
も上方側に設定される原点補正位置までシャッターカー
テン2を上昇させるべく、開閉機7に対して上昇駆動指
令を出力する。そして、シャッターカーテン2が原点補
正位置まで上昇したことの検知信号を、原点スイッチ1
1から入力すると、制御部9は、シャッターカーテン2
が原点補正位置に達したと判断して、開閉機7に対して
停止指令を出力すると共に、パルス検知手段10のデー
タの原点補正を行うべく制御するようになっており、こ
れによって本発明の初期起動時補正回路が構成されてい
る。さらにこのものでは、原点補正されたか否かの判断
をし、原点補正されたと判断した場合に、前記メインル
ーチンに復帰するようになっている。一方、前記シャッ
ターカーテン2の原点補正位置への移動中に、停止スイ
ッチ5が操作されることがあり、この場合には安全性を
考慮して開閉機7に対して停止指令が出力されるように
設定されているが、このようにしてシャッターカーテン
2の原点補正位置への移動途中で停止した場合には、原
点補正されていないと判断し、再度開、閉操作スイッチ
3、4が操作されることに基づいて原点補正位置への移
動が続行される構成となっている。
【0010】叙述の如く構成された本発明の実施例にお
いて、開、閉操作スイッチ3、4の操作に基づいて制御
部9から開閉機7に対して駆動制御指令が出力され、こ
れに基づいてシャッターカーテン2の開閉移動が行われ
ることになるが、この場合に、パルス検知手段10から
の検知信号が予め設定された上下限設定値となると、制
御部9はシャッターカーテン2が上下限位置に達したと
判断して、開閉機7に対して停止指令を出力することに
なる。このものにおいて、停電等によって電源供給が断
たれた場合、ハンドル12を操作することによってシャ
ッターカーテン2を手動で開閉移動せしめることができ
るが、該手動で移動せしめた分は、電源が断たれている
ためパルス検知手段10によって検知されないことにな
る。このため、給電再開後、パルス検知手段10のデー
タの原点補正を行う必要が有るが、この原点補正は、電
源投入後の最初の開、閉操作スイッチ3、4の操作に基
づいて自動的に行われることになる。
【0011】つまり、電源が投入されると、制御部9が
初期起動時であると判断して、原点補正制御ルーチンと
なる。この原点補正制御ルーチンでは、電源投入後最初
に開、閉操作スイッチ3、4の何れかを操作することに
より、シャッターカーテン2が上限位置を越えた原点補
正位置まで上昇し、該原点補正位置においてパルス検知
手段10のデータの原点補正がなされることになる。ま
た、シャッターカーテン2の原点補正位置への上昇中に
停止スイッチ5を操作した場合には、シャッターカーテ
ン2は停止するが、再び開、閉操作スイッチ3、4を操
作することにより、原点補正位置への上昇が再開される
ことになる。そして、この様にしてパルス検知手段10
のデータの原点補正が終了すると、通常の開、閉操作ス
イッチ3、4の操作およびパルス検知手段10の検知に
基づいたシャッターカーテン2の開閉移動がなされるこ
とになる。
【0012】この様に、本発明が実施されたものにあっ
ては、停電等により電源供給が断たれた場合に、電源投
入後の最初の開、閉操作スイッチ3、4の操作でパルス
検知手段10のデータの原点補正が自動的になされるこ
とになって、従来のようにいちいち原点補正作業を行う
必要がなく、メンテナンス性を著しく向上せしめること
ができる。しかも、従来のように、ついうっかり原点補
正をしないまま開、閉操作スイッチ3、4を操作して、
シャッターカーテン2が上下限位置に達しないうちに停
止してしまったり、上下限位置に達しても開閉機が駆動
し続けるという不具合を確実に回避できることになる。
【0013】そのうえこのものにおいて、前記パルス検
知手段10のデータの原点補正への作動制御は、電源投
入に基づいて自動的に行うものではなく、開、閉の何れ
か一方の操作スイッチ3、4の操作をまって行うもので
あるため、停電時に手動で閉鎖せしめたシャッターカー
テン2が、使用者の意図しない電源供給の再開に基づい
て自動的に原点補正位置まで上昇してしまうという不具
合がなく、安全性、防犯性の点で優れている。
【0014】さらにこのものでは、シャッターカーテン
2の原点補正位置への上昇中に、停止操作スイッチ5を
操作してシャッターカーテン2を停止せしめた場合に
は、再び開、閉操作スイッチ3、4を操作することで原
点補正位置への上昇が再開されることになり、非給電状
態から給電状態となったとき、通常の開、閉制御状態と
なる前に必ずパルス検知手段10のデータの原点補正が
なされることになって信頼性の高いものとすることがで
きる。また、原点補正位置が、シャッターカーテン2の
上限位置よりも上位に設定されるから、原点補正位置を
上下限位置の中間に設定する場合のように、シャッター
カーテン2が、原点補正位置よりも下位に位置するか上
位に位置するかの判断を別途してから原点補正位置に移
動させるように制御する必要がなく、制御が大幅に簡略
化されるという利点が有り都合が良い。
【0015】尚、本発明を実施するにあたり、前記原点
補正制御作動が完了した後、シャッターカーテンを原点
補正位置から上限位置まで下降させるように制御するこ
ともでき、この様にしたときには、シャッターカーテン
が上限位置を越えた原点補正位置に位置するという不自
然さを解消できるという利点が有る。
【0016】
【作用効果】以上要するに、本発明は叙述の如く構成さ
れたものであるから、非給電状態から電源投入された場
合には、制御部によって初期起動時であると判別され
て、開、閉の何れか一方のスイッチ操作をすることでシ
ャッターカーテンが原点補正位置まで開放移動すると共
にパルス検知手段の原点補正がなされることになる。こ
の結果、電源供給の再開に基づいてパルス検知手段の原
点補正が、オペレータのスイッチ操作という意図的なも
のを伴う状態で自動的になされることになって、従来の
ようにいちいち原点補正作業を行う必要がなく、メンテ
ナンス性を著しく向上せしめることができる。しかも、
従来のように、ついうっかり原点補正をしないまま開閉
操作スイッチを操作して、シャッターカーテンが開閉限
界位置に達しないうちに停止してしまったり、開閉限界
位置に達しても電動開閉手段が駆動し続けるという不具
合を確実に回避できることになる。
【0017】しかも前記シャッターカーテンの原点補正
位置への移動を、開、閉操作スイッチの操作というオペ
レータの意図的操作に基づいて行うように構成している
ので、非給電時に手動で閉鎖せしめた開閉体が、電源供
給の再開に伴つてオペレータの意図的な操作とは無関係
に自動的に原点補正位置まで移動してしまうような不具
合がなく、しかも原点補正位置への移動が、シャッター
カーテンによる挟み込みの懸念がない開放方向の移動で
あることも相俟って、安全性、防犯性の点で優れてい
る。
【0018】さらにまた、前記原点補正位置への移動中
シャッターカーテンが途中停止された場合に、該途中
停止された後も原点補正位置への移動が維持される構成
にしたものでは、パルス検知手段の原点補正が確実にな
されることになって信頼性の高いものとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動シャッターの正面図である。
【図2】マグサ部の拡大図である。
【図3】開閉制御手順を示すフローチヤート図である。
【図4】原点補正制御ルーチンを示すフローチヤート図
である。
【符号の説明】
1 電動シャッター 2 シャッターカーテン 3 開操作スイッチ 4 閉操作スイッチ 5 停止操作スイッチ 7 開閉機 9 制御部 10 パルス検知手段 11 原点スイッチ 12 ハンドル

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開、閉、停止の操作スイッチの操作に伴
    う開閉制御手段からの駆動制御指令に基づく電動開閉手
    段と、手動操作される手動開閉手段とでシャッターカー
    テンの開閉移動ができるように構成してなる建築用電動
    シャッターにおいて、前記開閉制御手段に、シャッター
    カーテンの移動量または電動開閉手段の駆動量をパルス
    検知するためのパルス検知手段を接続し、該パルス検知
    手段からの検知信号が、予め設定される開閉限界設定値
    となったことで電動開閉手段に停止指令を出力する限界
    位置停止回路と、電源投入された初期起動時であるか否
    かの判別をし、初期起動時であると判別されたときに
    開、閉何れか一方のスイッチが操作された場合には、
    記パルス検知手段からの検知信号による開閉制御は無視
    して、予め全開位置を越えて定められるパルス検知手段
    の原点補正位置にシャッターカーテンを移動させると共
    に検知信号の原点補正をするように構成したことを特徴
    とする建築用電動シャッターにおける補正装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記初期起動時であ
    ると判別されたときの開閉体の原点補正位置への移動
    は、停止スイッチの操作では途中停止するものとし、該
    途中停止された後に開、閉何れかのスイッチが操作され
    た場合にはシャッターカーテンの原点補正位置への移動
    が再開される構成にしたことを特徴とする建築用電動
    ャッターにおける補正装置。
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