JP3268010B2 - 漏水、歪・応力検知方法および装置 - Google Patents

漏水、歪・応力検知方法および装置

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JP3268010B2
JP3268010B2 JP15542892A JP15542892A JP3268010B2 JP 3268010 B2 JP3268010 B2 JP 3268010B2 JP 15542892 A JP15542892 A JP 15542892A JP 15542892 A JP15542892 A JP 15542892A JP 3268010 B2 JP3268010 B2 JP 3268010B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は漏水、歪・応力検知方法
およびそれに用いる漏水、歪・応力検知装置に係わり、
特に、導電性繊維束を含有するプラスチック複合材を用
いて成る、漏水、歪・応力検知方法およびそれに用いる
漏水、歪・応力検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばトンネル等の構造体の漏水は、そ
の構造体内部空間に水を導いてしまい利用者等に不快感
を与えるばかりでなく、トンネル構造体(覆工体)その
ものも劣化させる等の問題を含んでいる。このため、ト
ンネル等の漏水箇所についてはそれをなるべく早期に発
見し、漏水の規模によっては漏水箇所に対して止水処置
を施す必要がある。特に、最近のトンネルでは、巻立て
コンクリート打設後、その内側に装飾のためさらに仕上
げ材を設置することが多く、特に漏水の発見が困難とな
っている。当然、吹付けコンクリートと巻立てコンクリ
ートとの間には防水シートを設置して、巻立てコンクリ
ート側への漏水を防ぐが、防水シートの設置が不完全で
あったり、防水シートに穴が開くなどして、巻立てコン
クリートへ水が浸透する。その結果、巻立てコンクリー
トの鉄筋を腐食して鉄筋が膨らみ、コンクリートを破壊
する、あるいは仕上げ材に水がかかり仕上げ材の劣化を
招く、等の支障を来たすことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、かか
るトンネル等の大型の構造物を対象とした漏水検知はシ
ステム化されておらず、目視により定期的に点検を行っ
ているのが実情である。本発明は上記事情に鑑みてなさ
れたもので、特に、例えばトンネル構造体等、規模の大
きい、すなわち検知範囲の広大な対象物の漏水を検知で
き、併せて、その対象物の歪や応力状態をも検知し得
る、有効な漏水、歪・応力検知方法とそれに用いる漏
水、歪・応力検知装置を提供することを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
導電性を有する連続繊維の集合体である導電性繊維束を
含有する棒状または紐状のプラスチック複合材を格子状
に縦横に組み、該格子状のプラスチック複合材を漏水お
よび歪・応力の検知対象物に付設または埋設して、前記
プラスチック複合材中の前記導電性繊維束の電気特性
変化より漏水および歪・応力を検知する漏水、歪・応力
検知方法であって、前記プラスチック複合材における少
なくとも前記導電性繊維束を、前記電気特性測定区間内
において長さ方向に対して少なくとも一箇所切断すると
ともに該切断部には水が入り込める構成とし、この切断
された導電性繊維束の切断端部どうしを所定寸法離間さ
せた状態として漏水を検知すべき部位に配置し、少なく
とも前記導電性繊維束の前記切断部を挟んだ区間におい
て前記導電性繊維束の電気特性の変化を測定することに
より漏水の有無を検知し、かつ、前記導電性繊維束に外
力が作用して生じた歪に起因する該導電性繊維束の電気
特性の変化を測定することにより、前記検知対象物の歪
・応力を検知することを特徴とするものである。
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】請求項2記載の漏水、歪・応力検知装置
は、導電性を有する連続繊維の集合体である導電性繊維
束を含有する棒状または紐状のプラスチック複合材を格
子状に縦横に組み、該格子状のプラスチック複合材の所
定区間における前記導電性繊維束の電気特性の変化を測
定する測定装置を備えて成る漏水、歪・応力検知装置で
あって、前記格子状のプラスチック複合材のうち、縦列
または横列の一方の列を構成するプラスチック複合材の
うち少なくとも一のプラスチック複合材に対して、該一
のプラスチック複合材の所定区間における前記導電性繊
維束の電気特性の変化を測定することで歪・応力を検知
する第1測定装置が接続され、前記一方の列と交差する
他方の列を構成するプラスチック複合材については、そ
のうちの少なくとも一の特定なプラスチック複合材が、
前記一方の列を構成するプラスチック複合材との交点の
少なくとも2箇所において、交差する双方の導電性繊維
束どうしが電気的に接触状態とされ、かつ該特定なプラ
スチック複合材は、前記2箇所の交点間に、所定間隔を
隔てて該特定なプラスチック複合材の長さ方向に対して
切断された切断部を有し、該特定なプラスチック複合材
に対して、前記切断部を挟んだ所定区間における前記導
電性繊維束の電気特性の変化を測定することで漏水を検
知する第2測定装置が接続されていることを特徴とする
ものである。
【0009】また、請求項3に係る発明は、請求項2記
載の漏水、歪・応力検知装置において、測定装置を所望
の導電性繊維束に対して選択的に接続する回路切換えス
イッチを具備して成ることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の漏水、歪・応力検知方法、およ
び請求項2記載の漏水、歪・応力検知装置では、所定寸
法離間して切断された導電性繊維束の切断部に水が介入
することにより、導電性繊維束のその切断部を挟んだ区
間の電気特性が変化するから、この電気特性の変化を第
2測定装置で読み取ることにより漏水の有無を知ること
ができる。また、検知対象物に歪・応力が生じた際には
それに起因して導電性繊維束に外力が作用し、それによ
り導電性繊維束に歪が生じてその電気特性が変化するか
ら、その電気特性の変化を第1測定装置により読み取る
ことで対象物に生じた歪や応力状態を検知できる。
【0011】請求項3記載の漏水、歪・応力検知装置で
は、測定装置をいずれかの導電性繊維束に対して選択的
に接続する回路切換えスイッチを具備しているので、測
定装置の所要台数を削減できるし、第1測定装置と第2
測定装置とを兼用することもできる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明に係る漏水、歪・応力検知装置(以
下、単に漏水検知装置と略称する)の一構成例を示した
ものである。この漏水検知装置1Aは、略格子状を呈す
るセンサー部40と、このセンサー部40に接続された
測定装置50とから概略構成されている。ただし、セン
サー部40はその一部を示したものである。
【0017】前記センサー部40はこの場合、図1中、
太実線で示した棒状または紐状の主プラスチック複合材
10,10,…と、中実線で示した補助プラスチック複
合材20(同じく棒状または紐状を呈する)が格子状に
組まれて成る。ただし、図1に示す通り、主プラスチッ
ク複合材10は、この主複合材10のみにおいても、図
において横列を構成する第1の主プラスチック複合材1
1と、縦列を構成する第2の主プラスチック複合材12
とで格子状を形成したものとなっている。
【0018】前記主プラスチック複合材10について以
下に説明する。この主プラスチック複合材(以下、「主
複合材」と略称する)10は、図2に示すように、多数
本の連続した炭素繊維(導電性を有する連続繊維)14
a,14a,…からなる炭素繊維束(導電性繊維束)1
4がプラスチック材16内部に一体に設けられて成る。
なお、本実施例におけるこの主複合材10は、前記プラ
スチック材16の内部に、前記炭素繊維束14の他に、
ガラス繊維束(強化繊維束)15を有した構造となって
いる。また、この場合、前記炭素繊維束14と前記ガラ
ス繊維束15とは、双方の連続繊維が互いに密接する如
く混在状態に設けられている。
【0019】一方、前記補助プラスチック複合材(以
下、「補助複合材」と略称する)20は、図示は省略す
るが、前記主複合材10の前記炭素繊維束14を含まな
い構成、すなわち、プラスチック材16の内部に補強用
のガラス繊維束15を含有した構造を有している。
【0020】前記構造を有する主複合材10により構成
された前記第1の主プラスチック複合材(以下、「第1
主複合材」と略称する)11および第2の主プラスチッ
ク複合材(以下、「第2主複合材」と略称する)12
は、図1に太線で示した如き格子を形成するにあたり、
それら両複合材11,12の交差部17,17,…にあ
っては、両複合材11,12を構成するプラスチック材
16が一体に結合され、しかも、両複合材11,12の
少なくとも前記炭素繊維束14どうしが接触(電気的な
接触を意味する)した状態にある。
【0021】一方、前記補助複合材50は、この場合、
前記第2主複合材12と並行した方向のみ、すなわち前
記第1主複合材11と交差する方向のみに設けられてい
る。これら、補助複合材20と前記第1主複合材11と
の交差部18,18,…は、これら補助複合材20を構
成するプラスチック材16と、主複合材11を構成する
プラスチック材16とが一体に結合されている。補助複
合材20が含有するガラス繊維束と、主複合材10が含
有する炭素繊維束14あるいはガラス繊維束15とは接
触していても、していなくともよい。なお、本発明の本
質を理解し易くするためにここで予め説明しておくと、
この補助複合材20は、格子状に組まれた前記主複合材
10を単に補強するものであって、漏水の検知作用には
係わらない。
【0022】前記第2主複合材12は、図1に示すよう
に、第1主複合材11との前記交差部17,17間にお
いて自身の長手方向に対して切断されており、その切断
部13には所定寸法の間隙Cが形成されている。図3に
この第2主複合材12の切断部13を示す。この間隙C
の寸法は、この間隙Cにより生じる後述する作用の強弱
によっても異なるが、通常は0.5mm 〜30.0mm の間
で設定するのが望ましい。また、この第2主複合材12
の切断部13において、前記間隙Cを介して対向した両
切断端面12a,12aには、切断された炭素繊維束1
4が露出している。
【0023】以上が前記センサー部40の構成である。
次に、前記測定装置50について説明する。測定装置5
0は、図1に示すように、前記センサー部40の前記主
複合材10に電圧を印加するための電源51および、該
電源51からセンサー部40に印加された電圧またはそ
の電流あるいは抵抗値を検知する検流計52(52A,
52B)、さらに、この検流計により検知された抵抗値
または電流値、電圧値等から、それら測定値の変化状態
を検出して記録する演算記録装置(図示略)を主体とし
て構成されている。
【0024】前記電源51による電気の供給は、主複合
材10の炭素繊維束14に対してなされる。図1に示す
実施例について説明すると、この場合、電源51からの
電気供給線54は、2本の第1の主複合材11A,11
Bのうち一方の第1主複合材11Aの一端部11aに接
続されている。この、一端部11aに電気供給線54が
接続された一方の第1主複合材11Aの他端部11bに
は、第1検流計52Aが接続されている。また、他方の
第1主複合材11Bにあっては、その他端部11bに第
2検流計52Bが接続されており、その一端部11aに
電気供給線54は接続されていない。また、双方の第1
主複合材11A,11Bの他端部11b,11bは、前
記第1検流計52A,第2検流計52Bをそれぞれ経た
後、アースEに至る。
【0025】次に、上記構成となる漏水検知装置1Aの
作用と共に、本発明に係る漏水、歪・応力検知方法につ
いて説明する。上記実施例による前記漏水検知装置1A
は、漏水検知機能および、歪・応力検知機能を有するも
のとなる。始めに、これら2つの機能のうち漏水検知機
能について説明する。
【0026】前記漏水検知装置1Aにおいて、漏水検知
は前記第2検流計52Bにより行なわれる。すなわち、
この漏水検知装置1Aの周囲に全く水が存在しない状態
では、第2検流計52Bの電流値は0(ゼロ)を示す。
何故なら、前記第2主複合材12,12が共に途中で切
断されているため、電源51からこの第2検流計52B
に至る電気回路(主複合材10の炭素繊維束14により
構成される電気回路)が途中で遮断されるからである。
【0027】一方、前記漏水検知装置1Aが存在する部
分に漏水が生じ、その漏水がこの漏水検知装置1Aに接
触したとする。漏水が第2主複合材12,12の前記切
断部13の間隙C間に存在すると、その切断部13は導
通され、第2検流計52Bの測定値に変化が生ずる。つ
まり電流が計測される。
【0028】ここで、本発明者等が実施した実験結果の
一例を図4に示す。この図は、上記の如き漏水検知装置
1Aを用い、前記切断部13に水が存在しない状態から
水を掛けた時の、炭素繊維束14より構成される電気回
路の電気的特性の変化を示したグラフである。ただし、
上記説明した漏水検知装置1Aは炭素繊維束14の電流
を計測するものであるのに対し、本実験は、定電流下に
おける電圧変化を計測したものである。
【0029】本データは、電流:0.1mA 一定(導通
時),切断部13の間隙Cの寸法:0.6mm で実施した
ものである。図中、イ点にて切断部13に注水し、ロ点
にて注水を停止した。このグラフから、上記イ点におけ
る注水により、主複合材10の炭素繊維束14により構
成される電気回路に急な電圧降下が生じたことが確認で
きる。これは、前記切断部13に水が介入することによ
って回路抵抗が減少したことによる。当然、図1に示し
たように電流変化を測定しても、切断部13の導通は、
電流値の増大(電圧一定とした場合)として読み取れる
ものとなる。
【0030】このように、前記漏水検知装置1Aにおい
ては、前記第2検流計52Bにより、主複合材10の炭
素繊維束14により構成される電気回路の電気特性の変
化をみることにより、前記切断部13への水の介入すな
わち漏水を検知することができる。
【0031】なお、図4のグラフから、上記ロ点におい
て注水を停止した後、回路電圧Vが徐々に上昇傾向に移
行していることが読み取れる。これは、切断部13に介
在した水に電流が流れたことにより、炭素繊維束14よ
りも比抵抗が大きいその水にジュール熱が発生し、この
水自身の発熱により水が比較的短時間で除去(蒸発)さ
れたことを意味する。
【0032】ところで、前記漏水検知装置1Aにあって
は、電源51から第2検流計52Bに至る電気回路にお
いて、切断部13が2箇所、並列的に存在したものとな
っている。従って、漏水が生じた場合、それら2箇所の
切断部13,13のうち何れか一方の切断部13が導通
されれば第2検流計52Bによる測定値が変化し、これ
により漏水の存在を検知することができる。
【0033】一方、上記とは逆に、第2検流計52Bに
よる測定区間を、例えば電源51から、第1主複合材1
1Bにおける前記第2主複合材12,12の間の点まで
とすれば、一方の切断部13(図1において左方に位置
する切断部13)についてのみの漏水を検知することが
可能となる。そして、このような測定区間の切換えは、
測定すべき区間に合わせてタップ線を予め引き出してお
き、測定対象となる区間に応じて、炭素繊維束14によ
り構成される回路を適宜タップすれば、切断部13が多
数存在する場合でも適宜目的とする切断部13について
漏水が発生しているか否かを検知できる。すなわち、こ
れによって、漏水発生位置の検出をも可能となるのであ
る。
【0034】また、上記実施例による前記漏水検知装置
1Aは、上記の漏水検知機能のほか、歪・応力検知機能
を有したものとなる。以下に、この歪・応力検知機能に
ついて説明する。これは、本発明者等が本発明に先駆け
てした発明に係るものであって、その発明は、上記炭素
繊維束14の如き導電性繊維束に外力が作用して導電性
繊維束に歪みが生じると、その歪み量あるいは歪みの変
化に対して導電性繊維束の電気抵抗値が、ある特異な変
化を示すことに着目してなされたものである。
【0035】例えば、図5は、前記主複合材10と同じ
構造を有する導電性繊維束含有プラスチック複合材を、
所定の条件の下で長さ方向に引っ張った時の荷重Pと、
該導電性繊維束含有プラスチック複合材の歪み量ε、お
よび導電性繊維束の増加抵抗ΔRの関係の一例を示した
グラフである。図中、ΔRは、初期抵抗値(引っ張り荷
重をかけない状態での抵抗値)に対する増加抵抗を示し
ている。また、このΔRを示す線図において、ΔR値が
最高値(図中d点)を越えた後、図中e点に至る線図
は、該導電性繊維束の歪み量εが所定の値となった後、
荷重Pを除荷したときのカーブを示したものである。
【0036】図5より、引張荷重Pの増加による歪み量
εの増加に伴い、導電性繊維束(炭素繊維束)の電気抵
抗値Rが漸次増加していくことが解る。そして、荷重P
の増加に伴う電気抵抗値Rは、a−b点間で比較的急激
に、b−c点間では緩やかに、そしてc点から急激に増
加するといった三段階移行の傾向を示している。さら
に、その後荷重Pを除荷しても、抵抗値Rはa点すなわ
ち初期抵抗値には戻らず、高い値の方にシフトしている
ことが解る。上記の事項に関し本発明者は、様々な条件
を違えても、破断近くまでの高歪み域まで荷重を加えた
場合には上記傾向、すなわち抵抗値Rの三段階移行、お
よび抵抗値Rの高値側へのシフトといった傾向が生ずる
ことを実験により確認している。なお、上記でいう「条
件」とは、荷重Pの大きさ,引張速度,導電性繊維の種
類,等を含むものである。また、抵抗値Rの除荷後の高
値側へのシフト量すなわちa−e点間の値は、高歪み域
において急激に変化した量、すなわちc−d点間の値に
ほぼ等しいものとなる。さらに、荷重Pを完全除荷した
後、再び最初の最高歪み値まで荷重を加えると、抵抗値
R(ΔR)は今度はe−d点間のカーブをほぼそのまま
逆行状態にトレースして上昇し、そこから除荷すると、
再びd点からe点に向けて同じ曲線を描くことが解っ
た。以後、これを繰り返しても同様になっている。ま
た、c点の現われる位置、およびc−d点間の抵抗値変
化(シフト量)は、導電性繊維束の強度,伸性によって
異なり、例えば、c点の発現位置は導電性繊維束を高強
度とすることにより高歪み域側に移行し、またc−d点
間の抵抗値変化量は、導電性繊維束を高強度,高伸性の
ものとすることにより大きいものとなる。
【0037】このように、前記主複合材10の含有する
炭素繊維束14は、該炭素繊維束14に生じる歪みに伴
って、抵抗値等電気特性が特異な変化を示すのである。
従って、この主複合材10を例えば構造体に付設あるい
は埋設しておいて炭素繊維束14の電気抵抗値を測定す
ることによって、構造物の歪み状態を把握でき、かつそ
れにより応力度を知ることができる。また、単にそれば
かりでなく、炭素繊維束14は上述のように、歪み量ε
に対する電気抵抗値(電気特性)が特異な変化を示すか
ら、これを利用して構造物等、測定対象の応力度状態を
知らせる一種のセンサーとして使用することが可能とな
るわけである。例えば、前記炭素繊維束14の破断強度
を相手の構造物の耐力に合わせておき、電気抵抗値Rが
前記図5におけるc点(マークポイント)の値を示した
時点で警報を発するように構成することも可能である。
また、炭素繊維束14は、一旦破断点近くの高歪みを受
けた場合には炭素繊維束14の電気抵抗値Rが高い値に
シフトするから、それによって相手の構造物が高歪みを
生じたものであるかどうかを、あるいはさらにそのシフ
ト量によってその程度までも知ることができ、構造物の
応力度履歴を把握することができる。したがって、例え
ば構造物に生じている現在の応力度、あいるは地震等の
外力により生じた最大応力度ならびに応力度履歴などを
知ることもでき、構造物の耐力監視、破壊予知に役立て
ることができる。
【0038】この、導電性繊維束を含有するプラスチッ
ク複合材の歪・応力機能について、さらに詳しくは、本
発明者等が先に出願した、特願昭3−205303号
「歪・応力探知器およびそれを用いた構造物の歪・応力
探知方法」および、特願昭4−62668号「破壊予知
機構を有する繊維束含有プラスチック複合材、およびそ
れを用いた構造物の破壊予知方法」を参照されたい。
【0039】図6および図7は、本発明の第二実施例を
示したもので、前記漏水検知装置1Aと略同様の構成の
漏水検知装置1Bをトンネル構造物の漏水検知に用いた
例を示したものである。漏水検知装置1Bは、前記漏水
検知装置1Aを、トンネル構造体に適用すべく大型のも
の、すなわち各主複合材10および補助複合材20の本
数が多くかつ各々の長さを長大なものとし、さらに、曲
面を構成するトンネル構造体に合致するよう全体的に筒
状に構成したものである。図7は、この漏水検知装置1
Bがトンネルの長さ方向に複数(図示例のものは4個)
連設した状態を示している。この漏水検知装置1Bにお
いて、前記漏水検知装置1Aと同じ構成要素には同一符
号を付して、その共通事項に関する説明を省略する。
【0040】図6において、符号Gは地山、符号70は
地山Gの掘削壁面に施工された吹付けコンクリート、7
2は吹付けコンクリート70の内面に防水シート71を
介して施工された巻立てコンクリート、73はこの巻立
てコンクリート72内に埋設された鉄筋、74は巻立て
コンクリート72のさらに内面に設けられた仕上げ材で
ある。これら吹付けコンクリート70,防水シート7
1,巻立てコンクリート72,鉄筋73,仕上げ材74
によりトンネル構造体75が構成されている。漏水検知
装置1Bは、この場合、前記巻立てコンクリート72の
内部であって、前記鉄筋73の内側(反地山面側)に設
けた構成である。
【0041】いま、複数配置された漏水検知装置1B,
1B,…のうち一つの漏水検知装置1Bについて説明す
る。この漏水検知装置1Bは、概略的には、図1に示し
た前記漏水検知装置1Aを、第1主複合材11A,11
Bを巻方向としてほぼ1周近く丸めた形状のものと考え
ればよい。すなわち、この漏水検知装置1Bは、図7に
示すように、第1主複合材11A,11Bがトンネル断
面形状に沿って曲線状とされ、トンネル長手方向に所定
間隔で配置されている。そして、これら第1主複合材1
1A,11Bにわたって第2主複合材12,12,…、
および補助複合材20,20,…が架設状態に設けられ
ている。図7に示すように、各補助複合材20,20,
…は第1主複合材11A,11B間において連続した1
本ものであるのに対し、各第2主複合材12は第1主複
合材11A,11B間に切断部13を有している。この
場合、それら第2主複合材12における切断部13,1
3,…の間隙の寸法は約2cm となっている。また、各
第1主複合材11と各第2主複合材12との交点17,
17,…にあっては、これら両複合材11,12を構成
する炭素繊維束どうしが電気的に接触した状態とされて
いる。
【0042】第1主複合材11Aの一端には、この第1
主複合材11Aに電圧を印加するための電源51が接続
されている。また、この第1主複合材11Aの他端に
は、該第1主複合材11Aを構成する炭素繊維束の電気
特性(例えば定電圧を印加したときの電流値)を計測す
るための第1検流計52A検流計が設けられている。一
方、対を成す他方の第1主複合材11Bの一端には、第
2検流計52Bが接続されている。図示例では、図面の
煩雑を避けるため、一つの漏水検知装置1Bについての
み測定装置50を有した構成を示したが、実際には、そ
の他の漏水検知装置1B,1B,…についても上記同様
に測定装置50が設けられている。
【0043】上記構成となる漏水検知装置1Bの作用は
以下の如くである。例えば図6に符号Wで示すようにト
ンネル構造体75に漏水が生じたとする。この漏水W
が、例えば、ちょうど前記切断部13,13,…の何れ
かに達したとする。この漏水Wが発生する以前では、第
1主複合材11A,11B間に電流は流れない。なぜな
ら、両第1主複合材11A,11B間の電気回路(炭素
繊維束により形成される電気回路)は、各切断部13に
より切断されているからである。一方、上記の如く何れ
かの切断部13に漏水Wが至ると、その切断部13がそ
の漏水Wによって導通され、他方の第1主複合材11B
にも電流が流れる。この電流が前記第2検流計52Bお
よび、それに接続された演算記録装置により検出され、
第1主複合材11A,11B間に漏水が生じていること
が検知されるのである。他の漏水検知装置1B,1B,
…についても同様に、漏水Wが検知される。
【0044】また一方、各漏水検知装置1B,1B,…
の第1主複合材11A,11A,…およびこれに各々接
続された第1検流計52Aは、先の実施例で説明した原
理に基づき、トンネル構造体75におけるこれら第1主
複合材11Aが埋設された部位の応力度状態を検知す
る。
【0045】また、漏水検知装置1Bのセンサー部40
は、主複合材10の他に補助複合材20,20,…が設
けられているため、これら補助複合材20によりセンサ
ー部40が構造的に補強され、例えば上記トンネル構造
体75の如く該センサー部40に外力がかかるような部
位にも設けることができる。さらに、センサー部40を
構成する主複合材10(11,12)および補助複合材
20は、何れも外面がプラスチック材16により形成さ
れているため、このように、構造体内部あるいは地盤中
等に埋設しても、このセンサー部40が腐食する恐れが
ほとんどなく、永年にわたり安定した機能を維持でき
る。
【0046】しかも、前記センサー部40は、プラスチ
ック材16を主体として内部に炭素繊維束14,ガラス
繊維束15を含有して構成された主複合材10および、
ガラス繊維束を含有して構成された補助複合材20を格
子状一体に組んだものである。このため、該センサー部
40はそれ自体、特にその面外変位に対しての耐力が大
きいものとなる。従って、このセンサー部40を、上記
実施例の如く構造体内部に広範囲に埋設等した場合に
は、このセンサー部40自体に該構造体の補強機能を期
待することも可能である。加えて、かかる構成のセンサ
ー部40は耐蝕性に優れる上、軽量であり、上記の如く
広範囲に設ける場合でも施工は容易である。
【0047】また、切断部13に介入した漏水Wは、も
し一時的なものであれば、先に説明したようにジュール
熱により比較的短時間で消滅し、その場合、第2検流計
52Bによる測定値は漏水が生じない状態に漸次復帰す
るものとなる。このことは換言すれば、懸念するに当た
らない一時的な漏水と、憂慮すべき定常的な漏水との見
分けをも行えることを意味する。
【0048】次に、図8は本発明の第三実施例を示すも
のである。この第三実施例に係る漏水検知装置1C,1
C,…は、上記第二実施例による漏水検知装置1Bの発
展型である。本実施例において、先の第一および第二実
施例に示したものと同じ構成要素には同一符号を付して
その説明を省略する。
【0049】本第三実施例による漏水検知装置1Cは、
前記漏水検知装置1Bのセンサー部40において、第2
主複合材12,12,…の全長にわたりその外周に吸水
性の高い不織布19を設けたものである。この不織布1
9は、第2主複合材12における切断部13から離れた
場所で漏水が発生した場合に、その漏水を切断部13に
導く作用をなすものである。従って、図8に示すように
該不織布19は、切断部13においても連続したものと
なっている。
【0050】この不織布19により、切断部13以外の
場所で発生した漏水についても検出可能となり、より広
範囲での漏水監視を実現する。しかも、上記構成では、
第2主複合材12の切断部13が不織布19により覆わ
れるため、本実施例のように該センサー部40をコンク
リート内に埋設するような場合でも、コンクリート打設
時における切断部13の間隙Cへのコンクリートの混入
を阻止でき好適である。また、このように切断部13が
不織布19によって覆われることにより、漏水Wによる
切断部13でのショートが確実でなくなる惧れがあると
きには、不織布19の切断部13に対応する部分に導電
剤を含ませておくことが好ましい。
【0051】なお、上記各実施例において、第2主複合
材12の切断部13の間隙Cの寸法を、好ましくは0.
5mm 〜30.0mm としたのは、この間隙Cの寸法を0.
5mm未満とすると、該センサー部40が可撓性を有する
ため不用意に切断端面12a,12a(図3)どうしが
接触して間隙Cが消滅する惧れがあり、一方、30.0m
m を越えると、間隙部13に漏水Wが介在しても、抵抗
が大きく正常時との比較が明確になされなくなる惧れが
あるからである。
【0052】また、第2主複合材12の切断端部12
a,12a(図3)にあっては、端に炭素繊維束14を
露出させるのみでなく、より導通を良好とする目的で、
端子を設けてもよい。
【0053】次に、図9ないし図11に示すものはそれ
ぞれ、本発明に係る漏水検知装置の別の実施例示したも
のである。これらの実施例では、特に、センサー部40
を構成する第1主複合材11および第2主複合材12に
対する測定装置50の接続形態を変化させており、これ
により、第1主複合材11による歪・応力検知、および
第2主複合材12による漏水検知の双方の測定形態に変
化を持たせたものである。
【0054】まず、図9に示す漏水検知装置1Dは、図
1に示した漏水検知装置1Aを、電源51は共通として
並列的に2基接続した構成となっている。すなわち、こ
の漏水検知装置1Dでは、第1主複合材11A,11A
に接続された第1検流計52A,52Aが歪・応力を探
知し、第1主複合材11B,11Bに接続された第2検
流計52B,52Bが漏水を検知する。
【0055】図10に示す漏水検知装置1Eは、上記漏
水検知装置1D同様、電源51からの電気供給線54
が、第1主複合材11A,11Aのそれぞれの一端部1
1a,11aに接続されている。一方、これら2本の第
1主複合材11A,11Aのそれぞれの他端部11b,
11bは、回路切換えスイッチ55を介して選択的に第
1検流計52Aに接続される。また、第1主複合材11
B,11Bの一端部11a,11aには第2検流計52
B,52Bがそれぞれ接続されている。その他、第2主
複合材12の接続構成等は図9に示した漏水検知装置1
Dと同じである。
【0056】上記構成となる漏水検知装置1Eでは、セ
ンサー部40(厳密には切断部13)に漏水が達した
際、その漏水は第2検流計52Bにより常時検出され
る。一方、歪・応力の探知については、前記回路切換え
スイッチ55をIまたはIIの位置に切り換えることによ
り、一方の第1主複合材11Aによる歪・応力を検知す
るか、あるいは、別の第1主複合材11Aによる歪・応
力を検知するかを選択できる。また、回路切換えスイッ
チ55を通常は図示の如く中立位置(OFF)としてお
き、歪・応力検知については必要時のみ行う、といった
用い方もできる。さらに、本漏水検知器1Eによる場合
には、歪・応力を検知するための第1主複合材11の設
置箇所の数の如何に拘わらず、歪み・応力を検知するた
めの第1検流計52Aの使用を1台のみとすることも可
能である。
【0057】図11に示す漏水検知装置1Fは、前記漏
水検知装置1Eにおいて、前記第2検流計52B,52
Bを省略し、第1主複合材11B,11Bによる漏水検
知も、回路切換えスイッチ55′を介して第1検流計5
2Aにより行えるよう配線したものである。すなわち、
この場合、第1検流計52Aが、漏水を検知するための
第2検流計を兼ねた構成である。
【0058】上記構成の漏水検知装置1Fでは、漏水検
知、歪・応力検知共に第1検流計52Aよりなされるも
のとなる。漏水の検知は、回路切換えスイッチ55′を
IIIまたはIVの位置に切り換えることにより、何れの第
1主複合材11Bにより検知するかが選択される。ま
た、歪・応力の検知は、同回路切換えスイッチ55′を
IまたはIIの位置に切り換えることにより、何れの第1
主複合材11Aにより検知するかが選択される。従っ
て、この漏水検知装置1Fは、漏水検知、歪・応力検知
共に、いわゆる常時測定ではなく定時測定を行うことと
なる。
【0059】このように、上記各実施例に示した漏水検
知装置は、センサー部40と測定装置50との組合せを
任意に設定して、センサー部40を構成する主複合材1
0のうち何れ位置のものにより漏水あるいは歪・応力状
態を検知するかといった選択や測定形態を、測定側の要
求に合わせて自由にアレンジすることが容易に可能であ
る。なお、上記漏水検知装置1D〜1Fにおいては何れ
も、対を成す2本の第1主複合材11A,11Bからな
るセンサー部40を2組ずつ備える構成のものを図示し
たが、これは説明の簡略化のためであって、これらセン
サー部40を図7に示したように多数連設してもよいこ
とは言うまでもない。
【0060】また、上記実施例では、本発明に係る漏水
検知装置を構造物等に設ける例として、トンネル構造体
75に漏水検知装置1B,1Cを設置する例を示した。
しかしながら、本発明に係る漏水検知装置は、漏水検知
および歪・応力検知を必要とする箇所、例えば上下水道
管、化学薬品倉庫の床面、電算機室あるいは美術館等の
床面および壁面などに適用することができる。
【0061】また、本発明に係る導電性繊維束として上
記各実施例では炭素繊維束を用いた例のみを示したが、
本発明の作用から明らかなように、本発明に係る導電性
繊維束は電気の良導体であればよく、前記炭素繊維束1
4以外の導電性繊維束を用いてもよい。同様に、この導
電性繊維束と共に主複合材10内に設けられる強化繊
維、および補助複合材20に内蔵される強化繊維につい
ても、上記ガラス繊維に限定されるものではない。
【0062】さらに、実施例では、プラスチック複合材
を縦横に格子状に組んで構成したセンサー部40におい
て、横列または縦列の一方の列を構成する複合材を漏水
検知用として機能させ、他方の列を構成する複合材を歪
・応力検知用として機能させる構成としたが、漏水検知
用または歪・応力検知用として機能する複合材が縦横双
方の列に存在した構成としてもよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1に係る
水、歪・応力検知方法によれば、極めて簡単な構成を以
て漏水および歪・応力を確実に検知することができる。
また、実質的に漏水および歪・応力を検知するセンサー
部として、軽量で耐蝕性に優れかつ取り扱いも容易なプ
ラスチック複合材を用いているので、設置場所を選ば
ず、特に、地盤あるいは構造体内部に埋設して用いるこ
とが可能となる。しかも、導電性繊維束の切断部を多数
設け、各切断部間で導電性繊維束の電気特性を計測する
ことにより、漏水発生箇所を検知することができる。
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】請求項2に係る漏水、歪・応力検知装置
よれば、切断部を有し第2測定装置が接続されたプラス
チック複合材(導電性繊維束)の電気特性変化より漏水
を検知できるとともに、第1測定装置測定が接続された
プラスチック複合材(導電性繊維束)の電気特性変化よ
り該漏水検知装置の設けられた部位の歪み・応力状態を
検知することができる。すなわち、プラスチック複合材
により構成された一つの装置により、対象物の漏水およ
び歪・応力状態の双方を監視することができる。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】請求項3記載の漏水、歪・応力検知装置に
よれば、測定装置を所望の導電性繊維束に対して選択的
に接続する回路切換えスイッチを具備しているので、測
定装置の所要台数を削減できるし、第1測定装置と第2
測定装置とを兼用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による漏水検知装置の基本
形態を示す部分平面図である。
【図2】 本発明に係るプラスチック複合材の一構成例
を示す部分斜視図である。
【図3】 本発明に係るプラスチック複合材の切断部を
示す斜視図である。
【図4】 本発明に係る漏水検知方法および漏水検知装
置の作用を説明するもので、導電性繊維束の切断部に漏
水が介入したときの、導電性繊維束の電気特性の変化状
態の一実験例を示すグラフである。
【図5】 本発明の一実施例による漏水検知装置の作用
を説明するもので、プラスチック複合材の含有する導電
性繊維束に引張荷重を加えた場合の、荷重と歪み量およ
び増加抵抗との関係を示したグラフである。
【図6】 本発明の一実施例に係る漏水検知装置をトン
ネル構造体の内部に埋設した状態を示す部分正面断面図
である。
【図7】 本発明の一実施例に係る漏水検知装置をトン
ネル構造体に用いる際のプラスチック複合材の配置構成
例を示した部分斜視図である。
【図8】 本発明の一実施例に係る漏水検知装置をトン
ネル構造体に用いる際のプラスチック複合材の配置構成
例を示した部分斜視図である。
【図9】 本発明に係る漏水検知装置の他の構成例を示
した部分平面図である。
【図10】 本発明に係る漏水検知装置の別の構成例を
示した部分平面図である。
【図11】 本発明に係る漏水検知装置のさらに別の構
成例を示した部分平面図である。
【符号の説明】
1A〜1F 漏水、歪・応力検知装置(漏水検知装置) 10 主プラスチック複合材(プラスチック複合材) 11(11A,11B)第1の主プラスチック複合材
( 〃 ) 12 第2の主プラスチック複合材( 〃 ) 13 切断部 14 炭素繊維束(導電性繊維束) 14a 炭素繊維(導電性繊維) 15 ガラス繊維束(強化繊維束) 17 交差部(交点) 20 補助プラスチック複合材(繊維強化プラスチック
材) 52 検流計(測定装置) 52A 第1検流計(第1測定装置) 52B 第2検流計(第2測定装置) C 間隙 W 漏水
フロントページの続き (72)発明者 杉田 稔 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 中辻 照幸 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 大塚 靖 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 武藤 範雄 東京都港区元赤坂一丁目6番6号 綜合 警備保障株式会社内 (72)発明者 長谷川 貞雄 東京都港区元赤坂一丁目6番6号 綜合 警備保障株式会社内 (72)発明者 高田 幸治 東京都港区元赤坂一丁目6番6号 綜合 警備保障株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−79132(JP,A) 特開 昭57−97265(JP,A) 特開 昭57−113338(JP,A) 特開 昭57−15956(JP,A) 特開 昭54−32381(JP,A) 特開 平1−178843(JP,A) 特開 平2−298854(JP,A) 特開 昭60−162934(JP,A) 実公 昭40−18168(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/00 - 3/40 G01N 3/00 - 3/61 G01N 27/00 - 27/10 E21D 11/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する連続繊維の集合体である
    導電性繊維束を含有する棒状または紐状のプラスチック
    複合材を格子状に縦横に組み、該格子状のプラスチック
    複合材を漏水および歪・応力の検知対象物に付設または
    埋設して、前記プラスチック複合材中の前記導電性繊維
    束の電気特性の変化より漏水および歪・応力を検知する
    漏水、歪・応力検知方法であって、 前記プラスチック複合材における少なくとも前記導電性
    繊維束を、前記電気特性測定区間内において長さ方向に
    対して少なくとも一箇所切断するとともに該切断部には
    水が入り込める構成とし、この切断された導電性繊維束
    の切断端部どうしを所定寸法離間させた状態として漏水
    を検知すべき部位に配置し、少なくとも前記導電性繊維
    束の前記切断部を挟んだ区間において前記導電性繊維束
    の電気特性の変化を測定することにより漏水の有無を検
    し、 かつ、前記導電性繊維束に外力が作用して生じた歪に起
    因する該導電性繊維束の電気特性の変化を測定すること
    により、前記検知対象物の歪・応力を検知することを特
    徴とする漏水、歪・応力検知方法。
  2. 【請求項2】 導電性を有する連続繊維の集合体である
    導電性繊維束を含有する棒状または紐状のプラスチック
    複合材を格子状に縦横に組み、該格子状のプラスチック
    複合材の所定区間における前記導電性繊維束の電気特性
    の変化を測定する測定装置を備えて成る漏水、歪・応力
    検知装置であって、 前記格子状のプラスチック複合材のうち、縦列または横
    列の一方の列を構成するプラスチック複合材のうち少な
    くとも一のプラスチック複合材に対して、該一のプラス
    チック複合材の所定区間における前記導電性繊維束の電
    気特性の変化を測定することで歪・応力を検知する第1
    測定装置が接続され、 前記一方の列と交差する他方の列を構成するプラスチッ
    ク複合材については、そのうちの少なくとも一の特定な
    プラスチック複合材が、前記一方の列を構成するプラス
    チック複合材との交点の少なくとも2箇所において、交
    差する双方の導電性繊維束どうしが電気的に接触状態と
    され、かつ該特定なプラスチック複合材は、前記2箇所
    の交点間に、所定間隔を隔てて該特定なプラスチック複
    合材の長さ方向に対して切断された切断部を有し、該特
    定なプラスチック複合材に対して 、前記切断部を挟んだ
    所定区間における前記導電性繊維束の電気特性の変化を
    測定することで漏水を検知する第2測定装置が接続され
    ていることを特徴とする漏水、歪・応力検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の漏水、歪・応力検知装置
    であって、測定装置を所望の導電性繊維束に対して選択
    的に接続する回路切換えスイッチを具備して成ることを
    特徴とする漏水、歪・応力検知装置。
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