JP2003307403A - 構造材の損傷検知センサ及び損傷検知方法 - Google Patents

構造材の損傷検知センサ及び損傷検知方法

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JP2003307403A
JP2003307403A JP2002113815A JP2002113815A JP2003307403A JP 2003307403 A JP2003307403 A JP 2003307403A JP 2002113815 A JP2002113815 A JP 2002113815A JP 2002113815 A JP2002113815 A JP 2002113815A JP 2003307403 A JP2003307403 A JP 2003307403A
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JP2002113815A
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Tatsumi Ota
達見 太田
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造材が損傷したこと及びその概略位置を短
時間且つ低コストで的確に検知することができる、構造
材の損傷検知センサ及び損傷検知方法を提供する。 【解決手段】 構造材としての梁100の損傷を検知す
る損傷検知センサSが、炭素繊維撚り線からなり梁10
0にその長手方向に沿って埋設された、第1センサ部1
0及び第2センサ部20と、これら第1センサ部10及
び第2センサ部20とを所定箇所で導通してブリッジ回
路を構成するブリッジ部31〜33とを備えた構成と
し、第1センサ部10又は第2センサ部20のうちで、
構造材の損傷に伴って抵抗値が変化した区間を、速やか
に特定できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柱、梁或いは杭等
の構造材に取り付けられ、こうした構造材における損傷
を検知する損傷検知センサ、及びこれを用いた損傷検知
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】柱、梁或いは杭等といった構造材が、大
地震等によって損傷した場合には、損傷箇所を速やかに
発見するとともに、必要であれば速やかに修復や補強等
の工事を行うことが要求される。損傷箇所の発見は、目
視確認によって行われることが多いが、例えば高層建物
の高層部に設けられた柱や梁、あるいは地中深く埋設さ
れた杭等といった、アクセス困難な場所に設けられた構
造材に損傷が発生した場合には、目視確認で的確に対応
することが困難であった。そのため、構造材に取り付け
られ、損傷が発生した場合に自動的に検知することがで
きる損傷検出センサが、近年用いられてきている。
【0003】このような損傷検知センサとしては、図5
に示すような、炭素繊維(CF)撚り線を用いた、いわ
ゆるCF束センサが広く用いられている。ここでは、構
造材として、長尺の鉄筋コンクリート造の梁100を例
にとって説明する。CF束センサ101は、梁100に
その長手方向に沿って埋設されており、両端部は梁10
0の各端面から若干長さだけ突出されている。なお、こ
のCF束センサ101の埋設部分周りは、繊維強化プラ
スチック(FRP)101fで固められており、コンク
リートとの付着性が改善されている。また、CF束セン
サ101の両端部には、端子101a,101bが各々
形成されており、これら端子101a,101bは各々
抵抗計(図示省略)に接続されている。
【0004】梁100の一部にひび割れ(クラック)C
等が生じると、それによってCF束センサ101が切断
されて、切断部分の抵抗値(電気抵抗値)が上昇する。
このCF束センサ101の抵抗値を抵抗計で測定し、そ
の変化を検出することによって、梁100に何らかの損
傷が発生したことが検知される。すなわち、CF束セン
サ101の抵抗値が、それまでの抵抗値と変化がなけれ
ば、梁100にひび割れや鉄筋降伏等の損傷が発生して
いない状態、すなわち梁100が健全な状態であると判
断される。一方、抵抗値がそれまでの抵抗値よりも上昇
していれば、梁100の何処かにひび割れや鉄筋降伏等
の損傷が発生した状態、すなわち梁100が不健全な状
態であると判断される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなCF束セン
サでは、構造材に損傷が発生したことは検知できるが、
その損傷箇所が構造材の何処の位置であるかを、明確に
検知するすることができなかった。すなわち、端子同士
の間における構造材の損傷としか検知できず、例えば実
際には図5中X点で損傷が発生していても、X点での損
傷なのかY点での損傷なのかを、判断できない。これで
は、構造材の全域にわたって目視確認を行わなければな
らず、アクセス困難な箇所に構造材が設けられている場
合や、構造材が長尺あるいは大型である場合等に、的確
に対応することが困難であった。
【0006】こうした不都合を解決するためには、CF
束センサ101を複数本用いることが考えられる。例え
ば図5に示すように、梁100に2本のCF束センサ1
01を埋設するようにすれば、梁100の損傷発生位置
が、図中における右側なのか左側なのかを検知すること
ができる。つまり、CF束センサ101の本数を増やし
ていけば、構造材の損傷発生位置を、それだけ細かく検
知することが可能となる。しかし、構造材の長さが非常
に大きく、しかも区間を細かく設定したい場合には、必
要となるCF束センサの本数が非常に多くなり、構造材
への取り付け(埋設)作業が煩雑になり、多大なコスト
を要する結果となっていた。
【0007】また、光ファイバーを用いた損傷検知セン
サも知られているが、測定コストが高い上、測定が完了
するまでに2〜3時間という長時間を要するといった不
都合があった。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、構造材が損傷したこと及びその概略位置を短時間且
つ低コストで的確に検知することができる、構造材の損
傷検知センサ及び損傷検知方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、柱、梁或いは杭等の構造材に取り付けられ、該構造
材が損傷したことを検知するセンサであって、前記構造
材にその長手方向に沿って設けられ、前記構造材の損傷
によって電気抵抗値が変化されるとともに、途中に形成
された第1の節点によって前記長手方向に複数の区間に
区分されている、線状の第1のセンサ部と、該第1のセ
ンサ部と略平行となるように前記構造材に設けられ、前
記構造材の損傷によって電気抵抗値が変化されるととも
に、前記第1の節点と対応させて各々が対をなすように
形成された第2の節点によって前記長手方向に複数の区
間に区分されている、線状の第2センサ部と、一対毎の
前記第1の節点と前記第2の節点とに各々結線され、線
路途中にスイッチが設けられたブリッジ部と、が備えら
れたことを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の構造材の損傷検知センサであって、前記第1及び第2
のセンサ部として、炭素繊維を用いたことを特徴とす
る。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の構造材の損傷検知センサを用いた損傷検
知方法であって、前記構造材の健全時における前記第1
及び第2のセンサ部の各区間の電気抵抗値、及び前記ブ
リッジ部の電気抵抗値を予め既知としておき、前記スイ
ッチを所定の順序に従ってオン・オフして、前記第1及
び第2のセンサ部と前記ブリッジ部とによる所定の電気
回路を順次形成させていくとともに、これら各々の電気
回路の電気抵抗値を測定していき、これら電気回路の各
電気抵抗値と、前記健全時における各電気抵抗値の和と
を順次比較していき、前記各区間のうちで電気抵抗値が
変化した区間を特定することで、前記構造材が損傷した
こと及びその概略位置を検知することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る損傷検知セン
サの実施の形態について、図1乃至図4を用いて説明す
る。先ず図1に、本実施形態に係る損傷検知センサの概
念図を示す。この損傷検知センサSは、構造材としての
鉄筋コンクリート造の梁100に設けられているもの
で、上記従来例におけるCF束センサを2本とし、第1
センサ部10及び第2センサ部20とするとともに、こ
れら第1センサ部10と第2センサ部20との線路途中
を導通させるブリッジ部を複数設けた構成となってい
る。ここでは、3つのブリッジ部(符号31,32,3
3)を設けている。
【0013】第1センサ部10と第2センサ部20と
は、ともに、上記従来例において述べたCF束センサと
同様に、CF(炭素繊維)撚り線から構成されている線
状の部材であり、互いに略平行となるようにして、梁1
00にその長手方向に沿って埋設されている。なお、こ
れら第1センサ部10及び第2センサ部20の埋設部分
周りは、繊維強化プラスチック(FRP)10f,20
fで各々固められており、コンクリートとの付着性が改
善されている。また、第1センサ部10及び第2センサ
部20の両端部は、梁100の両端面から各々若干量だ
け突出されており、各々の端部に形成された端子10
a,10b,20a,20bに、抵抗計(図示省略)を
接続することができるようになっている。
【0014】ブリッジ部31,32,33は、第1セン
サ部10と第2センサ部20との各々の線路途中の3箇
所を結線するものであり、各ブリッジ部の線路途中には
スイッチが設けられている。すなわち、これらスイッチ
をオンにした場合に、第1センサ部10と第2センサ部
20とは導通される。これらブリッジ部31,32,3
3を境にして、第1センサ部10は各々第1区間11〜
第4区間14に、第2センサ部20は各々第1区間21
〜第4区間24に、各々区分されており、梁100とし
ては、第1区間Z1〜第4区間Z4の4つの区間に区画さ
れている。
【0015】この梁100に損傷が発生していない状態
時、すなわち梁100の健全時における、第1区間11
〜第4区間14、及び第1区間21〜第4区間24の各
区間における抵抗値(以下、これらを「区間抵抗値」と
称する)を、予め既知としておく。各々の区間抵抗値
は、各々の区間の長さに比例するので、各区間の長さを
把握しておいて第1センサ部10あるいは第2センサ部
20の全体の抵抗値を測定し、長さ比で計算すれば、容
易に求めることができる。
【0016】このような損傷検知センサSは、ブリッジ
回路(電気回路)に見立てることができる。すなわち、
第1区間11〜第4区間14、及び第1区間21〜第4
区間24を、各区間抵抗値を有する抵抗に置き換え、ま
たブリッジ部31〜33も、各々の抵抗値を有する抵抗
に置き換えれば、等価回路としてのブリッジ回路が形成
される。こうしたブリッジ回路によって、抵抗値が変化
した区間を容易に特定することができる。すなわち、梁
100にクラックC等による損傷が発生して何れかの区
間(本例においては第2区間)の抵抗値が変化した場合
には、端子10a,10b又は20a,20bに抵抗計
を接続し、ブリッジ部31〜33のスイッチを順次オン
・オフしていき、第1センサ部10と第2センサ部20
との間の抵抗値を測定していけば、当該区間を特定する
ことができる。
【0017】また、スイッチのオン・オフを幾つかのパ
ターンで組み合わせるのみで、損傷区間を特定すること
も可能である。例えば図2に示すような、抵抗値がR1
〜R6,Rbc及びRbdである各抵抗により構成されたブ
リッジ回路の場合であれば、A−B間の抵抗値Rは次式
のように表される。
【0018】
【数1】
【0019】このように、パターンとして組み合わせれ
ば、測定に必要な回数を減じることもできる。
【0020】次に、このような損傷検知センサの具体例
及びこれを用いた損傷検知方法について、図3及び図4
を用いて説明する。図3に示すように、この損傷検知セ
ンサ1は、上記の損傷検知センサSと原理的には同一で
あり、ブリッジ部の数を変えているとともに、その構成
例をより具体的なものとしている。
【0021】第1センサ部10及び第2センサ部20
は、互いが略平行となるようにして、梁100にその長
手方向に沿って埋設されている。第1センサ部10の線
路途中には、節点(第1の節点)11j,12j,13
j,14j,15jが、端子10a側から順に形成され
ている。これら節点11j〜15jによって、第1セン
サ部10は6つの区間、つまり第1区間11〜第6区間
16に区分されている。また、第2センサ部20の線路
途中には、節点(第2の節点)21j,22j,23
j,24j,25jが、節点11j〜15jに対応する
ようにして、端子20a側から順に形成されている。こ
れら節点21j〜25jによって、第1センサ部10は
6つの区間、つまり第1区間21〜第6区間26に区分
されている。
【0022】そして梁100における、第1センサ部1
0の第1区間11〜第6区間16、及び第2センサ部2
0の第1区間21〜第6区間26の各々に対応する部分
を、第1区間Z1〜第6区間Z6とする。すなわち梁10
0は、長手方向に6つの区間に区分されている。
【0023】なお、梁100の健全時における、第1セ
ンサ部10の第1区間11〜第6区間16の区間抵抗値
を、各々R11〜R16として表し、また第2センサ部20
にの第1区間21〜第6区間26の区間抵抗値を、各々
21〜R26として表すこととする。
【0024】節点11jと節点21j、節点12jと節
点22j、節点13jと節点23j、節点14jと節点
24j、及び節点15jと節点25jは、互いに対応す
るように各々が対をなして形成されており、各々がブリ
ッジ部31,32,33,34,35で結線されてい
る。
【0025】節点11j,12j,13j,14j,1
5jには、リード線31a,32a,33a,34a,
35aが各々結線されており、また節点21j,22
j,23j,24j,25jには、リード線31b,3
2b,33b,34b,35bが各々結線されている。
これらリード線31a〜35a及びリード線31b〜3
5bは、梁100の内部から外部へと導出されている。
そして各々の他端部側は、梁100の外部に設置された
スイッチボックス40に取り付けられている。
【0026】スイッチボックス40には、互いに独立し
てオン・オフが可能なスイッチ41a,41b,41
c,41d,41eが設けられている。リード線31a
と31bはスイッチ41aに、リード線32aと32b
はスイッチ41bに、リード線33aと33bはスイッ
チ41cに、リード線34aと34bはスイッチ41d
に、リード線35aと35bはスイッチ41eに、各々
接続されている。
【0027】リード線31a,31b及びスイッチ41
aによって、上記したブリッジ部31が構成されてい
る。同様に、リード線32a,32b及びスイッチ41
bによってブリッジ部32が、リード線33a,33b
及びスイッチ41cによってブリッジ部33が、リード
線34a,34b及びスイッチ41dによってブリッジ
部34が、リード線35a,35b及びスイッチ41e
によってブリッジ部35が、各々構成されている。これ
らブリッジ部31〜35の、梁100の健全時における
各抵抗値を、各々R31〜R35として表すこととする。
【0028】このような構成の損傷検知センサ1は、図
4に示す等価回路として表すことができる。すなわち、
スイッチ41a〜41eの各々を所定の順序に従ってオ
ン・オフしていけば、第1センサ部10と第2センサ部
20とブリッジ部31〜35との組み合わせによって、
所定のブリッジ回路(電気回路)が順次形成されていく
こととなる。
【0029】次に、この損傷検知センサ1を用いて、梁
100に発生した損傷を検知する具体的な方法について
説明する。なお、少なくとも測定開始前には、R11〜R
16,R21〜R26,及びR31〜R35の各抵抗値を、予め長
さを測定しておくこと等により、既知としておく。
【0030】この図の例においては、第3区間Z3にお
いて、梁100にクラックCが発生しており、その他の
区間においては健全である。すなわち、第1センサ部1
0の第3区間13、及び第2センサ部20の第3区間2
3は、部分的に切断されており、それらの抵抗値は、健
全時における抵抗値R13,R23よりも高くなっている。
このクラックCを、損傷検知センサ1を用いて検知す
る。
【0031】先ず、抵抗計Mを端子10a,10bある
いは20a,20bに接続し、第1センサ部10及び第
2センサ部20の、各々の全体の抵抗値を測定する。第
1センサ部10の、健全時における全体の抵抗値R
10は、 R10 = R11+R12+R13+R14+R15+R16 であり、また第2センサ部20の、健全時における全体
の抵抗値R20は、 R20 = R21+R22+R23+R24+R25+R26 である。第1センサ部10及び第2センサ部20の双方
において、梁100に損傷が発生していることで、各々
の抵抗値が、R10,R20よりも高くなっていることが検
出される。そのため、梁100において何らかの損傷が
発生していることが検知され、梁100は不健全な状態
であることがわかる。
【0032】次に、損傷発生箇所の概略位置を検知す
る。すなわち、第1区間Z1〜第6区間Z6のうちの何れ
において電気抵抗値が変化しているのかを特定する。先
ず、スイッチ41aのみをオンにして、節点11jと節
点21jとを導通させる。このとき、第1センサ部10
における第1区間11と、ブリッジ部31と、第2セン
サ部20における第1区間21とによって、ブリッジ回
路が形成される。
【0033】この状態で、抵抗計Mによってこのブリッ
ジ回路の抵抗値RC1を測定する。第1区間Z1において
は、梁100に損傷が発生していないので、抵抗計Mが
示す抵抗値RC1は次式で表される。 RC1 = R11+R31+R12 このように、第1区間Z1において損傷は検知されず、
第1区間Z1は健全な状態であると診断することができ
る。
【0034】次に、スイッチ41aをオフにするととも
にスイッチ41bのみをオンにして、節点12jと節点
22jとを導通させる。このとき、第1センサ部10に
おける第1区間11及び第2区間12と、ブリッジ部3
2と、第2センサ部20における第1区間21及び第2
区間22とによって、ブリッジ回路が形成される。
【0035】この状態で、抵抗計Mによってこのブリッ
ジ回路の抵抗値RC2を測定する。第2区間Z2において
は、梁100に損傷が発生していないので、抵抗計Mが
示す抵抗値RC2は次式で表される。 RC2 = R11+R12+R32+R21+R22 このように、第2区間Z2において損傷は検知されず、
第2区間Z2は健全な状態であると診断することができ
る。
【0036】次に、スイッチ41bをオフにするととも
にスイッチ41cのみをオンにして、節点13jと節点
23jとを導通させる。このとき、第1センサ部10に
おける第1区間11、第2区間12及び第3区間13
と、ブリッジ部33と、第2センサ部20における第1
区間21、第2区間22及び第3区間23とによって、
ブリッジ回路が形成される。
【0037】この状態で、抵抗計Mによってこのブリッ
ジ回路の抵抗値RC3を測定する。第3区間Z3において
は、梁100に損傷が発生しているので、抵抗計Mが示
す抵抗値RC3は次式で表される。 RC3 ≠ R11+R12+R13+R33+R21+R22+R23 このように、第3区間Z3において損傷が検知され、第
3区間Z3は不健全な状態であると診断することができ
る。
【0038】これで損傷検知作業を終了してもよいが、
万全を期すために、第4区間Z4〜第6区間Z6には損傷
が発生していないかを、更に検知することが好ましい。
この場合には、抵抗計Mを、端子10a,20aから反
対側の端子10b,20bへと付け換え、それまでとは
反対側から同様の手順で行う。
【0039】スイッチ41cをオフにするとともにスイ
ッチ41eのみをオンにして、節点15jと節点25j
とを導通させる。このとき、第1センサ部10における
第6区間16と、ブリッジ部35と、第2センサ部20
における第6区間26とによって、ブリッジ回路が形成
される。
【0040】この状態で、抵抗計Mによってこのブリッ
ジ回路の抵抗値RC6を測定する。第6区間Z6において
は、梁100に損傷が発生していないので、抵抗計Mが
示す抵抗値RC6は次式で表され、第6区間Z6は健全な
状態であると診断することができる。 RC6 = R16+R35+R26
【0041】次に、スイッチ41eをオフにするととも
にスイッチ41dのみをオンにして、節点14jと節点
24jとを導通させる。このとき、第1センサ部10に
おける第6区間16及び第5区間15と、ブリッジ部3
4と、第2センサ部20における第6区間26及び第5
区間25とによって、ブリッジ回路が形成される。
【0042】この状態で、抵抗計Mによってこのブリッ
ジ回路の抵抗値RC5を測定する。第5区間Z5において
は、梁100に損傷が発生していないので、抵抗計Mが
示す抵抗値RC5は次式で表され、第5区間Z5も健全な
状態であると診断することができる。 RC5 = R15+R16+R34+R25+R26
【0043】最後に、スイッチ41dをオフにするとと
もにスイッチ41cのみをオンにして、節点13jと節
点23jとを導通させる。このとき、第1センサ部10
における第6区間16、第5区間15及び第4区間14
と、ブリッジ部33と、第2センサ部20における第6
区間26、第5区間25及び第4区間24とによって、
ブリッジ回路が形成される。
【0044】この状態で、抵抗計Mによってこのブリッ
ジ回路の抵抗値RC4を測定する。第4区間Z4において
は、梁100に損傷が発生していないので、抵抗計Mが
示す抵抗値RC4は次式で表され、第4区間Z4も健全な
状態であると診断することができる。 RC4 = R14+R15+R16+R33+R24+R25+R26
【0045】これらの結果によって、第3区間Z3にお
いてのみ損傷が検知され、他の区間は健全であると診断
される。こうして、梁100において損傷が発生してい
ること、及びその概略位置が検知されたので、速やかに
その損傷を目視確認し、修復等が必要か否かを判断し
て、必要な場合には速やかに修復や補強等を行う。
【0046】本実施形態に係る損傷検知センサ1におい
ては、梁100にその長手方向に沿って埋設され、梁1
00の損傷によって抵抗値が変化されるとともに、途中
に形成された節点11j〜15jによって長手方向に第
1区間11〜第6区間16に区分されている、炭素繊維
撚り線からなる線状の第1センサ部10と、第1センサ
部10と略平行となるように梁100に埋設され、梁1
00の損傷によって抵抗値が変化されるとともに、節点
11j〜15jと対応させて各々が対をなすように形成
された節点21j〜25jによって長手方向に第1区間
21〜第6区間26に区分されている、炭素繊維撚り線
からなる線状の第2センサ部20と、一対毎の節点11
j〜15jと節点21j〜25jとに各々結線され、線
路途中にスイッチ41a〜41eが設けられたブリッジ
部31〜35と、が備えられている。
【0047】そして、この損傷検知センサ1を用いた損
傷検知方法においては、梁100の健全時における、第
1センサ部10の第1区間11〜第6区間16の抵抗値
11〜R16、第2センサ部20の第1区間21〜第6区
間26の抵抗値R21〜R26、及びブリッジ部31〜35
の抵抗値R31〜R35を予め既知としておき、スイッチ4
1a〜41eを所定の順序に従ってオン・オフして、第
1センサ部10と第2センサ部20とブリッジ部31〜
35とによる所定のブリッジ回路を順次形成させていく
とともに、これら各々のブリッジ回路の抵抗値を測定し
ていき、これらブリッジ回路の各抵抗値と、健全時にお
ける各抵抗値の和とを順次比較していき、第1区間Z1
〜第6区間Z6のうちで抵抗値が変化した区間を特定す
ることで、梁100が損傷したこと及びその概略位置を
検知するようにしている。
【0048】このような構成の損傷検知センサ1を用い
て、スイッチ41a〜41eを所定の順序に従ってオン
・オフしていき、順次形成されるブリッジ回路の抵抗値
を測定していくことで、構造材が損傷したことを検知す
るとともに、第1区間Z1〜第6区間Z6のうちで抵抗値
が変化した区間、すなわち梁100の損傷区間を速やか
に特定して、損傷箇所の概略位置を検知することができ
る。そのため、梁100全体を目視確認する必要をなく
して、損傷区間内を目視確認するだけで損傷箇所を速や
かに発見することができる。これにより、梁100が、
例えば高層建物の高層部や地階等といったアクセス困難
な場所に設けられている場合でも、または非常に長尺あ
るいは大型である場合でも、短時間で的確に対応するこ
とができる。また、第1センサ部10と第2センサ部2
0との2本で損傷を検知するようにしているので、従来
のように多数本のCF束センサを埋設する必要がなく、
装置構成を簡易なものとするとともに、梁100への埋
設作業を簡略化して、コストの低廉化を図ることができ
る。更に、光ファイバーを用いた損傷検知センサのよう
な、長い測定時間を必要としないので、測定時間の短縮
化を図ることができる。
【0049】更に、第1センサ部10及び第2センサ部
20として、炭素繊維の撚り線を用いるようにしてい
る。このように、導電率が高く、また切断に伴う抵抗値
の変化も鋭敏である炭素繊維を用いることによって、小
さな損傷であっても的確に検知することができ、検知精
度を高めることができる。また、光ファイバ等を用いる
場合と比較して、コストの低廉化を図ることができる。
【0050】なお、上記実施形態においては、第1セン
サ部及び第2センサ部として炭素繊維撚り線を用いるこ
ととしているが、これに限定されるものではない。構造
材の損傷によって電気抵抗値が変化される素材であれ
ば、他の種類の導電性繊維等、他の素材を用いても差し
支えない。また、ブリッジ部を3つ或いは5つ設けた例
を示しているが、ブリッジ部の数や、ブリッジ部によっ
て区分される第1センサ部及び第2センサ部の区間数
は、これらの例より多くても少なくてもよく、限定され
るものではない。すなわち、形成されるブリッジ回路の
数は、構造材の長さ、大きさ或いは用途等によって任意
に変更することが可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
上記の如き構成を採用しているので、構造材が損傷した
こと及びその概略位置を短時間且つ低コストで的確に検
知することができる、構造材の損傷検知センサ及び損傷
検知方法を提供することができる。これにより、例えば
高層建物の高層部に設けられた柱や梁、あるいは地中深
く埋設された杭等といった、アクセス困難な場所に設け
られた構造材に損傷が発生した場合でも、長尺あるいは
大型の構造材に損傷が発生した場合でも、速やかに且つ
的確に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る損傷検知センサの一実施形態
を概念的に示す概略構成図である。
【図2】 本発明に係る損傷検知センサの動作原理を
示す回路図である。
【図3】 本発明に係る損傷検知センサの一実施形態
を示す概略構成斜視図である。
【図4】 図3に示した損傷検知センサの等価回路図
である。
【図5】 従来の損傷検知センサの一例を示す概略構
成図である。
【図6】 従来の損傷検知センサの他の一例を示す概
略構成図である。
【符号の説明】
S,1 損傷検知センサ 10 第1センサ部(第1のセンサ部) 20 第2センサ部(第2のセンサ部) 11,21 第1区間(区間) 12,22 第2区間(区間) 13,23 第3区間(区間) 14,24 第4区間(区間) 15,25 第5区間(区間) 16,26 第6区間(区間) 11j,12j,13j,14j,15j 節点(第1
の節点) 21j,22j,23j,24j,25j 節点(第2
の節点) 31,32,33,34,35 ブリッジ部 41a,41b,41c,41d,41e スイッチ 100 梁(構造材)
フロントページの続き Fターム(参考) 2F063 AA01 AA25 BA14 BB05 BC03 BD11 CA01 CA10 DA02 DA05 DA09 DA20 DB02 DB04 DD06 FA08 ZA01 2G060 AA08 AE01 AF07 EA03 EA06 HC10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱、梁或いは杭等の構造材に取り付け
    られ、該構造材が損傷したことを検知するセンサであっ
    て、 前記構造材にその長手方向に沿って設けられ、前記構造
    材の損傷によって電気抵抗値が変化されるとともに、途
    中に形成された第1の節点によって前記長手方向に複数
    の区間に区分されている、線状の第1のセンサ部と、 該第1のセンサ部と略平行となるように前記構造材に設
    けられ、前記構造材の損傷によって電気抵抗値が変化さ
    れるとともに、前記第1の節点と対応させて各々が対を
    なすように形成された第2の節点によって前記長手方向
    に複数の区間に区分されている、線状の第2センサ部
    と、 一対毎の前記第1の節点と前記第2の節点とに各々結線
    され、線路途中にスイッチが設けられたブリッジ部と、 が備えられたことを特徴とする構造材の損傷検知セン
    サ。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2のセンサ部として、
    炭素繊維を用いたことを特徴とする請求項1に記載の構
    造材の損傷検知センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の構造材
    の損傷検知センサを用いた損傷検知方法であって、 前記構造材の健全時における前記第1及び第2のセンサ
    部の各区間の電気抵抗値、及び前記ブリッジ部の電気抵
    抗値を予め既知としておき、 前記スイッチを所定の順序に従ってオン・オフして、前
    記第1及び第2のセンサ部と前記ブリッジ部とによる所
    定の電気回路を順次形成させていくとともに、これら各
    々の電気回路の電気抵抗値を測定していき、 これら電気回路の各電気抵抗値と、前記健全時における
    各電気抵抗値の和とを順次比較していき、前記各区間の
    うちで電気抵抗値が変化した区間を特定することで、前
    記構造材が損傷したこと及びその概略位置を検知するこ
    とを特徴とする構造材の損傷検知方法。
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