JPH0772023A - 歪・応力探知器およびそれを用いた構造物の歪・応力探知方法 - Google Patents

歪・応力探知器およびそれを用いた構造物の歪・応力探知方法

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JPH0772023A
JPH0772023A JP20530391A JP20530391A JPH0772023A JP H0772023 A JPH0772023 A JP H0772023A JP 20530391 A JP20530391 A JP 20530391A JP 20530391 A JP20530391 A JP 20530391A JP H0772023 A JPH0772023 A JP H0772023A
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Hiroaki Yanagida
博明 柳田
Masaru Miyayama
勝 宮山
Norio Muto
範雄 武藤
Minoru Sugita
稔 杉田
Teruyuki Nakatsuji
照幸 中辻
Yasushi Otsuka
靖 大塚
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 構造物や部材の応力を計測するための応力探
知器1Aを、導電性を有する連続繊維2の集合体である
導電性繊維束3の両端部に、導電性繊維束3の電気抵抗
値を測定するための端子4,4を設けて構成した。 【効果】 構造が極めて簡単で安価である上、寸法も自
由に設定できる。また、導電性繊維束3の電気抵抗値
は、歪みに対して特異なカーブを示し、それにより、測
定対象である構造物等の歪みあるいは応力度状態さらに
は応力度履歴等を知ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歪・応力探知器およびそ
れを用いた構造物の歪・応力探知方法に係わり、特に、
導電性繊維束を利用し、該導電性繊維束の電気抵抗値あ
るいはその変化状況により歪あるいは応力度状態を探知
するようにした、歪・応力探知器およびそれを用いた構
造物の歪・応力探知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、部材に生じた応力を知る手段
として例えば抵抗線歪み計を用いる方法が知られてい
る。抵抗線歪み計は、周知の如く、蛇行配置された白金
等からなる抵抗線を有した通常平板状のものである。こ
の歪み計を、応力を測定しようとする対象物外面に貼り
付け、対象物の歪みに伴う抵抗線の形状変化(長さ変化
および断面積変化)による抵抗値変化により対象物の歪
みを把握し、該歪みより応力を算出するものである。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手段による場合には、前記歪み計が高価であるう
え、寸法的にもある程度制約を受けるといった欠点があ
る。また、前記歪み計にあっては、荷重と歪み表示とが
直線的関係であるため例え一時的に大きな活荷重が付加
された場合でもその活荷重が除荷された状態においては
歪み表示が0(ゼロ)となり、万一測定のタイミングを
逸すると、実際には危険域に達する活荷重が付加され過
大な応力が生じたにも拘わらずその事実を認識できない
といった重大な欠点がある。しかも、前記歪み計は対象
物の外面部にしか設けることができないため対象物が大
きい場合には正確な意味での内部応力を知ることはでき
ないといった不都合もあった。
【0003】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、極めて簡単な構造を有し、比較的安価に作製でき、
如何なる箇所にも設置することができ、さらには、断片
的なデータからでも応力度の履歴を把握することを可能
とする歪・応力探知器およびそれを用いた構造物の歪・
応力探知方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る歪・応力
探知器は、導電性を有する連続繊維の集合体である導電
性繊維束の両端部に該導電性繊維束の電気抵抗値を測定
するための端子を設けて成るものである。
【0005】請求項2に係る歪・応力探知器は、請求項
1記載の歪・応力探知器において、前記導電性繊維束を
炭素繊維束としたことを特徴とするものである。
【0006】請求項3に係る歪・応力探知器は、請求項
1または2記載の歪・応力探知器において、前記導電性
繊維束を樹脂材により被覆したことを特徴とするもので
ある。
【0007】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
の何れかに記載の歪・応力探知器を用いた構造物の歪・
応力探知方法であって、前記歪・応力探知器を構造物に
付設または埋設し、該歪・応力探知器の前記導電性繊維
束の電気抵抗値を測定し、該測定値または該測定値の変
化状態より前記構造物における該歪・応力探知器の設け
られた部位の歪あるいは応力度状態または応力度履歴を
知ることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】請求項1に係る歪・応力探知器は、これを、歪
あるいは応力を測定すべき対象物の所定の場所に設け、
前記端子を利用して導電性繊維束の電気抵抗値を測定す
ることにより、該歪・応力探知器の設けられた部位の歪
あるいは応力度、さらには応力度履歴を知ることができ
る。
【0009】請求項2に係る歪・応力探知器では、比較
的一般的な炭素繊維を導電性繊維として用いることで、
歪・応力探知器の汎用性を高めることができる。
【0010】請求項3に係る歪・応力探知器では、該歪
・応力探知器の取り扱い等が容易となり、かつ電気導電
体に対しても直接に付設または埋設することが可能とな
る。
【0011】請求項4に係る構造物の歪・応力探知方法
では、上記歪・応力探知器を用いることで、構造物の
歪,応力度状態あるいは応力度履歴を知ることができ、
特に、歪・応力探知器を埋設して用いることにより、構
造物の内部応力度状態も直接的に把握してより正確なデ
ータを得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は本発明の一実施例による歪・応力探知
器を示すものである。この歪・応力探知器1Aは、多数
本の連続した炭素繊維(導電性を有する連続繊維)2,
2,…からなる炭素繊維束(導電性繊維束)3の両端部
に、該炭素繊維束3の電気抵抗値を測定するための端子
4,4を設けて構成されている。
【0013】前記端子4,4は図1に示すものにおいて
は、導電性に優れた帯状の金属板を前記炭素繊維束3に
巻き付けたもので、この場合、この端子4,4が前記炭
素繊維2,2,…を結束する作用も有している。
【0014】図2は本発明に係る歪・応力探知器の別の
実施例を示すものである。この歪・応力探知器1Bは、
先の実施例において示した前記歪・応力探知器1Aの炭
素繊維束3を樹脂材5により被覆状態に構成したもので
ある。炭素繊維束3の両端部には端子4,4が設けられ
ており、これら端子4,4は外部に露出された構成とな
っている。
【0015】次に、上記の如く構成された歪・応力探知
器の作用と共に、本発明に係る構造物の歪・応力探知方
法の一実施例について説明する。図3は、構造物7の所
要箇所に前記歪・応力探知器1Bを付設した状況を示し
ている。ここで、前記構造物7は、例えば図4に示す如
き橋8の橋梁8aであっても、あるいは建築物のスラブ
等であってもよく、その種類は限定されない。前記歪・
応力探知器1Bはこの場合、図3に示すように接着剤9
によりその全長部分を前記構造物7に接着・固定してい
る。
【0016】上記の如く構造物7の所定箇所に歪・応力
探知器1Bを取り付けたならば、前記端子4,4に抵抗
測定器10(図4参照)を接続し、これら端子4,4間
にある炭素繊維束3の電気抵抗値を測定する。図3およ
び図4において符号10aは前記抵抗測定器10からの
配線である。
【0017】ここで、本発明の作用原理を明らかにする
ため本発明者等が実施した実験例について下記に述べ
る。図5および図6は、実験に用いた試験片Tを示すも
ので、前記歪・応力探知器1Bに近い構造を有したもの
である。この試験片Tを下記の実験条件で引っ張り、そ
れに伴う荷重P(t),試験片Tの歪み量ε(μm),
炭素繊維束3の電気抵抗値R(Ω)との関係を求めた。
なお、ここで言う「歪み量」とは一般に無次元で表され
る歪みではなく、いわゆる試験片の原寸に対する変化量
を示すものである。
【0018】〈実験例〉 △試験片T 導電性繊維束3:炭素繊維(PAN系高強
度タイプ) その他の繊維束:ガラス繊維 樹脂材5:ビニルエステル樹脂 寸法:8mm □,長さ700mm △実験条件 R0(初期抵抗値):5.6Ω 室温:23℃ 電流I:0.9mA 電圧V:0.05mV/cm 引張速度:1mm/min. △電源発生器 YEW DC Voltage Current Standard Type
2553
【0019】上記実験の結果を図7に示す。図中、ΔR
は、初期抵抗値R0 に対する増加抵抗(Ω)を示してい
る。また、このΔRを示す線図において、ΔR値が最高
値(図中d点)を越えた後、図中e点に至る線図は、試
験片Tの歪み量εが1.6mm(16000μm)となった後、荷
重Pを除荷したときのカーブを示したものである。な
お、上記試験片Tは、さらに荷重Pを加え、歪み量εが
1.7mmとなった時点で破断している。
【0020】図7より、引張荷重Pの増加による歪み量
εの増加に伴い、炭素繊維束3の電気抵抗値Rが漸次増
加していくことが解る。そして、荷重Pの増加に伴う電
気抵抗値Rは、a−b点間で比較的急激に、b−c点間
では緩やかに、そしてc点から急激に増加するといった
三段階移行の傾向を示している。さらに、その後荷重P
を除荷しても、抵抗値Rはa点すなわち初期抵抗値R0
には戻らず、高い値の方にシフトしていることが解る。
【0021】上記の事項に関し本発明者は、様々な条件
を違えても、破断近くまでの高歪み域まで荷重を加えた
場合には上記傾向、すなわち抵抗値Rの三段階移行、お
よび抵抗値Rの高値側へのシフトといった傾向が生ずる
ことを実験により確認している。なお、上記でいう「条
件」とは、荷重Pの大きさ,引張速度,導電性繊維の種
類,等を含むものである。
【0022】また、それらの実験より、抵抗値Rの除荷
後の高値側へのシフト量すなわちa−e点間の値は、高
歪み域において急激に変化した量すなわちc−d点間の
値にほぼ等しいものであることを把握した。さらに、荷
重Pを完全除荷した後、再び最初の最高歪み値まで荷重
を加えると、抵抗値R(ΔR)は今度はe−d点間のカ
ーブをほぼそのままトレースして上昇し、そこから除荷
すると、再びd点からe点に向けて同じ曲線を描くこと
が解った。以後、これを繰り返しても同様になってい
る。また、c点の現われる位置、およびc−d点間の抵
抗値変化(シフト量)は、導電性繊維束の強度,伸性に
よって異なり、例えば、c点の発現位置は導電性繊維束
を高強度とすることにより高歪み域側に移行し、またc
−d点間の抵抗値変化量は、導電性繊維束を高強度,高
伸性のものとすることにより大きいものとなる。
【0023】以上の現象について、d−e点間における
現象は炭素繊維束3の可逆的な構造変化、c−d点間に
おける現象は不可逆的な構造変化に起因していると考察
できる。
【0024】ちなみに、炭素繊維束3に代えて炭素繊維
2の単線を用いた場合は、歪みの増加に伴う電気抵抗値
の上昇は見られるが、上記炭素繊維束3の場合とは異な
り破断までのほぼ直線的な変化であり、かつ上記の如き
明確なヒステリシスは現われない。
【0025】上記実験例に示すように、前記構造物7に
取り付けた前記歪・応力探知器1Bは、構造物7の歪み
に伴って抵抗値Rの変化を示すこととなる。従って、こ
の歪・応力探知器1Bの電気抵抗値Rを測定することに
よって、構造物7の歪みを把握でき、かつそれにより応
力度を知ることができる。
【0026】単にそればかりでなく、前記歪・応力探知
器1Bは上述のように、歪み量εに対する電気抵抗値R
が特異な変化を示すから、これを利用して前記構造物7
の応力度状態を知らせる一種のセンサーとして使用する
ことが可能である。
【0027】例えば、該歪・応力探知器1Bにおける炭
素繊維束3の破断強度を相手の構造物7の耐力に合わせ
ておき、電気抵抗値Rが前記図7におけるc点(マーク
ポイント)の値を示した時点で警報を発するように構成
することも可能である。この場合さらに、該歪・応力探
知器1Bの交換を条件とすれば、歪・応力探知器1Bの
破断強度を意図的に構造物7の耐力より小さく設定して
おき、炭素繊維束3の破断を検知して警報を発するよう
にすることも不可能ではない。
【0028】また、前記歪・応力探知器1Bは、一旦破
断点近くの高歪みを受けた場合には炭素繊維束3の電気
抵抗値Rが高い値にシフトするから、それによって相手
の構造物3が高歪みを生じたものであるかどうかを、あ
るいはさらにそのシフト量によってその程度までも知る
ことができ、構造物の応力度履歴を把握することができ
る。したがって、例えば構造物に生じている現在の応力
度、あいるは地震等の外力により生じた最大応力度なら
びに応力度履歴などを知ることもでき、構造物の耐力監
視に役立てることができる。
【0029】以上、図2に示した前記歪・応力探知器1
Bの作用について説明したが、図1に示した如き、樹脂
材5を有しない歪・応力探知器1Aについても上記同様
の作用を有する。ただし、該歪・応力探知器1Aを構造
物7に付設する際には、特に構造物7が電気絶縁物でな
い限り、炭素繊維束3(および端子4)がその構造物7
に直設接しないように取り付ける必要がある。
【0030】その場合の取付け方としては、例えば図3
に示したものと同じように、絶縁性のある接着材9によ
り接着固定してもよいし、あるいは図8に示す如き固定
方法によっても可能である。図8において、符号11,
11で示すものは炭素繊維束3用の固定治具で、それぞ
れ上駒11aと下駒11bとで炭素繊維束3の両端部を
挟む構成となっている。上駒11aおよび下駒11bに
はボルト挿通孔が設けられており、ボルト12,12,
…によって構造物7に、炭素繊維束3を張るように固定
されている。上駒11aは導電体、下駒11bは絶縁体
となっている。そして、この場合、上駒11a,11a
が抵抗測定用の端子4を形成している。このような固定
手段によれば、構造物7が導電体である場合でも炭素繊
維束3を構造物7に接触させることなく、前記歪・応力
探知器1Aを付設することが可能となる。
【0031】ただし、図2に示した如きの、炭素繊維束
3が樹脂材5により被覆されてなる歪・応力探知器1B
によれば、該歪・応力探知器1Bがいわば自立した構造
となるため、該歪・応力探知器を独立した単体で扱うこ
とができ便利である。しかも、炭素繊維束3が樹脂材5
によって保護された状態にあるから、この歪・応力探知
器1Bは、例えばコンクリートあるいは地盤の内部な
ど、構造物内に直接埋設することが可能である。
【0032】図9は、前記歪・応力探知器1Bをさらに
発展させた歪・応力探知器1Cを示している。この歪・
応力探知器1Cは、前記歪・応力探知器1Bを格子状に
組んで構成したものである。すなわち、この格子状の歪
・応力探知器1Cは、紐状に形成された縦条13,1
3,…と、同じく紐状に形成されそれらと交わる横条1
4,14,…とから構成されており、これら縦条13,
13,…および横条14,14,…の各々が前記歪・応
力探知器1Bとほぼ同様の構成となっている。ただし、
縦条13および横条14は、前記炭素繊維束3のほかに
樹脂材5の補強用としてガラス繊維束(図示略)を有し
た構成となっている。また、前記縦条13と横条14と
は、互いの交点15,15,…では一体化されている
が、縦条13を構成する炭素繊維束3と横条14を構成
する炭素繊維束3とは前記交点15においても接触せ
ず、樹脂材5を介していわゆる立体交差した如き構成と
なっている。そして、選択した少なくとも何本かの縦条
13および横条14の両端部には炭素繊維束3の電気抵
抗値を測定するための端子4が設けられている。
【0033】上記歪・応力探知器1Cは、これを例えば
補強部材として、補強すべき構造体の内部に埋設して使
用することができる。例えば、図10は、前記歪・応力
探知器1Cを地山面17の補強部材として吹付けコンク
リート18の内部に埋設した状態を示している。この歪
・応力探知器1Cは、吹付けコンクリート18を補強す
る一方で、前記端子4間に通電して各炭素繊維束3の電
気抵抗値Rを測定することにより、地山面17の歪,応
力度状態、さらに応力度履歴を把握することができる。
しかも、該歪・応力探知器1Cにおいては、多数存在す
る前記縦条13および横条14の電気抵抗値Rを計測す
ることにより、これら縦条13,横条14を例えばX−
Y座標として応力度の分布状態までをも把握可能であ
る。さらに、このように歪・応力探知器1Cを構造物内
部に埋設することができるので、内部歪,内部応力を直
接的に探ることができ、より信頼度の高いデータを得る
ことができる。
【0034】なお、上記の補強部材を兼ねる歪・応力探
知器1Cでは、縦条13および横条14により二次元的
形状に形成したものについて説明したが、例えば、該歪
・応力探知器1Cを、軸筋とせん断補強筋とから構成さ
れるいわゆる鉄筋籠の如き三次元的形状に構成し、それ
を補強部材として例えばコンクリートの内部などに埋設
させることも可能である。その場合には、上記歪・応力
探知器1Cと同様に、軸筋内の炭素繊維束とせん断補強
筋内の炭素繊維束とが接触しないように構成し、例えば
軸筋内の炭素繊維束に通電用の端子を形成するようにす
ればよい。
【0035】また、上記歪・応力探知器1Cにおいては
前記縦条13の炭素繊維束3と横条14の炭素繊維束3
とが交わらない構成とした。しかし、それら双方の炭素
繊維束3どうしが直接に接触しない構成、すなわち両者
が電気的に導通されない構成とすれば、それら双方の炭
素繊維束3どうしを交差させた構成としてもよい。その
ための手段としては、例えばそれら双方の炭素繊維束3
の交点(接触点)に電気絶縁体を設ける等の手段が考え
られる。上述の三次元的形状に構成した補強部材につい
ても同様である。
【0036】なお、本発明に係る歪・応力探知器におい
て、上記実施例では一例として構造物の歪・応力探知用
として使用した例を示したが、本歪・応力探知器が適用
される対象物は構造物に限定されるものではなく、例え
ば単なる部材等であってもよいものであることは言うま
でもない。さらに、本歪・応力探知器を上記例のように
構造物の歪・応力探知用として用いる場合でも、対象の
構造物は上述の橋梁8aあるいは地山面17に限定され
るものではなく、例えば、一般構造物の梁,柱,スラ
ブ,あるいは盛土,人工地盤,地中連続壁,土留壁,ト
ンネル構造体等、荷重を担うあらゆる構造物に適用可能
であり、かつ有効である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したとおり、請求項1に係る発
明によれば、導電性繊維束に端子を設けるのみで、極め
て簡単な構造で安価な歪・応力探知器を構成することが
でき、導電性繊維束の電気抵抗値を測定するのみで該歪
・応力探知器を取り付けた対象物の歪あるいは応力度状
態を知ることができる。しかも、導電性繊維束は、歪み
との関係で特異な電気抵抗値変化を呈するため、該性質
により、ある時点での応力度のみならず応力度の履歴ま
でも把握することができ、これを利用して例えば構造物
の耐力監視に役立てたり、さらには、応力度状態に関す
る警報手段として利用することが可能となる。また、該
歪・応力探知器の主体は単なる導電性繊維束であるか
ら、何の制約も受けることなく自由にその長さを設定す
ることができ、特に、長大な対象物にも適用できるとい
った利点を有する。
【0038】また、請求項2に係る発明によれば、比較
的一般的な炭素繊維を導電性繊維として用いることで、
歪・応力探知器の汎用性を高めることができる。
【0039】請求項3に係る発明によれば、該歪・応力
探知器をそれ自体で自立させた構成とすることができ、
取り扱いを容易にすることに加え、該歪・応力探知器を
構造物等の歪・応力探知対象物内にそのまま埋設するこ
とが可能となり、対象物の内部歪や内部応力についても
直接に検知することが可能となる。
【0040】請求項4に係る発明によれば、本発明に係
る歪・応力探知器を用いることで、構造物の歪・応力度
状態あるいは応力度履歴を知ることができ、特に、歪・
応力探知器を埋設して用いることにより、構造物の内部
歪や内部応力度状態も直接的に把握してより正確なデー
タを得ることができる。また、本発明に係る歪・応力探
知器は、歪みとの関係で特異な電気抵抗値変化を呈する
から、該性質によりある時点での応力度のみならず応力
度履歴を把握することができ、それにより構造物の耐力
監視に用い、さらには、構造物の応力度状態に関する警
報手段として利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歪・応力探知器の一構成例を示す
斜視図である。
【図2】本発明に係る歪・応力探知器の他の構成例を一
部省略して示す斜視図である。
【図3】本発明に係る歪・応力探知器の設置状態の一例
を示す部分斜視図である。
【図4】本発明に係る歪・応力探知器を橋梁の歪・応力
探知に用いた場合の使用態様を示す正面図である。
【図5】本発明に係る実験に用いた試験片を一部省略し
て示す正面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】本発明に係る歪・応力探知器の荷重と歪み量お
よび増加抵抗との関係を示すグラフである。
【図8】本発明に係る歪・応力探知器の設置状態の他の
例を示す部分斜視図である。
【図9】本発明に係る歪・応力探知器の別の構成例を示
す部分斜視図である。
【図10】図9に示した歪・応力探知器の使用態様を一
部断面で示した部分斜視図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C 歪・応力探知器 2 炭素繊維(導電性を有した連続繊維) 3 炭素繊維束(導電性繊維束) 4 端子 5 樹脂材 7,18 構造物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 範雄 神奈川県相模原市宮下本町1丁目5番地18 (72)発明者 杉田 稔 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 中辻 照幸 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 大塚 靖 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する連続繊維の集合体である
    導電性繊維束の両端部に該導電性繊維束の電気抵抗値を
    測定するための端子を設けて成る歪・応力探知器。
  2. 【請求項2】 前記導電性繊維束が炭素繊維束であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の歪・応力探知器。
  3. 【請求項3】 前記導電性繊維束が樹脂材により被覆さ
    れてなる請求項1または2記載の歪・応力探知器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかに記載の歪・
    応力探知器を用いた構造物の歪・応力探知方法であっ
    て、前記歪・応力探知器を構造物に付設または埋設し、
    該歪・応力探知器の前記導電性繊維束の電気抵抗値を測
    定し、該測定値または該測定値の変化状態より前記構造
    物における該歪・応力探知器の設けられた部位の歪ある
    いは応力度状態または応力度履歴を知ることを特徴とす
    る構造物の歪・応力探知方法。
JP20530391A 1991-08-15 1991-08-15 歪・応力探知器およびそれを用いた構造物の歪・応力探知方法 Expired - Fee Related JP3148898B2 (ja)

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