JP3267883B2 - 山形要素を有する構造面並びにその使用及び製造方法 - Google Patents

山形要素を有する構造面並びにその使用及び製造方法

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サポート層と、該
サポート層に電気的に接続された山形要素とを有する構
造面に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ブラウン管の如き、真空電子工
学の分野の総ての構成部品は、電子を真空の中に放出す
るために、陰極を必要とする。現在までは、熱陰極は主
として、そのような目的のために使用されてきた。その
ような陰極は、該陰極の表面の電子がその陰極表面のポ
テンシャル障壁に打ち勝つことができるような十分な熱
エネルギーを有するように、1000℃あるいはそれ以
上の温度まで加熱される。従って、熱陰極の表面は、電
子が逃げるために必要とするエネルギーを可能な限り低
く維持して、高い電子放出が得られるようにするため
の、適宜な表面層を有するように選択される。
【0003】電子放出陰極面を製造するための別の可能
性は、冷陰極、すなわち、特別に加熱されていない陰極
に、高い電界力を与えることである。そのような電子放
出を行う冷陰極の表面は、電界放出面と呼ばれている。
一定程度の電界放出電流を得るためには、極めて高い電
界力を陰極表面に与える必要がある。陰極に与える電圧
を可能な限り低いレベルに維持し、同時に、高い電界力
を局部的に得るために、実用的には、陰極表面に微細構
造の山(ピーク)を設ける。
【0004】例えば、今日のラップトップ型のコンピュ
ータ、あるいは、携帯型のテレビのフラットスクリーン
は、LCD(液晶ディスプレイ)スクリーンとして機能
する。しかしながら、そのようなLCDスクリーンは、
動きの速い画像に関しては、遅い切替速度しか許容せ
ず、一般的には、色再現の品質は、通常のブラウン管タ
イプのスクリーンに要求される品質に匹敵しない。
【0005】電界放出スクリーン(FED、すなわち、
電界放出ディスプレイ)が呈示する技術は、LCDスク
リーンが抱えている欠点を解消する。
【0006】FEDスクリーンは、通常、従来のもので
あるが湾曲していない、マスクを有する蛍光スクリーン
を備えている。そのようなスクリーンから例えば0.2
mmの距離に板状の陰極が設けられ、該板状の陰極は、
微細で鋭利なピークのマトリックス(行列)を有する特
徴を備えている。そのようなピークは、電界効果によっ
てその電子が放出されるので、グループとして高電圧電
流を維持するすなわち受けることができる。放出された
電子は、その後加速されて、蛍光スクリーンの上の向か
い合う照射物質を活性化させる。
【0007】通常、FEDスクリーンの像要素は、実用
上は、3つの点を備えており、これら3つの点には、
赤、緑、あるいは、青の発光物質が設けられている。陰
極側のそのような各々の点には、約1000のミクロピ
ーク(微細なピーク)が導かれ、そのようなミクロピー
クは一緒になって、高収率の電界効果電子を供給し、こ
れにより、FEDスクリーンは、同じ輝度に関して、通
常のブラウン管タイプのスクリーンよりもかなり低い電
力消費量を達成する。
【0008】LCDスクリーンと比較すると、FEDス
クリーンは、各々の像点の制御に慣性がないという利点
を提供する。また、像品質は、画角には依存しない。
【0009】冷陰極の放出面を製造する周知の方法は、
半導体要素の生産に現在まで長期間使用されてきた、写
真製版(フォトリソグラフ)技術を用いて、陰極表面を
微細構造にすることである。この方法は、最初に、フォ
トリソグラフ技術を用いて、矩形又は円形の開口を有す
る領域を備える感光マスクを陰極表面に形成する工程を
含む。第2の工程においては、上記マスクによって保護
されていない基板の領域をエッチングする。これによ
り、感光マスクが溶解した後に、角錐又は円錐の形状の
エミッタピークが形成される。
【0010】電界放出面を製造するための別の可能性
は、Si の如き結晶質の材料に等方性エッチングを行
い、例えば、電子放出物質で被覆された微細なピークを
形成することである。また、Si の如き半導体材料は、
フォトリソグラフ法によって構造化し、その後、例え
ば、電子放出物質で被覆することができる。
【0011】米国特許第 4,591,717 号は、導電性材料
から成る複数のピークを有する感光層を備える電界放出
面に基づく光電管を記載している。そのようなピーク
は、基板表面を陽極酸化することによって形成され、そ
のようなプロセスにおいては、基板表面に対して直交す
る細孔が形成され、また、金属が、そのような細孔の中
に析出して、酸化物層を越えて突出する金属のピークが
形成される。
【0012】欧州特許EP 0,351,110 は、冷陰極のエ
ミッタ面を製造するためのプロセスを記載しており、こ
のプロセスにおいては、酸化アルミニウムの表面に、複
数の長手方向の細孔が形成され、これら細孔は、上記酸
化アルミニウムの層の主面に対して実質的に直交して伸
長する。上記細孔には、電子放出物質が充填され、その
後、上記酸化アルミニウムの層の少なくとも一部が除去
される。その結果、露出された電子放出ピークが形成さ
れ、これらピークは互いに向かい合っている。
【0013】細孔を含む酸化物層を形成し、表面層の上
及び細孔のキャビティの中に電子放出物質を堆積させ、
その後、細孔を含む上記層を除去することによって製造
される、現時点における当業界の電界放出面は、酸化物
層の細孔の数がその製造に貢献する程度の数の電子放出
ピークしか備えることができない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、好ま
しいコストで製造でき、当業界で周知の電界放出面より
も単位面積当たりの電子放出ピークが多い、電界放出面
を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的は、各々の山形
要素が、円筒形又は截頭円錐形のステム領域と、該ステ
ム領域の自由端に位置する少なくとも2つ、好ましく
は、2乃至4つのピークとを有している、本発明によっ
て達成される。
【0016】構造面の基板層は、平坦な又は湾曲した領
域の形態とすることができ、例えば、平面、楕円体の
面、特に、球体の面、1枚又は2枚貝の双曲面、放物
面、あるいは、楕円形、双曲線形又は放物面形の円柱の
表面とすることができる。
【0017】通常は、山形要素の間の基板層の一部は、
実質的に平坦であって、これにより、そのような平坦な
部分から明確に立ち上がった山形要素を有する、上手く
形成された表面構造が形成される。
【0018】好ましい実施例においては、本発明の構造
面の山形要素は、上記基板層にわたって均一に分布され
る。
【0019】構造面の山形要素は、基板層から外方に突
出する少なくとも1つの領域において、基板層に直交す
るステム領域を有するのが好ましい。その総てのステム
領域が基板層の表面に対して直交している山形要素が特
に好ましい。ステム領域が、基板層の表面に対して直交
し、その先端ピークの長手方向の軸線が、基板層に対し
て直角な表面に関して、5°から40°(360°の円
を基準にして)の角度であるのが好ましい鋭角を形成す
るように設計されるのが極めて好ましい。
【0020】好ましい実施例においては、山形要素及び
/又は基板層は、Ni、Al、Pd、Pt、W、Fe、Ta、
Rh、Cd、Cu、Au、Ag、In、Co、Sn、Si、Ge、
Se、Te、又は、これら物質を少なくとも1つ含む化合
物(例えば、Sn 酸化物、又は、InSn 酸化物)、あ
るいは、上記金属の合金から形成される。山形要素及び
基板層は、同じ材料から形成されるのが好ましい。
【0021】本発明によれば、上述の材料の1つによっ
て部分的に被覆されている表面構造も好ましい。
【0022】更に好ましい実施例においては、基板層
は、山形要素の間に機械的な保護層を有する特徴を備え
ており、そのような保護層は、電気絶縁材料から形成さ
れており、そのような電気絶縁材料は、酸化物であるの
が好ましく、酸化アルミニウムであるのが特に好まし
い。機械的な保護層の厚みは、構造面全体にわたって測
定した総ての山形要素の起点の領域の平均高さよりも小
さくするのが有用である。
【0023】また、実質的に同じ高さを有する山形要素
を備える構造面が好ましく、山形要素のそのような高さ
は、山形要素から基板層の表面までの最大垂直距離とし
て、すなわち、ステム領域から先端ピークまでの垂直距
離として測定される。上記山形要素の高さは、総ての山
形要素の平均高さから±5%を超えて変化しないのが極
めて好ましい。
【0024】本発明の更に別の効果的な実施例は、請求
の範囲に記載されている。
【0025】本発明の構造面は、冷陰極のエミッタ要素
用の電界放出面として使用するのに特に適しており、就
中、極めて平坦なスクリーン(ウルトラフラット・スク
リーン)、電子リソグラフ、あるいは、走査型又は透過
型の顕微鏡のための冷陰極放出源として使用するのに適
している。そのような場合における山形要素の先端のピ
ークは、エミッタピークの役割を果たす。良好に形成さ
れたエミッタ構造を得るためには、山形要素の間にある
電界放出面の部分を実質的に平坦にするのが好ましい。
すなわち、山形要素の間にある電界放出面の部分が、電
界放出に寄与しないようにするのが好ましい。多数のエ
ミッタピークが電界放出面に必要とされるので、湾曲し
た基板層を有する電界放出面も、山形要素の間の領域に
おいては実質的に平坦である。
【0026】また、構造面の山形要素は、先端ピークに
2000V未満(1800Vよりも低いのが有用であ
り、900Vよりも低いのが好ましく、特に100Vよ
りも低いのが好ましい)の動作電圧を与えた時に、10
9 V/mよりも大きい電界の力が発生するように構成さ
れるのが好ましい。上記動作電圧は、外部電源から構造
面に、例えば、その基板層に与えられる電圧を意味す
る。
【0027】上記目的は、その方法に関しては、以下の
本発明の方法によって解決される。
【0028】すなわち、本発明の製造方法においては、
(a) 第1の工程において、所望の構造面の鏡像であ
る表面(23)を有するモールド本体(22)を形成し、ア
ルミニウムの基板(24)を酸化アルミニウムを溶解する
電解液の中で陽極酸化し、第1の陽極酸化段階における
陽極酸化電圧を、0から第1の値U1 まで連続的に又は
段階的に増大させ、第2の陽極酸化段階においては、上
記陽極酸化電圧を上記U1 よりも小さい第2の値U2
で連続的に又は段階的に低下させ、(b) 第2の工程
において、上記モールド本体(22)の上記表面(23)を
その全表面積にわたって被覆し、これにより、上記モー
ルド本体(22)の表面層(23)に存在する細孔キャビテ
ィ(36)が、被覆材料で完全に充填されるようにすると
共に、上記山形要素(14)を電気的に接続するサポート
層(12)を形成して、該サポート層(12)を連続的な機
械的な支持層にし、(c) 第3の工程において、モー
ルド本体(22)の少なくとも一部を除去して、上記先端
ピーク(20)を露出させる。
【0029】実質的に所望の構造面の鏡像である表面を
有し、構造面を形成するために必要とされるモールド本
体は、実用的には、基板と、形成層とを備えており、該
形成層は、所望の表面の鏡像である面構造を有してい
る。
【0030】基板は、例えば、切片、梁の如き部品の形
態、又は、プレート、コイル、薄板又はアルミニウム箔
の如き別の形態、あるいは、複合材料のアルミニウムの
外側層(特に、積層パネルのアルミニウムの外側層)の
形態であるのが好ましく、若しくは、例えば、クラッド
アルミニウム層の如き適宜な他の材料の上に例えば電解
的に堆積されたアルミニウム層の形態である。基板は、
例えば、圧延、押し出し、鍛造又はプレス加工によって
製造されたアルミニウム製の部片であるのが好ましく、
更に、基板は、曲げ加工、深絞り、冷間衝撃押し出し、
あるいは他の同等のプロセスによっても成形することが
できる。
【0031】本明細書で使用するアルミニウムと言う用
語は、総ての等級の純粋なアルミニウム、及び、商業的
に入手可能な総てのアルミニウム合金を含む。通常は、
基板は、Al 純度が98.3wt%あるいはそれ以上の
純粋アルミニウム、あるいは、Si、Mg、Mn、Cu、Z
n 又はFe の中の少なくとも1つの元素を含むアルミニ
ウム合金を含む。純粋アルミニウムの基板は、例えば、
98.3wt%あるいはそれ以上の純度を有するアルミ
ニウムとすることができ、実用的には、99.0wt%
あるいはそれ以上の純度のものが使用でき、好ましく
は、99.9wt%あるいはそれ以上、特に、99.95
wt%あるいはそれ以上の純度のものが好ましい。その
ようなアルミニウムの残りの成分は、アルミニウムに一
般的に存在する不純物である。
【0032】上述の純度のアルミニウムとは別に、基板
はまた、アルミニウム合金とすることができ、そのよう
なアルミニウム合金は、0.25乃至5wt%のマグネ
シウム(特に、0.5乃至2wt%のマグネシウム)を
含むことができ、また、0.2乃至2wt%のマンガン
を含むことができ、また、0.5乃至5wt%のマグネ
シウム、及び、0.2乃至2wt%のマンガン(特に、
例えば、1wt%のマグネシウム、及び、0.5wt%
のマンガン)を含むことができ、また、0.1乃至12
wt%の銅(好ましくは、0.1乃至5wt%の銅)を
含むことができ、また、0.5乃至5wt%の亜鉛、及
び、0.5乃至5wt%のマグネシウムを含むことがで
き、また、0.5乃至5wt%の亜鉛、0.5乃至5wt
%のマグネシウム、及び、0.5乃至5wt%の銅を含
むことができ、また、0.5乃至5wt%の鉄、及び、
0.2乃至2wt%のマンガン(特に、例えば、1.5w
t%及び0.4wt%のマンガン)を含むことができ
る。
【0033】モールド層は、酸化アルミニウムから形成
されるのが好ましい。本発明のプロセスすなわち方法に
必要なモールド層は、基板表面を電解液の中で細孔が形
成されるような条件で陽極酸化することにより、製造さ
れるのが好ましい。この点に関して本発明で重要なこと
は、上記細孔が、自由表面に向かって開口することであ
る。上記表面の上の細孔の分布は均一であるのが有用で
ある。モールド層の厚みは、通常は、50nm乃至20
μmであり、0.5乃至3μmであるのが好ましい。
【0034】モールド層の表面に向かう垂直方向におい
て、細孔は、ステム領域を有しており、また、基板に向
かって、分岐領域を有している。すなわち、モールド層
の基板に向かって実質的に垂直方向に伸長する各々の細
孔は、モールド層の自由表面に向かって開口する長手方
向の細孔を有しており、そのような細孔の分岐領域は、
少なくとも2つ、好ましくは、2乃至4つの凹所すなわ
ち細孔の分岐部に分かれている。実用的には、細孔は、
そのステム領域において、1乃至250nmの直径を有
し、そのような直径は、好ましくは10乃至230nm
であり、80乃至230nmであるのが特に好ましい。
細孔の数、すなわち、ステム領域における細孔の数は、
通常は、108 個/cm2あるいはそれ以上であり、10
8 乃至1012 個/cm2 であるのが好ましく、109
至1011 個/cm2 であるのが特に好ましい。モールド
層の平均密度は、2.1乃至2.7g/cm3 であるのが
好ましい。また、モールド層は、5乃至7.5の誘電率
を有するのが好ましい。
【0035】モールド層は、例えば、酸化アルミニウム
を溶解する電解液の中で基板表面を陽極酸化することに
よって製造される。上記電解液の温度は、実用的には、
5乃至85℃であり、15乃至80℃であるのが好まし
く、30乃至55℃であるのが特に好ましい。上述の陽
極酸化を行うために、基板(又は、少なくともその表面
層、あるいは、モールド層を設けるべき基板表面の部
分)を適正な電解液の中に入れ、正極(陽極)として接
続される。例えば、ステンレス鋼、鉛、アルミニウム、
又は、グラファイトで形成されて同じ電解液の中に置か
れた別の電極が、負極(陰極)の役割を果たす。
【0036】通常は、基板の表面は、本発明のプロセス
の前に、前処理を受ける。この前処理においては、基板
表面は、例えば、脱脂され、次に水洗され、最終的に、
苛性酸洗いを受ける。そのような酸洗いは、例えば、温
度が40乃至60℃で、濃度が50乃至200g/lの
水酸化ナトリウム溶液を用いて、1乃至10分間にわた
って行われる。その次に、上記表面を水洗し、例えば硝
酸(特に、室温(一般的には、20−25℃の温度範
囲)で25乃至35wt%の濃度)の如き酸を用いて、
20乃至60秒間にわたって中和し、更に、再び水洗す
る。
【0037】陽極酸化によって製造される酸化物層の性
質、例えば、細孔の密度、及び、細孔の直径は、例え
ば、電解液の組成、電解液の温度、電流密度、陽極酸化
電圧、陽極酸化処理の継続時間、及び、陽極酸化される
材料の如き陽極酸化条件に大きく依存する。酸性電解液
の中で陽極酸化を行うと、基板の表面には細孔のないベ
ース層すなわちバリア層が形成され、また、基板の頂部
には、多孔質の外側層が形成される。この外側層は、陽
極酸化プロセスの間に、その自由表面において部分的
に、化学的に再溶解する。その結果、外側層には細孔が
形成され、これら細孔は、基板の表面に対して実質的に
垂直であり、酸化物層の自由表面に位置するその端部が
開口する。上記酸化物層は、その成長と溶解が互いにバ
ランスした時に、その最大厚みに到達する。この最大厚
みは、例えば、与えられる陽極酸化電圧、電解液の組
成、電流密度、電解液の温度、陽極酸化処理の持続時
間、及び、陽極酸化される材料に依存する。
【0038】本発明のプロセスにとって好ましい電解液
は、1又はそれ以上の無機酸及び/又は有機酸を含む電
解液である。また、10乃至100Vの陽極酸化電圧が
好ましく、更に、100乃至3000A/m2の電流密度
が好ましい。陽極酸化の持続時間は、一般的には、1乃
至300秒である。
【0039】円筒形又は截頭円錐形の長い細孔を形成す
るための陽極酸化電圧を、12乃至80Vであるのが好
ましい第1の値(U1)に設定し、その後、アルミニウ
ム層の方を向いている各々の長い細孔の端部に少なくと
も2つの細孔の分岐部を形成するために、第2の値(U
2)に設定して、基板の表面を陽極酸化するのが好まし
い。上記第2の値は、上記第1の値よりも低く、10乃
至20Vであるのが好ましい。
【0040】陽極酸化電圧は、例えば、所定の一定値に
到達するまで、印加電圧を連続的に上昇させることによ
り、与えられる。これに従って、電流密度は、与えられ
る陽極酸化電圧の関数として増大し、上記所定の一定値
に到達した後に、最大値に達して、その後、より小さい
値まで減少する。
【0041】バリア層の厚みは、与えられる電圧に依存
し、上記厚みは、例えば、8乃至16オングストローム
/Vであり、特に、10乃至14オングストローム/Vで
ある。外側層の細孔の直径も同様に、電圧に依存し、そ
の範囲は、8乃至13オングストローム/Vであり、特
に、10乃至12オングストローム/Vである。
【0042】電解液は、例えば、強い有機酸及び/又は
無機酸であり、あるいは、強い有機酸及び/又は無機酸
の混合物を含む。そのような酸の代表的な例は、硫酸
(H2SO4)、又は、リン酸(H3PO4)である。用い
ることのできる他の酸は、例えば、クロム酸、シュウ
酸、スルファミン酸、マロン酸、マレイン酸、又は、ス
ルホサリチル酸である。また、本発明のプロセスに使用
されるのは、例えば、40乃至350g/l、好ましく
は、150乃至200g/lの濃度(硫酸を100%の
酸とする)の硫酸である。また、実用的な電解液として
は、60乃至300g/l、特に、80乃至150g/l
の濃度のリン酸があり、リン酸の量は、100%純粋な
酸を基準とする。他の好ましい電解液は、硫酸とシュウ
酸の混合物であって、特に、150乃至200g/lの
硫酸を例えば5乃至25g/lのシュウ酸と混合したも
のである。また、例えば、250乃至300g/lのマ
レイン酸、及び、1乃至10g/lの硫酸を含む電解液
も好ましい。別の電解液は、例えば、130乃至170
g/lのスルホサリチル酸を6乃至10g/lの硫酸と混
合したものを含む。
【0043】陽極酸化の後に、モールド層の表面は、例
えば、化学的又は電解的なエッチング、プラズマエッチ
ング、水洗、あるいは、含浸の如き処理を受けることが
できる。
【0044】完成したモールド層を次に、その全表面積
にわたって被覆し、表面層の細孔のキャビティを被覆材
料で完全に充填し、また、山形要素を電気的に接続する
サポート層を形成する。上記サポート層は、相互に接続
された機械的な支持層の形態を取る。
【0045】モールド本体の表面を被覆するために使用
される材料は、Ni、Al、Pd、Pt、W、Fe、Ta、R
h、Cd、Cu、Au、Ag、In、Co、Sn、Si、Ge、S
e、Te、又は、これら元素を少なくとも1つ含む化合
物、あるいは、上記金属の合金であるのが好ましい。
【0046】モールド本体の表面は、例えば、化学的又
は電解的な方法によって、あるいは、PVD(物理蒸
着)、若しくは、CVD(化学蒸着)によって被覆する
ことができる。被覆材料の化学的及び/又は電解的な堆
積が好ましく、細孔のキャビティは、実用的には、事前
に化学的に活性化される。
【0047】本発明の方法にとって重要な最後の工程に
おいては、山形要素(特に、先端のピーク)が、モール
ド層を完全に又は部分的に除去することによって露出さ
れる。
【0048】山形要素の完全な露出、すなわち、本体か
らの構造面の層の分離は、例えば、本体の部分を完全に
エッチングで除去することによって行うことができる。
しかしながら、好ましい実施例においては、モールド層
だけを化学的なエッチングによって除去し、その結果、
構造面は、本体から完全に分離され、構造面の形態とし
て得られる。
【0049】第2の好ましい実施例においては、モール
ド層の一部だけをエッチングにより除去し、その結果、
山形要素のステムの間にあって機械的な支持層を形成し
ているサポート層の上に、モールド層が残る。これは、
例えば、基板、バリア層、及び、多孔質の層の一部をエ
ッチングによって化学的に除去することによって行われ
る。しかしながら、モールド層の多孔質の層を除去し
て、山形要素の先端ピークを完全に露出させなければな
らない。
【0050】本発明のプロセスの更に別の好ましい実施
例においては、露出された山形要素は、例えば、プラズ
マエッチング、あるいは、湿式の化学的又は電解的なエ
ッチングの如き別のエッチングプロセスを受ける。この
ようにすると、例えば、先端ピークの形状を、電子放出
ピークとしての用途に関して、最適化することが可能で
ある。
【0051】また、本発明の構造面を後処理することが
好ましく、例えば、山形要素の電子放出特性を改善する
追加の薄い金属層を堆積させることができる。この追加
の薄い金属層は、貴金属であるのが好ましく、特に、A
u、Pt、Rh 又はPd、あるいは、これらの貴金属の少
なくとも1つを含む合金とすることができる。上記追加
の金属層は、例えば、化学的又は電気化学的な方法によ
って、あるいは、例えば、スパッタリング又は電子ビー
ム蒸着の如きPVD(物理蒸着)によって、若しくは、
CVD(化学蒸着)によって堆積させることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】本発明の構造面の製造を示す例を
以下に詳細に説明する。特に断らない限り、総ての記載
において、部又はパーセントは、重量部又は重量パーセ
ントを意味する。
【0053】第1の例 Al が99.9wt%のアルミニウムシートの形態の基
板は、明るく光沢のある表面を示す。上記アルミニウム
シートは、弱アルカリ性の脱脂溶液の中で洗浄され、水
洗され、硝酸の中で酸洗いされ、水洗され、アセトンの
中に短時間浸漬され、そして、乾燥される。
【0054】その次に、適宜な被覆層を上記シートの裏
側に堆積させ、H3PO4 が150g/lの濃度を有する
35℃のリン酸電解液の中で直流を用いて、上記予備処
理された基板を3分間にわたって陽極酸化させる。その
際の、電流密度は、100A/m2であり、陽極酸化電圧
は、0Vから50Vまで連続的に上昇させる。その直後
に、陽極酸化電圧を5段階から6段階で約15Vまで低
下させる。その際の電圧の低下率は、最初は小さく、次
いで、徐々に大きくする。約15Vの陽極酸化電圧に達
すると、その電圧を40秒間の間隔にわたって維持す
る。その結果生ずる酸化アルミニウムの層は、一般的に
は、1μmである。
【0055】モールド層は、酸化アルミニウム層の自由
表面に向かって外方に突出する細孔と、その頂部が開口
しているステム領域とを有しており、該ステム領域は、
基板の方を向いている分岐領域を有している。
【0056】モールド層(すなわち、特にモールド層の
自由表面)は、次に、水洗され、ニッケル塩(100g
/lのNiSO4・7H2O、及び、40g/lのホウ酸を
含み、pHが4.0乃至5.0である)を含む活性浴の中
で、16Vの交流印加電圧の下で5秒間にわたって処理
され、次に、再度水洗される。
【0057】予備処理されたモールド層の細孔は、これ
ら細孔の基部に、そこに集まったニッケル粒子を有して
おり、これらニッケル粒子は、ニッケルの選択的な堆積
を更に行わせるための核の役割を果たすことができるの
で好ましい。ニッケルの選択的な堆積(すなわち、細孔
の中に既に存在しているニッケル粒子の上にニッケルが
更に堆積すること)は、最初はニッケル浴の中で化学的
に行われる。そのようなニッケル浴は、温度が85℃で
あり、pH値が5.0であり、還元剤としての次亜リン
酸ナトリウムを含んでいる。ニッケルの選択的な堆積
は、1時間で終了し、その間に、10乃至12wt%の
リンを含むリン酸ニッケルの層と、約10μmの厚みの
層とが得られる。次に、その上にニッケルが堆積してい
るモールド層を再度水洗し、その次に、商業的に入手可
能な電気メッキニッケル浴(「ワット(”Watt”)」
浴:例えば、300g/lの硫酸ニッケル、60g/lの
塩化ニッケル、40g/lのホウ酸、及び、湿潤剤の如
き有機添加物を含む)の中で、陰極で測定した場合に4
00A/m2 の電流密度で20分間にわたって、ニッケ
ル層を肥厚させる。その間の電解液の温度は、50乃至
60℃であり、電気メッキによって得られるニッケル層
は、約16μmの厚みに達する。
【0058】ニッケルで被覆されたモールド本体を再度
水洗した後に、その裏側の被覆層を、例えば、化学的に
又はプラズマエッチングによって除去し、次に、モール
ド本体を苛性ソーダ溶液(50g/lのNaOH)の中で
化学的に溶解する。NaOH浴が20℃である時には、
上記プロセスは、数時間(例えば、1乃至5時間)で終
了する。
【0059】モールド本体を取り除いた後に、山形要素
を有する所望の構造化ニッケル膜が残り、上記山形要素
は、Ni のサポート層に取り付けられたステム領域と、
該ステム領域の垂直方向の連続部としての、分岐領域と
を有しており、該分岐領域は、少なくとも2つのピーク
をその端部に有するという特徴をもっている。
【0060】上記構造化ニッケル膜を再度水洗し、20
℃の5%クエン酸で30分間にわたって酸洗いし、再度
水洗し、エタノールの中に入れ、最終的に乾燥させる。
【0061】酸化アルミニウムの層がニッケルの堆積物
のためのマスクとして作用するので、上記山形要素は、
酸化アルミニウムの層の細孔のキャビティの正確な像を
表す。構造化ニッケル膜は、約1μmの長さの近接した
ピークを有するという特徴をもっており、そのようなピ
ークの直径は一般的に、0.2μmよりも小さい。
【0062】第2の例 上述の第1の例において説明したような、基板の役割を
果たすアルミニウムシートを洗浄し、上記第1の例で述
べたように陽極酸化する。次に、モールドの表面層を上
記第1の例で述べたように活性化する。
【0063】次に、温度が70℃でpH値が6.0の化
学的なニッケル浴の中で、ニッケルの選択的な堆積が起
こる。上記ニッケル浴の中の還元剤は、ジメチルアミン
ボランである。ニッケルの選択的な堆積は、約1時間で
終了し、その間に、1%未満のホウ素を含む約5μmの
厚みのニッケル/ホウ素の層が形成される。第1の例と
同様に、特殊な活性化方法のために、ニッケル層は、最
初は細孔の底部にだけ形成し始める。
【0064】水洗した後に、第1の例と同様にして被覆
層を取り除き、モールド本体を溶解させて、構造化ニッ
ケル膜を露出させる。
【0065】上記構造化ニッケル膜の山形要素は、この
時点において、電解液による後処理を受ける。この後処
理においては、先端ピークの曲率半径が小さくなり、こ
れにより、良好な電子放出特性を有する電界放出面が形
成される。この目的のために採用される電解液は、63
8ml/lの96%硫酸と、9g/lのグリセリンとを含
む。
【0066】電解液による後処理は、鉛陰極を用い、電
解液の温度が20℃で、電流密度が500から1000
A/m2 で、電解電圧が6Vである場合に、5秒間から
10秒間で終了する。その後に、構造化ニッケル膜を再
度水洗し、その後乾燥させる。
【0067】第3の例 最初の2つの例の1つとして製造された構造化ニッケル
膜は、その後、通常の金メッキ浴の中で60秒間にわた
って金メッキされる。このプロセスにおいては、金の浴
は、2g/lの金濃度を有しており、そのような浴の温
度は、85℃であり、浴のpH値は、4.4から4.8で
ある。約0.05μmの厚みの金の層が、上記電気メッ
キプロセスの結果として形成される。金メッキされたニ
ッケル膜は次に、水で洗浄され、エタノールで処理して
乾燥される。
【0068】ニッケル膜のそのような処理は、電界放出
面としてのニッケル膜の性質を著しく改善する。
【0069】図1乃至図4の例をもって本発明を更に説
明する。
【0070】図1は、まだ準備が完了していないモール
ド本体22の断面を概略的に示している。モールド本体
の表面23に対して垂直に伸長している細孔は、その頂
部が開口しており、分岐していない長手方向のキャビテ
ィ32、すなわち、細孔のステム領域32を備えること
を特徴としている。図1のモールド本体は既に、基板2
4と、モールド層26とを備えており、該モールド層
は、バリア層28及び多孔層30を含んでいる。
【0071】図1に示すモールド本体は、例えば、酸化
アルミニウムを再溶解する電解質の中でアルミニウムの
基板24を陽極酸化することにより形成され、そのよう
な陽極酸化は、一定の陽極酸化電圧で、あるいは、陽極
酸化電圧を連続的に又は段階的に増大させることにより
行われる。
【0072】図2は、本発明のプロセスに採用すること
のできるモールド本体22の断面を概略的に示してい
る。モールド本体22は、基板24と、モールド層26
とによって構成されている。細孔のキャビティ36は、
細孔のステム領域32と、細孔の分岐領域33とを有し
ており、各々の細孔のキャビティ36は、分岐領域33
に2つの細孔の分岐部34を形成している。
【0073】図2に示すモールド本体22は、例えば、
図1に示すように、まだ準備が完了していないモールド
本体22から始めて、低い陽極酸化電圧で陽極酸化プロ
セスを更に継続することにより、形成される。この目的
のために、陽極酸化電圧を、段階的に又は連続的に減少
させることができる。陽極酸化の間に形成される細孔の
直径、及び、バリア層28の厚みは、陽極酸化電圧の大
きさに依存する。従って、バリア層28の厚みは、上述
の如きプロセスの第2の段階の間に小さくなり、一方、
酸化物の多孔質の酸化物層30の厚みは、更に増大す
る。酸化物層28、30の形成は、アルミニウム基板2
4とバリア層28との間の境界面で生じ、また、細孔の
直径は陽極酸化電圧に依存するので、上記ステム領域よ
りも小さい直径を有する複数の分岐部34が、ステム領
域32の端部に形成される。
【0074】図3は、電子放出物質で被覆されたモール
ド本体22の断面を概略的に示している。このモールド
本体22は、基板24と、モールド層26とを備えてい
る。層26は、細孔を含んでおり、これら細孔のキャビ
ティ36は、ステム領域32と分岐領域33とを形成し
ており、該分岐領域は、少なくとも2つの細孔の分岐部
34を有している。キャビティ36は、電子放出物質で
完全に充填されており、このように形成された電子放出
物質の山形要素14は、サポート層12によって、電気
的に接続されている。
【0075】電子放出物質で被覆された図3に示すモー
ルド本体22は、図2に示すモールド本体22から出発
して、モールド本体の表面23の少なくとも細孔(この
細孔のキャビティ36は、電子放出物質で被覆されてい
る)の部分が、化学的及び/又は電気化学的なプロセス
によって化学的に活性化され、例えば、金属又は半導体
金属から成る電子放出層12が、その結果生じた山形要
素14の上、及び、細孔のキャビティ36の間の表面2
3の上に堆積した時に、形成される。
【0076】図4は、本発明の構造面の断面を概略的に
示している。構造面は、山形要素を電気的に接続するサ
ポート層12を備えており、上記山形要素は、例えば、
金属又は半導体金属、すなわち、電子放出物質から形成
されている。山形要素は、ステム領域16と分岐領域1
8とを形成しており、山形要素14は、分岐領域18に
2つの山すなわちピーク20を有しており、これらピー
クの長手方向の軸線a1、a2 は、その挟角である鋭角
αを形成している。山形要素14のステム領域16は、
これらステム領域の間のサポート層15によって、機械
的に支持されており、これにより、ステム領域16の一
部、及び、先端ピーク20が露出している。
【0077】図4に示す構造面は、図3に示すように電
子放出物質で被覆されたモールド本体22から出発し、
基板24、及び、モールド層26の一部が化学的なエッ
チングにより除去された時に、形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】まだ準備が完了していないモールド本体の断面
を示す概略図である。
【図2】本発明のプロセスに採用することのできるモー
ルド本体の断面を示す概略図である。
【図3】電子放出物質で被覆されたモールド本体の断面
を示す概略図である。
【図4】本発明の構造面の断面を示す概略図である。
【符号の説明】
12 サポート層 14 山形要素 15 機械的な支持層 16 ステム領域 20 先端ピーク 22 モールド本体 23 モールド本体の表面 24 基板 26 モールド層 32 ステム領域 34 分岐部 36 キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 591059652 Badische Bahnhofst rasse 16, CH−8212 Neu hausen am Rheinfal l,Switzerland (72)発明者 ハーラント・フックス ドイツ連邦共和国デー−48301 ノット ゥルン,レルヒェンハイン 41 (72)発明者 ジャン−フランソワ・ポーレ スイス国ツェーハー−8225 ジプリンゲ ン,グラーベンシュトラーセ 53 (72)発明者 ロマン・フックス スイス国ツェーハー−8200 シャフハウ ゼン,リートシュトラーセ 81 (56)参考文献 特開 平6−176685(JP,A) 特開 平5−120991(JP,A) 特開 平6−290703(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/30 H01J 9/02 H01J 31/12

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サポート層(12)及び該サポート層に電
    気的に接続された山形要素(14)とを備える冷陰極エミ
    ッタ要素の電界放出面としての構造面であって、各々の
    山形要素(14)は、前記サポート層(12)に隣接する円
    筒形の又は截頭円錐形のステム領域(16)と、該ステム
    領域(16)の自由端に位置する少なくとも2つ好ましく
    は2乃至4つの先端ピーク(20)とを有していることを
    特徴とする構造面。
  2. 【請求項2】 請求項1の構造面において、前記山形要
    素(14)及び/又は前記基板層(12)は、Ni、Al、P
    d、Pt、W、Fe、Ta、Rh、Cd、Cu、Au、Ag、I
    n、Co、Sn、Si、Ge、Se、Te、又は、これら物質
    を少なくとも1つ含む化合物、あるいは、前記金属の合
    金から形成されることを特徴とする構造面。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の構造面において、前記
    山形要素(14)の間の基板層(12)には、電気絶縁材料
    (酸化物であるのが好ましく、特に、酸化アルミニウム
    であるのが好ましい)から形成される機械的なサポート
    層(15)が設けられていることを特徴とする構造面。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの構造面にお
    いて、前記先端ピーク(20)の長手方向の軸線(a1
    2)は、360°の円を基準として、これらの挟角で
    ある10°乃至80°、特に、20°から60°の鋭角
    αを形成することを特徴とする構造面。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかの構造面にお
    いて、前記先端ピークの密度は、108/cm2あるいは
    それ以上であることを特徴とする構造面。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかの構造面にお
    いて、各々の山形要素(14)の最大断面直径が、250
    nm又はそれ以下(10乃至230nmであるのが好ま
    しく、80乃至230nmであるのが特に好ましい)で
    あることを特徴とする構造面。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかの構造面にお
    いて、前記山形要素(14)は、50nm乃至20μm
    (好ましくは、0.5乃至3μm)の高さを有すること
    を特徴とする構造面。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかの構造面にお
    いて、前記先端ピーク(20)の自由端は、200nm又
    はそれ以下(好ましくは、50乃至100nm)の曲率
    半径を有することを特徴とする構造面。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかの構造面を、
    冷陰極エミッタ要素の電界放出面、特に極めて平坦な画
    像スクリーン、電子リソグラフ、あるいは、走査型又は
    透過型の顕微鏡用の電子放出源として使用する方法。
  10. 【請求項10】 サポート層(12)及び該サポート層に
    電気的に接続された山形要素(14)とを備える構造面を
    製造するための方法であって、以下の第1の工程、第2
    の工程、及び、第3の工程を備える方法、 (a) 第1の工程においては、所望の構造面の鏡像で
    ある表面(23)を有するモールド本体(22)を形成し、
    アルミニウムの基板(24)を酸化アルミニウムを溶解す
    る電解液の中で陽極酸化し、第1の陽極酸化段階におけ
    る陽極酸化電圧を、0から第1の値U1 まで連続的に又
    は段階的に増大させ、第2の陽極酸化段階においては、
    前記陽極酸化電圧を前記U1 よりも小さい第2の値U2
    まで連続的に又は段階的に低下させ、 (b) 第2の工程においては、前記モールド本体(2
    2)の前記表面(23)をその全表面積にわたって被覆
    し、これにより、前記モールド本体(22)の表面層(2
    3)に存在する細孔キャビティ(36)が、被覆材料で完
    全に充填されるようにすると共に、前記山形要素(14)
    を電気的に接続するサポート層(12)を形成して、該サ
    ポート層(12)を連続的な機械的な支持層にし、 (c) 第3の工程においては、モールド本体(22)の
    少なくとも一部を除去して、前記先端ピーク(20)を露
    させる
  11. 【請求項11】 請求項10の方法において、円筒形又
    は截頭円錐形の長い細孔を形成するための前記陽極酸化
    電圧の前記第1の値U1 が、12Vと80Vとの間にあ
    り、また、アルミニウム層の方を向いている前記各々の
    長い細孔の端部に少なくとも2つの細孔の分岐部を形成
    するために、前記第2の値U2 が10Vと20Vとの間
    にあることを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11の方法において、
    前記モールド本体の表面(23)を被覆するために使用さ
    れる材料は、好ましくは、Ni、Al、Pd、Pt、W、F
    e、Ta、Rh、Cd、Cu、Au、Ag、In、Co、Sn、S
    i、Ge、Se、Te、又は、これら元素を少なくとも1つ
    含む化合物、あるいは、前記金属の合金から形成される
    ことを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 請求項10乃至12のいずれかの方法
    において、前記モールド本体の表面(23)の上の被覆
    が、化学的及び/又は電解的な方法によって行われるこ
    とを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 請求項10乃至13のいずれかの方法
    において、前記モールド本体(22)の少なくとも一部の
    除去が、前記基板(24)、及び、前記モールド層(26)
    の少なくとも一部を化学的なエッチングで取り除くこと
    により行われることを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至14のいずれかの方法
    において、少なくとも部分的に露出されている前記山形
    要素(14)が、化学的な又は電解的なエッチングプロセ
    スを受けることを特徴とする方法。
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