JP3685820B2 - 電解コンデンサ用アルミニウム箔 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電解コンデンサ電極に用いられるアルミニウム箔に関するものであり、特に高圧用コンデンサに好適のものである。
【0002】
【従来の技術】
電解コンデンサ陽極箔の製造に際しては、まず、99.9%以上の純度を有する純アルミニウムを箔状に圧延し、さらに焼鈍した後、粗面化処理を施す。その後、所望の化成電圧にて化成処理をし(250V以上)、これを陰極箔と合わせて巻いて、ケースに入れたものが一般に電解コンデンサとして使用される。この電解コンデンサで最も必要とされる性能の1つとして静電容量が上げられる。静電容量は、粗面化処理後の表面積に比例するところから高い静電容量を得るには、表面積の増大を目的とする前記粗面化処理が有効にされなければならない。
【0003】
粗面化処理は、一般にアルミニウム箔の表面を電解エッチングすることによって行われる。その結果、アルミニウム箔の表面から内部に向かってキャピラリー状ピットが成長し、粗面化処理後の箔の表面には数μm径の腐食孔すなわちピットが無数に形成され、これらの腐食孔が表面積の増大をもたらし、静電容量を数十倍にも向上させる。
上記腐食孔を均一かつ高密度に形成して有効な粗面化処理を行わしめる技術としては、特公昭62−42370号に代表されるようにアルミニウム箔の表面層(0.1μm厚)にPbを濃縮(0.05〜0.2%)させることによって腐食性を高め、これによってエッチングを均一に行わせるものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
ところで、粗面化処理(電解エッチング)では、アルミニウム溶解量あたりの表面積の拡大率が大きい程、有効で効率的な粗面化が行われたと考えられる。しかるに、前記従来工程(特公昭62−42370)によると、Pbなどが表面層に濃縮しているため、電解エッチングが開始された場合、表面層で全面的な溶解が瞬時に起こり、引き続きPbなど、Alよりもイオン化傾向の小さな不純物が箔の表面近傍の液中に存在するため、化学溶解も進み、結果として粗面化処理後の箔の厚みは、処理前の厚みに比べ約10%も薄くなるという現象が生じる。このため、アルミニウム溶解量が多い割には表面積拡大率が小さく、静電容量の向上もあまり望めないという問題がある。しかも、あまりに多くのアルミニウム地が溶解すると、箔の強度が低下して、折損などが生じやすくなるという問題もある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、粗面化処理の際にアルミニウム溶解量に見合う表面積の拡大を可能にして、静電容量の大きな電解コンデンサが得られる電解コンデンサ用アルミニウム箔を提供することを目的とするものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】
上記従来技術の欠点を改善するため鋭意研究の結果、本発明は完成したものであり、第1の発明は、純度が99.9%以上のアルミニウム箔の表面酸化皮膜中に、Naが平均で0.1〜10重量%含まれていることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明においてアルミニウム箔の母地中のNa含有量が重量比で5ppm以下であることを特徴とする。
【0006】
【作用】
すなわち本発明の電解コンデンサ用アルミニウム箔によれば、酸化皮膜中に、Naが高濃度で含有されているので、酸化皮膜のみが活性になって脆くなり、粗面化処理の際に、この酸化皮膜を通してアルミニウム地の表面に容易にエッチングピットが均一かつ高密度に形成される。
また箔の表面近傍の液中には、酸化皮膜から溶けだした、Alよりもイオン化傾向の大きなNaが適量存在するため、過度な化学溶解が抑制され、エッチングピットは母地中で深く進行し、表面積を増大させる。
上記の結果、粗面化処理後のアルミニウム箔表面は、表面積が効率よく増大しており、静電容量が大幅に向上する。また、アルミニウム地の溶解量は、表面積の増大に見合う最小限の量であり、過度の溶解によるアルミニウム箔の強度の低下を防ぐことができる。
【0007】
なお、表面酸化皮膜中のNa含有量を0.1重量%以上とした理由は、それ未満では、酸化皮膜は容易には破壊されず、電解エッチングによるピットの発生が不均一になり所望の表面積拡大率が得られないためであり、また、10重量%以下とした理由は、それを越えると、酸化皮膜の耐酸性が低下し、全面腐食の傾向が強くなり腐食減量も増大する結果、表面積の拡大が効率よくなされないためである。また同様の理由で、Na含有量は、さらに0.5〜4重量%に限定するのが望ましい。
【0008】
また、アルミニウム地には通常Naは添加されないが、製造過程で苛性ソーダ等による洗浄によって微量のNaが含有されたり、原材料の選定や精錬の程度によって微量のNaが不純物として含有される。また、本発明のために酸化皮膜にNaを拡散させる際にアルミニウム地にまで微量のNaが拡散することも考えられる。しかし、このアルミニウム地のNa含有量は、粗面化処理の直前において、重量比で5ppm以下であるのが望ましい。これは、酸化皮膜の場合と同様に、過量のNaは、キャピラリーピットの長さ方向の成長を防げる結果、ピットが長さ方向に伸びにくく、太く短くなって、所望の静電容量が得られないためである。なお、同様の理由でさらに、0.5ppm未満に規制するのが望ましい。
【0009】
またさらに、本発明のアルミニウム箔の製造方法は特に限定されないが、熱間圧延及び冷間圧延により薄板とした純アルミニウム箔(一般に純度99.9%以上、厚さ0.1mm程度)を非酸化性雰囲気で高温(500〜600℃)で2〜10時間加熱焼鈍し、次いで表面に形成された酸化皮膜の表面に、Na金属やNa塩を所定厚(1〜20Å相当)付着(蒸着等)させ、さらに300〜550℃の温度で1〜20時間加熱してNaを酸化皮膜中に拡散させ、その後、エッチングによる表面の粗面化処理を行う方法が一例として挙げられる。
この他に、Naを酸化皮膜中に含有させる方法として、Na塩を冷間圧延を終了した硬質箔にコーティングし、その後、高温焼鈍を行う方法も考えられる。
【0010】
なお、上記で例示した製造方法の限定理由を以下に説明する。
(1)焼鈍
加熱温度:500〜600℃
加熱時間:2〜10時間
上記加熱によってアルミニウム箔の結晶歪みを取り除くとともに、アルミニウム箔の表面に酸化皮膜を形成する。この酸化皮膜は、40〜100Åの厚さとするのが望ましい。これは40Å未満であると、粗面化処理の際に早期に酸化皮膜が脱落し、ピットを良好に形成することが困難になるためであり、一方、100Åを越えると、ピットの形成が阻害されるためである。
なお、加熱温度が500℃未満であると、十分な酸化皮膜が形成されず、また600℃を越えると、コイル状製品を焼鈍する場合、アルミニウム箔が焼付きを起こす危険性があるため、上記加熱温度に限定する。さらに、加熱時間が2時間未満であると、十分な酸化皮膜が形成されず、また10時間を越えて加熱しても、必要以上の酸化皮膜が形成され、また、焼付きが起き易くなるため、上記加熱時間に限定する。また上記加熱は、良好な酸化皮膜が形成されるように、非酸化性雰囲気、すなわち酸素量の非常に少い不活性ガス雰囲気や真空中で行うのが望ましい。
【0011】
(2)Naの付着
酸化皮膜上へのNaの付着は、Na塩の塗布、Naの蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどによって行うことができ、本発明としては、特にその方法が限定されるものではない。なお、付着層の厚みとしては1〜20Åが望ましい。これは、1Å未満であると、酸化皮膜中に適量のNaを拡散させるには不十分であり、また20Åを越えると、Al地の中にも拡散し、Al地中のNa含有量が5ppmを越える場合も見られることから上記範囲が望ましい。
【0012】
(3)拡散
加熱温度:300〜550℃
加熱時間:1〜20時間
拡散加熱処理によって、Naがアルミニウム箔の酸化皮膜中に拡散移動する。この酸化皮膜は、アルミニウム地に対してはバリヤとして作用するので、Naがアルミニウム地へ拡散移動するのを抑制する。
なお加熱温度は、300℃未満では拡散が十分になされず、一方、550℃を越えると、アルミニウム地への拡散も多くくなり、かつコイル焼付も生じるため、上記範囲に限定する。また、加熱時間は、1時間未満であると拡散が不十分であり、20時間を越えると無駄であるばかりでなく、上記元素のアルミニウム地への拡散移動も活発になるため上記範囲に限定する。また、上記拡散処理は、被拡散、金属の過剰の酸化を防止する理由で非酸化性雰囲気で行うのが望ましい。
【0013】
【実施例】
常法で得られた純度99.98%のアルミニウム箔(105μm厚、硬質)を予め非酸化性雰囲気にて550℃で3時間の焼鈍を行った。この結果、アルミニウム箔の表面には、約50Å厚の酸化皮膜が形成された。その後、イオンプレーティング装置により上記アルミニウム箔の表面にNaを10Å相当量蒸着し、300〜500℃の不活性ガス雰囲気で2時間の焼鈍を行った。
上記処理によって得られたアルミニウム箔中のNa含有量を、酸化皮膜およびアルミニウム地表層において、それぞれGD−MS(グロー放電質量分析装置)と光電子分光装置(ESCA)にて測定し、その結果を表1に示した。
次いで、上記試験材にに対し、粗面化処理、270Vの化成処理を施して電解コンデンサ用アルミニウム箔とし、静電容量および腐食減量ならびに粗面化処理後のアルミニウム箔の厚みを測定し、それぞれ表1に示した。
なお、粗面化処理の条件を下記に示す。
第1段エッチング 第2段エッチング
HCl :0.5mol/l HNO3(60%):1容積
2SO4:3mol/l H2O :1容積
温度 75℃ 温度 75℃
電流密度 0.8A/cm2 時間 5分
時間 40秒
【0014】
【表1】
Figure 0003685820
【0015】
表1から明らかなように、本発明のアルミニウム箔は、静電容量が大幅に増加しており、効率よく粗面化処理が行われたことが示されている。こらに対し比較材は、腐食減量は本発明と同等かそれより多いにも拘わらず、静電容量の増加は小さく、しかも粗面化処理後のアルミニウム箔の厚みも小さくなっており、粗面化処理が効率よくなされなかったことが示されている。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電解コンデンサ用アルミニウム箔によれば、酸化皮膜中にNaを高濃度に含有させ、一方、望ましくはアルミニウム地では含有量を極力少なくしたので、アルミニウム地の溶解量に見合うようにアルミニウム箔の表面に均一で高密度のエッチングピットを形成することができ、高い静電容量を有し、また強度にも優れた電解コンデンサ用アルミニウム箔が得られる効果がある。

Claims (2)

  1. 純度が99.9%以上のアルミニウム箔の表面酸化皮膜中に、Naが平均で0.1〜10重量%含まれていることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔
  2. アルミニウム箔の母地中のNa含有量が重量比で5ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ用アルミニウム箔
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