JP3267516B2 - 船舶の定方位直線移動制御設備 - Google Patents
船舶の定方位直線移動制御設備Info
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- Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
Description
つ直線に移動させる船舶の定方位直線移動制御設備に関
するものである。
ウスラスタをそれぞれ別の操船者が士官などの命令で操
作するか、あるいは一人の操船者がジョイスティックで
操作するかのどちらかにより行われる。後者において
は、操作されたジョイスティックの方向に、舵、プロペ
ラ、バウスラスタの合計推力方向を向けるように制御さ
れる。
る場合の操船は、移動することによって発生する船体の
流体力抵抗や風などの外乱を操船者の経験や知識で調節
しながら行われる。
船舶を定方位でかつ直線に移動させるためには、常に一
人以上の経験や知識の多い操船者が従事していなければ
ならないという問題があった。
い人間でも、スムーズで外乱に強い船舶の定方位直線移
動を行うことを可能とする船舶の定方位直線移動制御設
備を提供することを目的としたものである。
ために、本発明のうち請求項1記載の発明は、複数の推
進手段を備えた船舶の定方位直線移動制御設備であっ
て、前記船舶の現在位置を計測する位置センサと、前記
船舶の船首の方位を計測する方位計と、風速と風向を計
測する風信儀と、目標位置および目標方位データと制御
開始位置データから船舶の進行方向角度を求め、この船
舶の進行方向角度から船体流体力抵抗を求める船体流体
力抵抗計算手段と、前記目標位置および目標方位データ
を目標値とし、前記位置センサにより計測された現在位
置データと前記方位計により計測された現在方位データ
をフィードバック値として、船体制御推力を求める制御
力計算手段と、前記風信儀により計測された現在風速お
よび風向データから船体が受ける風力を計算する風力計
算手段と、これら計算手段により求められた、船体流体
力抵抗、船体制御推力、および船体が受ける風力によ
り、前記開始位置から離れるにしたがって大きく、前記
目標位置に近づくにしたがって小さくなる指令制御力を
求める指令制御力計算手段とを備え、前記指令制御力に
より前記船舶の複数の推進手段の各推力を求める構成と
したことを特徴とするものである。
タ、プロペラおよび舵などである。上記構成により、目
標位置および目標方位データを入力するだけで、船体流
体力抵抗と船体が受ける風力を考慮した指令制御力が求
められ、さらにこの指令制御力が開始位置から離れるに
したがって大きく、目標位置に近づくにしたがって小さ
くされることにより、急激な推力の増加により船体のバ
ランスをくずしたり、定方位の精度が低下する不具合が
防止され、スムーズで外乱に強い定方位直線移動が行わ
れる。
記載の発明であって、制御力計算手段は、目標方位とは
直角な横方向に移動した船舶の速度を求め、この速度に
より所定時間後に船舶が前記横方向へ移動する第1予測
位置データを求め、この第1予測位置データと船舶の進
行方向角度から、所定時間後に船舶が目標方位の方向に
移動する第2予測位置データを求め、目標方位への目標
値をこの第2予測位置データとすることを特徴とするも
のである。
の方向には船舶の進行方向角度に一致したステップ毎の
目標値が設定され、よって船舶の進行方向角度への直線
移動が行われる。
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態におけ
る船舶の定方位直線移動制御設備の構成図である。
定方位直線移動制御装置(以下、コントローラと略す)
1は、設定器2より船舶の目標方位および位置からなる
設定信号{目標方位Pt ,目標位置(Xt ,Yt )}、
方位計3から船舶の現在方位信号(方位p)、GPSか
らなる位置センサ4より船舶の現在位置信号{現在位置
(x,y)}、および風信儀(風向風速計)5より現在
の風速と風向からなる風信号(風速ψR ,風向ψT )を
入力し、バウスラスタ6の推力、右舷と左舷のプロペラ
7,8の回転数とピッチ角、右舷と左舷の舵9,10の舵
角を制御することにより、船舶Aを定方位でかつ直線に
移動させるための制御装置であり、マイクロコンピュー
タから構成されている。
図を示す。設定器2より設定信号が入力された時点での
現在位置(x,y)を開始位置(Xs ,Ys )とし、x
方向速度をdx 、y方向速度をdy とし、コントローラ
1の制御周期をDT とし、制御周期DT 後の予定位置を
(xn ,yn )としている。
体流体力抵抗計算部11(詳細は後述する)と、制御力
(推力)計算部12(詳細は後述する)と、風信号の風速
ψR と風向ψT から、船舶を風洞実験して求めた風力係
数により船体が受ける風力(wx ,wy ,wn )を計算
する風力計算部13と、指令制御力:X(船体前後方向推
力),Y(船体横方向推力),N(旋回モーメント)を
計算する指令制御力計算部14(詳細は後述する)と、バ
ウスラスタ6、プロペラ7,8、および舵9,10の各推
力から求められた最大推力内に指令制御力を制限する指
令制御力制限部15と、入力した指令制御力をバウスラス
タ6、プロペラ7,8、および舵9,10に配分する指令
制御力配分部16と、配分された制御力に応じた操作量を
計算する、各操作端(バウスラスタ6、プロペラ7,
8、舵9,10)毎の指令操作量計算部17〜21から形成さ
れている。上記制御力(推力)に関する符号の添字のx
は船体前後方向推力、yは船体横方向推力、nは旋回モ
ーメントを表す。
定信号と、位置センサ4の船舶の現在位置信号を入力し
て、方位を保持したままで移動できる最大速度Mを計算
し、この速度と船舶の目標進行方向から船体流体力抵抗
(sx ,sy ,sn )を計算する計算部であり、求めら
れた船体流体力抵抗(sx ,sy ,sn )は指令制御力
計算部14へ出力される。計算手順を図2のフローチャー
トにしたがって説明する。
時点での現在位置(x,y)を開始位置(Xs ,Ys )
として、この開始位置(Xs ,Ys )と目標位置(Xt
,Yt )から進行方向の角度β(図5参照)を式
(1)により演算する(ステップ−1)。
速度Mを、予めデータベースに記憶された計算式により
計算する(ステップ−2)。この計算式は、各角度β毎
にバウスラスタ6、プロペラ7,8、舵9,10の各推力
を組み合わせてシミュレーションを行って求めたもので
ある。
より予めデータベースに記憶された関数から船体流体力
抵抗(sx ,sy ,sn )を計算する(ステップ−
3)。この関数は最大速度M毎に求められる。図6に一
例を示す。
定信号と、方位計3の船舶の現在方位信号と、位置セン
サ4の船舶の現在位置信号を入力し、入力した現在位置
(x,y)と方位pをフィードバック値として船体を制
御するために必要な制御推力(tx ,ty ,tn )を計
算する計算部であり、求められた制御推力(tx ,ty
,tn )は指令制御力計算部14へ出力される。船体前
後方向推力tx と旋回モーメントtn はPID制御によ
り、また船体横方向推力ty はPD制御により求められ
る。計算手順を図3のフローチャートにしたがって説明
する。
時点での現在位置(x,y)を開始位置(Xs ,Ys )
として、この開始位置(Xs ,Ys )と目標位置(Xt
,Yt )から進行方向の角度βを上記式(1)により
演算する(ステップ−1)。
述する)より制御周期DT 後のy方向予測位置yn (図
5参照)を式(2)により計算する(ステップ−2)。 yn =y+dy ×DT ・・・(2) 前回y方向速度dy によりy方向の位置を予測すること
により、海流により受ける力を考慮したことになる。次
に、y方向予測位置yn と進行方向角度βからx方向予
測位置xn (図5参照)を式(3)により計算する(ス
テップ−3)。
の偏差を式(4)により計算する(ステップ−4)。x
軸の方向のみDT 時間後のx方向予測位置xnを目標値
とすることにより、進行方向角度βへの直線移動が可能
となる。
て、各速度(dx ,dy,dp )を求め(ステップ−
5)、続いて各偏差(hx ,hy ,hp )を積分して、
積分値(ix ,iy ,ip )を求める(ステップ−
6)。
PD制御で制御推力ty を式(5)により計算する(ス
テップ−7)。 tx =Kpx(hx +Tdx・dx +ix /Tix) ty =Kpy(hy +Tdy・dy ) tn =Kpn(hp +Tdn・dn +ip /Tin)・・・(5) Kpx,Kpy,Kpn;比例感度 Tix,Tin;積分時間 Tdx,Tdy,Tdn;微分時間 また上記指令制御力計算部14は、設定器2の設定信号
と、位置センサ4の船舶の現在位置信号と、船体流体力
抵抗計算部11により計算された船体流体力抵抗(sx ,
sy ,sn )と、制御力計算部12により計算された船体
制御推力(tx ,ty ,tn )と、風力計算部13により
計算された船体が受ける風力(wx ,wy,wn )を入
力して、船体の指令推力(X,Y,N)を計算する計算
部であり、求められた指令推力(X,Y,N)は指令制
御力制限部15へ出力される。計算手順を図4のフローチ
ャートにしたがって説明する。
時点での現在位置(x,y)を開始位置(Xs ,Ys )
として、この移動開始位置(Xs ,Ys )から現在位置
(x,y)までの距離LF を式(6)により計算する
(ステップ−1)。
までの距離LB を式(7)により計算する(ステップ−
2)。
置(x,y)までの距離LF と現在位置(x,y)から
目標位置(Xt ,Yt )までの距離LB から移動パラメ
ータks,ke を式(8)により計算する。
いとき、それぞれを”1”にセットする(ステップ−4
〜7)。
(9)により計算する。 X=(tx +sx )×ks ×ke +wx Y=(ty +sy )×ks ×ke +wy N=(tn +sn )×ks ×ke +wn ・・・(9) 上記移動パラメータks ,ke について説明する。
る(横方向の慣性は非常に大、それに対して前後方向、
旋回方向の慣性は小)ため、停止状態から急に定常に定
方位直線移動を行うだけの推力を指令すると、急激な指
令となりバランスをくずして、方位保持精度が悪くな
り、また目標移動位置の近くで減速を必要とし、急に減
速指令を行うとバランスをくずす。これらを解決する、
すなわち制御開始時/終了時の定方位移動をスムーズに
するため、移動パラメータks ,ke を用いる。図7に
示すように移動パラメータks は開始位置より離れると
少しずつ大きくなり、移動パラメータke は目標位置に
近づくと少しずつ小さくなる。これら移動パラメータk
s ,ke を指令制御力(X,Y,N)に乗算することに
より、移動開始から少しずつ制御力を大きくし、目標位
置に近づくと少しずつ制御力を小さくすることができ
る。
うに、入力した指令制御力(X,Y,N)を、式(10)
を満足するように、バウスラスタ6の推力YB と、プロ
ペラ7,8および舵9,10による推力XP1,XP2,YR
1,YR2に配分する。
方向の距離 XR ;船体の重心Gから推力を得る舵9,10の位置まで
のx方向の距離 バウスラスタ6の指令操作量計算部17には、上記推力Y
B が入力され、この推力YB に見合う推力指令がバウス
ラスタ6へ出力される。また、右舷のプロペラ7の指令
操作量計算部18には、上記推力XP1およびYR1をベクト
ル加算した推力が入力され、この推力に見合うピッチ角
(回転数が一定の場合)が右舷のプロペラ7へ出力され
る。同様に、左舷のプロペラ8の指令操作量計算部19に
は、上記推力XP2およびYR2をベクトル加算した推力が
入力され、この推力に見合うピッチ角(回転数が一定の
場合)が左舷のプロペラ8へ出力される。また右舷の舵
9の指令操作量計算部20には、上記推力XP1およびYR1
のベクトル角が入力され、この角度に見合う舵角が右舷
の舵9へ出力される。同様に、左舷の舵10の指令操作量
計算部21には、上記推力XP2およびYR2のベクトル角が
入力され、この角度に見合う舵角が左舷の舵10へ出力さ
れる。
設定器2により目標方位Pt と位置(Xt ,Yt )を入
力すると、入力時の現在位置(x,y)を開始位置(X
s ,Ys )として、制御周期DT 毎に、船体流体力抵抗
(sx ,sy ,sn )と船体制御推力(tx ,ty ,t
n )と、船体が受ける風力(wx ,wy ,wn )が計算
され、移動パラメータks により開始位置(Xs ,Ys
)より離れると少しずつ大きくなる船体の指令推力
(X,Y,N)が求められ、この指令推力(X,Y,
N)はバウスラスタ6の推力と、プロペラ7,8および
舵9,10による推力に配分され、これら推力に応じたバ
ウスラスタ6、プロペラ7,8、舵9,10の操作量が求
められ、出力される。また移動パラメータke により、
目標位置(Xt ,Yt )に近づくと指令推力(X,Y,
N)は少しずつ小さくなる。
図9と図10に示す。図9は、目標位置(100m,10
0m)、外乱なしの条件、図10は、目標位置(100
m,100m)、風20°,3m/s、潮0°,0.5
ktの条件によりシミュレーションを行ったものであ
り、矢印はその地点での船舶Aの方位を示している。こ
のシミュレーション結果からもわかるように、定方位で
かつ直線移動を行うことができた。
知識の多い操船者が従事した船舶の定方位直線移動の操
船を、極めて経験や知識のない人間でも目標方位と位置
を入力するだけで行うことができ、風や海流により受け
る力を考慮にいれたスムーズで外乱に強い定方位直線移
動を行うことができる。
段として、バウスラスタ6と、2軸のプロペラ7,8
と、2軸の舵9,10を用いているが、複数の推進手段を
有する、たとえばバウスラスタと1軸のプロペラおよび
舵を備えた船舶に本発明を適用することができる。
て経験や知識のない人間でも目標方位と位置を入力する
だけで、スムーズで外乱に強い船舶の定方位直線移動を
行うことができる。
移動制御設備の構成図である。
ラの船体流体力抵抗計算部の計算手順を示すフローチャ
ートである。
ラの制御力計算部の計算手順を示すフローチャートであ
る。
ラの指令制御力計算部の計算手順を示すフローチャート
である。
である。
抵抗を求める特性図である。
ータの特性図である。
するための説明図である。
レーションの結果を示す図である。
レーションの結果を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の推進手段を備えた船舶の定方位直
線移動制御設備であって、 前記船舶の現在位置を計測する位置センサと、 前記船舶の船首の方位を計測する方位計と、 風速と風向を計測する風信儀と、 目標位置および目標方位データと制御開始位置データか
ら船舶の進行方向角度を求め、この船舶の進行方向角度
から船体流体力抵抗を求める船体流体力抵抗計算手段
と、 前記目標位置および目標方位データを目標値とし、前記
位置センサにより計測された現在位置データと前記方位
計により計測された現在方位データをフィードバック値
として、船体制御推力を求める制御力計算手段と、 前記風信儀により計測された現在風速および風向データ
から船体が受ける風力を計算する風力計算手段と、 これら計算手段により求められた、船体流体力抵抗、船
体制御推力、および船体が受ける風力により、前記開始
位置から離れるにしたがって大きく、前記目標位置に近
づくにしたがって小さくなる指令制御力を求める指令制
御力計算手段とを備え、 前記指令制御力により前記船舶の複数の推進手段の各推
力を求める構成としたことを特徴とする船舶の定方位直
線移動制御設備。 - 【請求項2】 制御力計算手段は、目標方位とは直角な
横方向に移動した船舶の速度を求め、この速度により所
定時間後に船舶が前記横方向へ移動する第1予測位置デ
ータを求め、この第1予測位置データと船舶の進行方向
角度から、所定時間後に船舶が目標方位の方向に移動す
る第2予測位置データを求め、目標方位への目標値をこ
の第2予測位置データとすることを特徴とする請求項1
記載の船舶の定方位直線移動制御設備。
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