JP3266740B2 - 走査トンネル顕微鏡用試料ホルダ - Google Patents
走査トンネル顕微鏡用試料ホルダInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料の冷却または加熱
を可能にする走査トンネル顕微鏡(STM)用試料ホル
ダに関する。
を可能にする走査トンネル顕微鏡(STM)用試料ホル
ダに関する。
【0002】
【従来の技術】STMは試料と探針との間に流れるトン
ネル電流を検出しながら探針で試料面を走査し像観察を
行う装置であって、STMによる試料の観察では、その
目的により常温だけではなく、低温や高温の環境が必要
な場合がある。例えば、超電導状態での試料を観察する
場合には、超高真空冷却装置で試料を極低温に冷却した
状態で保持するが、試料が冷却されるほどクライオ効果
によって試料表面に吸着物などが付着して試料表面の高
分解能な観察、分析が困難になる。従来、この吸着物を
除去するためには、途中で冷却STM像観察を中止し試
料ホルダを交換していた。
ネル電流を検出しながら探針で試料面を走査し像観察を
行う装置であって、STMによる試料の観察では、その
目的により常温だけではなく、低温や高温の環境が必要
な場合がある。例えば、超電導状態での試料を観察する
場合には、超高真空冷却装置で試料を極低温に冷却した
状態で保持するが、試料が冷却されるほどクライオ効果
によって試料表面に吸着物などが付着して試料表面の高
分解能な観察、分析が困難になる。従来、この吸着物を
除去するためには、途中で冷却STM像観察を中止し試
料ホルダを交換していた。
【0003】一方、高温状態での試料を観察する場合で
も、試料に通電加熱して観察する場合や、試料に電子衝
撃型過熱を加えて観察する場合や、BEEM(弾道電子
放射顕微鏡)による観察を行う場合があるが、従来は、
それぞれの観察に専用の試料ホルダを用意し、その都
度、試料ホルダを交換していた。
も、試料に通電加熱して観察する場合や、試料に電子衝
撃型過熱を加えて観察する場合や、BEEM(弾道電子
放射顕微鏡)による観察を行う場合があるが、従来は、
それぞれの観察に専用の試料ホルダを用意し、その都
度、試料ホルダを交換していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のSTM像観察においては、その都度、試料ホルダの
交換をしなけらばならず、多くの時間と手間がかかると
いう問題を有し、また冷却STM像観察の場合には冷媒
消費量の増大を招くという問題を有している。
来のSTM像観察においては、その都度、試料ホルダの
交換をしなけらばならず、多くの時間と手間がかかると
いう問題を有し、また冷却STM像観察の場合には冷媒
消費量の増大を招くという問題を有している。
【0005】ところで、冷却STM像観察の場合、試料
冷却中に一時的に試料を加熱するとともに、試料の周囲
は殆ど加熱されない構造にすると、試料表面から加熱に
より飛ばされた吸着物などがクライオ効果により再び吸
着され、試料加熱を止めて試料表面が再び冷却されたと
きには、試料表面に吸着していたものは、殆どその周囲
に吸着され、試料表面が清浄なまま冷却されることが判
明した。
冷却中に一時的に試料を加熱するとともに、試料の周囲
は殆ど加熱されない構造にすると、試料表面から加熱に
より飛ばされた吸着物などがクライオ効果により再び吸
着され、試料加熱を止めて試料表面が再び冷却されたと
きには、試料表面に吸着していたものは、殆どその周囲
に吸着され、試料表面が清浄なまま冷却されることが判
明した。
【0006】本発明の第1の目的は、この加熱効果に着
目して上記従来の冷却STM像観察の問題を解決するも
のであって、試料冷却中に一時的に試料を加熱すること
により試料表面の吸着物を除去することができる試料ホ
ルダを提供することである。また、本発明の第2の目的
は、前記第1の目的をさらに発展させ、試料ホルダを交
換することなく種々の加熱STM像観察を行うことがで
きる試料ホルダを提供することである。
目して上記従来の冷却STM像観察の問題を解決するも
のであって、試料冷却中に一時的に試料を加熱すること
により試料表面の吸着物を除去することができる試料ホ
ルダを提供することである。また、本発明の第2の目的
は、前記第1の目的をさらに発展させ、試料ホルダを交
換することなく種々の加熱STM像観察を行うことがで
きる試料ホルダを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の走査トンネル顕微鏡用試
料ホルダは、試料を冷却した状態で試料と探針との間に
流れるトンネル電流を検出しながら探針で試料面を走査
し像観察を行う走査トンネル顕微鏡用試料ホルダであっ
て、ホルダ本体と、該ホルダ本体の外側に設けられるホ
ルダ冷却部材と、前記ホルダ本体に絶縁材を介して固定
され、ホルダ本体の外側に突出するように設けられる一
対の通電端子と、該通電端子の片面に固定される電気的
絶縁材からなる熱伝導部材と、前記一対の通電端子に固
定される試料固定部材とを備え、前記熱伝導部材および
ホルダ冷却部材を介して独立に試料およびその周囲を冷
却可能にすると共に、前記通電端子を介して試料を加熱
可能にすることを特徴とし、また、本発明の請求項2に
記載の走査トンネル顕微鏡用試料ホルダは、試料を加熱
した状態で試料と探針との間に流れるトンネル電流を検
出しながら探針で試料面を走査し像観察を行う走査トン
ネル顕微鏡用試料ホルダであって、ホルダ本体と、該ホ
ルダ本体に絶縁材を介して固定され、ホルダ本体の外側
に突出するように設けられる一対の通電端子と、該一対
の通電端子と同様に前記ホルダ本体に固定され、通電端
子とは独立して通電可能に設けられる一対のターミナル
と、前記一対の通電端子に固定される試料固定部材とを
備えたことを特徴とするものである。
に、本発明の請求項1に記載の走査トンネル顕微鏡用試
料ホルダは、試料を冷却した状態で試料と探針との間に
流れるトンネル電流を検出しながら探針で試料面を走査
し像観察を行う走査トンネル顕微鏡用試料ホルダであっ
て、ホルダ本体と、該ホルダ本体の外側に設けられるホ
ルダ冷却部材と、前記ホルダ本体に絶縁材を介して固定
され、ホルダ本体の外側に突出するように設けられる一
対の通電端子と、該通電端子の片面に固定される電気的
絶縁材からなる熱伝導部材と、前記一対の通電端子に固
定される試料固定部材とを備え、前記熱伝導部材および
ホルダ冷却部材を介して独立に試料およびその周囲を冷
却可能にすると共に、前記通電端子を介して試料を加熱
可能にすることを特徴とし、また、本発明の請求項2に
記載の走査トンネル顕微鏡用試料ホルダは、試料を加熱
した状態で試料と探針との間に流れるトンネル電流を検
出しながら探針で試料面を走査し像観察を行う走査トン
ネル顕微鏡用試料ホルダであって、ホルダ本体と、該ホ
ルダ本体に絶縁材を介して固定され、ホルダ本体の外側
に突出するように設けられる一対の通電端子と、該一対
の通電端子と同様に前記ホルダ本体に固定され、通電端
子とは独立して通電可能に設けられる一対のターミナル
と、前記一対の通電端子に固定される試料固定部材とを
備えたことを特徴とするものである。
【0008】
【作用及び発明の効果】本発明の冷却STM像観察用の
試料ホルダによれば、試料冷却中に試料のみを加熱する
ことが可能であるため、試料表面から加熱により飛ばさ
れた吸着物などがクライオ効果により再び吸着され、試
料加熱を止めて試料表面が再び冷却されたときには、試
料表面に吸着していたものは、殆どその周囲に吸着さ
れ、試料表面を清浄なまま冷却することができ、より高
分解能な試料の観察、分析が可能となる。また、本発明
の加熱STM像観察用の試料ホルダによれば、試料の通
電加熱の系とは別に独立した通電系を設けることによ
り、試料に電子衝撃型過熱を加える観察や、熱電対を取
り付けて正確な温度の計測や、BEEM(弾道電子放射
顕微鏡)による観察が可能になる。
試料ホルダによれば、試料冷却中に試料のみを加熱する
ことが可能であるため、試料表面から加熱により飛ばさ
れた吸着物などがクライオ効果により再び吸着され、試
料加熱を止めて試料表面が再び冷却されたときには、試
料表面に吸着していたものは、殆どその周囲に吸着さ
れ、試料表面を清浄なまま冷却することができ、より高
分解能な試料の観察、分析が可能となる。また、本発明
の加熱STM像観察用の試料ホルダによれば、試料の通
電加熱の系とは別に独立した通電系を設けることによ
り、試料に電子衝撃型過熱を加える観察や、熱電対を取
り付けて正確な温度の計測や、BEEM(弾道電子放射
顕微鏡)による観察が可能になる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は、本発明の走査トンネル顕微鏡用試料ホ
ルダの1実施例を示し、図(A)は正面図、図(B)は
図(A)のB方向から見た側面図、図(C)は背面図、
図(D)は図(A)のD方向から見た側面図である。
明する。図1は、本発明の走査トンネル顕微鏡用試料ホ
ルダの1実施例を示し、図(A)は正面図、図(B)は
図(A)のB方向から見た側面図、図(C)は背面図、
図(D)は図(A)のD方向から見た側面図である。
【0010】本実施例は、冷却STM像観察用の試料ホ
ルダ1を示し、試料ホルダ1は高熱伝導性のホルダ本体
2を有し、ホルダ本体2内には絶縁材3がビス4により
固定されている。絶縁材3には一対の通電端子5がホル
ダ本体2の外側に突出するようにビス6により固定さ
れ、一対の通電端子5はホルダ本体2と電気的、熱的に
絶縁されている。
ルダ1を示し、試料ホルダ1は高熱伝導性のホルダ本体
2を有し、ホルダ本体2内には絶縁材3がビス4により
固定されている。絶縁材3には一対の通電端子5がホル
ダ本体2の外側に突出するようにビス6により固定さ
れ、一対の通電端子5はホルダ本体2と電気的、熱的に
絶縁されている。
【0011】一対の通電端子5の片面には、電気的絶縁
材からなる熱伝導部材7が固定されている。両通電端子
5には一対の試料固定部材8がビス9により固定され、
試料固定部材8により試料10を固定する構造になって
いる。ホルダ本体2の外側には、通電端子5と直角方向
に一対のホルダ冷却部材11が設けられている。ホルダ
冷却部材11は試料ホルダ1を試料ステージに固定する
ための固定翼でもあり、ホルダ本体2と同様に高熱伝導
性の材料からなっている。
材からなる熱伝導部材7が固定されている。両通電端子
5には一対の試料固定部材8がビス9により固定され、
試料固定部材8により試料10を固定する構造になって
いる。ホルダ本体2の外側には、通電端子5と直角方向
に一対のホルダ冷却部材11が設けられている。ホルダ
冷却部材11は試料ホルダ1を試料ステージに固定する
ための固定翼でもあり、ホルダ本体2と同様に高熱伝導
性の材料からなっている。
【0012】図2は上記試料ホルダ1が装着される超高
真空冷却装置を示す断面図である。超高真空チャンバ1
2内にはクライオスタット13が配設されている。クラ
イオスタット13は液体ヘリウム槽14とその外周に液
体窒素槽15を有している。超高真空チャンバ12内に
は、冷却試料ステージ16が設けられている。
真空冷却装置を示す断面図である。超高真空チャンバ1
2内にはクライオスタット13が配設されている。クラ
イオスタット13は液体ヘリウム槽14とその外周に液
体窒素槽15を有している。超高真空チャンバ12内に
は、冷却試料ステージ16が設けられている。
【0013】冷却試料ステージ16には、試料ホルダ1
が挿入可能な開口部17が形成されている。冷却試料ス
テージ16の開口部17の手前側には一対の電極18が
設けられるとともに、開口部17の奥側にはリング状部
19と片状部20を有する熱伝導部材21が設けられて
いる。そして、熱伝導部材21の片状部20は、熱伝導
部材22を介して液体ヘリウム槽14に熱的に接続さ
れ、冷却試料ステージ16は熱伝導部材23を介して液
体窒素槽15に熱的に接続されている。
が挿入可能な開口部17が形成されている。冷却試料ス
テージ16の開口部17の手前側には一対の電極18が
設けられるとともに、開口部17の奥側にはリング状部
19と片状部20を有する熱伝導部材21が設けられて
いる。そして、熱伝導部材21の片状部20は、熱伝導
部材22を介して液体ヘリウム槽14に熱的に接続さ
れ、冷却試料ステージ16は熱伝導部材23を介して液
体窒素槽15に熱的に接続されている。
【0014】上記構成からなる本実施例の作用について
説明する。図2において、試料ホルダ1を冷却試料ステ
ージ16の開口部17に装着した状態では、液体ヘリウ
ム槽14からの熱は、熱伝導部材22、熱伝導部材21
の片状部20、リング状部19を経て、試料ホルダ1の
熱伝導部材7、通電端子5、試料固定部材8に伝達され
と共にホルダ本体2に伝達され試料10が冷却される。
また、液体窒素槽15からの熱は、熱伝導部材23、冷
却試料ステージ16を経て、試料ホルダ1のホルダ冷却
部材11、ホルダ本体2に伝達され試料10が冷却され
る。
説明する。図2において、試料ホルダ1を冷却試料ステ
ージ16の開口部17に装着した状態では、液体ヘリウ
ム槽14からの熱は、熱伝導部材22、熱伝導部材21
の片状部20、リング状部19を経て、試料ホルダ1の
熱伝導部材7、通電端子5、試料固定部材8に伝達され
と共にホルダ本体2に伝達され試料10が冷却される。
また、液体窒素槽15からの熱は、熱伝導部材23、冷
却試料ステージ16を経て、試料ホルダ1のホルダ冷却
部材11、ホルダ本体2に伝達され試料10が冷却され
る。
【0015】試料ホルダ1を冷却試料ステージ16の開
口部17に装着し、図2で左45度回転させると、試料
ホルダ1の通電端子5が電極18に接触し、試料10は
通電加熱によって加熱される。このとき、ホルダ本体2
はホルダ冷却部材11を通じて冷却試料ステージ16か
ら独立に冷却されるため、試料を加熱しても周囲は殆ど
加熱されない。従って、試料表面から加熱により飛ばさ
れた吸着物などがクライオ効果により再び吸着され、試
料加熱を止めて試料表面が再び冷却されたときには、試
料表面に吸着していたものは、殆どその周囲に吸着さ
れ、試料表面を清浄なまま冷却することができる。
口部17に装着し、図2で左45度回転させると、試料
ホルダ1の通電端子5が電極18に接触し、試料10は
通電加熱によって加熱される。このとき、ホルダ本体2
はホルダ冷却部材11を通じて冷却試料ステージ16か
ら独立に冷却されるため、試料を加熱しても周囲は殆ど
加熱されない。従って、試料表面から加熱により飛ばさ
れた吸着物などがクライオ効果により再び吸着され、試
料加熱を止めて試料表面が再び冷却されたときには、試
料表面に吸着していたものは、殆どその周囲に吸着さ
れ、試料表面を清浄なまま冷却することができる。
【0016】図3は、本発明の走査トンネル顕微鏡用試
料ホルダの他の実施例を示し、図(A)は正面図、図
(B)は断面図である。なお、図1の実施例と同一の構
成については同一番号を付けて説明を省略する。
料ホルダの他の実施例を示し、図(A)は正面図、図
(B)は断面図である。なお、図1の実施例と同一の構
成については同一番号を付けて説明を省略する。
【0017】本実施例は、加熱STM像観察用の試料ホ
ルダ31を示し、図1の熱伝導部材7はなく、絶縁材3
には一対の通電端子5がホルダ本体2の外側に突出する
ようにビス6により固定されると共に、絶縁材3には通
電端子5と直角方向に一対のターミナル32がビス33
により固定されている。両ターミナル32には取付用タ
ップ34が設けられている。この取付用タップ34は、
加熱用フィラメントや熱電対を固定したり、BEEM観
察用の接続端子にしたりする。
ルダ31を示し、図1の熱伝導部材7はなく、絶縁材3
には一対の通電端子5がホルダ本体2の外側に突出する
ようにビス6により固定されると共に、絶縁材3には通
電端子5と直角方向に一対のターミナル32がビス33
により固定されている。両ターミナル32には取付用タ
ップ34が設けられている。この取付用タップ34は、
加熱用フィラメントや熱電対を固定したり、BEEM観
察用の接続端子にしたりする。
【0018】図4は上記試料ホルダ31を保持するため
の試料ステージを示す平面図である。試料ステージ35
には、試料ホルダ31が挿入可能な開口部36が形成さ
れている。試料ステージ35の開口部36の周囲には、
4つの保持器37a〜37dが固定されている。保持器
37a〜37dの開口部36側には板バネ38が設けら
れ、反対側に電極ターミナル39が設けられている。
の試料ステージを示す平面図である。試料ステージ35
には、試料ホルダ31が挿入可能な開口部36が形成さ
れている。試料ステージ35の開口部36の周囲には、
4つの保持器37a〜37dが固定されている。保持器
37a〜37dの開口部36側には板バネ38が設けら
れ、反対側に電極ターミナル39が設けられている。
【0019】上記構成からなる本実施例の作用について
説明する。試料ホルダ31を試料ステージ35の開口部
36に差し込み回転させると、両通電端子5の斜線部
(図3A)が保持器37a、37cの板バネ38に押し
当てられ、両ターミナル32の斜線部が保持器37b、
37dの板バネ38に押し当てられ、試料ホルダ31が
試料ステージ35に保持される。この状態で、保持器3
7aと保持器37cの電極ターミナル39に通電する
と、保持器37a側の板バネ38、通電端子5、試料固
定部材8、試料10、保持器37c側の試料固定部材
8、通電端子5、板バネ38に通電され、試料10が加
熱される。また、保持器37bと保持器37dの電極タ
ーミナル39に通電すると、保持器37b側の板バネ3
8、ターミナル32、取付用タップ34間に接続される
部材(例えばフィラメント)、保持器37d側のターミ
ナル32、板バネ38に通電される。
説明する。試料ホルダ31を試料ステージ35の開口部
36に差し込み回転させると、両通電端子5の斜線部
(図3A)が保持器37a、37cの板バネ38に押し
当てられ、両ターミナル32の斜線部が保持器37b、
37dの板バネ38に押し当てられ、試料ホルダ31が
試料ステージ35に保持される。この状態で、保持器3
7aと保持器37cの電極ターミナル39に通電する
と、保持器37a側の板バネ38、通電端子5、試料固
定部材8、試料10、保持器37c側の試料固定部材
8、通電端子5、板バネ38に通電され、試料10が加
熱される。また、保持器37bと保持器37dの電極タ
ーミナル39に通電すると、保持器37b側の板バネ3
8、ターミナル32、取付用タップ34間に接続される
部材(例えばフィラメント)、保持器37d側のターミ
ナル32、板バネ38に通電される。
【0020】従って、試料の通電加熱の系とは別に独立
した通電系を設けることにより、試料に電子衝撃型過熱
を加える観察が可能になり、試料の通電加熱よりも小さ
い電流で高温に加熱することができる。また、熱電対を
取り付けることにより試料の正確な温度を計測すること
ができる。さらに、BEEM(弾道電子放射顕微鏡)に
よる観察が可能になり、STMと共に2種類の顕微鏡観
察が可能になる。
した通電系を設けることにより、試料に電子衝撃型過熱
を加える観察が可能になり、試料の通電加熱よりも小さ
い電流で高温に加熱することができる。また、熱電対を
取り付けることにより試料の正確な温度を計測すること
ができる。さらに、BEEM(弾道電子放射顕微鏡)に
よる観察が可能になり、STMと共に2種類の顕微鏡観
察が可能になる。
【図1】本発明の走査トンネル顕微鏡用試料ホルダの1
実施例を示し、図(A)は正面図、図(B)は図(A)
のB方向から見た側面図、図(C)は背面図、図(D)
は図(A)のD方向から見た側面図である。
実施例を示し、図(A)は正面図、図(B)は図(A)
のB方向から見た側面図、図(C)は背面図、図(D)
は図(A)のD方向から見た側面図である。
【図2】図1の試料ホルダが装着される超高真空冷却装
置を示す断面図である。
置を示す断面図である。
【図3】本発明の走査トンネル顕微鏡用試料ホルダの他
の実施例を示し、図(A)は正面図、図(B)は断面図
である。
の実施例を示し、図(A)は正面図、図(B)は断面図
である。
【図4】図3の試料ホルダを保持するための試料ステー
ジを示す平面図である。
ジを示す平面図である。
1、31…試料ホルダ、2…ホルダ本体、3…絶縁材、
5…通電端子 7…熱伝導部材、8…試料固定部材、10…試料、11
…ホルダ冷却部材 12…超高真空チャンバ、13…クライオスタット、1
6…冷却試料ステージ 18…電極、32…ターミナル、34…取付用タップ、
35…試料ステージ 37a〜37d…保持器、38…板バネ、39…電極タ
ーミナル
5…通電端子 7…熱伝導部材、8…試料固定部材、10…試料、11
…ホルダ冷却部材 12…超高真空チャンバ、13…クライオスタット、1
6…冷却試料ステージ 18…電極、32…ターミナル、34…取付用タップ、
35…試料ステージ 37a〜37d…保持器、38…板バネ、39…電極タ
ーミナル
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/20 G01N 13/10 G01N 13/12
Claims (2)
- 【請求項1】試料を冷却した状態で試料と探針との間に
流れるトンネル電流を検出しながら探針で試料面を走査
し像観察を行う走査トンネル顕微鏡用試料ホルダであっ
て、ホルダ本体と、該ホルダ本体の外側に設けられるホ
ルダ冷却部材と、前記ホルダ本体に絶縁材を介して固定
され、ホルダ本体の外側に突出するように設けられる一
対の通電端子と、該通電端子の片面に固定される電気的
絶縁材からなる熱伝導部材と、前記一対の通電端子に固
定される試料固定部材とを備え、前記熱伝導部材および
ホルダ冷却部材を介して独立に試料およびその周囲を冷
却可能にすると共に、前記通電端子を介して試料を加熱
可能にすることを特徴とする走査トンネル顕微鏡用試料
ホルダ。 - 【請求項2】試料を加熱した状態で試料と探針との間に
流れるトンネル電流を検出しながら探針で試料面を走査
し像観察を行う走査トンネル顕微鏡用試料ホルダであっ
て、ホルダ本体と、該ホルダ本体に絶縁材を介して固定
され、ホルダ本体の外側に突出するように設けられる一
対の通電端子と、該一対の通電端子と同様に前記ホルダ
本体に固定され、通電端子とは独立して通電可能に設け
られる一対のターミナルと、前記一対の通電端子に固定
される試料固定部材とを備えたことを特徴とする走査ト
ンネル顕微鏡用試料ホルダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19313994A JP3266740B2 (ja) | 1994-08-17 | 1994-08-17 | 走査トンネル顕微鏡用試料ホルダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19313994A JP3266740B2 (ja) | 1994-08-17 | 1994-08-17 | 走査トンネル顕微鏡用試料ホルダ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0855597A JPH0855597A (ja) | 1996-02-27 |
JP3266740B2 true JP3266740B2 (ja) | 2002-03-18 |
Family
ID=16302936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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