JP3265865B2 - 液体封入防振マウント - Google Patents

液体封入防振マウント

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JP3265865B2
JP3265865B2 JP26727494A JP26727494A JP3265865B2 JP 3265865 B2 JP3265865 B2 JP 3265865B2 JP 26727494 A JP26727494 A JP 26727494A JP 26727494 A JP26727494 A JP 26727494A JP 3265865 B2 JP3265865 B2 JP 3265865B2
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洋昭 棚橋
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体封入防振マウント
に関し、特に自動車のエンジンマウントに用いて好適な
液体封入防振マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液体封入防振マウントは、実開平
06−0549940に開示されたものがある。これ
は、図11に示すように、外力を受ける軸金具71とこ
れを弾性部材72で支持する第1外筒金具73とからな
る本体部7と、本体部7の開口端を覆う第2外筒金具9
1とダイヤフラム92とからなる蓋部9と、これらの間
を仕切る仕切り金具81と弾性材料でできた可動部82
からなる中間部8とから構成される。両外筒金具73,
92と仕切り金具81とは、これらの周囲に設けられた
フランジ部をかしめ部911でかしめられて水密に接合
されている。
【0003】そして、本体部7と中間部8との間には第
1液室700が形成され、中間部8とダイヤフラム92
の間には第2液室900が形成されて、ダンパー液が満
たされている。両液室700,900の間は、仕切り金
具81と第2外筒金具91との間に設けられたほぼ矩形
の断面を持つオリフィス流路800で連通している。す
なわちオリフィス流路800は、図12に示すように二
つの連通孔(オリフィス)83,84を介してそれぞれ
第2液室900と第1液室700とに連通している。こ
のオリフィス流路800の一部(両連通孔83,84の
間)は、例えば図13に示すほぼ矩形の仕切り壁85に
よって仕切られており、両連通孔83,84を結ぶオリ
フィス流路800は、仕切り金具81の周囲を迂回して
設けられている。
【0004】このようなオリフィス流路800を通じて
両液室700,900間にダンパー液が流れることによ
り、外力の振動成分が減衰(ダンピング)されて、防振
効果を発揮する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
液体封入防振マウントにおいては、そのダンピング性能
が各液室間の密封性に大きく依存する。すなわち、液体
封入防振マウントの外へダンパー液を漏らさないことは
当然として、第1液室と第2液室とを連通するオリフィ
ス流路に、シール漏れによる短絡が無いことが必要であ
る。そのためには、特に仕切り金具に付設した弾性材料
の仕切り壁の外周面と、第2外筒金具の内周面との間の
密着性を高めて、シール漏れが起こらないようにするこ
とが肝要である。
【0006】ところが、従来の液体封入防振マウントで
は、仕切り壁の外周面が半径方向と垂直に部分円筒状を
なしており、これと接合する第2外筒金具の内周面も円
筒状であったため、十分な接合圧力をもって組み立てる
ことができなかった。そのため、この仕切り部からの液
漏れによりオリフィス流路に短絡を生じ、液体封入防振
マウントのダンピング性能が劣化する恐れがあった。
【0007】また、前述のように仕切り壁の外周面が部
分円筒状を成しているため、中心軸に対して片側から接
合圧力を掛けながら、組み立て位置がずれないよう精密
に組み立てる必要があり、組み立て作業は容易ではなか
った。そこで本発明は、仕切り部の密着性を高めること
によりシール不良によるオリフィス流路の短絡を無くし
て、液体封入防振マウントのダンピング性能低下を防ぐ
ことを解決すべき課題とするものである。あわせて、シ
ール性を確保しながら組み立てを容易にすることも、本
発明の課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液体封入防振マ
ウントは、上記課題を解決するために、軸金具と、一端
に第1フランジ部と該第1フランジ部の外周端より立ち
上がるシリンダ状のかしめ壁とをもつ第1外筒金具と、
該軸金具と該第1外筒金具間を連結する弾性部材とから
なる本体部と、該第1フランジ部に積層されかしめによ
り押圧される第2フランジ部と、該第2フランジ部の内
周端に連接しシリンダ状に立ち上がる内壁部とをもつ仕
切り金具と、該内壁部で区画される孔を塞ぐ弾性体より
なる可動部と、該第1フランジ部と背向する該第2フラ
ンジ部の背向面とこれに連なる該内壁部の外周面とでオ
リフィス流路の一部を形成するとともに、該第2フラン
ジ部の背向面と該内壁部の外周面の一部に設けられた弾
性体よりなる該オリフィス流路を仕切る仕切り壁と、該
仕切り壁に隔てられた両側の該オリフィス流路に設けら
れた一対の連通孔とからなり、該本体部との間で第1液
室を形成する中間部と、該第2フランジ部に積層されか
しめにより押圧される第3フランジ部と、該内壁部の端
面と当接し、該中間部との間に形成される第2液室と該
オリフィス流路とを分ける第4フランジ部と、該第3フ
ランジ部と該第4フランジ部を連接する立壁部とからな
る第2外筒金具と、該第4フランジ部に設けられたダイ
ヤフラムとからなる蓋部とを有し、該第1液室と該第2
液室と該両液室に該両連通孔を介して通じる該オリフィ
ス流路とを満たすダンパー液を持つ液体封入防振マウン
トにおいて、前記第2外筒金具の立壁部は、前記第3フ
ランジ部から前記第4フランジ部に近づくにつれ径が小
さくなるロート状となり、かつ前記中間部の前記仕切り
壁の該立壁部と当接する面は、該立壁部内周面より寸法
大なる傾斜面となり、前記本体部のかしめ壁を内側にか
しめて、該本体部の前記第1フランジ部と該かしめ壁と
の間に前記中間部の前記第2フランジと前記蓋部の前記
第3フランジ部を挟持する際、前記蓋部の前記立壁部で
前記仕切り壁を軸方向および半径方向に押圧することに
より、前記仕切り壁で前記オリフィス流路を確実に仕切
るように構成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の液体封入防振マウントによれば、半径
方向への強制力を伴う移動操作を行わなくとも、本体部
と中間部と蓋部とを組み上げかしめて止める過程におい
て、自然に仕切り壁とこれに当接する立壁部の内周面と
の間に押圧力を生じる。したがって、両者はピッタリと
密着して水密にオリフィス流路を仕切ることができる。
【0010】その結果、本発明の液体封入防振マウント
は、オリフィス流路にダンピング性能を低下させる有害
な漏れを生じること無く運用することができ、安定した
高いダンピング特性を発揮する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。 (実施例1の構成)本発明の液体封入防振マウントは、
図1に示すように、大きく分けて本体部1と中間部2と
蓋部3とからなり、これら3部材が同軸に重ねられ、周
囲をかしめられて一体に組み立てられている。
【0012】(本体部)まず本体部1は、図2にその組
み立て前の状態を示すように、振動成分を含む外力を受
ける軸金具11と、その外力を受け止める第1外筒金具
12と、両者を連結する弾性部材13とから構成され
る。この軸金具11は、その頂部に開口端を持つカップ
状部材111を有し、これを介して液体封入防振マウン
トの他の部材に外力を伝達する。すなわち、カップ状部
材111の外周面にはゴム製で略円錐面状の弾性部材1
3の内周面が接合されて、外力を第1外筒金具12に伝
達する働きをしている。
【0013】一方、第1外筒金具12は、略円筒状の形
状を持つ鋼板製の部材で、軸金具11側の開口端は円錐
面状にテーパしている。反対側の開口端には、外周方向
へ広がる第1フランジ部121と、第1フランジ部12
1の外周端より立ち上がるシリンダ状のかしめ壁122
とをもつ。弾性部材13は合成ゴム製であって、軸金具
11のカップ状部材111の外周面と第1外筒金具の軸
金具11側の開口端に近いテーパ部分とを、弾力的に接
合している。そして、本体部1の一方の開口端と他方の
開口端とを水密に分けている。この弾性部材13の第1
外筒金具12との接合面は、第1フランジ部121付近
にまで延びて、図3に示すように第1フランジ部121
の内周縁に沿って同心円状に二重のシール山131,1
32を形成し、中間部2との接合の際、水密性を完全に
する。
【0014】(中間部)次に中間部2は、図4および図
5に示すように、ハット状の仕切り金具21と、これを
覆って接合された可動部22を始めとする合成ゴム等の
弾性体の部材とから構成される。この仕切り金具21
は、前述の本体部1の第1フランジ部121に積層され
てかしめにより押圧される第2フランジ部211と、第
2フランジ部211の内周端に連接しシリンダ状に立ち
上がる内壁部212とを持つ、鋼板プレス成形品であ
る。第2フランジ部211の周上の一部には、略長方形
の連通孔26が打ち抜かれている。
【0015】ここで、内壁部212で仕切り金具21の
中央に区画される孔は、弾性体よりなる可動部22によ
って水密に塞がれている。この可動部22は、前述のよ
うに軸金具11に掛かる外力の一部を受け止める働きも
している。そして、前述の本体部1の第1フランジ部1
21と背向する第2フランジ部211の背向面と、これ
に連なる内壁部212の外周面とで、図1に示すように
蓋部3との間にオリフィス流路300の一部を形成す
る。
【0016】このオリフィス流路300は、内壁部21
2の開口端の縁を円筒状に覆う弾性体の仕切り堤24に
よって、中間部2と蓋部3との間を水密に仕切られて形
成されている。ただし、この仕切り堤24には周上の一
角に切り欠きがあって、もう一つの連通孔25を形成し
ている。さらに、この中間部2は、第2フランジ部21
1の背向面と内壁部212の外周面の一部に設けられ
た、弾性体よりなるオリフィス流路300を仕切る仕切
り壁23を有する。
【0017】この仕切り壁23は、図4および図5に示
すように、可動部22から連続する弾性体で形成された
部材で、蓋部3の内周面に沿って先端方向にテーパした
形状をもつブロックである。仕切り壁23においては、
後述する蓋部3の立壁部313の内周面と当接する面
が、その立壁部313の内周面より寸法大なる傾斜面と
なっている。また、仕切り壁23の軸方向の寸法も、当
接すべき蓋部3の内周面の寸法より若干大きくなってい
て、後述するように組み立てに際して自然に押圧力をも
って蓋部3の内周面に当接するよう設計されている。
【0018】このような仕切り壁23を挟んで、周方向
の一方に連通孔26が設けられ、他の一方にもう一つの
連通孔25が設けられて、内壁部212を略一周取り巻
くオリフィス流路300の両端を形成している 以上のような可動部22、仕切り壁23、および連通孔
25を有する仕切り堤24は、合成ゴム等の弾性材料で
一体的に構成され、仕切り金具21上に水密に接合して
成形される。
【0019】ここで、仕切り壁23に隔てられた両側の
オリフィス流路300には、一対の連通孔25,26が
設けられて、それぞれ後述の第2液室200と第1液室
100とに連通している。このような中間部2と本体部
1との間の空間には、図1に示すように、第1液室10
0が形成されている。
【0020】(蓋部)最後に蓋部3は、図6に示すよう
に、第2外筒金具31とダイヤフラム32とから構成さ
れる。第2外筒金具31は、外周部を成す第3フランジ
部311と、内周部をなす第4フランジ部312と、こ
れらを連結する円錐面状の立壁部313とからなる、回
転対称形の鋼板プレス成形品である。
【0021】第3フランジ部311は、第2フランジ部
211に積層されかしめにより押圧されて、蓋部3を本
体部1および中間部2に固定する。立壁部313は、第
3フランジ部311の内周縁から第4フランジ部312
の外周縁へ連続して立ち上がる円錐面状をしている。第
4フランジ部312は、立壁部313から外周縁で連続
して形成され、その内周縁は開口端方向へ立ち上がって
いる。
【0022】一方、ダイヤフラム32は、合成ゴム等の
弾性材料でできた伸縮自在の膜で、第4フランジ部31
2の開口端を覆って、その開口部を水密に塞いでいる。
このダイヤフラム32の周縁部は、第2外筒金具31の
表裏を覆って、第3フランジ部311の内周縁部まで延
びている。そして、図7に示すように、第3フランジ部
311の第2フランジ部211との当接面にシール山3
21を形成して、かしめに当たっては水密性を高めるこ
とができるようになっている。
【0023】(両液室とオリフィス流路)このように本
体部1のかしめ壁122をかしめて全体を組み上げた状
態について、再び図1を参照して説明する。このダイヤ
フラム32と、前述の中間部2の可動部22との間にで
きた空間の周囲を、内壁部212を芯にした仕切り堤2
4で仕切って、第2液室200が形成されている。第2
液室200は、仕切り堤24に設けた連通孔25を介し
て、オリフィス流路300に連通している。
【0024】一方、立壁部313は第4フランジ部31
2と連携して、前述の仕切り金具21および弾性体の仕
切り堤24との間に、オリフィス流路300を形成す
る。このオリフィス流路300の両端には、前述のよう
に仕切り壁23で仕切られた両側に、第1液室100へ
つながる連通孔26と後述の第2液室200へつながる
連通孔25とが設けられている(図4参照)。
【0025】この立壁部313の内周面はロート状であ
って、前述の弾性体の仕切り壁23の外周面と押圧力を
もって当接する。同様に第4フランジ部312の内面
は、仕切り壁23の端面と押圧力をもって当接する。し
たがって、仕切り壁23は、中間部2と蓋部3との間に
形成されたオリフィス流路300を、シール漏れを起こ
すこと無く仕切って、オリフィス流路300の短絡を防
ぐことができる。
【0026】そして、第1液室100と第2液室200
と両液室に一対の連通孔26,25を介して通じるオリ
フィス流路300とは、ダンパー液4で満たされてい
る。このダンパー液4がオリフィス流路300を通過す
る際に生じる流路抵抗によって、外力の振動成分がダン
ピングされ、本発明の液体封入防振マウントは防振効果
を発揮する。
【0027】(実施例1の特徴)本発明の構造上の特徴
は、第2外筒金具31の立壁部313は、第3フランジ
部311から第4フランジ部312に近づくにつれ径が
小さくなるロート状となり、かつ中間部2の仕切り壁2
3の立壁部313と当接する面は、立壁部313内周面
より寸法大なる傾斜面となっていることである。
【0028】したがって、本発明の液体封入防振マウン
トは、本体部1のかしめ壁122を内側にかしめて、本
体部1の第1フランジ部121とかしめ壁122との間
に中間部2の第2フランジ部211と蓋部3の第3フラ
ンジ部311を挟持する際、蓋部3の立壁部313で仕
切り壁23を軸方向および半径方向に押圧することによ
り、仕切り壁23でオリフィス流路300を確実に仕切
るように構成したことを特徴とする。
【0029】(実施例1の作用)本発明の液体封入防振
マウントによれば、半径方向への強制力を伴う移動操作
を行わなくとも、本体部1と中間部2と蓋部3とを組み
上げ、かしめて止める過程において自然に仕切り壁23
と当接する立壁部313内周面との間に押圧を生じる。
したがって、両者はピッタリと密着して水密にオリフィ
ス流路300を仕切ることができる。
【0030】その結果、本発明の液体封入防振マウント
は、オリフィス流路300にダンピング性能を低下させ
る有害な漏れを生じること無く運用することができ、安
定した高いダンピング特性を発揮する。 (実施例2の構成)本発明の液体封入防振マウントは、
図8に示すように、大きく分けて本体部1と中間部5と
蓋部3とからなり、これら3部材が重ねられ周囲をかし
められて一体に組み立てられている。
【0031】(本体部)まず本体部1は、実施例1と同
様に、軸金具11と、一端に第1フランジ部121と第
1フランジ部121の外周端より立ち上がるシリンダ状
のかしめ壁122とをもつ第1外筒金具12と、軸金具
11と第1外筒金具12の間を連結する弾性部材13と
からなる。
【0032】実施例1と異なるのは、カップ状部材11
1の開口端にアタッチメントが無いので、後述の中間部
5の可動部52に直接接触して外力を伝達せず、カップ
状部材111の内部まで満たされたダンパー液4を介し
て外力が伝達されることである。 (中間部)次に中間部5は、図9および図10に示すよ
うに、仕切り金具51と、これを覆って接合された可動
部52を始めとする合成ゴム等の弾性体の部材とから構
成される。
【0033】この仕切り金具51は、鋼板プレス成形品
であって、第2フランジ部511と、その内周端に連接
しシリンダ状に本体部1側へ垂れ下がる円筒状の外周壁
513と、その端部に連接して内側へ広がる中間フラン
ジ514と、その内周端に連接し第2フランジ部511
を超えてシリンダ状に立ち上がる内壁部512とから一
体に構成される。
【0034】第2フランジ部511は、前述の本体部1
の第1フランジ部121に積層されて、かしめにより押
圧されて固定される。一方、中間フランジ514の周上
の一部には、略長方形の連通孔56が打ち抜かれてい
る。ここで、中間フランジ514を底として、内壁部5
12の途中までと外周壁513とで形成される断面略矩
形の溝には、連通孔56の部分を除いて弾性体の充填部
材57が充填されている。
【0035】また、内壁部512で仕切り金具51の中
央に区画される孔は、弾性体よりなる可動部52によっ
て水密に塞がれている。そして、前述の本体部1の第1
フランジ部121と背向する第2フランジ部511の背
向面と、これに連なる充填部材57の表面と、第2フラ
ンジ部511から突き出した内壁部512の外周面と
で、図8に示すように蓋部3との間にオリフィス流路3
00の一部を形成する。
【0036】このオリフィス流路300は、内壁部51
2の開口端の縁を円筒状に覆う弾性体の仕切り堤54に
よって、中間部5と蓋部3との間を水密に仕切られて形
成されている。ただし、この仕切り堤54には周上の一
角に切り欠きがあって、もう一つの連通孔55を形成し
ている。さらに、この中間部5は、第2フランジ部51
1の背向面の内縁から充填部材57の表面および内壁部
512の外周面の一部に設けられた、弾性体よりなるオ
リフィス流路300を仕切る仕切り壁53を有する。こ
の仕切り壁53は、図9および図10に示すように、可
動部52から連続する弾性体で形成された部材で、後述
の蓋部3の内周面に沿って先端方向にテーパした形状を
もつブロックである。この仕切り壁53を挟んで周方向
の一方に連通孔56が設けられ、他の一方にもう一つの
連通孔55が設けられて、オリフィス流路300の両端
を形成している。
【0037】以上のような可動部52、仕切り壁53、
連通孔55を有する仕切り堤54、および充填部材57
は、合成ゴム等の弾性材料で一体的に構成され、仕切り
金具51上に水密に接合して成形される。ここで、仕切
り壁53に隔てられた両側のオリフィス流路300に
は、一対の連通孔55,56が設けられて、それぞれ後
述の第2液室200と第1液室100とに連通してい
る。
【0038】このような中間部5と本体部1との間の空
間には、図8に示すように、第1液室100が形成され
ている。ここで、中間部5の内壁部512と中間フラン
ジ514とがなす縁が、弾性部材13の外周面の中程に
接触するので、第1液室100は外周部101と内周部
102とに分割される。そして、振動成分を含む外力が
働くと、上記の接触面に狭い隙間をできて、第1液室1
00の外周部101と内周部102との間にダンパー液
4の流れが生じ、ここでも振動のダンピング効果を生じ
る。
【0039】(蓋部)そして蓋部3は、実施例1と同様
で再び図8に示すように、第2外筒金具31とダイヤフ
ラム32とから構成される。すなわち第2外筒金具31
は、第2フランジ部511に積層されかしめにより押圧
される第3フランジ部311と、内壁部512の端面に
設けられた仕切り堤54と当接し、中間部5との間に形
成される第2液室200とオリフィス流路300とを分
ける第4フランジ部312と、第3フランジ部311と
第4フランジ部312とを連接する立壁部313とから
なる。
【0040】一方、ダイヤフラム32は、第4フランジ
部312に設けられて、その開口部を覆う。 (実施例2の特徴)このように、第1液室100と第2
液室200と両液室に両連通孔56,55を介して通じ
るオリフィス流路300とを満たすダンパー液4を持つ
液体封入防振マウントにおいて、本発明は次のような特
徴を持っている。
【0041】すなわち本発明の特徴は、第2外筒金具3
1の立壁部313は、第3フランジ部311から第4フ
ランジ部312に近づくにつれ径が小さくなるロート状
となり、かつ中間部5の前記仕切り壁53の立壁部31
3と当接する面は、立壁部313内周面より寸法大なる
傾斜面となっていることである。したがって、本発明の
液体封入防振マウントは、本体部1のかしめ壁122を
内側にかしめて、本体部1の第1フランジ部121とか
しめ壁122との間に中間部5の第2フランジ部511
と蓋部3の第3フランジ部311を挟持する際、蓋部3
の立壁部313で仕切り壁53を軸方向および半径方向
に押圧することにより、仕切り壁53でオリフィス流路
300を確実に仕切るように構成したことを特徴とす
る。
【0042】(実施例2の作用)本発明の液体封入防振
マウントによれば、半径方向への強制力を伴う移動操作
を行わなくとも、本体部1と中間部5と蓋部3とを組み
上げ、かしめて止める過程において自然に仕切り壁53
と当接する立壁部313内周面との間に押圧を生じる。
したがって、両者はピッタリと密着して水密にオリフィ
ス流路300を仕切ることができる。
【0043】その結果、本発明の液体封入防振マウント
は、オリフィス流路300にダンピング性能を低下させ
る有害な漏れを生じること無く運用することができ、安
定した高いダンピング特性を発揮する。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の液体封入防
振マウントによれば、仕切り壁の外周面が傾斜してお
り、これに当接する蓋部の内周面とがロート状に成形さ
れているので、組み立ての過程で自然に押圧力を生じ、
十分なシール性を発揮する。その結果、オリフィス流路
に短絡を生じなくなり、液体封入防振マウントのダンピ
ング性能の劣化を防ぐことができる。
【0045】あわせて、組み立ての過程で自然に押圧力
が生じるので、組み立てに際して予め押圧力を付与して
おく必要がなくなり、組み立て作業が容易になるという
利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の液体封入防振マウントの断
面図
【図2】本体部の断面図
【図3】図2中のIII部拡大端面図
【図4】中間部の平面図
【図5】図4中のV−V断面図
【図6】蓋部の断面図
【図7】図6中のVII部拡大端面図
【図8】本発明の実施例2の液体封入防振マウントの断
面図
【図9】中間部の平面図
【図10】図9中のX−X断面図
【図11】従来技術の液体封入防振マウントの断面図
【図12】仕切り金具の斜視図
【図13】要部断面図
【符号の説明】
1 本体部 11 軸金具 12 第1外筒金具 121 第1フランジ部 122 かしめ壁 13
弾性部材 2,5 中間部 21,51 仕切り金具 211,511 第2フランジ部 212,512
内壁部 22,52 可動部 23,53 仕切り壁 25,26,55,56 連通孔 3 蓋部 31
第2外筒金具 311 第3フランジ部 312 第4フランジ部 313 立壁部 32 ダイヤフラム 4 ダンパ
ー液 100 第1液室 200 第2液室 300 オ
リフィス流路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸金具と、一端に第1フランジ部と該第
    1フランジ部の外周端より立ち上がるシリンダ状のかし
    め壁とをもつ第1外筒金具と、該軸金具と該第1外筒金
    具間を連結する弾性部材とからなる本体部と、 該第1フランジ部に積層されかしめにより押圧される第
    2フランジ部と、該第2フランジ部の内周端に連接しシ
    リンダ状に立ち上がる内壁部とをもつ仕切り金具と、該
    内壁部で区画される孔を塞ぐ弾性体よりなる可動部と、
    該第1フランジ部と背向する該第2フランジ部の背向面
    とこれに連なる該内壁部の外周面とでオリフィス流路の
    一部を形成するとともに、該第2フランジ部の背向面と
    該内壁部の外周面の一部に設けられた弾性体よりなる該
    オリフィス流路を仕切る仕切り壁と、該仕切り壁に隔て
    られた両側の該オリフィス流路に設けられた一対の連通
    孔とからなり、該本体部との間で第1液室を形成する中
    間部と、 該第2フランジ部に積層されかしめにより押圧される第
    3フランジ部と、該内壁部の端面と当接し、該中間部と
    の間に形成される第2液室と該オリフィス流路とを分け
    る第4フランジ部と、該第3フランジ部と該第4フラン
    ジ部を連接する立壁部とからなる第2外筒金具と、該第
    4フランジ部に設けられたダイヤフラムとからなる蓋部
    とを有し、 該第1液室と該第2液室と該両液室に該両連通孔を介し
    て通じる該オリフィス流路とを満たすダンパー液を持つ
    液体封入防振マウントにおいて、 前記第2外筒金具の立壁部は、前記第3フランジ部から
    前記第4フランジ部に近づくにつれ径が小さくなるロー
    ト状となり、かつ前記中間部の前記仕切り壁の該立壁部
    と当接する面は、該立壁部内周面より寸法大なる傾斜面
    となり、 前記本体部のかしめ壁を内側にかしめて、該本体部の前
    記第1フランジ部と該かしめ壁との間に前記中間部の前
    記第2フランジと前記蓋部の前記第3フランジ部を挟持
    する際、前記蓋部の前記立壁部で前記仕切り壁を軸方向
    および半径方向に押圧することにより、前記仕切り壁で
    前記オリフィス流路を確実に仕切るように構成したこと
    を特徴とする液体封入防振マウント。
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