JP3265256B2 - 組立て型化粧パネル及びその製造方法 - Google Patents

組立て型化粧パネル及びその製造方法

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JP3265256B2
JP3265256B2 JP03131298A JP3131298A JP3265256B2 JP 3265256 B2 JP3265256 B2 JP 3265256B2 JP 03131298 A JP03131298 A JP 03131298A JP 3131298 A JP3131298 A JP 3131298A JP 3265256 B2 JP3265256 B2 JP 3265256B2
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友彦 安田
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Shinko Kasei Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は組立て型化粧パネル
及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、ポリプロピレン系樹脂製基材シートを用いた積層構
造のパネルであって、高級感を与える優れた外観を有す
る上、複数のパネルを用いて施工しても、1枚の大きな
化粧板を用いて施工した印象を与え、それ自体が表面化
粧板のパーツとして用いられる組立て型化粧パネル、及
びこのものを効率よく製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、家具や台所製品、電気製品のキャ
ビネットなどの表面化粧板としては、一般に木質系材
料、無機系材料、鋼板などの金属系材料などの被貼合わ
せ材に、例えば木目調柄などを印刷した化粧シートを接
着剤で貼り合わせた構造のものが用いられている。この
ようにして得られた表面化粧板は、さらにVカット加工
などの折り曲げ可能な加工を施し、組み立てて、家具や
台所製品、電気製品のキャビネットなどの表面に装着さ
れている。このような表面化粧板に使用される化粧シー
トとしては、これまで、適度の柔軟性を有し、Vカット
加工性やラッピング加工性などの加工性が良いことか
ら、一般に塩化ビニル系樹脂製シートが用いられてき
た。しかしながら、この塩化ビニル系樹脂製シートは、
耐久性(摩耗、傷付き、窪みなどに対する耐性)や清掃
性(易掃除性、ワックス塗布性、防汚性、防菌性)が悪
く、かつ焼却時に有害な塩素やダイオキシンを発生する
ため、環境汚染の面で問題を有する上、その中に含まれ
ている可塑剤がブリードしやすく、外観不良を引き起こ
すなどの問題も有していた。また、このような化粧シー
トは、木質系材料などの被貼合わせ材に、接着剤を用い
て貼り合わせて表面化粧板としているため、貼合わせに
手間がかかるという問題があった。したがって、塩化ビ
ニル系樹脂を使用しないで、Vカット加工性などの加工
性が良好であって、しかも耐久性や清掃性に優れる上、
被貼合わせ材に貼り合わせる必要がなく、それ自体が表
面化粧板として使用される化粧パネルが要望されてい
た。一方、近年、消費者の高級品指向により、家具や台
所製品、電気製品のキャビネットなどに対しても、高級
感が求められるようになり、したがってそれらに用いら
れる化粧板においても、高級感を与える外観を有するも
のが望まれている。このような高級感を与える外観とし
ては、例えば複数の木目調化粧パネルを組み立てて、キ
ャビネットなどの表面に装着した場合、継目が見えず、
1枚の大きな天然木質材料を用いて装着しているような
印象を与える外観などが挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、Vカット加工性などの切削加工性が良好
であって、耐久性や清掃性に優れ、かつ高級感を与える
優れた外観を有する上、複数のパネルを用いて施工して
も、1枚の大きな化粧板を用いて施工した印象を与え、
しかも焼却時に塩素ガスなどが発生しないため、廃棄の
問題がなく、それ自体が表面化粧板として、家具や台所
製品、電気製品のキャビネットなどに好適に用いられる
化粧パネルを提供することを目的としてなされたもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の優
れた性質を有する化粧パネルを開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、無機フィラー、好ましくは炭酸カルシウムを
特定の割合で含有するポリプロピレン系樹脂製基材シー
トの片面に、絵柄層、透明プラスチックフィルム層及び
場合によりクリアコート層が順次積層された板状積層体
であって、この積層体の対向する平行な両側面の一方の
側面に、切削加工により設けられた凸条部を有するとと
もに、他方の側面の同じ位置に、該凸条部が嵌合する形
状の切削加工により設けられた凹条溝を有する組立て型
化粧パネルが、その目的に適合しうることを見出し、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、 (1)平均粒径0.05〜20μmの炭酸カルシウムフ
ィラー30〜80重量%を含有する押出成形によって得
られた厚さ1〜10mmのポリプロピレン系樹脂製基材シ
ートの片面に、絵柄層及び透明プラスチックフィルム層
が順次積層された構造体から切り出された積層体であっ
て、該積層体は対向する平行な両側面を少なくとも一組
有し、上記積層体における対向する両側面の一方の側面
に、部分的又は全長にわたって切削加工により設けられ
た凸条部を有するとともに、他方の側面の同じ位置に、
該凸条部が嵌合する形状の切削加工により設けられた凹
条溝を有することを特徴とする組立て型化粧パネル、 (2)平均粒径0.05〜20μmの炭酸カルシウムフ
ィラー30〜80重量%を含有する押出成形によって得
られた厚さ1〜10mmのポリプロピレン系樹脂製基材シ
ートの片面に、絵柄層、透明プラスチックフィルム層及
びクリアコート層が順次積層された構造体から切り出さ
れた積層体であって、該積層体は対向する平行な両側面
を少なくとも一組有し、上記積層体における対向する両
側面の一方の側面に、部分的又は全長にわたって切削加
工により設けられた凸条部を有するとともに、他方の側
面の同じ位置に、該凸条部が嵌合する形状の切削加工に
より設けられた凹条溝を有することを特徴とする組立て
型化粧パネル、 (3)平均粒径0.05〜20μmの炭酸カルシウムフ
ィラー30〜80重量%を含有するポリプロピレン系樹
脂組成物を押出成形して得られた厚さ1〜10mmの基材
シートの片面に、裏面に絵柄層が印刷された透明プラス
チックフィルムを、該絵柄層と基材シートを対面させて
接着させた積層体を得たのち、該積層体から対向する平
行な両側面を少なくとも一組有する板状積層体単位を切
り出して作製し、次いで該板状積層体単位における対向
する両側面の一方の側面に、部分的又は全長にわたって
凸条部を切削加工により設けるとともに、他方の側面の
同じ位置に、該凸条部が嵌合する形状の凹条溝を切削加
工により設けることを特徴とする組立て型化粧パネルの
製造方法、及び (4)平均粒径0.05〜20μmの炭酸カルシウムフ
ィラー30〜80重量%を含有するポリプロピレン系樹
脂組成物を押出成形して得られた厚さ1〜10mmの基材
シートの片面に、裏面に絵柄層が印刷された透明プラス
チックフィルムを、該絵柄層と基材シートを対面させて
接着させ、さらにこの透明プラスチックフィルム層上に
クリアコート層を設けた積層体を得たのち、該積層体か
ら対向する平行な両側面を少なくとも一組有する板状積
層体単位を切り出して作製し、次いで該板状積層体単位
における対向する両側面の一方の側面に、部分的又は全
長にわたって凸条部を切削加工により設けるとともに、
他方の側面の同じ位置に、該凸条部が嵌合する形状の凹
条溝を切削加工により設けることを特徴とする組立て型
化粧パネルの製造方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の化粧パネルは、基材シー
トの片面に、絵柄層、透明プラスチックフィルム層及び
場合によりクリアコート層が順次積層された板状積層体
であって、上記基材シートとしては、無機フィラー30
〜80重量%を含有するポリプロピレン系樹脂製シート
が用いられる。この基材シートに用いられるポリプロピ
レン系樹脂としては特に制限はないが、例えば結晶性を
有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレ
ン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンランダム
共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチ
レン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロ
ピレンブロック共重合体、さらには前記プロピレンブロ
ック共重合体における各ホモ部又は共重合部が、さらに
ブテン−1などのα−オレフィンを共重合したものから
なる結晶性のプロピレン−エチレン−α−オレフィン共
重合体などが挙げられる。これらポリプロピレン系樹脂
のメルトインデックス(230℃、2.16kgfで測定)
としては特に制限はないが、好ましくは0.3〜13.0
g/10分であり、より好ましくは0.5〜8.0g/1
0分の範囲である。
【0006】このポリプロピレン系樹脂は1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、
上記結晶性ポリプロピレン系樹脂に、軟質ポリプロピレ
ン樹脂を適当な割合で配合して用いてもよい。一方、該
基材シートに用いられる無機フィラーとしては、例えば
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、カオリン、シリカ、パーライ
ト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、焼成アルミナ、ケ
イ酸カルシウム、タルク、マイカなどが挙げられ、これ
らは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。これらの無機フィラーの中で、切削性など
の点から、特に炭酸カルシウムが好適である。この炭酸
カルシウムとしては特に制限はなく、沈降製炭酸カルシ
ウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど、
いずれも用いることができる。この炭酸カルシウムの平
均粒径は、通常0.05〜20μm、好ましくは0.1
〜10μmの範囲である。この無機フィラーの含有量
は、本発明の化粧パネルでは、後述のように少なくとも
一組の対向する平行な両側面それぞれに、切削加工によ
り、凸条部及び凹条溝を設けるので、その切削加工性の
面から、重要である。この無機フィラーの含有量が30
重量%未満では切削性に劣り、側面に凸条部及び凹条溝
を良好に形設することができない上、Vカット加工性な
どの切削加工性に劣る。また、80重量%を超えるとシ
ート成形性及び耐衝撃性が低下する上、重量が重くな
る。切削性、シート成形性、耐衝撃性及び軽量性などを
考慮すると、この無機フィラーの好ましい含有量は40
〜70重量%の範囲であり、特に50〜60重量%の範
囲が好適である。
【0007】基材シートの対向する平行な両側面の一方
の側面に凸条部を設け、他方の側面に凹条構を設ける方
法としては、前記切削加工法以外に、ダイを用いる押出
成形法や金型を用いる射出成型法などがある。しかしな
がら、押出成形法においては、対向する平行な両側面を
二組以上を有し、その二組以上の両側面に、それぞれ凸
条部と凹条溝を形設しようとしても、不可能であるとい
う欠点を有している。一方、射出成形法においては、基
材シートの大きさが制限されるのを免れない上、金型に
煩雑な加工を施さねばならず、コストが高くつくなどの
欠点がある。これに対し、本発明では、凸条部及び凹条
溝を切削加工により、極めて容易に形設することがで
き、また、二組以上の対向する平行な両側面にも、凸条
部及び凹条溝を容易に形設することができる。この基材
シートには、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望
により、各種添加成分、例えば酸化防止剤、熱安定剤、
紫外線吸収剤、光安定剤、塩素捕捉剤、難燃剤、難燃助
剤、滑剤、プロセスオイル、離型剤、着色剤、さらには
他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどを適宜含
有させることができる。本発明においては、この基材シ
ートとして、意匠性を高めるために、その上に設けられ
る絵柄層の絵柄模様や色調に応じ、適当に着色を施した
ものを用いてもよいし、発泡させたものを用いてもよ
く、あるいはその両方を施したものを用いてもよい。こ
の基材シートの厚さは、少なくとも一組の両側面に凸条
部及び凹条溝を設け、本発明の化粧パネル自体が表面化
粧板のパーツとして用いられるので、ある程度の厚さが
必要であり、一般に1〜10mm、好ましくは3〜7mmの
範囲で選ばれる。本発明の化粧パネルにおいて、前記基
材シートの片面に設けられる絵柄層には、例えば木目、
石目、天然皮革の表面柄、布目、抽象柄などを表現する
印刷が付されており、これらの絵柄模様を設けるインキ
のバインダーとしては、特に制限はなく、例えばポリウ
レタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合
体樹脂/アクリル系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニト
ロセルロース系樹脂、アセチルセルロース系樹脂などの
中から任意のものが用いられる。また、該インキには、
顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤などが適宜混
合されている。この絵柄層の厚さは、通常1〜5μm程
度である。
【0008】本発明の化粧パネルにおいては、意匠性を
高める目的で、所望により、基材シートと絵柄層との間
に隠蔽層を設けることができる。この隠蔽層の形成に用
いられるインキとしては、バインダーに顔料、染料など
の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬
化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダ
ーとしては、上記絵柄層を設けるのに用いられるインキ
のバインダーとして例示したものと同じものを挙げるこ
とができる。この隠蔽層としては、厚さ1〜20μm程
度のベタ印刷層が好適である。本発明の化粧パネルにお
いて、前記絵柄層上に設けられる透明プラスチックフィ
ルム層としては特に制限はなく、例えばポリプロピレン
系樹脂やポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹
脂フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹
脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、アクリレー
ト系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹
脂フィルムなどが挙げられるが、これらの中で、絵柄層
が設けられた基材シートに対し、熱融着で容易に積層し
うる点から、ポリオレフィン系樹脂フィルムが好まし
い。この透明プラスチックフィルムには、耐候性を良好
なものとするために、所望により、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、光安定剤などを含有させることができる。この
透明プラスチックフィルムの厚さとしては、一般に0.
03〜0.15mm程度が好ましい。また、このプラスチ
ックフィルム層の表面には、所望によりエンボス加工を
施したり、その凹部にワイピングインキなどを充填して
もよい。本発明の化粧パネルにおいては、前記透明プラ
スチックフィルム層上に、化粧パネルに耐摩耗性、耐候
性、耐傷付性、耐汚染性などを付与するために、所望に
より、クリアコート層を設けることができる。
【0009】このクリアコート層の形成に用いられる材
料としては、特に制限はなく、従来クリアコート層に慣
用されている樹脂、例えばアクリル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、紫外線硬化型樹脂などの中から、任意の樹脂
を選び用いることができる。このクリアコート層は、例
えば上記樹脂を塗布又は印刷などによりコーティングす
る方法によって設けることができる。クリアコート層の
厚さは、一般に10〜200μm程度である。このクリ
アコート層は、所望によりピンクやブルーなどに着色を
施してもよいし、また公知の各種抗菌剤を含有させるこ
とができる。抗菌剤を含有させることにより、カビなど
の微生物による汚染が防止される。本発明の組立て型化
粧パネルは、このような積層構造を有し、かつ対向する
平行な両側面を少なくとも一組有する板状積層体であっ
て、この積層体における対向する両側面の一方の側面
に、部分的又は全長にわたって凸条部を切削加工により
設けるとともに、他方の側面の同じ位置に、該凸条部が
嵌合する形状の凹条溝を切削加工により設けたものであ
る。このような構造のものにすることにより、複数の化
粧パネルを用い、それぞれ凸条部と凹条溝を嵌合させて
組み立てることによって、一見して継目のない1枚様の
大きな表面化粧板を作製することができる。この化粧パ
ネルの形状としては、対向する平行な両側面を少なくと
も一組有する板状のものであればよく、特に制限され
ず、任意の形状を採用することができる。このような形
状としては、例えば正方形板、長方形板、平行四辺形
板、正六角形板などが挙げられる。また、このような板
状積層体において、対向する平行な両側面を二組以上有
する場合、その一組に凸条部及び凹条溝を設けてもよい
し、二組以上に凸条部及び凹条溝を設けてもよい。さら
に、凸条部及び凹条溝は、側面の全長にわたって設けて
もよいし、部分的に設けてもよいが、重要なことは、対
向する側面の一方の側面に設けられた凸条部と、他方の
側面に設けられた凹条溝とが、緊密に嵌合するような位
置及び形に設けることである。凸条部の高さ及び凹条溝
の深さは特に制限はなく、パネルのサイズに応じて異な
るが、一般に1〜6mmの範囲である。
【0010】図1は、本発明の組立て型化粧パネルのそ
れぞれ異なった例の平面図である。図1(a)は、正方
形板であって、対向する側面の一組に、側面全長にわた
り凸条部1及び凹条溝1’が設けられた例を示す。
(b)は、長方形板であって、対向する側面の二組に、
側面の一部に凸条部1と凹条溝1’及び凸条部2と凹条
溝2’が設けられた例を示す。(c)は、平行四辺形板
であって、対向する側面の一組に、側面全長にわたり凸
条部1及び凹条溝1’が設けられた例を示す。(d)
は、正六角形板であって、対向する側面の三組に、側面
の一部に凸条部1と凹条溝1’、凸条部2と凹条溝2’
及び凸条部3と凹条溝3’が設けられた例を示す。図2
は、本発明の組立て型化粧パネルの1例の断面図であっ
て、基材シート4上に、絵柄層5、透明プラスチックフ
ィルム層6及びクリアコート層7が順次積層された構造
の板状積層体であって、その両側面の一方の側面に凸条
部1が設けられており、かつ他方の側面に該凸条部1が
嵌合しうる形状に凹条溝1’が設けられていることを示
している。次に、本発明の組立て型化粧パネルの製造方
法について説明する。該化粧パネルの製造方法として
は、前記構成の化粧パネルが得られる方法であればよ
く、特に制限されず、いかなる方法を用いてもよいが、
以下に示す本発明の方法に従えば、極めて効率よく、化
粧パネルを製造することができる。本発明の方法によれ
ば、基材シートの片面に、裏面に絵柄層が印刷された透
明プラスチックフィルムを、該絵柄層と基材シートを対
面させて接着させ、さらに場合によりこの透明プラスチ
ックフィルム層上にクリアコート層を設けたのち、対向
する平行な両側面を少なくとも一組有する板状積層体を
作製し、次いでこの積層体における対向する両側面の一
方の側面に、部分的又は全長にわたって凸条部を切削加
工により設けるとともに、他方の側面の同じ位置に、該
凸条部が嵌合する形状の凹条溝を切削加工により設ける
ことによって、組立て型化粧パネルが得られる。
【0011】本発明の方法においては、まず、ポリプロ
ピレン系樹脂組成物を用いて基材シートを成形する。こ
の基材シートの材料として用いられるポリプロピレン系
樹脂組成物は、前述したポリプロピレン系樹脂と、組成
物全量に基づき30〜80重量%の炭酸カルシウムなど
の無機フィラーと、所望により用いられる各種添加成分
とを配合し、タンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサ
ーなどで混合するか、又は混合後さらに単軸押出機や多
軸押出機を用いて溶融混練造粒するか、あるいはニーダ
ー、バンバリーミキサーなどで溶融混練造粒することに
より、調製される。次いで、この組成物を押出成形や射
出成形など、各種方法によって成形し、厚さ1〜10mm
程度の基材シートを作製する。次に、この基材シートの
片面に、裏面に絵柄層が印刷された厚さ0.03〜0.1
5mm程度の透明プラスチックフィルムを、該絵柄層と基
材シートを対面させて接着させ、基材シート上に絵柄層
を介して透明プラスチックフィルム層を有する積層体を
作製する。上記透明プラスチックフィルムとしては、前
記で例示したものが用いられ、また、耐候性を良好なも
のとするために、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤
などを含有するものが好適である。このフィルムは、裏
面に設けられる絵柄層及び場合により表面に設けられる
クリアコート層との密着性を良好なものとするために、
両面に対し、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理な
どの表面処理を施すことができる。絵柄層は、この透明
プラスチックフィルムの片面に、グラビア印刷、スクリ
ーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷などの一般的
な印刷を施すことにより設けることができる。この透明
プラスチックフィルムとしては、絵柄層を設ける側の反
対側表面に、所望によりエンボス加工を施したり、その
凹部にワイピングインキなどを充填したものを用いるこ
とができる。
【0012】この絵柄層を有する透明プラスチックフィ
ルムと基材シートとの接着方法としては、接着剤を用い
る方法及び熱融着による方法などがあるが、使用するフ
ィルムの材質に応じて、適宜選択すればよい。例えばフ
ィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムであれば、熱融
着法を用いるのが有利である。また、所望により、隠蔽
層を設ける場合は、基材シートの片面に、前記と同様の
印刷法により、隠蔽層を設け、この上に、裏面に絵柄層
を有する透明プラスチックフィルムを、該絵柄層と隠蔽
層を対面させ、接着させればよい。なお、本発明におい
ては、基材シートとして、比較的厚いものが使用される
ので、この基材シート上に絵柄層を介して透明プラスチ
ックフィルム層を設ける方法としては、前記したような
絵柄層を有する透明プラスチックフィルムを使用する方
法が好ましいが、以下に示すように、基材シートに絵柄
層を直接印刷し、その上に透明プラスチックフィルムを
積層する方法も用いることができる。すなわち、基材シ
ートの片面に、所望に応じ、印刷により隠蔽層を設け、
さらにその上に印刷により絵柄層を設けたのち、この絵
柄層上に、透明プラスチックフィルムを積層する。印刷
方法、透明プラスチックフィルムの積層方法及び透明プ
ラスチックフィルムについては、前記方法で説明したと
おりである。この透明プラスチックフィルムとしては、
絵柄層側とは反対の表面に、所望によりエンボス加工を
施したり、その凹部にワイピングインキなどを充填した
ものを用いることができる。次いで、このようにして絵
柄層の上に設けられた透明プラスチックフィルム層上
に、所望によりクリアコート層を10〜200μm程度
の厚さで設ける。このクリアコート層は、前記したよう
に、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、紫外線硬化
型樹脂などを、塗布又は印刷などによりコーティングす
ることによって形成させることができる。次に、このよ
うにして得られた積層体から、対向する平行な両側面を
少なくとも一組有する所望形状の板状積層体を切り出
す。この板状積層体の形状については、前記したとおり
である。この板状積層体における対向する両側面の一方
の側面に、切削加工により、部分的又は全長にわたっ
て、高さ1〜6mm程度の凸条部を設けるとともに、他方
の側面の同じ位置に、切削加工により、該凸条部が嵌合
する形状の凹条溝を設ける。なお、対向する平行な両側
面を二組以上有する積層体の場合には、前記したよう
に、その一組に凸条部及び凹条溝を部分的又は側面の全
長にわたって設けてもよいし、二組以上に凸条部及び凹
条溝を部分的又は側面の全長にわたって設けてもよい。
このようにして、組立て型化粧パネルを効率よく製造す
ることができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 (1)絵柄層を有するポリプロピレンフィルムの作製 厚さ60μmの未延伸透明ポリプロピレンフィルム[二
村化学工業社製、商品名:FHK2]の両面をコロナ処
理したのち、その片面に、オーク材の木目模様に類似す
る絵柄層を三色のインキを用いてグラビア輪転機にて印
刷し、絵柄層を有するポリプロピレンフィルムを作製し
た。 (2)基材シートの作製 ホモポリプロピレン[出光石油化学(株)製、商品名:E
−100G]45重量部、平均粒径1.0μmの炭酸カ
ルシウム粉末55重量部及びフェノール系酸化防止剤
0.2重量部をドライブレンドしたのち、二軸混練機に
て溶融混練し、ペレットを得た。次いで、このペレット
を用い、押出成形により、厚さ5mmの基材シートを作製
した。 (3)化粧パネルの作製 上記(2)で得られた基材シートの片面に、上記(1)
で得られた絵柄層を有するポリプロピレンフィルムを、
絵柄層と基材シートが対面するように重ね、170℃で
熱融着させ、貼り合わせた。次に、該ポリプロピレンフ
ィルム層上に、アクリル系樹脂[中国塗料(株)製、商品
名:オーレックス278]を塗布することにより、厚さ
50μmのクリアコート層を形成させた。この積層体か
ら、200×150mmの長方形板を切り出し、長手方向
両側面の一方の側面に、切削加工により、側面全長にわ
たって、高さ3mmの凸条部を設けるとともに、他方の側
面に、切削加工により、側面全長にわたって、該凸条部
が嵌合する形状の深さ3mmの凹条溝を設けた。この際、
凸条部及び凹条溝の切削加工は、極めて容易に、かつき
れいに行うことができた。このようにして作製した複数
の組立て型化粧パネルを用い、それぞれの凸条部と凹条
溝を嵌合させて組み立てたところ、継目が見えにくく、
一見大きな1枚の天然木質材料からなる高級化粧板の印
象を与えるものであった。
【0014】
【発明の効果】本発明の組立て型化粧パネルは、Vカッ
ト加工性などの切削加工性が良好であって、耐候性や耐
汚染性に優れ、かつ高級感を与える優れた外観を有する
上、複数のパネルを用いて施工しても、1枚の大きな化
粧板を用いて施工した印象を与え、しかも焼却時に塩素
ガスなどが発生しないため、廃棄の問題がなく、それ自
体が表面化粧板のパーツとして、家具や台所製品のキャ
ビネットなどに好適に用いられる。また、本発明の方法
によると、この組立て型化粧パネルを極めて効率よく製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の組立て型化粧パネルのそれぞ
れ異なった例の平面図である。
【図2】図2は、本発明の組立て型化粧パネルの1例の
断面図である。
【符号の説明】
1 凸条部 1’ 凹条溝 2 凸条部 2’ 凹条溝 3 凸条部 3’ 凹条溝 4 基材シート 5 絵柄層 6 透明プラスチックフィルム層 7 クリアコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−24529(JP,A) 特開 昭58−56851(JP,A) 特開 平9−300559(JP,A) 特開 平8−267682(JP,A) 特開 昭58−56851(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径0.05〜20μmの炭酸カルシ
    ウムフィラー30〜80重量%を含有する押出成形によ
    って得られた厚さ1〜10mmのポリプロピレン系樹脂製
    基材シートの片面に、絵柄層及び透明プラスチックフィ
    ルム層が順次積層された構造体から切り出された積層体
    であって、該積層体は対向する平行な両側面を少なくと
    も一組有し、上記積層体における対向する両側面の一方
    の側面に、部分的又は全長にわたって切削加工により設
    けられた凸条部を有するとともに、他方の側面の同じ位
    置に、該凸条部が嵌合する形状の切削加工により設けら
    れた凹条溝を有することを特徴とする組立て型化粧パネ
    ル。
  2. 【請求項2】平均粒径0.05〜20μmの炭酸カルシ
    ウムフィラー30〜80重量%を含有する押出成形によ
    って得られた厚さ1〜10mmのポリプロピレン系樹脂製
    基材シートの片面に、絵柄層、透明プラスチックフィル
    ム層及びクリアコート層が順次積層された構造体から切
    り出された積層体であって、該積層体は対向する平行な
    両側面を少なくとも一組有し、上記積層体における対向
    する両側面の一方の側面に、部分的又は全長にわたって
    切削加工により設けられた凸条部を有するとともに、他
    方の側面の同じ位置に、該凸条部が嵌合する形状の切削
    加工により設けられた凹条溝を有することを特徴とする
    組立て型化粧パネル。
  3. 【請求項3】平均粒径0.05〜20μmの炭酸カルシ
    ウムフィラー30〜80重量%を含有するポリプロピレ
    ン系樹脂組成物を押出成形して得られた厚さ1〜10mm
    の基材シートの片面に、裏面に絵柄層が印刷された透明
    プラスチックフィルムを、該絵柄層と基材シートを対面
    させて接着させた積層体を得たのち、該積層体から対向
    する平行な両側面を少なくとも一組有する板状積層体単
    位を切り出して作製し、次いで該板状積層体単位におけ
    る対向する両側面の一方の側面に、部分的又は全長にわ
    たって凸条部を切削加工により設けるとともに、他方の
    側面の同じ位置に、該凸条部が嵌合する形状の凹条溝を
    切削加工により設けることを特徴とする組立て型化粧パ
    ネルの製造方法。
  4. 【請求項4】平均粒径0.05〜20μmの炭酸カルシ
    ウムフィラー30〜80重量%を含有するポリプロピレ
    ン系樹脂組成物を押出成形して得られた厚さ1〜10mm
    の基材シートの片面に、裏面に絵柄層が印刷された透明
    プラスチックフィルムを、該絵柄層と基材シートを対面
    させて接着させ、さらにこの透明プラスチックフィルム
    層上にクリアコート層を設けた積層体を得たのち、該積
    層体から対向する平行な両側面を少なくとも一組有する
    板状積層体単位を切り出して作製し、次いで該板状積層
    体単位における対向する両側面の一方の側面に、部分的
    又は全長にわたって凸条部を切削加工により設けるとと
    もに、他方の側面の同じ位置に、該凸条部が嵌合する形
    状の凹条溝を切削加工により設けることを特徴とする組
    立て型化粧パネルの製造方法。
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