JP3853483B2 - ホルムアルデヒド捕捉化粧シート - Google Patents

ホルムアルデヒド捕捉化粧シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種家具類や建築内装材等に用いられる化粧シートに関するものであり、特に、オレフィン系材料を積層してなる化粧シートであって、基材等から発生するホルムアルデヒドの外部への放出を防止する化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の化粧シートとして、耐熱性の不足、可塑剤のブリード(滲みだし)、表面の耐汚染性の悪さという問題を解消するためポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系シートを使用したものがあり、上記欠点は改善し得るものの、化粧シートを貼り合わせる基材の中には、ホルムアルデヒドを発生させる材料が用いられているものが多く、例えば、木材合板、木質繊維板、パーティクルボード等を形成するための接着剤、FRPを構成する樹脂、或いは、樹脂基材を構成する樹脂それ自体に尿素樹脂等のホルムアルデヒド発散性物質が用いられているものがあり、このような基材に化粧シートをそのまま貼り合わせると、ホルムアルデヒドが室内等に放出され、室内の衛生環境を損なうことになるという問題が解消されていないものであった。
【0003】
そこで、これらの基材については酢酸ビニル系樹脂等のホルムアルデヒドを含まない樹脂を使用したり、樹脂の中に有機アミノ化合物からなるホルムアルデヒド捕捉剤を添加するなどの対策が採られているが、ホルムアルデヒドを含まない樹脂は接着力が弱いため、合板の場合には層間の接着力が不十分になる(特に初期接着力が弱い)という問題点があり、パーティクルボード、木質繊維板、FRPの場合には強度等の物性が変わってしまうという問題があり、ホルムアルデヒド捕捉剤を接着剤に添加して使用すると、価格が高くなる上に、出来上がったものの物性が変わる恐れがあるという問題点があった。また、基材に化粧シートを貼着する接着剤として尿素系等の接着剤を用いた場合に、その接着剤からもホルムアルデヒドが放出される恐れがあるという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、耐熱性、耐汚染性等の物性に優れ、接着剤により結合される基材、または、基材との接着に尿素系等の接着剤を使用するものに対して、有害なホルムアルデヒドの捕捉機能を持つ化粧シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の解決手段は、オレフィン系樹脂からなる基体シートの一方の面に装飾処理層、表面保護層が設けられた積層体において、前記積層体の表面及び/又は裏面にホルムアルデヒド捕捉層が設けられていることを特徴とするホルムアルデヒド捕捉化粧シートとすることである。
このような構成とすることにより、基体シートに可塑剤を用いることなく柔軟性を付与することができるので、可塑剤の滲みだしによる耐汚染性が悪化することもなく、また、基材の結合、あるいは基材に化粧シートを貼着するために使用する接着剤や天井材、壁面材、床材等主に本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シートを貼着した以外の内装材から発生するホルムアルデヒドが積層体の表面及び/又は裏面に設けたホルムアルデヒド捕捉剤を含有するホルムアルデヒド捕捉層によって捕捉、吸着されるためホルムアルデヒドによる刺激臭がすることの非常にすくなくなるものである。
【0006】
また、積層体の裏面側最表面にプライマー層が設けられていることを特徴とするするものである。こうすることによって、化粧シートを貼着する基材との接着力をより強力なものにすることができると共に、貼合せ作業が容易になり、接着性に優れたホルムアルデヒドの放出のない化粧板となる。
【0007】
また、基体シートが高密度ポリエチレンと熱可塑性エラストマーと無機充填剤を含有するオレフィン系樹脂シートからなることを特徴とするものである。こうすることによって、、耐衝撃性、曲げ加工性に優れるため、Vカット加工や絞り加工に適した化粧シートとなり、また、熱寸法安定性、印刷適性に優れるため意匠性に優れたホルムアルデヒド捕捉化粧シートとなる。
【0008】
また、表面保護層を形成する樹脂がアクリル系樹脂、あるいはオレフィン系樹脂よりなることを特徴とするものである。そうすることにより、耐侯性、耐汚染性、耐溶剤性等の物性に優れたホルムアルデヒド捕捉化粧シートとなる。
【0009】
また、基体シート及び表面保護層が共にポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマーからなることを特徴とするものである。そうすることにより、耐熱性、耐衝撃性、曲げ加工性、低温加工性等の加工適性に優れたホルムアルデヒド捕捉化粧シートとなる。
【0010】
さらに、表面保護層がシート状であることを特徴とするものである。そうすることにより、表面保護層を形成する作業が容易となり、生産性に優れるものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シートの実施例の積層構成を示す断面図、図2は本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シートの他の実施例の積層構成を示す断面図であり、1、10はホルムアルデヒド捕捉化粧シート、2は基体シート、3は装飾処理層、3aはベタインキ層、3bは絵柄インキ層、4は表面保護層、5はホルムアルデヒド捕捉層、6はプライマー層をそれぞれ表している。
【0012】
本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シート1の構成は図1に示すように、基体シート2の上面にベタインキ層3aと絵柄インキ層3bからなる装飾処理層3を設け、その上から表面保護層4を積層した積層体の前記基体シート2の下面(積層体の裏面)にホルムアルデヒド捕捉層5とプライマー層6を積層した構成からなるものであり、基材の結合、あるいは基材に化粧シートを貼着するために使用する接着剤から発生するホルムアルデヒドは、基材の表面側からは積層体を構成するオレフィン系樹脂よりなる基体シート2および表面保護層4によって放出を遮断されるため、基体シート2の下面に設けたホルムアルデヒド捕捉層5に含有されるホルムアルデヒド捕捉剤によって捕捉・吸着されやすくなり、よってホルムアルデヒドによる刺激臭がすることの非常に少なくなるものである。
【0013】
また、図2は本発明の他の実施例であるホルムアルデヒド捕捉化粧シート10の構成を示すもので、基体シート2の上面にベタインキ層3aと絵柄インキ層3bからなる装飾処理層3、表面保護層4を設け、その上からホルムアルデヒド捕捉層5を積層した積層体の前記基体シート2の下面(積層体の裏面)にホルムアルデヒド捕捉層5とプライマー層6が設けられたものを示している。基体シート2と表面保護層4を積層した積層体はホルムアルデヒドを透過させにくい性能を有しているため、基体シート2の下面(積層体の裏面)に設けたホルムアルデヒド捕捉層5が基材の結合、あるいは基材への化粧シートの貼着のために使用する接着剤から発生するホルムアルデヒドを捕捉、吸着し空気中への放出を防止し、また、表面保護層4の上面(積層体の表面)に設けたホルムアルデヒド捕捉層5により天井材、壁面材、床材等主に本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シート10を貼着した以外の部材から放出された空気中のホルムアルデヒドを捕捉、吸着するため室内環境を常に衛生環境の良い状態にすることができるものである。また、ここでは図示していないが、表面保護層4の上面(積層体の表面)にのみ形成したものも勿論良いものである。
【0014】
本発明に使用する基体シート2はオレフィン系樹脂よりなる。オレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン/ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ブテン−1/プロピレン/エチレン三元共重合体、ブテン−1/ヘキセン−1/オクテン−1三元共重合体、ポリメチルペンテン、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また、特開平6−16832号公報、特公平6−23278号公報、特公昭53−21021号公報、特公昭53−34210号公報、特公昭56−15741号公報、特開平2−139232号公報等に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー等や、これらの熱可塑性エラストマーを上記ポリオレフィン系樹脂に混合したもの等も用いることができる。なかでも、高密度ポリエチレンに上記熱可塑性エラストマーを混合したものが好ましい。高密度ポリエチレンとは、比重が0.94〜0.96のポリエチレンで、低圧法で得られる、結晶化度が高く分子の枝分かれ構造の少ないポリエチレンである。
【0015】
上記熱可塑性エラストマーとして、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム等も用いることができるが、これらのうち水素添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を添加させてなるもので、高密度ポリエチレンの結晶化を抑え、柔軟性、透明性を向上させる役割がある。一般にオレフィン系樹脂にジエン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合のため、耐侯性、耐熱性はジエン系ゴム無添加のオレフィン系樹脂より低下するが、ジエン系ゴムの二重結合を水素で飽和させることにより、オレフィン系樹脂の耐侯性、耐熱性に低下をきたすおそれがなくなる。
上記ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等がある。本発明の目的からは特にスチレン・ブタジエンゴムが好ましい。
【0016】
更に、Vカット加工時の化粧シートの耐亀裂・耐破断性を向上するためには、基体シート2を構成する樹脂中には充填剤が含有されていることが好ましい。充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の粉末が用いられる。特に基体シート2が高密度ポリエチレンと熱可塑性エラストマーと無機充填剤とからなる場合は、充填剤は高密度ポリエチレンと熱可塑性エラストマーと無機充填剤の混合物に対し、5〜60重量%、特に30重量%程度が好ましい。また前記熱可塑性エラストマーは、充填剤との合計で70重量%以下となるようにすることが好ましい。
【0017】
基体シート2に付される装飾処理層3は全面ベタ刷りのベタインキ層3aと例えば、木目、石目、天然皮革の表面柄、布目、抽象柄等を表現する絵柄インキ層3bが付されており、インキのビヒクルとしては公知のものが使用でき、例えばアクリル系、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、セルロース系樹脂等の樹脂系からなる単体又は複数の混合体に必要に応じて、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤等を適宜混合したものを用いることが出来る。
【0018】
本発明に用いられる表面保護層4は、アクリル系樹脂や、またはオレフィン系樹脂又はそれらからなるシートであり、アクリル系樹脂としては、例えばブチルアクリレート及び/又はブチルメタクリレートと、メチルアクリレート及び/又はメチルメタクリレートとのグラフト共重合体等のアクリル系熱可塑性エラストマーが挙げられるがブチルアクリレートとメチルアクリレートとのグラフト共重合体がより好ましい。このアクリル系熱可塑性エラストマーは、ゴム弾性乃至非晶質性を有する軟質ソフトセグメント部分と結晶性乃至は熱可塑性を有するハードセグメント部分とを有するものと考えられる。アクリル系熱可塑性エラストマーがブチルアクリレート及び/又はブチルメタクリレートと、メチルアクリレート及び/又はメチルメタクリレートとのグラフト共重合体の場合、ブチルアクリレート及び/又はブチルメタクリレートの共重合比の高い分子の集合域や、側鎖の数が多い分子の集合域乃至は分子量の高い分子の集合域、或いはブチルアクリレート及び/又はブチルメタクリレートの部分がソフトセグメント部分を形成していると考えられる。一方、メチルアクリレート及び/又はメチルメタクリレートの共重合比の高い分子の集合域や、側鎖の数の少ない分子の集合域乃至は分子量の低い分子の集合域、或いはメチルアクリレート及び/又はメチルメタクリレートの部分がハードセグメント部分を形成していると考えられる。アクリル系熱可塑性エラストマー中に、可塑剤を添加すると更に効果的である。可塑剤としては、高分子量ポリエチレングリコール等が挙げられる。アクリル系熱可塑性エラストマーからなる表面保護層4は、一般に厚い方が好ましいが、磨耗性、化粧シートの柔軟性、コスト等を考慮すると25〜100μm程度が好ましいものである。
【0019】
また、オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン/ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ブテン−1/プロピレン/エチレン三元共重合体、ブテン−1/ヘキセン−1/オクテン−1三元共重合体、ポリメチルペンテン、特公平6−23278号公報、或いは、特開平6−16832号公報記載のオレフィン系エラストマー等が使用できる。これらの樹脂は単独でも2種以上混合してもよい。厚さは50〜500μm程度で、シートの場合は、延伸シート、未延伸シートのいずれも使用可能であるが、Vカット加工等の成形適性上は未延伸シートの方が良好である。
【0020】
さらに、本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シート1、10を形成する基体シート2及び表面保護層4が共にポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマーよりなる場合、特にポリプロピレンのホモポリマー、ランダム重合ポリマー、ブロック重合ポリマーに、軟質成分として低密度ポリエチレン、αオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム等のいずれか、もしくは混合物を混合して添加した樹脂からなるものが使用できる。前記ポリプロピレンのポリマーの種類は、得られるシートに耐熱性、硬度等を要求する場合はホモポリマーを、耐衝撃性を要求する場合はブロックポリマーを、また耐衝撃性、低温加工性、透明性を要求する場合はランダムポリマーを適宜選択すれば良い。
【0021】
表面保護層4の表面には、図示してないが、高意匠特性を付与するために凸部を有するエンボス版で凹凸模様を設けてもよいものであり、凹凸模様としては、例えば木目板導管溝、布目、石目、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。更に、該凹凸模様の凹部にワイピング法により、着色層を形成してもよいものである。また、表面保護層4の形成を溶融樹脂の溶融押出しにより行ってもよいものである。ここで押し出した溶融樹脂は冷却ロールにより冷却固化され、冷却ロールにエンボス模様を施したロールを使用すれば、任意のエンボスを得ることも可能である。このようにして得られたエンボスは、従来塩化ビニル樹脂シートの化粧シートで行われる加熱ダブリングエンボスのように機械的にエンボスを施しているのではなく、溶融している樹脂を型に入れて固化させている状態なので、例えばホログラムに用いられるような非常に微細なエンボスも問題なく入り、エンボス加工後のエンボスの耐熱性も良好なものが得られる。
【0022】
次に、ホルムアルデヒド捕捉層5は硝化綿/アルキッド系、セルロース系、塩化ビニル系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、アクリル系、エステル系、ウレタン系等の溶剤タイプやエマルジョンタイプのビヒクルにホルムアルデヒド捕捉作用のある物質と添加剤等を任意に加えて混練りした塗工液を基体シート2、あるいは表面保護層4に塗布することにより形成することができる。ホルムアルデヒド捕捉作用のある代表的な物質は有機アミノ化合物であり、この化合物はホルムアルデヒドと容易に反応し、その生成物がホルムアルデヒドを解離せず、無害で安定な物質であって、例えば、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、5−ヒドロキシプロピレン尿素、5−メトキシプロピレン尿素、5−メチルプロピレン尿素、パラバン酸(グリオキザールモノウレイン)、4,5−ジメトキシエチレン尿素、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ジシアンジアミド、2−ヒドラゾベンゾチアゾールもしくはその誘導体、等のアミン類、アミド類、イミド類などが挙げられる。また、必要に応じて水酸化アンモニウムを添加してもよい。さらに、前記ホルムアルデヒド捕捉物質をシリカ、タルク、クレー、活性炭、ゼオライト、セピオライト等の無機質系粉末に担持させたものであってもよい。また、ホルムアルデヒド捕捉層5の形成は、前記有機アミン化合物からなるホルムアルデヒド捕捉剤を混練した塗工液を周知のロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法等で容易に形成することができる。
【0023】
本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シートにおいては、基体シート2の下面(積層体の裏面)に設けられたホルムアルデヒド捕捉層5の面にプライマー層6を設けることが化粧板基材との接着力を強固にするためには好ましいものであり、プライマー層6の形成には、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等の樹脂が使用される。また、図示してはいないが、前記プライマー層6にホルムアルデヒド捕捉剤を混練し、塗工することによってホルムアルデヒド捕捉機能と基材への接着機能を共に有するものとすることも可能である。さらに、貼合せる基材や使用する接着剤によってはプライマー層を設けることなく、通常のコロナ処理にて対応可能なものも考えうるものである。
【0024】
本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シートを貼合させる基材としては、ホルムアルデヒド発散性樹脂を層間の接着剤として用いた木材合板(所謂集成材も含む)、ホルムアルデヒド発散性樹脂をバインダーとするパーティクルボード又は木質繊維板(MDF等)等があり、その他に、本発明においてはホルムアルデヒド発散性樹脂単体、ホルムアルデヒド発散性樹脂を繊維質材料と混練又は含浸して複合化したもの(広義のFRP)等も用いることができる。
【0025】
また、これら各種基材への貼合せ方法としては、例えば接着剤を間に介して板状基材に加圧ローラーで加圧して積層する方法、成形基材の表面と化粧シートとを、間に接着剤層を介して対向乃至は載置し、成形基材側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを成形基材表面に積層する所謂真空プレス積層法、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層していく、いわゆるラッピング加工方法等がある。なお、本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シートは木質系基材の一方の表面のみに貼っただけでも効果を奏するが、より大きな効果を上げるためには木質系基材の表裏両面に貼るのが好ましい。
【0026】
そして、これら表面に化粧が施された被着体は、壁面、床、天井等の建築物内装用装飾材、窓枠、扉、手摺り等の建具類の表面装飾材、箪笥等の家具の表面装飾材等に用いられる。その場合必要に応じて、化粧シートの最表面に抗菌剤や防カビ剤等を本化粧材の基材以外の層に添加し、必要な性能を有するものとしても良いものである。また、窓枠、扉等の建具類の表面装飾材として耐侯性を要求される場合、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤や、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のセバケート系ラジカル捕捉剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等の光安定剤を表面保護層を形成する樹脂層に添加し必要な性能を有するものとしても良いものである。
【0027】
【実施例】
実施例1
厚さ100μmの両面易接着処理した着色ポリエチレン系エラストマーフイルムを使用し、その片面にグラビア印刷法によりウレタン系プライマーおよび塩酢ビ系柄用インキを使用して木目模様を印刷した。次いで、この上に厚さ75μmの透明アクリル系樹脂フイルムを積層し、160℃でエンボスロールを通すことによりエンボスとラミネートを同時に行いエンボス化粧シートを作製した。次いで前記で得られた化粧シートの着色ポリエチレン系エラストマーフイルムのもう一方の面にホルムアルデヒド捕捉層及び塩酢ビ系樹脂によるプライマー層を形成し、ホルムアルデヒド捕捉化粧シートを作製した。ホルムアルデヒド捕捉層の形成は、アミノ系ホルムアルデヒド捕捉剤を10重量%添加したアクリル樹脂系溶液をグラビアコーターにて3g/m2 (乾燥時)になるように塗工した。
【0028】
実施例2
ホルムアルデヒド捕捉シートの表面保護層として、厚さ80μmのポリオレフィン系樹脂フイルムを用いた以外実施例1と同様にしてホルムアルデヒド捕捉層を有する化粧シートを得た。
【0029】
実施例3
厚さ80μmの両面易接着処理した着色ポリプロピレン系樹脂フイルムを使用し、その片面にグラビア印刷法によりウレタン系プライマーおよび塩酢ビ系柄用インキを使用して木目模様を施した。次いで、木目模様印刷層の上から2液硬化型ウレタン樹脂接着剤を全面塗布して接着剤層を形成し、その接着剤層を介してポリプロピレン樹脂を使用し、これにベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.3重量%、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を0.3重量%添加したものを押出しラミネートすることで化粧シートを作製した。次いで前記で得られた化粧シートの着色ポリプロピレンフイルムのもう一方の面にホルムアルデヒド捕捉層及び塩酢ビ系樹脂によるプライマー層を形成し、ホルムアルデヒド捕捉化粧シートを作製した。ホルムアルデヒド捕捉層の形成は、アミノ系ホルムアルデヒド捕捉剤を10重量%添加したアクリル樹脂系溶液をグラビアコーターにて3g/m2 (乾燥時)になるように塗工した。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シートは、オレフィン系樹脂からなる基体シートの一方の面に装飾処理層、保護シートが設けられた積層体の表面及び/又は裏面にホルムアルデヒド捕捉層を形成したものであるから、基体シートに可塑剤を用いることなく柔軟性を付与することができるので、可塑剤の滲みだしによる耐汚染性が悪化することもなく、基材の結合あるいは基材への化粧シートの貼着に使用する接着剤から放出される人体に有毒なホルムアルデヒドを有効に捕捉することができると共に、天井材、壁面材、床材等の他の部材から放出されるホルムアルデヒドも有効に捕捉することができる。
【0031】
また、前記基体シートが高密度ポリエチレンと熱可塑性エラストマーと無機充填剤を含有するオレフィン系樹脂シートからなり、保護シートがアクリル系樹脂またはオレフィン系樹脂からなることにより、適度な柔軟性があり、ラッピング加工ないしVカット加工の2次加工にも適した化粧シートが得られ、また廃棄段階での燃焼時に発生する塩素ガスの問題を解決することができる。
【0032】
また、基体シート及び表面保護層を形成する樹脂を共にポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマーとすることで、耐熱性、耐衝撃性、低温加工性等の加工適性に優れたホルムアルデヒド捕捉化粧シートを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シートの実施例の積層構成を示す断面図である。
【図2】本発明のホルムアルデヒド捕捉化粧シートの他の実施例の積層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1、10、ホルムアルデヒド捕捉化粧シート
2 基体シート
3 装飾処理層
3a ベタインキ層
3b 絵柄インキ層
4 表面保護層
5 ホルムアルデヒド捕捉層
6 プライマー層

Claims (6)

  1. オレフィン系樹脂からなる基体シートの一方の面に装飾処理層、表面保護層が設けられた積層体において、前記積層体の表面及び/又は裏面にホルムアルデヒド捕捉層が設けられると共に前記積層体の裏面側最表面にプライマー層が設けられていることを特徴とするホルムアルデヒド捕捉化粧シート。
  2. 前記基体シートが高密度ポリエチレンと熱可塑性エラストマーと無機充填剤を含有するオレフィン系樹脂シートからなることを特徴とする請求項記載のホルムアルデヒド捕捉化粧シート。
  3. 前記表面保護層を形成する樹脂がアクリル系樹脂よりなることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のホルムアルデヒド捕捉化粧シート。
  4. 前記表面保護層を形成する樹脂がオレフィン系樹脂よりなることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のホルムアルデヒド捕捉化粧シート。
  5. 前記基体シート及び表面保護層が共にポリプロピレン系樹脂と熱可塑性エラストマーからなることを特徴とする請求項記載のホルムアルデヒド捕捉化粧シート。
  6. 前記表面保護層がシート状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のホルムアルデヒド捕捉化粧シート。
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