JP3264097B2 - 電気自動車の制動不良検出方法 - Google Patents

電気自動車の制動不良検出方法

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JP3264097B2
JP3264097B2 JP13414294A JP13414294A JP3264097B2 JP 3264097 B2 JP3264097 B2 JP 3264097B2 JP 13414294 A JP13414294 A JP 13414294A JP 13414294 A JP13414294 A JP 13414294A JP 3264097 B2 JP3264097 B2 JP 3264097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体圧(例えば油圧)
及び回生により制動される電気自動車に関し、特にその
制動不良検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両を制動する手段としては一般に油圧
制動が用いられている。制動する車両が電気自動車であ
る場合には、油圧制動に加え、走行用モータからバッテ
リ等へと電力を回生することにより制動を行う回生制動
も実行可能である。その際、エネルギの有効利用という
観点からは、回生制動を油圧制動に優先して使用するの
が好ましい。すなわち、回生制動を行うことによりバッ
テリに制動エネルギを回収することができるから、回生
優先の制動力配分を実現できれば、エネルギの有効利
用、ひいてはバッテリ1充電当り走行可能距離の延長の
面で好ましい。
【0003】回生優先の制動力配分としては、例えば図
5に示されるような配分を掲げることができる。この図
では、要求制動力(ブレーキペダルの踏込み量)が小さ
く回生制動力のみで賄える場合には回生制動力のみが使
用され、要求制動力が大きく実現可能な最大回生制動力
を越えている場合にはこの最大回生制動力に加え油圧制
動力が使用される。このような制動力配分を実現するこ
とにより、制動エネルギを効率的に回収できる。このよ
うな配分を実現するためには、回生制動力及び油圧制動
力を制御する手段が必要である。回生制動力の制御は、
電気自動車の走行用モータに対する電力供給の制御、例
えばバッテリとモータの間に介在するインバータを用い
た出力制御により実現できる。油圧制動力の制御は、油
圧伝達経路上に設けた弁の制御により実現できる。
【0004】しかし、回生制動や油圧制動(より一般的
には流体圧制動)に関連する電気・電子回路又は機構に
故障、摩耗等が生じると、要求制動力を実現困難にな
る。このような状態、すなわち制動力が要求制動力に満
たない制動不良状態が発生した場合には、操縦者等に報
知する等、必要な処理を施す必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】制動不良状態は、例え
ば流体圧制動機構の故障等に起因して発生することがあ
る。このような原因による制動不良状態は、流体圧伝達
経路上の流体圧を検出し、流体圧の制御目標値と比較す
ることにより検出できる。しかし、流体圧の検出手段、
例えば油圧センサは、温度等により検出値が変化するた
め、一般に精度が良くない。また、比較的精度を良くし
た油圧センサを必要な箇所に必要な個数設けることは、
コストアップにつながる。
【0006】また、制動不良状態は、例えば回生制動系
統と流体圧制動系統の間の通信に起因して発生すること
がある。例えば、制動が要求された場合に必要な回生制
動力(指令値)を流体圧制動系統にて決定し、回生制動
系統側ではこの指令値に応じて回生制動制御を実行し実
現した回生制動力(リターン値)を流体圧制動系統に引
き渡し、流体圧制動系統ではリターン値に基づき必要な
流体圧制動力を決定して流体圧制動力制御を行うシステ
ム構成を考える。このシステムにおいて、実現した回生
制動力より大きな値が、回生制動系統から流体圧制動系
統に対しリターン値として送信されると、流体圧制動力
は真に必要な流体圧制動力より小さな流体圧制動力を発
生させる。この場合、回生、流体圧合計での制動力は要
求制動力より小さな値となる。このような状態は、流体
圧の制御目標値自身が真に目標とすべき値より小さくな
っているため、油圧センサ等の流体圧検出手段を用いて
も知ることができない。
【0007】油圧センサを用いることなく制動不良状態
を検出する方法としては、巻き上げ装置の制動に関する
公知の方法がある(特開平4−361990号参照)。
この公知技術においては、制動開始から制動終了までの
移動距離、すなわち制動距離を基準値と比較し、制動力
の異常を検出している。しかし、この方法は、制動が終
了した後でなければ異常を検出できないという不具合を
有しており、電気自動車には適していない。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、流体圧制動力及び
回生制動力の合計を表す物理量に着目した制御を行うこ
とにより、油圧センサ等の流体圧検出手段を用いること
なくかつ制動終了まで待つことなく制動不良状態を検出
可能にすることを目的とする。本発明は、さらに、流体
圧制動と回生制動のいずれに不良状態が発生したかを識
別可能にすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の制動不良検出方法は、流体圧制動力
を車輪駆動系に作用させる流体圧制動手段、走行用モー
タにより回生制動力を発生させる回生制動手段、走行用
モータの回転数を示す信号を出力する回転数センサ並び
に要求制動力及び回転数センサからの信号に基づき流体
圧制動手段及び回生制動手段にそれぞれ指令を与えるこ
とにより流体圧制動力及び回生制動力の合計を要求制動
力に制御する制動制御手段を搭載する電気自動車におい
て、要求制動力が実制動力として作用すると仮定し、
転数センサによる検出対象となる物理量の変化量を予測
する第1のステップと、回転数センサからの信号に現れ
た変化を上記物理量の変化量として検出する第2のステ
ップと、予測した変化量に対し検出した変化量が不足し
ている場合に、流体圧制動力及び回生制動力の合計が要
求制動力に不足していると見なし制動不良状態として検
出する第3のステップと、有することを特徴とする。
【0010】本発明の制動不良検出方法は、さらに、制
動不良状態が検出された場合に、流体圧制動手段及び回
生制動手段のいずれかに対し流体圧制動力又は回生制動
力を微増させる旨の指令を与えた上で上記第1乃至第3
のステップを実行させる第4のステップと、第4のステ
ップを実行したにもかかわらず制動不良状態が検出され
たか否かに基づき、流体圧制動手段及び回生制動手段の
うちいずれが不良状態にあるかを識別する第5のステッ
プと、を有することを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明においては、まず、要求制動力が実制動
力として作用すると仮定して、回転数センサによる検出
対象となる物理量の変化量が予測される。すなわち、実
制動力に対する走行用モータ回転数等の関係は各種法則
に基づき又は経験的に得ることができるから、制動不良
がなく従って要求制動力が実制動力として作用する場合
の当該物理量の変化量は、予測可能である。本発明にお
いては、要求制動力に対応する予測された変化量が、実
制動力に対応する検出される変化量と比較される。検出
される物理量の変化量は実制動力を表しているから、こ
の比較によって、流体圧制動力及び回生制動力の合計、
すなわち実制動力が要求制動力に対して不足しているか
否かを知ることができる。比較の結果不足していると見
なされた場合には、制動不良状態として扱われる。従っ
て、本発明においては、油圧センサ等流体圧制動手段の
状態を検出する手段を用いることなく制動不良状態が検
出され、また、制動途中であっても制動不良状態が検出
される。回転数センサの追加も必要でなく、精度も良
い。
【0012】本発明においては、さらに、制動不良状態
が検出された場合に、流体圧制動手段及び回生制動手段
のいずれかに対し流体圧制動力又は回生制動力を微増さ
せる旨の指令が与えられる。微増の指令に対応した変化
が上記物理量に現れた場合には、微増の指令に係る制動
力が実際に増加したものと見なすことができる。逆に、
微増の指令にもかかわらず上記物理量に変化が見られな
い場合には、微増の指令に係る制動力は変化していない
と見なすことができる。従って、微増の指令を与えた後
上述の物理量変化予測、検出及び比較検出を行うことに
より、微増の指令が与えられた制動手段に不良があるか
否かを知ることができる。このように、本発明において
は、流体圧制動と回生制動のいずれに不良状態が発生し
たかが識別される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
【0014】図1には、本発明の一実施例に係る電気自
動車のシステム構成が示されている。この図に示される
電気自動車は、バッテリ10から供給される直流電力を
インバータ12を用いて三相交流電力に変換し、減速機
14等を介して駆動輪16に連結された三相交流モータ
18を回転駆動する構成を有している。
【0015】EVECU20は、モータ18の出力トル
クを制御している。例えば車両操縦者によってアクセル
ペダルが踏み込まれた場合には、EVECU20は、レ
ゾルバ、エンコーダ等の回転数センサ22によって検出
されるモータ18の回転数や温度センサ24及び26に
よって検出されるモータ18やインバータ12の温度を
モニタしながら、モータ18に対する力行トルク指令値
を演算する。EVECU20は、この力行トルク指令を
電流指令に変換し、インバータ12に供給する。インバ
ータ12においては、この電流指令に応じてPWM(パ
ルス幅変調)信号が生成され、この信号により当該イン
バータ12を構成する各スイッチング素子のスイッチン
グ動作が制御される。このようにして、モータ18の出
力トルクがアクセルペダルの踏み込み量に相当するトル
クとなるようモータ18に流れる電流が制御される。
【0016】EVECU20は、また、モータ18の回
生トルクの制御も行う。すなわち、車両操縦者によって
ブレーキペダル28が踏み込まれると、ブレーキペダル
28に付設されたブレーキスイッチ30がオンし、その
旨が回生ECU32に報知される。回生ECU32は、
この報知に応じて要求制動トルクを演算する。回生EC
U32は、さらに、例えば図5に示されるような制動力
配分に従い回生トルク指令値及び油圧バルブ指令値を演
算する。回生ECU32は、電圧センサ34によって検
出されるバッテリ10の電圧VB や、バッテリ10の状
態を監視するバッテリECU36から報知される最大電
圧VBMAXに基づき、回生トルク指令値や油圧バルブ指令
値に上限ガードを加え、その結果得られる回生トルク指
令をEVECU20に供給する。EVECU20は、電
流センサ37によって検出されるバッテリ10の電流I
B や最大電圧VBMAXを監視しながら、インバータ12に
対し電流指令を与え、回生トルク指令に応じた回生トル
クをモータ18によって実現させる。EVECU20
は、実現された回生トルクをリターン値として回生EC
U32に返送する。このリターン値は、モータ18、イ
ンバータ12等の状況に応じ、回生ECU32から与え
られる回生トルク指令とは異なる値となることがある。
【0017】この実施例においては、上述の回生制動の
ほか、油圧制動が可能である。すなわち、車両操縦者が
ブレーキペダル28を踏み込むと、この踏込みがブース
タ38によって昇圧され、マスタシリンダ(以下M/C
という)40の各圧力室に油圧を発生させる。M/C4
0において発生した油圧は、リニアバルブ44及び46
が開いている状態では、プロポーショニングアンドバイ
パス(以下P&Bという)バルブ42並びにリニアバル
ブ44及び46を介し、ホイールシリンダ(以下W/C
という)48〜54に伝達される。4個のW/Cのうち
48及び50は駆動輪16に油圧を作用させ、52及び
54は従動輪56に作用させる。従って、リニアバルブ
44及び46が開いている状態では、駆動輪16及び従
動輪56が油圧制動されることになる。
【0018】リニアバルブ44及び46は、油圧制動制
御手段たる回生ECU32によって制御される。すなわ
ち、車両操縦者がブレーキペダル28を踏み込みその結
果ブレーキスイッチ30がオンすると、回生ECU32
は、前述のように要求制動トルクの演算、回生トルク指
令値及び油圧バルブ指令値の演算及びこれら指令値の値
の調整を行った上で、回生トルク指令をEVECU20
に与える一方で油圧バルブ指令に基づきバルブ制御信号
を発生させ、リニアバルブ44及び46の開度を油圧バ
ルブ指令値に応じた値に制御する。また、回生ECU3
2は、その際、油圧センサ58によりM/C40におけ
る油圧を、油圧センサ60によりW/C48、50にお
ける油圧を検出し、検出した油圧を監視する。
【0019】なお、図1において、符号62は表示部で
あり、EVECU20から供給される信号に基づき制動
不良状態の有無等を表示する。また、符号64は路面勾
配センサ、66は車両重量センサであり、それぞれ車両
が走行している路面の勾配や当該車両の重量を検出して
回生ECU32に報知する。
【0020】次に、この実施例の動作についてより詳細
に説明する。まず、図2には、回生ECU32の基本動
作の流れが示されている。
【0021】この図に示されるように、回生ECU32
は、動作開始直後にまず初期化動作を実行する(10
0)。例えば、後述する異常フラグのリセット等を実行
する。回生ECU32は、次に、各種信号を入力する
(102)。このステップにおいては、回生ECU32
は、ブレーキスイッチ30からそのオン/オフを示す信
号を、油圧センサ58及び60から検出したマスタシリ
ンダ油圧PM/C 及びホイールシリンダ油圧PW/C を、電
圧センサ34からバッテリ10の電圧VB を、路面勾配
センサ64から路面勾配を、車両重量センサ66から車
両重量を、それぞれ入力する。また、回生ECU32
は、回転数センサ22によって検出されるモータ18の
回転数をEVECU20を介して入力し、また、前回サ
イクルにおいて実現されたモータ18の回生トルクをリ
ターン値としてEVECU20から入力する。
【0022】回生ECU32は、続いて、ブレーキペダ
ル28が踏まれたか否かを、ブレーキスイッチ30のオ
ン/オフ状態に基づき判定する(104)。この判定の
結果、ブレーキスイッチ30がオフしており従って車両
操縦者がブレーキペダル28を踏んでいないとされた場
合には、回生ECU32は、回生トルク指令値を0に設
定するとともに油圧バルブ指令値を0に設定する(10
6)。EVECU20はこれに応じて力行制御等を実行
し、またリニアバルブ44及び46は遮断状態を保つ。
従って、この状態では、制動に係る制御は行われず、も
っぱらEVECU20に基づく力行制御が実行されるこ
とになる。ステップ106実行後はステップ102に戻
る。
【0023】ステップ104においてブレーキスイッチ
30がオンしており従って車両操縦者がブレーキペダル
28を踏んでいると見なせる旨判定された場合には、回
生ECU32は、油圧センサ58によって検出されるマ
スタシリンダ油圧PM/C に基づき、要求制動トルクを演
算する(108)。回生ECU32は、演算により求め
られた要求制動トルクとEVECU20を介して回転数
センサ22から入力したモータ18の回転数とに基づ
き、モータ18の出力トルク特性を参照しながら、図5
に示される制動力配分に従い回生トルク指令値を演算す
る(110)。回生ECU32は、さらに、ステップ1
08において演算した要求制動トルクとステップ110
において演算した回生トルク指令値の差を演算し、得ら
れた値を油圧バルブ指令値とする(112)。回生EC
U32は、このようにして得られた回生トルク指令値と
及び油圧バルブ指令値の双方について調整を施す(11
4)。すなわち、バッテリ10がどの程度の回生電力を
受け入れられる状態にあるのかを電圧VB 等に基づき判
断し、その結果に応じて調整を行う。また、この調整に
あたっては、EVECU20から供給されるリターン値
を参照する。
【0024】回生ECU32は、調整を経た回生トルク
指令をEVECU20に出力する一方で、調整を経た油
圧バルブ指令をバルブ制御信号としてリニアバルブ44
及び46に供給する(116)。この出力に応じ、EV
ECU20は前述のようなインバータ12の制御を行い
回生トルクを発生させる。リニアバルブ44及び46は
バルブ制御信号に応じて開弁し、油圧バルブ指令値に応
じた油圧をW/C48〜54に作用させる。この後、回
生ECU32は、本実施例の特徴に係る制動力不足検出
動作を実行した上で(118)、ステップ102に戻
る。
【0025】図3には、この実施例における制動力不足
検出動作(118)の流れが示されている。
【0026】この図に示されるように、回生ECU32
は、各指令値を出力した上でまずモータ18の回転数の
変化量を演算する(200)。すなわち、油圧制動力が
W/C48及び50によって駆動輪16に作用し、また
回生制動力がモータ18の回生トルクとして駆動輪16
に作用すると、モータ18の回転数はこれに応じて低く
なる。回生ECU32は、制動に係る指令を出力したこ
とによりモータ18の回転数がどの程度変化したかを、
このステップ200において演算する。
【0027】回生ECU32は、その一方で、モータ1
8の回転数の変化量予測値を演算する(202)。すな
わち、制動を行ったことによるモータ18の回転数の変
化量は、作用させた制動力と所定の関係を有している。
この関係は、例えば経験的に知ることができる。回生E
CU32は、ステップ108において演算した要求制動
トルクが実制動力として実現されると仮定し、この要求
制動トルクに対応する回転数の変化量を演算する。回生
ECU32は、演算により得られた予測値を、車両負
荷、例えば路面勾配センサ64によって検出される路面
勾配や車両重量センサ66によって検出される車両重量
によって調整する(204)。
【0028】回生ECU32は、さらに、ステップ20
0において演算したモータ18の回転数の変化量と、ス
テップ204による調整を経たモータ18の回転数の変
化量の予測値とを比較する(206)。制動不良状態が
発生していない場合には、ステップ200において演算
された変化量はステップ204による調整を経た予測値
と等しいから、ステップ206実行後回生ECU32は
ステップ208に移行する。ステップ208において
は、後述する異常フラグがオンしているかオフしている
かが判定される。この段階では、異常フラグはオフして
いるため、回生ECU32の動作はステップ102に戻
る。
【0029】この後、ある時点で、油圧制動系(例えば
リニアバルブ44、46やP&Bバルブ42等)に異常
が発生したとする。このような状況が発生すると、油圧
バルブ指令値に応じた油圧制動力が作用しなくなり、油
圧制動力と回生制動力の合計が要求制動トルクに満たな
くなる。従って、ステップ206においては、図4に示
されるように、ステップ200において演算された変化
量(実変化)がステップ204による調整を経た予測値
よりも小さいと判定されることになる。このような判定
結果となった場合、回生ECU32は、先に出力した油
圧バルブ指令値の変更量を設定する(210)。すなわ
ち、油圧制動力を微増させる。回生ECU32は、その
後、異常フラグがオンしているかオフしているか判定す
る(212)。この時点、すなわちステップ210が初
めて実行された直後においては異常フラグがオフしてい
るから、回生ECU32の動作はステップ214に移行
し、異常フラグがオンされ、ステップ102に戻る。
【0030】次にステップ206が実行される際には、
実変化<予測値と判定される。すなわち、上に仮定した
ように油圧制動系に異常が発生しているのであるから、
ステップ210において油圧制動力を微増させる制御を
行ったとしても、実際の油圧制動力は増加することがな
く、従って前回ステップ206を実行した際と同様の判
定結果が得られる。回生ECU32は、この場合、ステ
ップ210を実行した上でステップ212を実行する。
この時点では、前回ステップ214を実行した際に異常
フラグがオンされているため、回生ECU32の動作は
ステップ216に移行する。ステップ216において
は、回生ECU32は、油圧制動系が異常となったと見
なし、その旨をEVECU20に報知して表示部62の
画面上に表示させる等のフェイル処理に移行する。
【0031】逆に、回生制動系に異常が発生したとす
る。すなわち、インバータ12が不正常な状態となった
り、あるいはEVECU20と回生ECU32の間の通
信に不正常な状態が発生したとする。この場合、油圧制
動系に異常が発生した場合と同様に、ステップ206に
おいて実変化<予測値と判定され、ステップ210にお
いて油圧制動力の微増制御が行われ、ステップ212を
経て異常フラグがオンされる(214)。次にステップ
206が実行される際には、油圧制動系が正常であるた
め、ステップ210において実行された油圧制動力の微
増制御によってステップ206の判定結果が変化する。
すなわち、実変化≧予測値と判定される。回生ECU3
2は、このような判定結果となった場合、異常フラグが
オンしているか否かを判定する(208)。この時点で
は、前回サイクルにおいてステップ214により異常フ
ラグがオンしているため、回生ECU32の動作はステ
ップ218に移行する。回生ECU32は、ステップ2
18においては、回生制動系に異常が発生したと見な
し、EVECU20に対してその旨を報知し表示部62
の画面上に表示させる等のフェイル処理に移行する。
【0032】このように、本実施例によれば、モータ1
8の回転数に着目し、その実変化と予測値の比較によっ
て要求制動トルクが実現されているか否かを判定するよ
うにしたため、油圧センサ58及び60に頼ることなく
かつ制動が終了する以前であっても、制動不良状態を検
出することができる。従って、精度が良く電気自動車に
適する制動不良検出が実現される。
【0033】また、本実施例においては、ステップ21
0における油圧バルブ指令値の微増制御によって、制動
不良状態が油圧制動系に起因するものか回生制動系に起
因するものかの識別が行われるため、車両操縦者等に対
しどの系統に異常が生じたかを好適に知らせる等、必要
なフェイル処理を好適に応ずることが可能になる。
【0034】さらに、本実施例によれば、路面勾配、車
両重量等に基づきモータ18の回転数の予測値を調整す
るようにしているため、上述の制動不良状態の検出を好
適に実行することができる。
【0035】なお、回転数センサ22から得られるモー
タ18の回転数に代え、例えば車速等を用いても構わな
が、前者を用いるのが好ましい回転数センサ22の
出力を用いる利点は、第1にモータ18の出力制御にあ
たっては従来から回転数センサ22が使用されており従
ってセンサの追加を必要としないこと、第2に当該回転
数センサ22は一般に高精度であること、がある。車速
センサにより検出される車速を用いた場合、回転数セン
サ22を用いた場合に比べ比較的精度は低くなる。
【0036】また、ステップ210においては、油圧バ
ルブ指令値の変更量を設定することにより油圧制動力の
微増制御を行っている。ステップ210において設定さ
れる変更量は定数であってもよいが、これはモータ18
の回転数の実変化と予測値の差の絶対値に応じて設定し
ても構わない。また、ステップ210における油圧制動
力の微増制御は、ABS(アンチロックブレーキシステ
ム)を具備する車両にあっては、当該ABSのバルブを
用いて実行しても構わない。さらに、ステップ210で
は油圧制動力の微増制御を行っているが、油圧制動力に
変え回生制動力の微増制御を行っても構わない。
【0037】また、以上の説明では図5に示されるよう
な回生優先の制動力配分を前提としていたが、本発明は
このような配分には限定されず、回生制動力と流体圧制
動力を併用する制動であれば適用可能である。また、以
上の説明では油圧制動をとりあげていたが、制動油以外
の非圧縮性流体を用いた場合にも本発明を適用可能であ
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
走行用モータ用の回転数センサにより検出される物理量
の変化量を予測する一方で当該物理量の実際の変化量を
検出し、これら要求制動力に対応する予測された変化量
と実制動力に対応する検出された変化量とを比較して制
動不良状態を検出するようにしたため、油圧センサ等流
体圧制動手段の状態を検出する手段を用いることなく制
動不良状態を検出でき、精度が良くかつコスト的にも有
利な装置を実現できる。また、上記物理量の変化量は制
動途中であっても検出できるから、制動終了を待つこと
なく、制動不良状態の報知等、必要な対応処置を講ずる
ことができる。
【0039】また、本発明によれば、制動不良状態が検
出された場合に流体圧制動手段及び回生制動手段のいず
れかに対し流体圧制動力又は回生制動力を微増させる旨
の指令を与え、その結果上記物理量が変化したか否かを
監視するようにしたため、微増の指令が与えられた制動
手段に不良があるか否かを知ることができ、流体圧制動
と回生制動のいずれに不良状態が発生したかを識別する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電気自動車のシステム
構成を示すブロック図である。
【図2】この実施例における回生ECUの基本動作の流
れを示すフローチャートである。
【図3】この実施例における回生ECUの制動力不足検
出動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】モータ回転数の予測値と異常時の実回転数の関
係を示す図である。
【図5】回生優先の制動力配分の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 バッテリ 12 インバータ 16 駆動輪 18 モータ 20 EVECU 22 回転数センサ 30 ブレーキスイッチ 32 回生ECU 40 マスタシリンダ(M/C) 44,46 リニアバルブ 48〜54 ホイールシンダ(W/C) 62 表示部 64 路面勾配センサ 66 車両重量センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−31020(JP,A) 特開 平2−106462(JP,A) 実開 平6−44662(JP,U) 実開 昭63−63252(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 17/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体圧制動力を車輪駆動系に作用させる
    流体圧制動手段、走行用モータにより回生制動力を発生
    させる回生制動手段、走行用モータの回転数を示す信号
    を出力する回転数センサ並びに要求制動力及び回転数セ
    ンサからの信号に基づき流体圧制動手段及び回生制動手
    段にそれぞれ指令を与えることにより流体圧制動力及び
    回生制動力の合計を要求制動力に制御する制動制御手段
    を搭載する電気自動車において、 要求制動力が実制動力として作用すると仮定し、回転数
    センサによる検出対象となる物理量の変化量を予測する
    第1のステップと、 回転数センサからの信号に現れた変化を上記物理量の変
    化量として検出する第2のステップと、 予測した変化量に対し検出した変化量が不足している場
    合に、流体圧制動力及び回生制動力の合計が要求制動力
    に不足していると見なし制動不良状態として検出する第
    3のステップと、 制動不良状態が検出された場合に、流体圧制動手段及び
    回生制動手段のいずれかに対し流体圧制動力又は回生制
    動力を微増させる旨の指令を与えた上で、上記第1乃至
    第3のステップを実行させる第4のステップと、 第4のステップを実行したにもかかわらず制動不良状態
    が検出されたか否かに基づき、流体圧制動手段及び回生
    制動手段のうちいずれが不良状態にあるかを識別する第
    5のステップと、 を有することを特徴とする制動不良検出方法。
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