JP3263092B2 - ソレノイドの可動鉄心及びその表面処理方法 - Google Patents
ソレノイドの可動鉄心及びその表面処理方法Info
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Description
るソレノイドに関するものである。
の可動鉄心1′の従来の表面処理は以下のように行って
いた。すなわち、まず、切削加工した可動鉄心1′の表
面に防錆のために銅下ニッケルメッキを行い、その後、
フッ素樹脂や2硫化モリブデン等の摺動性の良い材料を
コーテイングする方法である。
グであるため、図13に示すように、可動鉄心1′のガ
イドを行うガイド材2内に摺動する場合、局部的なガイ
ド材2との接触がある部分などは(図13のX,Y部
分)、早期に剥がれが生じ、一旦剥がれると、下地の粗
れた面が露出し、可動鉄心1′とガイド材2との摩擦力
と磨耗が急激に増加するという問題があった。また、コ
イルの励磁により可動鉄心1′を吸引する固定鉄心(図
示せず)が金属製であるため、何れも金属製である可動
鉄心1′と固定鉄心の衝突面が変形してしまうという問
題があった。
であって、請求項1の発明は、可動鉄心と固定鉄心の衝
突面の変形を防止して長寿命としたソレノイドを提供す
ることを目的とし、請求項2の発明は、チッ化処理をし
て表面硬度を上げた後、ラップ処理をして表面粗さを上
げて、ガイド材との摩擦を抑え、ソレノイドを長寿命と
し得る表面処理方法を提供することを目的としたもので
ある。
により吸引駆動され、ガイド材内に移動自在に配置され
た可動鉄心と、この可動鉄心を吸引する固定鉄心とから
なるソレノイドの可動鉄心において、可動鉄心のガイド
材内周面と摺接する部位の先端部周縁にテーパを形成
し、固定鉄心と衝突する可動鉄心の先端面に弾性体のス
ペーサを設けてなり、スペーサが可動鉄心の先端部に形
成された凹部内に嵌め込まれる嵌合部と、可動鉄心の先
端面に位置する平坦部と、嵌合部の周囲に形成されて凹
部の内面に圧接するリブとを有するものである。請求項
2では、コイルの励磁により吸引駆動され、ガイド材内
に移動自在に配置された可動鉄心と、この可動鉄心を吸
引する固定鉄心とからなるソレノイドの可動鉄心の表面
処理方法において、切削加工が終わった可動鉄心の表面
にチッ化処理を行い、スケール落としのためバレル処理
を行った後に、ラップ処理を行うようにしている。
る部位の先端部の周縁のエッジをなくしてテーパとする
ことで、ガイド材の磨耗を磨耗を減少させるとともに、
可動鉄心の先端部に形成された凹部内に嵌め込まれる嵌
合部と、可動鉄心の先端面に位置する平坦部と、嵌合部
の周囲に形成されて凹部の内面に圧接するリブとを有す
る弾性体のスペーサを固定鉄心と衝突する可動鉄心の先
端面に設けることで、可動鉄心と固定鉄心の衝突面の変
形を防止し、さらに組み立てにおいても、可動鉄心の凹
部に嵌合部を嵌め込むだけで良く、組立作業を容易とし
ている。請求項2では、切削加工が終わった可動鉄心の
表面にチッ化処理を行い、スケール落としのためバレル
処理を行った後に、ラップ処理を行うことにより、可動
鉄心の表面やガイド材の磨耗を減少させている。
する。図1はソレノイドの断面図を示し、断面コ字型の
ヨーク3内にはコイル4を外周に巻装したコイルボビン
5が配置されている。また、コイルボビン1の端部には
永久磁石6が配置してある。
の一端がヨーク3に固着され、他端面には可動鉄心1の
先端の突部8が吸引してはまり込む凹部9が形成してあ
る。可動鉄心1はコイルボビン3内に横方向移動自在に
配置されていて、この実施例ではコイルボビン3がガイ
ド材を兼ねている。今、コイル4が励磁されると、可動
鉄心1は固定鉄心7に吸引され、先端の突部8が固定鉄
心7の凹部9に衝突して嵌まり込む。そして、コイル4
への通電を遮断しても、永久磁石6の磁束により可動鉄
心1はその状態が保持されている。
れている。すなわち、切削加工が終わった可動鉄心1の
表面にチッ化処理(タフトライド処理)を行い、表面硬
度を上げる。この処理後、チッ化処理によるスケール落
としのため、バレル処理を行う。このバレル処理の後、
ラップ処理を行う。使用するバレル槽容量、チップ、バ
レル液、バレル時間、回数の適切な選定により、表面粗
さを所定の値まで上げる。
チッ化処理にて硬度が所定の値まで向上する材質であれ
ば良い。また、チッ化処理を行う理由は、快削鋼などの
場合、未処理のままだと表面硬度が低いため、ラップ処
理を行っても表面粗さが向上しないということと、防錆
対策のためである。上記処理を施した可動鉄心1を樹脂
製のコイルボビン3をガイド材として用いているソレノ
イド本体に組み込む。
ボビン3内に配置し、ガイドパイプ10内に固定鉄心7
及び可動鉄心1を配置し、ガイドパイプ10をガイド材
として用いた場合を示している。このように、可動鉄心
1の表面の硬度を上げることによって、表面粗さを0.
6S程度まで向上でき、そのため、コイルボビン3の内
面或いは金属製のガイドパイプ10等のガイド材、及び
可動鉄心1の表面の磨耗を減少させることができ、ま
た、コーテイングのようにはげ落ちることもないため、
ソレノイドを長寿命化できるものである。
ているため、通常の環境では錆びないため、メッキ処理
等の防錆対策が不要となる。〔実施例2〕 ところで、図3に示すように、可動鉄心1の先端部の周
縁がエッジ状に形成してあるために、該エッジ11がコ
イルボビン5の内面に対して削りながら可動鉄心1が摺
動することになる。これは可動鉄心1とコイルボビン5
等のガイド材とのクリアランス12があるためである。
従って、図3のA部分に示すようにコイルボビン5の内
面に磨耗が発生する。つまり、このような状態では、摺
動部のガイド材は局部的な接触となり、磨耗しやすくな
る。
すように、可動鉄心1の突部8より基部側の先端部の周
縁にテーパ13を形成して、ガイド材との磨耗を少なく
している。このテーパ13の面と外径面とのつなぎ部
は、面粗度を向上させるラップ処理によって滑らかな曲
面としている。このため、図6に示すように、可動鉄心
1の摺動部であるテーパ13の面が先の実施例より広い
面積でコイルボビン5等のガイド材と摺動することにな
り、エッジによってガイド材を削ることもなくなる。
尚、これは、可動鉄心1の表面硬度を上げ、面粗さを
0.4S程度まで向上させる処理を行った場合に特に効
果がある。
め、衝突が金属製同士の場合、衝突面が変形してしま
う。すなわち、図7に示すように、可動鉄心1では突部
8の先端周囲がつぶれ(図中B)、この変形によるつぶ
れがひどくなると、固定鉄心7の凹部9の内側面に接触
することになる。また、固定鉄心7側では凹部9の奥面
にへこみ(図中C)が生じる。
心1と固定鉄心7のストローク途中での接触による磁気
漏洩での吸引力低下、摩擦力の増加を生じ、長期間にわ
たって使用することができなくなる。また、図8に示す
ように、可動鉄心1の基部に押さえ金具15を介して弾
性体によるストッパ14を組み込んだ場合、形状の大型
化や部品点数の増加は避けられない。
示すように、可動鉄心1の先端部に凹部16を形成し、
この凹部16に先端を平坦面とした弾性体からなるスペ
ーサ17を配設したものである。このスペーサ17の材
質として、例えばウレタン製であり、スペーサ17の先
端部の図10に示すA寸法は必要な保持力とウレタン材
質の成型性、衝突による劣化を考慮して決定する。ま
た、スペーサ17の材質は、ウレタンに限らず、耐久
性、成型性等を満足するものであれば良い。
の凹部16内に嵌めこまれる嵌合部18と、可動鉄心1
の先端面に位置する平坦部19とで構成される。棒状の
嵌合部18の周囲には長手方向に3つのリブ20が形成
されており、このリブ20を凹部16の内面に圧接させ
ることで、スペーサ17が可動鉄心1の凹部16に嵌合
されることになる。
の平坦部19のA寸法を増減することにより、可動鉄心
1の保持力の値を任意の値に変化させることができる。
また、図8の場合と比べて部品点数が少なく、組み立て
においても、可動鉄心1の凹部16に押し込むだけで良
く、組立作業が容易である。
より吸引駆動され、ガイド材内に移動自在に配置された
可動鉄心と、この可動鉄心を吸引する固定鉄心とからな
るソレノイドの可動鉄心において、可動鉄心のガイド材
内周面と摺接する部位の先端部周縁にテーパを形成し、
固定鉄心と衝突する可動鉄心の先端面に弾性体のスペー
サを設けてなり、スペーサが可動鉄心の先端部に形成さ
れた凹部内に嵌め込まれる嵌合部と、可動鉄心の先端面
に位置する平坦部と、嵌合部の周囲に形成されて凹部の
内面に圧接するリブとを有するものであるから、テーパ
により、より広い面積にてガイド材と摺動することと、
摺動部(ガイド部材内周面に摺接する部位)にエッジが
ないことにより、ガイド材の磨耗が減少し、ソレノイド
を長寿命化でき、また、可動鉄心の形状の一部の変更だ
けなので、部品点数も増えず、加工も容易であるため、
コストアップもせずに、長寿命化が図れ、さらに可動鉄
心の先端部に形成された凹部内に嵌め込まれる嵌合部
と、可動鉄心の先端面に位置する平坦部と、嵌合部の周
囲に形成されて凹部の内面に圧接するリブとを有する弾
性体のスペーサを固定鉄心と衝突する可動鉄心の先端面
に設けているため、可動 鉄心と固定鉄心の衝突面の変形
を防止し、さらに組み立てにおいても、可動鉄心の凹部
に嵌合部を嵌め込むだけで良く、組立作業が容易にな
り、しかも、衝突が弾性体を介して行われるため、衝突
音が減少するという効果を奏するものである。
動され、ガイド材内に移動自在に配置された可動鉄心
と、この可動鉄心を吸引する固定鉄心とからなるソレノ
イドの可動鉄心の表面処理方法において、切削加工が終
わった可動鉄心の表面にチッ化処理を行い、スケール落
としのためバレル処理を行った後に、ラップ処理を行う
ようにしているものであるから、可動鉄心の表面やガイ
ド材の磨耗を減少させることができ、また、可動鉄心は
チッ化処理を行っていることで、可動鉄心の表面硬度を
上げることができて、表面粗さを0.6S程度まで向上
させることができ、そのため、可動鉄心の表面、コイル
ボビンやガイドパイプ等の内面の摺動部の磨耗が減少
し、また、コーテイングのようにはげ落ちることもな
く、ソレノイドを長寿命化できる効果を奏するものであ
る。また、可動鉄心をチッ化処理及び表面粗さを向上さ
せているために、通常の環境では錆びないため、メッキ
処理等の防錆対策が不要となる。
イドの断面図である。
ある。(b)は破断側面図である。
側面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 コイルの励磁により吸引駆動され、ガイ
ド材内に移動自在に配置された可動鉄心と、この可動鉄
心を吸引する固定鉄心とからなるソレノイドの可動鉄心
において、可動鉄心のガイド材内周面と摺接する部位の
先端部周縁にテーパを形成し、固定鉄心と衝突する可動
鉄心の先端面に弾性体のスペーサを設けてなり、スペー
サは可動鉄心の先端部に形成された凹部内に嵌め込まれ
る嵌合部と、可動鉄心の先端面に位置する平坦部と、嵌
合部の周囲に形成されて凹部の内面に圧接するリブとを
有することを特徴とするソレノイドの可動鉄心。 - 【請求項2】 コイルの励磁により吸引駆動され、ガイ
ド材内に移動自在に配置された可動鉄心と、この可動鉄
心を吸引する固定鉄心とからなるソレノイドの可動鉄心
の表面処理方法において、切削加工が終わった可動鉄心
の表面にチッ化処理を行い、スケール落としのためバレ
ル処理を行った後に、ラップ処理を行うようにしたこと
を特徴とするソレノイドの可動鉄心の表面処理方法。
Priority Applications (1)
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JP40553690A JP3263092B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | ソレノイドの可動鉄心及びその表面処理方法 |
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JP40553690A Expired - Fee Related JP3263092B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | ソレノイドの可動鉄心及びその表面処理方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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