JP3731171B2 - ソレノイドにおける可動鉄心 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、固定鉄心と可動鉄心とを備えるソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ソレノイドは油圧弁体に取着することによって油圧弁体を構成する。そして、固定鉄心と可動鉄心とを備え、コイルに励磁された可動鉄心が固定鉄心に対して吸着移動され可動鉄心に接続された油圧弁体のスプールを移動することによって弁の開閉を行なうように作動される。従来、ソレノイドの可動鉄心は、通常、磁束が発生する鉄心本体部と磁束に影響されないピン部とを有して構成されている。鉄心本体部は固定鉄心側に吸着移動されピン部は固定鉄心内に挿通されるとともに固定鉄心にガイドされながら油圧弁体のスプールに接続される。油圧弁の精度はスプールの直線移動により影響するため、鉄心本体部とピン部との製作上における同心度が重要であり、そのため加工精度を向上することが必要になっていた。例えば、図4に示すソレノイドの可動鉄心30は、鉄心本体部32と鉄心本体部32の前方(図中左方向)に配設固定されるピン34が鉄心本体部32との間で遊びを設けないように圧入されている。そのため、鉄心本体部32のピン孔33を、鉄心本体部32の外周面との同心度を保つために機械加工により精度良くまた深く形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の可動鉄心30に形成されるピン穴33の精度を向上することは、その分加工費が高くなりコストアップに繋がり、また、機械精度及び加工する工具に直接左右されるため、加工する機械の精度が悪かったり工具の摩耗が速いと加工されるピン穴33の精度が悪くなり、そのため、機械や工具の保守点検時間が長くなっていた。さらに、ピン34を圧入する組み付け作業も時間を要していた。
【0004】
この発明は、上述の課題を解決するものであり、可動鉄心を構成する鉄心部とピン部との接合を廉価に製造してコスト低減できる可動鉄心を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかわるソレノイドの可動鉄心は、上記の課題を解決するために以下のように構成するものである。すなわち、
固定鉄心と、コイルの励磁によって前記固定鉄心に対して接近離隔するように移動される可動鉄心と、を備え、前記可動鉄心が鉄心本体部と、前記固定鉄心内を貫通するピン部とを有するソレノイドにおける可動鉄心であって、
前記ピン部が前記鉄心本体部に形成された凹部に、摩擦圧接して固着されるとともに、前記可動鉄心の凹部に圧入可能なフランジ付きスぺーサを前記ピン部を挿通するように配設することを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0007】
図1は、本発明によるソレノイドの可動鉄心を示す図であり、可動鉄心10は、先端部に凹部12aが形成されている磁性体の鉄心部12と、凹部12aに摩擦圧接されて固着されている非磁性体のピン部14とを有して構成されている。さらに凹部12aにはフランジ部15a・圧入部15bを有するスぺーサ15が圧入され、スぺーサ15の中央部に形成された貫通孔15cにピン部14が挿通されて鉄心部12に対するピン部14の振れを少なくするように案内している。また、鉄心部12には軸心方向に1か所油孔12bが形成され、固定鉄心側から流入された油の潤滑経路を形成している。
【0008】
上記の鉄心部12とピン部14との摩擦圧接による固着方法は、一般的に摩擦圧接法といわれる機械的な方法で行なわれる。摩擦圧接法は金属の摩擦熱を利用して金属を接合しようとするもので、一方の金属(本件の場合、ピン部14)を回転させ、他方の金属(本件の場合、鉄心部12)を回転している金属に直線移動して圧接させ、摩擦過程の終了時にブレーキをかけることによって相対運動を停止させるものである。これによって鉄心部12とピン部14との接合面が溶着して一体的に固着する。一般的にはこれを摩擦圧接法におけるブレーキ法という。
【0009】
このように形成される可動鉄心11は、量産が可能で可動鉄心を廉価に製造することができる。また、摩擦圧接で鉄心部12とピン部14との固着部分にはバリが形成されるが、スぺーサ15の圧入部15bを鉄心部12の凹部13に圧入することによってバリ取り作業を行なわずに済むことになる。さらにスぺーサ15のフランジ部15aは、可動鉄心11が固定鉄心に吸着される際に、固定鉄心と当接することによって、可動鉄心12と固定鉄心との間に空間部を形成し残留磁気防止の役目を果たすことになる。
【0010】
上記のように形成された可動鉄心10は、図2に示すように、主に比例ソレノイドに組み込まれる。比例ソレノイド(以下、ソレノイドという)Sは、本体ケース1と、本体ケース1内に配設されるコイル体3と、コイル体3内に配設される固定鉄心8、固定鉄心8に対して接近離隔可能に摺動される可動鉄心10を有し、本体ケース1の側部にキャップ体16が配設されている。また、コイル体3と固定鉄心8との間には筒状のフランジ付きのガイド4がコイル体3と固定鉄心8に配設固定され、コイル体3と可動鉄心8との間には筒状のパイプ5がコイル体3内に配設され、ガイド4とパイプ5間に配設される磁気遮断部材6がコイル体3に嵌合されている。
【0011】
さらに詳細に説明すると、本体ケース1は筒状に形成され、外周回路体を構成する磁性体のヨーク2a、2b、2cと、外周部の一部に形成される樹脂部1aと、が一体的に形成され、前記樹脂部1aにはブッシングが固着され、コイル体3に接続されるリード線を保護するように配設される。
【0012】
また、コイル体3は本体ケース1と一体的に成型されヨーク2a、2cに挟まれる中空状のボビン3aと、ボビン3aに巻回されるコイル3bと、を備えて構成されている。
【0013】
筒状のフランジ付きガイド4はそのガイド部4aの外周面がコイル体3のボビン3aの内周面に嵌合され、ガイド部4aの先端部にテーパ状の水平特性形成部4bが形成されている。ガイド4のフランジ部4cは、図示しない例えば油圧回路体に接続できるように形成されている。
【0014】
パイプ5の外周面はコイル体3のボビン3aの内周面に嵌合され、パイプ5の後端部(図2中右側)に雄ねじ5aが形成され、雄ねじ5aにキャップ体16の先端部が螺合される。パイプ5の先端部(図2中左側)にはテーパ部5bが形成され、ガイド4の水平特性形成部4bとパイプ5のテーパ部5b間に磁気遮断部材6が溶接等により強固に固定される。特に、この水平特性形成部4bを形成することにより、電流と吸引力との関係を直線的に表すことのできる比例ソレノイドバルブとしての役割を果たすことになる。
【0015】
固定鉄心8の外周面はガイド4の内周面に嵌合され、内周面は可動鉄心10のピン部14を摺動可能に支持する支持面8aが形成される。なお、前記の支持面8aは内周面の一部に形成され、内周面の他の部分はピン部14に対して遊嵌されるように形成されている。そして、支持面8aとピン部14とは僅かな隙間で嵌合されている。また、支持面8aと平行に油孔8bが1か所形成され、可動鉄心10の摺動部を長期間保持するために、油圧電磁弁からの潤滑経路を構成している。
【0016】
可動鉄心10の鉄心部12の外周面はパイプ5及びガイド4の内周面との間に僅かな隙間を有するように形成され、コイル3bの励磁により固定鉄心8に接近し、可動鉄心10のスぺーサ15のフランジ部15aと固定鉄心8の後端面が当接するまで摺動される。
【0017】
キャップ体16は、パイプ5の雄ねじ5aに螺合され、筒状の本体ケース1の一方の開口を閉じるように形成されている。そして、キャップ体16の軸部には手動操作ピン18が配設されている。また、パイプ5の外周面とキャップ体16の内周面にはOリング19が配設され、キャップ体16に油の外部に排出するための油孔20が形成されて、油孔20の外周端面に油流出止めのためのオイル栓21が配設されている。オイル栓21はまた、内部に溜ったエアを抜くために一端緩め、内部のエアを抜き終えたら再度締めることによってエア抜きを行なうように作用される。
【0018】
ソレノイド1の外部から、可動鉄心10に供給される潤滑油は、固定鉄心8の油穴8bを通って、パイプ5内に流入され、さらに、鉄心部12の油孔12bを通ってキャップ体16側に流入される。そして、可動鉄心10のピン部14の摺動部、鉄心部12の摺動部を潤滑する。
【0019】
このように構成されるソレノイド1は、コイル3bに通電され、励磁されると、ヨーク2a、2b、2cと、固定鉄心8、可動鉄心10の鉄心部12に磁束が流れ、可動鉄心10は固定鉄心8側に吸着されて図2中、左方向にスぺーサ15が固定鉄心8に当接されるまで移動される。また、コイル3bが非通電され励磁解除されると、スぺーサ15と固定鉄心8との当接の際に形成される隙間により残留磁気を即座に消失し磁束を消滅させる。そして、コイルばねにより可動鉄心10は右方向に移動され復帰される。
【0020】
この移動時、可動鉄心10の鉄心部12とピン部14との同心度は、スぺーサ15によって精度よく保たれている。
【0021】
なお、この可動鉄心を使用するソレノイドは、上記の形態の比例ソレノイドでなくても、例えば図3に示すような廉価に構成されたソレノイドでもよい。
【0022】
このソレノイド60では後端が閉口されて一体的に形成されたパイプ体61内に可動鉄心71と固定鉄心69が配置され、パイプ体61の回りにコイル62が巻回されたボビン63がパイプ体61を収納して配置されている。さらにボビン63を囲うように後端が閉口された丸状のケース65が配置され、外ケース65とボビン63との間にヨーク66が配置されている。固定鉄心69はパイプ体61に嵌合するとともにパイプ体61の前端面に当接するように段付きに形成されている。可動鉄心71は前述の形態と同様に鉄心部72とピン部74が摩擦圧接されて固着され、ピン部74が固定鉄心69に形成された貫通孔に挿通されている。この場合、ボビン63が非磁性体で成型加工されれば、パイプ体61を省略するタイプのソレノイドであっても良い。いずれの場合においても可動鉄心の動きは前述と同様である。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、本発明のソレノイドの可動鉄心は、
固定鉄心と、コイルの励磁によって前記固定鉄心に対して接近離隔するように移動される可動鉄心と、を備え、前記可動鉄心が鉄心本体部と、前記固定鉄心内を貫通するピン部とを有して構成されている。
【0024】
前記ピン部が前記鉄心本体部に形成された凹部に、摩擦圧接法によって固着されるので量産が可能となりコストを低減することができる。また、前記ピン部の前記鉄心本体部との振れは、フランジ付きスぺーサを前記鉄心本体部の凹部に圧入することによって規制され、前記鉄心本体部と前記ピン部との同心度を向上することができる。さらに、前記鉄心本体部と前記ピン部の固着部に形成されるバリは、スぺーサの配置によりそのままにしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す可動鉄心の断面図
【図2】図1における可動鉄心を使用した電磁比例ソレノイドの断面図
【図3】図1における可動鉄心を使用した別の形態のソレノイドの断面図
【図4】従来の可動鉄心を示す断面図
【符号の説明】
1…本体ケース
3…コイル体
3b…コイル
4…固定鉄心
10…可動鉄心
12…鉄心部(鉄心本体部)
12a…凹部
12b…油孔
14…ピン部
15…スぺーサ
15a…フランジ部
15b…圧入部
15c…貫通孔
16…キャップ体
Claims (1)
- 固定鉄心と、コイルの励磁によって前記固定鉄心に対して接近離隔するように移動される可動鉄心と、を備え、前記可動鉄心が鉄心本体部と、前記固定鉄心内を貫通するピン部とを有して形成されるソレノイドにおける可動鉄心であって、
前記ピン部が前記鉄心本体部に形成された凹部に、摩擦圧接して固着されるとともに、前記可動鉄心の凹部に圧入可能なフランジ付きスぺーサを前記ピン部を挿通するように配設することを特徴とするソレノイドにおける可動鉄心。
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JP28402397A JP3731171B2 (ja) | 1997-10-16 | 1997-10-16 | ソレノイドにおける可動鉄心 |
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1997
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