JP3259496B2 - パルスmag溶接アークスタート制御方法 - Google Patents

パルスmag溶接アークスタート制御方法

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JP3259496B2
JP3259496B2 JP34087493A JP34087493A JP3259496B2 JP 3259496 B2 JP3259496 B2 JP 3259496B2 JP 34087493 A JP34087493 A JP 34087493A JP 34087493 A JP34087493 A JP 34087493A JP 3259496 B2 JP3259496 B2 JP 3259496B2
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智之 上山
利昭 中俣
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルスMAG溶接アー
クスタート制御方法において、アークスタート性が悪い
材質のワイヤの先端よりも上方が溶断したときに、適正
なアーク長に速やかに復帰するパルスMAG溶接アーク
スタート制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
[従来技術1] [図1の説明]図1(A)は、従来技術1のアークスタ
ート時のワイヤ先端1aの位置とアーク3の発生状態と
の時間的経過tを示す図であり、同図(B)は、アーク
スタート時の溶接電流Iの時間的経過tを示す図であ
る。
【0004】同図(A)に示すように、時刻t1におい
て、ノズル5の内部からワイヤ1をスローダウン速度で
送給する。時刻t2において、ワイヤ先端1aが被溶接
物2に接触したときに、同図(B)に示す数[ms]のホ
ットスタート電流Ihを、予め設定したホットスタート
期間Thの期間通電し、ワイヤ1及び被溶接物2を溶融
加熱させて溶接を開始する。このホットスタート電流I
hは、溶接パルス電流Iwの電流値と同じか又はそれ以
上の電流値であって、かつ、溶接パルス電流Iwのパル
ス幅Tpよりも大きなパルス幅の電流である。時刻t3
において、アークを発生させて、時刻t4において、ホ
ットスタート電流Ihの通電を終了させた後に、同図
(B)に示すパルス幅Tpの溶接パルス電流Iwを通電
する。
【0006】従来技術1の場合、時刻t2において、ワ
イヤ先端1aが被溶接物2と接触した後に、時刻t3に
おいて、ホットスタート電流Ihを通電することによっ
て、ワイヤ先端1aの3〜8[mm]が溶断飛散して、同
図(A)に示すように、スパッタ7aが発生する。この
場合、溶断部分が大きいときは、アーク3を持続するこ
とができず、アーク切れを生じることになる。
【0008】[従来技術2] [図2の説明]図2(A)は、従来技術2のアークスタ
ート時のワイヤ先端1aの位置とアーク3の発生状態と
の時間的経過tを示す図であり、同図(B)は、アーク
スタート時の溶接電流Iの時間的経過tを示す図であ
る。同図(A)に示す時刻t2において、ワイヤ先端1
aが被溶接物2と接触したときに、同図(B)に示すよ
うに、電流の立上り速度が4,000[A/ms]程度
で、パルス電流値及びパルス幅が溶接パルス電流Iwよ
りも小さいスタート用電流Igを通電している。
【0010】このスタート用電流Igを通電することに
よって、同図(A)に示すスタート用アーク3aを発生
させ、引続いて同図(B)に示すホットスタート電流I
hを通電する。この結果、ワイヤ1が十分に加熱するま
での入熱を制限して、過大な長さのワイヤ溶断が発生し
ない。そして、ワイヤ先端1aが被溶接物2に接触して
いる付近のみを加熱溶融することによって、ワイヤ先端
1aが溶断してスパッタの発生をある程度防ぐことがで
きる。
【0012】しかし、同図(B)に示すホットスタート
期間Thが溶接パルス電流Iwのパルス幅Tpよりもか
なり大である場合、ホットスタート電流Ihから溶接パ
ルス電流Iwに切換えた時、ワイヤ1の溶融入熱が急激
に減少して、ワイヤ1及び被溶接物2の温度上昇を十分
に行えないために、ワイヤ溶融速度が低下する。この結
果、同図(A)に示す時刻t5において、ワイヤ先端1
aが被溶接物2に接触し、時刻t6において、ワイヤ先
端1aの溶融粒によってスパッタ7bが発生する。
【0014】[従来技術3] [図3の説明]図3(A)乃至(E)は、従来技術3の
アークスタート時の溶接電源出力端子電圧(以下、溶接
電圧という)V、溶接電流I及びワイヤ先端1aの位置
の時間的経過tを示す図である。同図(A)に示す時刻
t1において、ワイヤのスローダウン送給を開始して、
ベース電圧とパルス電圧とから成る溶接電圧Vを通電す
る。時刻t2において、同図(D)に示すように、ワイ
ヤ先端1aと被溶接物2とが接触して、同図(B)に示
すように、ホットスタートパルス電流値Hp及びホット
スタートベース電流値Hbから成るホットスタート電流
Ihを通電し、溶接電圧は短絡電圧になる。
【0016】このホットスタート電流Ihを通電するこ
とによって、ワイヤ先端1a及び被溶接物2を加熱溶融
する。時刻t3において、アーク3が発生し、溶接電圧
Vが増加して、溶接電流Iが減少する。この溶接電圧V
の増加、溶接電流Iの減少又は両者を検出し、時刻t4
において、溶接時のパルス電圧及びベース電圧から成る
溶接電圧Vを通電して、同図(B)に示すように、パル
ス電流値Iwp及びベース電流値Iwbからなる溶接パ
ルス電流Iwを通電する。この結果、従来技術2と同様
に、時刻t3において、ワイヤ先端部分が溶断してスパ
ッタ7aの発生を防止することができる。
【0018】しかし、従来技術2と同様に、ホットスタ
ート電流Ihから溶接パルス電流Iwに切換える時、ワ
イヤ1の溶融入熱が急激に減少するために、ワイヤ1の
溶融速度が低下して、同図(D)に示す短絡が発生す
る。そして、同図(E)に示すように、ワイヤ先端1a
の溶融粒によるスパッタ7bが発生する。
【0020】[先願技術] [図4の説明]本出願人は、前述したスパッタ7bの発
生を防止するために、本出願前に特願平3−56138
(以下、先願という)において下記の手段を備えたスタ
ート方法を提案した。
【0022】図4(A)は、先願のアークスタート時の
ワイヤ先端1aの位置とアーク3の発生状態との時間的
経過tを示す図であって、同図(B)は、アークスター
ト時の溶接電流Iの時間的経過tを示す図である。
【0024】先願技術のアークスタート方法は、同図
(B)に示すように、移行期間Ttを設けて、移行パル
ス電流Itを通電することによって、溶接電流の急激な
減少を防止している。すなわち、ホットスタート期間T
hの後の時刻t5におけるスタート用パルス電流(以
下、第1移行パルス電流It1という)のパルス幅(以
下、第1移行パルス幅という)Tp1を溶接パルス電流
Iwのパルス幅Tpよりも大にし、次のパルス電流(以
下、第2移行パルス電流It2という)のパルス幅(以
下、第2移行パルス幅という)Tp2をTp1よりも小
に切換え、さらに次のパルス電流(以下、第3移行パル
ス電流It3という)のパルス幅(以下、第3移行パル
ス幅という)Tp3をTp2よりも小に切換えて、順次
にパルス幅Tpに近づける。このようにTp1>Tp2
>Tp3…>Tpとすることによって、ホットスタート
期間Thから溶接パルス電流Iwのパルス幅Tpまで段
階的に切換わるので、ワイヤ1の溶融入熱が徐々に減少
し、ワイヤ1の溶融速度が過渡的に低下して短絡が発生
することがなく、図3(E)に示すスパッタ7bの発生
を防止することができる。
【0026】[図5及び図6の説明]図5は、先願のア
ークスタート制御方法を実施するパルスMAG溶接装置
のブロック図であり、図6は、図5のパルスMAG溶接
装置の各部の信号の波形を示す図である。
【0028】図5において、溶接出力制御回路PSは、
商用電源ACを入力として、給電チップ4と被溶接物2
との間に出力を供給する。アーク3は、ワイヤ先端1a
と被溶接物2との間に広がっている。ワイヤ送給モ−タ
WMは、ワイヤ送給ローラWRを回転して、ワイヤ1を
送給する。ワイヤ送給速度検出器WDは、ワイヤ送給モ
−タWMの回転速度を検出して、ワイヤ送給速度検出信
号Wdを出力する。平均電流設定回路IMは、ワイヤ送
給モータWMのワイヤ送給速度によって定まる溶接電流
Iの平均値を設定するための平均電流設定信号Imを出
力する。第1比較回路CM1は、ワイヤ送給速度検出信
号Wdと平均電流設定信号Imとを比較して、比較信号
Cm1を出力する。ワイヤ送給制御回路WCは、比較信
号Cm1を入力として、ワイヤ送給モータWMにワイヤ
送給制御信号Wcを入力する。
【0030】アーク電圧検出回路VDは、アーク電圧を
検出する回路であって、アーク電圧検出信号Vdを出力
する。アーク電圧設定回路VSは、アーク電圧を設定す
る回路であって、アーク電圧設定信号Vsを出力する。
第2比較回路CM2は、アーク電圧検出信号Vdとアー
ク電圧設定信号Vsとを入力として、その差のアーク電
圧制御信号Cm2を出力する。パルス周波数信号発生回
路VFは、ア−ク電圧制御信号Cm2に対応したパルス
周波数信号Vfを出力する。パルス幅設定回路TPは、
パルス幅設定信号Tpを出力する。パルス信号発生回路
DFは、パルス周波数信号Vfとパルス幅設定信号Tp
とを合成したパルス幅周波数制御信号Dfを出力する。
【0032】短絡判別回路VIは、アーク電圧検出信号
Vdを入力として、短絡判別信号Vi0を出力する。短
絡反転回路NOT1は、短絡判別信号Vi0反転して、
短絡反転信号Vi1を出力する。溶接電流検出回路ID
は、溶接電流Iの瞬時値を検出して、溶接電流検出信号
Idを出力する。溶接電流通電回路IEは、溶接電流検
出信号Idを入力として、溶接電流通電信号Ieを出力
する。フリップフロップ回路FFは、溶接電流通電信号
Ieを入力として、FF出力信号Ffを出力し、短絡反
転信号Vi1を入力した時にFF出力信号Ffを停止す
る。遅延回路TMは、FF出力信号Ffを入力として、
遅延信号Tmを出力し、FF出力信号Ffが停止した時
に、予め設定した遅延時間の後に、遅延信号Tmを停止
する。
【0034】移行パルス制御回路SRは、遅延信号Tm
を入力として、この遅延信号Tmが停止した時に、移行
パルス電流Itのパルス幅を段階的に切換えるパルス幅
切換信号Twを出力する。この移行パルス制御回路SR
は、内蔵する移行期間時限回路の時限終了によって移行
期間Ttを終了して、パルス幅周波数制御信号Dfの通
過を開始する。
【0036】パルス電流値設定回路IPは、パルス電流
値設定信号Ipを出力する。ベース電流設定回路IB
は、ベース電流設定信号Ibを出力する。パルスベース
電流切換回路SW4は、パルス幅切換信号Twによっ
て、パルス電流値設定信号Ipとベース電流設定信号I
bとを切換えて、パルス制御信号Pfを出力する。ホッ
トスタート電流設定回路IHは、スタ−ト用電流Ig及
びホットスタート電流Ihを出力する。スタート電流切
換回路SW6は、遅延信号Tmを入力している時は、ス
タート用電流Ig及びホットスタート電流Ihを入力と
して、遅延信号Tmが停止している時は、パルス制御信
号Pfを入力として、電流値設定信号S6を出力する。
第3比較回路CM3は、電流値設定信号S6と溶接電流
検出信号Idとを比較して電流値制御信号Cm3を溶接
出力制御回路PSに入力する。
【0038】図6において、(A)は、溶接電流I及び
溶接電流検出回路IDの出力の溶接電流検出信号Idの
波形を示す図であり、(B)は、溶接電圧V及びアーク
電圧検出回路VDの出力のアーク電圧検出信号Vdの波
形を示す図であり、(C)は、溶接電流通電回路IEの
出力の溶接電流通電信号Ieの波形を示す図であり、
(D)は、短絡判別回路VIの出力の短絡判別信号Vi
0の波形を示す図であり、(E)は、フリップフロップ
回路FFの出力のFF出力信号Ffの波形を示す図であ
り、(F)は、遅延回路TMの出力の遅延信号Tmの波
形を示す図である。
【0040】図6において、時刻に対する信号の伝達を
説明する。図示していない溶接開始スイッチを動作させ
ると、時刻t1において、ワイヤ1と被溶接物2とが接
触して、同図(A)に示すように、溶接電流Iが通電し
て溶接電流通電信号Idを出力する。この溶接電流Iと
して、まず、スタート用電流Igを通電し、続いて、溶
接パルス電流Iwよりも幅の広いホットスタート電流I
hを通電する。
【0042】溶接電流通電回路IEは、溶接電流検出信
号Idを入力として、同図(C)に示す溶接電流通電信
号Ieを出力する。フリップフロップ回路FFは、溶接
電流通電信号Ieを入力として、同図(E)に示すFF
出力信号Ffを出力する。遅延回路TMは、FF出力信
号Ffを入力として、遅延信号Tmを出力し、スタート
電流切換回路SW6及び移行パルス制御回路SRに入力
する。
【0044】時刻t1において、同図(B)に示すよう
に、溶接電圧V及びアーク電圧検出信号Vdが急激に減
少すると、短絡判別回路VIは、同図(D)に示す短絡
判別信号Vi0を出力する。
【0046】時刻t2において、図5に示すように、ワ
イヤ1と被溶接物2との間でアーク3が発生すると、図
6(B)に示すように、溶接電圧V及びアーク電圧検出
信号Vdは増加し、同図(D)に示すように、短絡判別
信号Vi0はLレベルになる。短絡判別信号Vi0がL
レベルになると、図5に示す短絡反転回路NOT1の出
力の短絡反転信号Vi1はHレベルになり、フリップフ
ロップ回路FFに入力する。そして、図6(E)に示す
ように、FF出力信号FfはLレベルになり、遅延回路
TMに入力する。
【0048】時刻t3において、遅延信号Tmが、Lレ
ベルになると、図5に示すスタート電流切換回路SW6
の入力は、ホットスタート電流Ihからパルス制御信号
Pfに切換わり、電流値設定信号S6として出力する。
この時刻t3において、移行パルス制御回路SRは、動
作を開始し、図6(A)に示すように、ホットスタート
電流Ihを通電した後に移行パルス電流Itを通電し、
その後に、溶接パルス電流Iwを通電する。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】
[図7及び図8の説明]図7(A)は、先願において、
例えば、アルミニウムケイ素合金A4043のように、
アークスタートが極めて困難な成分のワイヤ1を使用し
たときのアークスタート時のワイヤ先端1aの位置とア
ーク3の発生状態との時間的経過tを示す図である。同
図(B)は、アークスタート時の溶接電流Iの時間的経
過tを示す図である。同図に示すように、時刻t1にお
いてワイヤスローダウンして、時刻t2において、ワイ
ヤ先端1aが被溶接物2に接触した時に、高速度で立上
がる4,000[A/ms]のスタート用電流Igを通電
させたにもかかわらず、時刻t3及びt4において、長
期の短絡が発生する。
【0062】同図(A)に示す時刻t5において、ワイ
ヤ先端部分が溶断してスパッタ7aが発生した後にアー
クスタートした場合、同図(B)に示す移行パルス電流
Itを通電すると、アーク長が大であるアーク長Lbが
長期間継続する。このアーク長Lbは、ワイヤ1が溶断
することによって長くなっているが、ホットスタート電
流Ihを通電しているために、アーク長Lbは、さらに
長くなっている。この結果、適正なアーク長に復帰する
までに3〜5[秒]の時間を必要とし、溶接スタート部
において、溶込不良がしばしば発生する。特に、図8に
示す水平隅肉溶接においては、ウエブ21とフランジ2
2とで形成されるコーナ部にアークが集中しないため
に、ビード8の溶接開始部分8aに、融合不良がしばし
ば生じる。この溶接条件は次のとおりである。ワイヤと
して直径が1.6[mm]のアルミニウムケイ素合金A4
043を使用し、板厚が8[mm]のアルミニウムマグネ
シウム合金A5083を、溶接電流150[A]、溶接
電圧19[V]及び溶接速度40[cm/min ]で、アル
ゴンガスを使用して、水平隅肉溶接をしている。
【0070】
【課題を解決するための手段】請求項1のパルスMAG
溶接アークスタート制御方法は、溶接開始時に、ワイヤ
先端1aが被溶接物2に接触した時に、溶接パルス電流
Iwの平均値よりも大きい電流値のホットスタート電流
Ihを通電した後に、溶接パルス電流Iwを通電するパ
ルスMAG溶接アークスタート制御方法において、短絡
からアーク3へ移行する短絡時間を検出して、短絡時間
が設定した時間以内のときは、ホットスタート電流Ih
の通電終了時から溶接パルス電流Iwの通電開始時まで
の移行期間Ttに通電する移行パルス電流Itのパルス
幅を、溶接パルス電流Iwのパルス幅Tpよりも大のパ
ルス幅から溶接パルス電流Iwのパルス幅Tpまで段階
的に切換える制御を行い、短絡時間が設定した時間より
も長いときは、ホットスタート電流Ihから直接に溶接
パルス電流Iwに切換えるパルスMAG溶接アークスタ
ート制御方法である。
【0071】請求項2のパルスMAG溶接アークスター
ト制御方法は、溶接開始時に、ワイヤ先端1aが被溶接
物2に接触した時に、電流の立上り速度が大でパルス電
流値Ip及びパルス幅Tpが溶接パルス電流Iwよりも
小さいスタート用電流Igを通電して、続いて請求項1
に記載したホットスタート電流Ih及び溶接パルス電流
Iwを通電するパルスMAG溶接アークスタート制御方
法である。
【0080】
【作用】
[図9の説明]図9(A)及び(C)は、本発明のアー
クスタート時のワイヤ先端1aの位置とアーク3の発生
状態との時間的経過tを示す図であり、同図(B)及び
(D)は、本発明のアークスタート時の溶接電流Iの時
間的経過tを示す図である。
【0082】図9(A)及び(B)は、アークスタート
時のワイヤ先端1aと被溶接物2との短絡時間が設定時
間よりも短い時間でアーク3が発生した場合であり、前
述した図4の説明と同じように、図3(E)に示すスパ
ッタ7bの発生を防止することができる。
【0084】図9(C)及び(D)は、アークスタート
時のワイヤ先端1aと被溶接物2との短絡時間が設定時
間よりも長い時間でアーク3が発生した場合である。時
刻t5において、ワイヤ先端1aの上方が溶断してアー
ク長が大になった時、移行期間Ttを経由しないで溶接
パルス電流Iwを通電する。この結果、図7(A)に示
すアーク長が大であるアーク長Lbが長期間継続するこ
とがなく、短時間で適正なアーク長Lcになり、溶接ス
タート部において、溶込不良を発生しない。
【0085】図9の説明においては、溶接開始時に、ス
タート用電流Igを通電した後に、溶接パルス電流Iw
を通電させる請求項2の制御方法について説明したが、
本発明においては、過大な長さのワイヤ溶断が発生して
も、短時間で適正なアーク長にすることができるので、
請求項1のようにスタート用電流Igの通電を省略する
ことができる。
【0086】[図10の説明]図10は、ワイヤ1が被
溶接物2に接触してアーク3が発生するまでの時間Ts
a[ms](横軸)と、ワイヤ1が溶断してアーク3が発
生した直後のアーク長が大となったときの燃え上りスタ
ートの回数(縦軸)との関係を示す図である。溶接条件
は次のとおりである。ワイヤ1として、直径が1.6
[mm]のアルミニウムケイ素合金A4043を使用し
て、板厚が12[mm]のアルミニウムマグネシウム合金
A5083に、溶接電流150[A]、溶接電圧19
[V]の溶接電流を通電して、アーク発生時間5秒と、
アーク停止時間30秒とを250回繰返してアークスタ
ートを行った。また、アーク停止時にワイヤ先端溶融球
の直径が2[mm]以下となるようにアンチスチックの条
件を設定した。
【0087】同図に示すように、アークスタート時にワ
イヤ先端1aの上方が溶断して燃え上りスタートとなっ
た回数は、30回であった。ワイヤ1が被溶接物2に接
触してアーク3が発生するまでの時間Tsaが70[m
s]以上になると、燃上りスタートの回数が、著しく増
加している。この結果、設定時間は、70[ms]が適切
である。
【0088】[図11の説明]図11は、本発明のパル
スMAG溶接アークスタート制御方法において、ワイヤ
1が被溶接物2に接触した後に、ワイヤ先端1aの上方
が溶断してアーク3を発生させて、水平隅肉溶接を実施
したときの溶接開始部分を示す図である。溶接条件は、
前述した図8に示す先願の水平隅肉溶接の溶接条件と同
じである。図8に示すように、先願の水平隅肉溶接にお
いては、溶接開始部分8aに融合不良がしばしば生じ
る。しかし、図11に示すように、本発明の水平隅肉溶
接においては、ワイヤ先端1aの上方が溶断してアーク
3を発生させた後に、アーク長を速やかに適正なアーク
長に復帰させることができ、さらに、アーク長が復帰す
るときに、ワイヤ1が被溶接物2に接触して短絡するこ
とがないために、良好な溶接結果を得ることができる。
【0090】
【実施例】
[図12の説明]図12は、本発明のパルスMAG溶接
アークスタート制御方法を実施する溶接装置のブロック
図である。同図において、図5と同一の符号は図5の説
明と同じであるので省略し、相違個所について説明す
る。
【0092】図12において、スタートシーケンス制御
回路SIは、入力端子IN1に溶接電流通電信号Ieを
入力し、入力端子IN2に短絡判別信号Vi0を入力す
る。そして、出力端子OUT1からホットスタート電流
通電信号Si1を出力し、スタート電流切換回路SW6
に入力する。このスタート電流切換回路SW6は、ホッ
トスタート電流通電信号Si1を入力している時は、ス
タート用電流Ig及びホットスタート電流Ihを入力と
して、ホットスタート電流通電信号Si1が停止してい
る時は、パルス制御信号Pfを入力として、電流値設定
信号S6を出力する。出力端子OUT2から移行期間ス
タート信号Si2を出力し、移行パルス制御回路SRに
入力する。この移行パルス制御回路SRは、移行期間ス
タート信号Si2が停止した時に、移行パルス電流It
のパルス幅を段階的に切換えるパルス幅切換信号Twを
出力する。
【0094】[図13の説明]図13は、図12に示す
スタートシーケンス制御回路SIの具体的なブロック図
である。図13に示す入力端子IN1とIN2及び出力
端子OUT1とOUT2は、図12に示すスタートシー
ケンス制御回路SIのIN1とIN2及びOUT1とO
UT2に対応する。
【0096】図13において、短絡反転回路NOT1
は、短絡判別信号Vi0を入力として反転させて、反転
信号Vi1を出力する。フリップフロップ回路FF1
は、セット端子Sに溶接電流通電信号Ieを入力とし
て、ホットスタート駆動信号Ff0を出力し、リセット
端子Rに反転信号Vi1を入力として、ホットスタート
駆動信号Ff0を停止する。ホットスタ−ト反転回路N
OT3は、ホットスタート駆動信号Ff0を入力として
反転させて、ホットスタ−ト反転信号Ff1を出力す
る。遅延回路DY1はホットスタート駆動信号Ff0を
入力として、遅延信号Dyを出力する。単安定マルチバ
イブレータ回路SMは、反転信号Ff1を入力として、
一定時間のパルス信号である移行シーケンス駆動信号S
mを出力する。
【0098】積分回路SGは、短絡判別信号Vi0を入
力として積分して、時間的経過tに伴って、Lレベルか
らHレベルに上昇する短絡時限積分信号Sgを出力す
る。短絡時限電圧基準回路VTHは、短絡時限電圧基準
信号VThを出力する。第4比較回路CM4は、短絡時
限積分信号Sgを入力として、短絡時限電圧基準信号V
Thと比較して、短絡時限積分信号Sgが短絡時限電圧
基準信号VThよりも大きい時にのみ、短絡時限比較信
号Cm4を出力する。短絡時限反転回路NOT4は、短
絡時限比較信号Cm4を入力として反転させて、短絡時
限反転信号Nt4を出力する。アンド回路ANDは、移
行シーケンス駆動信号Smと短絡時限反転信号Nt4と
を入力として、この移行シーケンス駆動信号Smと短絡
時限反転信号Nt4とがいずれもHレベルの時に、移行
期間スタート信号Si2を出力する。オア回路ORは、
ホットスタート遅延信号Dyと移行期間スタート信号S
i2とを入力として、このホットスタート遅延信号Dy
と移行期間スタート信号Si2とのいずれかがHレベル
の時に、ホットスタート電流通電信号Si1を出力す
る。
【0100】[図14の説明]図14は、ワイヤ1と被
溶接物2との短絡時間が、設定時間よりも長い場合の図
12及び図13に示すブロック図の各部の波形を示す図
である。図14において、(A)は、溶接電流I及び溶
接電流検出回路IDの出力である溶接電流検出信号Id
の波形を示す図であり、(B)は、溶接電圧V及びアー
ク電圧検出回路VDの出力であるアーク電圧検出信号V
dの波形を示す図であり、(C)は、溶接電流通電回路
IEの出力である溶接電流通電信号Ieの波形を示す図
であり、(D)は、短絡判別回路VIの出力である短絡
判別信号Vi0の波形を示す図であり、(E)は、フリ
ップフロップ回路FF1の出力であるホットスタート駆
動信号Ff0の波形を示す図である。
【0102】同図において、(F)は、オア回路ORの
出力であるホットスタート電流通電信号Si1の波形を
示す図であり、(G)は、積分回路SGの出力である短
絡時限積分信号Sg及び短絡時限電圧基準回路VTHの
出力である短絡時限電圧基準信号VThの波形を示す図
である。(H)は、第4比較回路CM4の出力である短
絡時限比較信号Cm4の波形を示す図であり、(I)
は、短絡時限反転回路NOT4の出力である短絡時限反
転信号Nt4の波形を示す図であり、(J)は、単安定
マルチバイブレータ回路SMの出力である移行シーケン
ス駆動信号Smの波形を示す図であり、(K)は、アン
ド回路ANDの出力である移行期間スタート信号Si2
の波形を示す図である。
【0104】図14において、時刻に対する信号の伝達
を説明する。図示していない溶接開始スイッチを動作さ
せると、時刻t1において、ワイヤ1と被溶接物2とが
接触して、同図(A)に示すように、溶接電流Iが通電
して溶接電流通電信号Idを出力する。この溶接電流I
として、まず、スタート用電流Igを通電し、続いて、
溶接パルス電流Iwよりも幅の広いホットスタート電流
Ihを通電する。
【0106】溶接電流通電回路IEは、溶接電流検出信
号Idを入力として、同図(C)に示す溶接電流通電信
号Ieを出力し、スタートシーケンス制御回路SIの入
力端子IN1に入力する。フリップフロップ回路FF1
は、溶接電流通電信号Ieを入力として、同図(E)に
示すホットスタート駆動信号Ff0を出力する。この結
果、オア回路ORは、同図(F)に示すホットスタート
電流通電信号Si1を出力する。
【0108】時刻t1において、同図(B)に示すよう
に、溶接電圧Vに対応したアーク電圧検出信号Vdが急
激に減少すると、短絡判別回路VIは、同図(D)に示
す短絡判別信号Vi0を出力し、積分回路SGは、同図
(G)に示す短絡時限積分信号Sgを出力する。
【0110】時刻t2において、同図(G)に示す短絡
時限積分信号Sgが、短絡時限電圧基準信号VThより
も高いレベルに達した時に、同図(H)に示す短絡時限
比較信号Cm4はHレベルとなり、同図(I)に示す短
絡時限反転信号Nt4はLレベルになる。
【0112】時刻t3において、図12に示すように、
ワイヤ1と被溶接物2との間でアーク3が発生すると、
図14(B)に示すように、溶接電圧V及びアーク電圧
検出信号Vdは増加し、同図(D)に示すように、短絡
判別信号Vi0はLレベルになる。短絡判別信号Vi0
がLレベルになると、図13に示す短絡反転信号Vi1
はHレベルになり、フリップフロップ回路FFのリセッ
ト端子Rに入力する。そして、図14(E)に示すよう
に、ホットスタート駆動信号Ff0はLレベルになり、
単安定マルチバイブレータSMは、図14(J)に示す
ように、一定時間のパルス波であるシーケンス駆動信号
Smを出力して、時刻t5において停止する。
【0114】時刻t3において、Hレベルのシーケンス
駆動信号Smは、アンド回路ANDに入力するが、もう
一方の入力信号である短絡時限反転信号Nt4は、図1
4(I)に示すようにLレベルである。この結果、アン
ド回路ANDの出力である移行期間スタート信号Si2
は、Lレベルであるために、移行パルス制御回路SRは
作動しない。
【0116】図13において、遅延回路DY1は、ホッ
トスタート駆動信号Ff0を入力として、このホットス
タート駆動信号Ff0よりも数マイクロ秒遅れて停止す
るホットスタ−ト遅延信号Dyを出力して、オア回路O
Rに入力する。これは、フリップフロップ回路FF1の
動作遅れが発生したときに、移行シーケンス駆動信号S
mがHレベルになる以前に、ホットスタート電流通電信
号Si1が停止することを防止するためである。
【0118】時刻t4において、図14(F)に示すよ
うにホットスタート電流通電信号Si1が停止すると、
スタート電流切換回路SW6が切換わり、同図(A)に
示すように、溶接パルス電流Iwを通電する。
【0120】[図15の説明]図15は、ワイヤ1と被
溶接物2との短絡時間が、設定時間よりも短い場合の図
12及び図13に示すブロック図の各部の波形を示す図
である。図15に示す符号は図14と同じであるので説
明を省略し、図15において、時刻に対する信号の伝達
を説明する。
【0122】時刻t1における信号の伝達は、図14に
示す時刻t1における信号の伝達と同じであるので説明
を省略する。
【0124】時刻t2において、図12に示すように、
ワイヤ1と被溶接物2との間でアーク3が発生すると、
図15(B)に示すように、溶接電圧Vに対応したアー
ク電圧検出信号Vdは増加し、同図(D)に示すよう
に、短絡判別信号Vi0はLレベルになる。短絡判別信
号Vi0がLレベルになると、図13に示す短絡反転信
号Vi1はHレベルになり、フリップフロップ回路FF
1のリセット端子Rに入力する。そして、図15(E)
に示すように、ホットスタート駆動信号Ff0はLレベ
ルになり、単安定マルチバイブレータSMは、図15
(J)に示すように、一定時間のパルス波であるシーケ
ンス駆動信号Smを出力して、時刻t3において停止す
る。
【0126】時刻t2において、図15(G)に示すよ
うに、短絡時限積分信号Sgは、短絡時限電圧基準信号
VThよりも低いために、比較回路CM4は、同図
(H)に示すように、短絡時限比較信号Cm4をHレベ
ルにしない。この短絡時限比較信号Cm4がHレベルに
ならないために、短絡時限反転信号Nt4は、同図
(I)に示すように、Hレベルを維持する。この結果、
アンド回路ANDの出力である移行期間スタート信号S
i2は、同図(K)に示すように、シーケンス駆動信号
SmがHレベルである時刻t2乃至t3の間、Hレベル
になる。
【0128】時刻t3において、図13に示すオア回路
ORの2つの入力のうちのホットスタート遅延信号Dy
は既に停止しており、もう1つの入力である移行期間ス
タート信号Si2が停止すると、図15(F)に示すよ
うに、ホットスタート電流通電信号Si1は停止する。
【0130】時刻t3において、スタート電流切換回路
SW6の入力であるホットスタート電流通電信号Si1
が停止すると、ホットスタート電流Ihからパルス制御
信号Pfに切換わり、電流値設定信号S6として出力す
る。この時刻t3において、移行期間スタート信号Si
2が停止することによって、移行パルス制御回路SRは
動作を開始する。この結果、図15(A)に示すよう
に、ホットスタート電流Ihを通電した後に時刻t3に
おいて、移行パルス電流Itを通電し、その後に、溶接
パルス電流Iwを通電する。
【0132】図9乃至図15は、溶接開始時にスタート
用電流Igを通電し、続いてホットスタート電流Ihを
通電する請求項2のスタート制御方法について説明した
が、スタート用電流Igの通電を省略して請求項1のス
タート制御方法に対応するように構成及び動作の一部を
省略して変形することができる。
【0140】
【発明の効果】請求項1の発明は、溶接開始時に、ワイ
ヤ先端1aが被溶接物2に接触した時に、溶接パルス電
流Iwの平均値よりも大きい電流値のホットスタート電
流Ihを通電した後に、溶接パルス電流Iwを通電する
パルスMAG溶接アークスタート制御方法において、短
絡からアーク3へ移行する短絡時間を検出して、短絡時
間が設定した時間以内のときは、ホットスタート電流I
hの通電終了時から溶接パルス電流Iwの通電開始時ま
での移行期間Ttに通電する移行パルス電流Itのパル
ス幅を、溶接パルス電流Iwのパルス幅Tpよりも大の
パルス幅から溶接パルス電流Iwのパルス幅Tpまで段
階的に切換える制御を行い、短絡時間が設定した時間よ
りも長いときは、ホットスタート電流Ihから直接に溶
接パルス電流Iwに切換えることによって、アークスタ
ート直後にワイヤ短絡によってスパッタが発生すること
がなく、又、アークスタート直後にバーンバックが発生
することもない。さらに、アークスタート性が悪い材質
のワイヤ先端1aよりも上方が溶断したときも適正なア
ーク長に速やかに復帰するために、溶込不良を発生する
ことがない。
【0141】請求項2の発明は、溶接開始時に、電流の
立上り速度が大でパルス電流値Ip及びパルス幅Tpが
溶接パルス電流よりも小さいスタート用電流Igを通電
し、続いて請求項1に記載したホットスタート電流Ih
を通電することによって、請求項1の効果に加えて、ワ
イヤが十分に加熱するまでの入熱を制限して、過大な長
さのワイヤ溶断の発生そのものをも防ぐことができ、請
求項1の効果よりもさらに、スパッタの発生を防止する
とともに適正なアーク長に速やかに復帰するために、溶
込不良を発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来技術1のアークスタート時のワイ
ヤ先端の位置とアークの発生状態との時間的経過を示す
図及びアークスタート時の溶接電流の時間的経過を示す
図である。
【図2】図2は、従来技術2のアークスタート時のワイ
ヤ先端の位置とアークの発生状態との時間的経過を示す
図及びアークスタート時の溶接電流の時間的経過を示す
図である。
【図3】図3は、従来技術3のアークスタート時の溶接
電圧、溶接電流及びワイヤ先端の位置の時間的経過を示
す図である。
【図4】図4は、先願のアークスタート時のワイヤ先端
の位置とアークの発生状態との時間的経過を示す図及び
アークスタート時の溶接電流の時間的経過を示す図であ
る。
【図5】図5は、先願のアークスタート制御方法を実施
するパルスMAG溶接装置のブロック図である。
【図6】図6は、図5のパルスMAG溶接装置の各部の
信号の波形を示す図である。
【図7】図7は、アークスタートの極めて困難な成分の
ワイヤを使用したときの、先願のアークスタート時のワ
イヤ先端の位置とアークの発生状態との時間的経過を示
す図及び溶接電流の時間的経過を示す図である。
【図8】図8は、先願の水平隅肉溶接を実施したときの
ビードである。
【図9】図9は、本発明のアークスタート時のワイヤ先
端の位置とアークの発生状態との時間的経過を示す図及
びアークスタート時の溶接電流の時間的経過を示す図で
ある。
【図10】図10は、ワイヤが被溶接物に接触してアー
クが発生するまでの時間とワイヤが溶断してアークが発
生した直後のアーク長が大となったときの燃上りスター
トの回数との関係を示す図である。
【図11】図11は、本発明の水平隅肉溶接を実施した
ときのビードである。
【図12】図12は、本発明のパルスMAG溶接アーク
スタート制御方法を実施する溶接装置のブロック図であ
る。
【図13】図13は、図12に示すスタートシーケンス
制御回路の具体的なブロック図である。
【図14】図14は、ワイヤと被溶接物との短絡時間
が、設定時間よりも長い場合の図12及び図13に示す
ブロック図の波形を示す図である。
【図15】図15は、ワイヤと被溶接物との短絡時間
が、設定時間よりも短い場合の図12及び図13に示す
のブロック図の波形を示す図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ 1a ワイヤ先端 2 被溶接物 3 アーク 3a スタート用アーク 4 給電チップ 5 ノズル 7a (ワイヤ先端部分の溶断による)スパッタ 7b (ワイヤ先端の溶融粒による)スパッタ 8 ビード 8a 溶接開始部分 21 ウエブ 22 フランジ Ig スタート用電流 Ih ホットスタート電流 Iw 溶接パルス電流 Tp 溶接パルス電流Iwのパルス幅 Th ホットスタート期間 Tt 移行期間 Tp1 第1移行パルス幅 Tp2 第2移行パルス幅 Tp3 第3移行パルス幅 Tsa 短絡からアークに移行するまでの時間 It 移行パルス電流 It1 第1移行パルス電流 It2 第2移行パルス電流 It3 第3移行パルス電流 Tbt 移行ベース期間 WM ワイヤ送給モータ WC ワイヤ送給制御回路 IM 平均電流設定回路 ID 溶接電流検出回路 IE 溶接電流通電回路 VS アーク電圧設定回路 VD アーク電圧検出回路 CM1 第1比較回路 CM2 第2比較回路 CM3 第3比較回路 CM4 第4比較回路 VF パルス周波数信号発生回路 IH ホットスタート電流設定回路 IP パルス電流値設定回路 IB ベース電流設定回路 TP パルス幅設定回路 DF パルス信号発生回路 SW4 パルスベース電流切換回路 SW6 スタート電流切換回路 SI スタートシーケンス制御回路 PS 溶接出力制御回路 SR 移行パルス制御回路 SG 積分回路 VTH 短絡時限電圧基準回路 FF フリップフロップ回路 FF1 フリップフロップ回路 DY1 遅延回路 SM 単安定マルチバイブレータ回路 VI 短絡判別回路 WD ワイヤ送給速度検出器 TM 遅延回路 OR オア回路 AND アンド回路 NOT1 短絡反転回路 NOT3 ホットスタ−ト反転回路 NOT4 短絡時限反転回路 Wd ワイヤ送給速度検出信号 Wc ワイヤ送給制御信号 Vs アーク電圧設定信号 Vd アーク電圧検出信号 Im 平均電流設定信号 Id 溶接電流検出信号 Ie 溶接電流通電信号 Ip パルス電流値設定信号 Ig スタ−ト用電流 Ih ホットスタート電流 Ib ベース電流設定信号 Cm1 アーク電流制御信号 Cm2 アーク電圧制御信号 Cm3 電流値制御信号 Cm4 短絡時限比較信号 Vf パルス周波数信号 Tp パルス幅設定信号 Tm 遅延信号 Tw パルス幅切換信号 S6 電流値設定信号 Df パルス幅周波数制御信号 Pf パルス制御信号 Si1 ホットスタート電流通電信号 Si2 移行期間スタート信号 Vi0 短絡判別信号 Vi1 短絡反転信号 Sg 短絡時限積分信号 VTh 短絡時限電圧基準信号 Ff FF出力信号 Ff0 ホットスタート駆動信号 Ff1 ホットスタート反転信号 Nt4 短絡時限反転信号 Dy ホットスタート遅延信号 Sm 移行シーケンス駆動信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−305374(JP,A) 特開 平3−297564(JP,A) 特開 昭56−131070(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/067 B23K 9/173

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接開始時に、ワイヤ先端が被溶接物に
    接触した時に、溶接パルス電流の平均値よりも大きい電
    流値のホットスタート電流を通電した後に、溶接パルス
    電流を通電するパルスMAG溶接アークスタート制御方
    法において、短絡からアークへ移行する短絡時間を検出
    して、前記短絡時間が設定した時間以内のときは、前記
    ホットスタート電流の通電終了時から前記溶接パルス電
    流の通電開始時までの移行期間に通電する移行パルス電
    流のパルス幅を、前記溶接パルス電流のパルス幅よりも
    大のパルス幅から前記溶接パルス電流のパルス幅まで段
    階的に切換える制御を行い、前記短絡時間が設定した時
    間よりも長いときは、前記ホットスタート電流から直接
    に前記溶接パルス電流に切換えるパルスMAG溶接アー
    クスタート制御方法。
  2. 【請求項2】 溶接開始時に、ワイヤ先端が被溶接物に
    接触した時に、溶接パルス電流の平均値よりも大きい電
    流値のホットスタート電流を通電した後に、溶接パルス
    電流を通電するパルスMAG溶接アークスタート制御方
    法において、電流の立上り速度が大でパルス電流値及び
    パルス幅が溶接パルス電流よりも小さいスタート用電流
    を通電し、続いて短絡からアークへ移行する短絡時間を
    検出して、前記短絡時間が設定した時間以内のときは、
    前記ホットスタート電流の通電終了時から前記溶接パル
    ス電流の通電開始時までの移行期間に通電する移行パル
    ス電流のパルス幅を、前記溶接パルス電流のパルス幅よ
    りも大のパルス幅から前記溶接パルス電流のパルス幅ま
    で段階的に切換える制御を行い、前記短絡時間が設定し
    た時間よりも長いときは、前記ホットスタート電流から
    直接に前記溶接パルス電流に切換えるパルスMAG溶接
    アークスタート制御方法。
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