JP3074765B2 - パルスmag溶接ア−クスタ−ト制御方法 - Google Patents

パルスmag溶接ア−クスタ−ト制御方法

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JP3074765B2
JP3074765B2 JP03093184A JP9318491A JP3074765B2 JP 3074765 B2 JP3074765 B2 JP 3074765B2 JP 03093184 A JP03093184 A JP 03093184A JP 9318491 A JP9318491 A JP 9318491A JP 3074765 B2 JP3074765 B2 JP 3074765B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ア−ク長を周期的に変
化させるために、ア−ク電圧又はア−ク電圧と溶接電流
とを周期的に変化させるパルスMAG溶接ア−クスタ−
ト制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、アルミニウム及びアルミニウム合
金(以下、アルミニウムという)が、建築構造物の内
装、車輌、運輸機器等に広く使われるようになってきて
いる。これらの溶接継手が、そのままこれらの構造物の
外面を形成するために、溶接継手において溶接強度が要
求されることはもちろんであるが、溶接ビ−ドの外観が
良好であることが要求されている。そこで、溶接ビ−ド
外観が良好であるア−ク溶接方法として、フィラワイヤ
を添加するTIGア−ク溶接方法が広く採用されている
が、このTIGア−ク溶接方法は溶接速度が遅いために
生産効率が悪い。そこで、最近、パルスMIGア−ク溶
接方法によって、TIGア−ク溶接方法と同じ規則正し
い波形状の溶接ビ−ド外観を得ようとする提案がなされ
ている。
【0003】その一つとして、本出願人が特願平2−1
02102(以下、先願という)において記載したブロ
ック図に、ホットスタ−ト電流の通電回路を追加した図
1に示すように、第1ア−ク電圧設定回路VS1の第1
ア−ク電圧設定信号Vs1 と第2ア−ク電圧設定回路V
S2の第2ア−ク電圧設定信号Vs2 とを、溶接条件切
換回路(以下、切換回路という)HLの溶接条件切換信
号(以下、切換信号という)Hlの切換周波数Fで切換
えることによって図2(B)及び図3(B)に示すよう
なホットスタ−ト電流Ihと第1及び第2パルス電流群
とを通電し、このパルス電流の変化によって、図2
(A)及び図3(A)に示すように第1ア−ク長Ltと
第2ア−ク長Lrとを切換えている。
【0004】このような、ア−ク電圧又はア−ク電圧と
溶接電流とを周期的に変化させるMIGア−ク溶接方
法、特に図1で説明した先願のパルスMIGア−ク溶接
方法は、前述したアルミニウムに対して、規則正しいう
ろこ状ビ−ド外観を得られる他に、銅又は銅合金に対
しても、規則正しいうろこ状ビ−ド外観が得られる、
アルミニウムに対して、結晶粒を微細化して割れが発生
しにくい、アルミニウムに対して、ブロ−ホ−ルの発
生が少ない、突合せ溶接に対して、突合せの隙間が大
になっても、溶け落ちが発生しにくい、重ね隅肉溶接
に対して、重ね合せの隙間が大になっても、片溶けが発
生しにくい、ステンレス鋼に対して、溶け込み形状の
制御ができ、溶接ビ−ドの進行方向の溶け込み深さが略
一定になっている、など、適用範囲の拡大が期待されて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】通常行われているMI
Gア−ク溶接方法及びMAGア−ク溶接方法(以下、M
AG溶接という)においては、図2(A)及び図3
(A)に示すように、消耗電極(以下、ワイヤという)
1の先端1aを被溶接物2に接触させてア−ク3を発生
させたとき、図4(A)乃至(C)に示すように、溶接
開始部分5tにおいては、まだ被溶接物2が充分に加熱
溶融されていないために、溶着金属5と被溶接物2との
融合性が比較的に悪い。特に、アルミニウム、銅等を主
成分とする熱伝導率の大きな材質は、溶着金属5と被溶
接物2との融合性が悪く、図4に示すように、溶接開始
部分5tにおいて、溶接ビ−ドの余盛り5rの高さが同
図(B)に示すように、通常の溶接部分よりも大とな
り、溶接ビ−ド幅5wが同図(C)に示すように小とな
り、同図(A)に示すように、アンダ−カット5u,5
uが発生しやすい。
【0012】図2(A)乃至(C)及び図3(A)乃至
(C)を参照して、図1の先願のMIGア−ク溶接方法
を実施する溶接装置を使用してア−クスタ−トしたとき
の状態について説明する。図2(A)は、同図(C)に
示すように、ア−ク電圧設定値Vsが小の第1ア−ク電
圧設定信号Vs1 で定まるア−ク長がLtのときに溶接
を開始したときのワイヤ先端1aと被溶接物2との位置
関係を示す図である。同図(A)において、ア−クスタ
−トした時刻ts1 から時刻ts2 までホットスタ−ト
電流Ihを通電し、さらに後述する期間T1 を経過した
後に、ア−ク電圧設定値Vsが大の第2ア−ク電圧設定
信号Vs2 で定まるア−ク長Lrになるように切り換え
られる。同図(B)は、ア−ク長小の第1ア−ク電圧設
定信号Vs1 で定まるパルス周波数f1 (パルス周期D
1 )並びに予め設定された第1パルス電流値Ip1 及び
第1パルス幅Tp1 の第1パルス電流群P1,P1,…を第
1パルス通電期間T1だけ通電した後に、ア−ク長大の
第2ア−ク電圧設定信号Vs2 で定まるパルス周波数f
2 (パルス周期D2)並びに予め設定された第2パルス
電流値Ip2 及び第2パルス幅Tp2 の第2パルス電流
群P2,P2,…を第2パルス通電期間T2だけ通電したと
きの溶接電流Iの時間的経過を示す図である。図3
(A)は、図2(A)の場合と逆に、図3(C)に示す
ように、ア−ク電圧設定値Vsが大の第2ア−ク電圧設
定信号Vs2 で定まるア−ク長がLrのときに溶接を開
始したときのワイヤ先端1aと被溶接物2との位置関係
を示す図である。同図(B)は、期間T2 後に、第1パ
ルス通電期間T1 のア−ク電圧設定値Vsが小の第1ア
−ク電圧設定信号Vs1 で定まるア−ク長Ltになるよ
うに切り換えられる。同図(B)は、図2(B)の経過
時刻ts2 とt2間及びt2とt3間が入れかわってい
る。
【0013】図2(A)乃至(C)の期間T1 に示すよ
うに、ア−ク電圧設定値Vsが小の第1ア−ク電圧設定
信号Vs1 から溶接を開始すると、ア−ク長がLtで小
のために入熱不足となり、被溶接物2がまだ充分に加熱
溶融されていないために、前述した図4(A)乃至
(C)に示すような融合不良が発生しやすい。また逆
に、図3(A)乃至(C)の期間T2 に示すように、ア
−ク電圧設定値Vsが大の第2ア−ク電圧設定信号Vs
2 から溶接を開始すると、ア−ク長がLrで大のため
に、ア−クが広がった状態で加熱溶融が始まるが、被溶
接物がまだ高温になっていないので、アルミニウム材に
おいては酸化皮膜からの電子放出が行われにくいため
に、酸化皮膜を除去するクリ−ニング作用が不充分なた
めにブロ−ホ−ルが発生する。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1のア−クスタ−
ト制御方法は、ア−ク長がLtの小の第1パルス電流群
P1,P1,…と、この第1パルス電流群の通電によるア−
ク長よりも大のア−ク長Lrにする第2パルス電流群P
2,P2,…とを周期的に切換え通電するパルスMAG溶接
ア−クスタ−ト制御方法において、ア−ク長がLtで小
の第1パルス電流群のパルス電流の平均値(Ip1 ×T
p1 )・f1 と、ア−ク長がLrの大の第2パルス電流
群のパルス電流の平均値(Ip2 ×Tp2 )・f2 との
間の平均値の第3パルス電流群P3,P3,…を通電してア
ークスタートした後に、前記第2パルス電流群及び第1
パルス電流群の順に周期的に切換え通電するパルスMA
G溶接アークスタート制御方法である。
【0021】請求項2のア−クスタ−ト制御方法は、第
3パルス電流群の第3パルス電流設定値Ip3 sを、第
1パルス電流群の第1パルス電流設定値Ip1 sと第2
パルス電流群の第2パルス電流設定値Ip2 sとの間に
するパルスMAG溶接ア−クスタ−ト制御方法である。
【0022】請求項3のア−クスタ−ト制御方法は、第
3パルス電流群の第3パルス幅設定値Tp3 sを、第1
パルス電流群の第1パルス幅設定値Tp1 sと第2パル
ス電流群の第2パルス幅設定値Tp2 sとの間にするパ
ルスMAG溶接ア−クスタ−ト制御方法である。
【0023】請求項4のア−クスタ−ト制御方法は、第
3パルス電流群の第3パルス電流設定値Ip3 sを、第
1パルス電流設定値の設定信号Ip1 sと第2パルス電
流設定値の設定信号Ip2 sとから演算するパルスMA
G溶接ア−クスタ−ト制御方法である。
【0024】請求項5のア−クスタ−ト制御方法は、第
3パルス電流群の第3パルス幅設定値Tp3 sを、第1
パルス幅設定値の設定信号Tp1 sと第2パルス幅設定
値の設定信号Tp2 sとから演算するパルスMAG溶接
ア−クスタ−ト制御方法である。
【0030】
【作用】本発明のア−クスタ−ト制御方法を、図5及び
図6を参照して説明する。図5(A)は、時刻ts1 に
おいてア−クスタ−トし、時刻ts2 とt1 との間のア
−クスタ−ト期間Tsにおいてア−ク長をLmになるよ
うにし、時刻t1 とt2との間の第1パルス通電期間T1
においてア−ク長をLtになるようにし、さらに時刻
t2 とt3 との間の第2パルス電流通電期間T2 におい
てア−ク長をLr(ただしLt<Lm<Lr)になるよ
うにしたときのワイヤ先端1aと被溶接物2との位置関
係を示す図である。同図(B)は、ア−クスタ−ト期間
Tsに通電する第3パルス電流群P3,P3,…と、第1パ
ルス通電期間T1 に通電する第1パルス電流群P1,P1,
…と、第2パルス通電期間T2 に通電する第2パルス電
流群P2,P2,…と、第1及び第2パルス電流群との繰返
しの溶接電流Iの時間的経過を示す図である。同図
(C)は、期間ts及びT1 においては、第1ア−ク電
圧設定値Vs1 に設定され、期間T2 においては、第2
ア−ク電圧設定値Vs2 に設定される設定信号Vsの時
間的経過を示す図である。
【0031】上記同図(B)において、第1パルス電流
群P1,P1,…は、アーク長がLtになるように、第
1アーク電圧設定値Vs1及びアーク電圧検出値Vdに
よって定まるパルス周波数f1と第1パルス電流値Ip
1と第1パルス幅Tp1とのパルス電流と、ベース電流
Ibとから成る。第2パルス電流群P2,P2,…は、
アーク長がLrになるように、第2アーク電圧設定値V
s2及びアーク電圧検出値Vdによって定まるパルス周
波数f2と第2パルス電流値Ip2と第2パルス幅Tp
2とのパルス電流と、ベース電流Ibとから成る。第3
パルス電流群P3,P3,…は、アーク長Ltとアーク
長Lrとの間のアーク長Lmになるように、第3パルス
電流値Ip3と第3パルス幅Tp3とのパルス電流及び
ベース電流Ibとから形成されている。これらの各パル
ス電流群は、Ip1<Ip3<Ip2又はTp1<Tp
3<Tp2又はIp1<Ip3<Ip2及びTp1<T
p3<Tp2の関係がある。
【0032】次に、図6を参照して本発明のア−クスタ
−ト制御方法の他の方法を説明する。図6(B)及び
(C)は、図5(B)及び(C)の第1パルス通電期間
T1 と第2パルス通電期間T2 との溶接電流I及びア−
ク電圧設定値Vsを逆にした場合の時間的経過を示す図
である。この逆にしたことによって、図6(A)に示す
ように、ア−クスタ−ト期間Tsにおけるア−ク長Lm
の次に、第2パルス通電期間T2 におけるア−ク長Lr
が大になるので、ア−クスタ−ト期間Tsのア−ク長L
mが被溶接物を充分に加熱溶融した後に、さらにア−ク
長Lrが大となり、入熱が大となって被溶接物と溶接ビ
−ドとの融合が促進され、またアルミニウム材において
は、溶接ビ−ド幅に必要なクリ−ニング幅が溶接開始部
分から確保される。
【0040】
【実施例】(図7の説明) 図7(Z)は図1の先願の第3パルス電流群の通電回路
を有していない溶接装置によって重ね隅肉溶接をしたと
きの溶接結果を示す図、同図(Y)、(X)及び(A)
は第3パルス電流群を通電することができる後述する
9の溶接装置によってアークスタート期間Tsを、それ
ぞれ0.2秒、0.4秒及び0.5秒にして、重ね隅肉
溶接をしたときの溶接結果を示す図である。同図(X)
乃至(Z)及び(A)の溶接条件はつぎのとおりであ
る。板厚3[mm]のアルミニウム材A5052を、直
径1.2[mm]のアルミニウムワイヤA5183を用
いて溶接電流平均値100[A]でアーク電圧平均値1
9[V]で溶接速度40[cm/min]で、図5
(B)に示すパルス電流群の溶接電流を通電した。な
お、本実施例の図5(A)に示すアーク長Lm,Lt及
びLrは、それぞれ約5[mm]、3[mm]及び7
[mm]に設定した。
【0041】図7(Z)のア−クスタ−ト期間Ts=0
秒では余盛り5rと上板2a及び下板2bともに、相当
な融合不良部分5uが発生してオ−バ−ラップになって
おり、同図(Y)のTs=0.2 秒では余盛り5rと下板
2bとが相当な融合不良部分5uが発生している。ま
た、図7(X)のTs=0.4 [秒]でも、まだ、下板2
bに若干の融合不良部分5uが見られ、図7(A)のT
s=0.5 [秒]になると余盛り5rの傾斜面も平坦とな
り融合不良及びアンダ−カットは全く見られない。した
がって、本発明のア−クスタ−ト制御方法においては、
ア−クスタ−ト期間Tsは0.5 秒以上が必要である。
【0043】(図8の説明)図8(Z),(A),
(B)及び(Q)は、図7と同様の溶接条件で、ア−ク
スタ−ト期間Tsを0,0.5,1.0 及び1.5秒に設定した溶
接装置によって、被溶接物2上に溶接ビ−ド5を形成し
た場合の溶接ビ−ドの上方外観を示す図である。同図
(Z)は、先願の第3パルス電流通電回路を有していな
い溶接装置を使用したときであって、溶接開始部分5t
における溶接ビ−ド幅5wが狭く突形状の溶接ビ−ドと
なり相当な融合不良を発生している。同図(A)及び
(B)は、それぞれTs=0.5 秒及び1.0 秒で、この間
では、溶接開始部分5tに融合不良を発生することなく
平坦な溶接ビ−ドが得られている。さらに、同図(Q)
に示すように、Ts=1.5 秒では、溶接開始部分5tの
溶接ビ−ド幅5wが通常の溶接ビ−ド幅よりも過大にな
っている。したがって、本発明のア−クスタ−ト制御方
法におけるア−クスタ−ト期間Tsは、0.5 乃至1.0 秒
が適正である。
【0045】(本発明のア−クスタ−ト制御方法を実施
する溶接装置)図9及び図11及び図12は、本発明の
ア−クスタ−ト制御方法をパルスMAG溶接方法で実施
する溶接装置のブロック図である。また図10(A)乃
至(D)及び図13(A)乃至(E)はそれぞれ図9及
び図12の各回路の出力信号の時間的経過を示す図であ
り、図14及び図15は図12のブロック図のスタ−ト
電圧自動設定回路AVSの実施例の接続図を示し、図1
6は図12のブロック図のパルス幅設定切換回路TPA
の実施例の接続図である。
【0046】(図9の説明)図9において、商用電源A
Cを入力として定電圧特性の溶接出力制御回路PSから
ワイヤ1の給電チップ4と被溶接物2との間に出力を供
給してア−ク3を発生させる。ワイヤ1はワイヤ送給モ
−タWMにより回転するワイヤ送給ロ−ラWRより供給
される。平均溶接電流設定回路IMは、ワイヤ送給モ−
タWMのワイヤ送給速度により定まる溶接電流の平均値
を設定するための平均溶接電流設定信号Imを出力す
る。ワイヤ送給制御回路WCは、信号Imとワイヤ送給
モ−タWMの回転速度を検出するワイヤ送給速度検出器
WDの速度検出信号Wdを比較する第1比較回路CM1
の比較信号Cm1 を入力として、ワイヤ送給モ−タWM
にワイヤ送給電圧Wcを出力する。第1ア−ク電圧設定
回路VS1及び第2ア−ク電圧設定回路VS2は、それ
ぞれ第1溶接条件におけるア−ク電圧及び第2溶接条件
におけるア−ク電圧を設定する回路であって、第1ア−
ク電圧設定信号Vs1 及び第2ア−ク電圧設定信号Vs
2を出力する。切換回路HLは第1溶接条件と第2溶接
条件とを切換える切換信号Hlを出力する。ア−ク電圧
切換回路SW1は切換信号Hlによって信号Vs1 とV
s2 とを切換えてア−ク電圧切換信号S1 を出力する。
【0048】溶接電流検出回路IDは、時刻ts2 のア
−クスタ−ト後に、図10(A)に示す溶接電流Iに対
応した溶接電流検出信号Idを出力する。第3比較回路
CM3は、図10(C)に示すように、信号Idと基準
信号発生回路VRの基準信号Vrとの差の溶接電流通電
信号Cm3 を出力する。ア−クスタ−ト時限回路(以
下、AS時限回路という)TM3は、図10(D)に示
すように、信号Cm3 を入力としてア−クスタ−ト期間
Tsを経過した時刻t1において、ア−クスタ−ト完了
信号(以下、AS完了信号という)Tm3 を出力する。
第3ア−ク電圧設定回路VS3は、第1ア−ク電圧設定
値Vs1 と第2ア−ク電圧設定値Vs2 との間のア−ク
スタ−トに適正な電圧値に設定された第3ア−ク電圧設
定信号Vs3 を出力する。ア−クスタ−ト溶接電圧切換
回路(以下、SW電圧切換回路という)SW5は、上記
AS完了信号Tm3 が入力されるまでは、接点bに接続
された第3ア−ク電圧設定信号Vs3 を出力し、信号T
m3 が入力されると接点aに切り換わり、前述したア−
ク電圧切換信号S1 を出力する。したがって、この回路
SW5が出力する切換ア−クスタ−ト溶接電圧信号(以
下、SW電圧切換信号という)S5 は、図10(B)に
示すように、ア−クスタ−ト期間Tsにおいては、第3
ア−ク電圧設定信号Vs3 を出力し、期間Ts後は、切
換信号Hlの切換周波数Fの周期で、第1及び第2ア−
ク電圧設定信号Vs1 及びVs2 を出力する。第2比較
回路CM2は、信号S5 と溶接電圧検出回路VDの溶接
電圧検出信号Vdとを入力としてその差のア−ク電圧信
号Cm2 を出力する。
【0050】第1及び第2パルス電流値設定回路IP1
及びIP2は、それぞれ第1及び第2パルス電流値設定
信号Ip1 s及びIp2 sを出力する。パルス電流値切
換回路SW3−1は、切換信号Hlによって信号Ip1
sと信号Ip2 sとを切り換えて、切換パルス電流値信
号Ipsを出力する。ベ−ス電流設定回路IBは、ベ−
ス電流設定信号Ibsを出力する。第1及び第2パルス
幅設定回路TP1及びTP2は、それぞれ第1及び第2
パルス幅設定信号Tp1 s及びTp2 sを出力する。パ
ルス幅切換回路SW3−3は、切換信号Hlによって信
号Tp1 sと信号Tp2 sとを切り換えて、切換パルス
幅信号Tpsを出力する。
【0052】第3パルス電流値設定回路IP3は、ア−
クスタ−トに適した第3パルス電流値設定信号Ip3 s
を出力する。ア−クスタ−ト・溶接(以下、SWとい
う)パルス電流値切換回路SW4−1は、AS完了信号
Tm3 が入力されるまでは、接点bに接続されている信
号Ip3 sを出力し、信号Tm3 が入力された後は、接
点aに切り換わり、信号Ipsを出力する。したがっ
て、この回路SW4−1が出力する切換SWパルス電流
値信号Ipaは、ア−クスタ−ト期間Tsにおいては、
信号Ip3 sを出力し、期間Ts後は、切換信号Hlの
切換周波数Fの周期で、第1及び第2パルス電流値設定
信号Ip1 s及びIp2 sを出力する。第3パルス幅設
定回路TP3は、ア−クスタ−トに適した第3パルス幅
設定信号Tp3 sを出力する。SWパルス幅切換回路S
W4−3は、AS完了信号Tm3 が入力されるまでは、
接点bに接続されている信号Tp3 sを出力し、信号T
m3 が入力された後は、接点aに切り換わり、信号Tp
sを出力する。したがって、この回路SW4−3が出力
する切換SWパルス幅信号Tpaは、ア−クスタ−ト期
間Tsにおいては、信号Tp3 sを出力し、期間Ts後
は、切換信号Hlの切換周波数Fの周期で、第1及び第
2パルス幅設定信号Tp1 s及びTp2 sを出力する。
【0054】(ア−クスタ−ト期間の動作説明)パルス
周波数信号発生回路VFは、ア−クスタ−ト期間Tsに
おいては、第3ア−ク電圧設定信号Vs3 とア−ク電圧
検出信号Vdとの差のア−ク電圧制御信号Cm2 に対応
して、第3パルス周波数制御信号Vf3 を出力する。こ
の期間Tsにおいては、AS完了信号Tm3 がまだSW
パルス電流値切換回路SW4−1及びSWパルス幅切換
回路SW4−3に入力されていないので、回路SW4−
1は信号Ip3 sを出力し、回路SW4−3は、信号T
p3 sを出力する。したがって、パルス幅周波数信号発
生回路DFは、第3パルス幅設定信号Tp3 sと第3パ
ルス周波数制御信号Vf3 とから成る第3パルス幅周波
数制御信号Df3 を出力する。パルスベ−ス電流切換回
路SW2は、第3パルス電流値設定信号Ip3 sとベ−
ス電流設定信号Ibsとを、第3パルス幅周波数制御信
号Df3 で定まる周波数f3 のパルス制御信号Pf3 を
出力して、溶接出力制御回路PSに入力する。
【0056】(ア−クスタ−ト期間経過後の動作説明)
パルス周波数信号発生回路VFは、ア−クスタ−ト期間
Tsの経過後は、ア−ク電圧制御信号Cm2 に対応し
て、第1溶接条件における第1パルス周波数制御信号V
f1 と第2溶接条件における第2パルス周波数制御信号
Vf2 とを、切換信号Hlの切換周波数Fで切換えて出
力する。パルス幅周波数信号発生回路DFは、パルス幅
設定信号Tpsと第1パルス周波数制御信号Vf1 とか
ら成る第1溶接条件に対応する第1パルス幅周波数制御
信号Df1 と、第2溶接条件に対応する第2パルス幅周
波数制御信号Df2 とを出力する。パルスベ−ス電流切
換回路SW2は、第1溶接条件においては、第1パルス
電流値設定信号Ip1 sとベ−ス電流設定信号Ibsと
を、第1パルス幅周波数制御信号Df1 で定まる周波数
f1 で繰り返すパルス制御信号Pf1 を出力し、次に第
2溶接条件においては、同じく第2パルス電流値設定信
号Ip2 sと信号Ibsとを、第2パルス幅周波数制御
信号Df2 で定まる周波数f2 で繰り返すパルス制御信
号Pf2 を出力して、溶接出力制御回路PSに入力す
る。
【0060】(図11の説明) 図11は、本発明のパルスMAG溶接アークスタート制
御方法を実施する第2の実施例で請求項1及び請求項2
に記載の構成を有している。同図において図9と異なる
構成は、まず第1に、図9の構成の簡略化を図ってお
り、第2に、図9がアーク電圧制御信号Cm2によっ
て、パルス周波数を制御してアーク電圧値を所定値に維
持しているのに対して、図11では信号Cm2によっ
て、パルス幅を制御してアーク電圧値を所定値に維持し
ている。前述した図9の実施例に示した本発明のアーク
スタート制御方法においては、下記の乃至の回路を
備えているが、本発明は、かかのいずれか一方を備
えていればよい。第2パルス電流値設定回路IP2と
パルス電流値切換回路SW3−1と第3パルス電流値設
定回路IP3とSWパルス電流切換回路SW4−1
第2パルス幅設定回路TP2とパルス幅切換回路SW3
−3と第3パルス幅設定回路TP3とSWパルス幅切換
回路SW4−3第2アーク電圧設定回路VS2とア
ーク電圧切換回路SW1と第3アーク電圧設定回路VS
3とSW電圧切換回路SW5。図11の実施例において
は、かかのいずれか一方を備えておればよく、さら
に、切換周波数Fが比較的高いとき、例えば、3[H
z]以上のときは、上記のを省略することができる。
そこで、図11においては、上記のの各回路を備えて
おり、及びの各回路を省略している。
【0061】次に上記第2の相違点は、図11におい
て、図9の第1乃至第3パルス幅設定回路TP1乃至T
P3、パルス幅切換回路SW3−3及びSWパルス幅切
換回路SW4−3の代りに、第1パルス周波数設定信号
Fp1を出力する第1パルス周波数設定回路FP1が設
けられている。さらに、パルス周波数信号発生回路VF
は、信号Fp1を入力としてパルス周波数信号Vfを出
力する。したがって、アーク電圧制御信号Cm2は、ア
ークスタート期間Tsにおいては、第3パルス電流値設
定信号Ip3sに対応するアーク電圧検出信号Vdとア
ーク電圧設定信号Vs1との差の信号(以下、第3のア
ーク電圧制御信号という)を出力し、第1パルス通電期
間T1においては、第1パルス電流値設定信号Ip1s
に対応する信号Vdと信号Vs1との差の信号(以下、
第1のアーク電圧制御信号という)を出力し、第2パル
ス通電期間T2においては、第2パルス電流値設定信号
Ip2sに対応する信号Vdと信号Vs1との差の信号
(以下、第2のアーク電圧制御信号という)を出力す
る。パルス幅周波数信号発生回路DFは、上記のよう
に、期間Tsにおいては、第3のアーク電圧制御信号C
m2を入力として第3パルス幅周波数制御信号Df3を
出力し、期間T1においては、第1のアーク電圧制御信
号Cm2を入力として第1パルス幅周波数制御信号Df
1を出力し、期間T2においては、第2のアーク電圧制
御信号Cm2を入力として第2パルス幅周波数制御信号
Df2を出力する。
【0062】図11の実施例においても、アーク長が小
の第1パルス電流群P1,P1,…のパルス電流の平均
値(Ip1×Tp1)・f1とアーク長が大の第2パル
ス電流群P2,P2,…のパルス電流の平均値(Ip2
×Tp2)・f1との間の平均値(Ip3×Tp3)・
f1の第3パルス電流群P3,P3,…を通電してアー
クスタート制御をした後に、第1及び第2パルス電流群
を周期的に切換えることによって、本発明のパルスMA
G溶接アークスタート制御方法を達成することができ
る。さらに、この変形例はつぎのとおりである。図9の
構成によって、見かけのアーク長をパルス周波数制御に
よってLr>Lm>Ltに切り換えているとき、 Tp1=Tp2=Tp3でIp2>Ip3>Ip1 Ip1=Ip2=Ip3でTp2>Tp3>Tp1 Ip2>Ip3>Ip1かつTp2>Tp3>Tp1 図11の構成によって、見かけのアーク長をパルス幅制
御によってLr>Lm>Ltに切り換えているとき、 f1=f2=f3でIp2>Ip3>Ip1 Ip1=Ip2=Ip3でf2>f3>f1 Ip2>Ip3>Ip1でf2>f3>f1
【0070】(図12の説明)図12は、本発明のパル
スMAG溶接ア−クスタ−ト制御方法を実施する溶接装
置の第3の実施例のブロック図である。同図において、
図9と異なる第1の構成は、図9の平均溶接電流設定回
路IMの代りに、スタ−ト電流設定信号Imを出力する
スタ−ト電流設定回路IMと、第1の溶接条件における
第1溶接電流設定信号Ihを出力する第1平均溶接電流
設定回路IHと、第2溶接条件における第2溶接電流設
定信号Ilを出力する第2平均溶接電流設定回路IL
と、第1の溶接電流設定信号Ihと第2溶接電流設定信
号Ilとを切換信号Hlの切換周波数Fで切換えて、溶
接電流切換信号S3 を出力する溶接電流切換回路SW3
と、AS完了信号Tm3 が入力されるまでは、接点bの
スタ−ト電流設定信号Imを第1比較回路CM1に出力
し、AS完了信号Tm3 が入力された後は、接点aに切
り換わり、溶接電流切換信号S3 を回路CM1に出力す
るスタ−ト溶接電流切換回路(以下、SW電流切換回路
という)SW4とが追加されている。この回路SW4
は、スタ−ト電流設定信号Imと溶接電流切換信号S3
とを切り換えてスタ−ト溶接電流切換信号(以下、SW
電流切換信号という)S4 を出力する。
【0072】図12において、図9と異なる第2の構成
は、つぎのホットスタート電流通電回路が追加されてい
る。ホットスタート電流設定回路(以下、HS電流設定
回路という)IHSは、ホットスタート電流設定信号
(以下、HS電流設定信号という)Ihsを出力する。
ホットスタート時限回路(以下、HS時限回路という)
TM2は、溶接電流通電信号Cm3が入力されたときに
時限を開始して、ホットスタート期間Thを終了後、ホ
ットスタート終了信号(以下、HS完了信号という)T
m2を出力する。ホットスタート溶接電流信号切換回路
(以下、HW電流切換回路という)SW9は、HS完了
信号Tm2が入力されるまでは接点bに接続されている
HS電流設定信号Ihsを出力し、信号Tm2が入力さ
れた後は接点aに切り換わりパルス制御信号Pf1乃至
Pf3を出力する。
【0073】HW電流切換回路SW9が溶接出力制御回
路PSに出力する溶接電流信号S9は、ホットスタ−ト
期間Thにおいてはホットスタ−ト電流Ihを通電する
ためのHS電流設定信号Ihsであり、ア−クスタ−ト
期間Tsにおいては第3パルス電流群P3,P3,…を通電
するためのパルス制御信号Pf3 であり、第2パルス通
電期間T2 においては第2パルス電流群P2,P2,…を通
電するためのパルス制御信号Pf2 であり、第1パルス
通電期間T1 においては第1パルス電流群P1,P1,…を
通電するためのパルス制御信号Pf1 である。
【0074】図12のブロック図において、図9のブロ
ック図と異なる第3の構成は、図9のブロック図の第3
ア−ク電圧設定回路VS3の第3のア−ク電圧設定を、
第1及び第2ア−ク電圧設定値の設定信号を入力とし
て、スタ−ト電圧自動設定回路AVSが出力するスタ−
ト電圧設定信号Avsによって自動的に設定させるよう
にしている。
【0075】図14は、図12のブロック図の回路AV
Sの実施例の接続図であって、第1及び第2ア−ク電圧
設定信号Vs1 及びVs2 を入力として、第1及び第2
演算回路OP1及びOP2及び抵抗器R及び2Rから構
成されて、スタ−ト電圧設定信号Avsを出力する。第
1演算回路OP1は、ゲイン1/2の加算器であり、そ
の出力は、−(Vs1 +Vs2 )/2となる。第2演算
回路OP2は、回路OP1の出力を反転するゲイン1の
反転増幅器であって、その出力値は、(Vs1+Vs2
)/2となる。図15は、図14の接続図に、点線で
示す微調整設定器VEを追加している。この微調整設定
器VEの両端子をそれぞれ+Ve及び−Veの電圧値の
電源に接続することによって、スタ−ト電圧設定信号A
vsの設定範囲は、1/2(Vs1 +Vs2 )±Veと
なる。
【0076】(図14及び図15の説明)図14は、図
12のブロック図のスタ−ト電圧自動設定回路AVSの
実施例の接続図であり、図15は、図14の接続図のス
タ−ト電圧自動設定回路AVSに微調整設定器を追加し
た接続図である。
【0077】(図16の説明)図12のブロック図にお
いて、図9のブロック図と異なる第4の構成は、図9の
第1乃至第3のパルス幅設定回路TP1乃至TP3、パ
ルス幅切換回路SW3−3及びSWパルス幅切換回路S
W4−3の代りに、パルス幅設定切換回路TPAが使用
されている。図16は、図12のブロック図の回路TP
Aの実施例の接続図を示す。図16において、モノマル
チバイブレ−タ回路MMAは、端子1から第1乃至第3
パルス周波数制御信号Vf1 乃至Vf3 を入力して切換
パルス幅信号Tpsを、端子4に出力する。この回路M
MAに、時定数を決定する抵抗値がそれぞれr1 、r2/
2 及びr2 の抵抗器R1、R2/2及びR2が直列に接
続されており、抵抗器R2/2の両端に第1スイッチA
SW1が接続され、抵抗器R2の両端に第2スイッチA
SW2が接続されている。また、回路MMAの端子2に
AS完了信号Tm3 が入力されるまでは第1スイッチA
SW1はオフになっており、信号Tm3が入力されると
オンしてその両端に接続された抵抗器R2/2を短絡す
る。さらに、回路MMAの端子3に切換信号Hlが入力
され、NOT回路NT1を通じてNAND回路NNDに
出力される。この回路NNDは、信号Tm3 が入力さ
れ、かつ、切換信号Hlが入力されたときに第2スイッ
チASW2に信号を出力し、この第2スイッチASW2
が抵抗器R2を短絡する。
【0079】次に図16の動作について説明する。AS
完了信号Tm3 が入力されるまでは、前述したように、
第1スイッチASW1はオフで、NAND回路NNDの
出力によって第2スイッチASW2はオンしているの
で、回路MMAの時定数用抵抗値はr1 +r2/2 とな
り、第3パルス幅設定信号Tp3 sを出力する。AS完
了信号Tm3 が入力されると、第1スイッチASW1は
オンし、切換信号Hlは、第1パルス通電期間T1 にお
いては、信号を停止しているのでNOT回路NT1は信
号を出力し、この信号と信号Tm3 との両方の信号がN
AND回路NNDに入力されるので、回路NNDは信号
を停止し、第2スイッチASW2はオフするので、回路
MMAの時定数用抵抗値はr1 +r2 となり、第1パル
ス幅設定信号Tp1 sを出力する。さらに、切換信号H
lは、第2パルス通電期間T2 においては、信号を出力
しているのでNOT回路NT1は信号を停止し、したが
ってNAND回路NNDは信号を出力し、第2スイッチ
ASW2はオンするので、回路MMAの時定数抵抗値は
r1 となり、第2パルス幅設定信号Tp2 sを出力す
る。ここで、Kを比例定数とすれば、各設定値は、 Tp1 =K(r1 +r2 ) …(1) Tp2 =Kr1 …(2) Tp3 =K(r1 +r2/2 )…(3) となり、(3)に(1)及び(2)を代入すれば、Tp
3 =(Tp1 +Tp2 )/2の関係が成立する。したが
って、第1乃至第3パルス幅Tp1 乃至Tp3 は、予め
設定された抵抗値の抵抗器を自動的に切換えられる。
【0080】図12のブロック図において、図9のブロ
ック図と異なる第5の構成は、図9の第3パルス電流値
設定回路IP3の代りに、第1及び第2パルス電流値設
定信号Ip1 s及びIp2 sを入力として自動的に第3
パルス電流値設定信号Ip3sを出力する第3パルス電
流値自動設定回路IPAになっている。
【0082】(図13の説明)図13(A)は、時刻t
s1 から時刻ts2 までのホットスタ−ト期間Thにお
いてはホットスタ−ト電流Ihを通電し、時刻ts2 か
ら時刻t1 までのア−クスタ−ト期間Tsにおいては、
第3パルス電流群P3,P3,…を通電し、時刻t1 から時
刻t2 までの第2パルス通電期間T2 は第2パルス電流
群P2,P2,…を通電し、時刻t2 から時刻t3 までの第
1パルス通電期間T1 は第1パルス電流群P1,P1,…を
通電する溶接電流Iの時間的経過tを示す図である。同
図(C)は、第3比較回路CM3が出力する溶接電流通
電信号Cm3 の時間的経過tを示す図である。同図
(D)は、時刻ts1 において信号Cm3 が入力された
とき時限を開始してホットスタ−ト期間Thの経過後に
HS完了信号Tm2 を出力する時間的経過を示す図であ
る。同図(E)は、時刻ts1 において信号Cm3 が入
力されたときに時限を開始してホットスタ−ト期間Th
とア−クスタ−ト期間Tsとの経過後にAS完了信号T
m3 を出力する時間的経過を示す図である。同図(B)
は、時刻t1 までは第3ア−ク電圧設定信号Vs3 を出
力し、第2パルス通電期間T2 においては第2ア−ク電
圧設定信号Vs2 を出力し、第1パルス通電期間T1 に
おいては第1ア−ク電圧設定信号Vs1 を出力するア−
ク電圧設定信号Vsの時間的経過を示す図である。
【0100】
【本発明の効果】本発明のア−クスタ−ト制御方法は、
ア−ク長が小の第1パルス電流群とア−ク長が大の第2
パルス電流群との間のア−ク長を得る第3パルス電流群
の通電によって定まるア−ク電圧でア−クスタ−トを
し、溶接開始時に必要なア−ク長にすることにより、適
切な入熱によって被溶接物を加熱溶融するとともに、ア
ルミニウム材に対しては、酸化皮膜の除去のためのクリ
−ニング作用を0.5 秒乃至1.5 秒間を行うので、溶接開
始部分においてもブロ−ホ−ルを発生することがなく、
さらにアルミニウム材に限らず、スティ−ル系の材料の
パルスMAG溶接においても、溶接開始部分に融合不良
が発生したり、突状の余盛りが発生したり、オ−バラッ
プ、アンダ−カット等の溶接欠陥が発生することがな
く、さらに溶接ビ−ドの外観及び幅の両方とも、安定し
た溶接中の溶接ビ−ドと同一形状が得られる。
【0101】請求項4のア−クスタ−ト制御方法は、第
1パルス電流設定値の設定信号と第2パルス電流設定値
の設定信号とを入力として、ア−クスタ−トに必要な第
3パルス電流設定値の設定信号を自動的に発生して、そ
の設定信号によって第3パルス電流群を通電して溶接を
開始するので、作業者の設定操作を省略して、誤設定防
止又は設定の簡易化を図ることができる。
【0102】請求項5のア−クスタ−ト制御方法は、第
1パルス幅設定値の設定信号と第2パルス幅設定値の設
定信号とを入力として、ア−クスタ−トに必要な第3パ
ルス幅設定値の設定信号を自動的に発生して、その設定
信号によって第3パルス電流群を通電して溶接を開始す
るので、作業者の設定操作を省略して、誤設定防止又は
設定の簡易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ア−ク長を周期的に変化させるために
ア−ク電圧を周期的に変化させて溶接する先願のパルス
MAG溶接方法に使用する溶接装置のブロック図であ
る。
【図2】図2(A)乃至(C)は、それぞれ図1に示す
溶接装置を使用して、ホットスタ−ト電流を通電してア
−クスタ−トした後、同図(A)に示すように、ア−ク
長が小のLtから溶接を開始し、次にア−ク長が大のL
rに切り換わったときのワイヤ先端1aと被溶接物2と
の位置関係を示す図及び溶接電流Iの時間的経過を示す
図及びア−ク電圧設定信号の設定値Vsの時間的経過を
示す図である。
【図3】図3(A)乃至(C)は、ホットスタ−ト電流
を通電してア−クスタ−トした後、図2の場合と逆に、
同図(A)に示すようにア−ク長が大のLrから溶接を
開始し、次にア−ク長が小のLtに切り換わったときの
位置関係を示す図及び溶接電流Iの時間的経過を示す図
及びア−ク電圧設定信号の設定値Vsの時間的経過を示
す図である。
【図4】図4(A)乃至(C)は、それぞれ図1の溶接
装置を使用してア−クスタ−トを行ったときの溶接開始
部分の横断面図及び縦断面図及び上方からの外観図であ
る。
【図5】図5(A)は、本発明のア−クスタ−ト制御方
法に適用する短いア−ク長Ltと長いア−ク長Lrとの
間のア−ク長Lmにする設定値でア−クスタ−トすると
きのワイヤ先端1aと被溶接物2との位置関係を示す図
である。同図(B)は、ホットスタ−ト期間Th、ア−
クスタ−ト期間Ts、第1パルス通電期間T1 及び第2
パルス電流通電期間T2 に通電する溶接電流Iの時間的
経過を示す図である。同図(C)は、期間Th、期間T
s、期間T1 及び期間T2 におけるア−ク電圧設定値V
sの時間的経過を示す図である。
【図6】図6(A)は、本発明の他のア−クスタ−ト制
御方法に適用する図5(A)と同様の位置関係を示す図
である。同図(B)は、図5(B)と同様の時間的経過
を示す図である。同図(C)は、図5(C)と同様の時
間的経過を示す図である。
【図7】図7(Z)は先願の第3パルス電流群を通電す
ることができない溶接装置によって重ね隅肉溶接をした
ときの溶接結果を示す図、同図(Y),(X)及び
(A)は、第3パルス電流群を通電することができる溶
接装置を使用してア−クスタ−ト期間Tsを、それぞれ
0.2 秒、0.4 秒及び0.5秒にして重ね隅肉溶接をしたと
きの溶接結果を示す図である。
【図8】図8(Z)は第3パルス電流群を通電すること
ができない先願の溶接装置によって被溶接物2上に溶接
ビードを形成した場合の外観を示す図、図8(A),
(B)及び(Q)は、第3パルス電流群を通電すること
ができる溶接装置を使用して、アークスタート期間Ts
を、0.5、1.0及び1.5秒に設定して、被溶接物
2上に溶接ビードを形成した場合の外観を示す図であ
る。
【図9】本発明のア−クスタ−ト制御方法を実施する溶
接装置の第1の実施例のブロック図である。
【図10】図10(A)乃至(D)は、図9の各回路の
出力信号の時間的経過を示す図である。
【図11】本発明のア−クスタ−ト制御方法を実施する
溶接装置の第2の実施例のブロック図である。
【図12】本発明のア−クスタ−ト制御方法を実施する
溶接装置の第3の実施例のブロック図である。
【図13】図13(A)乃至(E)は、図12の各回路
の出力信号の時間的経過を示す図である。
【図14】図12のブロック図のスタ−ト電圧自動設定
回路AVSの具体的実施例の接続図である。
【図15】図14のブロック図の微調整設定器付スタ−
ト電圧自動設定回路AVSの具体的実施例の接続図であ
る。
【図16】図12のブロック図のパルス幅設定条件回路
の実施例の接続図である。
【符号の説明】
1 消耗電極(ワイヤ) 1a 消耗電極(ワイヤ)先端 2 被溶接物 3 アーク 4 給電チップ 4a 給電チップ先端 5 溶着金属(溶接ビード) 5t 溶接開始部分 5r 余盛 5u 融合不良部分(アンダーカット) 5w 溶接開始部分の溶接ビード幅 P1,P1,… 第1パルス電流群 P2,P2,… 第2パルス電流群 P3,P3,… 第3パルス電流群 T1 第1パルス通電期間 T2 第2パルス通電期間 Th ホットスタート期間 Ts アークスタート期間 D1,D2,D3 第1乃至第3パルス周期 f1,f2,f3 第1乃至第3パルス周波数 Ih ホットスタート電流 Ip1,Ip2,Ip3 第1乃至第3パルス電流値 Tp1,Tp2,Tp3 第1乃至第3パルス幅 Ib ベース電流値 VS1乃至VS3 第1乃至第3アーク電圧設定回路 Vs1乃至Vs3 第1乃至第3アーク電圧設定値(設
定信号) TM2 ホットスタート(HS)時限回路 Tm2 ホットスタート(HS)完了信号 TM3 アークスタート(AS)時限回路 Tm3 アークスタート(AS)完了信号 AVS スタート電圧自動設定回路 Avs スタート電圧設定信号 TPA パルス幅設定切換回路 Tps 切換パルス幅信号 IPA 第3パルス電流値自動設定回路IHS ホットスタート(HS)電流設定回路 Ihs HS電流設定信号 IM 平均溶接電流又はスタート電流設定回路 Im 平均溶接電流又はスタート電流設定信号 IP3 第3パルス電流値設定回路 IB ベース電流設定回路 TP3 第3パルス幅設定回路 SW4 SW電流切換回路 S4…SW電流切換信号 SW4−1 SWパルス電流値切換回路 Ipa 切換SWパルス電流値信号 SW4−3 SWパルス幅切換回路 Tpa 切換SWパルス幅信号 SW5 SW電圧切換回路 S5 SW電圧切換信号 SW9 HW電流切換回路 S9 溶接電流信号 Ip1s乃至Ip3s 第1乃至第3パルス電流値設定
信号(電流値設定値) Ibs ベース電流設定信号 Tp1s乃至Tp3s 第1乃至第3パルス幅設定信号
(幅設定値) ID 溶接電流検出回路 Id 溶接電流検出信号 CM3 第3比較回路 Cm3 溶接電流通電信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−471(JP,A) 特開 昭57−171574(JP,A) 特開 昭58−215278(JP,A) 特開 昭56−109169(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/173 B23K 9/067 B23K 9/09 B23K 9/095

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク長が小の第1パルス電流群と、前
    記第1パルス電流群の通電によるアーク長よりも大のア
    ーク長にする第2パルス電流群とを周期的に切換え通電
    するパルスMAG溶接アークスタート制御方法におい
    て、前記アーク長が小の第1パルス電流群のパルス電流
    の平均値と、前記アーク長が大の第2パルス電流群のパ
    ルス電流の平均値との間の平均値の第3パルス電流群を
    通電してアークスタートした後に、前記第2パルス電流
    群及び第1パルス電流群の順に周期的に切換え通電する
    パルスMAG溶接アークスタート制御方法。
  2. 【請求項2】 第3パルス電流群の第3パルス電流設定
    値を、第1パルス電流群の第1パルス電流設定値と第2
    パルス電流群の第2パルス電流設定値との間にする請求
    項1に記載のパルスMAG溶接アークスタート制御方
    法。
  3. 【請求項3】 第3パルス電流群の第3パルス幅設定値
    を、第1パルス電流群の第1パルス幅設定値と第2パル
    ス電流群の第2パルス幅設定値との間にする請求項1に
    記載のパルスMAG溶接アークスタート制御方法。
  4. 【請求項4】 第3パルス電流群の第3パルス電流設定
    値を、第1パルス電流設定値の設定信号と第2パルス電
    流設定値の設定信号とから演算する請求項2に記載のパ
    ルスMAG溶接アークスタート制御方法。
  5. 【請求項5】 第3パルス電流群の第3パルス幅設定値
    を、第1パルス幅設定値の設定信号と第2パルス幅設定
    値の設定信号とから演算する請求項3に記載のパルスM
    AG溶接アークスタート制御方法。
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