JPH11277235A - 短絡移行式アーク溶接方法 - Google Patents

短絡移行式アーク溶接方法

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JPH11277235A
JPH11277235A JP10017798A JP10017798A JPH11277235A JP H11277235 A JPH11277235 A JP H11277235A JP 10017798 A JP10017798 A JP 10017798A JP 10017798 A JP10017798 A JP 10017798A JP H11277235 A JPH11277235 A JP H11277235A
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short
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welding
arc
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JP10017798A
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English (en)
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Toshiro Uesono
敏郎 上園
Toshiaki Nakamata
利昭 中俣
Takanori Onishi
孝典 大西
Kosaku Yamaguchi
耕作 山口
Hiroyasu Mizutori
裕康 水取
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Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消耗性電極を使用し、短絡とアークとを繰
り返しながら溶接する短絡移行式アーク溶接方法の改良
に関するものである。 【解決手段】消耗性電極を使用し、短絡とアーク発生と
を繰り返しながら溶接を行う短絡移行式アーク溶接方法
において、一回の短絡発生期間の長さを検出し、検出し
た短絡発生期間の長さに比例して次のアーク発生期間に
おける溶接電源の出力電圧を増加させ、一回の短絡発生
期間の長さに比例して次のアーク発生期間における溶接
電流を増減させる短絡移行式アーク溶接方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消耗性電極を使用
し、短絡とアークとを繰り返しながら溶接する短絡移行
式アーク溶接方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】消耗電極式アーク溶接で安定した溶接を
行うためには、定速送給される消耗性電極を消耗性電極
8の送給速度に匹敵する一定の速度で溶融するように制
御しなければならない。特に短絡移行式アーク溶接法に
おいては、消耗性電極と被溶接物との間が短絡したり、
離れてアークが発生する現象を交互に繰り返すので溶融
量の制御は難しい。従来、このような溶接での消耗性電
極8溶融量の制御は溶接時の平均電圧を一定にすること
によってなされている。
【0003】図6に従来の短絡移行式アーク溶接方法を
実施する装置の例を示す。同図において、1は交流電源
であり商用交流電源が用いられる。2は電力変換回路で
あり、交流電源1からの電力を出力指令信号Sw1に応じ
た略定電圧特性の直流出力に変換する。3は直流リアク
トルであり、電力変換回路2の出力電流に短絡移行式ア
ーク溶接に適した電流変化の時定数を与える。4は溶接
トーチであり電動機5によって駆動される送給ロール6
によって被溶接物7に向かって送給される消耗性電極8
が内挿され、これに電力変換回路2からの電力を給電す
る。9は電動機5の回転速度を一定に制御する電動機制
御回路である。10は溶接電圧の瞬時値Vd を検出する
電圧検出器、11は電圧検出器10の出力を平滑して溶
接電圧の平均値Vdaを得る溶接電圧平滑回路、12は溶
接電圧設定回路であり、溶接電圧設定値Vs を設定す
る。13は比較器であり溶接電圧設定回路12の設定値
Vsと溶接電圧平滑回路11の出力信号Vdaとを比較
し、その差信号ΔV=Vs −Vdaを出力する。14は増
幅器であり、比較器13の出力信号ΔVを必要に応じて
増幅する。15はアーク期間検出器であり、電圧検出器
10の出力信号Vd が所定値よりも高いときにアーク期
間と判断してハイレベルのアーク期間信号Sadを出力す
る。16は短絡期間用出力電圧設定器であり、短絡期間
中の電力変換回路2の出力電流が過大にならないように
アーク発生期間中の出力電圧指令信号Vudよりも低い一
定値に定められた出力電圧設定信号Vssを出力する。1
7は信号切り替え回路であり、アーク期間検出器15の
アーク期間信号Sadがハイレベルのときは (a)側に、ア
ーク期間信号Sadがローレベルのときは (b)側に信号を
切り替えて電力変換回路2に伝達するアナログスイッチ
が用いられる。
【0004】図6において、溶接中の電圧を電圧検出器
10で検出し、溶接電圧平滑回路11で平滑し、検出電
圧平滑信号Vdaを求める。溶接電圧設定回路12からの
出力である溶接電圧設定信号Vs と検出電圧平滑信号V
daを比較器13で比較してその差信号ΔV=Vs −Vda
を出力する。比較器13の出力ΔVは次に増幅器14に
入力されて短絡期間用出力電圧設定器16の出力電圧V
ssと対応するレベルに増幅されてアーク発生期間中の出
力指令信号Vudとなる。溶接中は短絡、アークが交互に
発生するので電圧検出器10の出力はまた、アーク期間
検出器15にも供給されて溶接電圧の瞬時値Vd が所定
値よりも高いときはアーク期間信号Sadをハイレベル信
号として出力する。信号切り替え回路17はこのアーク
期間信号Sadがハイレベルの間、すなわちアーク期間は
信号切り替え回路17を (a)側にし、増幅器14の出力
信号Vudを選択する。アーク期間検出信号Sadがローレ
ベルの間、即ち短絡期間には信号切り替え回路17を
(b)側にして短絡期間用出力電圧設定器16の出力信号
Vssを選択する。このようにして選択された出力指令信
号Sw1は電力変換回路2に送られる。
【0005】図6の装置の動作のタイミングチャートを
図7に示す。図7において、(a)は電圧検出器10の
出力信号である溶接電圧の瞬時値Vd を、(b)は溶接
電圧の瞬時値Vd を溶接電圧平滑回路11にて平滑した
検出電圧平滑信号Vdaを、(c)は比較器13の出力Δ
Vを、(d)は増幅器14の出力信号Vudを、(e)は
アーク期間検出器15の出力信号Sadを、また(f)は
信号切り替え回路17によって選択された出力指令信号
Sw1をそれぞれ時間の経過とともに示す。
【0006】図6および図7において、溶接中は消耗性
電極8は被溶接物7に対してアーク発生と短絡とを1秒
間に数十回も繰り返す。短絡が発生した場合には溶接電
流は急速に増大し、この増大した電流が流れることによ
って短絡部に作用する電磁ピンチ力によってアークの再
生を促す。このとき電流が過大になりすぎると再アーク
発生時にスパッタの発生をもたらすので短絡期間中は信
号切り替え回路17が(b)側に切り替えられて、電力
変換回路2の出力電圧が短絡期間用出力電圧設定器16
の設定信号Vssで定まる低い値に低減される。通常、こ
の短絡時の溶接電流は短絡を解消するために必要な電磁
ピンチ力を得るためとアーク再生時の許容スパッタ量と
によってその下限と上限とが定められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法において
は、平均電圧を一定にする制御であるので、溶接電圧を
十分平滑して溶接電源の出力制御情報として用いなけれ
ばならない。このために、制御の応答速度は遅くなり、
充分な制御ができなかった。
【0008】さらにまた、アルミや銅などのように電気
抵抗の小さな消耗性電極8を用いて溶接するときには消
耗性電極8を流れる電流によって抵抗発熱がほとんど発
生しないため、消耗性電極8はアーク発生中にアーク熱
で溶融されるだけとなり、抵抗値の高い鉄鋼系の消耗性
電極8を用いるときとは大きく異なる現象があらわれ
る。
【0009】図8にてこの点を詳細に説明する。同図
(a)は溶接電圧瞬時値Vd とこれを平滑した検出電圧
平滑信号Vdaとを示し、(b)は溶接電流の瞬時値Ia
と平均溶接電流Idaとを示し、(c)は消耗性電極8の
先端と被溶接物7との平均距離、即ち平均アーク長La
と被溶接物7の状態とを示してある。
【0010】図8において、溶接開始から時刻t1 まで
の間は平均アーク長がL1 である。いま仮に、時刻t1
にて被溶接物7の段差等によって平均アーク長が急減し
たとする。平均アーク長が急減すると消耗性電極8の先
端と被溶接物7の距離が接近するので短絡を生じ易くな
る。すると(a)に示すように電圧検出器10の出力信
号Vd は直ちに変化する。しかし実際に検出される溶接
電圧平滑回路11の出力信号Vdaは十分平滑した値なの
で変化は遅く、このために増幅器14の出力信号Vudは
あまり変化しない。また(b)に示すように短絡期間が
長くなることによって溶接電流Ia は増加するがアーク
期間そのものが短かくなるために十分な消耗性電極8の
溶融量が得られない。この結果、さらに消耗性電極8の
先端が被溶接物7に近づくことになる。消耗性電極8の
先端が被溶接物7に近づくとさらに短絡が生じ易くな
る。するとさらにアーク期間が減少し、長い短絡の発生
しやすい状態になる。短絡期間中は消耗性電極の抵抗値
が小さいために消耗性電極8がほとんど溶融しないにも
かかわらず消耗性電極8は引き続き送給されてくるので
時刻t2 まで進むと平均アーク長がL2 に減少し、消耗
性電極8の先端と被溶接物7の距離がますます接近して
時刻t3 ではついに消耗性電極8が被溶接物7に突込ん
でしまう。さらに、その後も消耗性電極8の送給は継続
するために長い時間の短絡によって短絡電流は強大とな
り、これにより消耗性電極8が途中から吹き飛び、時刻
t4 でアークが再生する。
【0011】図9に図8の状態を経過したときの溶接ビ
ードの外観を示す。時刻t1 を境にして短絡期間の長さ
が増加し、消耗性電極8の溶融量が低下しビード外観が
次第に細くなる。時刻t2 以後ではビード外観も極端に
細くなり全く溶融していない状態にいたっている。時刻
t3 から時刻t4 の間ではアークは全く発生していない
ので被溶接物7への入熱も無く、消耗性電極8からの溶
融金属も供給されないので溶接ビードは全く形成されな
い。
【0012】さらにまた、アルミのような電気抵抗の小
さな消耗性電極を用いた溶接においては溶接電圧が低い
ときに被溶接物に形成される溶融池と消耗性電極の先端
で特異な現象が発生する。図10はこの現象を説明する
ための図であり溶接線方向に沿って溶接部を切断した断
面にて示した模式図である。同図において7は被溶接
物、7aは溶融金属からなる溶融池、7bは凝固した溶
着金属、8は消耗性電極、8aは消耗性電極8の先端の
溶融部である。同図の(a)は溶融池7aと消耗性電極
8の先端の溶融部8aとの距離がL1 のときの状態を示
し、この場合、溶接条件的に電圧が低くアーク期間が短
いと消耗性電極8の溶融が十分でない状態にある。
(b)は上記の場合において短絡が発生したときの様子
を示し、この場合は消耗性電極8の抵抗値が小さいため
に短絡期間中にも送給され続ける消耗性電極8が溶融し
ないので距離がL2 まで短くなる。この時、1秒間に数
十回も短絡とアーク発生とを繰り返すために、溶融池7
aは図中に示した矢印のように振動しており激しく波打
っている。(c)は溶融池振動の波で短絡が解消した時
の様子を示し、(d)では再び短絡した状態を示す。こ
の状態になるとアーク期間は溶融池振動の周期で決ま
り、次々と短絡が発生することになる。このとき被溶接
物7および消耗性電極8がアルミのように電気抵抗値の
低い材料の場合は溶融金属は急速に冷却されて凝固する
ために溶融池が小さく、このために振動の周期が短くな
るのでアーク発生期間が減少する。このために消耗性電
極を溶融するための供給熱量が不足し、この結果、図8
(c)に示したように消耗性電極8が被溶接物7に突っ
込んでしまうことになる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
消耗性電極を使用し、短絡とアーク発生とを繰り返しな
がら溶接を行う短絡移行式アーク溶接方法において、一
回の短絡発生期間の長さを検出し、検出した短絡発生期
間の長さに比例して次のアーク発生期間における溶接電
源の出力電圧を増加させ、一回の短絡発生期間の長さに
比例して次のアーク発生期間における溶接電流を増減さ
せる短絡移行式アーク溶接方法を提案したものである。
【0014】本発明の第2の発明は、消耗性電極を使用
し、短絡とアーク発生とを繰り返しながら溶接を行う短
絡移行式アーク溶接方法において、アーク発生期間にお
ける溶接電源の出力電圧を短絡発生期間における溶接電
源の出力電圧よりも高く設定するとともに、一回の短絡
発生期間の長さを検出し、検出した短絡発生期間の長さ
に比例して次のアーク発生期間における溶接電源の出力
電圧を増加させ、一回の短絡発生期間の長さに比例して
次のアーク発生期間における溶接電流を増減させる短絡
移行式アーク溶接方法を提案したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に本発明の短絡移行式アーク
溶接方法を実施する装置の例を示す接続図である。同図
において、20は短絡期間検出器であり電圧検出器10
の出力Vd が所定値よりも低いときハイレベルの短絡期
間信号Ssdを出力する。18は出力電圧補正器であり、
短絡期間検出器20の出力である短絡期間信号Ssdを入
力とし、短絡期間の長さに応じた次のアーク期間におけ
る出力電圧補正信号Vmsを出力する。19は加算器であ
り、比較器13の出力ΔVを増幅した増幅器14の出力
信号と出力電圧補正器18の出力Vmsとを加算し、その
結果をアーク期間の出力電圧指令信号Vusとして出力す
る。また、信号切り替え回路17は端子 (a)に短絡期間
用出力電圧設定器16の出力信号Vssを、端子 (b)に加
算器19の出力信号Vusを供給するように接続してあ
り、短絡期間検出器20の出力信号Ssdがハイレベルで
ある短絡期間中は信号切り替え回路17を (a)に、出力
信号Ssdがローレベルとなるアーク期間中は信号切り替
え回路17を (b)にそれぞれ切り替えるように接続して
ある。同図においてその他は図6に示した従来装置と同
機能のものに同符号を付して説明を省略する。
【0016】同図において、溶接中の電圧を電圧検出器
10で検出し、溶接電圧平滑回路11で平滑して平均電
圧となる検出電圧平滑信号Vdaを求める。溶接電圧設定
回路12からの出力である溶接電圧設定信号Vs と検出
電圧平滑信号Vdaを比較器13で比較してその差信号Δ
Vを出力する。溶接中は短絡、アークが交互に発生する
ので電圧検出器10の検出信号Vd を短絡期間検出器2
0により判定し、入力信号Vd が所定値よりも低いとき
は短絡期間中と判断してハイレベル信号Ssdを出力す
る。短絡期間信号Ssdは出力電圧補正器18にて計数さ
れてこの短絡期間信号Ssdの継続時間の長さに応じた大
きさの出力電圧補正信号Vmsを出力する。比較器13の
出力ΔVを増幅した増幅器14の出力と出力電圧補正器
18の出力Vmsとは加算器19に入力されて Vus=A・ΔV+Vms となる。(但し、Aは増幅器14の増幅率によって定ま
る定数) アーク期間には短絡期間検出器20の出力信号Ssdがロ
ーレベルとなり、信号切り替え回路17を (b)側にし、
加算器19の出力信号Vusを選択する。逆に短絡期間に
は短絡期間検出器15の出力信号Ssdがハイレベルにな
り、信号切り替え回路17を (a)側に切り替えて、短絡
期間用出力電圧設定器16の出力電圧設定信号Vssを選
択する。こうして選択された出力指令信号Sw1は電力変
換回路2に供給される。
【0017】図2は出力電圧補正器18の具体例を示
す。図2において、MM1およびMM2はモノマルチバ
イブレータであり入力信号の立ち下がり時にトリガーさ
れて短時間幅のパルスを出力する。IG1は積分回路で
あり、短絡期間検出器20の出力信号Ssdを積分して信
号Sigとして出力するとともにモノマルチバイブレータ
MM2の出力信号によってリセットされるものである。
SH1はサンプルホールド回路であり、入力信号Ssdを
積分する積分回路IG1の出力信号Sigを入力としてモ
ノマルチバイブレータMM1の出力信号の立ち上がり時
にそのときの入力信号を記憶して、つぎのモノマルチバ
イブレータMM1の出力信号の立ち上がりまで保持して
出力電圧補正信号Vmsとして出力する。
【0018】図3は図1の装置に図2の出力電圧補正器
を用いたときの動作を示すタイミングチャートである。
同図において、(a)は電圧検出器10の出力信号、即
ち溶接電圧の瞬時値Vd を示し、(b)はこの溶接電圧
の瞬時値Vd を平滑した溶接電圧平滑回路11の出力信
号Vdaを示す。(c)は検出電圧平滑信号Vdaと溶接電
圧設定回路12の出力信号である溶接電圧設定値Vs と
を比較した比較器13の出力信号ΔVを示す。(d)は
短絡期間検出器20の出力信号Ssdを示し、(e)は出
力電圧補正器18のモノマルチバイブレータMM1の出
力信号、(f)は出力電圧補正器18のモノマルチバイ
ブレータMM2の出力信号、(g)は出力電圧補正器1
8の積分回路IG1の出力信号、(h)は出力電圧補正
器18のサンプルホールド回路SH1の出力信号、即ち
出力電圧補正信号Vmsを示す。(i)は増幅器14の出
力信号A・ΔVと出力電圧補正信号Vmsとを加算する加
算器19の出力信号Vus、(j)は短絡期間検出器20
の出力信号Ssdによって短絡期間とアーク期間とにおい
て出力電圧設定信号をVusまたは短絡期間中の出力電圧
設定信号Vssに切替える信号切り替え回路17の出力指
令信号Sw1を示す。
【0019】図1ないし図3において、溶接電圧Vd は
電圧検出器10によって検出されて溶接電圧平滑回路1
1にて平均値Vdaが導出されて比較器13にて溶接電圧
設定回路12の設定値と比較されて差信号ΔVが算出さ
れる。一方、電圧検出器10の出力はまた、短絡期間検
出器20にも供給されて信号Vd が一定値よりも低いと
きは短絡期間と判断されてハイレベルの短絡期間信号S
sdが出力される。ハイレベルの短絡期間信号Ssdは出力
電圧補正器18の積分回路IG1にて積分されて積分信
号Sigとなりサンプルホールド回路SH1に出力され
る。短絡期間検出器20の出力Ssdはまた出力電圧補正
器18のモノマルチバイブレータMM1にも供給され
て、モノマルチバイブレータMM1は入力信号Ssdの立
ち下がり、即ち、短絡期間の終了直後に短時間のパルス
信号を出力する。モノマルチバイブレ00MM1のパル
ス出力はモノマルチバイブレータMM2とサンプルホー
ルド回路SH1とに供給され、サンプルホールド回路S
H1はこのモノマルチバイブレータMM1の出力信号の
立ち上がりの瞬間の入力信号Sigを記憶して出力電圧補
正信号Vmsとして出力する。モノマルチバイブレータM
M2はモノマルチバイブレータMM1の出力信号の立ち
上がりでトリガーされて短時間のパルス信号を出力し、
積分回路IG1はこのモノマルチバイブレータMM2の
出力パルスの立ち下がりによりリセットされてその出力
信号は零に復帰する。
【0020】一方、短絡期間検出器20の出力はまた、
信号切り替え回路17にも供給されて短絡期間信号Ssd
がハイレベルのときは信号切り替え回路17を (a)側
に、短絡期間信号Ssdがローレベルのときは信号切り替
え回路17を (b)側に切り替える。この結果、短絡期間
信号Ssdがハイレベルとなる短絡発生期間のはじめから
短絡期間信号Ssdが出力電圧補正器18の積分回路IG
1にて積分され、アーク期間の終了時に短絡期間信号S
sdがローレベルに反転すると、その瞬間の積分回路IG
1の出力信号がサンプルホールド回路SH1に記憶さ
れ、その後、モノマルチバイブレータMM1の出力パル
スの立ち下がりによってモノマルチバイブレータMM2
の出力が立ち上がると積分回路IG1はリセットされ、
出力信号Sigは零に戻り、次の短絡期間が始まって短絡
期間信号Ssdがハイレベルになるまで待機する。この結
果、1回の短絡期間の長さが出力電圧補正器18の積分
回路IG1によって算出されて、これがその短絡期間の
終了に伴ってサンプルホールド回路SH1に記憶され
て、次の短絡期間の終了時まで保持されて加算器19に
出力電圧補正信号Vmsとして出力される。加算器19で
はサンプルホールド回路SH1の出力信号Vmsを増幅器
14の出力信号に加算してVus=A・ΔV+Vmsを得
て、信号切り替え回路17にアーク期間における出力指
令信号として出力する。
【0021】このように、短絡期間が長いときは出力電
圧補正信号Vmsは大きくなり、次のアーク期間における
加算器19の出力信号Vusは高くなり、電力変換回路2
の出力電圧高くなる。逆に、短絡期間が短かいときは出
力電圧補正信号Vmsは小さくなり、次のアーク期間にお
ける加算器19の出力信号Vusは低くなって電力変換回
路2の出力電圧も低くなる。
【0022】図4は図1の装置を用いて本発明の溶接方
法を実施したときに、溶接中にアーク長が急に短くなっ
た時の状態を模式的に示した図である。同図(a)は溶
接電圧の瞬時値Vd とその検出電圧平滑信号Vdaを示
す。(b)は溶接電流の瞬時値Ia と平均アーク電流I
daを示す。(c)は消耗性電極8の先端と被溶接物7と
の距離、即ち平均アーク長La の変化および被溶接物7
の状態を示す。
【0023】同図において、溶接開始から時刻t1 まで
の間は平均アーク長がL1 であり、時刻t1 において平
均アーク長がL2 に急減し消耗性電極8の先端と被溶接
物7の距離が接近したとする。このとき、アーク長が減
少したために短絡を生じ易くなり、同図(a)に示すよ
うにアーク期間は減少し、短絡期間が増加する。これに
対して、実際の検出電圧平滑信号Vdaは十分平滑した値
なので変化は遅くあまり変化しない。しかし短絡回数が
増加し、短絡期間が長くなるのでこの期間の長さに比例
する出力電圧補正信号Vmsは大きくなり、次のアーク期
間の加算器19の出力信号Vusは大きな値となって、ア
ーク期間中の出力電圧が増加する。これにより溶接電流
が増加し十分な消耗性電極8の溶融が得られる。この結
果、(c)に示すようにアーク長が急減した後にもとの
アーク長に短時間で戻り、従来例のように完全短絡とな
ってしまうようなことは発生しない。
【0024】図5に上記の場合における被加工物の溶接
ビードの外観を示す。図4に示したようにアーク長が時
刻t1 に急減したときを境にして一回の短絡期間の長さ
が急増すると、これに比例して溶接電流が急増する結
果、消耗性電極8の溶融速度が急速に増加してアーク長
がすぐに回復するので、ビード外観が極く短時間の間乱
れるだけで、従来方法のように溶接不良にまで発展する
ことがない。
【0025】
【発明の効果】本発明の短絡移行式アーク溶接方法は、
上記の通りであるので、消耗性電極と被溶接物との間の
距離が急変した場合でも消耗性電極の溶融量を即座に変
化させ、適正なアーク状態まで早く復帰させることが出
来、溶接欠陥の発生を防止出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の短絡移行式アーク溶接方法を実施する
装置の例を示す接続図である。
【図2】図1の装置に用いる出力電圧補正器18の実施
例を示す接続図である。
【図3】図1の装置に図2の出力電圧補正器18を用い
たときの動作を説明するためのタイミングチャートであ
る。
【図4】図1の装置によって本発明の短絡移行式アーク
溶接方法を実施したときの溶接電圧、溶接電流、消耗性
電極と被溶接物との位置関係を時間の経過と共に示した
模式図である。
【図5】本発明の短絡移行式アーク溶接方法を実施した
ときにアーク長が急減したときの溶接ビードの外観を示
す図である。
【図6】従来の短絡移行式アーク溶接方法を実施する装
置の例を示した接続図である。
【図7】図6の従来装置の動作を説明するための線図で
ある。
【図8】図6の装置によって従来の短絡移行式アーク溶
接方法を実施したときの溶接電圧、溶接電流、消耗性電
極と被溶接物との位置関係を時間の経過と共に示した模
式図である。
【図9】図6の装置によって従来の短絡移行式アーク溶
接方法を実施したときにアーク長が急減した時の溶接ビ
ードの外観を示す図である。
【図10】アルミのような電気抵抗の小さな消耗性電極
を用いた溶接においては溶接電圧が低いときに被溶接物
に形成される溶融池と消耗性電極の先端との間で発生す
る現象を説明するための図である。
【符号の説明】
1 交流電源 2 電力変換回路 3 直流リアクトル 4 溶接トーチ 5 電動機 6 送給ロール 7 被溶接物 7a 溶融池 8 消耗性電極 8a 消耗性電極8の先端部にできた溶融部 9 電動機制御回路 10 溶接電圧の瞬時値Vd を検出する電圧検出器 11 溶接電圧平滑回路 12 溶接電圧設定回路 13 比較器 14 増幅器 15 アーク期間検出器 16 短絡期間用出力電圧設定器 17 信号切り替え回路 18 出力電圧補正器 19 加算器 20 短絡期間検出器 MM1 モノマルチバイブータ MM2 モノマルチバイブレータ IG1 積分回路 SH1 サンプルホールド回路 Vd 溶接電圧の瞬時値 Vs 溶接電圧設定値 ΔV 溶接電圧設定値Vs と検出電圧平滑信号Vdaとの
差信号 Sad アーク期間信号 Ssd 短絡期間信号 Vss 短絡期間中の出力電圧設定信号 Vda 検出電圧平滑信号 Vud 増幅器14の出力信号 Vus 加算器19の出力信号 Sw1 出力指令信号 Vms 出力電圧補正信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 耕作 大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会 社ダイヘン内 (72)発明者 水取 裕康 大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会 社ダイヘン内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消耗性電極を使用し、短絡とアーク発生と
    を繰り返しながら溶接を行う短絡移行式アーク溶接方法
    において、一回の短絡発生期間の長さを検出し、検出し
    た短絡発生期間の長さに比例して次のアーク発生期間に
    おける溶接電源の出力電圧を増加させ、一回の短絡発生
    期間の長さに比例して次のアーク発生期間における溶接
    電流を増減させる短絡移行式アーク溶接方法。
  2. 【請求項2】消耗性電極を使用し、短絡とアーク発生と
    を繰り返しながら溶接を行う短絡移行式アーク溶接方法
    において、短絡発生期間における溶接電源の出力電圧を
    アーク発生期間における溶接電源の出力電圧よりも低い
    一定値に設定するとともに、一回の短絡発生期間の長さ
    を検出し、検出した短絡発生期間の長さに比例して次の
    アーク発生期間における溶接電源の出力電圧を増加さ
    せ、一回の短絡発生期間の長さに比例して次のアーク発
    生期間における溶接電流を増減させる短絡移行式アーク
    溶接方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012076131A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Yaskawa Electric Corp アーク溶接装置およびアーク溶接システム
JP2015036146A (ja) * 2013-08-10 2015-02-23 株式会社ダイヘン 短絡期間の溶接電流制御方法

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US9233431B2 (en) 2010-10-04 2016-01-12 Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki Arc welding device and arc welding system
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