JP2819607B2 - ミグ及びマグパルスアーク溶接方法 - Google Patents

ミグ及びマグパルスアーク溶接方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ミグ及びマグパルスアーク溶接方法(以
下、マグパルス溶接方法という。)において、アーク長
を短くすることにより、特に、高速溶接の溶接欠陥の発
生を防止し、かつスパッタの発生を低減させるマグパル
ス溶接方法に関するものである。
<従来の技術> 最近、製造ラインの生産性を向上させる場合に重要な
課題は、溶接速度の高速化、品質の安定化及びスパッタ
の低減を同時に満足させることができるマグパルス溶接
方法の開発である。
第2図は従来及び本発明のマグパルス溶接方法の出力
電圧Va[V](横軸)とスパッタ発生量[g/min]との
関係を示す測定図であって、溶接条件は、被溶接物が軟
鋼、ワイヤ径が1.2mm、シールドガス炭酸ガス20%とア
ルゴン80%との混合ガス、溶接電流210[A]、溶接速
度1.5[m/min]である。
同図の曲線Aは従来のトランジスタスッチング制御に
よる台形波マグパルス溶接方法における測定図であり、
曲線Bはインバータ制御による矩形波マグパルス溶接方
法における測定図であり、曲線Cは後述する本発明のマ
グパルス溶接方法における測定図である。
第3図は、第2図の曲線Aに示す従来の台形波マグパ
ルス溶接方法及び曲線Bに示す矩形波マグパルス溶接方
法を実施する溶接装置の構成図の一例である。
同図において、4は消耗電極、5は被溶接物、6はア
ーク、7は移行溶滴、21はパルス電流用電源、22はベー
ス電流用電源、23は出力電圧瞬時値検出回路、24は短絡
時の出力電圧の基準値を設定する短絡電圧設定回路、25
は比較回路、26は台形波又は矩形波の補助パルス電流用
電源、27はパルス電流値設定回路、28はパルス電流期間
(パルス幅)設定回路、29はベース電流値設定回路、30
はパルス周波数設定回路である。
第3図に示す従来のマグパルス溶接装置の動作を説明
する。同図において、パルス電流値設定回路27とパルス
電流期間設定回路28とパルス周波数設定回路30とによっ
て定まる第4図(B)の出力電流波形図に示すパルス電
流Ipをパルス電流用電源21から出力し、ベース電流値設
定回路29とパルス周波数設定回路30とによって定まる第
4図(B)に示すベース電流Ibをベース電流用電源22か
ら出力する。溶接中、出力電圧の瞬時値を出力電圧瞬時
値検出回路23によって検出した検出電圧S1と短絡電圧設
定回路24の基準電圧S2とを比較回路25によって比較し
て、検出電圧S1が基準電圧S2よりも低下して第4図
(A)のA点に示す出力電圧波形において短絡と判別し
たときは、補助パルス電流用電源26から第4図(B)の
出力電流波形に示す台形波又は矩形波の補助パルス電流
Iaを通電して、短絡を解除してアークを発生させてい
る。
他方、アーク長を短くして出力電圧Vaを低くしたとき
のスパッタ発生量を低減させる特許出願としては、短絡
した時点から所定時間を経過したときに、短絡解除のた
めの台形波又は矩形波の補助パルス電流を通電するアー
ク溶接装置(特開昭61−266180)、パルスの立上り時に
短絡状態であるときに限り、アークの再生を待ってパル
ス電流の立上げを行う溶接機(特開昭61−262469)等が
ある。
<発明が解決しようとする問題点> 従来から、アーク長を短くしてもスパッタの発生を少
なくしようとする発明が種々行われているが、本発明
は、マグパルス溶接方法において、スパッタ発生の原因
を究明してその結果にもとずいて、アーク長を短くして
もスパッタの発生を最小限にすることができる溶接方法
を提案するものである。
ここで、スパッタ発生の原因について究明する。
第5図(A)乃至(C)は、従来の台形波マグパルス
溶接方法において、溶接電流210[A]、シールドガス2
0%炭酸ガスと80%アルゴンガスとの混合ガス、ワイヤ
径1.2mmにおいて、1.5[m/min]の高速度溶接をしたと
き、平均短絡回数N[回数/秒](横軸)とスパッタ発
生量[g/min](縦軸)との関係を示すスパッタ発生量
測定図であって、同図(A)はパルス電流定常期間Tsの
短絡回数に対するスパッタ発生量の測定図、同図(B)
はパルス電流変化期間(パルス電流立上り期間及びパル
ス電流立下り期間)Ttの短絡回数に対するスパッタ発生
量の測定図、同図(C)はベース電流通電期間Tbの短絡
回数に対するスパッタ発生量の測定図である。同図
(A)及び(B)に示すように、パルス電流定常期間Tp
及びパルス電流変化期間Ttにおいては、平均短絡回数N
の増加とともにスパッタ発生量が増加している。逆に、
同時(C)に示すように、ベース電流通電期間Tbにおい
ては、平均短絡回数Nの増加とともにスパッタ発生量が
減少していることが判る。このことから、従来の溶接装
置において、短絡解除のために、第4図(A)乃至
(C)に示すように、台形波又は矩形波の補助パルス電
流を通電すると、この短絡解除のための補助パルス電流
が、第5図(B)に示すパルス電流立上り時におけるス
パッタ発生の原因になるという問題点が判明した。すな
わち、前述した第4図(A)の出力電圧波形図のA点に
示すように、出力電圧が低下して短絡を生じたとき、同
図(B)の出力電流波形図のIaに示すように、台形波又
は矩形波の補助パルス電流を通電すると、同図(C)に
示すように、消耗電極4の先端と被溶接物5との間にア
ーク6によって生じる移行溶滴7が、同図B点において
大粒のスパッタとなって飛散するという問題点があっ
た。
<問題点を解決するための手段> 本発明のミグ及びマグパルスアーク溶接方法は、アー
ク長を短くしても、スパッタを最小限にするために、次
の構成要件を備えている。
(1)パルス電流の立上り及び立下り速度の大きい矩形
波電流を通電すること。
(2)パルス周波数に同期してベース電流通電期間中に
溶滴移行を行わせること。
(3)ベース電流通電期間中の短絡の継続が予め設定し
た値を超えた後に、短絡解除電流を通電し、アーク発生
後はベース電流値に復帰させること。
(4)前記短絡解除電流は徐々に増加する電流であるこ
と。
また、請求項第2項の発明は、パルス電流通電期間中
に短絡が生じたときは、直ちに、パルス電流値Ipをベー
ス電流値Ibに低下させる第1項記記載のマグパルス溶接
方法である。
<作用> 本発明のマグパルス溶接方法において、アーク長を短
くしてもスパッタを最小限にするための手段及びその作
用について説明する。
(1)矩形波出力電流制御 前述した第5図(B)に示すように、パルス電流の立
上り期間及び立下り期間のパルス電流変化期間Tt中の短
絡回路Nが増加すると、スパッタ発生量が増加する。し
たがって、パルス電流波形が変化期間の大きい従来の第
3図に示すトランジスタスイッチング制御による溶接電
源においては、パルス電流波形が台形波となりスパッタ
発生の原因となっている。そこで、本発明の溶接方法で
は、スパッタ発生の原因となる台形波パルス電流のかわ
りに、インバータ制御をした溶接電源から出力される矩
形波パルス電流を通電することにより、スパッタ発生の
原因を除去している。
(2)パルス周期同期溶滴移行制御 前述した第5図(A)に示すように、パルス電流定常
期間Tp中の短絡回路数Nが増加すると、スパッタ発生量
が増加し、他方、同図(C)の示すように、ベース電流
通電期間Tb中の短絡回数Nが増加すると、スパッタ発生
量が減少する。したがって、本発明の溶接方法は、パル
ス電流通電期間Tpの間に、消耗電極先端に移行のための
溶滴を形成しておき、ベース電流通電期間Tb中に分離し
て移行させるように、消耗電極送給速度に対応させて、
パルス電流通電期間Tp、パルス電流値Ip及びパルス周波
数Fを設定及び制御するパルス周期同期溶滴移行(ユニ
ットパルス移行)制御を行っている。このように、ベー
ス電流通電期間中に溶滴を移行させることにより、短絡
が生じても、スパッタは発生せず、このベース電流通電
期間中の短絡回数Nが増加することによって、パルス電
流通電期間Tp中の短絡が減少するので、ベース電流通電
期間Tbの短絡回路数Nの増加にしたがって、スパッタ発
生量が減少している。
(3)短絡解除電流通電 前述した(2)項に記載したように、ベース電流通電
期間中に溶滴移行を行わせるようにしたとき、溶滴移行
の際に短絡が生じたときは、第1図(A)の出力電圧波
形図のP点に示すように、短絡の継続が設定値例えば設
定時間Tdよりも小のときは、同図(B)の出力電流波形
図に示すように、通常のベース電流Ibをそのまま継続し
て通電し、また同図(A)のQ点に示すように、短絡継
続時間が設定値Tbよりも長くなったときは、同図(B)
の短絡解除電流Idを、短絡検出後の設定時間Tdの経過し
た後に通電してアークを再生させる。この短絡解除電流
の通電によって、短絡が約1[ms]以上の長時間継続し
ないようにして、アーク不安定を防止することができ、
また短絡がパルス電流期間まで継続してパルス電流によ
りアークが再生してスパッタが発生することを防止する
ことができる。アーク発生後は、ベース電流値に復帰さ
れる。
なお、上記の短絡中か否かの判別は、出力電圧の瞬時
値を検出して設定値以下の値になっている継続時間を計
測したり、アーク光を検出したりすることにより行うこ
とができる。また、短絡の継続が予め設定した値を超え
たか否かの判別は、短絡の継続時間を計測したり、出力
電圧の設定値からの各瞬時の低下値とその継続時間の積
分値を求めて行ってもよい。
(4)短絡解除電流の波形制御 前述した第4図に示すように、従来の装置では、短絡
時に補助パルス電流を通電すると、パルス電流立上り時
におけるスパッタ発生の原因となっている。
そこで、本発明のマグパルス溶接方法においては、第
1図(A)のQ点に示すように、短絡継続時間Tdを経過
した後に、電子リアクトル制御によって、第1図(B)
に示すように、短絡解除電流Idの電流値を徐々に増加さ
せる短絡解除電流の波形制御を行っている。この短絡解
除電流の波形は、スパッタを発生させない程度の電流の
立上り速度であれば、直線的に増加させても、曲線的に
増加させてもよい。
(5)パルス電流期間中の短絡制御 前述した第5図(A)に示すように、従来の装置で
は、パルス電流定常期間中に短絡が生じるとスパッタ発
生の原因となっている。
そこで、請求項第1項の発明においてパルス周期同期
溶滴移行制御を行い、ベース電流通電期間中に溶滴移行
又は短絡が行われるようにしているので、パルス電流通
電期間中の短絡が極めて少なくなり、スパッタ発生量が
低減しているが、さらに、請求項第2項の発明は、パル
ス電流通電期間中の短絡制御によって、スパッタ発生量
を低減している。
請求項第2項のマグパルス溶接方法においては、第1
図(A)のR点に示すように、短絡が生じると、第1図
(B)に示すように、パルス電流値Ipを直ちにベース電
流値に低下させてスパッタの発生量をさらに低減させる
パルス電流通電期間中の短絡制御を行っている。
以上の制御を総合的に行うことにより、本発明のマグ
パルス溶接方法は、前述した第2図において、曲線Cに
示すように、従来のトランジスタスイッチング制御によ
る台形波マグパルス溶接方法(曲線A)よりも大幅に、
スパッタ発生量を低減し、またインバータ制御による矩
形波マグパルス溶接方法(曲線B)よりもスパッタ発生
量を低減している。
さらに、本発明のマグパルス溶接方法は、第8図に示
すように、出力電圧の低い範囲で実用範囲をJJだけ、従
来のマグパルス溶接方法の実用範囲HHよりも拡大してい
る。すなわち、同図は、出力電流I[A](横軸)と出
力電圧Va[V](縦軸)との実用限界を示す実用可能領
域比較図である。同図において、一点鎖線Eよりも上方
は短絡を生じないでスプレー移行するマグパルス溶接方
法となる限界線であり、実線Fよりも下方はアーク不安
定となり本発明のマグパルス溶接方法においても実用不
可能となる限界線である。これらの限界線E及びFで囲
まれた範囲内で点線Gよりも上方の範囲は、従来のマグ
パルスで実用可能な瞬時短絡領域HHであって、安定した
アーク発生が可能な範囲であるのに対して、点線Gより
も下方の斜線の範囲JJは、本発明のマグパルス溶接方法
に適用した各種制御によって実用可能となった拡大実用
領域を示す。なお、領域比較図を求める溶接条件は、シ
ールドガスとして20%炭酸ガス80%のアルゴンガスの混
合ガスを使用し、直径1.2mmの軟鋼の消耗電極を突出し
長さ15mmで、軟鋼板を突合せ溶接したときの値である。
本発明のマグパルス溶接方法は、軟鋼の薄板高速度の
マグパルス溶接方法に限定されることなく、ステンレス
鋼、アルミニウムのミグ溶接、その他の材質のミグ溶接
又はマグ溶接に適用しても、従来のマグパルス溶接方法
よりも実用領域を拡大することができる。
<実施例> 本発明のマグパルス溶接方法を実施する溶接装置につ
いて説明する。
第6図は、本発明のマグパルス溶接方法を実施する実
際の溶接装置の全体の構成図、第7図は第6図の構成図
を、本発明のマグパルス溶接方法について説明するため
に書きかえた構成図である。
第6図において、41は商用電源から入力された3相電
源電圧を直流に変換する第1の整流回路、42はトランジ
スタ等から形成されるインバータ、43は溶接出力電圧に
降圧する高周波溶接変圧器、44は高周波電圧を直流に変
換する第2の整流回路、45は直流リアクトル、46は出力
電流瞬時値検出回路、47は出力電流設定回路、48は出力
制御回路である。
また、第6図及び第7図において、21乃至30は、第3
図において説明した従来のマグパルス溶接方法を実施す
る溶接装置と同様で、21はパルス電流用電源、22はベー
ス電流用電源、23は出力電圧瞬時値検出回路、24は短絡
電圧設定回路、25は比較回路、27はパルス電流値設定回
路、28はパルス電流期間設定回路、29はベース電流値設
定回路、30はパルス周波数設定回路である。
さらに、第6図及び第7図において、31は短絡解除電
流遅延タイマ、32は短絡解除電流波形制御用の関数発生
回路、33は短絡解除電流用電源、34はパルス電流又はベ
ース電流と短絡解除電流との出力電流切替回路である。
以下、第1図及び第7図を参照して本発明のマグパル
ス溶接方法を実施する溶接装置の動作について説明す
る。同図において、第3図の従来の溶接装置と同様に、
パルス電流値設定回路27とパルス電流期間設定回路28と
パルス周波数設定回路30とによって定まる第1図(B)
の出力電流波形図に示すパルス電流Ipをパルス電流用電
源21から出力し、ベース電流値設定回路29とパルス周波
数設定回路30とによって定まる第1図(B)に示すベー
ス電流Ibをベース電流用電源22から出力する。溶接中、
出力電圧の瞬時値を出力電圧瞬時値検出回路23によって
検出した検出電圧S1と短絡電圧設定回路24の基準電圧S2
とを比較回路25によって比較して、検出電圧S1が基準電
圧S2よりも低下したとき、第1図(A)に示す出力電圧
波形において短絡と判別して比較回路25から短絡判別信
号S3を出力する。この判別した時点において、出力電流
がベース電流通電期間Tbか、パルス電流通電期間Tpかに
よってつぎのように動作が異なる。
ベース電流期間中の短絡(請求項第1項) 短絡の検出が第1図(A)の出力電圧波形図のP点又
はQ点に示すようにベース電流通電期間Tb中であるとき
は、短絡判別信号S3によって短絡解除電流通電遅延タイ
マ31の時限動作を開始する。短絡継続時間が第1図
(A)のP点に示すように、タイマの設定時間Td内にア
ークが発生したときは、タイマを復帰させ、第1図
(B)の出力電流波形図に示すように、ベース電流値の
ままで、短絡解除電流通電しない。しかし、短絡継続時
間が第1図(A)のQ点に示すように、タイマの設定時
間Td以上となり、その間にアークが発生しなかったとき
は、タイマから短絡解除電流通電信号S4が短絡解除電流
波形制御用の関数発生回路32に出力される。この関数発
生回路32の短絡解除電流制御信号S5によって定まる第1
図(B)の出力電流波形図に示す短絡解除電流Idが、短
絡解除電流用電源33から消耗電極4に供給され、時間Tq
後にアークが発生する。アークが発生すると出力電圧瞬
時値検出回路23の出力信号S1を出力電流切替回路34に出
力して短絡解除電流値からベース電流値に復帰させる。
パルス電流通電期間中の短絡(請求項第2項)短絡の
検出が第1図(A)の出力電圧波形のR点に示すように
パルス電流通電期間Tpであるときは、短絡判別信号S3に
よって、出力電流切替回路34は、直ちに、第1図(B)
の出力電流波形図のパルス電流波形Irに示すように、出
力電流値をパルス電流値Ipからベース電流値Ibに切替え
る。したがって、パルス電流定常期間がTsである正規の
パルス電流(ユニットパルス)の通電時間がTrだけ短く
なってTp−Trになる。
<発明の効果> 本発明のマグパルス溶接方法は、請求項第1項のイン
バータ制御による矩形波出力電流、パルス周期同期溶滴
移行制御及び短絡解除電流の波形制御さらに請求項第2
項のパルス電流通電期間中の短絡制御を組合せることに
より、次の効果を達成することができる。なお、溶接条
件が最適であるときは、請求項第1項構成の効果と請求
項第1項の構成の効果とは略同一になる。以下の効果の
データは、溶接条件を広範囲に選定しているため必ずし
も最適の溶接条件だけを選定していないので、請求項第
2項の構成によるデータに基いた効果について記載す
る。
(1)本発明のマグパルス溶接方法は、第2図の曲線C
に示すように、従来のトランジスタスイッチング制御に
よるマグパルス溶接方法(曲線A)及びインバータ制御
によるマグパルス溶接方法(曲線B)よりも、スパッタ
発生量が低減している。
(2)本発明のマグパルス溶接方法は、第8図の本発明
による拡大実用領域JJに示すように、従来のトランジス
タスイッチング制御によるマグパルス溶接方法及びイン
バータ制御によるマグパルス溶接方法においてスパッタ
発生量の許容値内における瞬時短絡領域HHよりも、溶接
条件の選定範囲が大幅に拡大している。
したがって、本発明のマグパルス溶接方法によれば、
出力電圧を従来方法よりも低くすることができるので、
アークの集中がよく、高速度溶接においてもアンダーカ
ットが発生せず、ビード形状も良好となり、また、周辺
に磁性体があっても磁気吹き(アークブロー)が発生し
にくく、かつ、空気の巻込みによるブローホールの発生
の可能性も極めて少ない。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)及び(B)は、それぞれ本発明のマグパル
ス溶接方法に適用した短絡解除電流の波形制御及びパル
ス電流通電期間中の短絡制御を説明する出力電圧波形図
及び出力電流波形図である。 第2図は、従来及び本発明のマグパルス溶接方法の出力
電圧とスパッタ発生量との関係を示す図である。 第3図は、従来のマグパルス溶接方法を実施する溶接装
置の構成図を示す。 第4図(A)乃至(C)は、それぞれ、第3図に示す従
来のマグパルス溶接装置によって従来のマグパルス溶接
方法に適用された短絡時に補助パルス電流を通電する出
力電圧波形図、出力電流波形図及び消耗電極先端付近の
状態図を示す。 第5図(A)乃至(C)は、それぞれ、従来のマグパル
ス溶接方法における短絡回数Nとスパッタ発生量との関
係を示すスパッタ発生量測定図であって、同図(A)は
パルス電流定常期間Ts、同図(B)はパルス電流変化期
間中及び同図(C)はベース電流通電期間中の短絡回数
とスパッタ発生量との測定図である。 第6図は、本発明マグパルス溶接方法を実施する実際の
溶接装置の全体の構成図である。 第7図は、第6図の構成図を、本発明のマグパルス溶接
方法について説明するために書きかえた構成図である。 第8図は、従来のマグパルス溶接方法による実用可能な
瞬時短絡領域HHと、本発明のマグパルス溶接方法によっ
て実用可能となった拡大実用領域JJとを示す実用可能領
域比較図である。 21……パルス電流用電源 22……ベース電流用電源 23……出力電圧瞬時値検出回路 24……短絡電圧設定回路 25……比較回路 (26……従来の台形波又は矩形波の補助パルス電流用電
源) 27……パルス電流値設定回路 28……パルス電流期間(パルス幅)設定回路 29……ベース電流値設定回路 30……パルス周波数設定回路 31……短絡解除電流通電遅延タイマ 32……短絡解除電流波形制御用の関数発生回路 33……短絡解除電流用電源 34……出力電流切替回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 益男 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 土井 敏光 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (56)参考文献 特開 昭60−223660(JP,A) 特開 平1−143769(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/09,9/073

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶滴をスプレー移行させて溶接するミグ及
    びマグパルスアーク溶接方法において、パルス電流の立
    上り及び立下り速度の大きい矩形波電流を通電し、アー
    ク長を短くするとともに、パルス周波数に同期してベー
    ス電流通電期間中に溶滴移行を行わせ、ベース電流通電
    期間中の短絡の継続が予め設定した値を超えた後に、短
    絡解除電流を徐々に増加し、アーク発生後にベース電流
    値に復帰させるミグ及びマグパルスアーク溶接方法。
  2. 【請求項2】パルス電流通電期間中に短絡が発生したと
    き、直ちに、パルス電流値をベース電流値に低下させる
    第1項記載のミグ及びマグパルスアーク溶接方法。
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