JPH0139872B2 - - Google Patents

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JPH0139872B2
JPH0139872B2 JP57056472A JP5647282A JPH0139872B2 JP H0139872 B2 JPH0139872 B2 JP H0139872B2 JP 57056472 A JP57056472 A JP 57056472A JP 5647282 A JP5647282 A JP 5647282A JP H0139872 B2 JPH0139872 B2 JP H0139872B2
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welding
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Aaru Dankan Jon
Ii Raito Shinia Uiriamu
Jii Roobaagu Rodaritsuku
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アーク溶接に関し、特に、パルス化
直流アーク溶接に関する。より詳しくいえば本発
明は、正の直流の特殊なパルスを用いて加工物、
特にアルミニウム製加工物をフラツクスなしで溶
接接合するためのパルス化直流アーク溶接法に関
する。
2つの金属部片をアーク溶接により接合するこ
とを必要とする場合は多々ある。例えば、空調装
置の熱変換器は、薄肉アルミニウム管の分節体を
連結して冷媒流のための連続した管回路を形成す
ることによつて構成される。これらの管分節体は
漏れを生じないように接合しなければならない。
そのような接合を行う1つの方法は、アーク溶接
による方法である。
金属の表面に水分やグリスや油膜や、その他の
異物が存在すると、アーク溶接の品質を劣化させ
るおそれがある。表面に抑制困難な酸化皮膜が生
じるアルミニウム、マグネシウム、ベリリウム銅
合金などの金属は、良質の溶接を形成する上で特
に困難な問題を提起する。異物の存在が溶接の品
質を劣化させるのは、異物や酸化皮膜が溶接内に
取込まれて巣(多孔部分)を形成し、その結果、
溶接の強度および延性を損うことになる。一般
に、溶接を行う前に表面汚染物を除去しておけ
ば、耐久性および強度の優れた、多孔部分(巣)
の少い溶接が得られる。酸化物以外の異物を除去
するための脱脂操作は、市販の溶剤で金属面を拭
うか、溶剤を金属面をスプレーするか、溶剤に金
属を浸漬することにより、あるいは蒸気脱脂また
はスチーム洗浄により、そしてそれに次いで温水
リンスを施すことによつて行うことができる。抑
制することが困難な酸化物は、通常は、取扱いの
難しいあるる種の化学溶液を用いることによつて
しか除去することができない。しかしながら、ア
ルミニウム、マグネシウム、ベリリウム銅合金な
どのある種の金属は、再び空気に露出されると瞬
間的に酸化皮膜が生じる。従つて、これらの金属
は特にアーク溶接するのが困難である。なぜな
ら、たとえこれらの金属面の酸化物を溶接前に除
去しておいたとしても、良質の溶接を一貫して得
るためには再度酸化物が生じないような雰囲気中
に該金属を保持しておくか、あるいは、酸化物が
再発生するのを防止するための何らかの手段を構
じなければならないからである。
アルミニウム、マグネシウムおよびベリリウム
銅合金のような金属の表面の抑制しにくい酸化物
を消散させる1つの方法は、アーク溶接工程中フ
ラツクスを用いて金属面の酸化物を破砕する方法
である。通常、金属を溶接する際溶接部に非金属
の塩素基材のフラツクスが適用される。しかしな
がら、フラツクスは、腐蝕性であり、それを使用
する周囲環境に必ずしも適合しない。また、溶接
が終了した後、その溶接部分を浄化するためにフ
ラツシ洗浄しなければならない。このフラツシ洗
浄は、時間と費用がかかり、しかも全ての汚染物
が除去されるという保証もない。フラツクスを使
用する直流アーク溶接法の1例は、米国特許第
3552412号に開示されている。同特許は、アルミ
ニウム溶接用フラツクス「ソーラ202」を使用し
てアルミニウムの酸化物を破砕するようにしたア
ルミニウム溶接法に関するものである。
表面に抑制困難な酸化皮膜が生じるアルミニウ
ムや、マグネシウムや、ベリリウム銅合金などの
金属をフラツクスなしでアーク溶接する方法は周
知である。例えば、フラツクスなしで金属を溶接
する方法として、米国特許第3894210号および第
3818177号に記載されているような交流アーク溶
接法がある。しかしながら、これらの交流アーク
溶接法は、溶接工程中金属へのパワー(エネルギ
ー)流の正確な制御を必要としない比較的部厚い
金属片を溶接することに向けられたものであり、
空調装置の熱交換器を構成する薄肉のアルミニウ
ム管のような部材を溶接するのには理想的ではな
い。
薄肉アルミニウム管などを溶接する場合は、加
工物へのパワー流を正確に制御することができる
ように直流アーク溶接法を用いることが好まし
い。また、直流アーク溶接法は、溶接工程に使用
される電極の寿命を延長するなどの他の利点をも
有している。直流アーク溶接は、薄肉アルミニウ
ム管などのある種の部材を溶接する上で上述のよ
うな利点を有しているが、従来の直流アーク溶接
法は、ある種の交流アーク溶接法を用いた場合に
可能な、酸化物消散能力を備えていない。従つ
て、直流アーク溶接に固有の正確な電流制御およ
びその他の利点と、ある種の交流アーク溶接法の
酸化物消散能力とを兼備したフラツクスなしのア
ーク溶接方法を提供することが望ましい。
本発明はアルミニウム製などの加工物を溶接す
る区域のアークギヤツプに正のパルス化直流を供
給することによつて上記の目的を達成する。直流
の強さは、維持電流レベルとピーク電流値との間
で周期的に変化させる。維持電流は、アークギヤ
ツプ間に電流を維持するのに十分な電流である
が、加工物をその融解温度にまで加熱するに足る
パワー流を加工物へ供給するほど十分な電流では
ない。一方、ピーク電流は、加工物をその融解温
度にまで加熱するのに十分な電流を加工物に供給
する。また、ピーク電流は、維持電流レベルから
ピーク電流値への増大が短時間で生じ、その電流
増大により加工物の表面に存在する酸化物を消散
することができるように選定する。また、この電
流強度の急激な増大によつて酸化物が消散された
後再度酸化物が発生するのを防止するために溶接
工程中アークギヤツプへ不活性ガスを供給する。
以下に、本発明を添付図に基いて説明する。第
1図を参照すると、2つの加工物1を溶接するた
めのガス遮蔽式アーク溶接装置が示されている。
第1図に示された加工物1は、空調装置のための
熱変換器を構成するのに使用される薄肉アルミニ
ウム管の分節体である。ただし、加工物1は、表
面酸化物の問題のないステンレス鋼などの材料を
含む、アーク溶接に適した任意の材料のものであ
つてよい。
電極3と加工物1との間のアークギヤツプ2を
横切る電流は、電源4の作動によつて設定する。
電源4は、市販されているいろいろな種類の電源
の1つであつてよい。本発明の目的のためには、
電源4は、アークギヤツプ2の間に正のパルス化
直流(DC)電流を供給するように選定される。
また、電源4は、アークギヤツプ2の間に本発明
のアーク溶接法を達成するのに十分な強度のピー
ク電流を供給することができるものとする。例え
ば、空気調和装置のための熱交換器を構成するア
ルミニウム管の薄肉部分を溶接する場合、電源4
は、少くとも100ampの、好ましくは200ampを超
えるピーク値を有するピーク電流パルスを供給す
ることができるものでなければならない。他の材
料の加工物を溶接する場合には、他のピーク値が
必要とされる。このようなピーク値は、当業者に
は周知のように慣用のパルス化DC電源を改変し、
所要のピーク値を有する電流パルスをアークギヤ
ツプ2へ供給するのに必要な出力電圧を有する電
源とすることによつて得られる。
電源4によつてアークギヤツプ2に供給される
DCパルスの特性は、インパルサー6からの制御
信号に応答して電流調整器5によつて制御され
る。これは、アーク溶接の分野において周知のよ
うにアーク溶接電源4のための慣用型式の制御方
式である。電流調整器5およびインパルサー6
は、本発明によるアーク溶接法を実施するのに必
要とされる特性の電流パルスを供給するように電
源4を制御することができる。
第1図にはまた、高電圧高周波数アーク始動器
8、ガス供給源7、および電極ホルダ10が示さ
れている。これらは、代表的なガス遮蔽式アーク
溶接装置の慣用の構成要素である。ガス供給源7
は、アーク溶接工程中不活性ガスを電極ホルダ1
0内の通路9を通してアークギヤツプ2へ連続的
に供給する。不活性ガスは、最初はアーク始動器
8の作動によつてイオン化され、電極3から加工
物1へアークギヤツプ2を横切る電流を設定する
ための電荷を供給する。アークギヤツプの間に電
流が設定された後はアーク始動器8は作動を停止
する。以後は、不活性ガスは、電源4の作動によ
つてイオン化され、アーク溶接工程中終始アーク
ギヤツプ2の間に電流を維持する。不活性ガスの
連続供給により、不純物が溶接区域に進入するの
を防止し、アーク溶接工程中加工物1の表面に酸
化物などの皮膜が生じるのを防止する。しかしな
がら、酸化物の発生や、不純物が溶接区域へ進入
するのを防止するために、アークギヤツプ2のと
ころに真空を設定するなどの他の手段が取られる
ならば、溶接工程中終始不活性ガスを供給する必
要はない。
電極ホルダ10は、いろいろな構造ものの1つ
であつてよい。例えば、ホルダ10は、加工物1
の選ばれた幾つかの部位において溶接するために
加工物とホルダとが相対的に回転されるようにし
た移動ヘツド型のものとすることができる。ま
た、ホルダ10は、加工物1に連続した溶接また
は一連のスポツト溶接を施すように操作すること
ができる。
第2図を参照して説明すると、曲線Aは、第1
図のアーク溶接装置を本発明の原理に従つて作動
させた場合のアークギヤツプ2の間のパルス化直
流電流の強度を時間の関数として示した概略グラ
フである。第2図に示されるアークギヤツプ2間
の電流は、アークギヤツプ2の間に周期的パルス
化電圧を供給する電源4によつて得られる。印加
電圧は、電流の強度が低い保持電流レベルと高い
ピーク電流値IPとの間で周期的に変化されるよう
に昇降される。低い維持電流レベルIMは、アーク
ギヤツプ2間に維持電流を維持する。この維持電
流に対応するパワー(エネルギー)流は、加工物
1をそれらの融点より高い温度にまで加熱するの
には不十分である。高いピーク値IPは、加工物1
を融解させることができるパワー流を供給する。
これらの電流パルスの波形が、加工物1へのパワ
ー流機能を決定する。このパワー流機能が溶接の
品質を決定する主たる原因であるから、電流パル
スの波形を適正に調節することによつて最適の溶
接を達成することができる。
第2図に示されたパルス化DC曲線Aは、パル
ス化DCアーク溶接装置の典型的な作動を例示す
るものであるが、本発明の原理に従えば、各電流
パルスの前縁における維持電流IMに対するピーク
電流IP比率は、特別な特性を有するように選択す
る。基本的にはこの比率はできるだけ大きくなる
ように選択する。これは、維持電流IMをアークギ
ヤツプ2間に電流を維持するのに必要な最少限値
に調節することによつて達成される。どのような
パルス化アーク溶接装置の場合にも、ピーク電流
IPは、加工物1を融解することができるパワー流
を加工物に供給するのに必要な値より大きい値で
なければならない。ただし、本発明の原理によれ
ば、ピーク電流IPは、アーク溶接装置の電源4の
特定の能力の範囲内で維持電流IMに対するピーク
電流IPの比率をできるだけ大きくするように最大
限にされる。アークギヤツプ2間の電流強度の上
限は、加工物1の気化温度であり、その下限は、
アーク始動器がアークギヤツプ2間に電流の通流
を開始させた該始動器の作動が停止された後アー
クギヤツプ間に維持電流を維持するのに必要な最
少限の電流である。
アークギヤツプ2間に最少限の電流を供給する
ように慣用のアーク溶接装置を調節しようとする
場合、負の抵抗領域に遭遇することがある点に注
意すべきである。この負の抵抗領域の特徴は、ア
ークギヤツプ2の間に印加される電圧が減少する
と、電流に大きな増大が生じることである。従つ
て、印加電圧は、アークギヤツプ2間の電流を低
レベルに維持するためには相当に増大させなけれ
ばならない。この現象は、周知のタウンゼンド放
電のような絶縁破壊過程に類似している。このよ
うな現象が生じる電流レベルは、アークギヤツプ
2における加工物1と電極3との間の離隔距離、
アークギヤツプ2へ供給される不活性ガスの組成
および量、溶接すべき加工物の材質等を含むいろ
いろな要因によつて異つてくる。しかしながら、
この現象は在来のアーク溶接装置にはみられな
い。なぜなら、在来の装置は、通常、この現象が
生じうる最少限の電流より相当に高い電流で作動
するからである。この現象は、本発明によるアー
ク溶接装置の場合でも、アークギヤツプ2間に絶
対最少限維持電流を供給しようとした場合にしか
みられない。本発明によるアーク溶接は、負の抵
抗領域に遭遇する電流値より僅かに高い維持電流
値を選定することによつて実施することができ
る、維持電流を負の抵抗領域の範囲内にしたい場
合は、この現象を補償するようにアークギヤツプ
2における印加電圧を適正に調節しなければなら
ない。
各電流パルスの前縁における維持電流IMに対す
るピーク電流IPの比率を最大限にする主たる目的
は、熱衝撃効果を得ることである。この効果を利
用することにより、表面に抑制困難な酸化物が生
じるアルミニウム、マグネシウム、ベリリウム銅
合金などの材料をフラツクスなしで溶接すること
が可能とされるのである。これに類する熱衝撃効
果は、真空ろう付けの分野では知られており、ろ
う付けによつて加工物を接合する多段工程の一部
として使用されている。熱衝撃効果は、内側の純
粋金属の熱膨脹係数より実質的に熱膨脹係数の低
い酸化皮膜で被われた加工物を急激に加熱するこ
とによつて得られる。即ち、急激な加熱が不均一
な熱膨脹率を惹起し、その結果加工物の表面の酸
化物を破断し裂開させるのである。
本発明のパルス化DCアーク溶接工程中この裂
開された酸化皮膜は、皮膜の下の純粋金属が融解
して接合することにより溶接区域から押し出され
る。本発明によるアーク溶接を実施した場合酸化
物を消散する要因としてその他の物理的現象も関
係していることも考えられるが、熱衝撃効果が主
要な要因であると考えられる。酸化皮膜の消滅の
原因となる正確な物理的現象が何であれ、各電流
パルスの前線における維持電流IMに対するピーク
電流IPの比率を最大限にすることが本発明のアー
ク溶接の必須の要件である。この特徴は、熱衝撃
が酸化物消散の主要要因であるとみた場合に最も
合理的に説明される。
熱衝撃効果を与えるための、各電流パルスの前
縁におけるピーク電流IP対維持電流IMの比率の正
確な値は、溶接すべき加工物の材質、加工物の厚
み、およびその他の因子によつて異る。空調装置
の熱交換器を構成する薄肉アルミニウム管の場
合、管の肉厚が約0.0762〜0.1524cmであり、ほぼ
15ampの低い維持電流が使用される場合、ピーク
電流IP対維持電流IMの比率を少くとも7.5とすれ
ば、良品質の溶接が得られる。また、ピーク電流
IP対維持電流IMの比率を7.5以上に増大させれば、
溶接の品質を更に向上させることができることが
認められた。これらの電流比は、デユーテイ・サ
イクル10〜20%で、1〜50Hzの周波数を有する正
のDCパルスと共に使用することが好ましい。
本発明の原理に従つてアーク溶接を行う場合一
連の周期的電流パルスを使用することが好ましい
が、それは本発明の利点を得る上では必ずしも必
須の要件ではなく、パルスは、熱衝撃効果を生じ
るように各パルスの前縁において所要のピーク電
流IP対維持電流IMを有していさえすればよい。ま
た、パルスは、溶接接手部において加工物1を融
解させるのに十分な断続時間のピーク電流を有し
ていなければならない。
電流があまり長い時間ピーク電流値IPに保持さ
れると、加工物1へのパワー電流が加工物に悪に
影響を及ぼし、加工物の一部を焼損させたり、加
工物の溶接部を垂れ下げさせたりする場合があ
る。その結果、溶接の品質を劣化させることにな
る。従つて、加工物へのパワー流を適正に制御す
ることが肝要である。パワー流は、ピーク電流IP
のパルス断続時間を溶接すべき特定の加工物1に
良品質の溶接が施されるような値に選択すること
によつて制御するのが好ましい。このピーク電流
パルスの最適断続時間は、試行錯誤によつて選定
する。一連の周期的パルスを使用する場合は、ピ
ーク電流IPのパルス断続時間を最適にすれば、電
流パルスのデユーテイ・サイクルが最適となる。
最適デユーテイ・サイクルは、加工物1に複数の
良品質の溶接を施すのに必要な適正なパワー流を
供給する。
通常、ピーク電流IPの最適パルス断続時間は、
加工物1を溶接部において融解し接合するのにち
ようどの量のエネルギーを供給するような断続時
間である。それは、加工物1はアークギヤツプ2
におけるピーク電流とピーク電流との間の時間に
冷却するからである。溶接は、このような冷却時
間中に完成され、溶接の品質は、維持電流IMだけ
がアークギヤツプ2の間を流れている時の加工物
1の温度にまで加工物を冷却させるのに十分な冷
却時間が得られることに依存している。十分な冷
却時間が得られれば、上述したような過度のパワ
ー流の有害作用の発生が防止される。また、1つ
のパルスが発生した後電流が次のパルスの前縁に
おいてピーク電流IPにまで増大したとき熱衝撃効
果が生じうるような温度にまで加工物を冷却させ
るのに十分なパルス間の冷却時間が必要とされ
る。各電流パルスが熱衝撃効果を創生するのを保
証するのに必要な冷却時間の長さは、維持電流IM
を絶体最少限値とすることによつて短縮させるこ
とができる。しかしながら、負の抵抗領域を回避
するために維持電流をこの絶対最少限値より大き
くすることが望ましい場合がある。また、その他
の点でも維持電流IMを絶対最少限値より僅かに大
きくすることがアーク溶接装置の作動を好適する
ことがある。従つて、所要の冷却を達成するには
維持電流の大きさよりもパルス断続時間を調節す
る方が有利である。
また、第2図にはアーク溶接工程の始動時にお
ける時間の関数としてアーク始動器の電圧が示さ
れている。この電圧曲線は、第2図に曲線Bとし
て示されている。アーク始動器8のピーク電流
Vsは、アークギヤツプ2に供給される不活性ガ
スをイオン化させるのに十分な値でなければなら
ず、アークギヤツプ2間に電流の通流を開始させ
るのに十分な値でなければならない。上述した空
調装置のための熱交換器を構成する薄肉アルミニ
ウム管を溶接する場合、アーク始動器の典型的な
ピーク電圧Vsは25KVである。アーク始動器8
は、ガスのイオン化が生じ、電流の通流が開始さ
れる間T1後消勢される。
本発明のアーク溶接法の理解を容易にするため
に、以下に従来のパルス化DCアーク溶接法と対
比させて説明する。在来の方法においては、アー
クギヤツプ2間の電流は、加工物1をその融解温
度より低い温度と融解温度より高い温度との間で
周期的に熱変動させるように高い値と低い値との
間で周期的に変化される。高い電流値および低い
電流値は、加工物をちようど融解させるのに必要
な電流レベルに近い値に維持さされる。この作動
態様は、各電流パルスの前縁における維持電流IM
に対するピーク電流IPの比率を好ましくは最大限
にする本発明のアーク溶接方法とは対照的であ
る。在来のパルス化DCアーク溶接法は、この比
率を比較的低い値に維持することを教示してい
る。
また、在来のパルス化DCアーク溶接法では加
工物1へのパワー流は、通常、ピーク電流IPを調
節することによつて制御されることにも留意すべ
きである。即ち、加工物へ過大電流が流れると、
ピーク電流を減少させ、過少電流が流れると、ピ
ーク電流を増大させる。これに対して、本発明
は、各電流パルスの前縁におけるピーク電流IP
維持電流IMの比率を一定値に保つことを教示して
いる。これは、熱衝撃効果を得るために急激な加
熱を起させるのに必要とされるのである。従つ
て、本発明の原理に基いてアーク溶接する場合
は、ピーク電流IPを調節することによつて加工物
へのパワー流を制御するのは好ましくない。
また、電流が保持レベルIMからピーク電流IP
まで増大する所要時間は、在来のパルス化DCア
ーク溶接法を使用した場合はそれほど重要ではな
いが、この時間の長さは、本発明の原理に従つて
アーク溶接する場合には臨界的な重要性を有す
る。熱衝撃を適正に起させ、酸化物の破断を生じ
させるには、保持レベルからピーク値への電流の
増大をほとんど瞬間的に達成させることが好まし
い。なぜなら、本発明の原理による場合、この急
激な電流増大即ち急激な加熱が加工物1の表面の
酸化膜を消散させる主たる要因であると考えられ
るからである。
本発明のアーク溶接方法は、表面に抑制因難な
酸化物を生じるアルミニウムのような材料を溶接
するのに特に適しているが、他の多くの材料を溶
接するのに用いることもできる。例えばステンレ
ス鋼の加工物、特に薄肉のステンレス鋼加工物を
本発明の方法によつて溶接し、高品質の溶接を形
成することができる。従つて、ここでは本発明を
特定の実施例に関連して説明したが、本発明の精
神および範囲から逸脱することなく、いろいろな
変型および改変が可能であることは当業者には明
らかであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図はアークギヤツプに正のパルス化直流電
流を供給するための本発明のアーク溶接装置の概
略図、第2図は、第1図のアーク溶接装置を作動
させて、本発明の原理に従つて規定された特別の
特性を有する正の直流電流パルスを供給した場合
のアークギヤツプ間の電流の強度を時間の関数と
して示すグラフならびに第1図のアーク溶接装置
の電気アーク始動器が作動されたときにアークギ
ヤツプ間に印加される電圧を時間の関数として示
す概略グラフである。 図中、1は加工物、2はアークギヤツプ、3は
電極、4は電源、5は電流調整器、6はイパルサ
ー、7はガス供給源、8はアーク始動器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アークギヤツプを形成するように電極3と加
    工品1とが位置ぎめされ、酸化物の付着した加工
    物をアーク溶接する方法において、 (イ) 前記アークギヤツプ間の最小の電流を維持す
    る維持電流の値IMは前記加工品の温度を融解点
    に達しさせない大きさに維持し、 (ロ) 前記アークギヤツプ間のピーク電流の値IP
    前記加工品を融解させるに十分な大きさを持た
    せると共に前記加工品の表面上の酸化物を消散
    するのに十分な大きさを持たせ、 (ハ) 前記ピーク電流の値IP対維持電流の値IMの比
    は熱衝撃効果を得るために7.5以上となるよう
    に選定し、かつ前記維持電流の値IMの幅に対す
    る前記ピーク電流の値IPのパルス幅、すなわち
    デユーテイ・サイクルは小さく保たれているこ
    とを特徴とするパルス化直流アーク溶接方法。 2 前記のデユーテイ・サイクルは、10〜20%の
    デユーテイ・サイクルで1〜50Hzの周波数のD・
    Cパルスとなつていることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載のアーク溶接方法。 3 前記加工物はアルミニウム製である特許請求
    の範囲第1項記載のアーク溶接方法。
JP57056472A 1981-04-09 1982-04-05 Pulsating direct-current arc welding method Granted JPS57177880A (en)

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AU550259B2 (en) 1986-03-13
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