JP3259237B2 - ダムコンクリート打設用屋根装置 - Google Patents

ダムコンクリート打設用屋根装置

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JP3259237B2
JP3259237B2 JP00791894A JP791894A JP3259237B2 JP 3259237 B2 JP3259237 B2 JP 3259237B2 JP 00791894 A JP00791894 A JP 00791894A JP 791894 A JP791894 A JP 791894A JP 3259237 B2 JP3259237 B2 JP 3259237B2
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洋 嶋田
正道 和田
恵二 鬼塚
洋一 福元
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダムの提体を打設コン
クリートで構築する際にコンクリート打設面への降雨を
遮って雨天時でも施工を可能とするダムコンクリート打
設用屋根装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダムの堤体を打設コンクリートで構築す
る際、雨水によるコンクリートの品質低下を防止するた
め、次の条件の場合にはコンクリートの打設は行ってい
ない。 a.有スランプコンクリート(拡張レヤー打設…ELC
M、柱状ブロック打設)の場合 降雨量4mm/時間または20mm/日以上 b.ゼロスランプコンクリート(RCD工法) 降雨量2mm/時間または10mm/日以上
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、工程が天候
に左右されてしまったり、雨天が多いか続いたりすると
工期が長期化してしまう影響が出たり、コンクリート打
設中に雨が降ると対応に苦慮し場合によっては打設途中
で施工を中止せざるを得ないこともあ等の問題があっ
た。すなわち、これら諸問題を解決するための好適な手
段の開発が望まれている。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、雨天時でのコンクリート打設を可能として上記
諸問題が解決されるダムコンクリート打設用屋根装置を
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、請求項1は、ダムの提体を
打設コンクリートで構築する際にコンクリート打設面へ
の降雨を遮るために用いる屋根装置であって、構築すべ
き提体の幅方向両側に該堤体に沿って敷設されるレール
上を走行可能な左右一対の脚部と、この一対の脚部にわ
たって架けわたされる屋根とを備え、左右の脚部は上下
方向に伸縮自在な複数の脚柱が連結された構成である
ともに、前記屋根は前記提体の幅方向に沿って伸縮自在
であることを特徴としている。
【0006】また請求項2は、請求項1において、左右
の脚部は少なくとも3本の脚柱が連結され、かつ前記屋
根が堤体の長さ方向に分割され、それら分割された屋根
がそれぞれ前記脚部の隣り合う脚柱間に独自に支持され
ていることを特徴としている。
【0007】また請求項3の屋根装置は、コンクリート
打設面を覆う屋根と、この屋根を支持するとともにコン
クリート打設面を転動する車輪またはクローラ等の走行
手段を備えた上下方向に伸縮自在な複数の脚部とを備
え、この脚部は、少なくとも前記屋根の略四隅に固定さ
れた固定脚部およびこれら固定脚部のうちの走行方向に
沿った一対の固定脚部の間に配され前記屋根に対し走行
方向に沿って移動自在に設けられた移動脚部とから構成
されていることを特徴としている。
【0008】また請求項4の屋根装置は、コンクリート
打設面を覆う屋根と、この屋根を支持するとともにコン
クリート打設面を転動する車輪またはクローラ等の走行
手段を備えた上下方向に伸縮自在な複数の脚部とを備
え、この脚部は、少なくとも前記屋根の略四隅に対し走
行方向に離間して各一対固定されていることを特徴とし
ている。
【0009】また請求項5は、請求項1または請求項2
または請求項3または請求項4における前記屋根には、
前記コンクリート打設面にコンクリートを打設するに要
するコンクリート打設用付帯装置が取り付けられている
ことを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明のダムコンクリート打設用屋根装置によ
れば、提体のコンクリート打設面が脚部にわたって架け
わたされた屋根により覆われ、これにより雨水の影響を
受けずにコンクリートを打設でき、レールに沿って走行
させながら打設していくことにより提体全長が打設され
る。また、提体の打ち上げにともない脚部を伸ばしてい
けば屋根と打設面との間のスペースを確保できて打設が
常に行えるとともに、打ち上げにともないその幅が縮小
する形態の提体の場合には屋根を漸次縮小させていくこ
とにより屋根を提体幅に応じた適切な大きさに設定でき
る。また、このように提体の打ち上げにともないその幅
が縮小する形態の提体において脚部を支持する杭をそれ
に応じて埋め替えこの杭のレールに脚部を移し替えてい
くことになる。この場合には、請求項2の如く、脚部を
構成する脚柱を少なくとも三本設けるとともに、屋根を
堤体の長さ方向に分割して分割した屋根をそれぞれ各脚
柱間に対し独自に支持した構成とすれば、分割した屋根
および脚柱を縮小および伸長させてレールに移し替えて
いき、その動作中は常に他の脚柱で装置全体を支持して
いくことにより可能となる。
【0011】また、請求項3、請求項4によれば、既に
打設されたコンクリート打設面に対する乗り降りや打設
用の仕切型枠あるいはその他の障害物の乗り越えを、装
置の走行にともなって脚部を伸縮させその最中には他の
脚部で装置全体を支持させていく動作を順次行っていく
ことにより可能となる。
【0012】また、請求項5のように屋根にコンクリー
トを打設するに要するコンクリート打設用付帯装置を取
り付ければ、これら装置がコンクリート打設面上で密集
して相互に衝突したりコンクリート打設面が荒らされる
ことがなく、安全に作業できるとともに施工品質が保持
される。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は一実施例の屋根装置1によりコンクリー
トを打設してダムの提体Bを構築している状態を示して
おり、図2に示すようにこの場合の提体Bは川の上流側
の壁面B1は略鉛直面で、下流側の壁面B2は斜面に設
定されその幅が上方にいくにしたがって狭くなる形態で
ある。堤体Bの幅方向両側すなわち左右には堤体Bに沿
って複数の杭2が打たれこれら杭2の上端部に堤体Bに
沿ったレール3が敷設される。これらレール3に屋根装
置1がセットされる。なお、この場合上流側の杭2は川
底Rに埋設されコンクリートの打設にともなって上方に
延ばしていき、下流側の杭2は打設していく堤体Bのコ
ンクリート打設面L近傍の壁面B2に埋設される。
【0014】堤体Bの施工現場に臨む岸壁Gの上部には
コンクリートを製造するバッチャープラント4が設置さ
れている。このバッチャープラント4で製造されたフレ
ッシュコンクリートは搬送路5で堤体Bの端部まで搬送
された後、搬器6内に投入され、この搬器6を堤体内運
搬機械Dでコンクリート打設面Lに運搬し、そこに待機
する打設機7でコンクリートを打設していく。なお、搬
器6と運搬機械Dおよび打設機7を一体のものとして使
用することもでき、その場合の一例としてはダンプトラ
ックの使用が考えられる。
【0015】屋根装置1は杭2に立脚させられレール3
に沿って転動する車輪(走行手段)8を有する脚部9
と、脚部9に架けわたされた屋根10(図1では省略)
とを主体として構成され、図1の矢印(イ)方向に走行
する。脚部9は、トラス架構材からなる複数の脚柱11
の上下端部が連結梁12でそれぞれ連結された構成で、
下側の連結梁12に前記車輪8が複数装着されている。
そして、左右一対の脚部9にトラス架構材からなる主梁
13が水平にわたされている。脚柱11および主梁13
は2本の分割体11a、11bおよび13a、13bで
構成され、対向する端部の一方が他方の端部に摺動可能
に挿入され、この連結部を覆って連結状態を保持するス
リーブ14、15がそれぞれ設けられている。すなわち
脚柱11および主梁13は自身の長さ方向に伸縮可能と
なっている。屋根10は、図3に示すように、左右に分
割された分割屋根10a、10bが上側の連結梁12お
よび左右の主梁13の分割体13a、13bにそれぞれ
支持され、主梁13の伸縮に追随できる構成となってい
る。
【0016】また、堤体Bの片側であって脚部9の側方
には、堤体Bに沿って延びるクレーンガイド16が鉄柱
17に支持され、クレーンガイド16に沿ってクレーン
18が移動自在に設置されている。このクレーン18
は、堤体Bの打ち上げにともなって上方に延ばした杭2
のレール3に屋根装置1を移し替える際に用いる。
【0017】上記構成の屋根装置1は主に雨天時におい
て用い、その際の作用を以下に説明する。左右の脚部9
の車輪8を杭2に設けたレール3に載せることにより装
置全体を支持し、バッチャープラント4から搬送路5を
経て搬器6に投入されたコンクリートを運搬機械Dによ
り屋根10で覆われたコンクリート打設面Lまで運搬
し、打設機7によりコンクリート打設面Lにコンクリー
トを打設する。なお、搬器6と運搬機械Dおよび打設機
7を一体にしたものとしてダンプトラック等を使用する
こともできる。
【0018】屋根10で覆われたコンクリート打設面L
への打設が1回の打設で定められる所定高さに至った
ら、屋根装置1をレール3に沿って前進させて次のコン
クリート打設面Lを屋根10で覆い、上記と同様にして
コンクリートを打設する。堤体Bの全長を所定高さ打設
し終えたら逆方向に屋根装置1を走行させ、再度バッチ
ャープラント4から遠い方よりバッチャープラント4側
に向かって打設を行ってくる。その際、コンクリート打
設面L(堤体Bの上面)と屋根10との間のスペースが
打設作業に支障を来たすようであれば、提体Bの打ち上
げにともない脚部9を伸ばしてコンクリート打設面Lと
屋根10との間のスペースを確保する。この脚部9の伸
長によっても打設スペースが確保できなくなったら、杭
2を上方に延ばしその上のレール3に屋根装置1を移し
替える。そのためには、まずクレーン18を屋根装置1
の側方までクレーンガイド16に沿って移動させ、そこ
でクレーン18により屋根装置1全体を吊り上げて杭2
を延ばした後、その杭2の上のレール3に屋根装置1を
移し替える。また、堤体Bの打ち上げにともない堤体B
の幅は縮小していくので、それに応じて屋根10および
主梁13を縮小させて堤体Bの幅に屋根10の幅を追随
させていく。
【0019】上記屋根装置1によれば、提体Bのコンク
リート打設面Lが左右の脚部9にわたって架けわたされ
た屋根10により覆われ、これにより雨水の影響を受け
ずにコンクリートを打設でき、脚部9の車輪8により提
体Bに沿って走行させながら打設していくことにより提
体Bの全長が打設される。また、提体Bの打ち上げにと
もない脚部9を伸ばしていけば屋根10とコンクリート
打設面Lとの間のスペースを確保できて打設が常に行え
るとともに、打ち上げにともないその幅が縮小する提体
Bに対応して屋根10を漸次縮小させていくことにより
屋根10を提体Bに応じた適切な大きさに設定できる。
【0020】なお、上記屋根装置1においては杭2を伸
ばして屋根装置1をその杭2の上端のレール3に移し替
えるにあたってクレーン18を用いているが、各脚部9
を構成している脚柱11を少なくとも3本設けるととも
に、屋根を堤体Bの長さ方向に分割しておいて分割した
屋根10をそれぞれ各脚柱11間に独自に支持した構成
とすれば、分割した屋根10および脚柱11を縮小およ
び伸長させてレール3に移し替えていき、その動作中は
常に他の脚柱11で装置全体を支持していくことによ
り、移し替えが可能となる。
【0021】図4は上記一実施例の変形例を示してい
る。この屋根装置1Aの場合は、脚部9、屋根10およ
び主梁13は固定型で、車輪8が堤体Bの幅方向両端に
載せて走行させる形式となっており、さらに四方の側部
には遮蔽幕10aが設けられている。なお、フレッシュ
コンクリートの搬送は、岸壁Gの斜面に設けられたコン
クリート搬送路81を往復する搬器82で行ない、コン
クリート打設後は、締固め装置19Aでコンクリートを
締め固めた後、目地切り装置19Bで目地切りを行な
う。
【0022】次に、図5ないし図9を参照して本発明の
他の実施例を説明する。上記実施例の屋根装置1、1A
は堤体Bの幅方向両端にまたがる大型のものであるが、
本実施例はそれよりも小型である。図5に示すように、
この場合堤体Bの施工現場に臨む岸壁Gの斜面にはコン
クリート搬送路81が設けられ、この搬送路81の上方
には、コンクリートを製造するバッチャープラント(不
図示)が設置されている。このバッチャープラントで製
造されたフレッシュコンクリートは搬器82で搬送路8
1を経て堤体Bの端部まで搬送された後、運搬機械Dで
屋根装置80内のコンクリート打設面Lに運ばれ打設さ
れる。
【0023】屋根装置80は、長方形状に組まれたトラ
ス架構材からなる前後左右の横梁83aおよび縦梁83
bが長方形状に組まれてなる梁83と、この梁83の四
隅に2本1組として設けられた脚部84と、梁83を覆
って設けられた屋根85と、四方の側部を覆って設けら
れた遮蔽幕86とを主体として構成され、図6の矢印
(ロ)方向が基本的な走行方向とされる。屋根85は左
右にわたるアーチ状で前後の蛇腹状に形成された分割体
85a、85bを伸縮させることにより開閉する開閉式
構造である。この屋根85が閉じられた状態で屋根装置
80の内部には屋根85と遮蔽幕86とにより雨水が吹
き込まないようになっている。
【0024】梁83を構成する各一対の横梁83aおよ
び縦梁83bの両端には前記脚部84が固定され、これ
により梁83の四隅には脚部84が2本1組として固定
されている。脚部84は、梁83と一体の中空角状の脚
柱87の内部に、図示せぬジャッキにより伸縮する伸縮
柱88が収納され、この伸縮柱88の下端に走行用のク
ローラ89が取り付けられたもので、クローラ89は水
平回動自在となっている。クローラ89の走行および回
動は図示せぬ駆動源によりなされる。この脚部84は、
少なくとも屋根85の略四隅に対し走行方向に離間して
各一対固定された状態となっている。
【0025】各縦梁83bの内側面および縦梁83b間
には、前後方向に延びる固定レール90が等間隔をおい
て互いに平行に配され梁83に固定されている。これら
固定レール90はH型鋼からなるもので、両フランジが
水平に、ウエブが鉛直になる状態となっている。隣接す
る一対の固定レール90の間が1つの打設ラインとさ
れ、この場合、打設ラインは6つに設定されている。各
打設ラインには、これら打設ラインごとに固定レール9
0に沿って移動自在に複数(この場合3つ)の作業用レ
ール100、60、70が前側からこの順に設けられ、
これら作業用レール100、60、70に、コンクリー
ト打設用付帯装置である、モルタルを撒き出して敷き均
す敷均し装置91、コンクリートを締め固める締固め装
置20、締め固めたコンクリートを目地切りする目地切
り装置30がそれぞれ懸吊されている。
【0026】敷均し装置91は、図7に示すように、フ
レーム92の下端に支持された基部アーム93の先端に
水平旋回自在に旋回アーム94が取り付けられ、これら
アーム93、94に沿って取り回された打設管95から
旋回アーム94の先端に取り付けられた下方に延びるホ
ース96を経てモルタルを撒き出し、そのモルタルMを
均しべら97で均していく形式のもので、フレーム92
はブラケット98を介して作業用レール100に懸吊さ
れ、図示せぬ駆動輪により作業用レール100に沿って
移動する。
【0027】締固め装置20は、図8に示すように、フ
レーム21に支持された油圧駆動源22によりフレーム
21の下に設けられた前後左右に並ぶ複数の棒状バイブ
レータ23が振動してコンクリートCを締め固めるよう
構成されたもので、フレーム21は左右一対のモータ2
4により巻取り・巻出しされるワイヤ25に懸吊されて
いる。モータ24はトロリービーム26に支持され、こ
のトロリービーム26が左右一対のトロリー26aを介
して作業用レール60に懸吊されている。左右一対のト
ロリー26aのうちの片方のものには、作業用レール6
0に沿って移動するための駆動輪27が装着されてい
る。さらに作業用レール60は、左右一対のトロリー6
1aを介してそれぞれに隣り合う2本のレール9Aに懸
吊されている。左右一対のトロリー61aは、両方とも
にレール9Aに沿って移動するための駆動輪62が装着
されている。締固め装置20の棒状バイブレータ23の
作動、ワイヤ25の巻取り・巻出しによる昇降および駆
動輪27、62の作動は、フレーム21に固定された制
御盤28aおよびトロリービーム26に固定された中継
盤28bにケーブル29aを介して接続されたリモート
スイッチS1で行なわれる。モータ24および駆動輪2
7、62の駆動電源(不図示)は、作業レール60に沿
って取り回されたケーブル29bの末端が、固定レール
9に沿って配備されたトロリーバーに接続されている。
【0028】目地切り装置30は、図9に示すように、
フレーム31に支持されたバイブロ機構32によりフレ
ーム31の下に設けられた目地切り板33が上下振動し
てコンクリートCを目地切りするよう構成されたもの
で、フレーム31は左右一対のモータ34により巻取り
・巻出しされるワイヤ35に懸吊されている。モータ3
4はトロリービーム36に支持され、このトロリービー
ム36が左右一対のトロリー36aを介して作業用レー
ル70に装着されている。左右一対のトロリー36aの
うちの片側のものには、作業用レール70に沿って移動
するための駆動輪37が装着されている。さらに作業用
レール70は、左右一対のトロリー71aを介して、そ
れぞれに隣り合う2本のレール9Aに懸吊されている。
左右一対のトロリー71aは、両方ともにレール9Aに
沿って移動するための駆動輪72が装着されている。目
地切り装置30の目地切り板33の作動、ワイヤ35の
巻取り・巻出しによる昇降および駆動輪37、72の作
動は、締固め装置20と同様にフレーム31に固定され
た制御盤38aおよびトロリービーム36に固定された
中継盤38bにケーブル39aを介して接続されたリモ
ートスイッチS2により行なわれ、モータ34および駆
動輪37、72の駆動電源(不図示)は、レール9Aに
沿って取り回されたケーブル39bの末端が、固定レー
ル9に沿って配備されたトロリーバーに接続され供給さ
れる。
【0029】上記敷均し装置91、締固め装置20およ
び目地切り装置30は、各作業用レール100、60、
70に沿って左右に移動可能で、かつ作業用レール10
0、60、70ごと固定レール90に沿って前後に移動
可能となっている。
【0030】次に、上記構成からなる本実施例の屋根装
置80の作用ならびにそれにもとづく効果を以下に説明
する。
【0031】降雨の際にコンクリート打設面Lにコンク
リートを打設する場合、屋根85の各分割体85a、8
5bを伸ばして屋根85を閉状態とし、屋根装置80を
コンクリート打設面Lに移動させ屋根85で覆った状態
とする。そして、コンクリート打設面Lに残る水分を吸
水ローラKで除去した後、屋根装置80内における後端
側から各打設ラインごとに敷均し装置91でモルタルを
撒き出して均し、次にこのモルタル面に運搬機械Dによ
りフレッシュコンクリートを荷降しして適当に均した
後、締固め装置20を降ろして作動させ、その棒状バイ
ブレータ23により、コンクリートを締め固めながら締
固め装置20を前方に移動させていく。これに追随し
て、目地切り装置30を降ろして作動させその目地切り
板33によりコンクリートを目地切りしながら目地切り
装置30を前方に移動させていく。
【0032】各打設ラインの最前端まで固定レール90
に沿って各装置91、20、30を移動させたら、屋根
装置85内における所定高さまでのコンクリート打設が
完了したことになり、このコンクリートが雨水の影響を
受けない状態まで養生させるか、あるいは養生パネル・
シートで打設面を覆ったら、屋根装置80を前進させて
次のコンクリート打設面を覆い、上記と全く同様にして
その打設面にコンクリートを打設する。
【0033】なお、運搬機械Dで荷降しした状態のコン
クリートに対して特に装置により均しが必要な際にはそ
の装置を敷均し装置91と締固め装置20の間に配し固
定レール90に沿って移動させればよい。図10および
図11はそれぞれその均し装置の例で、図10の均し装
置40は、フレッシュコンクリートCをつかんで均すシ
ョベル41からなるもので、このショベル41がモータ
42により巻取り・巻出しされるワイヤ43に懸吊され
ている。モータ42は、2本の固定レール90間に直交
して架け渡され固定レール90に沿って移動可能なトロ
リー44に固定されている。トロリー44には、レール
9Aに沿って移動するための駆動輪および駆動輪を駆動
させる駆動手段(いずれも不図示)が設けられている。
【0034】また、図11の均し装置110は、固定レ
ール90間に直交して架け渡され固定レール90に沿っ
て移動可能なトロリ111に、伸縮シリンダ112の作
動により多関節リンク113が上下に伸縮するよう設け
られ、そのリンク113の下端にボード114を介して
下方に延びる反力受足115が固定され、さらにボード
114に取り付けられた押引きシリンダ116の作動に
より下方に延びるブレード117が前後に往復動するこ
とにより、コンクリートCを均す構成である。
【0035】また、前記目地切り装置30で目地切りを
行なった後、その仕上げ面を養生パネル搬送装置により
搬送させた養生パネルで覆うようにすれば便利であり、
その場合養生パネル搬送装置は目地切り装置30の後側
に配することになる。
【0036】上記屋根装置80によれば、特に屋根85
の四隅に脚部84を前後一対設けたことにより、既に打
設されたコンクリート打設面に対する乗り降りや打設用
の仕切型枠あるいはその他の障害物の走行にともなって
脚部84の伸縮柱88を伸縮させその最中には他の脚部
84で屋根装置80全体を支持させていく動作を順次行
っていくことにより可能となる。図12(a)はコンク
リート打設面の段部120を降りる場合の脚部84の動
作を示し、図12(b)は仕切型枠121を乗り越える
場合の動作を示している。
【0037】また、脚部84は、図13に示すように、
屋根85の四隅に3本ずつ設けてもよく、この場合だ
と、上記のように脚部84を伸縮させるときの安定度が
増す。また本発明においては、図14に示すように、屋
根85の四隅に固定された固定脚部84Aのうちの走行
方向に沿った一対の固定脚部84Aの間に、移動脚部8
4Bを走行方向に沿って移動自在に設けてもよい。この
構成によれば、段部の乗り降りのために伸縮する側の固
定脚部84Aに移動脚部84Bを近接させることによ
り、上記と同様にして段部の乗り降り等が可能となる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のダムコン
クリート打設用屋根装置によれば、提体のコンクリート
打設面が脚部にわたって架けわたされた屋根により覆わ
れ、これにより雨水の影響を受けずにコンクリートを打
設でき、レールに沿って走行させながら打設していくこ
とにより提体全長が打設される。また、提体の打ち上げ
にともない脚部を伸ばしていけば屋根と打設面との間の
スペースを確保できて打設が常に行えるとともに、打ち
上げにともないその幅が縮小する形態の提体の場合には
屋根を漸次縮小させていくことにより屋根を提体幅に応
じた適切な大きさに設定できる。また、このように提体
の打ち上げにともないその幅が縮小する形態の提体にお
いて脚部を支持する杭をそれに応じて埋め替えこの杭の
レールに脚部を移し替えていく場合には、脚部を構成し
ている脚柱を少なくとも三本設けるとともに、堤体の長
さ方向に分割した屋根をそれぞれ各脚柱間に独自に支持
した構成とすれば、分割した屋根および脚柱を縮小およ
び伸長させてレールに移し替えていき、その動作中は常
に他の2組の脚部で装置全体を支持していくことにより
可能となる。
【0039】また、この脚部を、少なくとも屋根の略四
隅に固定された固定脚部およびこれら固定脚部のうちの
走行方向に沿った一対の固定脚部の間に配され屋根に対
し走行方向に沿って移動自在に設けた移動脚部とから構
成するか、あるいは少なくとも屋根の略四隅に対し走行
方向に離間して各一対固定した構成とすれば、既に打設
されたコンクリート打設面に対する乗り降りや打設用の
仕切型枠あるいはその他の障害物の乗り越えを、装置の
走行にともなって脚部を伸縮させその最中には他の脚部
で装置全体を支持させていく動作を順次行っていくこと
により可能となる。
【0040】また、屋根にコンクリートを打設するに要
するコンクリート打設用付帯装置を取り付ければ、これ
ら装置がコンクリート打設面上で密集して相互に衝突し
たりコンクリート打設面が荒らされることがなく、安全
に作業できるとともに施工品質が保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の屋根装置により堤体を構
築している状態の斜視図である。
【図2】 同概略断面図である。
【図3】 同概略平面図である。
【図4】 一実施例の変形例の屋根装置により堤体を構
築している状態の斜視図である。
【図5】 本発明の他の実施例の屋根装置により堤体を
構築している状態の斜視図である。
【図6】 同屋根装置の一部切欠き斜視図である。
【図7】 敷均し装置の側面図である。
【図8】 締固め装置の正面図である。
【図9】 目地切り装置の正面図である。
【図10】 均し装置の一例の正面図である。
【図11】 均し装置の他の例の正面図である。
【図12】 (a)はコンクリート打設面の段部を降り
る際の動作順の概略側面図、(b)は仕切型枠を乗り越
える際の動作順の概略側面図である。
【図13】 脚部の設置パターンの他の例を示す概略平
面図である。
【図14】 脚部の設置パターンのさらに他の例を示す
概略平面図である。
【符号の説明】
1,1A,80…屋根装置、10,85…屋根、8…車
輪(走行手段)、9,84…脚部、20…締固め装置
(コンクリート打設用付帯装置)、30…目地切り装置
(コンクリート打設用付帯装置)、40,110…均し
装置(コンクリート打設用付帯装置)、84A…固定脚
部、84B…移動脚部、91…敷均し装置(コンクリー
ト打設用付帯装置)、B…堤体、C…コンクリート、L
…コンクリート打設面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼塚 恵二 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 福元 洋一 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 古口 光 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 岸野 富夫 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−36003(JP,U) 実開 昭55−82302(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/02 103 E04G 21/28 E02B 7/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダムの提体を打設コンクリートで構築す
    る際にコンクリート打設面への降雨を遮るために用いる
    屋根装置であって、 構築すべき提体の幅方向両側に該堤体に沿って敷設され
    るレール上を走行可能な左右一対の脚部と、この一対の
    脚部にわたって架けわたされる屋根とを備え、左右の脚部は上下方向に伸縮自在な複数の脚柱が連結さ
    れた構成である とともに、前記屋根は前記提体の幅方向
    に沿って伸縮自在であることを特徴とするダムコンクリ
    ート打設用屋根装置。
  2. 【請求項2】 左右の脚部は少なくとも3本の脚柱が連
    結され、かつ前記屋根が堤体の長さ方向に分割され、そ
    れら分割された屋根がそれぞれ前記脚部の隣り合う脚柱
    間に独自に支持されていることを特徴とする請求項1に
    おけるダムコンクリート打設用屋根装置。
  3. 【請求項3】 ダムの提体を打設コンクリートで構築す
    る際にコンクリート打設面への降雨を遮るために用いる
    屋根装置であって、 前記コンクリート打設面を覆う屋根と、この屋根を支持
    するとともにコンクリート打設面を転動する車輪または
    クローラ等の走行手段を備えた上下方向に伸縮自在な複
    数の脚部とを備え、 この脚部は、少なくとも前記屋根の略四隅に固定された
    固定脚部およびこれら固定脚部のうちの走行方向に沿っ
    た一対の固定脚部の間に配され前記屋根に対し走行方向
    に沿って移動自在に設けられた移動脚部とから構成され
    ていることを特徴とするダムコンクリート打設用屋根装
    置。
  4. 【請求項4】 ダムの提体を打設コンクリートで構築す
    る際にコンクリート打設面への降雨を遮るために用いる
    屋根装置であって、 前記コンクリート打設面を覆う屋根と、この屋根を支持
    するとともにコンクリート打設面を転動する車輪または
    クローラ等の走行手段を備えた上下方向に伸縮自在な複
    数の脚部とを備え、 この脚部は、少なくとも前記屋根の略四隅に対し走行方
    向に離間して各一対固定されていることを特徴とするダ
    ムコンクリート打設用屋根装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2または請求項3
    または請求項4における前記屋根には、前記コンクリー
    ト打設面にコンクリートを打設するに要するコンクリー
    ト打設用付帯装置が取り付けられていることを特徴とす
    るダムコンクリート打設用屋根装置。
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