JPH0820935A - ダムの施工方法 - Google Patents

ダムの施工方法

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JPH0820935A
JPH0820935A JP15485094A JP15485094A JPH0820935A JP H0820935 A JPH0820935 A JP H0820935A JP 15485094 A JP15485094 A JP 15485094A JP 15485094 A JP15485094 A JP 15485094A JP H0820935 A JPH0820935 A JP H0820935A
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JP
Japan
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roof
construction
dam
constructed
block
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JP15485094A
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English (en)
Inventor
Akikazu Ogawa
朗二 小川
Masashi Funahashi
政司 舟橋
Yuji Akasaka
雄司 赤坂
Natsuo Hara
夏生 原
Hideaki Asai
秀明 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maeda Corp
Original Assignee
Maeda Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダムのような露天での大型構造物の施工にお
いて、特に雨天時においてもコンクリートの打設および
養生などの通常の作業を行なうことができるだけでな
く、施工領域の転移に応じて屋根を容易に移動させて広
範囲に及ぶ施工を可能にし、これにより天候に左右され
ない工法の実現、および施工性の向上、並びに工費の節
減を図ることが可能なダムの施工方法を提供する。 【構成】 レヤー工法によるコンクリートダムの施工に
際し、施工すべきブロックの上方を覆う屋根10と、こ
の屋根10を支持しかつ施工すべきブロックの左右の隣
接ブロック上にそれぞれ位置させる複数基の支持機構2
0と、これらの支持機構を屋根と共に走行移動させる自
走装置30とを備えてなる自走式屋根装置Yを用い、屋
根10により施工ブロックB1を覆いながら、施工領域
の転移に伴ってリフトカー30により屋根10を移動さ
せつつ施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートダムの施
工において、特に雨天時の施工方法として好適なダムの
施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】巨体構造物として知られているダムは、
発電、洪水調節、潅漑、上水道、工業用水など利水ある
いは治水のための貯水池をつくる構造物として構築され
るもので、用いられる材料から、コンクリートダムとフ
ィルダムに大きく分類されている。また、コンクリート
ダムは、その構造形式からアーチダム、重力ダム、中空
重力ダム、バットレスダム等に分類され、土質材料や岩
石などを積み上げてつくるフィルダムは、均一形、ゾー
ン型、表面遮水型等に分類されている。
【0003】そして、このような巨体構造物であるダム
を施工するには、例えばコンクリートダムでは、ダム軸
に直交する横継ぎ目を複数設けてそれらの横継ぎ目で区
分けされる領域をブロック単位としてブロック毎に順次
コンクリートを打設して施工するレヤーシステム工法、
あるは縦継ぎ目を設けて施工するブロックシステム工法
などにより施工されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ダムのよう
な巨体構造物の施工は、露天の中での施工となるため、
その施工期間中、天候の影響を受けることが多く、特に
雨が何日も降り続くと大幅に工程が遅れることもしばし
ばである。工程の遅れは、直接、工費に影響する問題で
あり、このため、従来から天候に左右されないで施工を
行なえる工法の開発が強く望まれていた。
【0005】特に、コンクリートダムのように、コンク
リートの打設領域(面積)が広い構造物の施工において
は、雨が降るたびに、例えばシートなどで覆うわけにも
ゆかず、仮にシートで覆うようにしても、コンクリート
の打設作業は中断あるいは断念せざるを得ず、何れにし
ても雨天時においても施工可能な工法を開発する必要が
あった。
【0006】ここで、雨天時におけるコンクリートの打
設や、打設後のコンクリートの養生を行なう方法とし
て、施工現場においてその施工範囲を覆う雨よけの仮設
屋根を構築したり、組立式のテントなどを立てたりする
方法も考えられるが、このような仮設屋根やテントなど
を相当に広い範囲に亘って設けるには膨大な手間や費用
がかる問題があり、しかも、コンクリートを上段へと打
ち進むたびに解体および組立作業が必要となり、これで
は天候の回復待ちとする従来工法による方が有利になっ
てしまう問題がある。
【0007】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、ダムのような露天での大型構造物の施工に
おいて、特に雨天時においてもコンクリートの打設およ
び養生などの通常の作業を行なうことができるだけでな
く、施工領域の転移に応じて屋根を容易に移動させて広
範囲に及ぶ施工を可能にし、これにより天候に左右され
ない工法の実現、および施工性の向上、並びに工費の節
減を図ることが可能なダムの施工方法を提供しようとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
コンクリートダムの施工に際し、ダム軸に直交する横継
ぎ目を複数設けてそれらの横継ぎ目で区分けされる領域
をブロック単位としてブロック毎に順次コンクリートを
打設して施工するレヤー工法によるダムの施工方法であ
って、施工すべきブロックの上方を覆う屋根と、この屋
根を支持しかつ施工すべきブロックの左右の隣接ブロッ
ク上にそれぞれ位置させる複数基の支持機構と、これら
の支持機構を屋根と共に走行移動させる自走装置とを備
えてなる自走式屋根装置を用い、前記屋根により施工す
べきブロックを覆いながら施工領域の転移に伴って前記
自走装置により屋根を移動させつつ施工することを特徴
としている。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1記載のダ
ムの施工方法において、前記自走装置により前記屋根を
ブロック間の横継ぎ目に沿う方向に移動させながら施工
することを特徴としている。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1記載のダ
ムの施工方法において、施工すべきブロックの施工完了
後、この施工完了ブロック上に自走装置の一部を移動さ
せることにより次に施工すべき隣接ブロックの上方に屋
根を移動させることを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明によれば、コンクリートダ
ムの施工に際し、自走式屋根装置を用いてこの自走式屋
根装置の屋根によって施工すべきブロックを覆いながら
施工領域の転移に伴って自走装置により屋根を移動させ
つつ施工するようにしたことにより、雨天時においても
晴天時のようにブロック単位毎にコンクリートの打設お
よび養生などの通常の作業を行なうことが可能になる。
また、施工領域の転移に応じて屋根を移動させることに
より広範囲に及ぶ連続施工が可能になる。したがって、
天候に左右されないコンクリートダムの施工方法が実現
可能になる。また、自走装置により屋根を自在に移動さ
せて施工するので、屋根のための固定の仮設備が不要と
なり、したがってその分、施工性の向上、並びに工費の
節減等を図ることが可能になる。
【0012】請求項2記載の発明によれば、自走装置に
より屋根をブロック間の横継ぎ目に沿う方向に移動させ
ながら施工することにより、ブロック単位の領域の全領
域の施工を連続的に行なって施工性の向上を図ることが
可能になるだけでなく、ブロック単位の全領域を覆う大
きさの屋根をもつ自走式屋根装置を用いる必要がなくな
るので、その分、自走式屋根装置として小型化したもの
を用いることができ、これにより雨天時においても経済
的な施工方法の実現が可能になる。
【0013】請求項3記載の発明によれば、施工すべき
ブロックの施工完了後、この施工完了ブロック上に自走
装置の一部を移動させて次に施工すべき隣接ブロックの
上方に屋根を移動させることにより、施工領域上に屋根
を設置しての全てのブロックの施工が可能になり、これ
により雨天続きにおいてもコンクリートダムの施工が可
能になる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付の図1ないし図
24を参照して説明する。図において符号Yは、本発明
によるコンクリートダムの施工方法を実施する際に用い
た場合に好適な自走式屋根装置を示すもので、本発明に
よるダムの施工方法の実施例を説明する前に、まず、こ
の自走式屋根装置Yの構造および機能などについて説明
する。
【0015】図示例による自走式屋根装置Yは、拡張お
よび収縮可能に構成された屋根10と、この屋根10を
支持する複数の支持機構20と、これら各支持機構20
の下部にそれぞれ設けられた自走装置30とを備え、前
記各支持機構20は、動力によりそれぞれの高さ方向に
伸縮可能に構成されている。
【0016】前記屋根10は、図1ないし図3に示すよ
うに、平面長方形であって、全体として勾配の小さい合
掌型に形成され、棟の稜線方向(桁行方向)に拡張およ
び収縮可能に構成されている。即ち、この屋根10は、
多数のリンク11aにより長さ方向に伸縮自在に構成さ
れたいわゆる伸縮やっとこ型の一対の伸縮桁11、11
を備え、これら伸縮桁11、11に対し、梁間方向に延
在するフレーム12が桁行方向に間隔をおいて複数架設
され、そして、これらのフレーム12を覆う可橈性のあ
る防水性素材からなるテント13が設けられた構成とさ
れている。したがって、ここでは一対の伸縮桁11、1
1と、複数のフレーム12とにより伸縮可能な屋根用骨
組みHが構成され、テント13が屋根葺き材として構成
されている。屋根用骨組みHの材料としては、軽量化を
図る意味から、例えばアルミ製の中空パイプ等が好適に
用いられる。
【0017】テント13は、ここでは中空二重膜構造と
され、屋根の拡張時に圧縮空気を供給することにより、
エアーテントのような形態としてテント13による屋根
の形状保持や水溜まり防止、さらには剛性の確保等を図
り、収縮時に排気しておくことにより屋根全体10を小
さく縮めることができるように配慮されている。テント
13の材質としては、例えば光透過性のポリエステルな
どが用いられる。
【0018】前記支持機構20は、屋根10の四隅にあ
るいは四隅近くにそれぞれ設けられて、屋根10を安定
的に支持する柱の役目をするものであり、それぞれの上
端部で各伸縮桁11、11の両端部近くを支持する構成
とされている。また、各支持機構20は、ここでは前記
伸縮桁11、11と同様に、多数のリンク20aにより
高さ方向に伸縮自在となった伸縮やっとこ式(パンタグ
ラフ式)に構成され、かつ、それぞれが動力により伸縮
することができるように考慮されている。なお、この支
持機構20についても、やはり、伸縮桁11と同様の材
料が好適に用いられる。
【0019】各支持機構20の下端部には、前記自走装
置30がそれぞれ設けられている。これらの自走装置3
0は、同実施例においては、走行用のキャタピラ31を
備えかつジャッキ32により走行装置30自体を浮上さ
せて水平回りに方向転換させる方向転換装置33が装備
されたいわゆるリフトカーにより構成されている。即
ち、図4に示すように、自走装置(以下リフトカーと称
する)30は、両輪となる一対のキャタピラ31、31
が設けられた車体34の重心上に矩形平板状の旋回台3
5が回動自在に設けられると共に、この旋回台35の回
転中心の直下になる車体34の下部には、車体34自体
を持ち上げて浮上させ、車体34をキャタピラ31と共
に少なくとも90度方向転換させることができるジャッ
キ32を備えた方向転換装置33が設けられている。
【0020】そして、前記旋回台35の上に、前記支持
機構20の下端部が連結されて、その支持機構20が搭
載された構成とされ、また、この旋回台35上には、支
持ワイヤー36を介して屋根10を支持するウインチ3
7が設けられている。このウインチ37は、4台のリフ
トカー30のそれぞれについて設けられている。前記支
持ワイヤー36は、伸縮桁11が伸張した状態において
中央部がたわむのを抑制するためのもので、図5に示す
ように、両伸縮桁11、11の上部に沿わせて設けら
れ、各ウインチ37にて支持ワイヤー36を張り合わせ
ることによりたわみを防止する構成とされている。
【0021】また、リフトカー30は、図6に示すよう
に、リフトカー相互の間隔Lを測定する距離センサー3
8と、この距離センサー38の測定値に基づいてリフト
カー自体の走行速度を制御する制御装置45を備えた構
成とされている。即ち、施工場所等へ移動するときに、
4台のリフトカー30のそれぞれについて移動時におけ
る初期の相互間隔を保持して走行させることにより、装
置の各部にねじれ、曲げ等が発生しないようにするた
め、距離センサー38によりリフトカー30の相互間隔
を連続的に測定し、この測定値に基づき制御装置45に
てリフトカー30の速度制御を行ない、各リフトカー3
0の間隔Lが常に一定となるように制御する構成とされ
ている。
【0022】一方、前記屋根10には、図8に示すよう
に、伸縮桁11の長さ方向に沿って延在する雨樋14が
設けられ、縦樋15にて施工ヤード外へ排水可能に構成
されている。雨樋14は、屋根の拡張、収縮に対応でき
るように、例えば3段あるいはそれ以上の多段に伸縮可
能に構成され、さらに、縦樋15についても、支持機構
20の高さ方向の伸縮に伴って多段に伸縮可能に構成さ
れている。
【0023】また、屋根10の周囲の軒下には、風は通
して雨の吹き込みを遮断するための短辺用ブラインドカ
ーテン40と、長辺用ブラインドカーテン41が設けら
れている。短辺用ブラインドカーテン40は、図10に
示すように、屋根10の短辺側、即ち、梁間方向の開口
部から吹き込む雨を遮断するためのもので、実施例では
梁間方向で一段のブラインドカーテンにより構成され、
長辺用ブラインドカーテン41は図11に示すように屋
根10の拡張、収縮に対応可能なように桁行方向3段伸
縮式に構成されている。
【0024】図12は自走式屋根装置Yの主要機材の配
置関係を表わす平面図を示すもので、各リフトカー30
の旋回台35上に支持ワイヤー36用のウインチ37が
それぞれ設けられると共に、3台のリフトカー30に振
り分けられて、コンプレッサー42、発電機43、操作
盤44、制御盤(制御装置)45、油圧ユニット46等
が設けられている。
【0025】また、図13は動力の供給系統を示す図で
あり、発電機43から電源ケーブル47にて供給される
電力は、制御盤45を介して各ブラインドカーテン4
0、41の動力系、ウインチ37、およびケーブル油圧
ユニット46にそれぞれ分配され、また、油圧ユニット
46から油圧用配管48を介してリフトカー30の油圧
動力系へ圧油が供給される構成とされている。
【0026】上記のように構成された自走式屋根装置Y
を用いたレヤー工法によるコンクリートダムの施工方法
例について以下説明する。図1は自走式屋根装置Yを用
いた施工概念図を、図2は自走式屋根装置Yを拡張して
施工位置へ設置した状態の鳥瞰図をそれぞれ示し、そし
て、これらの図において、符号Jはダム軸に直交する横
継ぎ目を示している。また、符号B1は施工ブロック
を、B2、B3は施工ブロックB1と隣り合う左右の隣
接ブロックをそれぞれ示している。
【0027】本実施例によるダムの施工方法は、コンク
リートダムの施工に際し、ダム軸に直交する横継ぎ目J
を複数設けてそれらの横継ぎ目Jで区分けされる領域を
ブロック単位としてブロック毎に順次コンクリートを打
設して施工するレヤー工法によるダムの施工方法に、上
記の自走式屋根装置Yを用いるものであって、屋根10
により施工ブロックB1を覆いながら、施工領域の転移
に伴ってリフトカー30により屋根10を移動させつつ
施工するものである。
【0028】ここで、屋根10の移動方法としては、図
1に示すようにリフトカー30により屋根10をブロッ
ク間の横継ぎ目Jに沿う方向に移動させながら施工した
り、さらには、施工ブロックB1の施工完了後、リフト
カー30の少なくとも一部を、もしくは全体を移動させ
ることにより、次に施工すべき隣接ブロックB2の上方
に屋根10を移動させることにより施工するものであ
る。
【0029】次いで、これらの具体例について、図14
ないし図23を参照して説明する。自走式屋根装置Yを
施工位置に移動させる場合、まず、図14に示すよう
に、4基の支持機構20を縮めて屋根10を降ろし、さ
らに、前後4台のリフトカー30のうちのいずれかの片
側2台を前後方向へ移動させて、屋根10を収縮させた
状態とする。この場合、ブラインドカーテン40、41
等も上昇させて屋根10の軒下へ収納状態にしておく。
そして、この状態で、リフトカー4台を同時移動させ、
目的とする施工位置へ移動させる。
【0030】施工位置へ移動したら、次に、図15示す
ように前後いずれかの片側のリフトカー2台を同時移動
させ、屋根10を前後方向へ拡張させる。その後、図1
6に示すように、4基の支持装置20を伸張させること
により屋根10を所定の高さまで上昇させる。なお、こ
の屋根10の拡張および上昇動作中においては、屋根1
0の中央部(伸縮桁11、11の中央部)が下方へ橈ま
ないようにウインチ37にて各支持ワイヤー36にテン
ション(張力)を掛けながら支持ワイヤー36を巻き出
すようにするのが望ましい。
【0031】このようにして、屋根10を施工位置の上
方に展開したら、ウインチ37にて各支持ワイヤー36
を巻き締め、伸縮桁11、11の直線性を十分に高めた
状態とした後、図17に示すようにコンプレッサー42
を作動させてエアーパイプ13aを介してテント13の
中空二重膜内に圧縮空気を供給し、テント13を膨らま
せる(図13も参照)。
【0032】ここで、風雨が強い場合には、屋根10の
周囲からの雨の吹き込みが多くなり、施工に影響がでる
ので、図18に示すように短辺用ブラインドカーテン4
0、および長辺用ブラインドカーテン41を必要な高さ
までそれぞれ降下させて風雨よけとする。
【0033】図19に示すように、屋根10の下でダム
コンクリートの打設や転圧を行ない、そして、施工領域
の転移に伴って、自走装置30により例えば図1に示す
ように、屋根10を横継ぎ目Jに沿う方向に移動させ、
ダムコンクリートの打設や転圧を行なう。このようにし
て、屋根10を移動させながら施工領域としての1ブロ
ックの施工終了後においては、必要に応じて一定期間打
設コンクリートを養生させた後、図20に示すように各
ブラインドカーテンを収納し、次いで、真空ポンプを作
動させ、図21に示すように、テント13内の圧縮空気
を排気し、しかる後、4基の支持機構20を収縮させて
屋根10を下降させ(図22)、さらに2台のリフトカ
ー30を移動させて図23に示すように屋根10を収縮
させる。そして、この状態で次施工ブロックへ移動させ
る。
【0034】なお、移動にあたり、その移動方向を90
度方向転換させる必要が生じた場合には、図4(b2)
に示すように、方向転換装置33のジャッキ32を作動
させて車体34を浮上させ、図4(c2)に示すように
車体34を90度回転させてからジャッキ32を収納し
て車体34を降下させることにより方向転換させればよ
い。このようにすると、その場回転により移動方向を方
向転換させることができる。もちろん、90度以内、例
えば、60度や45度の方向転換など、自由に行なえる
ので、実質的にはその場回転により360度の何れの方
向にも移動可能になる。また、当然のことであるが、走
行途中において、リフトカー30の両輪のキャタピラ3
1、31により走行方向の調整を行なうこともできる。
【0035】そして、走行中においては、距離センサー
38にて、リフトカー30相互の間隔が常時測定され、
その測定値に基づいて、制御装置39により各リフトカ
ー30の走行速度や走行方向等が制御され、これにより
4台のリフトカー30の間隔が等間隔に保たれる。
【0036】図1および図24は施工概念図を示すもの
で、これらの図から理解できるように、屋根10の4基
の支持機構20が高さ方向に伸縮可能に構成されている
ことにより、施工ブロックB1を跨ぐ形態で左右の隣接
ブロックB2、B3である段違いな場所への設置も可能
となる。したがって、自走式屋根装置Yを、次に施工す
べき隣接ブロックに移動させる場合には、この施工概念
図から理解できるように、施工ブロックB1の施工完了
後においては、その表面のレベルが、施工済みの隣接ブ
ロックB3の表面と同一レベルとなるので、隣接ブロッ
クB3上に位置する2台のリフトカー30、を施工完了
後のブロックB1上に移動させ、同時に隣接ブロックB
2上に位置する2台のリフトカー30をその隣接ブロッ
ク30のさらに隣のブロックB上に移動させることによ
り屋根10をブロックB2上に移動させればよい。
【0037】このように、本実施例によるダムの施工方
法では、拡張および収縮可能な屋根10、この屋根10
を支持する4基の支持機構20、これらの支持機構20
の下部に設けられたリフトカーからなる自走装置30を
備えた自走式屋根装置Yを用いて必要に応じ屋根10を
移動させながらコンクリートを打設して施工するので、
雨天の日にも施工可能となり、これにより天候に左右さ
れない工法を実現して、施工性の向上、並びに工費の節
減を図ることができる。また本実施例で用いる自走式屋
根装置Yによれば、!任意の位置への移動が自由自在、"
任意の高さへの調整が自由自在、#段違いな場所への設
置が可能、$テントには雨溜まりなし、%雨の吹き込みを
シャットアウト、&固定の仮設備が不要、といった特有
の効果が得られるので、この点からも施工性の向上に寄
与させることができる。
【0038】なお、実施例においては、本発明をレヤー
工法によるコンクリートダム施工方法に適用した例を示
したが、類似するその他の工法によるコンクリートダム
や他の種類のダム、あるいは他の土木構造物の施工、ま
たは大型建物の基礎工事などにも必要に応じて適用でき
ることは言うまでもない。また、自走式屋根装置として
は、図示例のものに限らず、屋根の伸縮や移動可能な構
造であれば、他の構造の自走式屋根装置を用いてもよ
い。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るダム
の施工方法によれば、以下のような優れた効果を奏す
る。
【0040】請求項1に係る発明においては、施工すべ
きブロックの上方を覆う屋根と、この屋根を支持しかつ
施工すべきブロックの左右の隣接ブロック上にそれぞれ
位置させる複数基の支持機構と、これらの支持機構を屋
根と共に走行移動させる自走装置とを備えてなる自走式
屋根装置を用い、前記屋根により施工すべきブロックを
覆いながら施工領域の転移に伴って前記自走装置により
屋根を移動させつつ施工するようにしたので、ダムのよ
うな露天での大型構造物の施工において、特に雨天時に
おいてもコンクリートの打設および養生などの通常の作
業を行なうことができるだけでなく、施工領域の転移に
応じて屋根を容易に移動させて広範囲に及ぶ施工を可能
にし、これにより天候に左右されない工法の実現、並び
に工費の節減を図ることが可能なダムの施工方法を提供
することができる。
【0041】特に、自走装置により屋根を自在に移動さ
せて施工するので、屋根のための固定の仮設備を不要と
することができ、したがってその分、施工性の向上、並
びに工費の節減等を図ることができる。
【0042】請求項2に係る発明においては、自走装置
により屋根をブロック間の横継ぎ目に沿う方向に移動さ
せながら施工することにより、ブロック単位の領域の全
領域の施工を連続的に行なって施工性の向上を図ること
ができるだけでなく、ブロック単位の全領域を覆う大き
さの屋根をもつ自走式屋根装置を用いる必要がなくなる
ので、その分、自走式屋根装置として小型化したものを
用いることができ、これにより雨天時においても経済的
な施工方法を実現することができる。
【0043】請求項3に係る発明によれば、施工すべき
ブロックの施工完了後、この施工完了ブロック上に自走
装置の一部を移動させて次に施工すべき隣接ブロックの
上方に屋根を移動させることにより、施工領域上に屋根
を設置しての全てのブロックの施工が可能になり、これ
により雨天続きにおいてもコンクリートダムの施工を行
なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す一部省略斜視図である。
【図2】本発明の実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例を示す側面図である。
【図4】本発明の実施例を示す自走装置(リフトカー)
の動作説明図である。
【図5】本発明の実施例を示す伸縮桁と支持ワイヤーの
取り合いを示す概略側面図である。
【図6】本発明の実施例を示す自走装置の距離センサー
を示す側面図である。
【図7】本発明の実施例を示す側面図である。
【図8】本発明の実施例を示す端面図である。
【図9】 本発明の実施例を示す端面図である。
【図10】本発明の実施例を示す短辺用ブラインドカー
テンの斜視図である。
【図11】本発明の実施例を示す長辺用ブラインドカー
テンの斜視図である。
【図12】本発明の実施例を示すもので、主要機材の配
置関係を示す平面図である。
【図13】本発明の実施例を示すもので、動力の供給系
統を示すシステム図である。
【図14】本発明の実施例を示す装置の動作説明図であ
る。
【図15】本発明の実施例を示す装置の動作説明図であ
る。
【図16】本発明の実施例を示す装置の動作説明図であ
る。
【図17】本発明の実施例を示す装置の動作説明図であ
る。
【図18】本発明の実施例を示す装置の動作説明図であ
る。
【図19】本発明の実施例を示す装置の動作説明図であ
る。
【図20】本発明の実施例を示す装置の動作説明図であ
る。
【図21】本発明の実施例を示す装置の動作説明図であ
る。
【図22】本発明の実施例を示す装置の動作説明図であ
る。
【図23】本発明の実施例を示す装置の動作説明図であ
る。
【図24】本発明の実施例を示す装置を用いた施工概念
図である。
【符号の説明】
10 屋根 11 伸縮桁 12 フレーム 13 テント 20 支持機構 30 自走装置(リフトカー) 31 キャタピラ 32 ジャッキ 33 方向転換装置 B ブロック B1 施工ブロック B2 隣接ブロック B3 隣接ブロック D ダム J 横継ぎ目 Y 自走式屋根装置
フロントページの続き (72)発明者 原 夏生 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内 (72)発明者 浅井 秀明 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートダムの施工に際し、ダム軸
    に直交する横継ぎ目を複数設けてそれらの横継ぎ目で区
    分けされる領域をブロック単位としてブロック毎に順次
    コンクリートを打設して施工するレヤー工法によるダム
    の施工方法であって、施工すべきブロックの上方を覆う
    屋根と、この屋根を支持しかつ施工すべきブロックの左
    右の隣接ブロック上にそれぞれ位置させる複数基の支持
    機構と、これらの支持機構を屋根と共に走行移動させる
    自走装置とを備えてなる自走式屋根装置を用い、前記屋
    根により施工すべきブロックを覆いながら施工領域の転
    移に伴って前記自走装置により屋根を移動させつつ施工
    することを特徴とするダムの施工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のダムの施工方法におい
    て、前記自走装置により前記屋根をブロック間の横継ぎ
    目に沿う方向に移動させながら施工することを特徴とす
    るダムの施工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のダムの施工方法におい
    て、施工すべきブロックの施工完了後、この施工完了ブ
    ロック上に自走装置の一部を移動させることにより次に
    施工すべき隣接ブロックの上方に屋根を移動させること
    を特徴とするダムの施工方法。
JP15485094A 1994-07-06 1994-07-06 ダムの施工方法 Pending JPH0820935A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001002650A1 (fr) * 1999-06-30 2001-01-11 Changquan Jiang Procede d'etalement horizontal a couche inclinee permettant de construire un barrage par compactage du beton au rouleau
CN105986684A (zh) * 2015-02-15 2016-10-05 徐进勇 移动式多功能构件加工车间
CN108442525A (zh) * 2018-04-13 2018-08-24 上海绿地建设设计研究院有限公司 一种施工罩棚移动系统
CN108442525B (zh) * 2018-04-13 2024-05-24 上海绿地建设设计研究院有限公司 一种施工罩棚移动系统

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