JP3259062B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及び処理液 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及び処理液

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JP3259062B2 JP33458092A JP33458092A JP3259062B2 JP 3259062 B2 JP3259062 B2 JP 3259062B2 JP 33458092 A JP33458092 A JP 33458092A JP 33458092 A JP33458092 A JP 33458092A JP 3259062 B2 JP3259062 B2 JP 3259062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料の処理液および処理方法に関し、詳しくはハロゲン化
銀写真感光材料の処理に用いる定着能を有する処理液に
関するものである。
【0002】
【発明の背景】一般にハロゲン化銀写真感光材料は現像
処理後、残存したハロゲン化銀を除去し、感光性を除去
する定着処理を施す(カラー感光材料では漂白定着処理
の場合もある)。昨今の自動現像機を用いた現像定着処
理(現像漂白定着処理)においては、環境問題に対する
対応の必要性から、処理廃液の量を低減するため、各処
理液の補充量を低減することが行われている。これによ
り、各処理槽の処理液は新鮮な補充液による不用成分の
希釈がされにくくなっている。特に定着能を有する処理
槽においては、硫黄を成分とする組成物の濃度が増加
し、以降おこなわれる水洗処理、安定化処理で、感光材
料中のこれらの成分が洗い出されなくなり、処理後の感
光材料の経時保存性が悪くなるという問題点があった。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、処理後の画像保存性に
優れたハロゲン化銀写真感光材料の処理方法および処理
液を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明の処理方法は、像様露光したハロゲン化銀写真感光
材料を現像能を有する処理液で処理した後、シクロデキ
ストリン誘導体、分岐シクロデキストリン又はシクロデ
キストリンポリマーから選ばれる化合物を1リットルあ
たり1〜50g含む定着能を有する処理液で処理するこ
とを特徴とする。
【0005】本発明に用いられる化合物は、シクロデキ
ストリン誘導体、分岐シクロデキストリン、シクロデキ
ストリンポリマーである。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】次にシクロデキストリン誘導体について説
明する。
【0015】本発明に用いられるシクロデキストリン誘
導体として、上記一般式〔I〕で表されるシクロデキス
トリンの水酸基をエーテル、エステル、アミノ基などに
した公知の誘導体が挙げられる。これらシクロデキスト
リンに関しては、M.L.ベンダー、M.コミヤマ著,シクロ
デキストリン・ケミストリー(Cyciodextrin Chemistr
y)スプリンゲル-フェルラーグ社,1978年刊に詳しく記
載されている。
【0016】また、本発明に用いられるシクロデキスト
リン誘導体には一般式〔II〕又は〔III〕で表される化
合物が包含される。
【0017】
【化2】
【0018】一般式〔II〕において、R1〜R3は、それ
ぞれ同じでも異なっていてもよく、アルキル基又は置換
アルキル基を表す。特にR1及びR3がアルキル化された
ものが好ましい。
【0019】この例としてヘプタキス-2,6-ジメチル-β
-シクロデキストリン、ヘキサキス-2,6-ジメチル-α-シ
クロデキストリン、オクタキス-2,6-ジメチル-γ-シク
ロデキストリンなどが挙げられる。
【0020】一般式〔III〕 CD-(O-R)l 一般式〔III〕において、Rは水素原子、−R2CO2H、−R
2SO3H、−R2NH2又は-N(R3)2(R2は炭素数1〜5の直鎖又
は分岐鎖のアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜5の
直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。)を表し、lは1
〜5の整数を表す。
【0021】一般式〔III〕で表される化合物の具体例
を下表に示すがこれらに限定されない。
【0022】 例示化合物No. R l m-1 -CH2COOH 3 m-2 -CH2COOH 5 m-3 -(CH2)4・SO3H 1 m-4 -(CH2)4SO3H 3 m-5 -N(C2H5)2 2 次に、本発明に用いられる分岐シクロデキストリンにつ
いて説明する。
【0023】本発明に用いられる分岐シクロデキストリ
ンとは公知のシクロデキストリンにグルコース、マルト
ース、セロビオーズ、ラクトース、ショ糖、ガラクトー
ス、グルコサミン等の単糖類や2糖類等の水溶性物質を
分岐付加ないし結合させたものであり、好ましくは、シ
クロデキストリンにマルトースを結合させたマルトシル
シクロデキストリン(マルトースの結合分子数は1分
子、2分子、3分子等いずれでもよい)やシクロデキス
トリンにグルコースを結合させたグルコシルシクロデキ
ストリン(グルコースの結合分子数は1分子、2分子、
3分子等いずれでもよい)が挙げられる。
【0024】これら分岐シクロデキストリンの具体的な
合成方法は、例えば澱粉化学、第33巻、第2号、P.119
〜126(1986)、同P.127〜132(1986)、澱粉化学、第3
0巻、第2号、P.231〜239(1983)等に記載された公知
の合成法で合成可能であり、例えばマルトシルシクロデ
キストリンはシクロデキストリンとマルトースを原料と
し、イソアミラーゼやプルラナーゼ等の酵素を利用し
て、シクロデキストリンにマルトースを結合させる方法
で製造できる。グルコシルシクロデキストリンも同様の
方法で製造できる。
【0025】本発明において、好ましく用いられる分岐
シクロデキストリンとしては、以下に示す具体的例示化
合物を挙げることができる。
【0026】〔例示化合物〕 D−1 マルトースが1分子結合したα-シクロデキス
トリン、 D−2 マルトースが1分子結合したβ-シクロデキス
トリン、 D−3 マルトースが1分子結合したγ-シクロデキス
トリン、 D−4 マルトースが2分子結合したα-シクロデキス
トリン、 D−5 マルトースが2分子結合したβ-シクロデキス
トリン、 D−6 マルトースが2分子結合したγ-シクロデキス
トリン、 D−7 マルトースが3分子結合したα-シクロデキス
トリン、 D−8 マルトースが3分子結合したβ-シクロデキス
トリン、 D−9 マルトースが3分子結合したγ-シクロデキス
トリン、 D−10 グルコースが1分子結合したα-シクロデキス
トリン、 D−11 グルコースが1分子結合したβ-シクロデキス
トリン、 D−12 グルコースが1分子結合したγ-シクロデキス
トリン、 D−13 グルコースが2分子結合したα-シクロデキス
トリン、 D−14 グルコースが2分子結合したβ-シクロデキス
トリン、 D−15 グルコースが2分子結合したγ-シクロデキス
トリン、 D−16 グルコースが3分子結合したα-シクロデキス
トリン、 D−17 グルコースが3分子結合したβ-シクロデキス
トリン、 D−18 グルコースが3分子結合したγ-シクロデキス
トリン、 これら分岐シクロデキストリンの構造については、HPL
C,NMR,TLC(薄層クロマトグラフィー),INEPT法(In
sensitive nuclei enhanced by polarization transfe
r)等の測定法で種々検討されてきているが、現在の科
学技術をもってしてもいまだ確定されておらず推定構造
の段階にある。しかしながら、各単糖類又は2糖類等が
シクロデキストリンに結合していることは上記測定法で
誤りのないことである。この故に、本発明においては、
単糖類や2糖類の多分子がシクロデキストリンに結合し
ている際には、例えば下図に示すようにシクロデキスト
リンの各ぶどう糖に個々に結合している場合や、1つの
ぶどう糖に直鎖状に結合しているものの両方を包含する
ものである。
【0027】
【化3】
【0028】既存のシクロデキストリンの環構造はその
まま保持されているので、既存のシクロデキストリンと
同様な包接作用を示し、かつ水溶性の高いマルトースな
いしグルコースが付加し、水への溶解性が飛躍的に向上
しているのが特徴である。
【0029】本発明に用いられる分岐シクロデキストリ
ンは市販品としての入手も可能であり、例えばマルトシ
ルシクロデキストリンは塩水港精糖社製イソエリート
(登録商標)として市販されている。
【0030】次に、本発明に用いられるシクロデキスト
リンポリマーについて説明する。
【0031】本発明に用いられるシクロデキストリンポ
リマーとしては、下記一般式〔IV〕で表されるものが好
ましい。
【0032】
【化4】
【0033】本発明に用いられるシクロデキストリンポ
リマーは、シクロデキストリンを例えばエピクロルヒド
リンにより架橋高分子化して製造できる。
【0034】前記シクロデキストリンポリマーは、その
水溶性すなわち水に対する溶解度が、25℃で水100mlに
対し20g以上であることが好ましく、そのためには上記
一般式〔I〕における重合度n2を3〜4とすればよく、
この値が小さい程シクロデキストリンポリマー自身の水
溶性および前記物質の可溶化効果が高い。
【0035】これらシクロデキストリンポリマーは、例
えば特開昭61-97025号明細書や、ドイツ特許3,544,842
号明細書等に記載された一般的な方法で合成できる。
【0036】該シクロデキストリンポリマーについて
も、前記の如くシクロデキストリンポリマーの包接化合
物として使用してもよい。
【0037】これらシクロデキストリン誘導体、分岐シ
クロデキストリン又はシクロデキストリンポリマー(以
下、シクロデキストリン系化合物という)の本発明にお
ける使用量は、定着能を有する処理液1000ml当たり0.1
〜100gの範囲が好ましく、より好ましくは、0.5〜50g
/1である。
【0038】ハロゲン化銀写真感光材料をシクロデキス
トリンを含む処理液で処理する方法については、特開昭
53-48735号、同63-276050号等で知られている。しかし
ながら、これらの発明は、処理性能の安定化が目的であ
り、処理後の画像保存性については考慮されていない。
また、シクロデキストリン化合物を含有する水洗代替物
について特開平1-124853号に開示されているが、これは
感光材料中の増感色素が原因となるステインの発生を防
止する技術であり、定着能を有する処理液にシクロデキ
ストリン系化合物を添加し、感光材料中の特に含硫黄成
分の洗い出しを目的とする本発明とは根本的に目的、構
成及び効果が異なる。本発明者は、シクロデキストリン
系化合物を定着能を有する処理液に添加することによっ
て、定着性能に影響を与えることなく定着能を有する処
理剤、特に含硫黄成分が、水洗槽、安定化槽ですみやか
に洗い出されることを発見した。
【0039】
【0040】定着液に添加される本発明に係わるシクロ
デキストリン系化合物の量は、定着能を有する処理液1
lあたり1〜50gであり、好ましくは5〜30gである。
【0041】本発明における、シクロデキストリン系化
合物の添加方法は、定着能を有する処理液中に直接シク
ロデキストリン系化合物を溶解してもよく、また、シク
ロデキストリンの包接作用を利用して、定着能を有する
処理液の組成物を包接させてから添加してもよい。
【0042】本発明における「現像能を有する処理液で
処理」とは、像様露光したハロゲン化銀写真感光材料の
現像を目的とするための現像浴の使用による工程を指
し、カラーフィルム/ペーパー等の発色現像、カラーリ
バーサルフィルム/ペーパー等の第1現像(モノクロ現
像)、第2現像(発色現像)、印刷製版用白黒フィルム
/ペーパー等のモノクロ現像、ファクシミリフィルム/
ペーパー等のモノクロ現像、医用X線フィルム等のモノ
クロ現像等を指す。
【0043】本発明において、黒白現像液に用いる現像
主薬には良好な性能を得やすい点で、ジヒドロキシベン
ゼン鎖と1-フェニル-3-ピラゾリドン類の組み合わせが
最も好ましい。もちろん、この他にp-アミノフェノール
系現像主薬を含んでもよい。
【0044】ジヒドロキシベンゼン現像主薬としてはハ
イドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロムハイドロ
キノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、2,3-ジクロロハイドロキノン、2,5-ジクロロハ
イドロキノン、2,3-ジブロムハイドロキノン、2,5-ジメ
チルハイドロキノンなどがあるが特にハイドロキノンが
好ましい。
【0045】1-フェニル-3-ピラゾリドンまたはその誘
導体の現像主薬としては1-フェニル-4,4-ジメチル-3-ピ
ラゾリドン、1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル
-3-ピラゾリドンなどがある。
【0046】p-アミノフェノール系現像主薬としては、
N-メチル-p-アミノフェノール、p-アミノフェノール、N
-(β-ヒドロキシエチル)-p-アミノフェノール、N-(4
-ヒドロキシフェニル)グリシン、2-メチル-p-アミノフ
ェノール、p-ベンジルアミノフェノール等があるが、な
かでもN-メチル-p-アミノフェノールが好ましい。
【0047】現像主薬量は通常用いられる0.01モル/1
〜1,2モル/l量であってもよい。
【0048】亜硫酸塩の保恒剤としては亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニ
ウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホ
ルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがある。亜硫酸
塩は0.2モル/l以上であってもよい。
【0049】現像液のpHは通常好ましい範囲とされる
9から13までの範囲のものが少なくとも含まれる。pH
の設定のために用いるアルカリ剤には水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウムのごときp
H調節剤を含む。
【0050】特開昭61-28708号(ホウ酸塩)、特開昭60
-93439号(例えば、サッカロース、アセトオキシム、5-
スルホサルチル酸)、リン酸塩、炭酸塩などの緩衝剤を
用いてもよい。
【0051】上記成分以外に用いられる添加剤として
は、臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリウムのご
とき現像抑制剤;エチレングリコール、シエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミ
ド、メチルセロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノ
ール、メタノールのごとき有機溶剤;1-フェニル-5-メ
ルカプトテトラゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾー
ル-5-スルホン酸ナトリウム塩等のメルカプト系化合
物;5-ニトロインダゾール系の化合物;5-メチルベンゾ
トリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物等のカブ
リ防止剤を含有してもよく、更に必要に応じて色調剤、
界面活性剤、消泡剤、硬水軟化剤、特開昭56-106244号
記載のアミノ化合物等を含有してもよい。現像液に銀汚
れ防止剤、例えば特開昭56-24347号に記載の化合物を用
いることができる。
【0052】現像液には、特開昭56-106244号に記載の
アルカノールアミンなどのアミン化合物を用いることが
できる。
【0053】この他L.F.Aメソン著「フォトグラフ
ィック・プロセッシング・ケミストリー」,フォーカル
・プレス刊(1966年)の226〜229頁、米国特許第2,193,
015号、同2,592,364号、特開昭48-64933号等に記載のも
のを用いてもよい。
【0054】本発明で用いられる定着能を有する処理液
とは、各種の定着液及び漂白定着液である。定着液につ
いては特開平2-44347号、ページ(4)に記載の定着
剤、定着促進剤、保恒剤、キレート剤等の通常の添加物
が用いられてもよい。漂白定着液としては特開平2-4354
6号、ページ(37)〜(38)に記載されてあるものが用
いられてもよい。
【0055】本発明において、定着液はチオ硫酸塩を含
む水溶液であり、pH3.8以上、好ましくはpH4.2〜5.5
を有する。
【0056】定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸アンモニウムがあるが、チオ硫酸イオンとアンモニ
ウムイオンとを必須成分とするものであり、定着速度の
点からチオ硫酸アンモニウムが特に好ましい。定着剤使
用量は適宜変えることができ、一般には約0.1〜約6モ
ル/lである。
【0057】定着液には、硬膜剤として作用する水溶性
アルミニウム塩を含んでもよく、それらには、例えば塩
化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばん等があ
る。定着液には、酒石酸、クエン酸あるいはそれらの誘
導体を単独で、あるいは2種以上併用して含有させるこ
とができる。具体的には、酒石酸、酒石酸カリウム、酒
石酸ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸
リチウム、クエン酸アンモニウムなどがある。これらの
化合物は定着液1lにつき0.005モル以上含むことがで
きる。定着液には所望により保恒剤(例えば、亜硫酸
塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、硝
酸)、pH調整剤(例えば硫酸)、硬水軟化能のあるキ
レート剤や特願昭60-213562号記載の化合物を含有する
ことができる。
【0058】水洗又は安定化処理は、本分野で公知のあ
らゆる方法を適用することができ、本分野で公知の種々
の添加剤を含有する水を、水洗又は安定化剤として用い
ることもできる。防黴手段を施した水を水洗水又は安定
化液に使用することができる。
【0059】防黴手段としては、特開昭60-263939号に
記された紫外線照射法、同60-263940号に記された磁場
を用いる方法、同61-131632号に記されたイオン交換樹
脂を用いて純粋にする方法、特願昭60-253807号、同60-
295894号、同61-63030号、同61-51396号に記載の防菌剤
を用いる方法を用いることができる。
【0060】更には、L.E.West“Water Quality Criter
ia"Photo Sci & Eng.Vol.9,No.6(1965)、M.W.Beach“Mi
crobiologocal Growths in Motion-Picture Processin
g"SMPTE Journal Vol.85,(1976)、R.O.Deegan,“Photo
Processing Wash Water Biocides"J.Imaging Tech.Vol.
10,No6(1984)及び特開昭57-8542号、同57-58143号、同5
8-105145号、同57-132146号、同58-18631号、同57-9753
0号、同57-157244号などに記載されている防菌剤、防黴
剤、界面活性剤などを併用することもできる。
【0061】更に水洗浴には、R.T.Kreiman著J.Jmage.T
ech10,(6)242(1984)に記載されたイソチアゾリン系化合
物、RESEARCH DISCLOSURE第205巻、Item20526(1981
年、5月号)に記載されたイソチアゾリン系化合物、同
第228巻、Item22845(1983年、4月号)に記載されたイ
ソシアゾリン系化合物、特願昭61-51396号に記載された
化合物、などを防菌剤(Microbiocide)として併用する
こともできる。
【0062】更に防黴剤の具体例としては、フェノー
ル、4-クロロフェノール、ペンタクロロフェノール、ク
レゾール、o-フェニルフェノール、クロロフェールアル
デヒド、クロルアセトアミド、p-ヒドロキシ安息香酸エ
ステル、2-(4-チアゾリン)-ベンゾイミダゾール、ベン
ゾイソチアゾリン-3-オン、ドデシル-ベンジル-ジメチ
ルアンモニウム-クロライド、N-(フルオロジクロロメチ
ルチオ)-フタルイミド、2,4,4′-トリクロロ-2′-ハイ
ドロオキシジフェニルエーテルなどである。
【0063】水洗水中には銀画像安定化剤の他に水滴む
らを防止する目的で、各種の界面活性剤を添加すること
ができる。界面活性剤としては、陽イオン型、陰イオン
型、非イオン型および両イオン型のいずれを用いてもよ
い。界面活性剤の具体例としては例えば、「界面活性剤
ハンドブック」(工学図書(株)発行)に記載されてい
る化合物などがある。
【0064】上記安定化浴中には画像を安定化する各種
化合物を添加することができる。例えば膜pHを調整す
る(例えばpH3〜8)ための各種の防衝剤(例えばホ
ウ酸塩、メタホウ酸塩、ホウ砂、リン酸塩、炭酸塩、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水、モノ
カルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸などを組み
合わせて使用)やホルマリンなどのアルデヒドを代表例
として挙げることができる。その他、キレート剤、殺菌
剤(チアゾール系、イソチアゾール系、ハロゲン化フェ
ノール、スルファニルアミド、ベンゾトリアゾールな
ど)、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤などの各種添加
剤などを使用してもよく、同一もしくは異種の目的の化
合物を2種以上併用してもよい。
【0065】本発明における処理条件は、定着能を有す
る処理液による処理温度が25〜40℃、好ましくは27〜35
℃である。また、補充量は180〜600ml/m2が好ましく、
低補充の方が本発明の効果が著しく、更に好ましくは18
0〜400ml/m2である。その他の処理条件は通常使用され
ている範囲の条件で使用される。
【0066】本発明の処理においては、定着能を有する
処理液や水洗水、安定化液等の可溶性銀錯塩を含む処理
液から公知の方法で銀回収してもよい。例えば電気分解
法(仏国特許2,299,667号明細書記載)、沈殿法(特開
昭52-73037号公報記載、独国特許2,331,220号明細書記
載)、イオン交換法(特開昭51-17114号公報記載、独国
特許2,548,237号明細書記載)および金属置換法(英国
特許1,353,805号明細書記載)などが有効に利用でき
る。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の実施の態様がこれらに限定される
ものではない。
【0068】実施例1 下記表1のシクロデキストリン化合物を下記組成物と混
合し溶解し、硫酸水溶液でpHを4.20に調整し、表1に
記載の定着液を得た。
【0069】
【表1】
【0070】 組成物 チオ硫酸アンモン 160.0g/l 亜硫酸ナトリウム 2.5g/l ほう酸 6.5g/l クエン酸ナトリウム 2.0g/l 硫酸アルミニウム 10.0g/l (硫酸アルミニウムはpH5を超えると水酸化アルミニ
ウムとなり沈殿するので注意が必要である) 未露光のコニカ(株)社製コニカRSTクリアライトコ
ンタクトフィルムCRH−Aを、下記の組成の現像液
と、上記の定着液を用い、コニカ(株)社製自動現像機
コニカオートマチックプロセッサGR−27にて下記の現
像条件で処理した。
【0071】 現像液組成 ハイドロキノン 15 g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 0.5 mg 亜硫酸カリウム(55% W/V) 90 ml 炭酸カリウム 70 g 炭酸水素カリウム 5 g ジエチレングリコール 50 g 臭化カリウム 5.0 g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.15g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 20 mg 酢酸(90%溶液) 0.3 ml 5-ニトロインダゾール 100 mg 得られた処理済みフィルムを、温度50℃、相対湿度79%
の条件下で7日間保存し、着色の程度を光学濃度計で測
定し、上記保存処理をしないものとの差を比較した。結
果を表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】表2から、本発明の定着液は、処理後の保
存性が非常に良いことがわかる。
【0074】実施例2 実施例1で使用した定着液No.1−10におけるシクロデ
キストリンの量を下記表3のとおりに変えた定着液を作
成し、これらの定着液を用いて実施例1と同様に処理
し、保存性を評価した。その結果を表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】表3から、シクロデキストリンの添加量
は、0.1g/lでも効果があることがわかる。50.0g/lでも
充分効果があるが、定着液に溶解するのに時間がかかっ
た。
【0077】実施例3 実施例1の定着液No.1−1、1−4、1−7、1−1
0、1−11の定着補充量を表4のように変更し、その他
は実施例1と同様にして処理し、保存性を評価した。結
果を表4に示す。
【0078】
【表4】
【0079】表4から、本発明の処理液で処理した感材
は、補充量に関わらず保存性がたいへん良いことがわか
る。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲン化銀写真感光
材料を処理して得られる写真画像において、改善された
保存性を有する写真画像が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 5/38 G03C 7/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像様露光したハロゲン化銀写真感光材料
    を現像能を有する処理液で処理した後、シクロデキスト
    リン誘導体、分岐シクロデキストリン又はシクロデキス
    トリンポリマーから選ばれる化合物を1リットルあたり
    1〜50g含有する定着能を有する処理液で処理するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 含有量が1リットルあたり1〜50gの
    シクロデキストリン誘導体、分岐シクロデキストリン又
    はシクロデキストリンポリマーから選ばれる化合物を含
    有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用の
    定着能を有する処理液。
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