JP3254536B2 - グローブボックスリッド用蝶番装置 - Google Patents

グローブボックスリッド用蝶番装置

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JP3254536B2
JP3254536B2 JP05129793A JP5129793A JP3254536B2 JP 3254536 B2 JP3254536 B2 JP 3254536B2 JP 05129793 A JP05129793 A JP 05129793A JP 5129793 A JP5129793 A JP 5129793A JP 3254536 B2 JP3254536 B2 JP 3254536B2
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島 銃 二 小
木 健 鈴
藤 修 司 安
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のグローブボック
スリッド用蝶番装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グローブボックスリッドの開閉機
構は開作動時の衝撃を吸収するためダンパー装置を備え
たものが開発されている(実公平3−56111号公
報)。この従来型開閉機構は、円弧上をなすリッド保持
アームの一端がグローブボックスリッドに固着され、他
端がグローブボックスリッド側面に配設されたダンパー
装置のロッド先端を枢支するように配設され、前記リッ
ドの開作動に連動してリッド保持アームが回転し、これ
に伴い前記ロッドが伸長して前記ダンパー装置がリッド
の開作動時の緩衝作用を行うように構成されており、リ
ッドヒンジを回転中心としてロッド先端の枢支点が動く
軌跡上においてこの枢支点の全閉時位置と全開時位置と
の略中間位置と前記全開位置との間の任意点での接線上
に前記ダンパー装置の枢支点が設けられている。
【0003】そしてこの従来型開閉機構はダンパー装置
の枢支点の位置を所定範囲にあらかじめ設定しておくこ
とによりグローブボックスリッドの制動された開作動速
度を可及的に一定にすることができるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来型開
閉機構は、エアダンパーと称するシリンダとピストンの
組合せからなるダンパー装置を据付けるスペースが必要
となり、狭い車内でのスペース確保が困難であると共に
ダンパー装置とリッドヒンジとを個別に組付けるのでそ
の組付けに手間がかかるという課題を有していた。
【0005】本発明は前記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は別部材としてのダンパー機構の据
付けスペースの確保が不要であると共に組付けに手間が
かからないグローブボックスリッド用蝶番装置を提供す
るにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した目的を
達成するため、車体側に固着される固定体と、この固定
体に軸体を介して回転自在に連結されると共に、グロー
ブボックスリッド側に固着される回転体とからなるグロ
ーブボックスリッド用蝶番装置において、前記固定体及
び回転体は、非円形に形成された軸受部及び軸支部の何
れかを備え、前記軸体中空軸本体と、この中空軸本体
に回転自在に取り付けられたキャップ部材と、前記中空
軸本体に内挿されると共に中空軸本体とキャップ部材と
の間に掛け渡されたトーションバーと、前記中空軸本体
とキャップ部材間に封入された粘性グリスとからなり、
前記トーションバーの一側端部は、前記中空軸本体の内
部の一側端部に係止され、前記トーションバーの他端部
は、前記キャップ部材の底部に係止されて取付けられ、
前記中空軸本体とキャップ部材の各々を、前記軸受部も
しくは前記軸支部に回り止めして取付けたことを特徴と
する。
【0007】
【作用】本発明は前記した構成になっているので、グロ
ーブボックスリッドを開作動させると中空軸本体あるい
はキャップ部材を介してトーションバーが捩じられ、ト
ーションバーのばね力と粘性グリスの剪断抵抗により充
分なダンパー作用を奏する。
【0008】本発明は、固定体に回転体を回転自在に支
持する軸体にダンパー機構を組み込んだので、蝶番装置
自体がダンパー機能とヒンジ機能の両機能を奏する。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図示した実施例に基づいて具
体的に説明する。図1乃至図5に本発明の第1実施例と
しての蝶番装置1を示す。この蝶番装置1は車体側に固
着される固定体2と、グローブボックスリッド側に固着
される回転体3と、この回転体3を固定体2に回転自在
に支持する軸体4とから大略構成されている。固定体2
は車体側への取付孔21aが穿設された取付片21と、
この取付片21から延設された突片を非円形にカールし
て形成された軸受部22(図4参照)とを有して形成さ
れている。このとき軸受部22は適宜の間隔に離隔して
2個設けられている。回転体3はグローブボックスリッ
ド側への取付孔31aが穿設された取付片31と、この
取付片31から延設された突片を非円形にカールして形
成された軸支部32(図3参照)とを有して形成されて
いる。このとき軸支部32は固定体2の各軸受部22毎
に軸受部22を挟むようにして4個設けられている。
【0010】軸体4は図5に示すように2個の軸支部3
2と1個の軸受部22とからなる各枢支部毎に装着され
ており、蝶番装置1には2個装着されている。この軸体
4は図6乃至図8に示すように軸本体41と、キャップ
部材42及び43と、トーションバー5とから大略構成
されている。軸本体41は中央大径軸部41aの両側が
小径軸部41b,41cに形成された中空軸本体からな
り、大径軸部41aの外周形状は固定体2の軸受部22
の内周形状に相応した非円形に形成されており、小径軸
部41b,41cの外周形状は円形に形成されている。
また、軸本体41の中空部は円形中空部41dと、この
円形中空部41dに連通させて小径軸部41bの一側端
部に形成したスリット状中空部41eとから構成されて
いる。
【0011】キャップ部材42及び43は有底筒体から
なり、その外周形状は回転体3の軸支部32の内周形状
に相応した非円形に形成されている(図7参照)。ま
た、一方のキャップ部材43はその底部にスリット状溝
43aが形成されている。そしてキャップ部材42及び
43はそれぞれ軸本体41の小径軸部41b及び41c
に回転自在に外挿されている。また、トーションバー5
は両端にフック部51及び52が形成されており、軸本
体41にキャップ部材42及び43を組付けた内部に装
着されている。すなわち、トーションバー5は一方のフ
ック部51をスリット状中空部41eに係止し、他方の
フック部52をスリット状溝43aに係止させることに
よって軸本体41とキャップ部材43との間に掛け渡さ
れて取付けられている。さらに、小径軸部41b及び4
1cとキャップ部材42及び43との間には粘性グリス
6が封入されている。この粘性グリス6は各小径軸部4
1b及び41cの外表面に予め塗布され、キャップ部材
42及び43を各小径軸部41b及び41cに外挿する
ことによって小径軸部とキャップ部材間に封入される。
【0012】このようにサブアッセンブリされた軸体4
は図3に示すように固定体2と回転体3とを略直角に組
合せて位置合せした各枢支部の軸支部32と軸受部22
に挿通する。この挿通により軸本体41の大径軸部41
aが固定体2の軸受部22に、キャップ部材42及び4
3が回転体3の軸支部32にそれぞれ位置して回り止め
されて取り付けられる(図5参照)。このような取付状
態においては軸本体41は固定体2に固定されており、
キャップ部材42及び43は回転体3に固定されて回転
体3と共に小径軸部41b及び41c回りに回転するよ
うになっている。以上のようにして蝶番装置1は構成さ
れている。
【0013】次に蝶番装置1の作動について説明する。
まず、蝶番装置1は図9及び図10に示すように取付片
21及び31をそれぞれ車体100及びリッド101に
固着することによって、リッド101をグローブボック
ス102の開口部に開閉自在に取付ける。図9及び図1
0はそれぞれリッド101の全閉状態及び全開状態を示
す。このときのリッド101の回転モーメントM、トー
ションバー5のトルクT、及び粘性グリス6の剪断抵抗
(粘性トルクT )の関係を例えば図11の特性線図
のごとくに設計する。このような設計ではリッド101
の回転モーメントMがトーションバー5のトルクT+粘
性トルクT を上回っているのでその作動はリッド1
01の開き勝手となっている。
【0014】図9に示す全閉時においてはリッド101
は適宜のロック手段(図示せず)でロックされて全閉状
態が維持されている。この全閉状態ではリッド101は
やや傾斜状態となっており、これにより蝶番装置1の回
転体3もキャップ部材42及び43を回動させて自由状
態よりも幾分傾斜した状態となっている。このためトー
ションバー5はキャップ部材43の回動によって捩じら
れて初期トルクTが付与されている(図11参照)。
【0015】全閉状態を維持しているロックを解除する
とリッド101はその回転モーメントMにより図9に示
すa方向へ回動する。このリッド101の回動は回転体
3を介してキャップ部材42及び43の回動を伴い、キ
ャップ部材43の回動により上昇するトーションバー5
のトルクT及び粘性トルクT による抵抗を受けて緩
動する。そしてリッド101は図10に示す全開状態に
達する。この全開状態においてはリッド101は車体に
設けられた適宜のストッパ手段(図示せず)によってそ
の全開状態が維持される。また、全開状態にあるリッド
101を閉作動させるにはリッド101をb方向へ負荷
することによって行われる。この閉作動においてはトー
ションバー5のトルクTの助勢を受けて小さな外力負荷
で行うことができ、リッド101は図9に示す全閉状態
にロックされてグローブボックス102の開口部を閉塞
することができる。
【0016】図12は本発明の第2実施例としての蝶番
装置10を示す。この蝶番装置10は固定体の軸受部と
回転体の軸支部の構成が相違し、他の構成は前述した蝶
番装置1と同様になっている。このため以下同一構成要
素は同一符号を付して重複する説明を省略する。蝶番装
置10は固定体2の軸受部22の−側端面に突起部22
aが形成されており、かつ軸受部22の−側端面側に位
置する回転体3の軸支部32に突起部22aに係合する
突起部32aが設けられている。この突起部22a及び
32aはリッド101が図10に示す全開状態になった
とき係合しリッド101を全開状態に維持する機能を有
する。すなわち、蝶番装置10は蝶番装置自体にストッ
パ機能を備えたものとなっており、他に従来のストッパ
機構が不要となるメリットがある。
【0017】次にその他の変化例を示す。トーションバ
ー5は前述したばね線材によって形成したものばかりで
なく、断面矩形のばね板材で形成したものも用いられ、
この場合両端フック部を形成することなく非円形孔に端
部を挿入するだけで装着することができる。また、軸体
4は軸本体41を回転体3に、キャップ部材42及び4
3を固定体2にそれぞれ回り止めされて取付けることも
できる。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、蝶番
装置自体にダンパー機能を備えたものであるから、別部
材としてのダンパー機構が不要となり、その据付けスペ
ースの確保も不要となるのでその分組付け工数も減少し
て取付けが容易となり、かつグローブボックスリッドを
広く確保することができる。また本発明はダンパー機構
を蝶番の枢支部に組み込んだので、装置全体をコンパク
トに設計することができ、取付けスペースの余裕の無い
グローブボックスリッドに容易に適応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例としての蝶番装置の正面図である。
【図2】図1の蝶番装置の底面図である。
【図3】図1の蝶番装置の側面図である。
【図4】図1の蝶番装置に用いた固定体の側面図であ
る。
【図5】図3の5−5線に沿う断面図である。
【図6】図1の蝶番装置に用いた軸体の正面図である。
【図7】図6の軸体の側面図である。
【図8】図6の8−8線に沿う断面図である。
【図9】図1の蝶番装置の使用状態(全閉状態)図であ
る。
【図10】図1の蝶番装置の使用状態(全開状態)図で
ある。
【図11】図1の蝶番装置のリッドの回転角度に対する
回転モーメント(トルク)の関係を示す特性線図であ
る。
【図12】第2実施例としての蝶番装置の正面図であ
る。
【符号の説明】
1,10 蝶番装置 2 固定体 3 回転体 4 軸体 5 トーションバー 6 粘性グリス 41 軸本体(中空軸本体) 42,43 キャップ部材 100 車体 101 グローブボックスリッド 102 グローブボックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−270320(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 7/06 E05D 7/00 E05F 1/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に固着される固定体と、この固定
    体に軸体を介して回転自在に連結されると共に、グロー
    ブボックスリッド側に固着される回転体とからなるグロ
    ーブボックスリッド用蝶番装置において、前記固定体及び回転体は、非円形に形成された軸受部及
    び軸支部の何れかを備え、 前記軸体中空軸本体と、この中空軸本体に回転自在に
    取り付けられたキャップ部材と、前記中空軸本体に内挿
    されると共に中空軸本体とキャップ部材との間に掛け渡
    されたトーションバーと、前記中空軸本体とキャップ部
    材間に封入された粘性グリスとからなり、前記トーションバーの一側端部は、前記中空軸本体の内
    部の一側端部に係止され、 前記トーションバーの他端部は、前記キャップ部材の底
    部に係止されて 取付けられ、 前記中空軸本体とキャップ部材の各々を、前記軸受部も
    しくは前記軸支部に回り止めして取付けたことを特徴と
    するグローブボックスリッド用蝶番装置。
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