JP3254193B2 - チューブポンプ及びこれを用いたポンプ装置 - Google Patents

チューブポンプ及びこれを用いたポンプ装置

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JP3254193B2
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勝彦 森田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、加圧部材と円形
状の内周を有するハウジングの間にチューブを配置し、
加圧部材を偏心運動させてチューブを順次圧迫すること
によってポンプ作用を行うチューブポンプ、及びこのチ
ューブポンプを用いたポンプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】円形状の内周を有するハウジングの内周
面に添わせて弾性材料からなるチューブをリング状に配
置し、その内側に設けた回転ローラでチューブを一方向
に順次圧迫し、あるいはチューブの内側に設けたリング
状の加圧部材をハウジングの内周面に沿って偏心運動さ
せてチューブを一方向に順次圧迫することにより、閉塞
部を移動させてポンプ作用を行うチューブポンプは公知
である(例えば、特開平11−62854号公報参
照)。このようなチューブポンプは、比較的少量の流体
を一定量移送するポンプとして適しており、使用するチ
ューブの本数を多くすれば複数種類の流体を同時に移送
することもできる。しかし、例えばある流体の移送後に
別の流体を移送するという順次移送はできないため、こ
のような用途の場合には移送対象の流体に応じた台数の
ポンプが必要で設置台数が多くなり、それに応じて設置
スペースも大きくなると共に設置コストや管理コストが
高くなるという問題があった。
【0003】これを解決するために、回転軸が正方向に
回転した時に作動する正方向加圧部材及び正方向チュー
ブの組と、上記回転軸が逆方向に回転した時に作動する
逆方向加圧部材及び逆方向チューブの組とを備え、回転
軸の回転方向に応じていずれか一方のチューブに対する
圧迫動作が行われるように構成されたものが提案されて
いる。しかし、回転方向に応じて圧迫されるチューブを
切り替えるためのクラッチ機構に自動的に給油する機構
がなく、あるいは構造が複雑になるなど、解決を要する
問題が見受けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明はこのような
問題点に着目し、1台のモータを使用して複数種類の流
体を選択して移送できるようにしたチューブポンプを改
良することを課題としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、第1の発明では、モータで駆動される回転軸の回
転方向に応じて正方向側と逆方向側のいずれかのチュー
ブに対する圧迫動作が行われるように構成されたチュー
ブポンプにおいて、1本の回転軸に取り付けられて回転
軸と共に回転する正方向クラッチ部材及び逆方向クラッ
チ部材と、正方向クラッチ部材に係合して正方向に回転
する正方向従動板及び逆方向クラッチ部材に係合して逆
方向に回転する逆方向従動板と、各従動板に対応してそ
れぞれ設けられた正方向加圧部材と正方向チューブの組
及び逆方向加圧部材と逆方向チューブの組、とを備えて
いる。
【0006】そして、各クラッチ部材と各従動板との間
に、クラッチ部材と従動板のいずれか一方に軸方向に向
けて形成された係止突部と、これに対応して他方に形成
された係止段部とで構成される係合部をそれぞれ設け、
各クラッチ部材の間に潤滑油を含浸させたスポンジ状の
弾性板を挟んで配置し、係合部の動作に伴って各クラッ
チ部材が軸方向に移動して弾性板を加圧するように構成
している。このような構成により、正方向チューブと逆
方向チューブをそれぞれ異なる流体の移送に用い、回転
軸の回転方向を切り換えることによっていずれかの流体
を移送することができ、クラッチ機構は簡単な構造で安
価に製造でき、係合部の係合動作に伴うクラッチ部材の
移動によって弾性板から潤滑油が押し出され、係合部な
どの摺動部分に適度の潤滑油が供給される。
【0007】第2の発明では、第1の発明と同様に回転
軸の回転方向に応じて正方向側と逆方向側のいずれかの
チューブに対する圧迫動作が行われるように構成された
チューブポンプにおいて、1本の回転軸に取り付けられ
て回転軸と共に回転し、且つ軸方向にはスライド自在な
クラッチ部材と、このクラッチ部材とねじによって結合
されるように構成されていて、クラッチ部材が正方向に
回転するとクラッチ部材と螺合する正方向従動板及びク
ラッチ部材が逆方向に回転するとクラッチ部材と螺合す
る逆方向従動板と、各従動板に対応してそれぞれ設けら
れた正方向加圧部材と正方向チューブの組及び逆方向加
圧部材と逆方向チューブの組、とを備えている。このよ
うな構成により、構造が簡単で動作の確実なクラッチ機
構が得られる。
【0008】また以上の第1及び第2の発明のチューブ
ポンプにおいて、正方向側のチューブと逆方向側のチュ
ーブの内径を異ならせ、あるいは正方向側のチューブを
加圧する正方向加圧部材と逆方向側のチューブを加圧す
る逆方向加圧部材の外径を異ならせている。このような
構成により、モータの回転速度が同じであっても、チュ
ーブの内部断面積に応じて正転時と逆転時の1回転当た
りの吐出量を変え、あるいはチューブの有効長に応じて
正転時と逆転時の1回転当たりの吐出量を変えることが
できる。
【0009】
【0010】
【0011】また第3の発明では、上記第1及び第2の
発明のチューブポンプを用い、このチューブポンプと、
このチューブポンプのモータを駆動すると共にその回転
方向を切り換え、回転方向の切り換えに応じてモータの
回転速度を変化させ、あるいは更にモータの駆動時間を
変化させる制御回路とでポンプ装置を構成している。こ
れにより、チューブの内径や加圧部材の外径が正方向側
と逆方向側で同じであっても、正転時と逆転時の単位時
間当たりの吐出量を変えることができ、あるいは正転時
と逆転時の1運転当たりの総吐出量を変えることが可能
となる。
【0012】なお、チューブの内径、加圧部材の外径、
モータの駆動時間や回転速度の組み合わせに応じて、吐
出量を大幅に変化させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、各発明の実施の形態につい
て説明する。図1乃至図3は第1の発明の実施の形態を
示す図であり、図1はポンプ部の側断面図、図2は要部
の側面図、図3は要部の分解斜視図である。なお、チュ
ーブポンプの基本構造は前述の公報などに記載されてい
るので説明は省略する。
【0014】図1において、1は円筒状の内壁を有する
ハウジング本体、2は蓋、3は本体1に固定されている
モータ、4はモータ3の出力軸、5は止めビス5−1で
出力軸4に取り付けられ、先端を蓋2の穴2−1で支持
されている回転軸、6a及び6bは回転軸5にはめられ
て回転自在に支持されている偏心駆動体、7a及び7b
はそれぞれ内リング8a、8bとこれにはめられた弾性
材料からなる外リング9a、9bで構成され、偏心駆動
体6a及び6bの外側に配置されているリング状の加圧
部材、10a及び10bは弾性材料からなるチューブで
ある。モータ3としては、回転方向を任意に切り換える
ことができるタイプのモータであれば使用可能である。
【0015】チューブ10a、10bはそれぞれ加圧部
材7a及び7bの外側に位置し、且つハウジング本体1
の内壁に沿ってリング状に配置されて両端(図示せず)
を本体1の外部に導出してあり、加圧部材7a、7bが
偏心駆動体6a、6bの回転に応じて偏心運動し、圧迫
されて生じた閉塞部が一方向に順次移動して内部の流体
が押し出されることによってポンプ作用が行われるよう
に構成される。
【0016】11a及び11bはこの発明のクラッチ部
材に相当するクラッチ板で、回転軸5にはめられて共に
回転するように支持されており、このクラッチ板11
a、11bとこの発明の従動板を兼ねている偏心駆動体
6a、6bとの組み合わせによって後述するような動作
が行われる。12はクラッチ板11a、11bの間に配
置されている弾性板である。15はセパレータ、16は
スペーサ、17は座板であり、これらの部材は上述した
主要部材を所定の位置に配置するための位置決め材とし
て機能している。なお、クラッチ板11aと11b、及
び偏心駆動体6a及び6bは、それぞれ同一形状のもの
を互いに逆向きに配置してあるだけであって、形状自体
は同じである。
【0017】クラッチ板11a、11bは例えばステン
レス板のプレス加工によって形成された円盤状のもの
で、図3に示すように、それぞれ中心にはキー溝5−2
を有する回転軸5に対応した非円形穴11a−1及び1
1b−1を設け、周縁には切起こしによって一方向に傾
斜した係止突部11a−2及び11b−2を形成してあ
り、更に小穴11a−3、11b−3を例えば2個ずつ
形成してある。なお、クラッチ板11a、11bは例え
ばプラスチック成形品に係止突部11a−2、11b−
2を突設したものであってもよい。
【0018】偏心駆動体6a、6bは例えばプラスチッ
ク成形品からなる小判型のもので、それぞれ回転軸5の
外径よりやや大きな丸穴6a−1及び6b−1を長手方
向に対して偏心した位置に設けると共に、反対側の先端
部にクラッチ板11a、11bの係止突部11a−2、
11b−2に対応する位置に係止段部6a−2及び6b
−2を形成し、その背部に傾斜したガイド面6a−3及
び6b−3を形成してある。この係止段部6a−2と係
止突部11a−2及び係止段部6b−2と係止突部11
b−2で、それぞれ係合部13a及び13bが構成され
る。弾性板12は例えばスポンジ状のプラスチック成形
品であり、中心に回転軸5の外径に対応した丸穴12−
1を設けると共に、全体に潤滑油を含浸させてある。
【0019】上述のような構成であり、図1のような組
立状態において、モータ3を駆動して回転軸5をモータ
側から見て時計方向に回転させると、クラッチ板11
a、11bは回転軸5に対して回転できないので回転軸
5と共に同方向に回転するが、偏心駆動体6a、6bは
回転しないでその位置に留まる。このため、クラッチ板
11aの係止突部11a−2が偏心駆動体6aの係止段
部6a−2に係合するに至り、偏心駆動体6aもクラッ
チ板11aと共に回転する。一方、クラッチ板11bの
係止突部11b−2は偏心駆動体6bの係止段部6b−
2には係合しない方向を向いており、ガイド面6b−3
上を摺動しながら係止段部6b−2を乗り越えてそのま
ま回転し、偏心駆動体6bは停止したままとなる。
【0020】従って、加圧部材7aは偏心駆動体6aに
押されて偏心運動してチューブ10aを加圧し、チュー
ブ10aの内部の流体が押し出されるので、チューブ1
0aが接続されている側の流体に対するポンプ作用が行
われるが、加圧部材7bは動かないためチューブ10b
が接続されている側の流体に対するポンプ作用は行われ
ない。また回転軸5をモータ側から見て反時計方向に回
転させた場合には、上記とは逆にクラッチ板11bの係
止突部11b−2が偏心駆動体6bの係止段部6b−2
に係合して偏心駆動体6bが偏心運動し、チューブ10
bが接続されている側の流体に対するポンプ作用が行わ
れる。すなわち、モータ3の回転方向を切り換えること
によって移送される流体が切り換えられるので、1台の
ポンプで2種類の流体を選択的に移送することができる
のである。
【0021】図2は、各クラッチ板11a、11bの係
止突部11a−2、11b−2がそれぞれ偏心駆動体6
a、6bの係止段部6a−2、6b−2に係合している
状態を例示しているが、係合しない方向にクラッチ板1
1a、11bが回転する時は係止突部11a−2、11
b−2が係止段部6a−2、6b−2を乗り越えるの
で、その時にクラッチ板11a、11bが押されて内側
に傾き、弾性板12が圧縮される。このため弾性板12
に含浸されている潤滑油の一部が小穴11a−3及び1
1b−3から押し出され、クラッチ板11a、11bと
偏心駆動体6a、6bとの間の摺動部分などに供給され
て、長期間にわたって潤滑作用が発揮されるのである。
【0022】このように、弾性板12はクラッチ板11
a及び11bを偏心駆動体6a及び6bに適度な圧力で
押し付けると共に、軸方向への変位を可能にしているの
であるが、更に潤滑油の供給手段としての機能も果たし
ているのであり、例えば潤滑油を含浸したフェルトなど
を用いることもできる。なお、弾性板12に潤滑作用を
発揮させる必要がない場合には、例えば金属製のスプリ
ングなどの単なる弾性体を用いても差し支えない。
【0023】上記の例では、2枚のクラッチ板11a及
び11bを用いているが、クラッチ板は必ずしも2枚で
ある必要はなく、1枚の両面にそれぞれ係止突部11a
−2及び11b−2を形成したものとしても同様なクラ
ッチ作用を発揮させることができる。またこの例ではク
ラッチ部材が板状であるためクラッチ板と称している
が、次に他の構造のクラッチ部材を用いた第2の発明に
ついて説明する。
【0024】図4は第2の発明の実施の形態における要
部の側断面図、図5は同要部の分解斜視図であり、図に
おいて21はクラッチ部材、22a及び22bは偏心駆
動体である。クラッチ部材21には雄ねじを設けた螺合
部21a及び21bを両面に軸方向に突設してあり、更
に中心には平行面5−3を形成して非円形の断面とした
回転軸5に適合する形状の非円形穴21−1を設けてあ
る。偏心駆動体22a及び22bには、クラッチ部材2
1の螺合部21a及び21bがそれぞれ螺合される雌ね
じ部22a−1及び22b−1を偏心して設けてあり、
図4に示すようにクラッチ部材21の両側に偏心駆動体
22a及び22bを配置し、クラッチ部材21の非円形
穴21−1に回転軸5を挿通した状態で組み立てられ
る。25a、25bは偏心駆動体22a、22bに対す
る位置決め板である。偏心駆動体22a、22bの外周
には加圧部材7a、7bやチューブ10a、10bなど
か配置されることは上述の第1の例と同様である。
【0025】このような構成であるため、クラッチ部材
21は回転軸5と共に回転し、例えば螺合部21a、2
1bと雌ねじ部22a−1、22b−1が右ねじであれ
ば、回転軸5がモータ側から見て時計方向に回転した場
合には、クラッチ部材21の螺合部21bが偏心駆動体
22bの雌ねじ部22b−1にねじ込まれる。そして図
4のように、クラッチ部材21の側面が偏心駆動体22
bに当たる位置までねじ込まれると両者は係合した状態
になり、偏心駆動体22bが共に回転するようになる。
また、回転軸5が反時計方向に回転すれば、逆にクラッ
チ部材21の螺合部21aが偏心駆動体22aの雌ねじ
部22a−1にねじ込まれ、偏心駆動体22aに当たっ
た状態では偏心駆動体22aが共に回転する。すなわ
ち、モータ3の回転方向を切り換えると偏心駆動体22
aと22bのいずれかが回転し、上述の例と同様に移送
される流体が切り換えられるのである。
【0026】クラッチ部材21と偏心駆動体22a、2
2bの係合状態は、例えば螺合部21a、21bがねじ
込まれる途中で螺合が停止されるような係合部などを設
けることによっても得ることができる。このように、回
転方向を切り換えてから偏心駆動体22aあるいは22
bが回転を始め、実際にポンプ作用が開始されるまでに
は若干の時間を要するが、この時間は、クラッチ部材2
1が偏心駆動体22aあるいは22bに係合した状態と
なるまでに要する回転数で決まり、これは各部材の形状
や寸法あるいはねじのピッチなどを適宜選定することに
よって所望の値に設定することができる。また、この例
では1個のクラッチ部材21を用いているが、第1の例
のように2個の部材に分け、必要に応じてその間に弾性
体を配置した構造も可能である。
【0027】なお、例えば回転軸とクラッチ部材とをね
じ結合にした場合には、クラッチ部材が従動板に係合す
るまでは回転しないように保持しておき、係合後は保持
を解除して従動板と共に回転できるようにするための保
持機構が必要となり、部品定数が増えると共に構造が複
雑になる。しかしこの発明によれば、クラッチ部材は従
動板に係合するまでは回転軸と共に回転しながら軸方向
に移動し、係合後は軸方向には移動しないで従動板と共
に回転するだけであり、保持機構などは不要で構造を簡
素化できる。
【0028】以上述べたように、図示のチューブポンプ
はモータ3の回転方向を切り換えると、使用されるチュ
ーブ10a及び10bが切り換えられてそれぞれ異なる
流体が移送されるので、1台のポンプで2種類の液を切
り換えて供給するような用途に適しているが、移送量は
正転時と逆転時で異ならせることができる。このために
は、例えばチューブ10aと10bの内径を変え、ある
いは加圧部材7aと7bの外径を変えればよい。すなわ
ち、チューブの内径を変えればその断面積に応じて正転
と逆転の各1回転当たりの吐出量が変化し、また加圧部
材の外径を変えればそれに応じてチューブの有効長が変
わるので正転と逆転の各1回転当たりの吐出量が変わる
のである。
【0029】また、このように構成部材の機械的な寸法
を変えるのではなく、回転方向の切り換えに応じてモー
タの駆動時間や回転速度を変化させてもよい。すなわ
ち、一方向への駆動時間を変えれば、各連続した1運転
当たりの吐出量を正転と逆転で変えることができ、ま
た、回転方向の切り換えに応じてモータの回転速度を変
化させれば、正転時と逆転時の単位時間当たりの吐出量
を変えることができるのである。
【0030】上述のように、この発明のチューブポンプ
は例えば自動洗濯機に組み込み、1台のポンプを洗剤と
柔軟剤の供給ポンプとして使い分けるような用途に好適
であるが、このような場合にはチューブポンプ単独では
なく、所定の機能を備えた制御回路と組み合わせて請求
項5及び6に対応した第3の発明のポンプ装置が構成さ
れることになる。以下、洗濯機に組み込まれるポンプ装
置の例を図6及び図7により説明する。図示の装置はモ
ータ3として直流モータを使用し、それぞれの回転方向
について駆動時間と回転速度を個別に設定できるように
してある。また正方向回転で洗剤が供給され、逆方向回
転で柔軟剤が供給されるようになっている。なお、この
発明のポンプ装置は洗濯機以外の各種の用途にも利用で
きることはもちろんであり、制御回路も図示以外の構成
を適宜採用できる。
【0031】図6において、PAはポンプ装置、Pはチ
ューブポンプ、3はそのモータ、PWは給水ポンプ、T
は電源トランス、Rは整流回路、TMはタイマ、Trは
トランジスタ、RY1はリレー、r1乃至r5はその切
り換え接点、RY2はリレー、ry2はその接点、IC
はモータ制御素子、SW1及びSW2はスイッチ、C1
及びC2はコンデンサ、R1A乃至R3Bは可変抵抗で
あり、これらは図のように接続されている。
【0032】タイマTMは動作時間がコンデンサC1と
抵抗R1A及びR1Bで設定されるオフタイマT1と、
コンデンサC2と抵抗R2A及びR2Bで設定されるオ
ンタイマT2を備えている。モータ3はモータ制御素子
ICの出力側に接続され、その回転速度は抵抗R3A及
びR3Bで設定されるようになっており、リレーRY2
の接点ry2がオンの時に駆動される。また、図のよう
にリレーRY1が非励磁の時はモータ3は端子3Aがプ
ラス側に接続されて例えば正転し、励磁状態では端子3
Bがプラス側に接続されて逆転する。スイッチSW1は
ポンプ装置PAのオンオフ用、スイッチSW2は回転方
向の切り換え用である。
【0033】図6の状態において、スイッチSW1がオ
ンされるとポンプ装置PAは作動状態となり、給水ポン
プPWによる給水が開始されると同時にオフタイマT1
がカウントを開始し、設定時間t1が経過すると出力端
子TSからオン信号が出力されてトランジスタTrとリ
レーRY2がオンとなる。従って、モータ3は正方向に
回転してポンプPによる洗剤供給が開始され、同時にオ
ンタイマT2がカウントを開始して設定時間t2が経過
するとオン信号が停止する。これでポンプPは停止して
洗剤供給は終わる。更に主制御装置の制御によって所定
量の給水後スイッチSW1がオフとなり、以後通常の洗
濯動作に移ることになる。
【0034】柔軟剤の供給はスイッチSW2をオンにし
て行われる。すなわち、スイッチSW2がオンの状態で
スイッチSW1がオンされると、リレーRY1が励磁さ
れて各切り換え接点r1〜r5が図とは反対に下側に切
り換わって、モータ3が逆方向に回転できる状態とな
る。以後は上述の動作に準じて出力端子TSからオン信
号が出力される期間だけモータ3が逆方向に回転し、所
定量の柔軟剤がポンプPによって供給されるのである。
スイッチSW1及びSW2のオンオフは、給水、洗濯、
排水等の洗濯機本来の動作を制御するために設けられる
図外の主制御装置で自動的に行われ、あるいは手動で行
われるようにされる。
【0035】ここで、洗剤と柔軟剤のそれぞれの供給量
は、タイマT1、T2の各設定時間t1、t2やモータ
3の回転速度に応じた値となり、これらの値は抵抗R1
A、R1B〜R3A、R3Bによって所望の値に調整す
ることができる。図7は以上の動作を例示したタイムチ
ャートであり、正方向回転の場合の動作を太線の実線
で、逆方向回転の場合の動作を破線でそれぞれ示してあ
る。なお、柔軟剤の使用量は一般に洗剤の10〜50%
であるから、これに応じて1回当たりの柔軟剤の供給量
は少なくされる。
【0036】以上は、正方向のチューブ10a及びこれ
と組になる偏心駆動体6aや加圧部材7aなど、及び逆
方向のチューブ10bとこれと組になる偏心駆動体6b
や加圧部材7bなどをそれぞれ1組ずつ設けた例である
が、これらの組を複数組設けた多段型の構成も可能であ
り、このような構成であれば更に多くの種類の流体の移
送に利用することができる。なお、図6、図7の例は洗
濯機において洗剤と柔軟剤を順次移送するものであるた
め、正方向の回転に続いて逆方向の回転を行うようにし
ているが、他の用途の場合には目的に応じて回転方向を
任意に選択できるようにしておけばよい。
【0037】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、第1の
発明のチューブポンプは、正方向側チューブと逆方向側
チューブを有するチューブポンプにおいて、回転軸と共
に回転する正方向クラッチ部材及び逆方向クラッチ部材
と、これらのクラッチ部材に係合して回転する正方向従
動板及び逆方向従動板と、各従動板に対応する正方向側
及び逆方向側の加圧部材とチューブの各組、とを設け、
各クラッチ部材と各従動板との間に、軸方向に向けて形
成された係止突部とこれに対応して形成された係止段部
とで構成される係合部をそれぞれ設け、各クラッチ部材
の間に係合部の動作に伴って加圧される潤滑油含浸のス
ポンジ状弾性板を配置したものである。
【0038】従って、移送される流体を切り換えるため
のクラッチ機構は、クラッチ部材と従動板とを係止突部
と係止段部とで構成される係合部で係合させるだけで構
造が簡単であり、1台のポンプで少なくとも2種類の液
の移送を行えるチューブポンプを安価に製造でき、初期
費用を低下させると共にポンプの設置スペースを小さく
できる。また回転軸の回転方向を切り換えるごとに係合
部などの摺動部分に適度の潤滑油が供給されるので長期
間給油なしで運転でき、全体としての総合的なコストを
低下させることが容易となる。
【0039】第2の発明は、回転軸と共に回転し、且つ
軸方向にはスライド自在なクラッチ部材と、このクラッ
チ部材とねじによって結合されるように構成されてい
て、クラッチ部材が螺合する正方向従動板及び逆方向従
動板と、各従動板に対応してそれぞれ設けられた正方向
加圧部材と正方向チューブの組及び逆方向加圧部材と逆
方向チューブの組、とを備えたものである。従って、ク
ラッチ部材に対する保持機構が不要で構造が簡単とな
り、動作の確実なクラッチ機構を備えたチューブポンプ
が得られる。
【0040】第3の発明のポンプ装置は、チューブポン
プのモータを駆動し、その回転方向を切り換えると共に
回転方向の切り換えに応じてモータの回転速度を変化さ
せる制御回路を備えたものである。従って、チューブの
内径や加圧部材の外径が正方向側と逆方向側で同じであ
っても、正転時と逆転時の単位時間当たりの吐出量を変
えることのできるポンプ装置が得られ、チューブポンプ
を用いたポンプ装置の実用性が高まる。
【0041】また、上記の制御回路にモータの回転方向
の切り換えに応じてモータの駆動時間を変化させる機能
を備えたものでは、正転時と逆転時の1運転当たりの総
吐出量を変えることが可能となり、ポンプ装置の実用性
をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のチューブポンプにおけるポンプ部
の側断面図である。
【図2】同ポンプの要部の側面図である。
【図3】同ポンプの要部の分解斜視図である。
【図4】第2の発明のチューブポンプにおけるポンプ部
の要部の側断面図である。
【図5】同ポンプの要部の分解斜視図である。
【図6】第3の発明のポンプ装置における制御回路の回
路図である。
【図7】同ポンプ装置の動作を例示したタイムチャート
である。
【符号の説明】
3 モータ 5 回転軸 6a、6b 偏心駆動体(従動板) 6a−2、6b−2 係止段部 7a、7b 加圧部材 10a、10b チューブ 11a、11b クラッチ板(クラッチ部材) 11a−2、11b−2 係止突部 12 弾性板 13a、13b 係合部 21 クラッチ部材 21a、21b 螺合部 22a、22b 偏心駆動体(従動板) 22a−1及び22b−1 雌ねじ部 PA ポンプ装置 P チューブポンプ SW2 回転方向切り換え用スイッチ R1A、R1B、R2A、R2B 動作時間調整用抵抗 R3A、R3B 回転速度調整用抵抗 RY1、RY2 リレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−250462(JP,A) 特開 平11−193785(JP,A) 実開 平4−6583(JP,U) 実公 昭36−24511(JP,Y1) 米国特許3200919(US,A) 西独国特許出願公開1528964(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 5/00 F16D 11/00 - 23/14 F16D 41/18,41/22 F16D 41/32,41/36,41/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータで駆動される回転軸の回転に応じ
    て偏心運動する加圧部材と円形状の内周を有するハウジ
    ングとの間に弾性材料からなるチューブを配置し、加圧
    部材によりチューブを長手方向に順次圧迫してチューブ
    内の流体を送出するように構成されたチューブポンプで
    あって、上記回転軸が正方向に回転した時に作動する正
    方向加圧部材及び正方向チューブの組と、上記回転軸が
    逆方向に回転した時に作動する逆方向加圧部材及び逆方
    向チューブの組とを備えており、回転軸の回転方向に応
    じていずれか一方のチューブに対する圧迫動作が行われ
    るように構成されたものにおいて、 1本の回転軸に取り付けられて回転軸と共に回転する正
    方向クラッチ部材及び逆方向クラッチ部材と、正方向ク
    ラッチ部材に係合して正方向に回転する正方向従動板及
    び逆方向クラッチ部材に係合して逆方向に回転する逆方
    向従動板と、各従動板に対応してそれぞれ設けられた正
    方向加圧部材と正方向チューブの組及び逆方向加圧部材
    と逆方向チューブの組、とを備えると共に、各クラッチ
    部材と各従動板との間に、クラッチ部材と従動板のいず
    れか一方に軸方向に向けて形成された係止突部と、これ
    に対応して他方に形成された係止段部とで構成される係
    合部をそれぞれ設け、各クラッチ部材の間に潤滑油を含
    浸させたスポンジ状の弾性板を挟んで配置し、係合部の
    動作に伴って各クラッチ部材が軸方向に移動して弾性板
    を加圧するように構成されたことを特徴とするチューブ
    ポンプ。
  2. 【請求項2】 モータで駆動される回転軸の回転に応じ
    て偏心運動する加圧部材と円形状の内周を有するハウジ
    ングとの間に弾性材料からなるチューブを配置し、加圧
    部材によりチューブを長手方向に順次圧迫してチューブ
    内の流体を送出するように構成されたチューブポンプで
    あって、上記回転軸が正方向に回転した時に作動する正
    方向加圧部材及び正方向チューブの組と、上記回転軸が
    逆方向に回転した時に作動する逆方向加圧部材及び逆方
    向チューブの組とを備えており、回転軸の回転方向に応
    じていずれか一方のチューブに対する圧迫動作が行われ
    るように構成されたものにおいて、 1本の回転軸に取り付けられて回転軸と共に回転し、且
    つ軸方向にはスライド自在なクラッチ部材と、このクラ
    ッチ部材とねじによって結合されるように構成されてい
    て、クラッチ部材が正方向に回転するとクラッチ部材と
    螺合する正方向従動板及びクラッチ部材が逆方向に回転
    するとクラッチ部材と螺合する逆方向従動板と、各従動
    板に対応してそれぞれ設けられた正方向加圧部材と正方
    向チューブの組及び逆方向加圧部材と逆方向チューブの
    組、とを備えたことを特徴とするチューブポンプ。
  3. 【請求項3】 正方向チューブと逆方向チューブの内径
    が異なる請求項1又は2に記載のチューブポンプ。
  4. 【請求項4】 正方向加圧部材と逆方向加圧部材の外径
    が異なる請求項1又は2に記載のチューブポンプ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のチュ
    ーブポンプと、このチューブポンプのモータを駆動する
    と共にその回転方向を切り換え、回転方向の切り換えに
    応じてモータの回転速度を変化させる制御回路、とを備
    えたことを特徴とするチューブポンプを用いたポンプ装
    置。
  6. 【請求項6】 モータの回転方向の切り換えに応じてモ
    ータの駆動時間を変化させる機能を制御回路が備えてい
    る請求項5記載のチューブポンプを用いたポンプ装置。
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