JP3253829B2 - 帯電装置及びその設計方法 - Google Patents

帯電装置及びその設計方法

Info

Publication number
JP3253829B2
JP3253829B2 JP20247395A JP20247395A JP3253829B2 JP 3253829 B2 JP3253829 B2 JP 3253829B2 JP 20247395 A JP20247395 A JP 20247395A JP 20247395 A JP20247395 A JP 20247395A JP 3253829 B2 JP3253829 B2 JP 3253829B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
current
charging
grid
discharge current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20247395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0950169A (ja
Inventor
孝司 酒井
晴雄 西山
和弘 松山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP20247395A priority Critical patent/JP3253829B2/ja
Priority to EP96112042A priority patent/EP0758104B1/en
Priority to DE69619908T priority patent/DE69619908T2/de
Priority to EP01120638A priority patent/EP1164439B1/en
Priority to DE69637248T priority patent/DE69637248T2/de
Priority to US08/690,730 priority patent/US5796103A/en
Publication of JPH0950169A publication Critical patent/JPH0950169A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3253829B2 publication Critical patent/JP3253829B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/02Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices
    • G03G15/0266Arrangements for controlling the amount of charge
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/02Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices
    • G03G15/0291Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for laying down a uniform charge, e.g. for sensitising; Corona discharge devices corona discharge devices, e.g. wires, pointed electrodes, means for cleaning the corona discharge device
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/02Arrangements for laying down a uniform charge
    • G03G2215/026Arrangements for laying down a uniform charge by coronas
    • G03G2215/028Arrangements for laying down a uniform charge by coronas using pointed electrodes

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザプ
リンタ等の画像形成装置に用いる帯電装置に関し、更に
詳しくは、所定間隔で配された複数の放電先端から感光
体に対して放電し、該感光体表面を帯電させる帯電装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の帯電装置を備えた複写機につい
て、図41及び図42を参照しながら説明する。この複
写機は、図41に示すように、感光体101と、感光体
101を帯電させるコロナ放電装置102と、感光体1
01に形成された静電潜像をトナーによってトナー像と
して顕像化させる現像ユニット103と、感光体101
の外周面に顕像化されたトナー像を複写用紙に転写する
転写チャージャ104と、感光体101の外周面に顕像
化されたトナー像を複写用紙に転写した後、感光体10
1の表面に残留するトナーを回収するクリーナユニット
105と、感光体101の外周面に顕像化されたトナー
像を複写用紙に転写した後、感光体101に残留する電
荷を除電する除電ランプ106と、複写用紙に転写され
たトナー像を定着させる定着ユニット107と、原稿
(図示しない)を照射するコピーランプ108とを備え
ている。
【0003】感光体101は、アルミニウム等の導電性
材料を素材としたドラム状の基体を回転自在に軸支し、
基体表面にはOPC(Organic Photo Conductor )等か
らなる光導電層が形成されている。
【0004】上記構成によれば、複写機はコロナ放電装
置102によって放電が行われ、感光体101の表面が
均一に帯電される。コピーランプ108が原稿を照射
し、この原稿からの反射光によって帯電された感光体1
01の表面が露光される。これにより、原稿の画像が感
光体101の外周面に静電潜像として形成される。
【0005】現像ユニット103では、トナーの地肌カ
ブリを防止するために感光体101の帯電電位と同極性
の電圧を印加しながら、形成された静電潜像がトナー像
として顕像化される。このトナー像は、転写チャージャ
104によって転写紙pに転写された後、矢印B方向に
搬送され、定着ユニット107によって転写紙p上に定
着される。
【0006】転写紙pへのトナー像の転写後、感光体1
01の外周面に残留する電荷は、除電ランプ106によ
って除電される。それから、感光体101は再びコロナ
放電装置102によって表面が均一に帯電される。以上
の処理を繰り返し行うことによって、原稿の複写が繰り
返し行われる。
【0007】従来、上記複写機やプリンタ等の電子写真
プロセスにおいて、帯電器や転写器等として用いられる
コロナ放電装置102には、直径50μm〜100μm
のタングステンワイヤに5kV〜10kVの高電圧を印
加し、発生したイオンを感光体表面に移動させて帯電を
行っているものがある。このコロナ放電装置は、放電を
安定化させるために、タングステンワイヤから一定距離
を隔ててシールドケースを設けており、更に、感光体表
面の電位を均一化するために制御電極としてグリッド電
極を備えたものが知られている。
【0008】しかし、シールドケースやグリッド電極に
対するタングステンワイヤからの必要以上の放電のため
に、オゾンの発生量が多くなり、画像の劣化を招来した
り、人体及び環境に悪影響を与えてしまう。タングステ
ンワイヤを使用した場合、構造が簡素化できる一方、タ
ングステンワイヤが断線し易いと共に印加電圧が高くな
り且つ同一放電電流でのオゾン発生量が多くなる。
【0009】そこで、コロナ放電用のタングステンワイ
ヤに代えて、列状に複数の放電先端を有する電極(複数
の針状放電電極、又は鋸歯状に形成された放電電極)を
設け、放電先端からコロナ放電によって感光体表面の帯
電を行うものが知られている(例えば、特開昭63−1
5272号公報参照)。この種のコロナ放電装置は、ワ
イヤタイプのものと比べて、同一放電電流でのオゾン発
生量が、ワイヤタイプのものと比べて約1/3〜1/4
程度に減少すると共に、比較的構造強度が高くかつ必要
印加電圧が低くなる。
【0010】ここで、放電先端を有する電極を複数配列
した従来の鋸歯状電極を備えたコロナ放電装置を図42
を参照しながら、以下に説明する。
【0011】コロナ放電装置は、図42に示すように、
複数の放電電極111を所定間隔で絶縁基盤112上に
配し、放電電極111に対して単一の電源113から高
電圧が印加される構成を有している。このような構成を
有するコロナ放電装置は、各放電電極111の形状のば
らつき、破損、汚染等の影響を受けやすく、この影響の
ために、各放電電極111からの放電電流にばらつきが
生じていた。このため、感光体101を均一に帯電する
ためには、放電電流を必要以上に流さなければならなか
った。その結果、オゾン等の気体生成物の発生量(ワイ
ヤタイプのものと比べると1/5程度)が多くなり、人
体や環境に対して悪影響を与える等の問題を招来してい
た。この場合、オゾンフィルタを設ければ、装置外に放
出されるオゾンをある程度は低減できる。
【0012】一般に、各放電電極111からの放電電流
の総和は、安定して放電させるために−700μA〜−
800μAという比較的大きい電流値に設定されてい
た。これは、放電の安定化、装置寿命、環境条件、帯電
装置の汚れ等の影響を補償する十分なマージンを考慮し
て放電電流Ip を設定する必要があったからである。こ
れは、次の理由にに基づく。即ち、シールドケースの設
置スペースとの関係等から、従来の放電ギャップは9
(mm)前後に設定されていた。このとき、放電開始電圧
thは、Vth=(1.2+2Lg /7)より、約3.7
8kVとなる。放電電極に印加する高電圧の上限を7k
Vとし、空隙インピーダンスを600MΩ前後とする
と、1ピン当たりの上限放電電流値は、iP =-(7000-3
800)/ 600 ×106 ・-5.3μAとなる。これは、ピン全体
の放電電流に換算すると、−700μA〜−800μA
という電流値になる。
【0013】上記のコロナ放電装置においては、放電先
端のピッチP、放電先端−感光体表面間の距離Dを適正
に設定しなければ、感光体表面に対して均一に電荷を付
与できない。つまり、放電先端ピッチPが小さい場合、
隣り合う放電先端同士の電界が干渉しあって放電ムラが
生じる一方、ピッチPが大きい場合、放電先端近傍とそ
うでない部分とで放電電圧が著しく異なり放電ムラが生
じてしまう。又、距離Dが小さい場合、感光体に対して
局所的に放電されるので帯電電位ムラが生じる一方、距
離Dが大きい場合、印加電圧を大きく(放電用の高圧電
源を大きく)しなければ放電が行われず、装置が大型化
するという問題を有している。
【0014】そこで、感光体表面と鋸歯状電極との距離
Dと、放電先端ピッチPとの関係を特定し(2≦D/P
≦8)、オゾン発生量が少なく、しかも感光体表面を均
一に帯電する例(放電電流の総和は−200μA〜+1
00μA)が、例えば、特開平7−28300号公報に
開示されている。
【0015】この他に、グリッドに流れる電流Ig と、
ケースに流れる電流Ic との間で、Ig =Ic を満足さ
せることによって、放電電極に印加する電圧を高くする
ことなく帯電電位ムラを低減する放電装置が知られてい
る(例えば、特開平6−11946号公報参照)。
【0016】コロナ放電は、あらゆる条件に応じて放電
状態が変化する。このように放電状態が変化すると、感
光体表面に帯電電位ムラが発生し、形成される画像の画
質が悪くなる。帯電電位ムラを低減するための簡単な方
策として、放電電流を増加させることが挙げられる。し
かしながら、放電電流の増加は、放電先端に印加される
電圧を大きくすることを意味し、高圧電源の規模が大き
くなり、装置全体が大型化してしまう。
【0017】又、放電電流が増加すると、それに伴って
オゾンの発生量が増加するので、感光体表面に対して悪
影響を与え、画質低下を招来すると共に、画像形成装置
内を浮遊する空気中の様々なガス、その他の異物との結
合によって、窒素酸化物(Nox )、或いは珪素酸化物
(SiOなど)が生成される。このようにして生成され
た窒素酸化物、或いは珪素酸化物は、放電電極表面及び
グリッド電極表面に付着して、鋸歯状放電電極の放電能
力、グリッド電極の帯電電位制御能力を著しく低下させ
る。
【0018】加えて、放電電流が増加すると、放電先端
から他の部位への不要なリーク放電が生じる。これを回
避するためには、放電先端からシールドケースまでの距
離を必要以上に大きく設定することが必要であり、この
ためにシールドケースの大型化、つまり帯電装置自体の
大型化を招来する。
【0019】従来、環境問題を考慮しながら短時間で高
効率に帯電装置を設計する手法がなかった。例えば、帯
電装置を設計する上で、帯電装置の形状を決定する際、
一般に、これを組み込む装置本体の制約条件の中で試行
錯誤的にシールドケースの形状が仮設定され、その後、
他のパラメータが設定されていた。他の例として、従
来、放電先端からグリッド電極までの距離Lpgと、シー
ルドケース開口幅Lc との相関関係は不明であり、グリ
ッド電圧Vg は、帯電特性を安定に保つために、帯電特
性に基づいて設定されていた。
【0020】放電先端を有する電極を複数配列した従来
の鋸歯状電極を備えた前述のコロナ放電装置は、均一な
帯電を得るために必要以上に放電電流を流さなければな
らないという不具合を有していた。この不具合を克服す
る技術が、例えば、特開平5−2314号公報に開示さ
れている。これによれば、各放電電極を別個の抵抗を介
して高圧電源に接続することによって、各放電電極に流
れる電流が安定に制御される。以下に、この技術につい
て、図43を参照しながら説明する。
【0021】この種のコロナ放電装置は、絶縁性基板1
22上に共通電極125が形成され、共通電極125と
一定間隔を隔てて複数の針状の放電電極121が、例え
ば、2mmのピッチで配設されている。共通電極125と
各放電電極121とは、それぞれ制御抵抗124で電気
的に接続されている。各制御抵抗124は、チップ抵
抗、カーボン等が含有された高分子有機材料等の抵抗素
子よりなり、1.5GΩ程度の抵抗値を有している。
【0022】上記構成によれば、共通電極125に印加
された電圧が、制御抵抗124によって一定電圧だけ降
下するので、各放電電極121を流れる放電電流は小さ
くなり安定化する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
技術は、以下の問題を有している。
【0024】即ち、特開平7−28300号公報に記載
の上記従来の帯電装置では、感光体表面と鋸歯状電極と
の距離Dと、放電先端ピッチPとの比が特定されている
に過ぎず、該特定のみによって帯電電位ムラを回避する
ことは難しい。これは、放電電極に印加する電流の種別
(直流電流か、或いは直流電流に交流電流を重畳させた
ものか)及びその電流値、放電先端とシールドケースと
の距離、特に湿度等の周囲環境等によって、帯電電位ム
ラが種々変化するからである。加えて、上記従来の帯電
装置では、放電電流の総和が−200μA〜+100μ
Aと小さく、条件が少しでも変化すれば、安定した放電
が望めなくなってしまう。
【0025】又、特開平6−11946号公報に記載の
上記従来の帯電装置では、Ig =Ic を特定するのみ
であり、このような設定によっていかなる場合にも帯電
電位ムラを確実に回避することができる帯電装置を提供
することは難しい。加えて、放電電流が増加するにした
がってIg =Ic 以外でも、十分安定した帯電特性が得
られるにもかかわらず、Ig =Ic という制約の故に、
効率良くフレキシブルに帯電装置を設計することができ
ない。
【0026】上記従来の技術は、−700μA以下の放
電電流において、放電電流と他のパラメータとの相関関
係は一切不明であった。つまり、帯電電位ムラを発生し
ない放電電流の臨界値付近では、他のパラメータの影響
の度合いを予測することができず、単にパラメータを特
定するだけでは、そのマージンに対する評価は、実際に
帯電装置を実機に搭載して、確認試験を行い、その試験
結果を設計にフィードバックする必要があるので、設計
全体に要する時間は多大なものとなる。
【0027】特開平5−2314号公報に記載の上記従
来の帯電装置では、低電流化が可能ではあるが、放電電
極の汚れ、付着物等のためのマージンを考慮して、実際
の帯電量の数倍〜数十倍の放電電流を流す必要があり、
オゾンが多量に発生するという問題は依然として残って
しまう。
【0028】そこで、本発明は上記問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、放電が安定して行われ、感
光体表面を均一に帯電でき、しかも放電時のオゾンの発
生量が少なく且つ小型・安価な帯電装置、及び該帯電装
置を短時間で高効率に設計する帯電装置の設計方法を提
供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項の発明に係る帯
電装置は、上記の課題を解決するために、所定間隔で配
された複数の放電先端を有する放電電極と、感光体と対
向する面が開口され電気的に絶縁した状態で該放電電極
を支持する導電性ケースとを備え、放電先端と感光体表
面との間に設けられたグリッドを介して、該放電電極に
印加された電圧に応じて放電先端から感光体に対して放
電し、該感光体表面を帯電させる帯電装置において、以
下の特徴を有している。
【0030】即ち、請求項の帯電装置は、上記の導電
性ケースの開口幅(mm)をLc とし、プロセススピード
(mm/sec )をvp とし、感光体の膜厚(μm)をt
opc とすると、Lc 軸とvp 軸とで形成される座標上に
おいて、(1) 直線Lc =30、及び(2) 直線Lc =3.
02×10-6(vp /topc )で囲まれる領域内に位置
するようにLc 、vp 、及びtopc が設定されている。
【0031】請求項の構成によれば、放電電極に印加
された電圧、及びグリッドに印加された電圧に応じて各
放電先端から感光体に対して放電電流が流れ、感光体表
面が帯電される。
【0032】放電電流を固定した場合、プロセススピー
ドvp を大きくするにつれて導電性ケースの開口幅Lc
を大きくしないと、帯電所要時間が長くなるので、感光
体の帯電電位の速い立ち上がりが保持できない。このた
め、開口幅Lc はプロセススピードvp に比例して大き
くする必要がある。感光体の膜厚も帯電特性に依存す
る。すなわち、感光体の膜厚が大きいほど、電荷を多く
保持できるので帯電の立ち上がりが速くなる。また、感
光体の膜厚が大きいほど、開口幅Lc は小さくできる。
【0033】コスト、スペースの面から、放電電極に印
加される電圧の上限を7kVとすると、これに対応して
放電可能な放電ギャップに基づいて、導電性ケースの開
口幅Lc は30(mm)が上限値となる。これ以上開口幅
c を大きくすると、放電が安定して行われなくなる。
一方、直線(2) に基づいて、所望のプロセススピードv
p に対して、放電が安定して行われる開口幅Lc の下限
値が特定される。
【0034】以上のように、直線(1) (2) で囲まれる領
域内に位置するように、Lc 、vp、及び感光体の膜厚
opc が設定されると、帯電の立ち上がりが速く、常に
放電が安定して行われ、感光体表面が均一に帯電され
る。
【0035】請求項の発明に係る帯電装置は、上記の
課題を解決するために、所定間隔で配された複数の放電
先端を有する放電電極と、感光体と対向する面が開口さ
れ電気的に絶縁した状態で該放電電極を支持する導電性
ケースとを備え、放電先端と感光体表面との間に設けら
れたグリッドを介して、該放電電極に印加された電圧に
応じて放電先端から感光体に対して放電し、該感光体表
面を帯電させる帯電装置において、以下の特徴を有して
いる。
【0036】即ち、請求項の帯電装置は、上記の導電
性ケースの開口幅(mm)をLc とし、放電先端とグリッ
ドとの距離をLpgとすると、0.4≦Lpg/Lc <0.
5を満足するようにLc 及びLpgが設定されている。
【0037】請求項の構成によれば、放電電極に印加
された電圧、及びグリッドに印加された電圧に応じて各
放電先端から感光体に対して放電電流が流れ、感光体表
面が帯電される。
【0038】放電先端とグリッドとの距離であるLpg
大きくすると、放電開始電圧が大きくなり、装置が大型
化する。装置の小型化を図る場合、コスト及びスペース
面から放電電極への印加電圧には上限値があり、これよ
り大きい印加電圧では放電を安定して行うことができな
い。又、導電性ケースの開口幅Lc は、(Ig /Ic
を制御する機能があり、大きく設定しすぎると、ケース
電流Ic が減少し、放電が安定して行われなくなってし
まう。そこで、0.4≦Lpg/Lc <0.5を満足する
ようにLc 及びLpgが設定されると、安定して放電が行
われる。
【0039】請求項の発明に係る帯電装置の設計方法
は、上記の課題を解決するために、所定間隔で配された
複数の放電先端からグリッドを介して感光体に対して放
電し、該感光体表面を帯電させる帯電装置の設計方法に
おいて、以下の工程を有することを特徴としている。
【0040】即ち、請求項の帯電装置の設計方法は、
(1) 0.4≦Lpg/Lc <0.5を満足するように、導
電性ケースの開口幅Lc (mm)、及び放電先端とグリッ
ドとの距離Lpgを設定する工程と、(2) グリッドギャッ
プとグリッドピッチとを設定する工程と、(3) Ip 軸と
(Lg /P)軸とで形成される座標上において、直線I
p =−700、及び曲線Ip =〔−89((Lg /P)
−4.5)2 −295〕で囲まれる領域内に位置するよ
うに、放電先端のピッチP、放電電流Ip (μA)、及
び放電先端と感光体表面との距離Lg をそれぞれ設定す
る工程と、(4)(Ig /Ic )の常用対数であるlog
(Ig /Ic )軸と、放電電流であるIp 軸とで形成さ
れる座標上において、直線Ip =−700、直線log
(Ig /Ic )=−8.78×10-3p −0.54、
及び直線log(Ig /Ic )=5×10-3p +0.
68で囲まれる領域内に位置するように、放電電流Ip
(μA)、グリッド電流Ig (μA)、及び放電先端か
ら導電性ケースへの漏れ電流Ic (μA)をそれぞれ設
定する工程と、(5) 感光体表面を上記の所定電位に帯電
させる最小放電電流値と、感光体表面の帯電電位のバラ
ツキを許容範囲内にするための最小放電電流値とが略等
しくなるようにグリッドに印加する電圧を設定する工程
と、(6) 周囲環境変化による感光体の帯電電位及び帯電
電位ムラの変化に基づいて放電電流のマージンを設定す
る工程とを備えている。
【0041】請求項の構成によれば、(1) 〜(6) のよ
うに各種パラメータが設定されるので、低オゾン化及び
装置の小型化、コスト低減化が可能となる。また、従来
の設計方法に比べると、はるかに設計効率が良くなると
共に、短時間で最適設計を終えることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1ないし
図32に基づいて以下に説明する。
【0043】本実施形態の帯電装置を備えた複写機は、
図2に示すように、光走査による原稿(図示しない)か
らの反射光Lが外周面状に露光される感光体ドラム51
を備えている。この感光体ドラム51は、アルミニウム
等の導電性材料を素材とするドラム状の基体を回転自在
に軸支し、基体周面にOPC(Organic Photo Conducto
r:有機光導電体)等からなる光導電層が形成されたもの
であり、図中の矢印Aの向きに回転駆動するように構成
されている。感光体ドラム51は、均一帯電された外周
面に上記の反射光Lが露光されることによって、この外
周面上に原稿の画像パターンに応じた静電潜像が形成さ
れる。
【0044】感光体ドラム51の周囲には、感光体ドラ
ム51の外周面を所定電位に帯電させるMCチャージャ
(メインチャージャ)52と、感光体ドラム51に形成
された静電潜像をトナーTによってトナー像として顕像
化する現像ユニット53と、感光体ドラム51に残留す
るトナーTを回収するクリーナユニット55と、感光体
ドラム51に残留する電荷を除去する除電ランプ56と
がそれぞれ配設されている。
【0045】感光体ドラム51と転写チャージャ54と
の間で搬送される転写紙pの搬送の向き(図中の矢印B
の向き)の下流側には、転写されたトナー像を転写紙p
上に定着させる定着ユニット57が設けられている。上
記のMCチャージャ52と転写チャージャ54とは、本
発明の帯電装置によって構成されている。
【0046】MCチャージャ52は、断面が略コ字状の
MCケース2a(導電性ケース)と、MCケース2a内
に支持されたガラス或いはエポキシ等からなる絶縁性基
板2bと、絶縁性基板2bに固定的に設けられ高圧発生
部63から高電圧(例えば、負の高電圧−VCC)が印加
される複数のステンレス製(厚さ0.1mm)の放電電極
2cと、放電電極2cと感光体ドラム51との間に配さ
れ所定高電圧が印加されるグリッド2dとから構成され
ている。放電電極2cは、例えば、107個の鋸歯状の
放電先端(図10参照)を備えており、これらの放電先
端は、歯先ピッチが例えば2mmになるように設けられて
いる共に、絶縁性基板2bの表面から例えば2mm突出す
るように設けられている。
【0047】MCチャージャ52は、高圧発生部63か
ら放電電極2cに高電圧(例えば、−3.5kV)が印
加されると、各放電先端からコロナ放電を発生させて感
光体ドラム51の外周面を帯電させる。高圧発生部63
から−620Vの電圧がグリッド2dに印加されると、
グリッド2dは、放電電極2cの放電先端からの放電量
を制御し、感光体ドラム51の外周面の帯電電位を所定
電位(例えば、−600V)にする。
【0048】転写チャージャ54は、グリッド2dを除
き、MCチャージャ52と同様の構成を有し、断面コ字
状のシールドケース4aと、シールドケース4a内に支
持されたエポキシ等からなる絶縁性基板4bと、絶縁性
基板4bに固定的に設けられ高圧発生部63から高電圧
(例えば、負の高電圧−VCC)が印加される複数の放電
電極4cとから構成されている。放電電極4cは、例え
ば、107個の鋸歯状の放電先端を備えており、これら
の放電先端は、歯先ピッチが例えば2mmになるように設
けられている共に、絶縁性基板4bの表面から例えば2
mm突出するように設けられている。
【0049】転写チャージャ54は、放電電極4cに高
電圧が印加されると、各放電先端からコロナ放電が発生
し、転写紙pの裏面を帯電させ、感光体ドラム51の外
周面に形成されたトナー像を転写紙p上に転写する。
【0050】ここで、本発明に係るMCチャージャ52
の設計について、図1及び図2を参照しながら、以下に
説明する。
【0051】まず、感光体ドラム51の物性(感光体の
膜厚)やプロセススピード(感光体ドラム51の周速
度)に基づいて、MCケース2aの形状及びその寸法の
最適化を行う(S1)。つまり、S1においては、MC
ケース2aの開口幅、及び放電先端−グリッド間の距離
が設定される。
【0052】それから、グリッド条件の最適化が行われ
る(S2)。S2において、グリッドギャップ(グリッ
ド2dから感光体ドラム51表面までの距離)とグリッ
ドピッチの相関関係等が設定される。
【0053】次に、鋸歯条件の最適化が行われる(S
3)。ここで、放電先端のピッチ(鋸歯ピッチ)と、放
電ギャップ(放電先端−感光体ドラム51の表面間の距
離)との相関関係が設定される。
【0054】それから、放電電流の電流比率の最適化が
行われる(S4)。S4において、グリッド電流とケー
ス電流の比率の最適化が行われる。そして、グリッド電
圧の最適化、及び放電電流の最小化がそれぞれが行われ
る(S5〜S6)。
【0055】最後に、環境条件が考慮される(S7)。
S7においては、周囲の温度や湿度の変化を考慮して、
放電電流のマージンが設定される。
【0056】なお、説明の便宜上、図1には、S1から
S7が順に処理されるように示されているが、本発明は
これに限定されるものではなく、最初にS1が処理され
且つ最後にS7が処理されさえすれば、途中のS2〜S
6の順番は問わない。
【0057】ここで、各ステップについて、以下に詳細
に説明する。
【0058】まず、MCケース2aの形状及びその寸法
の最適化(図1中のS1)について、説明する。MCチ
ャージャ52を設計する初期段階において、まず感光体
ドラム51まわりの構造上の条件を明確にする必要があ
る。このためには、MCケース2aの開口幅(mm)であ
るLc (以下、単に、開口幅Lc と称す)の最低必要な
寸法を把握した上で、帯電部のスペースを確保すること
が必要である。
【0059】プロセススピード(mm/sec )をvp
し、感光体の膜厚(μm)をtopc とする。今、プロセ
ススピードvp が固定である場合、Lc とvp との関係
は図3に示すようになり、topc に応じて変化する。図
3において、実線による斜線で示した領域内に存在する
ように開口幅Lc を設定すると、帯電装置を効率良く設
計できる。
【0060】放電電流を固定した場合、プロセススピー
ドvp を大きくするにつれてMCケース2aの開口幅L
c を大きくしないと、帯電所要時間が長くなるので、感
光体ドラム51の帯電電位の速い立ち上がりが保持でき
ない。このため、開口幅Lcはプロセススピードvp
比例して大きくする必要がある。感光体ドラム51の膜
厚topc も帯電特性に依存する。
【0061】すなわち、感光体ドラム51の膜厚が大き
いほど、電荷を多く保持できる(一種のコンデンサを形
成する)ので帯電の立ち上がりが速くなる。帯電の立ち
上がりが速くなると、放電電流の低電流化、及び省スペ
ース化に有効に作用する。また、感光体ドラム51の膜
厚が大きいほど、開口幅Lc を小さく設定できる。
【0062】図3は、−400μAの放電電流Ip (一
定)において、感光体ドラム51の膜厚topc が17μ
m(Aで示す特性)、及び35μm(Bで示す特性)の
場合のLc −vp 特性をそれぞれ示している。上記膜厚
は、現行の量産OPCドラムの膜厚仕様が約17μm〜
35μmの範囲にあることに基づいて設定されている。
ここで、Ip =−400μAは、後述するように、オゾ
ン発生量と放電電流Ip との関係から、これより多く流
すとオゾン発生量が問題となる放電電流の最大値であ
る。
【0063】開口幅Lc としては、図3より、Ip =−
400μAの条件下で、最低でも直線A上の値(下限
値)以上の寸法を設計の初期段階に確保しておくことが
重要となる。又、放電電流を小さく抑えるためには、開
口幅Lc を大きくすることが有効であるが、プロセスス
ピードvp が大きな高速の複写機では、開口幅Lc の調
整だけでは不十分であり、上述のように開口幅Lc と感
光体ドラム51の膜厚とを考慮して、放電電流Ip を低
く設定できるように最適化することが重要となる。
【0064】ここで、Ip =−400μAとした根拠を
放電電流とオゾン発生量との関係から以下に説明する。
【0065】複写機において、高圧トランスを使用する
MCチャージャや転写チャージャ等のチャージャユニッ
トは、帯電プロセスの際に放電電流を流すが、この放電
電流はオゾンの発生をもたらす。このオゾンの発生量
は、各チャージャからの出力電流IOUT に比例すること
が知られている。オゾンに対しては、近年ヨーロッパを
中心とした環境意識の高まりと共に、各国で規制の動き
が活発化している。その代表がドイツのブルーエンジェ
ル規格であり、最近では北欧を中心として更に厳しい規
制値を設ける国もある。したがって、オゾンの発生量を
できる限り低減することは各種規格をクリアする上で重
要であると共に、複写の画質トラブルの原因にもなって
いる感光体劣化の防止を行う上でも重要である。
【0066】実際に、オゾン発生量の出力電流(放電電
流)IOUT 依存性を実測すると、図4に示す結果を得
た。これによると、例えば、上記のブルーエンジェル規
格(オゾン発生の許容量は0.04mg以内)をクリアす
るには、図4から明らかなように、複写機内の全放電電
流を約−700μA程度以下に抑えることが必要であ
る。特にMCチャージャだけについて考えると、複写機
内の全放電電流のうち約60%程度を占めるので、帯電
チャージャの放電電流の上限値は約−400μAとな
る。
【0067】次に、開口幅Lc の上限値について説明す
る。鋸歯状の放電先端を備えた放電電極の放電特性にお
いて、次式(1) が成り立つ。
【0068】 (Ip /N)=(Vh −Vth)/Rg ……(1) ただし、上記のNは放電先端の総数であり、Vh は放電
電極に印加される高電圧であり、Vthは放電開始電圧で
あり、Rg は空隙インピーダンス(MΩ)である。
【0069】放電開始電圧Vthは、放電ギャップ(放電
先端−感光体ドラムの表面間の距離)Lg(mm)とする
と、次式(2) を満足しながら変化する。
【0070】 Vth=1.2+(2Lg )/7 ……(2) 空隙インピーダンスRg も、次式(3) を満足しながら変
化する。
【0071】 Rg =11.4( Lg )2+1.79(Lg ) ……(3) 放電電極2cに印加される高電圧Vh は、コスト、スペ
ースの面から、その上限を7kVとする。また、放電先
端1個当たりの放電電流である(Ip /N)が0.5μ
A以上であるとすると、上式(1) 〜(3) より、 0.5 ×10-6≦(Ip /N) = [(7.0 ×103-(1.2+2Lg /7) ×103]/[(11.4(L g )2+1.79 Lg ] × 106 となり、Lg ≦15.5(mm)が導出できる。このこと
から、放電ギャップLgの上限値は約15.5(mm)と
なる。
【0072】加えて、0.4≦Lpg/Lc <0.5(後
述するように)、Lpg=Lg −Lgr、及びLgr≒1.0
(mm)の関係より、Lg =15.5のとき、開口幅Lc
は約30(mm)が限度となる。これ以上開口幅Lc を大
きくすると、放電が安定して行われなくなる。なお、開
口幅Lc を大きく設定すれば、帯電に要する時間が長く
なり、帯電特性は良くなるが、印加される高電圧の上限
が7kVであるという制約条件下では、開口幅Lc は約
30(mm)の上限値を有すると結論できる。
【0073】次に、開口幅Lc とプロセススピードvp
との関係について説明する。プロセススピードvp が初
期設定されている場合、感光体ドラム51が所定電位に
立ち上がるのに必要な最小帯電時間t0 はt0 =Lc
p で表される。したがって、開口幅Lc は次式(4) で
表される。
【0074】 Lc =t0 ・vp ……(4) ここで、放電電流Ip =−400μAのとき、t0 は次
のようにして求めることができる。
【0075】図6のシミュレーション回路に基づいて、
感光体ドラム51に流れる電流Idと放電電流Ip とを
実測した。この実測結果を示すと、図7のようになる。
ただし、感光体ドラム51としてアルミニウム素管ドラ
ムを使用すると共に、開口幅Lc =13(mm)、放電ギ
ャップLg =9.5(mm)、グリッドギャップLgr
1.0(mm)、グリッド電圧Vg =MCケース電圧Vc
=−620(V)という条件下で実測した。この結果、
p =−400μAに対応する感光体ドラム電流Id
約66μAであった。
【0076】ここで、図6のグリッド2d−感光体ドラ
ム51間の等価回路は、感光体ドラム51の帯電電位を
d (t)とし、感光体ドラムの静電容量をCとし、抵
抗をRとすると、図8のようになり、この等価回路に基
づいて、次の近似式(5) が得られる。
【0077】 Vd (t)=Vg 〔1−e(-t/CR) 〕 ……(5) 但し、C=ε0 ε1 S/tOPC 、R=Vg /Id で表さ
れ、ε0 は真空誘電率を表し、ε1 は感光体ドラムの比
誘電率を表し、tOPC は感光体膜厚(μm)を表し、S
は帯電領域の面積(mm2 )を表す。
【0078】今、Vg =−620V、ε0 =8.855
×10-12 、ε1 =3.88、tOPC =17×10-6
S=13(mm)×210(mm)とすると、CRは、CR
=ε0 ε1 SVg /(tOPCd )≒51.83×10
-3となり、(5) 式を図で表すと、図9に示すようにな
る。
【0079】図9より、感光体ドラム51表面の帯電電
位が設定ドラム電位VS =−600(V)に到達するま
での時間t0 は、t0 ≒178(msec)である。t0
178を上式(4) に代入すると、Lc =178×10-3
・vp が得られ、図3の直線Aが得られる。
【0080】同様に、上式(5) において、Vg =−62
0V、ε0 =8.855×10-12、ε1 =3.88、
OPC =35×10-6、S=13(mm)×210(mm)
とすると、Ido=66μAであるので、CRは、CR=
ε0 ε1 SVg /(tOPCdo)≒25.17×10-3
となる。この場合、感光体ドラム51表面の帯電電位が
設定ドラム電位VS =−600(V)に到達するまでの
時間t0 は、t0 ≒86.4(msec)である。t0 =8
6.4×10-3を上式(4) に代入すると、Lc=86.
4×10-3・vp が得られ、図3の直線Bが得られる。
【0081】以上より、図3において、直線Aと直線L
c =30とで囲まれる領域内が最適な開口幅Lc 及びv
p の組み合わせが得られる領域である。
【0082】一般の膜厚tOPC の場合について、同様
に、感光体ドラム51表面の帯電電位が設定ドラム電位
S =−600(V)に到達するまでの時間t0 を求め
ると、t0 =ln(1-(600/620)) ×( ε0 ε1 SVg )/(t
OPCdo) ≒3.02×10-6/tOPC となり、このt0 を上式
(4) に代入すると、Lc =3.02×10-6・vp /t
OPC が求まる。したがって、一般に、Lc =3.02×
10-6・vp /tOPC と直線Lc =30とで囲まれる領
域内に位置するように、Lc 、vp 、及び感光体の膜厚
opcが設定されると、帯電の立ち上がりが速く、常に
放電が安定して行われ、感光体表面が均一に帯電され
る。
【0083】以上のようにしてS1でシールドケース2
aの開口幅Lc 、及び放電先端−グリッド間の距離Lpg
が設定された後、S2においてグリッド条件の最適化が
行われる。つまり、S2において、従来のようにして、
グリッドギャップ(グリッドから感光体ドラム51表面
までの距離)とグリッドピッチの相関関係が設定され
る。
【0084】ここで、放電先端のピッチ(鋸歯ピッチ)
と、放電ギャップ(放電先端−感光体ドラム51の表面
間の距離)との相関関係について説明する。図10は、
放電先端を備えた鋸歯帯電器の構成を示す説明図であ
り、放電ギャップLg (mm)を隔てて、放電先端−感光
体ドラム51の表面間に所定の印加電圧Vh が印加さ
れ、放電電極62から感光体ドラム51に対して放電電
流Ip (コロナ電流)が流れる。このときのIp −Vh
特性は、図11に示すようになり、kを比例定数、V0
をコロナ放電が開始される限界電圧とすると、放電電流
p は、次式(7) で近似できる。
【0085】 Ip =kVh (Vh −V0 ) ……(7) しかしながら、放電電流を実使用範囲(1ピン当たり
0.5μA以上)に限定すると、図11から明らかなよ
うに、上式(7) の特性は十分線形性を備えており、直線
で近似できる。以後、この直線と、図11の電圧軸Vh
との交点の電圧を放電開始電圧Vthと考える。つまり、
放電電極62の放電特性は、印加電圧Vhが放電開始電
圧Vthを越えると、放電先端よりコロナ放電を開始し、
その後、印加電圧Vh の増加に比例して放電電流Ip
増加する。
【0086】ところで、空隙の影響を空隙インピーダン
スRg の集中定数で表した1ピン当たりの等価回路を考
えると、図12に示すようになる。この等価回路より、
放電先端(鋸歯)の個数をNとすると、次式(8) が成り
立つ。
【0087】 Ip /N=(Vh −Vth)/Rg ……(8) 上記放電電流Ip をできる限り小さく設定して、オゾン
発生量を低減することが必要であり、以下に、図13を
参照しながら、放電電流Ip の最適化について説明す
る。
【0088】放電先端ピッチPが小さい場合、隣り合う
放電先端同士の電界が干渉しあって放電ムラが生じる一
方、ピッチPが大きい場合、放電先端近傍とそうでない
部分とで放電電圧が著しく異なり放電ムラが生じる。
又、放電ギャップLg が小さい場合、感光体ドラム51
に対して局所的に放電されるので帯電電位ムラが生じる
一方、放電ギャップLg が大きい場合、印加電圧Vh
大きくしなければ放電が行われず、装置が大型化してし
まう。
【0089】そこで、放電先端ピッチP(1(mm)、2
(mm)、3(mm)、及び4(mm))と、放電ギャップL
g (6(mm)〜10(mm))との各組み合わせに対し
て、ハーフトーン均一性が得られる最小の放電電流Ip
を測定すると、図13に示すような測定結果を得た。こ
の測定結果から、放電電流Ip を最小にするためのLg
/Pの最適値が存在することがわかる。図13の曲線を
近似すると、次式(9)で表される。
【0090】 Ip =〔−89((Lg /P)−4.5)2 −295〕 ……(9) 現行の帯電装置の多くは、放電ギャップLg が10(m
m)前後に設定されていることから考えると、放電先端
ピッチPとしては、2(mm)付近に設定することによっ
て放電電流Ip を最小の電流に設定できる。放電電流の
上限値を−700μA(放電用の高圧トランス等により
決まる)とすると、下限値が上式(9)で表されるので、
p =−700と、上式(9)で表される曲線(9)とで囲
まれる領域内が、均一帯電を得る有効な領域である。
【0091】上述のように、放電電流Ip が−700
(μA)以下の小さい範囲に設定されるので、高圧発生
部63が小さく構成でき、装置が小型化できる。しか
も、放電が安定して行われるので、感光体ドラム51に
帯電電位ムラが発生することを確実に回避できる。又、
放電電流Ipが−700(μA)以下の小さい範囲に設
定されるので、オゾンの発生量が低減し、種々の規格に
適合できる。この場合、(Lg /P)を決めた後、ピッ
チPを距離Lg の値に対応して設定することが好まし
く、これにより、設計時に、各種パラメータを短時間で
効率よく決めることができる。
【0092】又、設計に際し、帯電装置を設置するスペ
ースが確保された場合、(Lg /P)を決めた後、Lg
を決めることによってPの最適値を設定できる。これに
より、設計時に、各種パラメータを短時間で効率よく決
めることができる。逆に、Pが固定の場合、帯電装置の
設置スペースの大きさがPから特定できる。
【0093】ここで、放電電流とオゾン発生量との関係
について説明する。放電電流Ip は、大きいほど、安定
して感光体ドラム51の表面が帯電される一方、オゾン
発生量が増加してしまう。逆に、放電電流Ip が小さい
ほど、オゾン発生量は低減される一方、安定した放電が
行えなくなってしまう。
【0094】放電電流に対するオゾン発生量の実測値、
及び各種規格との関係をまとめると次の表1のようにな
る。但し、ワイヤ方式の帯電装置における実測値、およ
びそのUL規格換算値、BA規格換算値に基づいて算出
した(実測値が0.195(PPM)の時に、UL換算値は0.065
(PPM)であり、更に、BA(Blue Angel)換算値は0.082
(mg/m3)であることに基づいて算出した)。加えて、B
A規格換算値については、温度25℃、相対湿度50%
における換算値である。
【0095】
【表1】
【0096】上記の表から明らかなように、オゾン発生
量を規格レベル内に抑えるためには、放電電流を−40
0μA以下に設定する必要がある。したがって、Ip
−400を上限値とし、上式(9)で表される曲線(9)と
で囲まれる領域内が、均一帯電を得る有効な領域であ
る。
【0097】放電電流Ip が−400(μA)以下の範
囲で設定されることによって、高圧発生部63がより小
さくなって装置をより小型化でき且つ帯電装置の設計時
の種々の制約が緩和されると共に、設計の自由度が増
し、環境問題に余裕を持って対処できる。しかも、感光
体表面に帯電電位ムラが発生することをよりいっそう確
実に回避できる。このとき、放電電流Ip が−400
(μA)以下に設定されるので、オゾンの発生量は無視
し得る程度になり、従来必要であったオゾンフィルタが
不要となる。この場合、(Lg /P)を決めた後、ピッ
チPを距離Lg の値に対応して設定することが好まし
く、これにより、各種パラメータを決める上で短時間で
効率のよい設計が行える。
【0098】ここで、放電電流の電流比率の最適化(上
述のS4)について説明する。グリッド電流Igが多い
方が、ケース電流Ic が多いよりも帯電電位ムラは小さ
いという傾向がある。つまり、グリッド電流Ig を増加
させると、感光体ドラム51に流れるドラム電流Id
安定する一方、ケース電流Ic を増加させると、Ig
減少すると共にId も減少して安定しない。
【0099】一定の放電電流Ip 下における、グリッド
電流Ig 、ケース電流Ic 、ドラム電流Id 、及びシー
ルドケースのケース電圧Vc の関係を図14乃至図17
を参照しながら以下に説明する。
【0100】図14に示すように、グリッド電流Ig
ドラム電流Id よりも小さい領域(図14中(A)で示
す)では、グリッド制御が適切に行えず、この結果、帯
電の均一性が保持できなくなり、帯電電位ムラが発生し
易くなる。この領域では、グリッド電流Ig が小さいの
で、ドラム電流Id も小さく、安定した値にならない。
ドラム電流Id の不安定も、帯電電位ムラ発生の要因と
なる。
【0101】図14中(B)で示す領域では、ケース電
流Ic がほとんど流れず、放電先端からの放電が安定し
なくなり、感光体ドラム51の表面での帯電が不均一に
なるので、帯電電位ムラが発生し易くなる。
【0102】図14中(C)で示す領域では、ケース電
流Ic は小さいが、その分グリッド電流Ig が大きくな
るので、帯電電位ムラは発生しない。このとき、ドラム
電流Id も安定して流れるので、均一な帯電が保持され
る。
【0103】図14中(D)で示す領域では、ケース電
流Ic とグリッド電流Ig とのバランスが保たれ、放電
が安定し、帯電の均一性が保持される。この領域で、画
像を形成すると、良質な画像形成が行える。
【0104】以上のように、グリッド電流Ig を大きく
すると、ドラム電流Id が安定する。ケース電流Ic
大きくすると、グリッド電流Ig が減少すると共にドラ
ム電流Id も減少するので、ドラム電流Id が安定しな
くなる。したがって、帯電電位ムラに対する対策として
は、グリッド電流Ig がケース電流Ic よりも大きくな
るように設定することが有効である。
【0105】図15は、放電電流Ip が−300μA一
定下、図16は、放電電流Ip が−200μA一定下、
及び図17は、放電電流Ip が−140μA一定下にお
ける、グリッド電圧Vg が−620Vのときのグリッド
電流Ig 、ケース電流Ic、ドラム電流Id 、及びシー
ルドケースのケース電圧Vc の測定結果をそれぞれ示し
ている。図14乃至図16中、斜線で示す領域では、帯
電電位ムラが発生しなかった。図14乃至図16から明
らかなように、放電電流Ip が大きいほど帯電電位ムラ
の発生しない領域が広く、放電電流Ip が小さいほど帯
電電位ムラの発生しない領域が狭くなる。
【0106】図18に示す帯電装置の構成において、放
電電流Ip (全ての放電先端から感光体ドラム51に流
れる電流の総和)を流し、その時のグリッド電流Ig
シールドケースに流れるケース電流Ic をそれぞれ測定
し(図14乃至図16参照)、各Ig /Ic に対して複
写の均一性を実測し(ハーフトーンコピーの帯電電位ム
ラのレベルをチェックし)、全体的に判断して、帯電電
位ムラのない高品質レベルを維持できる放電電流値を実
測した。
【0107】この測定結果によれば、図19に示すよう
に、直線AB上の値が各放電電流Ip において帯電電位
ムラのない高品質レベルを維持できるための放電電流値
の上限値を示す一方、直線AC上の値が各放電電流Ip
において帯電電位ムラのない高品質レベルを維持できる
ための放電電流値の下限値を示している。直線ABは次
式(10)で表され、直線ACは次式(11)で表される log(Ig /Ic )=−8.78×10-3p −0.54 …(10) log(Ig /Ic )=5×10-3p +0.68 …(11) 放電電流Ip は、グリッド電流Ig 、ケース電流Ic
及び感光体ドラム51に流れる電流の和で表されるが、
設定される(Ig /Ic )に応じて、放電の安定性、及
び感光体ドラム51の表面の帯電電位ムラの発生の程度
が変化する。つまり、放電電流Ip が大きい場合、感光
体表面が安定して帯電される((Ig /Ic )の影響を
受けにくい)一方、オゾン発生量が増加してしまう。逆
に、上記の放電電流Ip が小さい場合、オゾン発生量は
低減される一方、Ig 、Ic の絶対量とIg /Ic とが
帯電の均一性に大きく影響を与えることになる(図19
参照)。
【0108】図19において、放電電流Ip を−700
(μA)以下の小さい範囲に設定すると、高圧発生部6
3(高圧トランス)が小さく構成でき、装置が小型化で
きる。しかも、放電が安定して行われる。また、放電電
流Ip が−700(μA)以下の小さい範囲に設定され
るので、オゾンの発生量が低減する。さらに、Ig 、I
c もパラメータとして考慮され、Ip =−700、直線
AB、及び直線ACで囲まれる領域(三角形ABCで示
される領域)内に位置するように、Ig 、Ic及びIp
の値が設定されるので、通常の周囲環境下において、放
電の均一性が維持され、感光体表面に帯電電位ムラが発
生することを確実に回避できる。
【0109】ところで、放電電流Ip を−400(μ
A)以下に設定することが前述の理由により好ましい。
つまり、Ip =−400、直線AB、及び直線ACで囲
まれる領域(三角形AEFで示される領域)内に位置す
るように、Ig 、Ic 及びIpの値を設定すると、高圧
発生部63をより小さく構成できるので、装置全体とし
てより一層の小型化が可能となる。加えて、オゾンの発
生量が無視し得る程度に減少するので、従来必要であっ
たオゾンフィルタが不要となり、その分だけ設計スペー
スに余裕が生じると共に、オゾン発生量に係る種々の規
格を満足することができる。しかも、通常の周囲環境下
で、放電の均一性が維持される。この結果、感光体ドラ
ム51表面に帯電電位ムラが発生することを確実に回避
できる。
【0110】上記の直線AB、直線ACは、通常の周囲
環境(周囲温度が20℃、相対湿度が55%)下での測
定結果である。しかし、帯電装置は様々な周囲環境下で
使用され得る。このため、限界周囲環境(周囲温度が3
5℃、相対湿度が85%)下においても正常に作動する
ことが望ましい。そこで、限界周囲環境下について以下
に説明する。
【0111】図18に示す帯電装置の構成において、限
界周囲環境下について、通常の周囲環境下と同様に各I
g /Ic に対して複写の均一性を実測し、全体的に判断
して、帯電電位ムラのない高品質レベルを維持できる放
電電流値を実測した。
【0112】この測定結果によれば、図19に示すよう
に、直線DE上の値が各放電電流Ip において帯電電位
ムラのない高品質レベルを維持できるための放電電流値
の上限値を示す一方、直線DF上の値が各放電電流Ip
において帯電電位ムラのない高品質レベルを維持できる
ための放電電流値の下限値を示している。直線DEは次
式(12)で表され、直線DFは次式(13)で表される log(Ig /Ic )=−8.78×10-3p −2.32 …(12) log(Ig /Ic )=5×10-3p +1.68 …(13) 放電電流Ip を−400(μA)以下に設定し且つI
g 、Ic もパラメータとして考慮して直線DE、及び直
線DFで囲まれる領域(三角形DGHで示される領域)
内に位置するように、Ig 、Ic 及びIp の値を設定す
ると、高圧発生部63をより小さく構成できるので、装
置全体としてより一層の小型化が可能となる。加えて、
オゾンの発生量が無視し得る程度に減少するので、従来
必要であったオゾンフィルタが不要となり、その分だけ
設計スペースに余裕が生じると共に、オゾン発生量に係
る種々の規格に適合できる。しかも、限界周囲環境下
で、放電の均一性が維持されるので、感光体ドラム51
の表面に帯電電位ムラが発生することを確実に回避で
き、非常に信頼性の高い帯電装置を提供することができ
る。
【0113】図20は、限界周囲環境下において、図1
9の縦軸を対数表示しないで(Ig/Ic )表示したも
のである。図20から明らかなように、放電電流Ip
小さくしていくと、(Ig /Ic )が1〜2の範囲で収
束する(図21参照)。(Ig /Ic )が1以下におい
ては、放電電流Ip を大きく設定する必要がある。この
ことから、(Ig /Ic )が1より大きいことが好まし
い。一方、放電の安定性を確保するためには、グリッド
電流Ig を大きくすると同時にケース電流Icも大きく
することが有効であり、帯電電位ムラを考慮した場合、
(Ig /Ic )は10以下であることが好ましい。な
お、図21は、図20において、円で囲んだ部分の拡大
図である。
【0114】以上のように、1<(Ig /Ic )≦10
の範囲でIc よりもIg を大きくすることによって、帯
電電位ムラの発生を回避できる。(Ig /Ic )を実現
するには、例えば、MCケース2aに負の電圧を印加す
ることによって、Ig をIcよりも大きく設定できる。
これにより、放電の均一性が維持され、感光体ドラム5
1の表面に帯電電位ムラが発生することを確実に回避で
きる帯電装置の設計を効率良く行える。
【0115】ここで、前述の0.4≦(Lpg/Lc )<
0.5について説明する。放電先端−グリッド間の距離
であるLpgを大きくすると、放電開始電圧Vthが大きく
なり、装置が大型化する。装置の小型化を図る場合、コ
スト及びスペース面から放電電極への印加電圧には上限
値があり、これより大きい印加電圧では放電を安定して
行うことができない。又、MCケース2aの開口幅Lc
は、(Ig /Ic )を制御する機能があり、大きく設定
しすぎると、ケース電流Ic が減少し、放電が安定して
行われなくなってしまう。
【0116】(Lpg/(Lc /2))と、上記の(Ig
/Ic )とは、図22及び図23に示すような関係にあ
る。図22及び図23に示すように、(Lpg/(Lc
2))が1より小さくなると、(Ig /Ic )が急激に
立ち上がり、グリッド電流Ig が大きくなる。逆に、
(Lpg/(Lc /2))が1より大きくなると、(Ig
/Ic )が非常に小さくなり、ケース電流Icが大きく
なる。なお、図23は、図22において、円で囲んだ部
分の拡大図である。
【0117】上述のように、1<(Ig /Ic )≦10
を満足することが好ましいので、この範囲に対応するよ
うに(Lpg/(Lc /2))の範囲を設定すれば(即
ち、0.4≦(Lpg/Lc )<0.5の範囲に設定すれ
ば)、帯電電位ムラを確実に回避できる。なお、図22
に示すように、(Ig /Ic )=1は(Lpg/(Lc
2))=1に対応する一方、(Ig /Ic )=10は
(Lpg/(Lc /2))=0.8に対応している。この
ように、放電先端−シールドケース間の距離の1/2
と、放電先端−グリッド間の距離とがほぼ等しくなるよ
うに設定することによって、帯電電位の均一化が維持で
き、しかも、放電電流を低く抑えることが可能となる。
【0118】又、Lpg、Lc を決めることによって、M
Cケース2aの形状を或る程度予測できるので、以降の
帯電装置の設計を効率良く短時間で行える。つまり、L
pg及びLcのうち何れか一方を決めれば、MCケース2
aの形状がほぼ決まる。このため、MCケース2aの小
型化に対しても容易に対応できる。
【0119】次に、グリッド電圧の最適化、及び放電電
流の最小化(S5〜S6)について説明する。ここで、
グリッド電圧Vg は、帯電時間T(シールドケースの開
口幅をプロセススピードで除した時間)を考慮して、帯
電時間T以内に感光体ドラム51表面を所定の帯電電位
まで立ち上げ、更に、帯電電位が飽和電位VS に達した
時の帯電電位ムラ(帯電電位のバラツキ)ΔVが所定値
以下におさまるように設定したグリッド電圧を意味す
る。
【0120】グリッド電圧Vg を大きくすると、帯電の
立ち上がりが速くなり、飽和電位VS に到達するまで
の時間も短縮されるので、帯電特性が向上する一方、帯
電電位ムラΔVが大きくなる。逆に、グリッド電圧を小
さくすると、帯電電位ムラΔVは小さくなる。感光体ド
ラム51の表面の飽和電位VS を安定させ且つ帯電のば
らつきを小さくするためには、放電電流Ip を大きくす
る必要があるが、オゾンの発生量も大きくなってしま
う。そこで、飽和電位VS も安定化し、帯電電位ムラも
許容値以下であるようにグリッドに印加する電圧を設定
する必要がある。
【0121】放電電流Ip に対する、感光体ドラム51
の飽和電位VS 、及び帯電電位ムラΔVをグリッド電圧
g をパラメータとして測定すると、図24に示すよう
になった。図24より明らかなように、放電電流Ip
大きくすることによって、飽和電位VS は安定し、帯電
電位ムラΔVも低減された。つまり、放電電流Ip の大
きさが、感光体ドラム51の表面の帯電電位の安定性に
大きく影響することがわかる。
【0122】図24において、Vg1、Vg2、及びVg3
グリッド電圧を表し、Vg1≧Vg2≧Vg3の関係を満足す
るものとする。又、図24において、IP1、IP2
P3、IP4、及びIP5は放電電流を表し、IP1≦IP2
P3≦IP4≦IP5の関係を満足するものとする。
【0123】グリッド電圧Vg =Vg1の場合(グリッド
電圧が大きい場合)、飽和電位VSを安定させるために
は、放電電流がIp ≧IP1を満足することが必要であ
る。また、帯電電位ムラΔVを所定値以下におさめるた
めには、放電電流がIp ≧IP4を満足することが必要で
ある。それゆえ、飽和電位VS を安定させ且つ帯電電位
ムラΔVを所定値以下に保持するためには、放電電流が
p ≧IP4を満足することが必要である。
【0124】これに対して、グリッド電圧Vg =Vg3
場合(グリッド電圧が小さい場合)、飽和電位VS を安
定させるためには、放電電流がIp ≧IP5を満足するこ
とが必要である。また、帯電電位ムラΔVが所定値以下
におさめるためには、放電電流がIp ≧IP2を満足する
ことが必要である。それゆえ、飽和電位VS を安定させ
且つ帯電電位ムラΔVを所定値以下に保持するために
は、放電電流がIp ≧IP5を満足することが必要であ
る。
【0125】以上より、感光体ドラム51の表面を安定
させるためには、放電電流Ip を大きくすることが好ま
しいが、これに伴ってオゾン発生量も多くなってしま
う。そこで、放電電流Ipを低減するためには、例え
ば、放電電流がIP1とIP5との間で(例えば、Ip ≧I
P3)、飽和電位VS を安定させ且つ帯電電位ムラΔVを
所定値以下に保持することが必要である。つまり、図2
4において、グリッド電圧Vg がVg2に等しくなるよう
に設定すると、放電電流Ip を最小にできると共に、飽
和電位VS を安定させることができ且つ帯電電位ムラΔ
Vを所定値以下に保持することができる。
【0126】グリッド電圧Vg の最適値を決定する際、
以上のように、感光体ドラム51の表面の飽和電位VS
の安定性、及び帯電電位ムラΔVの両面を満足するのに
必要なグリッド電圧のうち、放電電流を最小にできるグ
リッド電圧が最適なグリッド電圧となる。
【0127】以上のように、帯電装置において、感光体
ドラム51の表面を飽和電位VS に帯電させる最小放電
電流をIvsmin とし、感光体表面の帯電電位のバラツキ
を許容範囲内にするための最小放電電流をIdvmin とす
ると、Ivsmin ≒Idvmin となるように、グリッド電圧
g を設定することが好ましい。これにより、Ivsmin
≒Idvmin となるようにグリッドに電圧が印加されるの
で、小さい放電電流にもかかわらず、飽和電位VS も安
定化し、帯電電位ムラΔVも所定値以下におさまる。放
電電流を小さく設定できるので、オゾンの発生量が小さ
くなると共に、感光体ドラム51の表面は均一に帯電さ
れる。
【0128】ここで、環境条件(S7)について説明す
る。絶対湿度DH に対する帯電電位ムラを生じない最小
の放電電流Ip との関係を測定すると、表2のような結
果を得た。これをプロットしたものが、図25である。
【0129】
【表2】
【0130】なお、図25中、20℃、55%(相対湿
度)が通常の周囲環境NN(NormalTemperature and No
rmal Humidity)を示し、35℃、85%(相対湿度)
が限界の周囲環境HH(High Temperature and High Hu
midity)を示している。
【0131】図25より明らかなように、各測定点は、
p =−8.31DH −120.2で表される直線上に
位置し、この直線で示される値以上の放電電流Ip を流
すことによって、帯電電位ムラの発生は回避できた。な
お、表2において、絶対湿度9.51(g/m3)のときが
通常の周囲環境(周囲温度が20℃、相対湿度が55
%)に対応し、絶対湿度33.64(g/m3)のときが限
界周囲環境(周囲温度が35℃、相対湿度が85%)に
対応する。
【0132】図19の(Ig /Ic )は、絶対湿度の変
化に応じて変化する(図19中の点線で示す直線PQ、
直線PR参照)が、このとき上式Ip =−8.31DH
−120.2に応じて変化する。つまり、絶対湿度の変
化に応じて、直線PQは直線ABと直線DEとの間で両
直線と同じ傾斜で変化する。又、絶対湿度の変化に応じ
て、直線PRは直線ACと直線DFとの間で両直線と同
じ傾斜で変化する。直線PQ、及び直線PRは、(14)式
及び(15)式でそれぞれ表される。
【0133】 log(Ig /Ic ) =−8.78×10-3 Ip −(0.07 × DH −0.16) …(14) log(Ig /Ic ) = 5×10-3 Ip +(0.04 × DH +0.28) …(15) 図19において、直線AB、直線ACが通常の周囲環境
下における特性を示し、直線DE、直線DFが限界周囲
環境下における特性を示しているが、任意の絶対湿度に
対して、上式(14)(15)が成立するので、任意の周囲環境
(周囲温度及び相対湿度)に応じて放電の均一性が維持
できる。つまり、所望の絶対湿度DH を上式(14)(15)に
代入し、上式(14)(15)で示される直線と、Ip =−40
0(μA)とで囲まれる領域内に位置するように、I
g 、Ic 及びIp の値を設定することによって、通常の
周囲環境下から限界の周囲環境下にいたるまで、放電の
均一性が維持され、感光体ドラム51の表面に帯電電位
ムラが発生することを確実に回避できる。
【0134】この場合、放電電流Ip が−400(μ
A)以下の小さい範囲に設定されるので、オゾンの発生
量が無視し得る程度になると共に高圧発生部63が小さ
く構成でき、装置が小型化できる。しかも、放電が安定
して行われる。このため、従来必要であったオゾンフィ
ルタが不要となり、勿論、オゾンに係る前述の種々の規
格を満足することができる。
【0135】ここで、グリッド電流Ig 、ケース電流I
c 、及びドラム電流Id の最適化について説明する。放
電電流Ip は大きいほど、安定して放電が行われ感光体
ドラム51表面の帯電電位ムラが小さくなる一方、オゾ
ンの発生量が多くなる。Ig、及びIc は、放電電流の
ように、グリッド−放電先端間の距離LpgとMCケース
2a−放電先端間の距離lc との比であるLpg/lc
応じて変化する一方、Id はLpg/lc に関係なく略一
定である。そこで、装置全体を大型化することなく、均
一な放電を行うためには、放電電流を小さく抑え且つI
g 、Id 及びIc 間で特定の相関関係が成立することが
必要である。
【0136】図26に示す帯電装置の構成において、感
光体ドラム51−グリッド2d間の距離(グリッドギャ
ップ)Lgrを1mm(一定)とし、グリッド2d−放電先
端間の距離をLpgとし、放電先端−MCケース2a間の
距離をlc とすると、リーク放電がない場合、放電電流
p は次式(16)で表される。
【0137】 Ip =Ig +Ic +Id ……(16) このとき、一定の放電電流Ip (−140μA、−18
0μA)下で、MCケース2aのパラメータLpg、lc
を可変してIg 、Ic 、及びIdの変化量を測定する
と、図27に示す結果を得た。図27に示すように、
(Lpg/lc )に応じてIg 、Ic が変化し、この変化
が感光体ドラム51の帯電特性に大きな影響を与えてい
る。ただし、Id は変化なく、ほぼ一定である。
【0138】図28は、放電電流Ip =−140μAの
ときの帯電電位ムラΔVが(Lpg/lc )に応じてどの
ように変化するかを示す測定結果である。図28から明
らかなように、(Lpg/lc )が1.1付近で帯電電位
ムラΔVが最小になるが、帯電電位ムラΔVが30V以
下の場合を実用範囲と考えると、0.8≦(Lpg/l
c )≦1.35の範囲に設定することが好ましい。
【0139】図29は、MCケース2aのパラメータL
pg、lc を可変して、Ig 、Ic 、及びId の電流配分
を変化させて帯電の均一性を測定した結果を示してい
る。図29から明らかなように、均一な帯電を得るのに
必要な最小の放電電流Ip は、(Lpg/lc )に応じて
変化し、均一な帯電を得るのに必要な放電電流Ip の最
小値(最適値)は−140μAであり、このときの(L
pg/lc )は、1.1付近に設定することが必要であ
り、このように設定することによって、放電電流が小さ
くなるので、オゾンの発生量も低減でき、環境問題に十
分対応できる。又、帯電電位ムラΔVが30V以下にな
る0.8≦(Lpg/lc )≦1.35の範囲で考える
と、均一な帯電を得るための放電電流としては、−18
0μA程度でもよいことがわかる。
【0140】図27に基づいて、ドラム電流Id に対す
る電流比率を求めると、図30のようになる。なお、図
30においては、−180μA(一定)の放電電流Ip
下の測定結果も示されている。
【0141】図30より、放電電流Ip が−140μA
の場合、0.8≦(Lpg/lc )≦1.35の範囲で
は、(Ig /Id )+(Ic /Id )=6上を(Ic
/Id)及び(Ig /Id )が(Lpg/lc )に応じて
略リニアに変化すると共に、(Ic /Id )≧1且つ
(Ig /Id )≧1を満足することがわかる。
【0142】(Ic /Id )≧1且つ(Ig /Id )≧
1の範囲においては、図28及び図29から明らかなよ
うに、感光体ドラム51表面を均一に帯電するための放
電電流Ip を小さく抑えることができると共に、帯電電
位ムラをより小さい範囲に抑えることができる。放電電
流Ip が小さくなるので、オゾンの発生量も低減でき、
環境問題に十分対応できる。
【0143】同様に、放電電流Ip が−180μAの場
合、0.7≦(Lpg/lc )≦1.45の範囲では、
(Ic /Id )≧1且つ(Ig /Id )≧1が成り立
つと共に、(Ig /Id )+(Ic /Id )=8上を
(Ic /Id )及び(Ig /Id)が(Lpg/lc )に
応じて略リニアに変化する。
【0144】以上より、−140μA≦Ip ≦−180
μAの範囲において、 (Ig /Id )+(Ic /Id )=6 (Ig /Id )+(Ic /Id )=8 (Ic /Id )=1、及び (Ig /Id )=1 で囲まれる領域内(図31のBACFDEで囲まれる領
域内参照)に位置するように、Ig 、Ic 及びId
設定することによって、オゾン発生量が問題にならない
程度に放電電流Ip が小さく抑えられ、しかも均一な放
電が行われ、感光体ドラム51表面の帯電電位ムラを確
実に低減できる。
【0145】特に、 (Ig /Id )+(Ic /Id )=6 1≦(Ic /Id )≦5、及び 1≦(Ig /Id )≦5 で囲まれる領域内に位置するように、Ig 、Ic 及びI
d を設定することが好ましい。これにより、帯電電位ム
ラΔVを30V以下にすることができる。このとき、放
電電流Ip は各Lpg/lc に対して最小(−140μ
A)となり、これに伴うオゾンの発生量を従来よりも著
しく低減できるので、環境問題に対しても十分対応でき
る。しかも、均一な放電が行われ、感光体ドラム51表
面の帯電電位ムラを確実に小さい範囲に抑えることがで
きる。
【0146】とりわけ、(Ig /Id )=(Ic /I
d )=3を満足するように、Ig 、Ic 及びId を設定
することが更に好ましい。この場合、最も放電が安定
し、帯電電位ムラΔVを最小にすることができると共
に、均一帯電に必要な放電電流Ipを最小にできる。つ
まり、上記関係を満足することによって、帯電電位ム
ラ、放電電流、及びオゾン発生量が最小になり、装置の
小型化が可能となる。このような構成の帯電装置を複写
機に設ければ、最適な複写画質が得られる。
【0147】図26において、Lgrを1(mm)とし、Lpg
を8.5(mm)とし、lc を8.0(mm)とした場合の放電
電流Ip (帯電電位ムラを生じないために必要な最小放
電電流)に対するケース電流Ic の百分率(%)を測定
すると、図32のような結果を得た。
【0148】放電電流Ip は、(Ic /Ip )の10%
付近から緩やかに減少し、40%〜50%付近で最小と
なった後、緩やかに増加する。これは、次の理由によ
る。即ち、ケース電流Ic が小さいうちは放電が安定せ
ず、したがって放電電流Ip を多く流すことが必要であ
る。ケース電流Ic が大きくなると、放電は安定する
が、逆にグリッド電流Ig が減少するため、帯電の均一
性が得られなくなってしまう。それゆえ、中間付近であ
る40%〜50%付近で、帯電電位ムラを生じないため
に必要な最小放電電流が最小になる。
【0149】放電電極に印加される高電圧Vh は、(I
c /Ip )に応じて図32のように変化した。Vh は、
空隙インピーダンスRg (MΩ)に応じて変化する。ケ
ース電流Ic が変化すれば、それに伴って空隙インピー
ダンスRg も変化するので、本実施の形態では、ケース
電流Ic を可変することによって、Vh を可変してい
る。ケース電流Ic は、例えば、MCケースに電圧を印
加したり、MCケースに絶縁物を取り付けたりすること
によって、可変できる。例えば、Ic が小さいうちは、
g は大きくなるので、Vh も大きくすることが必要で
ある。Ic を徐々に増加させると、Rg は減少するの
で、Vh も小さくなる。
【0150】以上より、Vh は、(Ic /Ip )の10
%付近からが大きく減少し、40%〜50%付近で最小
となった後、80%付近まで再び増加する。Vh が再び
増加するのは、40%〜50%以降で放電電流Ip が増
加し、これに伴ってVh も増加することに基づいてい
る。
【0151】図32中には、消費電力Wh (=Vh ×I
p )もプロットされているが、消費電力Wh は、Vh
p と同様に、(Ic /Ip )の40%〜50%付近で
最小になっている。
【0152】図32のIp 、Vh 、及びWh より、0.
1≦(Ic /Ip )≦0.8の範囲(図中Tで示す範
囲)で、帯電電位ムラを生じないために必要な最小放電
電流Ip 、印加電圧Vh 、及び消費電力Wh を小さく設
定できるので、全体として、帯電装置の帯電効率を向上
できる。又、最小放電電流Ip を小さくできるので、オ
ゾン発生量も小さく、環境問題に十分対応できる。
【0153】特に、0.3≦(Ic /Ip )≦0.6の
範囲(図中Sで示す範囲)が好ましく、この場合、帯電
電位ムラを発生しない最小の放電電流、放電電極に印加
された電圧Vh、及び帯電装置で消費される電力Wh
は、共に、0.3≦(Ic /Ip)≦0.6の範囲で最
小値になるように著しく減少する。したがって、0.3
≦(Ic /Ip )≦0.6の範囲でIc 、Ip を設定す
ると、最適な帯電装置が設計できる。つまり、最小の放
電電流で帯電電位ムラを発生することなく感光体ドラム
51表面を帯電できると共に、印加電圧Vh 、消費電力
h を最小にできる。放電電流が最小であるので、オゾ
ン発生量も最小となり、環境問題に十分対応できる。
【0154】ここで、本発明の他の実施の形態を図33
を参照しながら説明すると、以下のとおりである。図3
3は、この帯電装置を模式的に表した説明図であり、図
11は帯電装置の放電特性図であり、図34は帯電装置
の等価回路図である。この帯電装置は定電流制御される
ものであり、高圧発生部63から抵抗体74(抵抗値:
c )を介して高電圧Vh が放電先端61−感光体ドラ
ム51間(空隙インピーダンスRg )に印加されると、
抵抗体74の両端に電圧降下を生じ、この電圧降下を用
いて放電(印加)電流の安定化が図られるよう構成され
ている。回路を流れる放電電流Ip は、次式(17)によっ
て求めることができる。
【0155】 Ip =(Vh −Vth)/(Rg +Rc ) ……(17) なお、Ip は1放電先端当たり1〜1.5μAの合計で
あり、Vh は上限が7kVであり、Vthは、放電ギャッ
プが7〜9mmの場合に3.2〜3.8kVであり、Rg
は放電ギャップが7〜9mmの場合に環境を考慮して15
0MΩ〜950MΩである。
【0156】図35は、上記の挿入抵抗体74の抵抗値
c に対する、帯電電位ムラを生じないために必要な最
小放電電流Ip の関係、高圧出力部(高圧トランス)の
出力電圧Vout(Rg =150MΩ時の特性)の関係、
及び高圧出力部の必要消費電力Wout(=Ip ×V
out )の関係(実測値)をそれぞれ示している。図35
から明らかなように、抵抗値Rc を大きくするほど、放
電のバラツキが吸収され、帯電電位ムラを生じないため
に必要な最小放電電流Ip を小さく設定できる。
【0157】Rc ≧500(MΩ)においては、放電電
流Ip は飽和レベルに達するので、この範囲に抵抗値R
c を設定することが好ましい。このとき、抵抗値Rc
大きくなるほど、抵抗体74に対して印加する電圧が高
圧となる。コスト及びスペースの面から、通常、7kV
程度が高圧の上限となる。このときの抵抗体の抵抗値
は、2500MΩに相当する(図35参照)。
【0158】一方、抵抗体の抵抗値が500MΩよりも
小さくなると、空隙インピーダンスRg (放電先端−感
光体表面間のインピーダンスであり、湿度等環境条件に
よって150MΩ〜950MΩの範囲で変化する)の大
きさによって、放電ムラを生じない最小の放電電流が大
きく変化し、放電が不安定となり好ましくない。
【0159】以上より、500MΩ≦Rc ≦2500M
Ω(図35中、Aで示す範囲参照)の抵抗値を有する抵
抗体74を挿入することによって、装置を大型化するこ
となく、空隙インピーダンスによる影響を受けずに最小
の放電電流で感光体表面を均一に帯電でき、しかも低コ
ストな帯電装置を実現できる。
【0160】特に、600MΩ≦Rc ≦800MΩの抵
抗値を有する抵抗体74を挿入することが好ましい。こ
れは、図35より、600MΩ≦Rc ≦800MΩの範
囲(図35中、Cで示す範囲参照)で、消費電力Wout
が最小となるからである。これにより、必要な高圧容量
を小さくできるので、より一層の帯電装置の小型化及び
省エネルギー化が可能となると共に、空隙インピーダン
スRg による影響を受けずに最小の放電電流で感光体ド
ラム51表面を均一に帯電できる。
【0161】ここで、上記の挿入抵抗体74の種類につ
いて説明する。抵抗体74としてフィルム抵抗体等の樹
脂抵抗体を使用すると、コストの面で有利である。この
場合、図36に示すように、抵抗値Rc の両端に印加さ
れる電圧に応じて、抵抗値が変動した。図36は、図3
7に示す回路構成において、印加電圧Vh を1.0kV
〜2.5kV(0.5kVきざみ)の範囲で可変して挿
入抵抗体74(抵抗値Rc )への印加前及び印加後(3
0分印加後)における抵抗値Rc の変動率を測定するこ
とによって得た結果である。
【0162】ここで、抵抗体としてフィルム抵抗体を使
用した場合の抵抗値Rc の上限について以下に説明す
る。
【0163】図36から明らかなように、フィルム抵抗
体は2kV以上の電圧が印加されると、絶縁破壊してし
まうので、2kV以下で使用することが望ましい。した
がって、前記(17)式において、Ip ×Rc =2000と
なる。又、前述の式(3) から、Rg が950MΩのとき
に放電ギャップLg は9.0(mm)であり、このとき、前
述の(2) 式より、Vth≒3.78kVになる。又、コス
ト及びスペースの面から、通常、7kV程度が高圧の上
限となる。以上より、放電先端1個当たりの放電電流I
p は、(16)式に基づいて、次のように求められる。
【0164】 Ip =(Vh −Vth)/(Rg +Rc ) =(7000-3780-2000)/(950 ×106)≒1.28(μA) ところで、フィルム抵抗体の耐圧が2kV以下であるの
で、その抵抗値Rc は、Rc =2000/(1.28×10-6) ≒15
63(MΩ)となり、抵抗値Rc の上限としては1600
(MΩ)程度が好ましい。
【0165】以上のように、挿入抵抗体として安価なフ
ィルム抵抗体等の樹脂抵抗体を使用し、その抵抗値を5
00MΩ≦Rc ≦1600MΩの範囲(図35中、Aで
示す範囲参照)に設定するので、帯電装置を大型化する
ことなく、空隙インピーダンスによる影響を受けずに最
小の放電電流で感光体ドラム51表面を均一に帯電で
き、しかもより一層低コストな帯電装置を実現できる。
【0166】ここで、本発明の更に他の実施の形態を図
38を参照しながら説明すると、以下のとおりである。
図38の構成によれば、放電電極2cからMCケース2
aに流れる電流Ic (μA)を検出する電流検出器70
を備えている。検出された電流Ic は、制御手段71に
送られる。制御手段71は、A=(Ip −7Ic /3)
とすると、A≦ΔIp≦(A+A2 /Ip )を満足する
ΔIp を計算して高圧発生部63に出力する。高圧発生
部63は、放電電流Ip にΔIp をフィードバックさせ
て、放電電極2cから大気中に流れる電流IL (μA)
を補償するようになっている。
【0167】放電電流Ip は、Ip =Ig +Ic +Id
+IL で表される。通常の周囲環境では、IL ≒0であ
るが、周囲環境が変化して高温、多湿状態になると、電
流IL が大きくなる。電流IL が流れ出すと、Ig 、I
c 、及びId がそれぞれ減少する。
【0168】ドラム電流Id は若干減少し、帯電電位レ
ベルは低下(例えば、−600Vから−580Vに低
下)する。Ig 、Ic の減少も、帯電電位ムラを招来す
る(例えば、ΔV=±30Vから±50Vに増加す
る)。このように、放電の安定性、帯電の均一性が維持
できなくなり、帯電電位ムラが発生し、画像形成に悪影
響を与える。しかし、本実施の形態によれば、このIL
に相当する電流をMCチャージャ52にフィードバック
することによってIL が補償されるので、常温、常湿時
に近い状態にすることができ、どのような周囲環境にお
いても、放電が安定化し、均一な帯電が行われる。以下
に詳細に説明する。
【0169】当初、Ig :Ic :Id =3:3:1に設
定されていたとする。周囲環境が変化して、高温、多湿
状態になると、IL が増加する。このとき、周囲環境が
変化してもIg :Ic :Id =3:3:1の関係は維持
されるとすると、ΔIp =Ip −(Ig +Ic +Id
=(Ip −7Ic /3)の電流量を放電電流Ip にフィ
ードバックすることによって、放電電流Ip は一定に保
たれ、IL の影響を補償できる。
【0170】上記ΔIp =(Ip −7Ic /3)を放電
電流Ip にフィードバックした場合、Ig 、Ic 、I
d 、及びIL の各電流値は、絶対湿度に応じて、図39
に示すように変化するという測定結果を得た。図39か
ら明らかなように、絶対湿度が高くなるにつれて、IL
は大きくなるが、ΔIp をフィードバックすることによ
って、Ip が常に一定に保たれると共に、(Ig /I
d )及び(Ic /Id )もほぼ一定の関係を保つ。つま
り、常温、常湿状態でIg 、Ic 、Id を最適比率(I
g :Ic :Id =3:3:1)に設定しておくと、上記
フィードバックを行うことによって、周囲の環境の変化
に伴って絶対値が変化しても、相互間の比率はほとんど
変化せず、3Id =Ic =Ig が常に成り立つ。図3
9は、次の表3の測定結果に基づいている。
【0171】
【表3】
【0172】但し、表3中、(1) 〜(4) は、図39にお
ける絶対湿度の小さい順に対応しており、(1) は温度2
0℃、相対湿度55%、(2) は温度25℃、相対湿度6
5%、(3) は温度30℃、相対湿度65%、(4) は温度
35℃、相対湿度85%にそれぞれ対応し、Ig 〜Ip
の単位はμAである。又、絶対湿度(DH ) は、相対湿度
をRH とし、温度をtとし、該温度tの飽和水蒸気圧を
S とすると、次式(17)によって換算可能である。
【0173】DH =0.794eS (RH /100)/
(1+0.00366t)…(18)Ic は、上述のよう
に、電流検出器70によって検出され、制御手段71
は、検出されたIc に基づいてΔIp =(Ip −7Ic
/3)(=IL )を計算してIL を補償する電流量とし
て高圧発生部63に送る。高圧発生部63では、Ip
対してΔIp がフィードバックされる。この結果、Ig
、Ic 、Id はそれぞれΔIg 、ΔIc 、及びΔId
だけ減少する(このとき、Ig :Ic :Id =3:3:
1がほぼ満足されると共に、ΔIp =ΔIg +ΔIc
ΔId が満足される)が、Ip は、フィードバックの前
後で一定の−140μAを保持する。
【0174】上記のようにΔIp =(Ip −7Ic
3)=Aを放電電流Ipにフィードバックした場合、絶
対湿度に対する感光体ドラム51の表面の帯電電位バラ
ツキΔV(ボルト)を測定した結果を図40に示す。図
40から明らかなように、ΔIp のフィードバックがな
い場合、帯電電位バラツキΔVは絶対湿度に応じて変化
し、限界の周囲環境下で80V程度まで大きくなった。
これに対して、ΔIp =(Ip −7Ic /3)をフィー
ドバックして補償した場合、限界の周囲環境下でも、帯
電電位バラツキΔVを30V以下に抑えることができ
た。このような構成を有する帯電装置を備えた複写機で
複写すると、安定した画質の画像が形成できた。
【0175】ところで、ΔIp をフィードバックした場
合、このフィードバック電流ΔIp=IL の一部はリー
クすることになる。このリーク電流量をΔIL とする
と、ΔIL =(ΔIp /Ip )×IL =(IL2 /I
p =A2 /Ip で表される。したがって、Aの代わり
に、ΔIp =(A+A2 /Ip )の電流量をフィードバ
ックすると、図40に示すように、更に帯電電位ムラは
ΔIp =Aの場合よりも小さく、常温、常湿時の状態に
より近くなった。なお、更に高次のフィードバック電流
を考慮すると更に補償精度が向上することが予想される
が、実際には、これ以上高次にすると、その分ΔIp
増加し、オゾン発生量の増加を招来するので好ましくな
い。
【0176】以上より、フィードバック電流ΔIp とし
ては、A≦ΔIp ≦(A+A2 /Ip )を満足すること
が好ましい。
【0177】
【発明の効果】請求項の発明の帯電装置は、以上のよ
うに、導電性ケースの開口幅(mm)をLc とし、プロセ
ススピード(mm/sec )をvp とし、感光体の膜厚(μ
m)をtopc とすると、Lc 軸とvp 軸とで形成される
座標上において、(1) 直線Lc=30、及び(2) 直線Lc
=3.02×10-6(vp /topc )で囲まれる領域
内に位置するようにLc 、vp 、及びtopc が設定され
た構成である。
【0178】これにより、帯電の立ち上がりが速く且つ
常に放電が安定して行われると共に、感光体表面を均一
に帯電できる帯電装置を提供できる。従来、導電性ケー
スの形状は、他の帯電仕様を決める上で、電気的パラメ
ータおよび機械的パラメータへの影響度・依存性が大き
く、一義的に決定することは難しかったが、導電性ケー
スの開口幅の上限が予測できるようになったので、所望
の開口幅を短時間で効率良く設計できるという効果を併
せて奏する。
【0179】請求項の発明の帯電装置は、以上のよう
に、上記の導電性ケースの開口幅(mm)をLc とし、
上記の導電性ケースの開口幅(mm)をLc とし、放電先
端とグリッドとの距離をLpgとすると、0.4≦Lpg
c <0.5を満足するようにLc 及びLpgが設定され
た構成である。
【0180】これにより、0.4≦Lpg/Lc <0.5
を満足するようにLc 及びLpgが設定されるので、安定
して放電が行われる。Lpg、Lc を決めることによっ
て、導電性ケースの形状を或る程度予測できるので、以
降の帯電装置の設計を効率良く短時間で行える。つま
り、Lpg及びLc のうち何れか一方を決めれば、導電性
ケースの形状がほぼ決まる。このため、導電性ケースの
小型化に対しても容易に対応できるという効果を併せて
奏する。
【0181】請求項の発明の帯電装置の設計方法は、
以上のように、(1) 0.4≦Lpg/Lc <0.5を満
足するように、導電性ケースの開口幅Lc (mm)、及び
放電先端とグリッドとの距離Lpgを設定する工程と、
(2) グリッドギャップとグリッドピッチとを設定する工
程と、(3) Ip 軸と(Lg /P)軸とで形成される座標
上において、直線Ip =−700、及び曲線Ip =〔−
89((Lg /P)−4.5)2 −295〕で囲まれる
領域内に位置するように、放電先端のピッチP、放電電
流Ip(μA)、及び放電先端と感光体表面との距離Lg
をそれぞれ設定する工程と、(4) (Ig /Ic )の常
用対数であるlog(Ig /Ic )軸と、放電電流であ
るIp 軸とで形成される座標上において、直線Ip =−
700、直線log(Ig /Ic )=−8.78×10
-3p −0.54、及び直線log(Ig /Ic )=5
×10-3p +0.68で囲まれる領域内に位置するよ
うに、放電電流Ip (μA)、グリッド電流Ig (μ
A)、及び放電先端から導電性ケースへの漏れ電流Ic
(μA)をそれぞれ設定する工程と、(5) 感光体表面を
上記の所定電位に帯電させる最小放電電流値と、感光体
表面の帯電電位のバラツキを許容範囲内にするための最
小放電電流値とが略等しくなるようにグリッドに印加す
る電圧を設定する工程と、(6) 周囲環境変化による感光
体の帯電電位及び帯電電位ムラの変化に基づいて放電電
流のマージンを設定する工程とを備えている。
【0182】これにより、(1) 〜(6) のように各種パラ
メータが設定されるので、低オゾン化及び装置の小型
化、コスト低減化が可能となる。また、従来の設計方法
に比べると、はるかに設計効率が良くなると共に、短時
間で最適設計を終えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMCチャージャの設計法を示すフロー
チャートである。
【図2】本発明の帯電装置を備えた複写機の構成例を示
す説明図である。
【図3】MCケースの開口幅Lc とvp との関係を示す
説明図である。
【図4】オゾン発生量の放電電流依存性の実測値を示す
説明図である。
【図5】鋸歯状の放電先端を備えた放電電極の放電特性
を説明するための等価回路図である。
【図6】プロセススピードが初期設定されている場合、
感光体ドラムが所定電位に立ち上がるのに必要な最小帯
電時間t0 を求めるためのシミュレーション回路図であ
る。
【図7】図6のシミュレーション回路に基づいて、感光
体ドラムに流れる電流と放電電流との実測値を示す説明
図である。
【図8】図6のグリッド−感光体ドラム間の等価回路図
である。
【図9】図8の一例を示す説明図である。
【図10】放電電極の鋸歯状の放電先端の例を示す説明
図である。
【図11】図10の構成におけるIp −Vh 特性を示す
説明図である。
【図12】空隙の影響を空隙インピーダンスの集中定数
で表した1ピン当たりの等価回路図である。
【図13】放電電流の最適化を示す説明図である。
【図14】一定の放電電流下における、グリッド電流、
ケース電流、ドラム電流、及びシールドケースのケース
電圧の関係を示す説明図である。
【図15】一定の放電電流下における、グリッド電流、
ケース電流、ドラム電流、及びシールドケースのケース
電圧の他の関係を示す説明図である。
【図16】一定の放電電流下における、グリッド電流、
ケース電流、ドラム電流、及びシールドケースのケース
電圧の更に他の関係を示す説明図である。
【図17】一定の放電電流下における、グリッド電流、
ケース電流、ドラム電流、及びシールドケースのケース
電圧の他の関係を示す説明図である。
【図18】図14乃至図17の関係を導出するための構
成例を示す説明図である。
【図19】図18に示す帯電装置の構成において、放電
電流を流し、その時のグリッド電流Ig 、シールドケー
スに流れるケース電流Ic をそれぞれ測定し、各Ig
cに対して複写の均一性を実測し(ハーフトーンコピ
ーの帯電電位ムラのレベルをチェックし)、全体的に判
断して、帯電電位ムラのない高品質レベルを維持できる
放電電流値の実測値を示す説明図である。
【図20】限界周囲環境下において、図19の縦軸を対
数表示しないで(Ig /Ic )表示した説明図である。
【図21】図20において、円で囲んだ部分の拡大図で
ある。
【図22】(Lpg/(Lc /2))と、(Ig /Ic
との関係を示す説明図である。
【図23】図22において、円で囲んだ部分の拡大図で
ある。
【図24】放電電流Ip に対する、感光体ドラムの飽和
電位VS 、及び帯電電位ムラΔVをグリッド電圧Vg
パラメータとして測定した結果を示す説明図である。
【図25】絶対湿度DH に対する帯電電位ムラを生じな
い最小の放電電流Ip との関係を測定した結果を示す説
明図である。
【図26】一定の放電電流下で、MCケースのパラメー
タLpg、lc を可変してIg 、Ic 、及びId の変化
量を測定するための説明図である。
【図27】図26の構成における測定結果を示す説明図
である。
【図28】放電電流Ip =−140μAのときの帯電電
位ムラΔVが(Lpg/lc )に応じてどのように変化す
るかを示す測定結果に係る説明図である。
【図29】MCケースのパラメータLpg、lc を可変し
て、Ig 、Ic 、及びId の電流配分を変化させて帯電
の均一性を測定した結果を示す説明図である。
【図30】図27に基づいて、ドラム電流Id に対する
電流比率を求めた場合の結果を示す説明図である。
【図31】オゾン発生量が問題にならない程度に放電電
流Ip が小さく抑えられ、しかも均一な放電が行われ、
感光体ドラム51表面の帯電電位ムラを確実に低減でき
るIg 、Ic及びId の領域を示す説明図である。
【図32】図26において、Lgrを1(mm)とし、Lpg
8.5(mm)とし、lc を8.0(mm)とした場合の放電電
流(帯電電位ムラを生じないために必要な最小放電電
流)に対するケース電流の百分率(%)を測定した結果
を示す説明図である。
【図33】本発明の他の実施の形態を示す説明図であ
る。
【図34】図33の帯電装置の等価回路図である。
【図35】挿入抵抗体の抵抗値に対する、帯電電位ムラ
を生じないために必要な最小放電電流の関係、高圧出力
部(高圧トランス)の出力電圧の関係、及び高圧出力部
の必要消費電力の関係をそれぞれ示す説明図である。
【図36】挿入抵抗体としてフィルム抵抗体を使用した
場合、該抵抗体の両端に印加される電圧に応じて、抵抗
値が変動することを示す説明図である。
【図37】図36の特性を得る際に使用した回路図であ
る。
【図38】本発明の更に他の実施の形態の構成例を示す
説明図である。
【図39】ΔIp =(Ip −7Ic /3)を放電電流I
p にフィードバックした場合、Ig 、Ic 、Id 、及び
L の各電流値の絶対湿度依存性を示す説明図である。
【図40】ΔIp =(Ip −7Ic /3)を放電電流I
p にフィードバックした場合、絶対湿度に対する感光体
ドラム表面の帯電電位バラツキΔVの測定結果を示す説
明図である。
【図41】従来の帯電装置を備えた複写機の構成例を示
す説明図である。
【図42】放電先端を有する電極を複数配列してなる従
来の鋸歯状電極を示す説明図である。
【図43】図42の鋸歯状電極を備えた従来のコロナ放
電装置において、各放電電極を別個の抵抗を介して高圧
電源に接続することによって、各放電電極に流れる電流
を安定に制御する構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
51 感光体ドラム 52 MCチャージャ 2a MCケース(導電性ケース) 2b 絶縁性基板 2c 放電電極 63 高圧発生部 70 電流検出器 71 制御手段 74 抵抗体(フィルム抵抗体、樹脂抵抗体)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−11946(JP,A) 特開 平7−28300(JP,A) 特開 平7−98533(JP,A) 特開 平7−5746(JP,A) 特開 平7−92770(JP,A) 特開 平7−64375(JP,A) 特開 平7−181781(JP,A) 特開 平5−2314(JP,A) 特開 平7−28298(JP,A) 特開 平7−28299(JP,A) 特開 平8−160711(JP,A) 特開 平8−137191(JP,A) 特開 平8−137202(JP,A) 特開 平8−31545(JP,A) 特開 平8−137201(JP,A) 特開 平8−160712(JP,A) 特開 平8−171257(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定間隔で配された複数の放電先端を有す
    る放電電極と、感光体と対向する面が開口され電気的に
    絶縁した状態で該放電電極を支持する導電性ケースとを
    備え、放電先端と感光体表面との間に設けられたグリッ
    ドを介して、該放電電極に印加された電圧に応じて放電
    先端から感光体に対して放電し、該感光体表面を帯電さ
    せる帯電装置であって、 上記の導電性ケースの開口幅(mm)をL c とし、プロセ
    ススピード(mm/sec)をv p とし、感光体の膜厚(μ
    m)をt opc とすると、L c 軸とv p 軸とで形成される
    座標上において、 直線L c =30、及び 直線L c =3.02×10 -6 (v p /t opc で囲まれる領域内に位置するようにL c 、v p 、及びt
    opc が設定されている ことを特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】所定間隔で配された複数の放電先端を有す
    る放電電極と、感光体と対向する面が開口され電気的に
    絶縁した状態で該放電電極を支持する導電性ケースとを
    備え、放電先端と感光体表面との間に設けられたグリッ
    ドを介して、該放電電極に印加された電圧に応じて放電
    先端から感光体に対して放電し、該感光体表面を帯電さ
    せる帯電装置であって、 上記の導電性ケースの開口幅(mm)をL c とし、放電先
    端とグリッドとの距離をL pg とすると、0.4≦L pg
    c <0.5を満足するようにL c 及びL pg が設定され
    ている ことを特徴とする帯電装置。
  3. 【請求項3】所定間隔で配された複数の放電先端からグ
    リッドを介して感光体に対して放電し、該感光体表面を
    帯電させる帯電装置の設計方法であって、 0.4≦L pg /L c <0.5を満足するように、導電性
    ケースの開口幅L c (m m)、及び放電先端とグリッドと
    の距離L pg を設定する工程と、 グリッドギャップとグリッドピッチとを設定する工程
    と、 p 軸と(L g /P)軸とで形成される座標上におい
    て、直線I p =−700、及び曲線I p =〔−89
    ((L g /P)−4.5) 2 −295〕で囲まれる領域
    内に位置するように、放電先端のピッチP、放電電流I
    p (μA)、及び放電先端と感光体表面との距離L g
    それぞれ設定する工程と、 (I g /I c )の常用対数であるlog(I g /I c
    軸と、放電電流であるI p 軸とで形成される座標上にお
    いて、直線I p =−700、直線log(I g /I c
    =−8.78×10 -3 p −0.54、及び直線log
    (I g /I c )=5×10 -3 p +0.68で囲まれる
    領域内に位置するように、放電電流I p (μA)、グリ
    ッド電流I g (μA)、及び放電先端から導電性ケース
    への漏れ電流I c (μA)をそれぞれ設定する工程と、 感光体表面を上記の所定電位に帯電させる最小放電電流
    値と、感光体表面の帯電電位のバラツキを許容範囲内に
    するための最小放電電流値とが略等しくなるようにグリ
    ッドに印加する電圧を設定する工程と、 周囲環境変化による感光体の帯電電位及び帯電電位ムラ
    の変化に基づいて放電電流のマージンを設定する工程と
    を備えた帯電装置の設計方法。
JP20247395A 1995-08-08 1995-08-08 帯電装置及びその設計方法 Expired - Fee Related JP3253829B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20247395A JP3253829B2 (ja) 1995-08-08 1995-08-08 帯電装置及びその設計方法
EP96112042A EP0758104B1 (en) 1995-08-08 1996-07-25 Charging device
DE69619908T DE69619908T2 (de) 1995-08-08 1996-07-25 Aufladevorrichtung
EP01120638A EP1164439B1 (en) 1995-08-08 1996-07-25 Charging device having a plurality of discharging tips
DE69637248T DE69637248T2 (de) 1995-08-08 1996-07-25 Aufladevorrichtung mit einer Vielzahl von Entladungsspitzen
US08/690,730 US5796103A (en) 1995-08-08 1996-07-31 Charging device and design method thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20247395A JP3253829B2 (ja) 1995-08-08 1995-08-08 帯電装置及びその設計方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0950169A JPH0950169A (ja) 1997-02-18
JP3253829B2 true JP3253829B2 (ja) 2002-02-04

Family

ID=16458107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20247395A Expired - Fee Related JP3253829B2 (ja) 1995-08-08 1995-08-08 帯電装置及びその設計方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5796103A (ja)
EP (2) EP1164439B1 (ja)
JP (1) JP3253829B2 (ja)
DE (2) DE69637248T2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5845179A (en) * 1997-08-22 1998-12-01 Xerox Corporation Pin charge coroton with optimum dimensions for minimum ozone production
US6459870B1 (en) 2001-04-23 2002-10-01 Hewlett-Packard Company Corona cartridge for charging photoreceptors in high-speed electrophotographic applications
JP4288289B2 (ja) * 2007-04-05 2009-07-01 シャープ株式会社 イオン発生装置及びそれを備えた画像形成装置
JP4985868B1 (ja) * 2011-06-29 2012-07-25 富士ゼロックス株式会社 金属板の製造方法
JP5998454B2 (ja) * 2011-11-07 2016-09-28 ソニー株式会社 制御装置、制御方法および制御システム
DE102012012520A1 (de) * 2012-06-26 2014-01-02 Illinois Tool Works, Inc. Verfahren zum elektrostatischen Laden von nichtleitenden Objekten
JP6620732B2 (ja) * 2016-12-09 2019-12-18 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 帯電装置及びこれを備えた画像形成装置

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1481013A (en) * 1974-05-29 1977-07-27 Xerox Corp Electrostatographic charging system
US3939386A (en) * 1975-01-30 1976-02-17 Xerox Corporation Technique for charging dielectric surfaces to high voltage
JPS5621157A (en) * 1979-07-26 1981-02-27 Sharp Corp Corona charger
JPS57182761A (en) * 1981-05-05 1982-11-10 Ricoh Co Ltd Corona discharging device
JPH0721668B2 (ja) * 1985-12-14 1995-03-08 キヤノン株式会社 除・帯電方法
US4725732A (en) * 1986-07-02 1988-02-16 Xerox Corporation Pin corotron and scorotron assembly
JPS63293564A (ja) * 1987-05-26 1988-11-30 Sharp Corp 帯電装置
JP3367524B2 (ja) * 1991-06-24 2003-01-14 株式会社リコー 帯電装置
DE69701060T2 (de) * 1992-06-04 2000-06-08 Sharp Kk Ladegerät
JP2899172B2 (ja) * 1992-06-26 1999-06-02 シャープ株式会社 帯電装置
JP2810590B2 (ja) * 1992-06-26 1998-10-15 シャープ株式会社 帯電装置
US5359393A (en) * 1992-12-22 1994-10-25 Xerox Corporation Method and apparatus for measuring photoreceptor voltage potential using a charging device
JP3074095B2 (ja) * 1993-06-18 2000-08-07 シャープ株式会社 コロナ放電装置
JP2987034B2 (ja) * 1993-09-28 1999-12-06 シャープ株式会社 コロナ放電装置
US5521383A (en) * 1993-06-18 1996-05-28 Sharp Kabushiki Kaisha Corona discharge device
JP3319045B2 (ja) * 1993-07-12 2002-08-26 ミノルタ株式会社 コロナ放電装置
US5466938A (en) * 1993-09-30 1995-11-14 Minolta Co., Ltd. Corona discharge device

Also Published As

Publication number Publication date
EP1164439A3 (en) 2004-12-15
DE69619908T2 (de) 2002-11-28
EP1164439A2 (en) 2001-12-19
EP0758104A1 (en) 1997-02-12
DE69637248D1 (de) 2007-10-25
EP1164439B1 (en) 2007-09-12
JPH0950169A (ja) 1997-02-18
DE69619908D1 (de) 2002-04-25
EP0758104B1 (en) 2002-03-20
US5796103A (en) 1998-08-18
DE69637248T2 (de) 2008-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8010005B2 (en) Image forming apparatus
EP0555102B1 (en) Image forming apparatus having charging member contactable to image bearing member
US5367366A (en) Corona charger for image forming apparatus providing uniform surface charge of a recording medium
US5642254A (en) High duty cycle AC corona charger
JP3253829B2 (ja) 帯電装置及びその設計方法
US7403728B2 (en) Calibration apparatus and method for charging unit of image forming device
US5012282A (en) Brush contact type charging unit in an image forming apparatus
KR100224625B1 (ko) 전자 사진 장치의 대전 전압 제어 장치
JP6945991B2 (ja) 画像形成装置
CA1107813A (en) Method of and device for charging by corona discharge
JP4541496B2 (ja) 画像形成装置
JP2008139834A (ja) 画像形成装置
JP3258180B2 (ja) 帯電装置の設計方法
JPH0798533A (ja) コロナ放電器
US20240142889A1 (en) Image forming apparatus
JPS63127266A (ja) 電子写真装置
JP2006220802A (ja) 画像形成装置
JP2992183B2 (ja) コロナ放電装置
JP3133895B2 (ja) コロナ放電装置
JP3054004B2 (ja) コロナ放電装置
JPH0430024B2 (ja)
JPS6136782A (ja) 画像形成装置
JPH05197261A (ja) 帯電装置
JPS6136781A (ja) 画像形成装置
JP2020003681A (ja) 電子写真装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees