JP2006220802A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光体の帯電能のばらつきによらず、環境変動や耐久変動に対しても帯電ムラに起因する画像不良を低減し、良好な画質の画像を得ること。
【解決手段】像担持体上を帯電と現像を行い、転写材上に転写する画像形成装置において、像担持体を所望の表面電位に帯電するスコロトロン帯電装置と、像胆持体上の表面電位を検知する表面電位検知手段を備え、像担持上の表面電位検知手段を用いて算出した像担持体の表面電位と、スコロトロン帯電装置の放電ワイヤーに印加される電流値と、画像形成装置内に記憶している、搭載される感光体の帯電能の上下限品で、前記所望の表面電位を得るために必要な放電電流量と、前記帯電能上下限品の感光体の放電電流量に対する、表面電位の変化率の関係情報を用いて、前記放電ワイヤーに印加する電流設定値の補正制御を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式によって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。更に詳しくは、像担持体上に現像されたトナー像に対して帯電を行う手段を備えた画像形成装置に関する。
更に詳しくは、像担持体に静電潜像を形成する際の電位制御、露光量調整等のプロセスコントロールを行うことにより、像担持体の特性に応じて安定した画像形成を行うようにした画像形成装置に関するものである。
従来、の画像形成装置の例を図3に示す。
電子写真方式、即ち像担持体への光書き込みにより画像形成する方式を用いた画像形成装置においては、環境変化や経時変動等の得御経を無くして画質を安定に保つために、静電潜像の生成及び現像プロセスにおいて、電位制御及び露光量調整等のプロセスコントロールを行っている。
そのコントロールは、帯電装置、露光装置、現像装置の順に配置される装置系の露光装置と現像装置の間に設けられ、像担持体の表面電位を検出する電位センサーを用いて行われる。
この電位センサーを用いて、帯電電位VD調整後、露光後の電位が所定の値となるように露光量を調整する等が行われ、画質の安定化を図っている。
しかしながら、感光体ドラムの製造上のばらつきにより、帯電性能の良いもの、悪いものが存在する。特に、アモルファス感光体を用いた場合には、OPCと比較して、帯電能のばらつきや、帯電ムラが発生し易いことが知られている。
アモルファス像担持体の成膜方法は。炉内に複数の材料をガス状にして噴出し、アルミ等を基材として、噴出したガスに高周波のプラズマを用いて炉内でグロ−放電等を行い、化学的気相成長方法を用いて成膜が行われる。
しかしながら、炉内に噴出するガス管内の付着物による変化や、炉内での循環ガスの状況差により基材全体に膜厚、膜質等を完全には均一にできないことが原因であり、現在、様々な改良が行われ、均一な成膜を行うための開発が行われている状況である。
又、帯電能は、前露光量の大きさに依存するため、前露光量のばらつきや、耐久による光量変動による影響も受ける。
更に、耐久や使用環境条件によって、スコロトン帯電器2の放電特性変化、感光体の帯電特性変化等によっても帯電能は変化する。
これらのばらつきを吸収させるために、画像形成装置内の感光体の表面電位センサーを設け、感光体の表面電位を所定の目標値に保つように、スコロトロン帯電器2の放電ワイヤー3に印加する電流を制御する技術が知られている。
特開平5−181348号公報
しかしながら、像担持体としてアモルファスシリコンを用いる場合、帯電ムラが画像形成領域である、回転方向及び軸方向で3次元的に存在する。
この帯電ムラのレベルは、先にも記載したようにOPCよりも大きく、更には、帯電能がOPCよりも小さく、スコロトロン放電装置を用いた場合に、所定の目標電位を得るためのドラム方向電流が大きいことが特徴である。
このような感光体に対し、従来の技術では、感光体ドラムのLot差よっては、帯電ムラが大きくなる条件で帯電条件が設定されてしまい、画像に不要な濃淡が発生してしまう不具合があった。又、同じ感光体であっても、耐久が進んだ条件や、環境条件によってもこの問題が生じたりしていた。
そこで、本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置における上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、感光体の帯電能のばらつきによらず、又、環境変動や耐久変動に対しても帯電ムラに起因する、画像不良を低減し、良好な画質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、像担持体上を帯電と現像を行い、転写材上に転写する画像形成装置において、像担持体を所望の表面電位に帯電するスコロトロン帯電装置と、像胆持体上の表面電位を検知する表面電位検知手段を備え、像担持上の表面電位検知手段を用いて算出した像担持体の表面電位と、スコロトロン帯電装置の放電ワイヤーに印加される電流値と、画像形成装置内に記憶している、搭載される感光体の帯電能の上下限品で、前記所望の表面電位を得るために必要な放電電流量と、前記帯電能上下限品の感光体の放電電流量に対する、表面電位の変化率の関係情報を用いて、前記放電ワイヤーに印加する電流設定値の補正制御を行うことを特徴とする。
又、前記放電ワイヤーに印加する電流値を最適化した条件にすることで、目標とする、電位ムラの低減レベルを達成できる条件下で、グリッド電位を調整して目標とする表面電位に調整を行うことを特徴とする。
又、前記放電ワイヤーに印加する電流設定値の補正制御を行う際に用いる、目標電位は、画像形成条件に用いる条件と一致している必要はなく、画像形成条件時に設定する表面電位は、前記放電ワイヤーに印加する電流値を補正する際に目標とした電位以下の条件であれば良い。
像担持体として、アモルファスシリコン感光体を用いた場合に効果的である。
本発明によれば、安定して電位ムラの少ない帯電電位を形成することが可能である。
又、感光体の帯電能に応じて、1次電流のIP電位を調整することで、常に目標とする表面電位を、十分グリッド収束性の効果が得られる条件で得ることが可能となり、常に良好で安定した画像形成を行うことが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質及び形状、その他の相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明において使用される電子写真感光体は、導電性支持体上に光導電層を設けて成る非晶質シリコンを主成分とし、一般的には、アモルファス感光体と呼ばれる感光体である。
アモルファス感光体を用いて静電潜像形成を行う場合、露光による光減衰特性が図1に示すようにOPC等よりも直線的に変化するため、静電潜像形成における孤立ドットの再現性に優れ、高画質な画像が得られることで知られている。
電子写真感光体は、それぞれ電子写真画像形成に必要な機能が分離された積層構造をしており、図2に示すような5層型の構成をしている。
前記導電支持体の材料としては、主にアルミニニウム等の金属導電材が挙げられる。尚、前記導電支持部体上には、図2に示すように、導電支持対からの電荷注入を阻止する阻止層、光の照射による電荷対の発生が行われる感光層、又、発生した電荷が移動可能な電荷輸送層と最表層に電荷を保持するための電荷保持層が備えられている。
前記感光層には、分光感度を調整や、帯電性、残留電位等の電気特性を改良するために、主成分のシリコン以外に水素、酸素、ブタン等の成分を含有させても良い。
又、導電性支持体上に形成される非晶質シリコンを主成分とする積層構成は、それぞれの膜厚が、阻止層で3μm、感光層(電荷発生、輸送層)で30μm、表層部が1μm程度の膜厚となっている。
本発明の画像形成方法を図3に示す。前記電子写真感光体に対し、帯電、像露光、複数箇所の正規現像手段、中間転写及び光除電を行うことを含む。
又、複数の現像手段のうち、帯電手段に最も近い位置に、ドラムとのGaPが一定に保たれ、現像位置からの離間機構の無い磁性非接触現像方式で黒色の現像を行う現像手段が備えられている。
その他の現像手段として、図3に示されるように回転支持体に固定された前記固定された現像手段とは異なる色を画像形成する現像手段が備えられた構成になっている。
本発明の電子写真方式は、前記電子写真感光体に対し、帯電を行う帯電手段、像露光を行う像露光手段、正規現像を行う現像手段、中間転写を行う転写手段、光除電を行う光除電手段及びこれらの動作を行う制御手段を有する。
前記帯電手段は、図3に示されるような帯電器の構成になっており、放電ワイヤー(本実施の形態では、2本使用しているが、1本又は2本以上でも構わない)としてφ40μm〜100μm程度のタングステンワイヤーを使用している。但し、導電性材料(表層に酸化防止層を持たせたても良い)ワイヤーや、別の針電極、鋸歯電極等の放電可能な導電材料であれば良い。
前記放電ワイヤーに印加する電圧は最大で10kV、電流量として1400μA程度の印加電圧が印加され放電動作が行われる。
本発明のグリッドとしてはφ50μm〜200μmの導電部材(SUS304,430や他の導電性材料)を用いている。但し、金属導電材料にエッジング加工によって網目等の特定のパタ−ン形状を施したものを採用して何ら構わない。
上述した、帯電手段により、前記電子写真の感光体は、200V〜600V程度の範囲に帯電される。
前記像露光手段は、例えば半導体レーザー光の他、LED光等の公知の光源を利用した画像形成露光装置を用いて行うことができ、特に制限はなく、前記電子写真感光体表面に対し、半導体レーザー光、LED光を、所望の像露光イメージに露光できる光学系機器であれば良く、本発明においては、画像イメージの非画像部分を像露光している。
第1現像手段は、磁性非接触の正規現像手段は、例えば、感光体の帯電極性とは逆極性の帯電トナーを用いて現像可能な機能を備えており、トナー像形成時には、所定の駆動が入力される。又、現像時には、DC成分にAC成分を重畳した高圧が印加される。
このとき、現像スリーブとドラムのギャップは、100〜300μm程度に保たれ、且つ、スリーブ上には、1〜2(mg/cm2)程度のトナー層を形成し、AC成分は、1〜3kV程度のピーク間電圧、1〜3kHz程度の周波数で印加される。
第2現像手段には、フルカラー画像形成時に用いるY,M,Cの3色の現像手段が備えられており、図3に示すような回転支持体に固定され、所定の像露光イメージに応じて感光体の対向に回転し、現像が行われる。
前記カラー画像形成用の現像手段は、第1現像手段とは異なり、2成分現像剤を用いて、トナーとキャリアを用いて磁気ブラシを形成し接触現像を行う。
前記2成分現像手段構成は、公知の技術で用いられている現像手段であり、特に特定の条件を要するものではない。本画像形成装置では、DC高圧成分にAC成分のVppとして、1〜2kV、周波数5〜10kHz程度の矩形波を重畳している。
前記転写手段は、前記感光体上に形成したトナー像を色毎に順次中間転写体上に合成し、一括して記録体へ2次転写する構成となっている。
中間転写へのトナー像転写及び記録体へのトナー像転写を行う転写手段は、特に限定されるものではないが、本発明では、回転自在な導電支持体上に形成された導電性弾性ローラを用い、導電性支持部に一定電流、又は一定電圧等に制御された高圧が印加され、環境、トナー像、記録体に応じて好適に中間転写及び2次転写が行われるように高圧制御が行われる構成になっている。
前記光除電手段は、例えば、それ自体公知の光源を用いて照射される。本実の形態において、光除電に用いられる露光手段及び光源の種類に特に制限はないが、本発明の画像形成装置においては、本画像形成装置の像露光手段の中心波長は655nmであり、光除電手段の中心波長は660nmである。
次に、本画像形成装置の発明に関する部分について詳細に説明する。
本発明における画像形成装置では、1次帯電の条件としては、帯電線に印加した電流をIp、グリッドに所定のDCバイアスを印加した条件下で、シ−ルド及びグリッドに流れる電流量をIgとする場合す場合、
本発明では、ドラム方向電流を、Idr(μA)、放電効率をη(%)としたとき、
Idr=Ip−Ig … (1)
η=Idr/Ip … (2)
と定義している。
放電効率(%)の目標設定値は、用いる感光体の製造上の膜厚や、誘電率等に起因する帯電ムラのレベルによって異なるが、OPC等に比べて、アモルファスシリコン感光体は低い条件に設定した方が良いことが知られている。
これは、比誘電率がOPC=3程度、比べて10程度と大きいため、静電容量が大きく、帯電電位を得るための電荷量も大きいためであり、コロナ放電を用いた帯電手段での電位の収束性が悪いためである。
又、前記静電容量が大きいことが、アモルファス感光体の帯電能が低いとされている理由でもある。
又、本発明についての検討の結果、所定の目標表面電位の条件に対し、帯電電位ムラを、例えば20V以下の範囲に設定しようとすると、図7に示すように、η≦25%以下にすると良いことが検討の結果を得た。
図7の結果は、図4に示すドラム方向電流に対する、表面電位の変化を調査した際のLo,B,Cで得られた結果である。
更に、放電効率の割合は、帯電線に印加する電流設定値、グリッド電位の条件によって、ドラム方向の電流が決定される。
次に、前記放電線に印加する電流(以下、1次電流)と、グリッド電圧を、前記LotCを用いて、調査した結果を図5に示す。
図5より、1次電流、グリッド電圧の制御により得られる表面電位は同じであっても、放電効率は異なる条件が存在することが分かる。
又、グリッド電位を固定した条件で、1次電流を調整しての電位制御は、表面電位を変化させた場合、特に表面電位を下げ方向に調整した場合、表面電位の低下による電位ムラ低減効果は得られるが、放電効率は悪くなる方向になることが図5より分かる。これが1次電流制御による不具合点である。
次に、1次電流を固定し、グリッド電圧制御を行った場合について、図5を用いて説明する。
図5より、1次電流を固定条件にして、グリッド電位で電位を調整すると、グリッド電位の最大電位値、本発明の装置では、900Vの条件で得られる表面電位を上限として、表面電位を下げる程、電位放電効率ηが低下するため、電位ムラのレベルは表面電位の低下による効果にプラスして、電位収束性効果も増加する。
この制御方法では、目標とする表面電位以上の値が、前記最大グリッド電圧値の条件で得られるように1次電流を設定しておけば効果的であり、従来良く用いられる技術である。
しかしながら、本発明の画像形成装置用いるような感光体ドラムの帯電特性に幅があり、且つ、アモルファスシリコンのように大きなドラム方向電流を必要とする場合には不向きである。
なぜなら、感光体の製造ばらつきの帯電能下限を用いても、常に目標とする表面電位が得られるような1次電流の設定値を選択した場合、帯電能が良いドラムを用いると、必要な電流量が約半分であり、過剰な1次電流を印加することになる。
又、製造上のばらつきの範囲を想定して、1次電流を設定した場合に、想定している以上に帯電能の低いドラムが画像装置に搭載されたり、環境変動、耐久変動により帯電特性、放電特性が変化した場合に、表面電位が目標に達しないような条件が発生した場合に対応できない不具合が発生する。
本発明における基本的な制御フロ−を示す。
本画像形成装置においては、図示しない記憶部に環境に応じた現像目標コントラスト及び目標現像Vbackコントラスト電位差の情報を記憶している。
本画像形成装置における帯電電位は、現像手段の位置に対応して変更することがなく、第1現像位置で490V、第2現像位置で450Vとし、電位センサーの位置で500Vになるように調整される。
又、本画像形成装置に用いる、感光体ドラムの帯電能について説明する。
前記目標電位Vds(T)の最大値=550Vが得られるドラム軸方向の単位長さ当たりのドラム方向放電電流量で示す。この条件を確保できれば、上記目標電位Vds(T)への調整が可能となる。
尚、( )内のmin、maxの記号は、必要放電電流量の下限をmin、上限をmaxの意味で使用している。
帯電能上限α(min)=5(μA/cm) … (3)
帯電能下限α(max)=10(μA/cm) … (4)
本装置の帯電器の放電領域は、L=32.4cmである。
よって、ドラム軸方向で帯電能が均一と仮定すると、必要なドラム方向電流Idr(min)、Idr(max)は、下記のように算出される。
帯電能上限Idr(min)=5×32.4=162(μA) … (5)
帯電能下限Idr(max)=10*32.4=324(μA) … (6)
次に、前記で算出した、必要ドラム方向電流を、帯電ムラの低減効率として、図6の結果よりη≦25%の条件に対する余裕度を確認する。
本画像形成常置のスコロトロン帯電装置の1次電流の最大値Ip(max)は、140μAである。
帯電能の上下限品に対して、得られる放電効率は、
帯電能上限η(min)=162/1400×100=11.6(%) …(5)
帯電能下限η(max)=324/1400×100=23.1(%) …(6)
となり、帯電能下限品に対して、放電効率が23.14%対応可能である。
この結果、本発明における感光体の帯電能の上下限値を用いた場合に対し、放電ワイヤーに印加可能な最大電流設定値Ipより得られる、グリッド収束効果の最大値は、放電高率の操作可能範囲である
11.6(%)≦η≦23.1%
の範囲と決定される。
本発明で用いた帯電装置の構成は、ドラムの帯電ムラのグリッド収束性による低減効果を予め検討し、必要な放電高率の上限値を設定した後に、必要となる放電高率の最小条件の算出すし、選択するドラムの帯電能特性及び帯電手段として用いるスコロトロン帯電装置の放電ワイヤーに印加する最大出力値が得られるように、リーク等による放電線の断線等がないように最適な設計が行われている。
ところで、画像形成装置に搭載される感光体の帯電能の範囲は、予め感光体の製造上のばらつきの範囲として設定しておけば、一次電流の最大値は設定可能である。
しかしながら、画像形成装置に踏査しされる感光体が、一律に帯電能が低ことはなく、量産上のばらつきの下限であることを考慮すると、帯電能の中心に対応した一次電流を制御上の中心値に設定しておく方が良い。
なぜならば、帯電能の下限品が搭載された場合や、環境変動や、耐久劣化等により、放電特性の変化や帯電能の劣化レベルに応じて、1次電流に適切な補正を行い、目標とする表面電位、電位ムラのレベルが得られれば、それ以上に過剰な一次電流は全く必要ないからである。
更に、帯電電位の目標レベルを達成するのに必要ない過剰な一次電流を出力すれば、オゾン発生量の増加し、オゾンが水分量と反応することによる2次化合物がドラムに付着する量を増加さることになる。
特に、放電領域のオゾン濃度対策に用いているエアフローの能力に余裕が或る範囲の一次電流設定では問題ないが、騒音の面から極力ファンの風量も或る程度の上限設定が帰省されるため、所定以上の放電電流量設定になると、前記オゾンの発生による2次化合物がドラムに付着する速度が速くなり、定期的な感光体の表面清掃、或はドラム交換を行う間隔が短くなり、ユ−ザ−が画像形成装置を使えない時間を増加させることになる。
前述したような過剰な一次電流の設定値を避けるために、本画像形成での一次電流の初期設定値及び可変値の算出方法を解説する。
画像形成装置が持ちる最大の放電高率η(max)と、感光体の帯電能の上下限値より一次電流の可変範囲を決定する。
Ip(max)については、出力最大値であるため、ここでは、一次電流制御を行う上での最小電流値Ip(min)の算出は、
Ip=η×Idr=η×α(min)×L … (7)
で求められる、本発明での計算結果を表1に示す。
Figure 2006220802
よって、最小の一次電流設定値は、
Ip(min) =η(max) ×α(min) ×L
=23.1/100×5×32.4=700(μA)
となる。
以上より、一次電流の設定範囲は、700〜1400μAの範囲となる。又、この範囲内であれば、どのような値の一次電流を初期値に選択しても良いことになる。
ここで、初期値として選択する一次電流の値をIp(mid )とすると、
Ip(min) ≦Ip(mid) ≦Ip(max) … (8)
の関係になる。
ここで、Ip(min) +Ip(max )=A、N=A/Ip(mid) と定義すると、(8)式は、
A/Ip(max) ≦N≦A/Ip(min) … (9)
となり、本発明の装置における、Nの設定範囲は
(700+1400)/1400≦N≦(700+1400)/700
1.5≦N≦3.0
となる。
Nの値は、一次電流の操作範囲における上下限の比率を決める値である。又、この比率Nを選択した意味は、感光体の帯電能の上下限における比率も同様に想定していることを示している。
間固体の帯電能この範囲であれば、どのような値が選択されても構わない。
ここで、N=2が選択された場合を例として説明する。このとき、本発明の装置では、以下のような条件が選択される。Vds(T)=550Vを得るためには(図4、表1を参照)、
一次電流 Ip(mid )=(700+1400)/2=1050(μA)
ドラムの帯電能 α (mid) =(5+10)/2= 7.5(μA/cm)
必要ドラケ方向電流 Idr(mid) =(324 +162 )2=243 (μA) ここで、ドラム方向電流に対する表面電位の増加率をβ=ΔV/ΔIdrとすると、
β(mid )=(β(min) +β(max ))/2 =(3.33+2.14 )/2=2.72(V/μA)
画像形成装置内には、前記Ip,Id,α,β等のmax,min値が記憶されており、初期一次電流設定値が選択されると、割合Nを算出し、前記手順に従って先ず感光体の帯電能レベルを設定している。この比率Nの値は、感光体の帯電能ばらつき分布を考慮して、中心程度に設定しておくことが望ましい。
この中央設定値であれば、帯電能の良いドラムに対して、目的とする放電効率が十分得られ、1次電流の設定値を補正する必要がなく、且つ、過剰な設定値でもない。
発生するオゾンの濃度に対しても、エアフロー等の設計中心とすることで十分に対応可能であるためである。
本発明は、帯電能の悪いドラムが搭載された場合や、放電効率、帯電特性が環境や、耐久変動で変化した場合に、必要な量だけ一次電流値を補正する制御を行っている。
次に、本発明の画像形成装置に、或る任意の帯電能が組み込まれた場合の1次電流の補正制御方法について説明する。
1次電流をIp(mid) =105μAに設定し、1次電流補正用の基準Vgrid=800Vの条件でえられた、表面電位が、図4に示すようにセンサー位置でVds=450Vであった場合を想定する。
このとき、目標電位Vds(T)=500Vとする。
ここで、ΔV=Vds(T)−Vds … (10)
とする。
前記基準グリッド電位は、目標表面電位は最大値以下であれば良く、又、補正制御に用いる必要ドラム方向電流Idrの値も、目標電位Vds(T)に応じて前記傾きβより算出した値で良い。
Vds(T)=500V時には、
β(max) に対して、Idr(max) =324 −(550-500 )/2.14≒300 μA
β(min )に対してIdr(min) =162 −(550-500 )/3.33≒147 μA
となる。
又、ΔV=Vds(T)−Vds=500−450=50(V)となり、設定した1次電流設定では50Vの電位が不足している。本発明では、前記ΔV>0の条件で行う。
先ず、最初に、このドラムを用いて、放電効率η(max)
=23.1(%)を達成した条件での必要なドラム方向電流を算出する。このためには、このドラムのドラム方向に対する電位の変動傾きβを算出する必要がある。
先ず、第1に、Ip(mid) =1050μAを用いた場合、放電効率β=23.1(%)で得られるドラム方向において、電流量の最大値は、Idr(mid )=243(μA)であるが、前記目標電位Vds(T)=500Vに設定した場合には、ΔIdr=(550 −500 )/2.72=18.38(μA)補正を行い、
I(mid )=Idr(mid) −ΔIdr=243-18.38 =224.6 (μA)
と修正される。
第2に、電位Vds(Base)を帯電能下限品を用いた場合に、前記Idr(mid )の電流量で得られる表面電位と定義し、線形補間で算出すると(図4参照)、
Vds(Base)=Vds(T)−[(Idr(max) −Idr(mid) )×β(max) ]
=500 −[(300 −224.6 )×2.14]=338.6 V
となる。
よって、このドラムの帯電能特性傾きβは、β(mid
)とβ(max )との比率より、
β=[VVds −Vds(base)]/[Vds(T)−Vds(Base)]×
[β(mid )−β(max )]+β(max)
=[450−378]/[500−338.6 ]×[2.72 −2.14] +2.14=2.398 (V/μA)
となる。
よって、1 次電流の補正量は、
ΔIP=ΔV×β=50×2.398 =119.9 (μA)
補正後の、1次電流はIP=1050+119.9 ≒1170(μA)と算出される。
ここで、前記で算出したIP=1170μAの検証を行うことにする。
放電効率η=23.1%の時、得られるドラム方向電流は、
Idr=1170×23.1/100=270.3μA
である。
このドラムに関しての、1次電流、グリッド電圧を変化させた場合のドラム方向電流を測定した結果を図7に示す。
この図より、グリッド電位Vg=800Vで達成できるように、調整しているため、最大電圧Vg=900Vの条件までを用いて制御すれば、目標電位Vds(T)が達成できることが分かる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、基本的な1次電流の補正制御のみを行う例を示したが、実際には、1次電流の補正と、目標電位への調整を同時に行う電位制御を行うことが望ましい。
又、電位制御毎に、1次電流の補正を行う必要はなく、画像形成装置の動作環境が変化、出力枚数の増加により、放電特性や、感光体の帯電特性に変化した可能性が検知できた場合にのみ、1次電流設定を実行すれば良いからである。
本画像形成装置では、装置の動作保証環境が前回1次電流制御補正のタイミングより、絶対水分量で、3g/kg(空気中に含まれる水分量重比)を超えた場合に実行するように設定されている。
又、同一環境における耐久枚数の増加による帯電能の変化に対しては、上記グリッド電位の操作により、最大出力値のVg=900Vで、所定の目標電位Vds(T)が確保できなかった場合に動作するような制御方式を用いている。
具体的な電位制御のシーケンスを、モデル図8を用いて解説する。
簡単化のために、1次電流の補正、帯電電位の調整部分のみの説明を行う。
図8は電位センサーが検知した電位の変化を検出した結果を示した図である。
1次電流の補正を行う際に用いる、初期設定電流及び補正に用いるグリッド電位は、実施の形態1で説明した値を用いている。
最初に、Ip=1050μA、Vgrid=800Vの条件で、形成された表面電位Vdsをサンプリングする。この結果より、1次電流補正に用いる目標電位Vds(T)との差分ΔVを基に実施の形態1で示した演算手段により、補正量ΔIpを算出し、補正後の1次電流Ip=1170μAへ変更する。
このとき、電位の測定は、感光体の1周期分を測定し、ドラム1周の平均値をその条件の電位としている。又、サンプリング数は、1周につき8点行っている。
次に、画像形成銃置条件の目標の電位へ調整制御について説明する。
1次電流を補正後の条件に切り替えた後、グリッド電圧を、600V〜900Vまでの間で100V間隔で変更して各条件で得られた表面電位Vds(600)〜Vds(900)のサンプリングを行う。本実施の形態2では、4段階の電位を見ているが、1次電流が固定された条件では、図8からも分かるようにドラム方向の電流の、グリッドバイアスに対する増加分は1次関数的に近いので、2点以上測定すれば良く、4点に限られた制御を行う必要はない。
但し、サンプリングの精度や、この電位制御後に目標の電位が濃度調整等で条件変更された場合に対して、十分な精度を持たせるには、複数点測定しておいた方が良い。
本装置で4段階のステップで測定している理由は、1次電流の補正が必要なのかを判断するためのステップを行った際に、帯電能が良いドラムの場合には、補正も必要がなく、又、グリッド電位も小さくて良いため、600V〜900Vのステップで細かく確認した例を示しているのであって、必ず4ステップの確認が本発明で限定されるものではない。
上記のグリッド電位を変化させた場合に測定した結果より、目標の電位を含む2点間のサンプリング電位を用いて、線形補間でグリッド電位の設定を行う。
図8の説明では、サンプリングデータより、計算のみでグリッド電圧を決定したが、この跡に継続して、計算で得られたVgに変更して、確認工程の付加、レーザー露光装置の光量を変化させて、所定の露光部電位の調整を行う工程を付加しても構わない。
アモルファスシリコンのE−V特性である。 アモルファス感光体の層構成である。 本画像形成装置の全体構成である。 ドラム方向電流と表面電位の関係である。 1次電流と表面電位である。 表面電位と電位ムラの関係である。 グリッド電圧とドラム方向電流である。 電位制御のモデル図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電器
3 放電ワイヤー
4 グリッド
5 露光装置
6 電位検知手段
7 第1現像手段
8 第2現像手段
9 中間転写態
10 転写
11 クリーニング
12 光除電

Claims (6)

  1. 像担持体と、該像担持体を帯電させるコロナ帯電装置と、帯電された前記像担持体上に光書き込みによる静電潜像を形成する露光装置と、前記像担持体上の静電潜像を顕像する現像装置と、前記像担持体上の表面電位を検知する電位検知手段と、前記電位検知手段により検知し、静電潜像が形成された像担持体の表面電位が目標値となるように前記帯電手段に印加する電圧値、電流値の調整手段を備えた画像形成装置において、
    前記像胆持体を前記表面電位検知手段位置の目標表面電位Vds(T)を得るために必要な放電電流を、α(μA/cm)とし、前記像胆持体の帯電能力の上限値をα(min)、帯電能力下限値α(max)とし、帯電像値の感光体軸方向の放電領域をL(cm)、帯電線に印加する総電流をIp(μA)、電流最大設定値をIp(max)、帯電器シールド板、グリッド線へのの印加電圧をVg、流れ込み電流をIgとし、ドラム方向電流Id=(Ip−Ig)、放電効率を、総電流Ipに対するIdrの割合η=Idr/Ip×100(%)と定義するとき、
    Idr(min)=α(min)×L
    Idr (max) =α(max)×L
    とし、必要ドラム方向電流の上下限値と、帯電手段の最大出力値Ip(max)を用いて、
    η(max)≧[Idr(max)/Ip(max)]
    η (min)≦[Idr(min)/Ip(max)]
    の範囲の条件で算出される放電高率の範囲で、帯電線に印加する電流Ipと、グリッド、シールドに印加する電圧Vgの両方の条件を変更して、前記像担持体の目標表面電位Vdsを制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記η(max)の条件で、前記像担持体の必要ドラム方向電流量α(min)、α(max)の条件時の総電流値をIp(min)、Ip(max)とし、前記像担持体の帯電特性において、ドラム方向電流Idrの増加量ΔIdrに対す、表面電位の増加ΔVとし、その傾きをβ=ΔV/ΔIdrとするとき、
    前記α(min)、α(max)に対応する像胆持体の帯電能の傾きを、β(min)、β(max)、
    β(mid)=(β(min)+β(max))/N
    Idr(mid)=(Idr(min)+Idr(max)/N
    とするとき、帯電線に印加する基準電流設定Ip(mid)を、
    Ip(mid)=[(Ip(main)+Ip(min))/N ]
    の条件に設定し、所定のグリッド電圧Vg設定値で得られる前記表面電位検知手段で得られた電位Vdsと、目標とする表面電位Vds(T)との差分ΔV=Vds(T)−Vdsを算出し、ΔV<0の場合は、前記Ip(mid)の補正を行わず、ΔV≧0の条件において、
    基準電位Vds(Base)=Vds(T)−[(Idr(max)−Idr(mid) )×β(max)]
    の関係式を用いて算出し、像胆持体の帯電能傾きβを
    (Vds −Vds(base))/(Vds(T−Vds(Base) ) ×(β(mid) −β(max) )+β(max )
    の関係式より算出する演算手段を備え、前記、帯電線印加電流に対し、IP=Ip(mid)+ΔV×βの補正制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  3. 数値Nの設定範囲が、Ip(min)+Ip(max)=Aとするとき、
    A/Idr(max) ≦N≦A/Idr(min)
    の範囲の条件を用いることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記像胆持体の表面電位検知手段位置におけ目標表面電位Vds(T)が得られる、像担持体の必要ドラム方向電流α(μA/cm)範囲が、5≦α≦10(μA/cm)であることを特徴とする像胆持体を用いたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  5. 前記請求項2記載の、ドラム方向電流Idr の増加量Δidr に対する、表面電位の増加ΔV とし、その傾きをβ= ΔV/ΔIdr が前記帯電能の傾きβ=2.1〜3.75 (V/μA)の範囲であることを特徴とする帯電特性を持つ像担持体を備えたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体が、アモルファスシリコン像担持体であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010044127A (ja) * 2008-08-10 2010-02-25 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2017227821A (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

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