JP2011180460A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より簡易な構成で、実際の出力画像に与えるゴーストの影響を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、制御手段71が、帯電処理及び除電処理を行いながら、感光体1を像露光手段3により第1の露光量レベルで露光し、感光体の1周後に像露光手段により第1の露光量レベルより低い第2の露光量レベルで露光した後、現像手段によりトナーで現像した第1の部分と、帯電処理及び除電処理を行いながら、感光体を像露光手段により第2の露光量レベルより低い第3の露光量レベルで露光し、感光体の1周後に像露光手段により第2の露光量レベルで露光した後、現像手段によりトナーで現像した第2の部分と、を有する試験トナー像を形成させ、該試験トナー像の第1の部分及び第2の部分の画像濃度を画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて前露光手段の露光量レベルを制御する構成とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、電子写真感光体(感光体)の表面を帯電装置によって一様に帯電処理し、帯電した感光体の表面を像露光装置によって露光して静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、このトナー像を用紙などの転写材に転写し、そのトナー像を転写材に定着させる。その後、トナー像が定着された転写材を画像形成装置から出力する。
上述のような画像形成動作の後、次の画像形成動作の前に、LEDなどの光源を有する前露光装置により感光体に光を照射(前露光)し、感光体の表面を除電する。これにより感光体上の電位としての画像履歴(以下「ゴースト」という。)を除去する。ゴーストが生じると、その電位に応じたトナー像が形成されて、出力画像の濃度ムラが生じる。
従来、一般に、前露光装置は、一定の電圧を入力することにより、その照射光量が決定されていた。
又、特許文献1には、感光体の表面電位を検知する電位センサーにより感光体の表面電位の情報を読み取り、その情報に基づいて前露光装置の照射光量を制御する方法が提案されている。
ところで、フルカラー画像形成装置においては、良好なカラーバランスを確保するために、各原色の濃度特性を維持することが重要であるため、次のような濃度制御が行われている。例えば、感光体上又は中間転写体上に各原色のトナーパッチ(理想的状態では所定の目標値濃度を有する原色のトナー像)を形成し、これらトナーパッチの濃度を濃度センサーによって測定する。そして、測定した濃度と目標値との偏差を求め、その結果に基づいて濃度特性などの画像形成条件を設定する。
又、特に高速機などにおいて、感光体にアモルファスシリコンが用いられている。アモルファスシリコンを用いた感光体(アモルファスシリコン感光体)は、有機光導電体(OPC)を用いた感光体(OPC感光体)に較べて高耐久、高寿命である。
特開平11−194554号公報
電子写真方式の画像形成装置では、その使用量の増加に伴ってゴーストのレベルが悪化して行く。これは、前露光装置の光源の寿命により、画像形成装置の使用量の増加に伴って前露光装置の照射光量(前露光量)が小さくなることに起因する。
ゴーストは、前露光量が大きいほどレベルが良く、前露光量が小さいほどレベルが悪い。これは、前露光により感光体を除電する効果の差によるものであると考えられる。そのため、OPC感光体に較べて高耐久、高寿命のアモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置では、OPC感光体を用いた画像形成装置に較べて、画像形成装置の使用量の増加に伴ってゴーストのレベルが悪化し易い。
そこで、画像形成装置の使用量の増加に伴う前露光量の減少を考慮して、予め十分大きな前露光量に設定しておくことが考えられる。しかしながら、過剰な前露光量により感光体の内部に発生したキャリアをキャンセルするのに、感光体の帯電電荷が消費されてしまう。このため、前露光量が大きいほど、感光体の帯電能は悪化し、十分な感光体の表面電位を得ることができないことがある。特に、一般にOPC感光体に較べて帯電能の低いアモルファスシリコン感光体では、この方法によるゴーストの抑制はより困難である。
又、上述のように感光体の表面電位を検知して前露光量を制御する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この方法は、感光体上のゴーストの電位の検知結果のみに基づいて前露光量を制御する方法である。そのため、実際のトナー像を形成した場合に、ゴーストの影響で濃度ムラが発生した画像(以下「ゴースト画像」という。)がどの程度発生するのかは予想が困難である。更に、画像形成装置の小型化により、感光体の表面電位を検知する電位センサーを感光体の近傍に配置することが困難になってきている。又、画像形成装置のコストの点でも、電位センサーを省くことができれば有利である。
従って、本発明の目的は、より簡易な構成で、実際の出力画像に与えるゴーストの影響を抑制することができる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、回転可能な感光体と、前記感光体を帯電位置で帯電させる帯電処理を行う帯電手段と、帯電した前記感光体を露光して静電像を形成する像露光手段と、前記感光体に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、前記感光体に形成されたトナー像を転写位置で被転写体に転写させる転写手段と、前記感光体の回転方向において前記転写位置の下流且つ前記帯電位置の上流で前記感光体を露光して前記感光体を除電する除電処理を行う前露光手段と、形成されたトナー像の画像濃度を前記感光体上で又は前記被転写体に転写した後に前記被転写体上で検知する画像濃度検知手段と、前記前露光手段の露光量レベルを制御する制御手段と、を有する画像形成装置において、前記制御手段は、前記帯電処理及び前記除電処理を行いながら、前記感光体を前記像露光手段により第1の露光量レベルで露光し、前記感光体の1周後に前記像露光手段により前記第1の露光量レベルより低い第2の露光量レベルで露光した後、前記現像手段によりトナーで現像した第1の部分と、前記帯電処理及び前記除電処理を行いながら、前記感光体を前記像露光手段により前記第2の露光量レベルより低い第3の露光量レベルで露光し、前記感光体の1周後に前記像露光手段により前記第2の露光量レベルで露光した後、前記現像手段によりトナーで現像した第2の部分と、を有する試験トナー像を形成させ、該試験トナー像の前記第1の部分及び前記第2の部分の画像濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて前記前露光手段の露光量レベルを制御することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、より簡易な構成で、実際の出力画像に与えるゴーストの影響を抑制することができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。 コロナ帯電器の一例の断面図である。 コロナ帯電器で帯電処理する感光体ドラムの電位制御を説明するためのチャート図である。 濃度センサーの配置態様を説明するための斜視図である。 前露光量とゴースト電位との関係の一例を示すグラフ図である。 ゴースト電位の定義を説明するためのチャート図である。 ゴースト電位と濃度差との関係の一例を示すグラフ図である。 前露光量と感光体帯電電位との関係の一例を示すグラフ図である。 ゴースト検知用パッチを説明するための模式図である。 本発明に従う前露光量の制御の一例を説明するためのフローチャート図である。 本発明に従う前露光量の制御の一例を説明するための前露光量と濃度差との関係の一例を示すグラフ図である。 本発明に従う前露光量の制御の他の例を説明するためのフローチャート図である。 本発明に従う前露光量の制御の他の例を説明するための前露光量と濃度差との関係の一例を示すグラフ図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
1.画像形成装置の全体的構成
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面を示す。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を利用してフルカラー画像の形成が可能な中間転写方式を採用したタンデム構造の画像形成装置である。
画像形成装置100は、画像形成部として、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)のトナー像をそれぞれが形成する第1、第2、第3、第4の画像形成部10Y、10M、10C、10Kを有する。4つの画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、中間転写体としての中間転写ベルト20の表面の移動方向に沿って並置されている。
尚、本実施例では、各画像形成部の構成及び動作は共通する部分が多い。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの画像形成部について設けられた要素であることを表すために図中符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して総括的に説明する。
先ず、画像形成部10は、第1の像担持体としての回転可能なドラム型の電子写真感光体(感光体)、即ち、感光体ドラム1を有する。本実施例では、第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cの感光体ドラム1Y、1M、1Cの直径よりも、第4の画像形成部10Kの感光体ドラム1の直径の方が大きい。又、本実施例では、第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cの感光体ドラム1Y、1M、1Cとしては、OPC感光体を使用した。モノクロ画像に使用される第4の画像形成部10Kの感光体ドラム1Kとしては、使用頻度が多いため、耐磨耗性に優れたアモルファスシリコン感光体を使用した。
次に、各感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1の表面を帯電させる帯電手段2が設けられている。
次に、各感光体ドラム1の周囲には、帯電した感光体ドラム1に静電潜像(静電像)を書き込む像露光手段としての像露光装置3が配置されている。本実施例では、像露光装置3は、レーザースキャナーである。本実施例では、像露光装置3の照射光量(像露光量)は、00(00hex)から255(FFhex)の256レベルで制御される。
本実施例では、第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cでは、帯電手段2として、帯電ロ−ラ2Y、2M、2Cを用いた。帯電ローラ2Y、2M、2Cは、感光体ドラム1Y、1M、1Cに対して、近接又は接触して配置される。帯電ローラ2Y、2M、2Cには、帯電電圧印加手段としての帯電電源から、直流電圧と交流電圧とを重畳した帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。これにより、感光体ドラム1Y、1M、1Cの表面は所定の電位に帯電処理される。本実施例では、帯電バイアスの直流電圧は、500V〜900Vの範囲で、目標とする感光体ドラム1の帯電電位に調整される。又、帯電バイアスの交流電圧は、周波数を1000〜2000Hz、ピーク感電圧Vppを1000〜2000Vの範囲に調整される。第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cでは、感光体ドラム1Y、1M、1Cの帯電電位は、帯電ローラ2Y、2M、2Cに印加する直流電圧の電位に収束するため、帯電電位の制御を必要としない。
本実施例では、第4の画像形成部10Kでは、帯電手段2として、スコロトロン方式のコロナ帯電器2Kを用いた。図2に示すように、コロナ帯電器2Kは、感光体ドラム1Kに対向する位置に、断面略コ字型のシールドケース50(50a、50b)を有する。シールドケース50の感光体ドラム1に対向する正面側には、感光体ドラム1Kの回転軸方向に沿って、正面開口部51が形成されている。このシールドケース50の内側に、シールドケース50の長手方向(感光体ドラム1Kの回転軸方向)に沿って、放電ワイヤ54が設けられている。放電ワイヤ54は、その両端で支持部材(図示せず)に支持されている。シールドケース50の正面開口部51には、感光体ドラム1Kに対向して、グリッド52が配設されている。グリッド52は、多数のステンレススチール(SUS)製の線材で構成されている。シールドケース50の背面側には、シールドケース50の長手方向に沿って、背面開口部53が形成されている。本実施例では、シールドケース50は、その高さの寸法が30mm、幅(内面)が44mmである。又、放電ワイヤ54には、帯電電圧印加手段としての帯電電源が接続されており、この帯電電源から帯電電圧(帯電バイアス)として、直流電圧が印加される。シールドケース50及びグリッド52には、帯電電圧を一定電位に保持する目的で、バリスタなどの定電圧素子が接続されている。又、本実施例では、第4の画像形成部10Kにおいて、感光体ドラム1Kとして長寿命なアモルファスシルコン感光体を用い、帯電手段としてコロナ帯電器2Kを用いる。そのため、第4の画像形成部10Kでは、感光体ドラム1Kの帯電処理が行われる帯電位置から静電潜像へのトナーの供給が行われる現像位置までの感光体ドラム1Kの表面電位の暗減衰が大きい。そのため、第4の画像形成部10Kでは、感光体ドラム1Kに対向して、表面電位センサー17が設けられている。電位センサー17は、感光体ドラム1Kの回転方向(表面の移動方向)において、像露光が行われる像露光位置の下流、且つ、現像位置の上流に配置されている。電位センサー17は、コロナ帯電器2Kのグリッド52に印加される電圧に応じて変化する感光体ドラム1Kの帯電電位を測定する。そして、感光体ドラム1の帯電電位が目標の帯電電位となるように、コロナ帯電器2Kのグリッド52に印加する電圧(グリッド電圧)が調整される。これにより、感光体ドラム1Kの表面は、所定の電位に帯電処理される。
図3は、第4の画像形成部10Kにおける、感光体ドラム1の電位制御時の時間経過による感光体ドラム1Kの電位(電位センサーの測定結果)の推移を示す。最初に、コロナ帯電器2Kのグリッド電圧(図3中Vg1、Vg2、Vg3)を変更し、その時に電位センサー17により感光体ドラム1Kの帯電電位を測定する。そして、グリッド電圧を、目標とする帯電電位であるVD=500Vが得られるグリッド電圧に調整する。続いて、像露光装置3Kの光量を2段階に変更し、各光量にて感光体ドラム1Kを露光して露光部の電位を2段階に変更し、この露光部の電位を電位センサー17により測定する。そして、その電位の測定結果に基づき、目標とする露光部電位であるVL=200Vが得られるように像露光装置3の光量を調整する。尚、VD、VLの目標値は、常に固定された値でなくてもよく、条件に応じて変更することができる。
次に、各感光体ドラム1の周囲には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーが収容され、感光体ドラム1上の静電潜像を各色のトナーで現像する現像手段としての現像装置4が配置されている。
本実施例では、第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cでは、現像方式として二成分磁気ブラシ方式が採用されている。即ち、第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cの現像装置4Y、4M、4Cは、現像剤として非磁性トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)とを備える二成分現像剤を使用する。又、現像装置4Y、4M、4Cは、現像剤担持体として内部に磁界発生手段としてのマグネットを内蔵する現像スリーブを有し、この現像スリーブに二成分現像剤を担持して、感光体ドラム1Y、1M、1Cと対向する現像位置まで搬送する。現像位置では、二成分現像剤が磁界の作用により現像スリーブ上で穂立ちして磁気ブラシを形成し、感光体ドラム1Y、1M、1Cに近接又は接触する。そして、現像剤電圧印加手段としての現像電源から現像スリーブに所定の現像電圧(現像バイアス)が印加されて、感光体ドラム1Y、1M、1Cに形成された静電潜像に応じて、磁気ブラシから感光体ドラム1Y、1M、1Cへとトナーが転移する。
本実施例では、第4の画像形成部10Kでは、現像方式として一成分ジャンピング現像方式が採用されている。即ち、第4の画像形成部10Kの現像装置4Kは、現像剤として非磁性トナー粒子(トナー)から成る一成分現像剤を使用する。又、現像装置4Kは、現像剤担持体として現像ローラを有し、この現像ローラにトナーを担持して、感光体ドラム1Kと対向する現像位置まで搬送する。そして、現像剤電圧印加手段としての現像電源から現像ローラに所定の現像電圧(現像バイアス)が印加されて、感光体ドラム1Kに形成された静電潜像に応じて、現像ローラから感光体ドラム1Kへとトナーが飛翔する。
次に、各感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1に担持されたトナー像を中間転写ベルト20に転写させる一次転写手段としての一次転写部材である一次転写ローラ5が配置されている。
次に、各感光体ドラム1の周囲には、一次転写後の感光体ドラム1の表面を清掃するための手段が設けられている。
本実施例では、第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cでは、クリーナレスシステムが採用されている。そして、感光体ドラム1Y、1M、1Cの周囲には、一次転写後に転写材Pに転写されずに感光体ドラム1Y、1M、1C上に残留したトナー像の履歴を消去する、トナー除電手段としてのブラシ部材4が配置されている。即ち、第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cでは、一次転写後に感光体ドラム1Y、1M、1Cの表面に残留するトナー像を、ブラシ部材8により均すと共に、このブラシ部材8を用いて感光体ドラム1Y、1M、1C及びトナーの除電を行う。その後、感光体ドラム1Y、1M、1Cの表面のトナーは、帯電ローラ2Y、2M、2Cを通過する。この時、帯電ローラ2Y、2M、2Cにより感光体ドラム1Y、1M、1Cの表面を所定の帯電電位に帯電させると共に、感光体ドラム1Y、1M、1Cの表面のトナーの帯電極性を現像装置4Y、4M、4C内のトナーの正規の帯電極性に調整する。その後、感光体ドラム1Y、1M、1Cの表面のトナーを、現像装置4Y、4M、4Cが現像スリーブ上に形成された磁気ブラシによって回収する。
本実施例では、第4の画像形成部10Kでは、クリーナレスシステムは採用されていない。そして、感光体ドラム1Kの周囲には、一次転写後に感光体ドラム1K上に残留したトナーなどの付着物を除去する感光体クリーニング手段としてのドラムクリーナ6が配置されている。ドラムクリーナ6は、クリーニング部材としての板状の弾性部材であるクリーニングブレードを有し、このクリーニングブレードを感光体ドラム1Kの表面に当接させて感光体ドラム1Kの表面からトナーなどの付着物を掻き取って廃トナー容器に回収する。尚、本実施例では、ドラムクリーナ6により回収するトナーを均すために、ブラシローラ7が感光体ドラム1Kに当接して配置されている。
次に、各感光体ドラム1の周囲には、前露光手段(感光体除電手段、光除電手段)としての前露光ランプ9が配置されている。前露光ランプ9は、感光体ドラム1の表面の移動方向において、一次転写部(一次転写位置)N1より下流、且つ、帯電位置より上流で感光体ドラム1を露光するように設けられる。特に、第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cでは、ブラシ部材8Y、8M、8Cの当接部の下流、且つ、帯電位置より上流で感光体ドラム1Y、1M、1Cを露光するように設けられる。又、特に、第4の画像形成部10Kでは、ドラムクリーナ6の当接部の下流、且つ、帯電位置より上流で感光体ドラム1Kを露光するように設けられる。前露光ランプ9は、感光体ドラム1を露光して画像形成前の感光体ドラム1の表面を均一に除電し、感光体ドラム1上のゴーストを除去する(除電処理)。本実施例では、前露光ランプ9は、感光体ドラム1の回転軸方向に沿って複数の光源としてのLEDが配列されたLEDアレイである。
又、各感光体ドラム1に対向して、各感光体ドラム1から各色成分のトナー像が転写される第2の像担持体(被転写体)である中間転写体として、無端状のベルトである中間転写ベルト20が設けられている。中間転写ベルト20は、複数の支持ローラとして駆動ローラ21、従動ローラ22、二次転写内ローラ23に掛け回されている。中間転写ベルト20の内周面側には、中間転写ベルト20を介して各感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kと対向して、上記一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kが配置されている。各一次転写ローラ5は、中間転写ベルト20を各感光体ドラム1に向けて押圧して、各感光体ドラム1と中間転写ベルト20とが接触する一次転写部N1を形成する。駆動ローラ21は、回転駆動源から回転動力を受けて、中間転写ベルト20を回動走行させる。従動ローラ22は、中間転写ベルト20に連れ回されて回転する。又、二次転写内ローラ23は、二次転写外ローラ24との間で中間転写ベルト20を挟持して、二次転写外ローラ24と中間転写ベルト20とが接触する二次転写部(二次転写位置)N2を形成する。二次転写内ローラ23と二次転写外ローラ24とで、二次転写手段が構成される。
各一次転写ローラ5には、一次転写電圧印加手段としての一次転写電源が接続されている。一次転写ローラ5には、画像形成時に、一次転写電源からトナーの帯電極性とは逆極性の一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。又、二次転写内ローラ23には、二次転写電圧印加手段としての二次転写電源が接続されている。二次転写内ローラ23には、画像形成時に、二次転写電源からトナーの帯電極性と同極性の二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。尚、二次転写外ローラ24に、二次転写電圧印加手段としての二次転写電源が接続され、二次転写外ローラ24に、画像形成時に、二次転写電源からトナーの帯電極性とは逆極性の二次転写電圧が印加されるようにしてもよい。
二次転写内ローラ23としては、金属製の芯材の外周に、内側に発泡弾性体層、外側に導電層を被覆してなる二層構成のEPDMゴム製の弾性層を設けたものを用いることができる。外側の導電層は、カーボンブラックを例えば15〜35重量%分散した半導電性のEPDM発泡ゴムで形成し、厚さを例えば0.5〜1.5mmに設定し、表面抵抗率を例えば7〜10Ω/□に制御する。又、二次転写外ローラ24としては、次のようなものを用いることができる。即ち、金属製の芯材と、この金属製の芯材の周囲に固着されたカーボンブラックを分散した発泡EPDM材料からなるコア層にスキン層を介して例えば5〜20μmの厚さのフッ素樹脂系材料からなるコーティング層を形成したものとから成るものである。金属製の芯材とコーティング層との間の体積抵抗率は4〜5logΩcmである。
中間転写ベルト20を挟んで駆動ローラ21と対向する位置には、二次転写後に中間転写ベルト20上に残留したトナーなどの付着物を除去する、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーナ25が配置されている。
中間転写ベルト20のベルト本体の材料としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂を用いることができる。或いは、各種ゴムにカーボンブラックなどの導電剤を適当量含有させ、その体積抵抗率を例えば5〜15logΩcmに制御し、厚さを0.1mmに設定したものを用いることができる。
図4に示すように、中間転写ベルト20には、転写材Pに転写されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像の画像濃度を適正に調整するために、濃度検知用の試験トナー像である各色の濃度検知用パッチ30が形成される。画像形成装置100には、濃度検知用パッチ30の濃度を測定するために、画像濃度検知手段としての正反射型の光学センサーである濃度センサー26が設けられている。濃度センサー26は、中間転写ベルト20の表面の移動方向において第4の画像形成部10の一次転写部N1Kより下流側、特に、本実施例では従動ローラ22に対向する位置に配置されている。本実施例では、濃度センサー26は、中間転写ベルト20とされる被転写体上のトナー像の画像濃度を検知する。
濃度センサー26は、濃度検知用パッチ30を検知して、その濃度に応じた検知信号を出力する。即ち、中間転写ベルト20に所定の光量の検知光を照射し、中間転写ベルト20又はその上の濃度検知用パッチからの正反射光を受光して、濃度検知用パッチ30の有無又はその濃度によって変化する信号を出力する。この濃度センサー26の出力信号は、画像形成装置100の制御部70に設けられた制御手段(制御装置)としてのCPU71に入力される。CPU71は、入力された濃度センサー26の出力信号差に基づいて、トナー像濃度信号に変換し、それに基づいて濃度検知用パッチ30の濃度の測定値を求める。又、CPU71は、濃度検知用パッチの濃度の測定値に基づいて、転写材P上の画像濃度と階調濃度が最適になるよう、トナー補給又は画像形成条件の設定の制御に反映させる。
濃度検知用パッチの濃度の測定は、第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cについては、二成分現像剤のトナーとキャリアとの混合比を所定の比率に維持するため、及び階調補正制御のために実施する。第4の画像形成部10Kについては、一成分現像方式を採用しているため、トナーの補給量を調整するために濃度検知用パッチの形成、濃度測定を必要としないが、階調補正制御のために実施する。
尚、図4に示すように、画像形成装置100には更に、レジストレーション(色ずれ)調整用の試験トナー像を測定するための光学センサーであるレジセンサー27が設けられている。
ここで、前露光ランプ9には、画像形成装置100の制御部に設けられた制御手段(制御装置)としてのCPU71が接続されている。そして、詳しくは後述するように、CPU71は、ゴースト検知用の試験トナー像であるゴースト検知用パッチの濃度を、上記濃度センサー26により検知する。そして、CPU71は、検知したゴースト検知用パッチの濃度情報に基づいて、前露光ランプ9による感光体ドラム1の露光量を制御する。
2.画像形成動作
次に、本実施例の画像形成装置100による画像形成動作について説明する。
例えば、画像形成装置100がデジタルカラー複写機の場合、画像形成装置100が有するか又はこれに接続されたカラー画像読取装置により原稿台上の原稿を読み取り、読取信号を処理回路でデジタル画像信号に変換して、メモリに一時的に格納して蓄積する。この蓄積されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色成分のデジタル画像信号に基づいて、各色のトナー像が形成される。即ち、各色成分のデジタル画像信号に応じて、各画像形成部10を駆動させ、帯電手段2に帯電バイアスを印加して感光体ドラム1の表面を一様に帯電処理する。帯電した感光体ドラム1に、デジタル画像信号に応じた静電潜像を像露光装置3により書き込む。感光体ドラム1に形成した静電潜像を現像装置4により現像してトナー像を形成する。尚、画像形成装置100がプリンタの場合は、外部から入力される各色成分のデジタル画像信号に基づいて、各色のトナー像が形成される。
各感光体ドラム1に形成されたトナー像は、各感光体ドラム1と中間転写ベルト20とが接する各一次転写部N1において、各一次転写ローラ5の作用によって、各感光体ドラム1から中間転写ベルト20の表面に順次に転写(一次転写)される。
第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cでは、一次転写後に感光体ドラム1Y、1M、1Cの表面に残った未転写のトナーなどの付着物は、現像装置4Y、4M、4Cによって回収される。又、第4の画像形成部10Kでは、一次転写後に感光体ドラム1Kの表面に残った未転写のトナーなどの付着物は、ドラムクリーナ6によって回収される。
中間転写ベルト20に重ね合わせて転写されたトナー像は、中間転写ベルト20が回動することによって、二次転写部N2へと送られる。これに同期させて転写材Pが二次転写部N2へと搬送される。そして、バックアップローラである二次転写内ローラ23と協働して、二次転写外ローラ24が転写材Pを挟持する。そして、二次転写部N2において、二次転写内ローラ23と二次転写外ローラ24との間に形成される転写電界の作用によって、中間転写ベルト20に担持されたトナー像が、転写材Pに転写(二次転写)される。
トナー像が転写された記録材Pは、定着手段としての定着装置(図示せず)へと搬送され、ここで転写材P上のトナー像が加熱及び加圧されて定着される。その後、転写材Pは、画像形成装置100の本体(装置本体)の外に設けられた排出トレイ(図示せず)に排出される。又、二次転写後に中間転写ベルト20に残った未転写のトナーなどの付着物は、ベルトクリーナ25によって除去される。
3.ゴーストの抑制
次に、本実施例におけるゴーストの発生を抑制するための制御について説明する。
ゴーストは、前露光量が大きいほどレベルが良く、前露光量が小さいほどレベルが悪い。これは、前露光による感光体ドラム1の除電効果の差によるものであると考えられる。図5は、前露光量と感光体ドラム1上のゴーストの電位(ゴースト電位)との関係を調べた実験結果を示す。
ここで、ゴースト電位とは、次のようにして測定されたものとする。
図6を参照して、先ず、帯電手段2により感光体ドラム1の帯電処理をしながら、像露光装置3による露光を行って、次のような感光体ドラム1の表面電位状態Aを形成する。即ち、像露光装置3の像露光量レベルをFFhex(第1の像露光量レベル)として、感光体ドラム1の周方向の長さ1cmの部分を露光する。その後、像露光量レベルを80hex(第2の像露光量レベル)として感光体ドラム1を1周にわたって露光する。そして、上記FFhexの像露光量レベルで露光した感光体ドラム1の周方向の長さ1cmの部分を、感光体ドラム1の1周後に80hexの像露光量レベルで露光した後に、その部分の表面電位(第1の表面電位)A1を測定する。
次に、帯電手段2により感光体ドラム1の帯電処理をしながら、像露光装置3による露光を行って、次のような感光体ドラム1の表面電位状態Bを形成する。即ち、像露光量レベルを00hex(第3の像露光量レベル)として、感光体ドラム1の周方向の長さ約1cmの部分を露光する(即ち、像露光しない。)。その後、像露光量レベルを80hex(第2の像露光量レベル)として感光体ドラム1を1周にわたって露光する。そして、上記00hexの像露光量レベルで露光した感光体ドラム1の周方向の長さ1cmの部分を、感光体ドラム1の1周後に80hexの像露光量レベルで露光した後に、その部分の表面電位(第2の表面電位)B1を測定する。
こうして、表面電位状態Aで測定された第1の表面電位A1と、表面電位状態Bで測定された第2の表面電位B1と、の電位差(第2の表面電位B1−第1の表面電位A1)をゴースト電位とした。
ゴースト画像が目視で許容できるレベルとなるゴースト電位の上限は5V程度である。図7は、ゴースト電位と、その影響によるゴースト画像の濃度の本来の画像の濃度からの差と、の関係を示す。図7から分かるように、ある一定のゴースト電位以上になると、画像濃度の差として顕著に表れる。従って、ゴースト電位が所定の値より小さくなるように前露光ランプ9の露光量を設定することが望まれる。
一方、前露光量が大きいほど感光体ドラム1の帯電能は悪く、前露光量が小さいほど感光体ドラム1の帯電能は良い。図8の前露光量と感光体ドラム1の帯電電位との関係は、このことを示している。これは、前露光により感光体ドラム1の内部に発生したキャリアをキャンセルするのに帯電電荷が消費されてしまうからである。従って、前露光ランプ9の前露光量を大きくし過ぎることは望ましくない。
このような観点から前露光量は決定される。しかし、前露光量は、前露光ランプ9の寿命により、画像形成装置100の使用量の増加に伴って小さくなる。その結果、画像形成装置100の使用量の増加に伴ってゴーストのレベルが悪化する。
ここで、前露光量の減少を考慮して、予め十分大きな前露光量に設定しておくことが考えられる。しかしながら、上述のように、前露光量が大きいほど感光体ドラム1の帯電能は悪くなる。そのため、この方法では、十分な感光体ドラム1の表面電位を得ることができないことがある。又、装置本体に感光体ドラム1の表面電位を検知する電位センサーを設け、この電位センサーにより検知した感光体ドラム1の表面電位の情報に基づいて前露光量を制御する方法がある。しかしながら、前述のように、この方法は、画像形成装置100のコストやサイズの制約がある。
そこで、本実施例では、ゴースト検知用の試験トナー像であるゴースト検知用パッチを形成し、このゴースト検知用パッチにおけるゴーストが発生している箇所の濃度と、ゴーストが発生している箇所以外の箇所の濃度とを、濃度センサー26によって読み取る。そして、CPU71にその情報が入力されて、CPU71がその情報に基づいて前露光ランプ9による前露光量を制御する。本実施例では、ゴースト検知用パッチは、感光体ドラム1に形成された後、中間転写ベルト20に転写され、中間転写ベルト20上で濃度センサー26により検知される。又、本実施例では、ゴースト検知用パッチの形成及び検知は、画像形成装置100の電源をONとした時、又は一定の画像出力枚数毎に、非画像形成時に実施される。非画像形成時は、転写材Pに転写されて出力される画像を形成している画像形成時以外のタイミングである。
図9をも参照して更に説明する。ゴースト検知用パッチ40は、図6の表面電位状態Aにおける第1の表面電位A1の部分をトナーで現像したものに相当する第1の部分41と、図6の表面電位状態Bにおける第2の表面電位B1の部分をトナーで現像したものに相当する第2の部分42とを有する。
即ち、先ず、帯電手段2により感光体ドラム1の帯電処理をしながら、像露光装置3の像露光量レベルをFFhex(第1の像露光量レベル)として、感光体ドラム1の周方向の長さ1cm、回転軸方向の長さ1cmの略正方形の部分を露光する。次いで、この部分をトナーで現像する。これにより、感光体ドラム1上に仮パッチトナー像43が形成される。この仮パッチトナー像43は、現像装置4(第1〜第3の画像形成部)又はドラムクリーナ(第4の画像形成部)で感光体ドラム1上から除去される。その後、感光体ドラム1の1周後に、上記FFhexの像露光量レベルで露光した部分を略中央に含むように、感光体ドラム1の周方向の長さ1.5cm、回転軸方向の長さ1.5cmの略正方形の部分を、像露光量レベルを80hex(第2の像露光量レベル)として露光する。この80hexの像露光量レベルで露光した1.5cm×1.5cmの部分のうち、感光体ドラム1の1周前にFFhexの像露光量レベルで露光された部分の周囲の部分は、感光体ドラム1の1周前には、00hex(第3の像露光量レベル)で露光されている(即ち、像露光されていない)。次いで、この1.5cm×1.5cmの部分(1周前にFFhexの像露光量レベルで露光された1cm×1cmの部分を含む)をトナーで現像する。
これにより、FFhex、80hexの像露光量レベルで露光された略中央の1cm×1cmの第1の部分41と、その周辺の00hex、80hexの像露光量レベルで露光された第2の部分42と、から成るゴースト検知用パッチ40が感光体ドラム1上に形成される。このゴースト検知用パッチ40は、中間転写ベルト20に転写される。そして、中間転写ベルト20上で、第1の部分41の濃度と第2の部分42の濃度が、濃度センサー26によって検知される。CPU71は、その検知結果に基づいて、第1の部分41の濃度と第2の部分42の濃度との濃度差を算出し、その算出結果に基づいて、前露光ランプ9による前露光量を制御する。
尚、ゴースト検知用パッチ40の大きさは上記の大きさに限定されるものではなく、濃度センサー26の検知精度などに応じて適宜設定することができる。但し、トナー消費量を考えると、ゴースト検知用パッチの大きさは小さいほうが望ましい。
上述のようにして、CPU71は、前露光ランプ9の前露光量の制御を行う。要するに、CPU41は、第1の部分41と第2の部分42とを有するゴースト検知用パッチ40を形成させる。そして、該ゴースト検知用パッチ40の第1の部分41及び第2の部分42の画像濃度を濃度センサー26により検知した結果に基づいて前露光ランプ9の露光量レベルを制御する。第1の部分41は、次のようにして形成される。即ち、帯電処理及び除電処理を行いながら、感光体ドラム1を像露光装置3により第1の露光量レベルで露光し、感光体ドラム1の1周後に像露光装置3により第1の露光量レベルより低い第2の露光量レベルで露光した後、現像装置4によりトナーで現像する。又、第2の部分42は、次のようにして形成される。即ち、帯電処理及び除電処理を行いながら、感光体ドラム1を像露光装置3により第2の露光量レベルより低い第3の露光量レベルで露光し、感光体ドラム1の1周後に像露光装置3により第2の露光量レベルで露光した後、現像装置4によりトナーで現像する。典型的には、次式、|第1の部分の画像濃度−第2の部分の画像濃度|<所定濃度、を満足するまで、前露光ランプ9の露光量レベルを上げて、ゴースト検知用パッチ40の画像濃度を検知する動作を繰り返す。そして、上記式を満足するゴースト検知用パッチ40の形成時の前露光ランプ9の露光量レベルを、出力画像形成時の前露光ランプ9の露光量レベルとして設定する。
次に、図10を参照して、本実施例における前露光量の制御について説明する。図10は、本実施例における前露光量の制御の流れを示す。
ここで、本実施例では、当該前露光量の制御は、画像形成装置100に設けられ画像形成装置100の動作を統括的に制御する制御部70が有する制御手段(制御装置)としてのCPU71によって行われる。CPU71は、記憶手段としての制御部70が有するメモリ71に記憶されたプログラム、データに従って当該前露光量の制御を行う。
又、本実施例では、当該前露光量の制御は、アモルファスシリコン感光体を使用する第4の画像形成部10について行う。但し、当該前露光量の制御は、OPC感光体を使用する第1、第2、第3の画像形成部10Y、10M、10Cについて行ってもよい。
S101:先ず、CPU71は、当該前露光量の制御を開始すると、前露光ランプ9の前露光量レベルを、制御初期値として第1の前露光量レベルに設定する。第1の前露光量レベルは、毎回の制御において予め決められた同じレベルとすることができる。或いは、第1の前露光量レベルは、画像形成時の前露光量として現在メモリ71に記憶されているレベル(画像形成装置100の使用開始前はデフォルトのレベル)とすることができる。
S102:CPU71は、設定した前露光量レベルで前露光を行いながら、感光体ドラム1上にゴースト検知用パッチ40を形成させる。又、CPU71は、このゴースト検知用パッチ40を感光体ドラム1から中間転写ベルト20に転写させる。又、CPU71は、中間転写ベルト20上のゴースト検知用パッチ40の第1の部分41と第2の部分42の濃度を濃度センサー26によって検知する。そして、CPU71は、検知した第1の部分41の濃度と第2の部分42の濃度との濃度差を算出する。
S103:CPU71は、算出した濃度差が所定値以上であるか否かを判断する。この制御閾値としての濃度差の値は、ゴースト画像が目視で許容できるレベルとなるように設定される。図11に示す前露光量と濃度差との関係において、前露光量αでは濃度差が目視許容レベルを超えているが、前露光量βでは濃度差が目視許容レベルを下回っている。例えば、この目視許容レベルを、上記制御閾値として予めメモリ72に記憶させておくことができる。
S104:CPU71は、S103の判断で濃度差が所定値より小さいと判断した場合は、画像形成時の前露光ランプ9の前露光量レベルを、今回のゴースト検知用パッチ40の形成時の前露光量レベルに設定し、メモリ72に記憶させ、当該制御を終了する。
S105:CPU71は、S103の判断で濃度差が所定値以上あると判断した場合は、前露光量レベルを所定量だけ上げて、第2の前露光量レベルに設定する。その後、上記同様にして、S102以降の制御を繰り返す。
尚、CPU71が、S103の判断で濃度差が所定値以上あると判断した場合に、今回のゴースト検知用パッチ40の形成時の前露光量レベルが、予め決められた前露光量レベルの上限に達しているか否かを判断するようにすることができる。そして、上限に達していると判断した場合は、例えば、画像形成時の前露光量レベルを、今回のゴースト検知用パッチ40の形成時の前露光量レベルに設定し、メモリ72に記憶させ、当該制御を終了することができる。上限に達していないと判断した場合は、上述と同様、前露光量レベルを上げて、ゴースト検知用パッチを検知する動作を繰り返す。又、CPU71が、前露光量レベルが上限に達していると判断した場合に、画像形成装置100に設けられた表示部や画像形成装置100に接続された機器の表示部に、前露光ランプ9が寿命であることなど、必要な表示を行わせるようにしてもよい。
ここで、本実施例では、前露光ランプ9の前露光量レベルを制御する手段として、前露光ランプ9に対する入力電圧を変化させる。例えば、入力電圧値を10段階に変化させることで、前露光量レベルを10段階に変化させることができる。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、前露光ランプ9に対する入力電源の波形のパルス幅を変化させること、或いは前露光ランプ9と感光体ドラム1との間に設けたスリットの開口を変化させることで、前露光量レベルを制御することができる。
尚、前露光量レベルは、予め決められた前露光ランプ9の所定の発光量に対応する制御レベルであるが、前露光ランプ9の使用量(寿命)などにより、同じレベルであっても実際の発光量は変化する。
次に、本実施例の効果について説明する。従来技術により感光体ドラム1の表面電位を電位センサーで読み取った結果から前露光量を制御した場合と、本実施例に従った場合とで、ゴースト画像の発生状況を比較した。ゴースト画像の発生状況は、実際に画像比率が5%の画像を連続で形成し、特定の枚数毎に、上述のゴースト検知パッチ40を紙に転写し、定着させたものを、目視で確認することで評価した。結果を表1に示す。
従来技術では約10000枚以上からゴースト画像が発生した。これは、次のような理由が考えられる。即ち、従来技術では、感光体ドラム1上の表面電位のみでゴースト画像が発生するか否かを判断して前露光量を設定している。しかし、本来、ゴースト画像が発生する要因は様々で、帯電、現像、転写などの各種要因が複雑に絡んでいる。従来技術では帯電のみの影響しか考慮できていないことから、画像形成装置の使用量が増加した段階でゴースト画像が発生したものと考えられる。
これに対して、本実施例では、画像形成装置の使用量が増加しても、ゴースト画像の発生は見られなかった。これは、次のような理由が考えられる。即ち、本実施例では、帯電、現像、転写などの様々な要因が絡んだ後の実際のトナー像でゴースト画像が発生するか否かを判断する。これによって、より最適な前露光量に制御することができるものと考えられる。又、本実施例によれば、ゴーストの検知のために、特別なセンサーなどを新たに設けることなく、画像濃度制御などのために一般に画像形成装置100が有している濃度センサー26を用いることができる。そのため、画像形成装置100のコストやサイズの点で有利である。
以上、本実施例によれば、より簡易な構成で、実際の出力画像に与えるゴーストの影響を抑制することができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例1の方法では、環境変動などによる感光体ドラム1の表面電位状態の突発的な変動に対して前露光量の制御を行うと、何度も前露光量を変更する必要が生じる場合がある。そこで、本実施例では、前露光量の変更を過剰に繰り返すことなく、且つ、精度良く前露光量を制御する方法について説明する。
図12は、本実施例における前露光量の制御の流れを示す。本実施例では、一度の前露光量の制御で、ゴースト検知用パッチを3回形成し、それぞれ濃度センサー26により検知する。
先ず、ゴーストが発生すると予想される弱い光量に相当する第1の前露光量レベルで前露光をしながら、ゴースト検知用パッチ40を形成し、ゴースト検知用パッチ40の第1の部分41の濃度と第2の部分42の濃度との濃度差を算出する(S201)。次に、前露光量レベルを所定量だけ上げて第2の前露光量レベルで前露光をしながら、ゴースト検知用パッチ40を形成し、ゴースト検知用パッチ40の第1の部分41の濃度と第2の部分42の濃度との濃度差を算出する(S202)。次に、前露光量レベルを更に所定量だけ上げて第3の前露光量レベルで前露光をしながら、ゴースト検知用パッチ40を形成し、ゴースト検知用パッチ40の第1の部分41の濃度と第2の部分42の濃度との濃度差を算出する(S203)。典型的には、第1〜第3の前露光量レベルは、ゴースト画像が目視で許容できるレベルとなる前露光量レベルよりも弱い光量に相当するレベルであり、ゴースト検知用パッチ40にはゴースト画像が発生する。
次に、3回のゴースト検知用パッチの形成及び検知動作を行って得られた3点の濃度差データに基づいて直線近似を行う(S204)。そして、濃度差が0となる、即ち、当該直線が濃度差0と交わる前露光量レベルを求め、求めた前露光量レベル以上に画像形成時の前露光量レベルを設定する(S205)。
図13の前露光量と濃度差との関係に示すように、前露光量を強めることで濃度差は減少し、濃度差が無くなるまでほぼ線形で減少する。濃度差がなくなる前露光量以上では、それ以上前露光量を強くしていても濃度差はあまり変わらない。そこで、本実施例では、ゴースト検知用パッチ40の形成時の前露光ランプ9の前露光量レベルを、比較的弱い前露光量レベルとして、ゴースト検知用パッチ40にゴースト画像を発生させる。そして、ゴースト検知用パッチ40の第1の部分41の濃度と第2の部分42の濃度との濃度差を算出した結果から、その濃度差がなくなるのに必要な前露光量レベルを予測する。
以上、本実施例によれば、1回の前露光量の制御において複数のゴースト検知用パッチ40をゴースト画像が発生するような前露光量の設定において形成する。又、そのゴースト検知用パッチ40に発生したゴースト画像の高濃度部と低濃度部との濃度差をそれぞれ算出する。そして、その複数の濃度差データに基づいて画像形成時の前露光ランプ9の前露光量レベルを設定する。これにより、前露光量を、環境変動などによる感光体ドラム1の表面電位状態の突発的な変動に対して過度に敏感に変更することなく、且つ、良好な制御精度を維持することができる。
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上記本実施例では、本発明を多色画像形成装置に適用したが、これに限定されるものではない。本発明は単色画像形成装置にも適用することができ上記実施例と同様の効果を奏し得る。
又、上記実施例では、画像形成装置は中間転写方式を採用するものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、当業者には周知の通り、画像形成部で形成したトナー像を、無端状のベルトなどとされる転写材担持体に担持された転写材に直接転写する直接転写方式の画像形成装置がある。斯かる画像形成装置では、転写材担持体上に試験トナー像を形成して、これを転写材搬送ベルト上で検知して、画像濃度制御などを行うことがある。この場合、転写材担持体は、感光体に形成したトナー像が転写される第2の像担持体(被転写体)である。例えば、このような画像形成装置において、ゴースト検知用パッチを転写材担持体上に形成して、上記実施例と同様の制御を行うことができ、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
又、ゴースト検知用パッチは中間転写体(或いは転写材担持体)に転写した後に中間転写体上で検知することに限定されるものではない。感光体上のトナー像を検知する濃度センサーを有する画像形成装置では、ゴースト検知用パッチは、感光体上に形成して感光体上で検知することができる。
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(第1の像担持体)
2Y、2M、2C 帯電ローラ
2K コロナ帯電器
3Y、3M、3C、3K 像露光装置
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロ−ラ
9Y、9M、9C、9K 前露光ランプ
20 中間転写ベルト(第2の像担持体)
26 濃度センサー
71 CPU

Claims (4)

  1. 回転可能な感光体と、前記感光体を帯電位置で帯電させる帯電処理を行う帯電手段と、帯電した前記感光体を露光して静電像を形成する像露光手段と、前記感光体に形成された静電像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、前記感光体に形成されたトナー像を転写位置で被転写体に転写させる転写手段と、前記感光体の回転方向において前記転写位置の下流且つ前記帯電位置の上流で前記感光体を露光して前記感光体を除電する除電処理を行う前露光手段と、形成されたトナー像の画像濃度を前記感光体上で又は前記被転写体に転写した後に前記被転写体上で検知する画像濃度検知手段と、前記前露光手段の露光量レベルを制御する制御手段と、を有する画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記帯電処理及び前記除電処理を行いながら、前記感光体を前記像露光手段により第1の露光量レベルで露光し、前記感光体の1周後に前記像露光手段により前記第1の露光量レベルより低い第2の露光量レベルで露光した後、前記現像手段によりトナーで現像した第1の部分と、前記帯電処理及び前記除電処理を行いながら、前記感光体を前記像露光手段により前記第2の露光量レベルより低い第3の露光量レベルで露光し、前記感光体の1周後に前記像露光手段により前記第2の露光量レベルで露光した後、前記現像手段によりトナーで現像した第2の部分と、を有する試験トナー像を形成させ、該試験トナー像の前記第1の部分及び前記第2の部分の画像濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて前記前露光手段の露光量レベルを制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記除電処理における前記前露光手段の露光量レベルを上げて前記試験トナー像を形成し、該試験トナー像の前記第1の部分及び前記第2の部分の画像濃度を検知する動作を、前記試験トナー像の前記第1の部分の画像濃度と前記第2の部分の画像濃度との濃度差が所定値より小さくなるまで繰り返させ、前記濃度差が前記所定値より小さくなった際の前記前露光手段の露光量レベルを出力画像形成時の前記前露光手段の露光量レベルとして設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記除電処理における前記前露光手段の露光量レベルを異ならせて複数の前記試験トナー像を形成させて、それぞれの前記試験トナー像について検知された前記第1の部分の画像濃度と前記第2の部分の画像濃度との濃度差を算出し、該濃度差と前記前露光手段の露光量レベルとの関係を求め、該関係に基づいて出力画像形成時の前記前露光手段の露光量レベルを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記関係から求めた前記濃度差が無くなるときの前記前露光手段の露光量レベル以上の露光量レベルを、出力画像形成時の前記前露光手段の露光量レベルとして設定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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