JP2899172B2 - 帯電装置 - Google Patents

帯電装置

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JP2899172B2
JP2899172B2 JP4169133A JP16913392A JP2899172B2 JP 2899172 B2 JP2899172 B2 JP 2899172B2 JP 4169133 A JP4169133 A JP 4169133A JP 16913392 A JP16913392 A JP 16913392A JP 2899172 B2 JP2899172 B2 JP 2899172B2
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    • G03G2215/02Arrangements for laying down a uniform charge
    • G03G2215/026Arrangements for laying down a uniform charge by coronas
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電電子写真における
画像を形成するための記録媒体を帯電、又は除電するた
めの帯電装置に関し、更に詳細には、複写機、プリンタ
等の画像形成装置における記録媒体表面を均一にコロナ
放電により帯電させるためのものであって、記録媒体の
回転軸方向に対して、複数の突起を有する放電電極を有
する帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように静電電子写真方式を利用し
た画像形成装置は、帯電、露光、現像、転写、剥離、ク
リーニング、除電の各プロセス部から構成されている。
すなわち画像を記録する工程は、まず回転駆動される光
導電層を例えばアルミドラムからなる導電性支持体上に
形成された記録媒体である像担持体の表面を帯電装置に
より均一に帯電する。次に帯電された像担持体表面に、
露光光学装置を介して原画像の光画像を露光することに
より、上記光画像に応じた静電潜像を記録する。続い
て、この像担持体上の静電潜像にトナーを静電的に付着
させて現像し、像担持体表面上にトナー像を形成する。
そして転写装置により像担持体上のトナー像を転写材上
に転写し、この転写材上のトナー像は加熱定着装置によ
り定着される。また像担持体表面上に残った転写残留ト
ナーはクリーニング装置により除去され所定の回収部に
回収されると共に、クリーニングされた後の像担持体表
面は除電装置により残留電荷が除去され次の画像形成に
備える。
【0003】像担持体である記録媒体は、例えばOPC
(Organic Photo Conductor)
を光導電層として導電性ドラム上にしてなる感光体であ
り、この記録媒体表面に電荷が付与される帯電装置とし
てはコロナ放電装置が一般に良く利用されている。
【0004】コロナ放電装置とてしては、非常に細い導
電性のワイヤを導電性のシールド板にて記録媒体と対向
する部分以外の周囲を覆い、ワイヤ自身に高電圧を印加
することで、コロナ放電を生じさせ、記録媒体に流れる
電流により帯電電荷を付与するものがある。この他に、
コロナ放電を利用する帯電装置としては、コロナ放電用
のワイヤに代え、列状に多数の先鋭突起を有するノコギ
リ歯状の放電電極を設け、該先鋭突起からのコロナ放電
により帯電を行うものがある。
【0005】上記ノコギリ歯状の放電電極(以下ノコ歯
状電極と記す)を利用した帯電装置としては、例えば 米国特許第4,591,713号明細書(特開昭6
0−158582号公報/対応日本) 米国特許第4,725,731号明細書(特開昭6
3−14176号公報/対応日本) 米国特許第4,725,732号明細書(特開昭6
3−15272号公報/対応日本) 米国特許第4,792,680号明細書(特開昭6
3−180977号公報/対応日本) にて提案されている。
【0006】上記記載の帯電装置は、図7にその概略
の構造を図示しているように、絶縁性のシールドケース
101内に2本並設されたノコ歯状電極102,103
を保持し、シールドケース101の前面に設けられた記
録媒体である感光ドラム107と対向した位置に配置さ
れた網形状の導電性グリッド電極104を設け、感光ド
ラム107表面を帯電させる技術が提案されている。
【0007】また、記載の帯電装置は、図7に示す装
置において、ノコ歯状電極102を支持する手段を設
け、この支持手段に開口部を設け、コロナ放電による生
じるコロナ風の流れを形成することが提案された。これ
は、コロナ放電にて生じるオゾンがシールドケース10
1内に停滞することで、感光ドラム107及びノコ歯状
電極102の劣化等による帯電ムラを防止するために、
コロナ風を発生させ、それによりオゾンシールドケース
内より排出している。
【0008】記載の帯電装置によれば、図7に示す装
置において、ノコ歯状電極102とシールドケース10
1とを同一の支持部材に支持する構造のものが提案され
ている。
【0009】更に記載の帯電装置によれば、グリッド
電極104にベリリウム銅を用いることで、ライフによ
る放電性能を安定させるものが提案された。
【0010】以上のように、図7に示す構造の帯電装置
100においては、ノコ歯状電極102,103には電
源105により所定の電圧が印加され、グリッド電極1
04にはノコ歯状電極102,103の先端部分から放
電された感光ドラム107の表面に作用するコロナ電流
を制御するためのグリッド電圧Vgが電源106にて印
加されている。このときノコ歯状電極102,103に
流れる電流はトータル電流It、グリッド電極104に
流れる電流はグリッド電流Igである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図7に示すような帯電
装置100は、コロナ放電により感光ドラム107の表
面をドラム軸方向に均一に帯電させるためのものである
が、コロナ放電はあらゆる条件によって帯電条件が微妙
に変化する。帯電条件が変化すると感光ドラム107表
面の帯電ムラが発生して、形成されるべき原画像に画質
的影響が発生する。
【0012】この放電ムラを少なくするための簡単な改
善方法として、ノコ歯状電極102,103に流れるト
ータル電流Itを増加させる方法が考えられる。しかし
ながらトータル電流Itを増加させるということは、ノ
コ歯状電極102,103に印加される電圧を増大する
必要がある。そこで、ノコ歯状電極102,103への
印加電圧が大きくなると放電電流が多くなるので、放電
部分から発生するオゾン量が多くなって感光ドラム1表
面に対しても影響して原画像の画質低下につながる。
【0013】またオゾン発生量が増えると画像形成装置
内を浮遊する空気中の様々なガスその他の異物との結合
により、窒素酸化物(NoX )あるいはケイ素酸化物
(SiO2 など)が生成される。この生成物がノコ歯状
電極表面およびグリッド電極表面に付着して、ノコ歯状
電極の放電能力、グリッド電極の帯電電位制御能力が低
下する。
【0014】さらにトータル電流Itの増加による印加
電圧Vの増加によって、ノコ歯状電極102,103の
先端部分から他の不要な所へのリーク放電を防止するた
めには、ノコ歯状電極102,103の放電部分からシ
ールドケース101までの距離を必要以上に確保するこ
ととなり、シールドケース101の大型化、つまり帯電
装置100自身の大型化につながってしまう。
【0015】本発明は上述の問題点に鑑み、ノコ歯状電
極によるコロナ放電を安定させ、帯電ムラのない均一な
帯電を可能にする帯電装置を提供することを目的とす
る。
【0016】また本発明は、ノコ歯状電極に供給する電
圧を高くすることなく、装置の大型化やリーク等の問題
を合わせて解消すると共に、コロナ風を効果的に発生さ
せオゾンの排出を行い、このオゾンによる影響を阻止す
ることで帯電特性を常時安定させることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決すべく、 (1)記録媒体を帯電するための帯電装置が、コロナ放
電を行う複数の突起を有する放電電極、該放電電極に対
応して設けられたシールドケース、上記記録媒体と放電
電極との間に配置されたグリッド電極からなり、上記放
電電極にコロナ放電を行うための高電圧を供給し、上記
グリッド電極に一定の電圧を供給し、かつ上記シールド
ケース及び上記グリッド電極に流れ込む電流の比率が
なくとも等しくなるように上記シールドケースに供給す
る電圧を調整する回路を含めた電源装置を備えたことを
特徴とする。
【0018】(2)また、帯電装置は、上記シールドケ
ース及び上記グリッド電極に流れ込む電流の比率がほぼ
等しくなるように、上記コロナ放電する放電電極に対
し、シールドケースが長手方向平行に配置された少な
くとも一枚の補助電極板からなり、該補助電極板が上記
放電電極の放電先端部分から記録媒体側の領域で、且つ
該放電電極の放電領域内に位置させるように設定した
とを特徴とする。
【0019】(3)また、帯電装置は、上記グリッド電
極及びシールドケースに流れ込む電流の比率がほぼ等し
くなるようにするために、上記記録媒体表面を帯電させ
る上記放電電極に対し、上記シールドケースの一部を他
のシールド部分と異ならせ、上記記録媒体表面に対する
コロナ放電の方向特性を所定の方向に偏向させるよう
に形成したことを特徴とする。
【0020】
【作用】放電電極に高電圧を供給すると、突起部分より
コロナ放電が発生し、これにより放電電極側にコロナ放
電電流(トータル電流)が流れる。この時、記録媒体側
にも放電電流の一部が流れることで、記録媒体表面を所
定の極性に帯電できる。また、コロナ放電により記録媒
体の他にも、シールドケース及びグリッド電極側にも一
部の電極が流れる。そこで、(1)記載の帯電装置にお
いては、シールドケースに流れる電流(ケース電流)と
グリッド電極に流れる電流(グリッド電流)との電流比
少なくとも等しくなるように、シールドケースに供給
する電圧を調整する。そのため、コロナ放電が放電電極
の長手方向全長に対してほぼ均一になり、記録媒体の全
体をムラなく均一帯電できる。特に放電電極に供給する
電圧を高くする必要がなくなる。
【0021】(2)記載の帯電装置によれば、シールド
ケースが少なくとも1枚の補助電極板にて構成できるた
、シールドケース全体にて放電電極を覆う必要がなく
なる。そのため、安価にまた装置全体を小型化できる。
特に、コロナ放電は突起先端の放電前面(記録媒体に対
向する面)で生じるため、少なくともその前面にシール
ドケースを補助電極板として配置し、シールドケース及
びグリッド電極に流れ込む電流比を等しくするようにで
きる。
【0022】(3)記載の帯電装置によれば、シールド
ケースの一部が他のシールド部と異ならせることでコロ
ナ放電の方向を偏向できる。これは、コロナ放電にて生
じるコロナ風の方向を偏向することになり、その方向に
沿ってコロナ放電時に発生するオゾンが流出する。この
場合、コロナ放電の方向を他の装置が存在しない位置に
向けることで容易にオゾンをシールドケース内より排出
できる。
【0023】
【実施例】図1は、本発明における帯電装置に電圧供給
を行う高圧回路を含めた電源供給回路を示すブロック
図、図2は本発明の帯電装置の構造を示す展開斜視図、
図3は本発明の帯電装置を備えた画像形成装置(レーザ
ープリンタ)の内部構造を示す断面図である。
【0024】まず、図3の画像形成装置において、図中
左中央には例えば先に説明したアルミドラム上にOPC
の層を光導電層として形成した感光ドラム1が配置され
ており、この感光ドラム1を中心に電子写真プロセスを
構成する各ユニットが対向配置されている。この感光ド
ラム1の周囲に配置されている符号2は本発明における
感光ドラム1を均一に帯電するコロナ放電を利用する帯
電装置、3は帯電装置2により均一帯電された感光ドラ
ム1の表面上に原画像を露光記録するレーザー光にて照
射する光記録部、4は光記録部3により感光ドラム1上
に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像装
置、7は現像装置4により感光ドラム1上に形成された
トナー像を用紙収容部5または6の何れかより給送され
た転写材の表面に転写する転写装置、8は転写装置7に
より感光ドラム1上のトナー像が転写されずに一部残っ
た残留トナーを除去して回収するクリーニング装置であ
る。また転写装置7により転写材上に転写された原画像
のトナー像は加熱定着装置9へと送られ、熱と圧力によ
り転写材に定着されて排紙ローラ10を介して画像形成
装置上部の排紙トレイ11上に排出される。
【0025】なお、用紙収納部5又は6は画像形成装置
本体に対し着脱可能に設けらえており、それぞれ対向し
て給紙ローラ12,13が設けられている。この給紙ロ
ーラ12,13を介して送られる転写材は搬送ローラ1
4,15を介して、レジストローラ16へと送り込まれ
る。レジストローラ16は、給送されてくる転写材を一
旦停止させ、感光ドラム1の回転に同期して搬送開始を
制御するものであって、特に感光ドラム1に形成された
画像の先端と転写材の先端とが一致するように用紙の搬
送開始を制御する。
【0026】本発明による帯電装置2の具体的な構成に
ついて、図2にその一例を示す。帯電装置2は、導電性
のシールドケース21、ノコ歯状電極22、グリッド電
極23、各種電極を保持する絶縁性の電極保持部材24
とから構成されている。
【0027】図2において、シールドケース21は、感
光ドラム1の幅方向(ドラムの回転軸方向)にほぼ一致
した長さの導電性シールド板であって、感光ドラム1表
面と対向する側が開口されている。ノコ歯状電極22は
所定の間隔(ピッチ)でもって列状に複数の放電用の先
鋭突起を有しており、ステンレス(鉄・クロム・ニッケ
ルの合金であって、例えばJIS規格のSUS304な
どがある)の短冊状の薄板からなる。このようなノコ歯
状電極22については、エッチング加工により形成す
る。
【0028】このノコ歯状電極22は、複数個の固定用
の開口が形成されている。これらの各開口は、絶縁部材
にて一体的に形成された電極保持部材24の平面形状部
24aに形成された突起部24bに嵌入される。これに
より、ノコ歯状電極22が電極保持部材24の平面部2
4aにシールドケース21より電気的に絶縁された状態
で位置決め保持(固定)される。
【0029】また、電極保持部材24にはグリット電極
23をシールドケース21及びノコ歯状電極22に対し
電気的に絶縁して保持するためのグリット電極保持部2
5が一体的に形成されている。このグリット電極保持部
25は、グリット電極23の両端に形成された開口部2
3aに対応して形成された係止用の返しを有する係止部
25aがそれぞれ形成されている。このグリッド電極保
持部25を弾性変形させることで、グリッド電極23の
開口部23aに係止部25aを挿通させ、弾性変形を解
除することで弾性力によりグリット電極23を所定の張
力でもって保持することになる。
【0030】上記グリッド電極23は上述したノコ歯状
電極22のようにステンレスの短冊状の薄板をエッチン
グ加工により、メッシュ状の開口を均一に形成してい
る。そして電極保持部材24に一体成型されているグリ
ッド電極保持部25を弾性変形させることで、グリット
電極23に形成された開口に挿入して係合させ、弾性力
により張架される。
【0031】なお、電極保持部材24に一体成型されて
いる符号26で示す部分は、シールドケース21の両端
縁に対応し位置され、保持部材24をシールドケース2
1内に位置決めするための部材である。
【0032】以上の構造のコロナ放電器の組み立てにお
いては、まず電極保持部材24の平面部24aの突起に
ノコ歯状電極22に形成された開口を嵌入させて保持
し、ノコ歯状電極22を保持した状態で上記チャージケ
ース21内の所定の位置に位置決め部材26がシールド
ケース21の端縁にて位置決めされて収容される。そし
てグリッド電極保持部25の係止部25aにグリット電
極23の開口部23aを挿入して係合させる。また、符
号27は、シールドケースより突出した保持部材24に
位置するノコ歯状電極22端部に電気的に弾性接触する
電源供給ようにバネ端子である。
【0033】以上の構造の帯電装置2において、図1に
示すように各電極及びシールドケースには電源供給回路
より所定の電圧が供給される。
【0034】図1において、電源供給回路30には、所
定の電圧+24Vが供給されている。この供給される電
圧+24Vを所定の電圧に変換し出力する高圧発生回路
31が電源供給回路30内に設けられている。この高圧
発生回路31は、本発明における帯電装置2のシールド
ケース21、ノコ歯状電極22及びグリッド電極23に
供給する電圧の以外に、現像装置4に供給する現像バイ
アス、転写装置7に供給する電圧等を発生する。その発
生電圧は、各出力端子より所定の電圧が出力される。ま
た、電源供給回路30には、更に帯電装置2のシールド
ケース21及びノコ歯状電極22に電圧供給する場合に
は、後に説明するが高圧発生回路31から発生する電圧
を調整する電圧調整回路32が設けられている。
【0035】帯電装置2におけるノコ歯状電極22は、
電源供給回路30の出力端子MCに接続され、高電圧V
が供給される。またシールドケース21は、電源供給回
路30の出力端子CASEに接続され、高電圧Vcが供
給される。さらに、グリッド電極23は、電圧調整回路
31の出力端子GRIDに接続され高電圧Vgが供給さ
れている。上記電圧調整回路31は、シールドケース2
1に供給するための出力端子CASEからの出力電圧を
調整するための可変抵抗器VR1、グリッド電極23に
供給するための出力端子GRIDからの出力電圧を調整
する可変抵抗器VR2を有する。
【0036】以上の構成の電源供給回路30にて帯電装
置2に各種の電圧が供給されることで、ノコ歯状電極2
2の先鋭突起部よりコロナ放電が生じ、このコロナ放電
による全体の電流(トータル電流It)がノコ歯状電極
22に流れる。そしてコロナ放電による一部が感光ドラ
ム1側にも流れ、これにより感光ドラム1表面が特定の
極性に帯電される。この時、コロナ放電により放電電流
が流れるが、特に感光ドラム1に流れる電流に応じて感
光ドラム1に帯電される電位が決まる。この感光ドラム
1に流れるドラム電流Idは、グリッド電極23に供給
する電圧を制御することで制御でき、感光ドラム1の表
面電位を所定の電位に制御できる。この場合、グリッド
電極23に流れるグリッド電流Igは、出力端子GRI
Dより出力される電圧を調整回路32の可変抵抗器VR
2を適宜設定することで調整できる。また同様に、コロ
ナ放電によりシールドケース21にも放電にかかるケー
ス電流Icが流れる。このケース電流Icにおいても供
給される電圧を、可変抵抗器VR1を調整することで制
御できる。
【0037】また、ノコ歯状電極21に高電圧を供給し
コロナ放電が生じることで流れる電流Itは、上述した
シールドケース21、グリッド電極23及び感光ドラム
1にそれぞれ流れるケース電流Ic、グリッド電流Ig
及びドラム電流Idの和に等しくなる。つまり、コロナ
放電によりノコ歯状電極21に流れる電流(トータル電
流)Itは、シールドケース21、グリッド電極23及
び感光ドラム1へと分配して流れる。トータル電流It
は、ケース電流Icと、グリッド電流Igと、ドラム電
流Idとに分配され、以下の式(1)で表される。
【0038】It=Ic+Ig+Id … 式(1) 従って、トータル電流Itを一定にすることで、感光ド
ラム1側に流れるドラム電流Idを一定にでき、感光ド
ラム1表面を一定電位に制御できる。そのため、電源供
給回路30の高圧発生回路31においても従来同様に定
電流制御部を備えた定電流制御を行っている。
【0039】そこで、本発明によれば、感光ドラム1表
面全域(回転軸方向)を均一に帯電させるためには、そ
の放電特性をドラム軸方向に沿って平行に位置するノコ
歯状電極22の放電特定を一様にすることが望まれる。
そのため、感光ドラム1を帯電装置2で帯電させた時の
感光ドラム表面の軸方向に沿って、その帯電電位を測定
することで、その帯電特性の状態を知ることができる。
【0040】図4は本発明による帯電特性を示す特性図
であり、ケース電流Icとグリッド電流Igとの電流分
配比に対する放電性の関係を説明するグラフである。こ
のグラフの横軸方向は、グリッドとケースの電流分配比
を、また縦軸方向は像担持体に対する放電特性を示し
た。
【0041】図4のグラフから見て、ケース電流Icと
グリッド電流Igとの電流比が大きく異なると均一放電
性が非常に悪く、感光ドラム表面に対する放電ムラが発
生して結果的に記録画像の画質に影響が出てくる。
【0042】これに対してケース電流Icとグリッド電
流Igとの電流比がほぼ等しくなってくると、感光ドラ
ム表面に対する放電ムラがほとんど無くなり、よって感
光ドラム表面が均一に帯電されることとなって記録画像
の画質も向上する。特に好ましくはグリッド電流Igと
シールド電流Icとの電流比が1.0対1.0の時が非
常にコロナ放電特性が安定し、均一帯電が望める。ま
た、少なくともその電流比がほぼ等しくなる0.7対
1.3から1.3対0.7の範囲であれば感光ドラム1
の均一帯電が望める。
【0043】図4に示す特性において、実用領域の範囲
でグリッド電流Ig及びケース電流Icの電流比を設定
したときには、画像ムラとして黒スジや白スジが肉眼で
確認されない領域を意味している。一方実用不可領域に
おいては、同様に画像ムラとして黒スジや白スジが確認
された領域である。
【0044】上記グリッド電流Ig及びケース電流Ic
については、例えばグリッド電圧Vgを一定の電圧(例
えば−600V)に固定し、可変抵抗器VR1を適宜調
整してケース電圧Vcを調整する。その時のグリッド電
流Ig及びケース電流Icに流れる電流を測定し、その
時の電流比についても帯電特性を図4に示した。この
時、ケース電圧Vcについては0〜1.5kVの間で可
変した。
【0045】そこで、一つの画像形成装置に搭載して実
験してみた。
【0046】まず実験装置1は、図3に示す感光ドラム
1の回転周速が50mm/秒のプロセススピードに設定
されたレーザープリンタである。そこでノコ歯状電極2
2に印加される高電圧Vを約−3.4kV、このときノ
コ歯状電極22に流れるトータル電流Itが−300μ
Aとなる。そして、グリッド電極23に流れるグリッド
電流Ig及びシ−ルドケ−ス21に流れるケース電流I
cが等しくなるように可変抵抗器VR1,VR2を調整
した。その時のシールドケース電圧Vcが−600V、
グリッド電極23に供給される電圧Vgが−500Vで
あり、各電流Ic及びIgが−145μAの電流分配比
の時が、感光ドラム1を均一放電性が最もよいデータが
得られた。
【0047】実験装置1で得られた実験データを上記の
式(1)に当てはめると、It(300μA)=Ic
(145μA)+Ig(145μA)+Idであって、
このときのドラム電流Idは10μAである。
【0048】上記の結果から帯電装置2のシールドケー
ス21に高電圧Vcを印加して、このときにシールドケ
ース21に向かって流れるケース電流Icと、グリッド
電極23に高電圧Vgを印加して、このときにグリッド
電極23に向かって流れるグリッド電流Igがほぼ等し
くなるように、それぞれに供給する高電圧を上述した電
圧調整回路32の各可変抵抗器VR1,VR2を設定す
ることが好ましいことがわかった。
【0049】また、上記電流分配比を少なくとも1:1
に設定することが最も好ましい結果が得られた。この
電装置の放電特性として電極の寿命・設置環境などを考
慮した場合図4のグラフからもわかるようにグリッ
ド電流Igとケース電流Icとの分配比は、少なくとも
上述した通り等しく設定しれば良好であり、実用可能な
電流比は、0.7:1.3から1.3:0.7の範囲
にすることができる
【0050】図5は図3における感光ドラム1周辺に配
置される電子写真プロセス部の帯電装置2と、クリーニ
ング装置とを示す主要拡大図である。感光ドラム1の
回転方向上流側(以下単に上部と記す)から順にクリー
ニング装置8、本発明の帯電装置2が配置されていて、
この帯電装置2の下流側(以下単に下部と記す)には、
光記録部3から照射されたレーザー光が感光ドラム1の
表面へと導かれるレーザー光路Lが設けられている。
【0051】図5においてノコ歯状電極22の先端放電
部からコロナ放電されたコロナは、一点鎖線で示す放電
領域を像担持体1の表面に向かって放出される。この放
出されたコロナはグリッド電極23の均一に開口された
スクリーンを通して感光ドラム1の光導電層に作用す
る。この時の感光ドラム1表面の光導電層に作用する量
は、グリッド電極23に印加されるグリッド電圧Vgを
制御して行われる。
【0052】また図中の破線で示される波形は、ノコ歯
状電極22の先端放電部から放電される放電特性を表す
ものであって、波形のピーク点Pが最も感光ドラム1の
光導電層を帯電する特性が良いことを示している。
【0053】通常この波形は、ノコ歯状電極22の先端
部分と直接対向する領域に放電特性を表す波形のピーク
点Pが来るが、図6の21aのようにチャージケース2
1の下部先端を上方へL型に曲げることで、波形のピー
ク点Pが破線のごとく図中した方向に偏向させることが
できる。これはノコ歯状電極22先端部分に対してチャ
ージケース21のL型に曲げた部分が、他のケースの面
21bに比べて接近しているためであって、インピーダ
ンスの違いからL型に曲げられた側に偏向された放電特
性の波形となる。特にコロナ放電においては、ノコ歯状
電極22の突起より感光ドラム1面に向かう前面(図6
の一点鎖線より前面)で発生するため、シールドケース
21については、少なくとも21aの部分が導電性であ
ればよく、またシールドケース21bの部分においても
導電性で構成してよい。
【0054】この説明においては、シールドケース21
の先端部分をL型に一部曲げて他のケース部分とのイン
ピーダンスを変化させたが、他の放電部に対するインピ
ーダンスを変化させる方法として、シールドケース21
の内面の一部にコーティングを施したり、またシールド
ケース自身の材質を部分的に一部変更して同じ効果を得
ることも可能である。
【0055】なおノコ歯状電極22の先端部分から放電
されたコロナは、通常、他のプロセス工程領域に影響し
ないように設定するとが望ましい。しかし画像形成装置
の小型化が進んで来ると、像担持体1のプロセス周り
も、構造上配置スペースがほとんどなく、各プロセス装
置を近接配置せざるをえない。
【0056】そこで帯電装置2のシールドケース21の
一部形状を上述した構成とすることで、放電特性のピー
ク点Pを、他のプロセス装置への影響の無い所望する側
へ容易に偏向することが可能である。
【0057】またノコ歯状電極22のコロナ放電が行わ
れると、コロナの放出される方向にエアの流れが発生す
る。ノコ歯状電極22先端部分からのコロナ放電は図5
のように方向性をも特性として持っているので、エアの
流れも特定の方向に向かって形成される。そのために装
置の配置構成に応じて放電のピーク点Pを上述の方法に
よりシフトさせることで、エアの流れも任意の方向へ偏
向することが可能である。
【0058】図5中の矢印aは上記放電特性により帯電
装置2内に流れ込むエアの流れであり、矢印bは帯電装
置2内から流れ出るエアの流れを図示しており、上記矢
印bのエアの流れによりノコ歯状電極22のコロナ放電
で発生したオゾンを帯電装置2内から排出させることが
できる。つまり、上部においてはクリーニング装置8が
設けられており、このクリーニング装置のクリーニング
ブレード8aが感光ドラム1表面に圧接されているた
め、コロナ放電によるエアの流れが遮断され、発生する
オゾン等がそのエアに乗ってシールドケース21内から
排出されなくなる。この点図5に示すように、下部には
コロナによるエアの流れを遮蔽する部材が存在しないた
め、エアの流れをピーク点P方向にすることで効果的に
コロナ放電にて発生するオゾンを排出できる。しかも、
シールドケース2の下部21a側を内側にL字形状に折
曲げていることから、感光ドラム1との間隔が大きくな
り、エアの流れもより効果的になる。
【0059】次に実験装置2として、図3に示す感光ド
ラム1の回転周速が200mm/秒のプロセススピード
に設定された電子写真複写機であって、ノコ歯状電極2
2に印加される高電圧Vを約−4.2kVに設定した。
このとき電極に向かって流れるトータル電流Itが−7
00μAである。またグリッド電極23に供給する電圧
Vgについては−700Vとし、シールドケース21に
ついては接地電位に保持する。この時グリッド電極23
に流れるグリッド電流Igが−340μAで、チャージ
ケース21に流れるケース電流Icが−340μAにな
るように、図5及び図6で示すようにシールドケース2
1の先端21aを折曲げノコ歯状電極22に近接させる
ようにして電流分配比が同一になるように調整する。こ
のように設定することで、感光ドラム1の光導電層に対
する均一放電性が最もよいデータが得られた。
【0060】実験装置2で得られた実験データを上記の
式(1)に当てはめると、It(700μA)=Ic
(340μA)+Ig(340μA)+Idであって、
このときのドラム電流Idは20μAである。
【0061】また図6は、本発明の帯電装置2における
他の構成を説明するためのものである。上述したように
ノコ歯状電極22の先端部分からのコロナ放電は特定方
向への放電特性があって、従来のワイヤコロナ放電装置
などのように周辺を均一にシールドケースによりシール
ドする必然性はない。そこで図6に図示するようにコロ
ナ放電されるノコ歯状電極22の放電先端部分に対し
て、長手方向平行に一枚の補助電極板21aを、ノコ歯
状電極22の放電先端部分から感光ドラム1側の領域で
あって、さらにノコ歯状電極22の先端部分からの放電
領域内に配置させている。
【0062】このようにノコ歯状電極22の先端部分か
らのコロナ放電領域内に補助電極板21aを一部設ける
だけでも同じ効果が得られ、図3で示すように全体シー
ルドケース21で覆う必要はなく、構成がより簡単にな
り小型化が望める。特に、クリーニング装置8が上部に
あるのであれば、少なくともその下部の補助電極板21
aを設ければよく、また下部に他の装置が近接し、設け
るスペースなければ、上部に補助電極板21bを設ける
ようにしてもよい。
【0063】以上説明した帯電装置としては、感光ドラ
ムである記録媒体表面を均一に帯電できる装置として説
明したが、記録媒体表面に残留する電荷を除電するため
の除電装置としたも利用できる。つまり、感光ドラム1
を均一に除電するために、帯電装置2を除電装置として
用い、特に感光ドラム1の表面電位と逆の電圧をコノ歯
状電極22に供給してコロナ放電を行うことで除電を行
える。この場合、交流電圧を供給しても同様に除電でき
る。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の帯電装置によれば、グリッド及びシールドケースに流
れる電流比を等しくなる程度に設定することで、帯電が
均一になり、また放電電極に供給する電圧を高くするこ
となく均一帯電を可能にできる。特に放電電極に供給さ
れる電圧を低くできるので、コロナ放電部分からシール
ドケースまでの距離を必要以上に確保することもなく、
シールドケースの小型化、つまり帯電装置自身の大きさ
を抑えることができる。
【0065】また、シールドケースに流れる電流を調整
することで、コロナ放電にかかるコロナ風の方向を自由
に設定でき、他の装置にてコロナ風が遮蔽されることな
く効率良く排出できる。
【0066】特に、本発明による放電電極を使用するこ
とにより、使用時間に比例して発生するケイ素酸化物な
どによるウィスカの付着に対して放電の長時間安定性が
良好となった。さらには窒素イオンなどによる放電電極
の侵食に対しても影響されにくので長時間の放電を行っ
ても安定した放電が持続できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における帯電装置への電圧を供給するた
めの高圧発生回路を含む電源供給回路のブロック図
【図2】本発明における帯電装置を全体を示す展開斜視
【図3】本発明による帯電装置を備えた画像形成装置の
内部構成を示す断面図
【図4】本発明にかかる感光ドラム表面に対する放電特
性の関係を説明するためのもので、グリッド電流とケー
ス電流との比を変化させて、感光ドラム表面の均一放電
特性を評価した特性図
【図5】図3における本発明の帯電装置を含む要部拡大
【図6】本発明による帯電装置の他の構成を説明するた
めの要部拡大図
【図7】本発明にかかる帯電装置の従来例を示す断面図
【符号の説明】
1…感光ドラム 2…帯電装置 21…シールドケース 21a;補助電極 22…ノコ歯状電極 23…グリッド電極 24…電極保持部材 30…電源供給回路 31…高圧発生回路 32…電圧調整回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉浦 昭一郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 今川 眞司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 吉田 弘昭 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 川崎 喜和 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 川端 格 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 福永 敬三 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 森 東洋一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 辻 優 大阪府大阪市阿倍野区長池長22番22号 シャープ下部式会社 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/02 101 G03G 15/02 102

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体表面を帯電させるためにコロナ
    放電を行う複数の突起を有する放電電極と、上記記録媒
    体と対向する面が開口され上記放電電極に対向して設け
    られた導電性のシールドケースと、該シールドケースに
    上記放電電極を電気的に絶縁した状態で保持するための
    保持部材と、上記放電電極と記録媒体との間に電気的に
    絶縁状態で保持された導電性のグリッド電極とを備えた
    帯電装置において、 上記放電電極に放電用の高電圧を供給し、上記グリッド
    電極に供給する電圧を一定にし、かつ上記グリッド電極
    及びシールドケースに流れ込む電流の比率を少なくとも
    等しくなるように上記シールドケースに供給する電圧を
    調整する電圧調整回路を含む電源供給装置を備えたこと
    を特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】 記録媒体表面を帯電させるためにコロナ
    放電を行う複数の突起を有する放電電極と、上記記録媒
    体と対向する面が開口され上記放電電極に対向して設け
    られた導電性のシールドケースと、該シールドケースに
    上記放電電極を電気的に絶縁した状態で保持するための
    保持部材と、上記放電電極と記録媒体との間に電気的に
    絶縁状態で保持された導電性のグリッド電極とを備えた
    帯電装置において、 上記シールドケースは、上記記録媒体表面を帯電させる
    上記放電電極に対して長手方向に平行に配置された少な
    くとも一枚の導電性の補助電極板からなり、該補助電極
    板を上記放電電極の放電先端部から上記記録媒体側の領
    域であって、かつ該放電電極の放電領域内に位置させる
    ことで上記シールドケース及びグリッド電極に流れ込む
    電流の比率をほぼ等しくなるようにしたことを特徴とす
    帯電装置。
  3. 【請求項3】 記録媒体表面を帯電させるためにコロナ
    放電を行う複数の突起を有する放電電極と、上記記録媒
    体と対向する面が開口され上記放電電極に対向して設け
    られた導電性のシールドケースと、該シールドケースに
    上記放電電極を電気的に絶縁した状態で保持するための
    保持部材と、上記放電電極と記録媒体との間に電気的に
    絶縁状態で保持された導電性のグリッド電極とを備えた
    帯電装置において、 上記グリッド電極及びシールドケースに流れ込む電流の
    比率がほぼ等しくなるようにするために、上記記録媒体
    表面を帯電させる上記放電電極に対し、上記シールドケ
    ースの一部を他のシールド部分と異ならせ、上記記録媒
    体表面に対するコロナ放電の方向特性を、所定の方向に
    偏向させるように形成したことを特徴とする 帯電装置。
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