JP4696929B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を有する電子写真方式を用いた画像形成装置に関わり、特に、中間転写体を有し、該中間転写体上に複数のカラートナー像を重ね合わて画像を形成するすカラー画像形成装置に関する。
中間転写体を用いた電子写真方式のカラー画像形成装置では、感光体である像担持体上に形成したトナー像を中間転写体上に転写し(一次転写)、該中間転写体上のトナー像を転写材上に転写する(二次転写)ものが知られている。かかるカラー画像形成装置では、像担持体上に順次形成された所定極性に帯電しているトナー像を静電気により中間転写体に重ね合わせて転写した後、その中間転写体上のトナー像を静電気により転写材上に一括して転写している。
中間転写体を用いたカラー画像形成装置は、像担持体上に形成したトナー像を中間転写体上に重ね合わせることができるので、カラー画像を転写材上に形成するカラー画像形成装置に広く応用されている。このカラー画像形成装置では、像担持体に形成した各色のトナー像を中間転写体に重ね合わせて転写した後、この重ね合わせトナー像を静電気により転写材に一括転写する。
トナー1粒子当たりの帯電量はほぼ均一であることから、中間転写体上のトナー層電位は所定面積内でのトナー付着量によって決まり、カラー画像形成装置では中間転写体上のトナー像のうち複数色のトナーが重ね合わされた部分の帯電電位は、1色のトナーのみが付着している部分の帯電電位よりも大きくなる。また例えば、中間転写体上のトナー像がベタ部及びハーフトーン部を有する場合、ベタ部の帯電電位はハーフトーン部よりも大きくなる。
また、像担持体から中間転写体へトナー像を転写する一次転写部を通過した後のトナー像内での帯電電位のばらつきは、環境によっても発生する場合がある。
このように中間転写体上のトナー像の電位のばらつきが大きいと、転写特性が互いに異なる部分が同一トナー像内に存在することになる。この転写特性の異なるすべての部分を同じ転写条件下で転写材に転写しようとすると、中間転写体から転写材への二次転写時に様々な画像不良が発生しやすい。
近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能を合わせ持つ複合機等の画像形成装置においてカラー化が進み、また重合トナー、小粒径トナーの採用により、転写プロセスにおいても高画質化への要求が大きくなってきている。また、画像形成装置の高速化も進んでいる。これらのことに対し、良好な画像を得るためには、一次転写の回数や環境などによって変化する中間転写体上のトナー電位を略均一になるように補正し、二次転写性能を向上させる必要がある。
特許文献1は、転写材に二次転写する前の中間転写体上のトナー像を帯電する転写前帯電手段を設けたものである。
特許文献2は、二次転写前帯電手段の付加帯電後のトナー像の電位と、二次転写手段の電位との差をほぼ一定の値に保つように、電位差制御手段が二次転写前除電手段の直流電源及び二次転写手段の直流電源を制御するものである。
特開平10−274892号公報 特開平11−143255号公報
カラー画像形成装置により感光体上に担持された各色のトナー像を一次転写手段で中間転写体上に重ね合わせて担持させた後、該トナー像を中間転写体から転写材に二次転写するカラー画像形成装置において、一次転写の回数や環境などによって中間転写体上に形成されたトナー像のトナー帯電量が変化するため、中間転写体から転写材への二次転写処理時に様々な画像形成不良が発生しやすい。
特許文献1及び2に記載のカラー画像形成装置は、二次転写手段の上流側において、スコロトロン帯電器によってトナー像を帯電する二次転写前帯電手段を有するもので、トナーの帯電量を補正するため、中間転写体上に一次転写されたトナー像に対してAC、DCなどのコロナ放電による帯電を行い、帯電量を均一化する技術である。
特許文献1及び2では、中間転写体上のトナー像に対してコロナ放電を行い、帯電量を均一化する技術であるが、対向電極を備えていない。
帯電量を均一化するため、重ね合わせトナー像、即ち、高電位部の総電荷量を低下させると、同時に低電位部(トナー低付着量部)も除電してまい、ハーフトーン画像荒れ等の画像不良を発生する。
トナー付着量が多くトナー層電位が高い場合に発生する転写電荷不足による濃度むらや、転写電荷を大きくしたときの放電発生などを防止するため、二次転写手段の上流側にスコロトロン電極を有する二次転写前除電手段を配置して中間転写体上のトナー像の除電を行っている。
二次転写前除電手段ではスコロトロン帯電器を用いている。しかし、スコロトロン帯電器においても、低電位部の電位低下はある程度発生し、単に強い除電を使用すると、高付着量部の除電は得られるが、低付着量部も低下してしまい、放電が弱いと高付着量部を所望の値まで電位低下させる事ができないという事となり、これらを両立させる事が困難であった。
本発明は、スコロトロン帯電器によるトナー層除電が、グリッド電位設定の違いにより、低電位部と高電位部における電位低下の傾きの比率が異なる点に着目し、グリッド電極の電位をサイドプレートの電位よりも絶対値で小さい値とし、グリッド電極と中間転写体間の電界を弱くする事により、不均一なトナー層電位における高電位のみを選択的に除電して、低付着量部分の電位低下を小さく抑える事が出来、良好な二次転写性能を得る事によって、高品位の二次転写画像を得るカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下のカラー画像形成装置により達成される。
複数の像担持体に形成した複数色のトナー像を一次転写手段により中間転写体に逐次転写して重ね合わせた後、前記中間転写体に担持された前記トナー像を二次転写手段により一括して転写材に転写するカラー画像形成装置において、前記一次転写手段と前記二次転写手段との中間に、放電電極とグリッド電極とサイドプレートにより構成されたスコロトロン除電器を有する二次転写前除電手段を配置し、前記グリッド電極と前記サイドプレートとを絶縁した状態に保持し、前記放電電極に前記トナー像と逆極性の直流電圧を、前記グリッド電極に前記トナー像と同極性の直流電圧を、それぞれ印加し、前記グリッド電極の電位の絶対値が、前記サイドプレートの電位の絶対値に比して小さい値となるように設定したことを特徴とするカラー画像形成装置。
本発明のカラー画像形成装置によれば、グリッド電位をサイドプレート電位よりも絶対値で小さい値にして、グリッド電極と中間転写体間の電界を弱くする事によって、重ね合わせトナー像、即ち、高電位部の総電荷量を低下させると同時に、トナー低付着量部、即ち、ハーフトーン等のトナー低付着量部分の電位低下を小さく抑える事が可能となり、トナー低付着量部分の画像荒れを防止するとともに、重ね合わせトナー像においても良好な二次転写性能を得ることが出来る。
以下に本発明を、実施の形態を用いて説明するが、本発明は以下に説明する実施の形態に限られるものではない。
[カラー画像形成装置]
図1は本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置Aの全体構成を示す断面図である。
このカラー画像形成装置Aは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10Kと、ベルト状の中間転写体7、一次転写手段5Y,5M,5C,5K、二次転写手段8、二次転写前除電手段9、定着装置11、及び給紙装置20を有する。
カラー画像形成装置Aの上部の原稿台上に載置された原稿は、画像読取装置Bの原稿画像走査露光装置の光学系により画像が走査露光され、ラインイメージセンサに読み込まれる。ラインイメージセンサにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、露光手段3Y,3M,3C,3Kに入力される。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y及びクリーニング手段6Yを有する。
マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部10Mは、像担持体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M及びクリーニング手段6Mを有する。
シアン(C)色の画像を形成する画像形成部10Cは、像担持体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C及びクリーニング手段6Cを有する。
黒(K)色の画像を形成する画像形成部10Kは、像担持体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K及びクリーニング手段6Kを有する。
帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、潜像形成手段を構成する。
像担持体1Y,1M,1C,1Kとしては、OPC感光体やaSi感光体等の周知のものが用いられるが、OPC感光体が好ましく、特に、負帯電性のOPC感光体が好ましく本実施の形態では、負帯電性のOPCが用いられる。
帯電手段2Y,2M,2C,2Kとしては、スコロトロン、コロトロン等のコロナ放電手段が用いられるが、スコロトロン放電手段が好ましく用いられる。
露光手段3Y,3M,3C,3Kとしては、レーザ、LEDアレイ等、画像データに従って発光する発光素子が用いられる。
ベルト状の中間転写体7は、半導電性であり、複数の支持ローラ71,72,73,74、及びバックアップローラ75により巻回され、循環移動可能に支持される。本実施の形態では、中間転写体7は、支持ローラ73,74の間が平面状に支持されている。
画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体7上に一次転写手段5Y,5M,5C,5Kにより逐次転写されて(一次転写)、合成されたカラー画像が形成される。
給紙装置20の給紙カセット21内に収容された転写材Pは、給紙手段(第1給紙部)22により給紙され、給紙ローラ23,24,25、レジストローラ(第2給紙部)26等を経て、二次転写手段8に搬送され、転写材P上にカラー画像が転写される(二次転写)。
カラー画像が転写された転写材Pは、定着装置11により熱と圧力とを加えられ、転写材P上のカラートナー画像(或いは単色トナー画像)が定着されて転写材P上に固定され、排紙ローラ27から排出され、機外の排紙トレイ28上に載置される。
一方、二次転写手段8により転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した中間転写体7は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
[一次転写手段]
図2は該カラー画像形成装置Aの要部を示す断面図である。
イエロー色の画像を転写する一次転写手段5Yは、一次転写ローラ5YAと、一次転写ローラ5YAに電圧を印加する直流電源5YEとから構成されている。一次転写ローラ5YAは、中間転写体7を介して像担持体1Yに対向し、中間転写体7の内面に摺接する。直流電源5YEは接地されている。
マゼンタ色の画像を転写する一次転写手段5Mは、一次転写ローラ5MAと、一次転写ローラ5MAに電圧を印加する直流電源5MEとから構成されている。一次転写ローラ5MAは、中間転写体7を介して像担持体1Mに対向し、中間転写体7の内面に摺接する。直流電源5MEは接地されている。
シアン色の画像を転写する一次転写手段5Cは、一次転写ローラ5CAと、一次転写ローラ5CAに電圧を印加する直流電源5CEとから構成されている。一次転写ローラ5CAは、中間転写体7を介して像担持体1Cに対向し、中間転写体7の内面に摺接する。直流電源5CEは接地されている。
黒色画像を転写する一次転写手段5Kは、一次転写ローラ5KAと、一次転写ローラ5KAに電圧を印加する直流電源5KEとから構成されている。一次転写ローラ5KAは、中間転写体7を介して像担持体1Kに対向し、中間転写体7の内面に摺接する。直流電源5KEは接地されている。
一次転写手段5Y,5M,5C,5Kの各直流電源5YE,5ME,5CE,5KEには、電流値40μA、電圧値+1.5kVが印加される。
また、一次転写手段5Y,5M,5C,5Kは、一次転写時以外の場合には、図示しない駆動手段により移動され、中間転写体7の内面から離間して退避する。
[二次転写手段]
二次転写手段8は、バックアップローラ75、二次転写ローラ8A、直流電源8E等から構成されている。導電性材料から成るバックアップローラ75は、中間転写体7を介して二次転写ローラ8Aに対向し、中間転写体7の内面に摺接する。
バックアップローラ75は直流電圧を印加する直流電源8Eに接続されている。二次転写手段8の直流電源8Eには、電流値50μA、電圧値+3kVが印加される。直流電源8Eは中間転写体7に当接する二次転写ローラ8Aに付着した残留トナーを逆バイアス印加により中間転写体7に転移させてクリーニングする。
二次転写ローラ8Aのバックアップローラ75は、一次転写ローラ5YA,5MA,5CA,5KAとほぼ同じ構成をなし、中間転写体7の内面側に圧接する。導電性のバックアップローラ75は、ローラ本体と、ローラ本体の表面に形成された弾性層とにより形成されている。
中間転写体7は、ポリアミドあるいはポリイミド等を材料とする単層又は多層ベルトで、体積抵抗率107〜1012Ωcmのものが用いられている。
中間転写体7は、二次転写手段8により転写材Pに二次転写した後、クリーニング手段6Aを通過してクリーニングされる。
二次転写ローラ8Aは、二次転写時以外の場合には、図示しない駆動手段により移動され、中間転写体7の表面から離間して退避する。
[二次転写前除電手段]
中間転写体7に沿った一次転写手段5Kと支持ローラ74との間で、中間転写体7が平面状に支持される位置に、本発明に係る二次転写前除電手段9が配設されている。
中間転写方式のカラー画像形成装置において、一次色では一次転写性能が良好である場合であっても、二次色では二次転写不良になって、高画質の画像が得られないという問題がある。これは中間転写体7上に形成されるトナー像が1層から最大で4層までの広範囲の付着量を有しており、それぞれの付着量に応じて二次転写条件の適正化がくずれてしまう事による。
この問題を解決するために、導電性ブラシや導電性発泡部材等の対向電極9Bを中間転写体7に面接触させて接地を行う事によって従来以上の除電効率の向上が達成される。
本発明の二次転写前除電手段9は、中間転写体7の画像担持側に配置された除電器9Aと、無端ベルト状の中間転写体7の内面側に配置された対向電極9Bと、から構成されている。
図3は二次転写前除電手段9の断面図である。
中間転写体7の回動方向上流側に配置された除電器9Aは、放電電極(放電ワイヤ)91A1,91A2、グリッド電極92、サイドプレート93から成るスコロトロン除電極である。
放電電極91A1は直流電源E1に接続されている。放電電極91A2は直流電源E2に接続されている。グリッド電極92は中間転写体7のベルト面と間隔をもって対向配置され、直流電源E3に接続されている。サイドプレート93は直流電源E4に接続されている。
放電電極91A1,91A2は、直径が20〜150μmのタングステン、ステンレス鋼、金などの線材を用いることができるが、特に表面が金で形成されていることが好ましい。線材そのものを金で作製するか、あるいは、ステンレス鋼やタングステン等の基材の表面を金で被覆しても良い。金被膜の厚さは、オゾン等の放電生成物の除去効率や製造コスト、放電効率の観点から、平均膜厚で1μm〜5μmが好ましい。
グリッド電極92は、ワイヤ状のグリッドや、板金にエッチング等によってパターン形成された板状グリッドや、金メッキが施された板状グリッド等が採用される。
放電電極91A1,91A2にはトナー像と逆極性の放電がなされる直流電圧が、グリッド電極92にはトナー像と同極性の直流電圧が印加される。
二次転写前除電手段9に対向する中間転写体7の内面側には、導電性ブラシ及び導電性ブラシを圧着解除する圧着解除機構で構成される対向電極9Bが配設されている。導電性ブラシは、中間転写体7の内面側に摺接し、接地されている。
導電性ブラシは、素材はアクリル、ナイロン、ポリエステル等の導電性樹脂素材で構成され、線径はISOにより提唱された番手法による計量単位で0.111テックス乃至0.778テックス、ブラシ密度は12000本/cm2乃至77000本/cm2、原糸抵抗値は100乃至105Ωcmで構成されることが好ましい。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[画像形成条件]
画像形成装置:タンデム型フルカラー複写機(コニカミノルタ8050(登録商標)改造機)、連続複写速度はフルカラーモードでA4判用紙を毎分51枚出力する。
図4は、フルカラー複写機改造機の要部を示す模式図である。
本実施例では、発明の効果を確認するために、図2に示した一次転写手段5Y,5M,5C、及び二次転写手段8を配設し、黒色のトナー像を形成する4段目の画像形成部10Kに配置された像担持体1K、帯電手段2K、現像手段4K及びクリーニング手段6Kを取り外して、そこに本発明に係る二次転写前除電手段9を設置したカラー画像形成装置Aで画像を形成した。
像担持体1Y,1M,1C:外径φ60mm
転写材Pの搬送ライン速度:220mm/sec
現像剤:キャリアの平均粒径20〜60μm、重合トナーの平均粒径3〜7μm
帯電手段2Y,2M,2C:帯電電圧V0は−700V
露光手段3Y,3M,3C:半導体レーザ(波長780nm)、露光時の像形成体表面電位Viは−50V
現像手段4Y,4M,4C:現像スリーブの電位Vdcは−500V、現像バイアス電圧交流成分Vacは1kVp−pの矩形波(周波数5kHz)
一次転写ローラ5YA,5MA,5CA:導電性ローラ使用、ローラ押圧50N(ニュートン)、転写電流40μA、転写電圧+1.5kVを印加
二次転写手段8:中間転写体7をバックアップローラ75と二次転写ローラ8Aとで挟み込んだ構成であり、電気抵抗値はともに1×107Ω、温湿度とカウンターとでマトリックスを組んだ電流値テーブルから所定の電流値を選択して印加する。
押圧力F:50N(ニュートン)、転写材搬送方向ニップ幅:3mm
二次転写ローラ8Aの弾性層:半導電性NBRソリッドゴム(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、体積抵抗値4×107Ω、外径φ40mm、
中間転写体7:ポリイミド樹脂、シームレス半導電性ベルト(体積抵抗率109Ωcm)、張架テンション50N、線速220mm/sec
[二次転写前除電手段9]
通常、像担持体に使用されるスコロトロン帯電器と同形状の除電器9Aを設置した。
放電電極91A1には高圧の直流電源E1が、放電電極91A2には高圧の直流電源E2がそれぞれ接続され、0〜400μAの電流が印加される。グリッド電極92には高圧の直流電源E3が接続し、0〜−300Vの電圧が印加される。サイドプレート93はグリッド電極92と絶縁し、−1000V〜0Vの電圧が印加出来るようにした。また、除電器9Aに対向する対向電極9Bはアースに接続した。
放電電極91A1にはトナー像と逆極性の放電がなされる直流電圧E1が、放電電極
,91A2にはトナー像と逆極性の放電がなされる直流電圧E2が、グリッド電極92にはトナー像と同極性の直流電圧E3が印加できる構成となっている。
本実施の形態においては、放電電極91A1,91A2にはトナーと逆極性の放電がなされる直流電圧が、グリッド電極92には直流電圧が印加できる構成となっている。
本実施例では、負の電荷を有するトナー像に対して、二次転写前除電手段9の放電電極91A1,91A2に正の電圧を、グリッド電極92に負の電圧を、サイドプレート93に負の電圧を印加する。
グリッド電極92と中間転写体7との距離は1mmで平行するように設置した。
放電電極91A1,91A2の幅(中間転写体7の進行方向の長さ)は30mm、長手方向の長さ(中間転写体7の進行方向と直交する長さ)は320mmとした。
直流電源E1,E2による放電電極91A1,91A2への電流値は350μA、放電電極91A1,91A2とグリッド電極92との距離は8mm、放電電極91A1,91A2とサイドプレート93との距離は8mmとした。グリッド電極92の開口率は90%、対向電極9Bの電位は0Vである。
除電器9Aに対向する中間転写体7の内面側には、導電性ブラシ及び導電性ブラシを圧着解除する圧着解除機構で構成される対向電極9Bが配設されている。
導電性ブラシは、原糸の抵抗値が102Ω、線径が3デニール(1デニールは、長さ4560mで質量50mgのときの繊度)、密度が200kF/インチ2(Fはフィラメント数、1インチは25.4mm)、毛長が3mmである。
対向電極9Bの導電性ブラシの幅(中間転写体7の進行方向の長さ)は30mm、長手方向の長さ(中間転写体7の進行方向と直交する長さ)は320mmとした。
[実施例及び比較例]
本発明の二次転写前除電手段9の実施例1,2では、グリッド電極92の電位(以下、グリッド電位と称す)Vgの絶対値が、サイドプレート93の電位(以下、サイドプレート電位と称す)Vsの絶対値に比して小さい値となるように設定した。したがって、|Vg|<|Vs|である。
発明の効果を確認する方法として、サイドプレート電位Vsを変えて、二次転写前除電前後のトナー層電位と、低温低湿(LL)環境でのシアントナーとマゼンタトナーとの重ね合わせブルー色ベタ画像と、シアン色単層のハーフトーン画像の画質を確認した。
実施例1,2、比較例1,2,3の画質確認結果を表1に示す。
Figure 0004696929
実施例1は、グリッド電位Vgを低圧の−50V、サイドプレート電位Vsを高圧の−550Vに設定したものである(|Vg|<|Vs|)。
実施例2は、グリッド電位Vgを低圧の−50V、サイドプレート電位Vsを高圧の−300Vに設定したものである(|Vg|<|Vs|)。
比較例1は、グリッド電位Vgを低圧の−50V、サイドプレート電位Vsを−50Vの低圧の同電位にしたものである(|Vg|=|Vs|)。
比較例2は、グリッド電位Vgを高圧の−550V、サイドプレート電位Vsを−550Vの高圧の同電位にしたものである(|Vg|=|Vs|)。
比較例3は、グリッド電位Vgを高圧の−550V、サイドプレート電位Vsを低圧の−50Vにしたものである(|Vg|>|Vs|)。
表1に示されるブルー画像の評価において、○印は、トナー層電位は二次転写前除電手段9による除電によって100V以下まで低下し、画像ムラがなく、均一な濃度のブルー画像が得られるものである。
表1に示されるブルー画像の評価において、×印は、トナー層電位の除電効果が充分にえられず、特にマゼンタトナーの転写不良が目立ち、色ムラが発生している状況である。
表1に示されるハーフトーン荒れの評価において、○印は、二次転写前除電手段9の除電によるハーフトーン画像部のトナー層電位は除電の影響を受けておらず、画像ムラがなく、均一な濃度のハーフトーン画像が得られる。
表1に示されるハーフトーン荒れの評価において、×印は、ハーフトーン画像部のトナー層も除電されている状態で、画像荒れがあり、画像濃度の均一性に欠けるものである。
グリッド電位Vgとサイドプレート電位Vsとが、|Vg|<|Vsである実施例1、実施例2では、シアントナーとマゼンタトナーとの重ね合わせブルー色ベタ画像の画像ムラがなく、均一な濃度のブルー画像が得られる。また、シアン色単層のハーフトーン画像の画像ムラがなく、均一な濃度のハーフトーン画像が得られる。
比較例1では、ブルー画像は良好であるが、ハーフトーン画像に荒れが発生する。
比較例2、比較例3では、ハーフトーン画像は良好であるが、均一な濃度のブルー画像が得られない。
図5は、除電前のトナー層電位と除電後のトナー層電位とを測定した特性図である。
実線で示す線分aは、本発明の実施例のトナー層電位を示す。除電後のトナー層電位は、低付着量トナー層の電位低下を抑制しつつ、高付着量領域において70〜80Vの範囲内に安定して良好な電位制御性を得る事ができ、良好な画像形成が達成される。
破線で示す線分bは比較例のトナー層電位を示す。比較例では、高付着量領域の電位低下性能が得られず、低付着量領域での電位低下が大きく、それぞれ高付着量領域での転写不良、低付着量領域での画像荒れが発生してしまう。
なお、一点鎖線で示す線分cは二次転写前除電を実施しない比較例のトナー層電位を示す。トナー層の高付着量領域における電位が高い良好な画像が得られない。
なお、本実施の形態では、中間転写体7として中間転写ベルトを用いた例について説明したが、本発明は、他の形状の中間転写体を用いるもの(例えば、中間転写ドラム)にも適用する事が出来る。
本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置の全体構成を示す断面図。 カラー画像形成装置の要部を示す断面図。 二次転写前除電手段の断面図。 フルカラー複写機改造機の要部を示す模式図。 除電前のトナー層電位と除電後のトナー層電位とを測定した特性図。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K 像担持体
5Y,5M,5C,5K 一次転写手段
7 中間転写体
8 二次転写手段
9 二次転写前除電手段
9A 除電器
9B 対向電極
91A1,91A2 放電電極(放電ワイヤ)
92 グリッド電極
93 サイドプレート
A カラー画像形成装置
E1,E2,E3,E4 直流電源
Vg グリッド電位
Vs サイドプレート電位

Claims (3)

  1. 複数の像担持体に形成した複数色のトナー像を一次転写手段により中間転写体に逐次転写して重ね合わせた後、前記中間転写体に担持された前記トナー像を二次転写手段により一括して転写材に転写するカラー画像形成装置において、
    前記一次転写手段と前記二次転写手段との中間に、放電電極とグリッド電極とサイドプレートにより構成されたスコロトロン除電器を有する二次転写前除電手段を配置し、
    前記グリッド電極と前記サイドプレートとを絶縁した状態に保持し、
    前記放電電極に前記トナー像と逆極性の直流電圧を、前記グリッド電極に前記トナー像と同極性の直流電圧を、それぞれ印加し、
    前記グリッド電極の電位の絶対値が、前記サイドプレートの電位の絶対値に比して小さい値となるように設定したことを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 前記グリッド電極の電位及び前記サイドプレートの電位は、一次転写後に前記中間転写体に形成された低トナー付着量部の低電位部の除電を最小限とし、高トナー付着量部の高電位部の除電を低下させることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
  3. 前記中間転写体を挟んで前記スコロトロン除電器に対向する位置に対向電極を配置したことを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
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