JPH1010842A - ドラム内面のフィルムを帯電する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドラムの内面に取り付けられたフィルムを一
様に帯電させる帯電装置を提供する。 【解決手段】 帯電装置２０は、絶縁コア２２の周囲に
巻き付けられた金属ストリップ製コロナ電極２４を有す
る。コロナ電極２４の一方の縁部には、絶縁コアの外面
に対し直角に曲げられた一列のピン状要素（歯２６）が
設けられている。絶縁コアの包囲するように、金属スト
リップのピンの上方に、スリットを形成する２つの導電
性要素３０が配置され、制御用スクリーンとして作用
し、帯電装置２０がスコロトロン帯電装置を形成する。
帯電装置２０はドラム１０の中で軸線方向に移動し、ド
ラムの内面に取り付けられたフィルム１１を帯電する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ドラムの内部で発生し
たイオンが狭い導電性出口スリットを通って放出され、
ドラムの内面に取り付けられた電荷受容体（フィルム）
を一様に帯電させる新規なイオン帯電装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ゼログラフィー感光体をコロナ帯電させ
る方法は、早くも、米国特許第２，５８８，６９９号に
開示されている。実際の帯電のための現在のレベルは、
数千ボルトのコロナ電極電位を必要とするが、感光体
は、一般に絶縁破壊（ブレークダウン）を起こすので、
１０００ボルト以上の表面電位に保持できないことが常
に問題であった。

【０００３】コロナ帯電の一様性と大きさを制御する１
つの試みとして、米国特許第２，７７７，９５７号は、
制御電極として開放スクリーンを用いるコロナ帯電装置
を開示しており、この装置では、コロナイオンの受容体
表面がスクリーンの電圧に達すると、電界がもはやイオ
ンを受容体へでなくスクリーンへ駆動するように、基準
電位を設定している。都合の悪いことに、この装置で
は、スクリーンの開放度すなわち多孔度が低く、大部分
のイオンは低多孔度のスクリーンによって途中で捕らえ
られるため、意図した受容体へ達することができるイオ
ンの割合は非常に小さい。他方、大きく開放した（多孔
度が高い）スクリーンはより効率的に電荷を受容体へ送
るが、装置の制御機能は悪くなる。このような制御用の
スクリーンをもつコロナ帯電装置をスコロトロン帯電装
置と呼ぶ。

【０００４】また、米国特許第４，０８６，６５０号に
記載されているように、ガラス被覆電線と大型の専用Ａ
Ｃ電源を有するジコロトロン帯電装置など、負帯電装置
から一様な帯電を得ようと試みる別の方法もある。

【０００５】印刷または帯電の目的に、種々のイオン発
生装置を利用できる。例えば、米国特許第４，４６３，
３６３号には、ＤＣエアブレークダウン（直流の絶縁破
壊）方式のイオン発生装置が開示されている。また米国
特許第４，５２４，３７１号には、イオン発生領域とイ
オン変調領域をもつハウジングを有する流体ジェット支
援イオン投射印刷装置が開示されている。ハウジングを
通るように設けられたベント通路チャンネルはイオンを
載せた搬送流体（イオン化した空気等）を変調電極アレ
イの近くまで導き、変調電極アレイが装置からのイオン
ビームの通過を制御する。米国特許第４，１５５，０９
３号においては、絶縁体で分離された２つの導電電極間
の交番電界における電気的ガスブレークダウンによって
得られる高密度のソースから帯電粒子を取り出すことに
よって、帯電粒子の放出を実現している。米国特許第
４，１７４，１７０号においては、複写機において導電
性トナーの転写にコロナ放電装置を使用している。コロ
ナ放電装置は、コロナ放電装置で帯電したコピー用紙の
上に導電性トナー粒子を転写することができるように、
スリットが設けられている。コロナ放電装置内のコロナ
ワイヤはシールドで取り囲まれている。

【０００６】米国特許第３，３９６，３０８号は電離し
たガスの流れを発生するウェブ処理装置を開示してい
る。この装置は、ガスを受容体表面へ導く開口を有す
る。細長い中空ハウジング１１は、狭い細長いスロット
１６を形成している一対のリップ１５で終わるテーパー
側面１４を有する。米国特許第３，５９８，９９１号お
よび米国特許第４，１００，４１１号には、導電性シー
ルドで取り囲まれたコロナワイヤを有する静電帯電装置
が開示されている。前記米国特許第３，５９８，９９１
号においては、ワイヤ１２から光導電性表面２へイオン
が流れて表面２に電荷が付着できるように、シールドに
スリット１３が設けられている。前記米国特許第４，１
００，４１１号においては、一対のリップ１６，１７に
よってコロナイオンスリット１８が形成されている。特
開昭５５−７３０７０号は、シールド板にスリットが設
けられたコロナ放電装置を備えた粉末像転写式静電複写
機を開示している。特開昭５４−１５６５４６号には、
コロナシールド電極の開放部に複数の格子電極が設けら
れたコロナ帯電装置が開示されている。米国特許第４，
５９１，７１３号は、制御スクリーンが取り付けられた
導電性シールドで部分的に取り囲まれた鋸歯状コロナ電
極をもつ超小型スコロトロンを開示している。制御スク
リーンは、制御スクリーンと受容体表面の間のフリンジ
電界が効率的なイオンポンピングと電位レベリングの両
方にはっきりと貢献するように、受容体表面に近くに間
隔をおいて配置されている。これらの装置は、高価であ
ること、その一部は製作が難しいこと、そして大部分は
効率が悪いことから、完全に満足できるものではなかっ
た。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】更に、米国特許第５，
４１１，８２５号に開示されている、ベルデ（Verde)フ
ィルムを使用するマイグレーション（電気泳動式）像形
成（migration imaging)を試みるとき、電荷の一様性の
問題はより顕著である。毎秒４インチ前後の典型的な複
写機／プリンタの速度とは対照的に、ベルデフィルムの
場合の処理速度は非常に遅く、時には毎分４インチ未満
である。ベルデフィルムを円筒形の凹形内面に当てて支
持しなければならない形態では、帯電処理とレーザー露
光処理の間の時間を短くするため、フィルムの帯電処理
はパラキシャルに（paraxially) 進めなければならな
い。

【０００８】

【課題を解決するための手段】以上のことから、本発明
は、いろいろな印刷プロセスおよび像形成プロセスのど
れにも使用できる帯電装置を提供する。本発明の帯電装
置は、従来の帯電装置の上に述べた問題点および欠点を
解決している。

【０００９】詳しく述べると、本発明は、一実施例とし
て、絶縁コアの周囲に巻き付けられた金属ストリップを
コロナ電極としたつスコロトロン帯電装置を提供する。
金属ストリップ製コロナ電極は、その一方の縁部に、絶
縁コアの外面に対し直角に曲がった一連のピン状要素を
有する。絶縁コアの周囲を包囲するように、金属ストリ
ップコロナ電極のピンの上方に、スリットを形成する２
つの導電要素が配置され、これが制御用スクリーンとな
り、スコロトロン帯電装置を形成している。本発明に係
る帯電装置はドラムの中で前後に移動し、ドラムの内面
上のベルデ（Verde)フィルムを帯電させる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の特徴の全般的理解を助け
るために、図面を参照して説明する。諸図面を通じて、
同一要素は同じ参照番号で指示してある。

【００１１】図１に、本発明の一実施態様として、ドラ
ム１０の内面に取り付けたフィルム１１、例えばベルデ
（Verde)フィルムを帯電するための新規な帯電装置２０
を示す。ベルデ(Verde) フィルムはゼロックス社（米
国）から入手できる。帯電装置２０は円筒形の絶縁コア
部材２２を有する。絶縁コア部材２２の周囲に、通常の
ベリリウム銅コロナ発生ストリップ２４が２７０度の角
度範囲にわたって巻き付けられて、コロナ電極となって
いる。ストリップ２４は、本体と同じ平面内に、本体か
ら伸びた一連のピン状要素すなわち歯２６をもつ鋸歯状
縁を有する。従って、ストリップ２４は ベルデ(Verd
e) フィルム１１の凹形表面と同心の湾曲した表面を形
作るように曲がっている。必要なとき歯２６の先端でイ
オンを発生させるため、コロナ発生ストリップ２４に通
常の電源（図示せず）が接続されている。歯２６の先端
から発生したコロナ電荷がスリットへ、そしてスリット
を通って、電気力線に従って歯２６の配列と平行なベル
デ(Verde) フィルム１１の表面まで駆動されるように、
コロナ発生ストリップ２４の歯２６は、絶縁コア２２の
外面に対し直角に曲がり、約３ｍｍ突き出ている。ステ
ンレス鋼などの導電性リング３０（制御用スクリーンの
作用を成す）のくさび状部分３２，３４は、歯２６の先
端から放出されたイオンが通過するのに好ましい幅約
０．０３インチのスリットを形成している。スリットの
幅は約０．０２０〜０．２インチの範囲内で変えること
ができる。導電性リング３０は例えば約１１０ｍｍの外
半径を有し、リング３０の内側に配置された絶縁コア２
２は例えば約１００ｍｍの内半径を有する。導電性リン
グ３０の中に絶縁コア２２が配置されているので、装置
２０は導電性リング３０を制御用スクリーンとするスコ
ロトロン帯電装置２０になる。導電性リング３０は、そ
の外面に対し約１５°の角度をなす傾斜面をもつ、くさ
び形部分３２，３４を有する。導電性リング３０の内側
に配置された絶縁支持リング３６に、絶縁コア２２が取
り付けられている。絶縁支持リング３６の一端に連結さ
れた軸３８は通常の手段で前方に押され、そして後方へ
引っ張られて、ドラム１０の内部で帯電装置２０を動か
し、ベルデ(Verde) フィルム１１を帯電させる。

【００１２】図２に示すように、ドラム１０は、約２７
０°に及んでおり、軸線方向に移動する円筒状帯電装置
２０を中に有する。帯電装置２０の絶縁コア２２の円周
のまわりに金属ストリップすなわちリボン形状のコロナ
電極２４が巻き付けられており、金属ストリップ（リボ
ン）コロナ電極２４の歯すなわちピン状突起２６は絶縁
コア２２の円周に対し９０°の角度で曲がっている。絶
縁支持リング３６は絶縁コア２２とステンレス鋼くさび
形リング３０を支持している。コロナ電極２４のピン状
突起から放出されたイオンは、電気力線に従ってくさび
形リング３０のスリットを通り、ドラム１０の内面に取
付けられたベルデ(Verde) フィルム１１の表面に達す
る。

【００１３】以上の説明から、装置をスコロトロン帯電
装置にする同心スリットと、形状が円形の鋸歯リボンコ
ロナ電極を備え、電荷保持表面、特にドラムの内面に取
り付けられたフィルムを帯電させる新規な帯電装置が開
示されたことは明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に従って内部にピン状要素付
き電極を組み込んだ帯電装置の拡大正面図である。

【図２】ドラムの内面に取り付けられたフィルムを帯電
させるように置かれた、図１の帯電装置の横断面図であ
る。

【符号の説明】

１０ ドラム １１ フィルム ２０ 本発明のスコロトロン帯電装置 ２２ 円筒形絶縁コア ２４ コロナ発生ストリップ（コロナ電極） ２６ 一連の鋸歯（ピン状要素） ３０ 導電性リング（制御用スクリーン） ３２，３４ くさび形部分 ３６ 絶縁支持リング ３８ 軸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドラムの内面に置かれたフィルムにイオ
   ン電荷を付与するように構成したスコロトロン帯電装置
   において、 外面をもつ絶縁コア部材と、 該絶縁コア部材の回りに巻き付けられた金属製ストリッ
   プのコロナ電極であって、一方の縁部には前記絶縁コア
   部材の外面に対し直角に曲げられた、一連のピン状要素
   を有する金属ストリップコロナ電極と、 前記絶縁コア部材を取り囲むように取付けられ、前記コ
   ロナ電極の一連のピン状要素の上方に位置するスリット
   を有し、該スリットを通して前記フィルムを帯電するよ
   うにイオンを放出する導電性リングとから成ることを特
   徴とする帯電装置。