JPH0798533A - コロナ放電器 - Google Patents

コロナ放電器

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JPH0798533A
JPH0798533A JP5241499A JP24149993A JPH0798533A JP H0798533 A JPH0798533 A JP H0798533A JP 5241499 A JP5241499 A JP 5241499A JP 24149993 A JP24149993 A JP 24149993A JP H0798533 A JPH0798533 A JP H0798533A
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JP
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discharge
electrode
corona
discharger
photoconductor
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JP5241499A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Kagawa
敏章 香川
Hiroshi Ishii
洋 石井
Shogo Yokota
昌吾 横田
Hisahiro Tamura
壽宏 田村
Kazuhiko Furukawa
和彦 古川
Hiroyuki Sawai
宏之 沢井
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化、低コスト化の可能なコロナ放電器を
提供する。 【構成】 絶縁性基板1a上にコモン電極13aが形成
され、このコモン電極13aから一定間隔dを隔てて絶
縁性基板上に複数の放電電極2aが設けられている。コ
モン電極13aと各々の放電電極は安定化抵抗16aを
用いて電気的に接続されている。放電電極2aの電極間
のピッチpは2mmであり、帯電器は放電電極2aの歯
先と図示のない感光体との距離(放電ギャップ)がコロ
ナ放電の維持が可能な最小寸法(約2mm以下)となる
ように配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はコロナ放電現象を応用
して被帯電物を均一に帯電させるコロナ放電器に関し、
特に放電電流の安定化および駆動電圧の低圧化が可能な
コロナ放電器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタなど電子写真プ
ロセスに用いられるコロナ放電器としては、直径50〜
100μmのタングステンワイヤに5〜10kVの高電
圧を印加し、これによって発生したイオンを感光体表面
に移動させて帯電を行なう方式のコロナ放電器が知られ
ている。しかしながら、この方式によれば、ワイヤが断
線しやすく、またオゾンの発生量が多く、その結果、画
像の劣化を招いたり、人体に悪影響を与えてしまう等の
問題点があった。
【0003】また近年、たとえば特開昭63−1527
2号公報に開示されているように、タングステンワイヤ
の代わりに鋸歯状に形成した放電電極を用いたコロナ放
電器が提案されている。この形式のコロナ放電器は、ワ
イヤ形式のものに比べ顕著な構造的および作動的利点を
有しており、比較的構造的強度が高くかつ必要印加電圧
が4〜5kVとワイヤ方式に比べて低い。
【0004】この種のコロナ放電器の一実施例について
図14を参照して説明する。鋸歯放電器26は、断片が
コの字形のシールドケース26dと、シールドケース2
6dに支持された絶縁性基板26bと、絶縁性基板26
b上に設けられたステンレス製(厚さ0.1mm)の鋸
歯状放電電極26aとを含む。図15はこの鋸歯状放電
電極26aの要部拡大図である。図15を参照して、鋸
歯状放電電極26aの歯数は107個で各歯間のピッチ
pは2mmである。鋸歯状放電電極26aの歯先は絶縁
性基板26bのエッジから感光体25側にd′(d′=
2mm)突出した位置にくるよう絶縁性基板26b上に
設けられている。鋸歯状放電電極26aの歯先端から、
感光体25までの距離は7mmである。鋸歯状放電電極
26aは、高圧電源26fに接続されている。この高圧
電源26fにより、鋸歯状放電電極26aに高電圧(−
4.5kV)を印加することにより、歯先よりコロナ放
電を安定的に発生させ、感光体25の表面を帯電させ
る。放電器26aと感光体25の間には高圧電源26e
により−620Vの電圧が印加されたグリッド電極26
cが設けられている。グリッド電極26cにより、感光
体25の帯電電位が所定電位(−600V)になるよう
制御する。
【0005】図16は図14に示した従来の鋸歯放電器
26を用いたコロナ放電器のモデル図(A)、その放電
特性を示すグラフ(B)および等価回路図(C)を示す
図である。図16(A)を参照して、鋸歯放電器26に
対応する放電電極31と感光体25に対応する放電対象
物33との間に高圧電源34が接続され、放電電極31
と放電対象物33との間の空隙32においてコロナ放電
が発生する。次に図16(B)を参照して、駆動電圧が
ある一定電圧(放電開始電圧Vth)を超えるとコロナ
放電が開始し、放電開始後の駆動電圧Eと放電電流Iと
はほぼ線形の関係を有している。したがって、図16
(C)の等価回路を参照して、放電電流Iは次の式で表
わされる。
【0006】I=(E−Vth)/Rg …(1) ここでRgは空隙32に対応する空隙インピーダンスで
ある。
【0007】放電開始電圧Vthは各放電電極間でほぼ
一定であるが、電極先端部の形状ばらつきや先端部への
付着物等の影響により、空隙インピーダンスRgは各放
電電極間で約±30%のばらつきを持つ。また、式
(1)からわかるように、空隙インピーダンスRgが各
電極間で±30%ばらつくと、放電電流Iも±30%の
割合でばらつく。その結果帯電むらが生じる。
【0008】上記した放電電流Iを均一化するための方
法がたとえば特公平3−1663号公報に開示されてい
る。同公報によれば、各放電電極と高圧電源との間に安
定化抵抗Rcを挿入し、その両端に生じる電圧降下を用
いて放電電流Iの均一化が図られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の鋸歯状放電器を
有するコロナ放電器は上記のように構成されれていたた
め、以下のような種々の問題点があった。
【0010】(1) ワイヤ方式と比べると低いもの
の、依然としてコロナ放電を発生させるために4〜5k
Vの高電圧を必要とする。
【0011】(2) 各鋸歯先端の形状のばらつき、破
損、汚染等により各歯間での放電が不均一であるため、
均一な帯電を得るためにはシールドケース、グリッド電
極等が必要であった。その結果、放電器の構成が複雑か
つコスト高となる。
【0012】(3) 放電を安定化させ、均一な帯電を
得るためにシールドケースやグリッド電極に対して必要
以上の放電を行なうため、帯電効率が低い。
【0013】(4) ワイヤ方式と比べ1/5程度では
あるものの依然としてオゾンの発生量が多い。その結
果、画像の劣化を招いたり、人体に悪影響を与える。
【0014】(5) 鋸歯状放電電極へ高電圧を印加す
る必要上、感光体やシールドケース、グリッド電極に対
しての耐リーク性、安全性を確保するために放電電極と
感光体、シールドケース、グリッド電極との間には5〜
10mmの間隔を設ける必要があり、放電器の大型化が
避けられない。
【0015】(6) 放電電流のばらつきを抑えるため
に安定化抵抗を挿入した場合においても、さらに放電電
流のばらつきを低減するにはより高い抵抗値を有する安
定化抵抗を挿入する必要がある。その結果、同じ放電電
流値を得るための駆動電圧が上昇してしまうという問題
が生じる。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、帯電効率が高く、オゾンの発生
が微量で、駆動電圧の低電圧化が可能であり、その結
果、低コスト化、小型化が可能なコロナ放電器を提供す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る放電電極と放電対象物との間でコロナ放電を行なうコ
ロナ放電器は絶縁性基板と、絶縁性基板上に、それぞれ
が所定のピッチだけ離れて1列に並んで設けられた複数
の放電電極とを含む。各放電電極は所定の抵抗値を有す
る抵抗器を介して高圧電源に接続される。放電電極と放
電対象物との間の距離は、放電電極からの放電が火花放
電やアーク放電に移行せず、コロナ放電が維持可能な最
小の値に選ばれる。
【0018】請求項2に係るコロナ放電器においては、
請求項1における放電電極と放電対象物との間の距離は
複数の放電電極間の所定のピッチ以上の値に選ばれる。
【0019】
【作用】請求項1に係るコロナ放電器においては、放電
電極が、所定の抵抗値を有する抵抗器を介して高圧電源
に接続された複数の放電電極で構成され、放電電極と放
電対象物との距離が放電電極からの放電が火花放電やア
ーク放電に移行せず、コロナ放電が維持される範囲内で
最小に設定される。したがって、駆動電圧が低減化さ
れ、また各放電電極からの放電が安定化されるためにシ
ールドケースやグリッド電極が不要となり、高い帯電効
率が得られ、オゾンの発生量が少なくなる。
【0020】請求項2に係るコロナ放電器においては、
放電電極と放電対象物との間の距離が複数の放電電極間
の所定のピッチ以上に選ばれているため、放電電極の電
極ピッチに起因する帯電ばらつきの発生を抑えることが
でき、帯電均一性を向上するこことができる。
【0021】以下のその原理について具体的に説明す
る。鋸歯状放電器の放電特性について本願の発明者らは
鋭意検討実験を行なった。図1にその実験装置を示す。
図1を参照して、実験装置は絶縁性基板1と絶縁性基板
1上に設けられたステンレス製の鋸歯状放電電極2を含
む。鋸歯状放電電極の歯数は10個で各歯間のピッチp
は2mmである。鋸歯状放電電極に対向して鋸歯状放電
電極の歯先から間隔g(以下放電ギャップと呼ぶ)をお
いて、ステンレス製の対向電極3が固定されている。実
験に用いた放電電極としては、(a) 図1(A)に示
すように、直接、可変の高圧電源4が接続されているも
の(以下Aタイプと呼ぶ)、および(b) 図1(B)
に示すように抵抗16(500MΩ)を介して高圧電源
4に接続されているもの(以後Bタイプと呼ぶ) の2種類がある。実験方法は、鋸歯状放電電極2に高電
圧を印加(10μAの定電流制御)することにより、対
向電極3に対しコロナ放電を発生させ、このコロナ放電
中に各放電電極を流れる放電電流を電流計(図示せず)
により測定した。
【0022】図2および図3に放電ギャップgを変化さ
せたときの2種類の放電電極の放電特性を示す。通常の
放電ギャップ(g=7mm)では、BタイプはAタイプ
に比べ、各放電電極を流れる放電電流のばらつきが小さ
く、各放電電極の放電が安定していることがわかる。こ
れは従来例の特公平3−1663号公報の説明で述べた
ように、安定化抵抗による効果である。
【0023】従来の鋸歯状放電器を有するコロナ放電器
においては、先にも述べたように鋸歯状放電電極へ高電
圧を印加する必要上、感光体やシールドケース、グリッ
ド電極に対しての耐リーク性、安全性を確保するために
放電電極と感光体、シールドケース、グリッド電極の間
を狭くすることが困難であった。これに対し本願発明者
らは放電ギャップgを小さくしてみた。この場合、Aタ
イプの放電器では放電電流のばらつきは通常の放電ギャ
ップのときと同様に大きく、放電が不安定な状態のまま
であることがわかった。また、Aタイプの放電器では、
放電ギャップgが3mm以下の領域では、さらに放電が
不安定となり、火花放電やアーク放電に移行しやすくな
ることがわかった。
【0024】これに対しBタイプの放電器では、放電ギ
ャップgが小さくなるほど放電電流ばらつきは小さくな
ることがわかった。また、抵抗16が挿入されているた
め、放電ギャップgが3mm以下の場合においてもコロ
ナ放電が持続され、さらに放電が安定化することがわか
った。また放電ギャップが小さくなるほど駆動電圧も低
くなることがわかった。
【0025】次に放電ギャップgが小さいほど放電電流
ばらつきが小さくなる上記実験結果についてシミュレー
ションにより確認を行なった。その場合のモデルの等価
回路図を図4に示す。ここでVthは各放電電極の放電
開始電圧であり、Rgnは各放電電極と対向電極間の空
隙インピーダンスであり、Rcは挿入抵抗であり、Eは
駆動電圧である。このモデルから各放電電極の放電電流
Ignは次式で表わされる。
【0026】 Ign=(E−Vth)/(Rc+Rgn) …(2) シミュレーション条件としては、別途行なった鋸歯状放
電電極の基本放電特性を調べた実験の結果より、以下の
ように設定した。
【0027】(1) 各放電電極により空隙インピーダ
ンスRgnが変動(変動率約±30%)し、その変動率
は放電ギャップにかかわらず一定である。
【0028】(2) 放電開始電圧は各放電電極間では
一定であり、放電ギャップと線形関係がある。
【0029】シミュレーションの結果を図5に示す。図
5を参照して、放電ギャップgが小さいほど放電電流ば
らつきは小さくなるという結果が得られ、実験結果と一
致した。また、挿入抵抗の抵抗値が高いほど放電電流ば
らつきが小さくなることがわかった。
【0030】これを論理的に説明すると次のようにな
る。放電ギャップgを小さくすることにより、各放電電
極に挿入した抵抗Rcに対する空隙インピーダンスRg
nの割合が相対的に低下する。各放電電極間の空隙イン
ピーダンスの変動の影響が低下するので放電電流ばらつ
きが小さくなる。図6に放電ギャップと空隙インピーダ
ンスの関係を示す。図6から放電ギャップgと空隙イン
ピーダンスRgとの近似式を求めると次のようになる。
【0031】 Rg(Ω)=1.14×107 2 (mm)−1.79×106 g(mm) …(3) 図7に放電ギャップgと放電開始電圧Vthとの関係を
示す。図7から放電ギャップgと放電開始電圧Vthと
の関係を示す近似式を求めると次のようになる。
【0032】 Vth(V)=301g(mm)+1140 …(4) 以上の検討結果から、所定の抵抗値を有する複数の放電
電極で構成された放電器において、放電電極と放電対象
との距離を、放電電極からの放電が火花放電やアーク放
電に移行せず、コロナ放電が維持される範囲内で微小に
設定することにより、駆動電圧を低減できる。また、各
放電電極からの放電が安定化されるためにシールドケー
スやグリッド電極が不要になり、高い帯電効率が得ら
れ、オゾンの発生量を低減できる。
【0033】次にBタイプの放電器を帯電器として使用
し、感光体に対する帯電特性を調べた。それに用いた実
験装置を図8に示す。
【0034】図8を参照して、感光体5は、直径50m
mの円筒形のアルミ素管を回転自在に軸支し、基体の周
面にOPC(Organic Photoconductor)からなる光導電
層を形成したものである。感光体5は図示した矢印Aの
方向にプロセススピード86mm/secで回転され
る。感光体5の周囲には、上述のBタイプの放電器6が
放電ギャップgで近接して対向して配置され、感光体5
の表面を所定電位に帯電する。感光体5の表面の帯電電
位は、感光体5の回転方向に対し放電器6より下流側に
設けられ、感光体5の軸方向(図8において紙面に垂直
方向)に駆動可能に設けられた表面電位計17により測
定される。感光体5は、表面電位計17の下流側に設け
られた除電ランプ12により除電される。実験には各放
電電極間のピッチpが2mm、4mmの2種類の放電器
を使用した。
【0035】図9、図10に放電器6を20μAの定電
流制御で駆動し、感光体5を帯電させたときの感光体5
の軸方向の帯電ばらつきと放電ギャップgとの関係を示
す。いずれの放電器も放電ギャップgが小さくなるほど
帯電ばらつきは小さくなるが、放電ギャップgが電極ピ
ッチpよりも小さくなると帯電ばらつきにおける放電電
極(歯)ピッチに起因する成分(歯ピッチが2mmの場
合2mm周期、歯ピッチが4mmの場合4mm周期の帯
電リップル)が現われる。放電ギャップが小さくなるに
つれてこの歯ピッチに起因する成分が大きくなる。この
歯ピッチに対応した帯電ばらつきは、放電器を記録紙の
剥離などに用いる場合にはあまり問題とならないが、帯
電均一性の要求される帯電器として用いた場合、画像品
質の劣化の要因となる。
【0036】放電電極の電極ピッチの帯電特性に及ぼす
影響について、映像法を用いて理論的に解析した結果を
図11に示す。理論解析による結果でも、歯ピッチ/放
電ギャップが1より大きくなると、言換えれば放電ギャ
ップgが電極ピッチpより小さくなると帯電ばらつきが
増大するといった実験と同様の結果が得られた。
【0037】以上の検討結果より、所定の抵抗値を有す
る複数の放電電極が互いに等間隔pで配列されたコロナ
放電器において、放電電極と被帯電物との距離gを g≧p …(5) に設定することにより、放電電極の電極ピッチに起因す
る帯電ばらつきの発生を抑えることができ、帯電均一性
を向上することができることがわかる。
【0038】次に挿入抵抗Rcについて検討する。挿入
抵抗Rcの下限としては、空隙インピーダンスRgのば
らつきを抑えるために、 Rc≧Rg …(6) が望ましい。
【0039】挿入抵抗Rcの上限としては、使用できる
高圧電源の駆動電圧から決まり、駆動電圧の上限をE′
とすると式(2)より、 E′≧Ign(Rgn+Rc)+Vth ∴(E′−Vth)/Ign−Rgn≧Rc …(7) (6)および(7)より、(E′−Vth)/Ign−Rgn≧Rc≧Rgn …(8) ここで式(3)および(4)より、 Vth=301g+1140 Rgn=1.14×107 2 −1.79×106 g g=pより Vth=301p+1140 Rgn=1.14×107 2 −1.79×106 p ∴{E′−(301p−1140)}/Ign−1.1
4×107 ×p2 +1.79×106 ×p>Rc≧1.
14×107 ×p2 +1.79×106 ×p すなわち、挿入抵抗の値は駆動電圧、放電電流、電極ピ
ッチを用いて上記のように表わされる。
【0040】
【実施例】図12はこの発明による放電器を用いた電子
写真装置の構成を示す模式図である。感光体5はアルミ
ニウムなどの導電性材料を素材としたドラム状の基体を
回転自在に軸支し、その基体の周面にOPCなどからな
る光導電層を形成したものである。この感光体5は図示
した矢印Bの方向に回転可能な構成となっている。感光
体5にはコロナ放電器(帯電器15a)およびコロナ放
電器(転写器)15bが近接して対向して設けられてい
る。
【0041】図13は帯電器15aの要部拡大図であ
る。絶縁性基板1a上にコモン電極13aが形成され、
このコモン電極13aが一定間隔dを隔てて絶縁性基板
1a上に複数の放電電極2aが設けられている。コモン
電極13aと各々の放電電極とは500MΩの抵抗値を
有する複数のチップ抵抗16aで電気的に接続されてい
る。放電電極2の歯数は107個で各歯の間のピッチp
は2mmであり、歯先が絶縁性基板1aのエッジ部から
感光体5側に2mm突出した位置になるよう絶縁性基板
1aに接着されている。帯電器15aは放電電極2aの
歯先と感光体5との距離(放電ギャップ)が2mmとな
るよう配置されており、コモン電極13aに接続された
電圧源4aにより駆動電圧(−2.5kV)が印加さ
れ、感光体5を所定電位(約−600V)に帯電する。
その後、露光7により感光体5の表面に静電潜像を形成
し、その静電潜像を現像器8のトナーで現像する。
【0042】次に、このトナー像が転写装置15bと感
光体5が対向する転写部位に至ると、これにタイミング
を合せて転写材9を転写部位に供給する(図示矢印C方
向)。転写部位では、帯電器15aと同様の構成の転写
器15bにより転写材9の裏面を帯電させ、感光体5上
のトナー像を転写材9に転写する。その後、トナー像を
担持した転写材9を定着器10に搬送する。一方、感光
体5上に残ったトナーをクリーナー11で回収した後、
感光体5上の残留電荷を除電ランプ12により除去し次
の工程に入るようになっている。この電子写真装置を用
いて感光体5上の帯電電位を測定した結果、従来のコロ
ナ放電器を用いた電子写真装置と同等の帯電特性が得ら
れていることを確認した。またテストコピーでも、従来
方式と同等のコピーサンプルが得られることを確認し
た。
【0043】また本実施例では、特に電子写真装置の帯
電装置について説明したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、たとえば電子写真装置の転写装置や除電
装置、剥離装置等のコロナ放電装置にも適用されるのは
言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1に係るコロナ放電
器は、所定の抵抗値を有する複数の放電電極で構成さ
れ、放電電極と放電対象との距離が放電電極からの放電
が火花放電やアーク放電に移行せず、コロナ放電が維持
可能な最小の値に選ばれているため、駆動電圧が低減化
され、また各放電電極の放電が安定化されるためにシー
ルドケースやグリッド電極が不要となり、高い帯電効率
が得られ、オゾンの発生量が少ない。その結果、小型
化、低コスト化が可能なコロナ放電器が提供できる。
【0045】さらに、第2の請求項に係るコロナ放電器
においては、放電電極と放電対象物との間の距離が複数
の放電電極の所定のピッチ以上に設定されているため、
放電電極の電極ピッチに起因する帯電ばらつきの発生を
抑えることができ、帯電均一性を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】コロナ放電器から発生する放電電流を測定する
実験装置の概略構成図である。
【図2】実験結果による放電ギャップと放電電流ばらつ
きの関係を示す図である。
【図3】実験結果による放電ギャップと駆動電圧の関係
を示す図である。
【図4】各放電電極に抵抗を挿入したコロナ放電器の等
価電気回路図である。
【図5】計算結果による放電ギャップと放電電流ばらつ
きの関係を示す図である。
【図6】放電ギャップと空隙インピーダンスの関係を示
す図である。
【図7】放電ギャップと放電開始電圧との関係を示す図
である。
【図8】コロナ放電器による帯電特性を測定する実験装
置の構成図である。
【図9】放電ギャップと帯電ばらつきの関係を示す図で
ある。
【図10】放電ギャップと帯電ばらつきの関係を示す図
である。
【図11】計算結果による歯ピッチと帯電ばらつきの関
係を示すである。
【図12】この発明に係るコロナ放電器を用いた電子写
真装置の構成を示す図である。
【図13】図12に示した帯電器の要部拡大図である。
【図14】鋸歯状放電電極を用いた従来のコロナ放電器
の構成を示す図である。
【図15】鋸歯状放電電極を用いた従来のコロナ放電器
の放電電極部の拡大図である。
【図16】従来の鋸歯放電器を用いたコロナ放電器のモ
デル図(A)放電特性(B)および等価回路図(C)を
示す図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 鋸歯状放電電極 3 対向電極 4 高圧電源 5 感光体 6 放電器 15a コロナ放電器(帯電器) 16 安定化抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 壽宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 古川 和彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 沢井 宏之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電電極と前記放電電極に対向して設け
    られた放電対象物との間でコロナ放電を行なうコロナ放
    電器であって、 絶縁性基板と、 前記絶縁性基板上にそれぞれが所定のピッチだけ離れて
    1列に並んで設けられた複数の放電電極とを含み、 前記各放電電極は所定の抵抗値を有する抵抗器を介して
    高圧電源に接続され、 前記放電電極と前記放電対象物との間の距離は、前記放
    電電極からの放電が火花放電やアーク放電に移行せず、
    コロナ放電が維持可能な最小の値に選ばれる、コロナ放
    電器。
  2. 【請求項2】 前記放電電極と放電対象物との間の距離
    は前記所定のピッチ以上である、請求項1に記載のコロ
    ナ放電器。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6493529B1 (en) * 1999-07-05 2002-12-10 Ricoh Company, Ltd. Charging device with walls surrounding the electrodes which reduce ozone emissions
JP2009004127A (ja) * 2007-06-19 2009-01-08 Shishido Seidenki Kk イオン生成装置
JP2009099472A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Shishido Seidenki Kk 送風式イオン生成装置
JP2009251310A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Sharp Corp 帯電装置及びそれを備えた画像形成装置
KR101398854B1 (ko) * 2012-10-05 2014-05-27 한국기계연구원 코로나 방전 점화를 위한 저전류 유지 회로 구조 및 코로나 방전 점화장치

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