JP3251905B2 - 先組柱筋用吊り治具およびこれを用いた外殻PCa柱部材製造における塞ぎ型枠の設置方法 - Google Patents

先組柱筋用吊り治具およびこれを用いた外殻PCa柱部材製造における塞ぎ型枠の設置方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先組柱筋の縦方向
筋に対する係止、係脱が容易に行えるとともに、異なる
鉄筋径のものに対して汎用的に使用できるようにした先
組柱筋用吊り治具および中空のプレキャストコンクリー
ト柱(外殻PCa柱という。)の製造に際し、前記吊り
治具を塞ぎ型枠として利用することにより型枠設置作業
の省力化を図るようにした型枠の設置方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高層ビル等の建築工事におい
ては、躯体工事を効率化、省力化するために鉄筋の先組
工法が採用されている。これは、型枠工事とは別に柱鉄
筋を別の場所で先組みし、この先組柱筋を所定の吊り治
具によって吊り上げ、型枠内の所定位置に落とし込むこ
とによって一気に配筋作業を完了させるものである。
【0003】前記吊り治具に関しては、従来より種々の
ものが提案されているが最も多く採用されている構造
は、方形枠板の各部材辺に対して、先組鉄筋の縦方向筋
と対応する位置に予め通孔を形成しておき、縦方向筋を
前記通孔に挿通させた後、ナットを螺設することにより
抜け出ないように保持し、方形枠板の上面に設けた吊り
ピース等にワイヤーを掛止して吊り上げるようにしたも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の吊り治具構造の場合には、囲み筋(フープ筋)に対
して堅固に固定された複数本の縦方向筋を方形枠板の各
通孔に挿通させるのに大変な手間が掛かることが多かっ
た。すなわち、組立精度の問題から各隅部に配置される
縦方向筋の位置は先組鉄筋毎に微妙にずれることが普通
であり、各通孔に縦方向筋を挿通させる際、一部の縦方
向筋が通孔位置からずれた位置となることが多かった。
この度毎に、人力によって位置ずれした縦方向筋を強引
に変形させながら通孔に挿通させなければならず、多く
の労力負担を強いられていた。
【0005】また、吊り治具の通孔に挿通させる縦方向
筋の径が異なる場合に、鉄筋径毎にナットを用意しなけ
ればならないとともに、場合によっては通孔の径を変え
る必要が生じるなどの問題があった。さらにナット保持
構造の場合には、ナットの設置や取り外しに時間が掛か
るとともに、脱落の危険があるなどの問題もある。
【0006】他方、近年、柱躯体工事に係り、省力化や
工期短縮等のために、内部を中空にするとともに、外殻
コンクリート部分に実質的にスターラップ等の剪断筋の
みを配設した筒状の外殻PCa柱が使用されるようにな
ってきた。施工に当たっては、前記外殻PCa柱を所定
の柱構築位置に配置するとともに、内空部に縦方向の主
筋を配筋した後、この外殻PCa柱を型枠代わりとしな
がら内部に生コンクリートを打設し、コンクリート柱を
構築する。この外殻PCa柱を使用する他の利点として
は、前述のフルPCa柱部材よりも重量が軽いため現場
での取扱いが容易となるとともに、揚重設備が簡易で済
むようになる点と、後打ちコンクリートにより躯体PC
a部材を使用した柱/梁との一体化が確実となる点を挙
げることができる。
【0007】本出願人においても、先の特願平9−10
5294号等において、外殻PCa柱を効率的に製造す
るための内型枠装置を提案した。かかる内型枠装置は、
それぞれ一対の面パネルとコーナーパネルと、型枠位置
を規制する下部および上部位置決め部材と、前記面パネ
ルとコーナーパネルとにより組み立てられた閉塞空間内
に挿入設置されるエアチューブと、このエアチューブと
前記面パネルとの間に介在される緩衝パネルとで構成し
た型枠装置である。
【0008】かかる外殻PCa柱の製造に際しても、先
組鉄筋の配設のために吊り治具が用いられるが、地組し
た先組鉄筋を吊り治具を用いて内型枠周りに設置した
後、吊り治具と先組鉄筋の縦方向筋との係止を解き、吊
り治具を撤去した後、さらにコンクリート打設空間の上
面を封鎖する塞ぎ型枠(上部位置決め部材)を設置する
とともに、場合によっては内型枠を保持するために別
途、内型枠保持具を設けるなど、煩雑な手順を踏まなけ
ればならなかった。
【0009】そこで、本発明の主たる課題は、先ず第1
に先組鉄筋の縦方向筋に対する係止・係脱が容易に行え
るようにするとともに、鉄筋径が変わっても汎用的に使
用可能な先組柱筋用吊り治具を提案すること、第2に外
殻PCa柱部材の製造のための型枠設置作業に係り、前
記吊り治具の共用的利用により型枠設置作業の省力化を
図るようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、先組みされた柱鉄筋の縦方向筋と連結さ
れ、複数のワイヤ吊り掛け部を介して吊り上げられ、前
記先組柱鉄筋を移動させるための吊り治具であって、前
記吊り治具は、内部が開口した枠板の上面に、前記縦方
向筋に対して掛止させるフック金具を有するとともに、
このフック金具を引込み自在とした複数の掛止金具を備
えており、縦方向筋に掛止させた前記フック金具を開口
縁側に引き寄せ、フック金具により前記縦方向筋を開口
縁に押圧保持することによって固定することを特徴とす
るものである。この場合において、前記縦方向筋が接す
る枠板の開口縁部に縦筋嵌入用切欠きを形成するのが望
ましい。
【0011】本発明においては、フック金具を用いた掛
止金具によって鉄筋を吊り治具に固定するようにしてい
るため、従来のような問題がすべて解消されるようにな
る。すなわち、各縦方向筋の位置が多少ずれていても何
ら問題なく、フック金具を掛止させることができ、しか
も縦方向筋に引っ掛けた後はフック金具を引き寄せて開
口縁に押圧保持するだけでよいため、従来のものよりも
格段に係止・係脱が容易に行えるようになる。
【0012】なお、フック金具の引込み・固定手段とし
ては、前記フック金具の基端部にネジを形成し、このネ
ジを挿通させた壁の背面側でナットを螺設し、このナッ
トの回転により引込みと固定を行うようにした構造が簡
易である点で好適に採用される。もちろん、バックル構
造等の引込み・固定構造を採用することもできる。要
は、縦方向筋に掛止させた前記フック金具を開口縁側に
引き寄せることができ、かつ開口縁に押圧状態で堅固に
保持し得る構造のものであればよい。
【0013】他方、型枠設置作業の省力化を図るための
本発明は、前記先組柱筋用吊り治具を用いた外殻PCa
柱部材製造における塞ぎ型枠の設置方法であって、前記
吊り治具において;枠板を構成する各辺の幅は少なくと
も製造される外殻PCa柱部材の壁厚以上とするととも
に、枠板の開口寸法を内型枠の外形寸法とほぼ同じとし
ておき、前記吊り治具によって先組鉄筋を吊り上げた状
態から、枠板の開口内部に前記内型枠を挿入させながら
所定の位置まで吊り降ろし、その後、該吊り治具を解体
することなく、そのまま枠板を塞ぎ型枠として使用する
ことを特徴とするものである。
【0014】上記のように、吊り治具の枠板を塞ぎ型枠
として利用することにより、吊り治具の撤去の必要がな
くなる、自動的に枠板によって内型枠が保持されるよう
になるなど、型枠設置作業の大幅な省力化が図れるよう
になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳述する。図1は外殻PCa柱製
造のための型枠装置1の要部概略斜視図であり、図2は
その平面図である。
【0016】本外型枠装置1は、コンクリート作業床F
に起立状態で固定された十字横断面形の固定外型枠2
と、この固定外型枠2の交点部より平面視で45度方向
に沿って夫々敷設された4本の走行レール5A〜5D
と、これら各走行レール5A〜5Dに沿って移動可能と
され、内型枠6および底型枠ユニット7が搭載される移
動台車4A〜4Dと、同じく各走行レール5A〜5Dに
沿って移動可能とされるL字横断面形の移動外型枠3A
〜3Dとから構成される型枠装置である。
【0017】前記固定外型枠2は、コンクリート作業床
Fに基部が埋設されるか、アンカー手段によって前記作
業床Fに堅固に固定された外型枠であり、図2に示され
る如く、フレーム部材によって横断面十字状に構築され
た支保架構の各隅角面部、すなわち4つの各L字壁面部
分を利用して、同時併行的に4つの外殻PCa柱を製造
し得るようにしたものである。
【0018】詳細には、中央に起立支持された中心軸柱
18の各十字片方向に対し、下部位置に脚部繋ぎ材14
を配設するとともに、上部位置に頭部繋ぎ材15を配置
し、かつ前記脚部繋ぎ材14と頭部繋ぎ材15とを複数
の縦桟16、16…によって連結支持するとともに、上
下方向の複数箇所に横桟17、17…を横架させて壁面
架構を構築し、次いで各L字壁面部において、縦方向に
沿って端太材代わりとなる補助支柱28,28…を複数
箇所に配設するとともに、その外側にセキ板19A、1
9Bを配置したものであり、外殻PCa柱の外周型枠面
(4面)の内、2面の型枠面を分担させるようにしたも
のである。前記セキ板19A、19Bとしては、合板は
勿論のこと、合成樹脂板、鋼製板等の種々のものを使用
することができるが、剥離剤を使用することなく数十回
の使用に耐えるものとして、ウレタン系樹脂によるもの
が好適に選定される。なお、前記頭部繋ぎ材15の上面
には、固定外型枠2と後述の移動外型枠3A〜3Dとを
緊結するためのクランプ締め具20,20を備えてい
る。
【0019】他方、移動型枠3A〜3Dは、下端部に走
行レール5A内に沿って移動自在の走行体31を備える
メイン支柱30の部材長手方向の適所の位置において、
平面視の状態で走行レール5Aを対角線方向とする直交
2方向に対しそれぞれセキ板32A・32Bのコラムク
ランプとなる横桟33,34を固定し、かつ各横桟3
3,34の中間を共通的に支持する縦桟36,36を設
けるとともに、各横桟33,34の先端部を共通的に支
持する補助支柱35を設けた壁面架構であり、前記補助
支柱35の下端には、走行レール5A〜5D内を走行し
得る走行体37が設けられ、移動外型枠3A〜3Dが自
立した状態で前記移動台車4A〜4Dと同様、走行レー
ル5A〜5Dに沿って移動自在となっている。
【0020】前記移動台車4A〜4Dに搭載される内型
枠6は、図3に示されるように、4枚の面パネル11A
〜11Dと、4本のコーナーパネル12A〜12Dと、
4枚の緩衝パネル13A〜13Dと、1個のエアチュー
ブ10とにより構成されるもので、前記面パネル11A
〜11Dには、両端部に段差を有する積層板の前面に縦
方向に適宜の間隔で外方に突出するコッター26,26
…が多数形成され、かつ裏面側には2条のリップ溝型状
補強材25,25が一体的に固定されている。前記コッ
ター26は、外殻PCa柱の内空部に打設されるコンク
リートとの付着を確保するためのものである。他方、前
記コーナーパネル12A〜12Dは、相対的にサイズの
大きいL型部材と、このL型部材の内側に相対的に小サ
イズのL型部材とを組み合わせ、両端部に夫々前記面パ
ネル11A〜11Dの段差部に係合する段差を形成した
柱状の部材である。
【0021】前記型枠装置1においては、製造される外
殻PCa柱のサイズ変更に容易に対応可能としておくこ
とが望ましい。そのため、先ず前記固定外型枠2につい
ては、製作される外殻PCa柱の断面サイズ変更があっ
ても共通的に使用可能なように各十字壁面の張出し長さ
を十分な長さとする一方、前記移動外型枠のL字壁面の
サイズは任意に変更可能としておき、外殻PCa柱の断
面サイズ変更に当たって、前記移動外型枠のL字壁面サ
イズの変更により対応させるようにし、また高さ変更を
容易とするためには、前記固定外型枠については、製作
される外殻PCa柱の高さ変更があっても共通的に使用
可能なように前記固定外型枠2の高さを十分な高さとす
る一方、前記移動外型枠3A〜3Dは製作される外殻P
Ca柱の高さに合わせた高さとし、外殻PCa柱の高さ
変更に当たって、前記移動外型枠3A〜3Dの高さ変更
により対応させるようにしている。
【0022】内型枠6は、図3に示されるように、前記
面パネル11A〜11Dと、コーナーパネル12A〜1
2Dとが各段差を相互に係合させながら方形枠状に組み
立てられ、前記補強材25,25の内側に緩衝パネル1
3A〜13Dが介在された状態で内空部に前記エアチュ
ーブ10を挿入設置することにより組み立てられ、前述
した移動台車4A〜4D上に搭載される。この移動台車
4A〜4Dに搭載された内型枠6の周囲に先組された鉄
筋を一気に落とし込みによって設置するために本発明吊
り治具8が用いられる。
【0023】以下、本吊り治具8の構造およびその機能
について図4〜図10を参照しながら詳述する。
【0024】吊り治具8は、内部に方形の開口が形成さ
れ、平面ロ字形状に成形された方形枠板21を吊り治具
本体として、その上面側において、それぞれの辺に部材
長手方向に沿って、かつ方形枠板の開口縁に起立壁面を
合わせて配設固定された断面L字形状のアングル部材2
2A〜22Dを設けるとともに、各隅部位置に、方形枠
板21に配設固定された断面L字状の掛止金具取付け台
23A〜23Dと、この掛止金具取付け台23A〜23
Dに取り付けられたJ字状のフック金具24A〜24D
およびこのフック金具24A〜24Dの基端部に螺設さ
れた引込み用ナット24a〜24dとからなる先組鉄筋
に対する掛止金具K、K…を取り付けたものである。
【0025】以下、さらに具体的に詳述すると、前記方
形枠板8は、そのまま外殻PCa柱を製造をするための
型枠装置1の上面塞ぎ型枠として利用できるように、各
辺の幅は少なくとも製造される外殻PCa柱の壁厚相当
または壁厚以上とされる。すなわち、外型枠の上面に対
して前記方形枠板8を固定させる場合には、その固定が
わの辺については外殻PCa柱の壁厚以上の幅としてお
き、移動外型枠3A〜3Dの上面に対してボルト等によ
って固定できるようにする。本例では、前述のように固
定外型枠2については移動外型枠3A〜3Dよりも相対
的に高さを高くしてあるため、構成4辺の内、固定外型
枠2に対して接する二辺は外殻PCa柱の壁厚相当の幅
とし、移動外型枠3A〜3Dに接する二辺について移動
外型枠3A〜3Dの上面に対する固定のために広幅とし
てある。これらの側辺には該方形枠板21を塞ぎ型枠と
して固定するためのボルト通孔21e〜21hが形成さ
れている。また、開口寸法については、前述した内型枠
6の外形寸法とほぼ同じ大きさとしてある。
【0026】また、前記方形枠板8の各隅部には、縦方
向筋40が嵌入される縦筋嵌入用切欠き部21a〜21
dが形成されている。この縦筋嵌入用切欠き部21a〜
21dは、縦方向筋40がコンクリート打設空間内に配
置されるようにするために設けられた切欠きであり、コ
ンクリートが打設される際のエア抜き孔ともなる。な
お、吊り治具8を外殻PCa柱以外の通常の吊り込み用
として用いる場合には、前記縦筋嵌入用切欠き21a〜
21dを省力することもできる。また、エア抜き孔につ
いては、上記のもの以外に別途、アングル部材22A〜
22Dを方形枠板8と共に貫いて各辺毎に3カ所(符号
22a〜22c)づつ形成してある。
【0027】次いで、方形枠板8の上面に固定されたア
ングル部材22A〜22Dは、吊りワイヤーを掛止させ
るための金具として、および内型枠6に対する連結のた
めに設けられた部材であり、起立壁面に設けられた2つ
の通孔22f、22gと共に面パネル11A〜11Dを
貫通させたボルトにより吊り治具8と内型枠6とを相互
に連結するようになっている。
【0028】また、前記アングル部材22A〜22Dの
両側部には、側板22d、22eが固定されており、こ
の側板22d、22eに形成された吊り孔にたとえばシ
ャックルを止め、吊りワイヤによって吊持するようにな
っている。
【0029】鉄筋組から内型枠6周面位置への配筋まで
の一連の作業は、下記に示す手順によって行われる。
【0030】図7に示されるように、所謂フープ筋と言
われる方形形状の剪断補強筋41,41…を高さ方向に
沿って所定の間隔で配置するために、通常は先組用ラッ
ク9が用いられる。この先組用ラック9は、一方の面に
高さ方向に所定の間隔で鉄筋棚9a、9a…(9b、9
b…)が固定された左右一対のラック壁9A、9Bから
なり、これらのラック壁9A、9Bを対面配置の状態で
向かい合わせ、同じ高さ位置にある鉄筋棚9a,9bに
横架させて剪断補強筋41を各段毎に設置した後、剪断
補強筋41内の四隅部分にそれぞれ縦方向筋40,40
…を配設し、この縦方向筋40と各剪断補強筋41,4
1…とを番線等により緊縛して先組鉄筋Dの組立を行う
ものある。
【0031】組立が完了したならば、最上部の剪断補強
筋41よりも上方に突出させてある縦方向筋40、40
…に対して吊り治具8を取り付ける。取付けは、方形枠
板21の内側四隅位置に前記縦方向筋40、40が配設
されるように、上方側から前記吊り治具8を落とし込
み、各縦方向鉄筋40位置において、フック金具24A
〜24DのU字状部を縦方向に掛止させるとともに、基
端側のネジ部を掛止金具取付け台23A〜23Dの通孔
に挿通し、次いで背面側においてナット24a〜24d
を螺設するとともに、このナット24a〜24dをフッ
ク金具24A〜24Dの引込み方向に回して前記縦方向
筋40を縦筋嵌入用切欠き部21a〜21d内に引き寄
せ、縦筋嵌入用切欠き部21a〜21dの底部と前記フ
ック金具24A〜24Dとにより押圧保持することによ
って固定する。なお、前記縦方向筋40には長手方向に
適宜の間隔で周方向に沿った節が形成されており、前記
フック金具24A〜24Dによる締付けにより抜け出す
ことはない。
【0032】先組鉄筋Dに対する吊り治具8の取付けが
完了したならば、吊り治具8上面に固定されたアングル
部材22A〜22Dの任意の吊り孔を利用して吊りワイ
ヤをシャックルなどを介して連結し、所定の吊り上げ設
備によって吊り状態で支持する。先組鉄筋Dを吊り支持
した状態で前記ラック壁9A、9Bを側方に移動させた
ならば上方に引き上げ、図8に示されるように、方形枠
板21の開口内部に前記内型枠6を挿入させながら所定
の位置まで吊り降ろす。この際、吊り治具8の開口が内
型枠6の外形に合っているため、自動的に縦方向筋40
が所定の位置に位置決めされ、かつ剪断補強筋42,4
2…が間接的に所定の位置に位置決めされる。また、同
時に方形枠板21により内型枠6の周囲が拘束される。
なお、四隅にある縦方向筋40、40…は、方形枠板2
1の各縦筋嵌入用切欠き部21a〜21d内に収まって
いるため、先組鉄筋Dの落とし込みの際に障害となるこ
とはない。
【0033】以上の要領にて、前記内型枠6のセットと
剪断補強筋のセットが完了したならば、移動台車4A〜
4Dを走行レール5A〜5Dに沿って、かつ固定外型枠
2に密着させるまで移動させた後、前記移動外型枠3A
〜3Dを固定外型枠2側に移動させる。移動外型枠3A
〜3Dを、固定外型枠2のセキ板19A、19Bと移動
外型枠3A〜3Dのセキ板32A,32Bとにより閉塞
された囲繞空間が形成される位置まで移動させたなら
ば、クランプ締め具20,20…により固定外型枠2に
対して前記移動外型枠3A〜3Dを堅固に緊結する。
【0034】さらに、図9および図10に示されるよう
に、方形枠板21の上面に形成されたボルト通孔21e
〜21hに対しボルト42、42…を挿入し、移動外型
枠3A〜3Dに対して吊り治具8を固定する。また、吊
り治具8の上面に固定されたアングル部材22A〜22
Dの起立壁面に形成された通孔22f、22gに対して
面パネル11A〜11Dを共に貫く内型枠固定ボルト4
3,43…を挿入して、該吊り治具8と内型枠6とを堅
固に連結させる。
【0035】以上の工程によりすべての型枠設置作業が
完了したならば、図10に示されるように、下側に設け
られたコンクリート注入口46から高強度で高流動性の
コンクリートをポンプ圧入し、その後吊り治具8の上部
に設けたエア抜き口22a〜22cからコンクリートが
漏出したことを確認しコンクリート打設作業を完了す
る。
【0036】その後、コンクリートが硬化するのを待
ち、脱型作業に入る。脱型は先ず移動外型枠3A〜3D
を固定外型枠2から切り離す前に先ず内型枠6を解体す
る。内型枠6の解体は、図10に示される状態から先
ず、内部に充満されている圧搾空気を抜いてエアチュー
ブ10を撤去する。この際、エアチューブ10は緩衝パ
ネル13A〜13によって保護されているため補強材2
4に引っ掛かることはなく容易かつ安全に撤去が可能で
ある。
【0037】次いで、緩衝パネル13A〜13Dを引き
抜いて撤去した後、外型枠2,3A…の天端よりも上方
に突出している面パネル11A〜11Dの上端部に水平
外力を加え、補強材25下端(P点)を支点として前記
面パネル11A〜11Dを内側に倒し、コンクリート面
から剥離させる。この内倒しの際に、補強材24の下端
に予めテーパー25aが形成されていること、および前
記緩衝パネル13A〜13Dが撤去されていることによ
って「遊び」が確保されていることにより面パネル11
A〜11Dの傾倒が容易になる。
【0038】以上の工程により、内型枠6の解体が完了
したならば、次に作業床Fに連結された、レバーブロッ
ク等の引込み手段から繰り出されたワイヤの先端を前記
移動外型枠3A〜3Dに連結し、前記レバーブロック操
作によって前記移動外型枠3A〜3Dを外殻PCa柱か
ら剥離させると共に所定の離間位置まで移動させる。ま
た、同様の方法により移動台車4A〜4Dについても製
作された外殻PCa柱を載せたまま、固定外型枠2から
剥離させると共に所定の離間位置まで移動させ、4t程
度のユニック車により前記製作された外殻PCa柱を荷
台上に積み上げ、所定のストック場所まで運搬する。上
記工程を1サイクルとして繰り返すことにより多数の外
殻PCa柱を効率的に製造することができる。
【0039】本例における外殻PCa柱においては、剪
断補強筋41,41…のみが構造用の応力筋であり、縦
方向筋40,40は単なる組立筋に過ぎないが、外殻P
Ca柱の中には、前記柱主筋を予め埋設することもあ
る。この場合には、前記組立筋に過ぎない縦方向筋4
0,40…に代えて柱主筋を用いるようにすればよい
が、柱主筋が各辺毎に所定のピッチで多数配置されるこ
とになるため、図11に示されるように、方形枠板21
の各辺に対しても柱主筋対応位置に縦筋嵌入用切欠き4
4、44…を形成するようにすればよい。
【0040】以上、断面方形枠形状の外殻PCa柱を例
に採り本発明を詳述したが、たとえば円筒形PCa柱の
場合であっても全く同様に適用することが可能である。
図12に示されるように、リング形状の枠板45上面の
適宜の位置に縦方向筋に対する掛止金具K、K…を設
け、先組鉄筋を吊り上げるようにすればよい。
【0041】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明に係る吊り治
具によれば、先組鉄筋の縦方向筋に対する係止、係脱が
容易に行えるようになるとともに、異なる鉄筋径のもの
に対して汎用的に使用できるようになる。さらに、外殻
PCa柱の製造に際し、吊り治具の枠板部分をそのまま
塞ぎ型枠として、および内型枠の保持具として活用する
ことにより、従来のように、先組鉄筋の設置した後の吊
り治具の取り外し作業、塞ぎ型枠の設置作業、内型枠を
保持するための固定金具の設置作業等の一連の作業が大
幅に省力化されることになり、外殻PCa柱の製造効率
が格段に向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外殻PCa柱製造のための型枠装置1の要部概
略斜視図である。
【図2】その平面図である。
【図3】内型枠6および底型枠ユニット7の斜視図であ
る。
【図4】本発明に係る吊り治具8による先組鉄筋Dの吊
上げ状態斜視図である。
【図5】本発明に係る吊り治具8の平面図である。
【図6】吊り治具8の縦断面図(図5のVI−VI線矢視)
である。
【図7】先組鉄筋Dの組立要領図である。
【図8】内型枠6に対する先組鉄筋Dの挿入要領図であ
る。
【図9】型枠設置完了時の平面図である。
【図10】コンクリート打設完了時の縦断面図である。
【図11】吊り治具の変形例図である。
【図12】吊り治具の他の応用例図である。
【符号の説明】
1…型枠装置、2…固定外型枠、3A〜3D…移動外型
枠、4A〜4D…移動台車、5A〜5D…走行レール、
6…内型枠、7…底型枠ユニット、8…吊り治具、9…
先組用ラック、9A・9B…ラック壁、10…エアチュ
ーブ、11A〜11D…面パネル、12A〜12D…コ
ーナーパネル、13A〜13D…緩衝パネル、21…方
形枠板、21a〜21d…縦筋嵌入用切欠き部、22A
〜22D…アングル部材、23A〜23D…掛止金具取
付け台、24A〜24D…フック金具、25…補強材、
26…コッター、40…縦方向筋、41…剪断補強筋、
K…掛止金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−249377(JP,A) 実開 昭62−124984(JP,U) 実開 昭61−203689(JP,U) 実開 昭61−113786(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 23/02 B66C 1/62

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先組みされた柱鉄筋の縦方向筋と連結さ
    れ、複数のワイヤ吊り掛け部を介して吊り上げられ、前
    記先組柱鉄筋を移動させるための吊り治具であって、 前記吊り治具は、内部が開口した枠板の上面に、前記縦
    方向筋に対して掛止させるフック金具を有するととも
    に、このフック金具を引込み自在とした複数の掛止金具
    を備えており、縦方向筋に掛止させた前記フック金具を
    開口縁側に引き寄せ、フック金具により前記縦方向筋を
    開口縁に押圧保持することによって固定することを特徴
    とする先組柱筋用吊り治具。
  2. 【請求項2】前記縦方向筋が接する枠板の開口縁部に縦
    筋嵌入用切欠きを形成してある請求項1記載の先組柱筋
    用吊り治具。
  3. 【請求項3】前記請求項1、2いずれかに記載の先組柱
    筋用吊り治具を用いた外殻PCa柱部材製造における塞
    ぎ型枠の設置方法であって、 前記吊り治具において;枠板を構成する各辺の幅は少な
    くとも製造される外殻PCa柱部材の壁厚以上とすると
    ともに、枠板の開口寸法を内型枠の外形寸法とほぼ同じ
    としておき、 前記吊り治具によって先組鉄筋を吊り上げた状態から、
    枠板の開口内部に前記内型枠を挿入させながら所定の位
    置まで吊り降ろし、その後、該吊り治具を解体すること
    なく、そのまま枠板を塞ぎ型枠として使用することを特
    徴とする外殻PCa柱部材製造における塞ぎ型枠の設置
    方法。
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