JP3250373B2 - 掘削装置及び掘削装置による掘削体の貫入方法 - Google Patents

掘削装置及び掘削装置による掘削体の貫入方法

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JP3250373B2
JP3250373B2 JP11633094A JP11633094A JP3250373B2 JP 3250373 B2 JP3250373 B2 JP 3250373B2 JP 11633094 A JP11633094 A JP 11633094A JP 11633094 A JP11633094 A JP 11633094A JP 3250373 B2 JP3250373 B2 JP 3250373B2
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excavated
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義治 西嶋
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Earth Drilling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地中止水壁施工等を目
的として地中に掘削軸や溝掘削体等の掘削体を貫入する
ための掘削装置及びこれによる掘削体の貫入方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地中止水壁施工等を目的として、
掘削軸の貫入により地盤に穴を掘削したり、溝掘削体を
用いて地盤に直線状の溝を連続的に掘削したりする技術
の開発が進められている。
【0003】図18〜21は、従来の掘削装置の一例を
示したものである。図示のベースマシン110は、クロ
ーラ112等をもつ下部走行体113を備え、これに上
部旋回体114が旋回可能に設置されている。上部旋回
体114には上下に延びる円筒状のリーダ(昇降支持部
材)116が支持され、このリーダ116は上部旋回体
114から延びるステー118によって後方から支持さ
れている。
【0004】上記リーダ116には、これに沿って左右
一対のレール120が固定され、これらのレール120
に沿って掘削軸駆動装置122が昇降可能に支持されて
いる。この掘削軸駆動装置122は、その下部に掘削軸
124を把持する把持部123を備えている。上記リー
ダ116の内側には、リーダ116に対して昇降する昇
降駆動軸134が収容されており、この昇降駆動軸13
4の上端部には連結部135が前方(図18〜21では
左方)に突設されている。そして、この連結部135が
上下方向のロッド136を介して上記掘削軸駆動装置1
22の上端に連結されており、上記昇降駆動軸134の
昇降によって掘削軸駆動装置122全体が昇降駆動され
るようになっている。
【0005】なお、ベースマシン110の下部走行体1
13には、リーダ116の下方において掘削軸124を
保持する状態と解放する状態とに適宜切換えられる掘削
軸保持装置140が設置されている。
【0006】次に、この装置による掘削方法の一例を示
す。
【0007】まず、図略のクレーン等を用いて、図18
二点鎖線に示すように掘削軸駆動装置122をワイヤ1
38で吊下げながら、リーダ116のレール120に装
着し、その後、この掘削軸駆動装置122をロッド13
6を介して連結部135に連結する(同図実線の状
態)。
【0008】次に、図19に示すように、リーダ116
に対して昇降駆動軸134を上昇させて掘削軸駆動装置
122を最上位置まで引上げる。この状態で、上記ワイ
ヤ138で今度は掘削軸124を吊下げながら上記掘削
軸駆動装置122の下方の位置まで搬入し、この位置で
掘削軸保持装置140等により上記掘削軸124を立直
状態に保持する。
【0009】次に、上記昇降駆動軸134及び掘削軸駆
動装置122を下降させてこの掘削軸駆動装置122の
把持部123と上記掘削軸140とを連結し、さらに、
この掘削軸駆動装置122で掘削軸124をその自軸回
りに回転駆動しながら掘削軸駆動装置122を下降させ
ることにより、図20に示すように上記掘削軸124を
地中に貫入することができる。
【0010】このようにして、掘削軸124を上記昇降
駆動軸134のストロークとほぼ等しい深さだけ貫入し
た後、この掘削軸124と掘削軸駆動装置122とを切
り離して掘削軸駆動装置122を引上げ、前記図19と
同じ要領で継足し用の掘削軸124′を搬入し、貫入済
みの掘削軸124の上端に連結する。そして、上記掘削
軸駆動装置122を下降させて上記継足し用掘削軸12
4′の上端に連結することにより、図21に示すよう
に、掘削軸駆動装置122で両掘削軸124,124′
を回転駆動しながらさらに深く貫入を進めることができ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記方法において、掘
削軸124を地中に貫入できる深さは、昇降駆動軸13
4の昇降ストローク以下であり、いくら長い掘削軸12
4を用いても、これを上記昇降ストローク以上の深さで
貫入することはできない。従って、この昇降ストローク
以上の深さで貫入を行いたい場合には、上述のように、
比較的短尺の掘削軸124を貫入した後、これに掘削軸
124′を継足して追加貫入を行う必要がある。逆に、
掘削軸引き抜き時には、掘削軸124,124′を切り
離しながら1本ずつ切離しを行う必要がある。
【0012】このような、掘削軸124,124′同士
の連結、切離しには多大な手間と長い時間を要し、施工
サイクルタイム短縮の大きな妨げとなる。特に、掘削軸
124,124′を貫入あるいは引き抜きながら地中に
セメント、モルタル等の固化材を投入する場合には、掘
削軸の引き抜きに時間がかかると投入材が途中で固化
し、引き抜き作業に支障を来すおそれがある。
【0013】さらに、掘削体として、上記のような掘削
軸124,124′でなく、上下方向に延びる掘削フレ
ームの両端にスプロケットを設けて両スプロケットの間
にカッタ付きのチェーンを掛け渡した溝掘削体を使用
し、この溝掘削体を貫入した状態で上記ベースマシン1
0を走行させて溝を掘削するような場合には、上記掘削
フレームを上下に複数分割して継足し貫入する必要があ
るだけでなく、この継足しを行う前に一旦チェーンを取
り外し、掘削フレームを継足した分だけチェーンも継足
してからこれを再び両スプロケット間に掛け渡すといっ
た作業が必要であり、掘削体の継足し、切離し作業はさ
らに面倒となる。
【0014】本発明は、このような事情に鑑み、昇降部
材の昇降ストロークを延長することなく、掘削体の継足
しを行わずに貫入可能な深さを増大させることができる
掘削装置及び掘削体の貫入方法を提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、掘削体を保持
してこれを駆動する掘削体駆動装置と、この掘削体駆動
装置を昇降可能に支持する昇降支持部材と、この昇降支
持部材に昇降可能に設置され、上記掘削体駆動装置と結
合された状態でこれと一体に昇降する昇降部材とを備え
た掘削装置による掘削体の貫入方法であって、上記昇降
部材に掘削体駆動装置を直結し、かつこの掘削体駆動装
置によって掘削体を保持しかつ駆動しながら上記昇降部
材及び掘削体駆動装置を下降させて掘削体を地中に貫入
した後、上記昇降部材と掘削体駆動装置とを切離して昇
降部材を上昇させ、この昇降部材と上記掘削体駆動装置
との間に上下方向に延びる連結部材を介在させてから再
び昇降部材を下降させることにより上記掘削体をさらに
地中に貫入するものである(請求項1)。
【0016】この方法では、上記昇降部材の上端に上記
掘削体駆動装置と結合される結合部を略水平方向に突出
させ、この結合部に掘削体駆動装置を直結した状態で掘
削体を貫入する前に、上記昇降支持部材において上記掘
削体が昇降可能に支持される位置と周方向に異なる位置
に上記連結部材を立直状態で予め保持しておき、上記掘
削体を貫入した後に上記昇降部材における少なくとも上
記結合部を昇降支持部材に対して旋回させ、この結合部
に上記昇降支持部材に保持されている連結部材の上端を
連結し、その後、昇降部材を上昇させ、かつ昇降部材に
おける少なくとも上記結合部を上記連結部材とともに昇
降支持部材に対して旋回させ、上記連結部材の下端を上
記掘削体駆動装置に連結し、この状態から再び昇降部材
を下降させることにより上記掘削体をさらに地中に貫入
することがより好ましい(請求項2)。
【0017】また本発明は、掘削体を保持してこれを駆
動する掘削体駆動装置と、この掘削体駆動装置を昇降可
能に支持する昇降支持部材と、この昇降支持部材に昇降
可能に設置され、その上端に上記掘削体駆動装置と結合
される結合部が略水平方向に突設された昇降部材とを備
え、上記掘削体駆動装置によって掘削体を保持しかつ駆
動しながらこれらを上記昇降部材と一体に下降させるこ
とにより上記掘削体を地中に貫入するように構成された
掘削装置において、上記昇降部材の少なくとも上記結合
部を上記昇降支持部材に対して旋回可能に構成し、か
つ、この結合部と上記掘削体駆動装置とが切離し可能と
なるように構成するとともに、上記旋回可能部位を上記
昇降支持部材に対して旋回駆動する旋回駆動手段と、上
記掘削体駆動装置とこの掘削体駆動装置から切り離され
結合部との間に介在可能な連結部材と、上記昇降支持
部材において上記掘削体が昇降可能に支持される位置と
周方向に異なる位置に設けられ、上記連結部材を立直状
態で保持する状態と解放する状態とに切換えられる連結
部材保持手段とを備えた装置である(請求項4)。
【0018】上記方法及び装置は、上記掘削体として、
表面に掘削刃をもつ無端状体を上下の回転体の間に掛け
わたしてなる溝掘削体を備え、上記昇降支持部材を地盤
上を走行する走行機に設置した場合に、より効果的であ
る(請求項3,5)。
【0019】上記掘削装置では、上記昇降支持部材に昇
降可能に係合された状態でこの昇降支持部材と上記掘削
体とを連結する掘削体拘束部材を備えることが、より好
ましい(請求項6)。
【0020】この場合、上記掘削体拘束部材を、上記昇
降支持部材側に昇降可能に係合される昇降拘束部材と、
上記掘削体側に固定され、上記昇降拘束部材に対して昇
降方向にのみ係脱可能な固定拘束部材とに分離し、これ
ら昇降拘束部材と固定拘束部材とを両者が係合された状
態で相対的に昇降可能となるように構成するとともに、
上記昇降拘束部材を昇降駆動する拘束部材駆動手段を備
えることにより、後述のようなより優れた効果が得られ
る(請求項7)。
【0021】さらに、上記拘束部材駆動手段として、上
記昇降拘束部材に接続されたワイヤの巻取り及び巻出し
を行うウインチを備えるとともに、上記昇降支持部材の
下部にその配設位置よりも下方への上記昇降拘束部材の
降下を阻止するストッパを設ければ(請求項8)、より
好ましいものとなる。
【0022】
【作用】請求項1記載の方法では、掘削体駆動装置と結
合部材とを直結した状態で一旦掘削体を貫入した後、上
記掘削体駆動装置と結合部材との間に連結部材を介在さ
せて再び貫入しているので、掘削体を継ぎ足すことな
く、上記貫入作業2回分の貫入深さを得ることができ
る。
【0023】また、請求項2記載の方法及び請求項4記
載の装置によれば、予め昇降支持部材に連結部材を立直
状態で保持しておくことにより、掘削体駆動装置と結合
部材とを直結した状態で一旦掘削体を貫入した後、上記
結合部材を旋回させ、かつ昇降部材を昇降させるだけ
で、上記掘削体駆動装置と結合部材との間に連結部材を
介在させることができる。
【0024】請求項3,5記載の方法及び装置では、上
記方法により溝掘削体を地中に貫入した後、この溝掘削
体の無端状体を駆動しながら走行機を走行させることに
より、その走行方向に沿って溝を掘削することができ
る。
【0025】上記掘削装置では、上記連結部材を導入す
る際、上記掘削体駆動装置を昇降支持部材よりも上方の
位置まで引き上げると、この掘削体駆動装置は全く拘束
されない状態となる。従って、この状態から掘削体駆動
装置を再び降下させて掘削体を貫入する際、上記掘削体
駆動装置が上記昇降支持部材に到達して再び拘束される
までの間は掘削体駆動装置や掘削体の上端が水平方向に
ふらつき易く、特に、硬い地質や地中障害物に掘削体が
当たると、この掘削体が前後方向や左右方向に逃げて掘
削体の貫入方向を鉛直に保つことが難しくなる。
【0026】しかしながら、請求項6記載の装置では、
上記昇降支持部材に係合される掘削体拘束部材によって
上記掘削体が昇降支持部材側に拘束されるので、この掘
削体がふらついてその貫入方向がぶれることが防がれ
る。また、上記掘削体拘束部材は昇降支持部材に対して
昇降可能であるので、掘削体の貫入に支障を与えること
はない。
【0027】ここで、上記掘削体拘束部材は、昇降支持
部材と掘削体とを連結するものであるために比較的大き
く、従ってこの掘削体拘束部材を掘削体と一緒に地中へ
貫入することは困難であるが、請求項7記載の装置で
は、上記掘削体拘束部材が掘削体側の固定拘束部材と昇
降支持部材側の昇降拘束部材とに分離されているため、
比較的小さい固定拘束部材のみを掘削体とともに地中へ
貫入することにより、貫入時に掘削体から掘削体拘束部
材を取り外す必要がなくなる。また、掘削体駆動装置の
降下に伴って適宜昇降拘束部材も降下させることによ
り、この昇降拘束部材と掘削体駆動装置との干渉も避け
られる。
【0028】ここで、請求項8記載の装置では、ウイン
チによるワイヤの巻取り及び巻出しだけで上記昇降拘束
部材を昇降させることができる。また、昇降支持部材に
設けられたストッパにより、その配設位置よりも下方へ
の昇降拘束部材の降下が阻止されるため、上記ウインチ
によるワイヤの巻出し時に昇降拘束部材がその自由落下
で誤って昇降支持部材から抜け落ちるおそれがない。
【0029】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図14に基づい
て説明する。
【0030】図1,2に示す掘削装置は、ベースマシン
10を備えている。このベースマシン10は、クローラ
12が設けられた下部走行体13と、この下部走行体1
3上に旋回可能に配置された上部旋回体14とを備え、
上部旋回体14にリーダ(昇降支持部材)16が支持さ
れている。
【0031】このリーダ16は、上下に延びる円筒状を
なし、その上部に設けられたブラケット19がステー1
8を介して上部旋回体14の所定部位に連結されてい
る。このリーダ16には、上下に延びる左右一対のロッ
ド状レール20が固定され、これらのレール20には、
両レール20に沿ってスライド可能(すなわち昇降可
能)に溝掘削体駆動装置22が装着されている。
【0032】この溝掘削体駆動装置22は、スプロケッ
ト26と、これを回転駆動するモータ25と、上側掘削
フレーム23とを備え、その本体部分が被ガイド材38
を介して上記レール20に装着されるとともに、上記上
側掘削フレーム23が被ガイド材40を介して上記レー
ル20に装着されている。そして、この上側掘削フレー
ム23の下端には掘削フレーム本体24が着脱可能に連
結されるようになっている。この掘削フレーム本体24
の下端にはスプロケット28が回転可能に装着され、こ
のスプロケット28と上記スプロケット26との間に、
表面に掘削刃32をもつ無端状の掘削チェーン(無端状
体)30が掛けわたされるようになっている。
【0033】すなわち、この実施例では、上側掘削フレ
ーム23、掘削フレーム本体24、両スプロケット2
6,28、及びチェーン30により掘削体(溝掘削体)
が構成されており、その一部である上側掘削フレーム2
3及びスプロケット26が溝掘削体駆動装置22に組み
込まれた状態となっている。
【0034】上記リーダ16の内側には、リーダ16に
対して昇降する昇降駆動軸(昇降部材本体)34が収容
されている。この昇降駆動軸34の上端には、昇降駆動
軸34から水平方向に突出する結合部材35が設けら
れ、この結合部材35がロッド36を介して上記掘削体
駆動装置22の上端に連結されるようになっている。
【0035】また、ベースマシン10の下部走行体13
には、その走行方向に沿ってスライド可能にスライダ4
4が設けられ、このスライダ44に溝掘削体保持装置4
6が固定されている。この溝掘削体保持装置46は、リ
ーダ16よりも下方の位置で上記溝掘削体を保持する状
態と解放する状態とに切換えられるものであり、従来公
知のものと同様のものが用いられている。
【0036】この装置の特徴として、上記結合部材35
は昇降駆動軸34に対して垂直軸回りに旋回可能に構成
されている。具体的に、この結合部材35は、図3,4
に示すように、円筒状の外嵌部48と、この外嵌部48
の外周面から径方向外側に突出する一対の結合板50と
を有している。昇降駆動軸34の上部には、図4に示す
ような上下一対のフランジ部51,52が固定され、両
フランジ部51,52の間に上記外嵌部48が昇降駆動
軸34の周面上を摺動可能に(すなわち旋回可能に)外
嵌されている。これに対し、前記ロッド36の上端に
は、水平方向のピン挿入穴53aをもつ円筒部53が固
定されており、この円筒部53がピン54を介して上記
結合板50に着脱可能に結合されるようになっている。
【0037】図5は、上記着脱を行うための自動着脱装
置56(図3では図示省略)を示したものである。図に
おいて、一方の結合板50にはピン案内筒57及び取付
板58が固定されている。
【0038】ピン案内筒57は、両結合板50に貫設さ
れた水平方向のピン挿入穴50aとつながる位置に設け
られ、このピン案内筒57内に上記ピン54が軸方向に
移動可能に挿入されている。
【0039】上記取付板58にはピン62を介して回動
可能にV字リンク60の中央部が連結されるとともに、
ピン64を介して回動可能にシリンダ65のヘッド側端
部が連結されている。上記V字リンク60の一方の端部
は、ピン63を介して回動可能に上記ピン54の端部に
連結され、他端は、ピン66を介して回動可能に上記シ
リンダ65のロッド端部に連結されている。そして、両
結合板50の間に上記円筒部53が挿入された状態で、
上記シリンダ65の伸縮に伴ってV字リンク60が回動
し、この回動に伴って上記ピン54が上記円筒部53内
に挿通される位置とピン案内筒57内に収容される位置
との間を移動するように、各部材が配置されている。
【0040】また、図示はしないが、溝掘削体駆動装置
22の上端にも上記円筒部53と同等のものが固定され
ており、この溝掘削体駆動装置22を直接上記結合板5
0に連結できるようになっている。
【0041】さらに、この掘削装置では、図3,4に示
すように、上記結合部材35を旋回駆動するための旋回
駆動装置70が設けられている。
【0042】具体的に、上記昇降駆動軸34において下
側フランジ部52の直下方の部位には、取付板72が固
定され、この取付板72には、ピン73を介してシリン
ダ74が回動可能に取付けられるとともに、円弧状のリ
ンク76の一端がピン75を介して回動可能に連結され
ている。リンク76の他端は、ピン77を介して回動可
能に円弧状のリンク78の一端に連結され、このリンク
78の他端は、上記外嵌部48の外周面から突出するブ
ラケット48aにピン79を介して回動可能に連結され
ている。
【0043】そして、上記リンク76の略中間部に上記
シリンダ74のロッド端部がピン71を介して回動可能
に連結されており、このシリンダ74の伸縮でリンク7
6が回動することにより、リンク76,78が図3実線
の収縮状態と同図二点鎖線の伸長状態とに切換えられ、
これらリンク76,78の伸縮に伴って結合部材35が
略90°旋回するように各部材が配置されている。詳し
くは、上記結合板50が前方に突出する旋回位置(図3
実線位置)と、側方に逃げる旋回位置(図3二点鎖線位
置)との間で結合部材35が旋回するようになってい
る。
【0044】図1に示すように、前記リーダ16の側部
には、前記ロッド36を保持するための上下一対のロッ
ド保持装置80が配設されている。その具体的な構造を
図6(a)(b)に示す。
【0045】リーダ16の外周面には、水平な支持板8
1が固定され、この支持板81には、前記ロッド36よ
りも大径の円弧状切欠81aが前方(図6では左方)に
開口する向きで形成されている。この支持板81上にお
いて、上記円弧状切欠81aの縁部には、左右一対のピ
ン挿入ブロック82が立設され、両ピン挿入ブロック8
2には互いに合致する位置にピン挿入穴82aが貫設さ
れている。
【0046】上記支持板81には、垂直方向のピン83
を介して回動可能にレバー84の中央部が装着されてい
る。このレバー84の一端には、ピン85を介して回動
可能にピン86の一端が連結され、他端が上記ピン挿入
ブロック82のピン挿通穴82a内に挿入されている。
また、同じ支持板81にはピン87を介して回動可能に
シリンダ88のヘッド側端部が装着され、このシリンダ
88のロッド端部がピン89を介して回動可能に上記レ
バー84の他端に連結されている。
【0047】一方、ロッド36の外周面には、両ピン挿
入ブロック82の間に挿入可能なピン貫通部41が突設
され、このピン貫通部41に、同ピン貫通部41が両ピ
ン挿入ブロック82間に挿入された状態で両ピン挿入ブ
ロック82のピン挿通穴82aと合致するピン挿通穴4
1aが貫設されている。
【0048】そして、この状態で上記シリンダ88が伸
縮することにより、この伸縮に伴って上記レバー84が
回動し、このレバー84の回動に伴って上記ピン86
が、手前側(図6(a)(b)では上側)のピン挿通穴
82aのみに挿入される位置(図の実線位置)と、両ピ
ン挿通穴82a及びピン挿通穴41aを貫く位置(同図
二点鎖線位置)との間を移動するように、各部材が配置
されている。
【0049】次に、この装置による溝掘削体の貫入手順
を図7〜図14も併せて参照しながら説明する。
【0050】1)リーダ16への溝掘削体駆動装置22
の装着(図7) まず、リーダ16へ溝掘削体駆動装置22を装着する前
に、昇降駆動軸34をある程度伸長した状態で、予め係
合部材35を同係合部材35が前方に突出する位置(図
3,4の実線位置)から側方に突出する位置(図3二点
鎖線位置)へ旋回方向に退避させておく。具体的には、
図3に示すシリンダ74を同図実線の収縮状態から伸長
させればよい。このシリンダ74の伸長により、リンク
76が昇降駆動軸34に近づく方向に回動しながら両リ
ンク76,78が伸長する方向に運動し、最終的には図
3二点鎖線に示すように上記昇降駆動軸34の外周面に
沿う一円弧状に伸長する。これにより、上記リンク78
に連結されている結合部材35は、その結合板50が前
方へ突出する位置(図3実線位置)から側方へ突出する
位置(同図二点鎖線位置)まで略90°旋回する。
【0051】この状態で、図7二点鎖線に示すように、
上部掘削フレーム23が付いた溝掘削体駆動装置22を
ワイヤ90で図略のクレーンにより吊下げ、リーダ16
のレール20(図1,2参照)に装着する。この時、上
述のように結合部材35は前方ではなく側方に突出する
向きに退避しているので、従来のように結合部材35と
上記ワイヤ90とが干渉することがなく、上記装着作業
を円滑に行うことができる。
【0052】装着後は、上記と逆の方向に結合部材35
を旋回させ、上記昇降駆動軸34を下降させて、結合部
材35の結合板50とロッド36上端の円筒部53とを
ピン54を介して連結し、かつロッド36下端を上記溝
掘削体駆動装置22の上端に連結する。すなわち、結合
部材35と溝掘削体駆動装置22とをロッド36を介し
て連結する。これにより、図7の状態となる。
【0053】2)溝掘削体駆動装置22の上昇及び固定
(図8) 上記状態から昇降駆動軸34を上昇させる。この昇降駆
動軸34には、結合部材35及びロッド36を介して上
記溝掘削体駆動装置22も連結されているため、この溝
掘削体駆動装置22及び上部掘削フレーム23もレール
20に沿って上昇する。そして、これらが図8に示す最
上位置に到達したところで、ピンやボルト等の手段を用
いて溝掘削体駆動装置22を下降不能に固定する。
【0054】3)ロッド36の除去及び保持(図9) 上記状態からロッド36の下端と溝掘削体駆動装置22
とを切離し、この位置から少し昇降駆動軸34を上昇さ
せる。その後、前記図3に示した旋回駆動装置70を作
動させて結合部材35を同図実線位置から二点鎖線位置
へ旋回させ、次いで、昇降駆動軸34を下降させる。こ
れにより、ロッド36は図6(a)に実線で示す位置、
すなわちこのロッド36に突設されたピン貫通部41が
上下各ロッド保持装置80における両ピン挿入ブロック
82の間に挿入される位置に到達する。この位置でシリ
ンダ88を収縮状態から伸長させてピン86を図6
(b)の実線位置から二点鎖線位置へ移動させる(すな
わちピン86を上記ピン貫通部41のピン挿通穴41a
に挿通する。)。これにより、ロッド36は、その上下
部がロッド保持装置80によってリーダ16の側部に保
持された状態となる。
【0055】その後、再び結合部材35を図3の実線位
置側に旋回させる。この位置で結合部材35の結合板5
0にピン54を介して溝掘削体駆動装置22の上端部を
直接連結する(図9の状態)。
【0056】4)溝掘削体駆動装置22の引上げ及び退
避(図10) 図9の状態から昇降駆動軸34を上昇させることによ
り、溝掘削体駆動装置22をレール20から上方に引き
抜いて図10の状態にする。さらに、この状態から旋回
駆動装置70を作動させて結合部材35を図3実線位置
から二点鎖線位置へ旋回させる。この結合部材35に
は、上記溝掘削体駆動装置22が連結されているため、
この溝掘削体駆動装置22も旋回し、上記レール20の
上方の空間から旋回方向に退避することとなる。
【0057】5)掘削フレーム本体24の連結及び溝掘
削体の貫入(図11,12) 上記のように溝掘削体駆動装置22を退避させた状態
で、図11二点鎖線に示すように、長尺の(この実施例
では昇降駆動軸34の昇降ストロークの2倍近い上下長
さをもつ)掘削フレーム本体24をワイヤ90で吊下げ
ながらリーダ16の直前方の位置まで搬送し、この位置
でベースマシン10の溝掘削体保持装置46等により掘
削フレーム本体24を立直状態に保持する。この掘削フ
レーム本体24は、全体が一体に形成されたものであっ
ても良いし、上下に複数分割されたユニット同士を組み
立てて長尺体としたものでもよい。
【0058】ここでも、上記掘削フレーム本体24の搬
入の際、結合部材35及び溝掘削体駆動装置22はリー
ダ16側方の位置に旋回、退避しているため、これらと
上記ワイヤ90とを干渉させることなく円滑に掘削フレ
ーム本体24を吊り込むことができる。
【0059】その後、旋回駆動装置70を作動させて結
合部材35及び溝掘削体駆動装置22をリーダ16前方
の位置に戻す。この状態から昇降駆動軸34及び溝掘削
体駆動装置22を下降させ、その上部掘削フレーム23
に上記掘削フレーム本体24の上端を連結する。その
後、この掘削フレーム本体24の保持を解除して図11
の状態にする。
【0060】この状態で両スプロケット26,28の間
にチェーン30を掛け渡し、その後、溝掘削体駆動装置
22を作動させてチェーン30を駆動しながら昇降駆動
軸34を下降させることにより、図12に示すように溝
掘削体を地中に貫入することができる。
【0061】6)ロッド36の継足しによる貫入(図1
3,14) 上記貫入を昇降駆動軸34の下降ストローク分だけ行っ
た後、結合部材35と溝掘削体駆動装置22の上端とを
切り離して結合部材35及び昇降駆動軸34を少し上昇
させ、旋回駆動装置70を作動させて結合部材35を図
3の実線位置から二点鎖線位置に旋回させる。旋回後、
結合部材35及び昇降駆動軸34を下降させて結合部材
35の結合板50にロッド36上端の円筒部53をピン
54を介して連結する。この連結後に各ロッド保持装置
80のシリンダ88を収縮させてピン86をロッド36
におけるピン貫通部41のピン挿通穴41aから抜く。
このようにしてロッド36の保持を解除した後、昇降駆
動軸34及び結合部材35を再び上昇させ、かつ旋回駆
動装置70で図3の二点鎖線位置から実線位置に戻し、
ロッド36の下端を溝掘削体駆動装置22の上端に連結
する(図13の状態)。
【0062】この状態から再び溝掘削体駆動装置22に
よりチェーン30を駆動し、昇降駆動軸34及び結合部
材35を下降させることにより、図14に示すように溝
掘削体をさらに深く(昇降駆動軸34の昇降ストローク
よりも大きな深さで)地中へ貫入することができる。
【0063】なお、貫入後は、溝掘削体を駆動したま
ま、溝掘削体保持装置46で掘削フレーム24の所定部
位を保持しながらベースマシン10を走行させることに
より、この走行方向に沿って溝を掘削することができ
る。
【0064】次に、第2実施例を図15〜図17に基づ
いて説明する。
【0065】前記第1実施例において、図10に示すよ
うに溝掘削体駆動装置22をリーダ16のロッド状レー
ル20から上方へ完全に引き抜いた状態では、この溝掘
削体駆動装置22はリーダ16からフリーであって全く
拘束を受けない。従って、この状態から図11に示すよ
うに上記溝掘削体駆動装置22に溝掘削体の本体フレー
ム24を連結して貫入する際、溝掘削体駆動装置22や
本体フレーム24の上端部が水平方向にふらつき易く、
特に、硬い地質や地中障害物に溝掘削体が当たると、こ
の溝掘削体が前後方向や左右方向に逃げて溝掘削体の貫
入方向を鉛直に保つことが難しくなる。
【0066】そこで、この実施例では、上記本体フレー
ム24とリーダ16とを掘削体拘束部材を介して連結
し、溝掘削体駆動装置22がリーダ16より上方にある
場合にも溝掘削体本体フレーム24をリーダ16側に拘
束するようにしている。
【0067】上記掘削体拘束部材は、図16に示すよう
な固定拘束部材92と昇降拘束部材94とで構成されて
いる。固定拘束部材92は、本体フレーム24のほぼ全
長にわたって延び、この本体フレーム24の背面に溶接
やボルト等の手段で固定されており、先端面の左右には
突条92aが形成されている。昇降拘束部材94は、上
記本体フレーム24側に近いフレーム側部材95と、上
記リーダ16側に近い左右一対のリーダ側部材96とが
連結されたものであり、フレーム側部材95には上記突
条92aが昇降方向に嵌入可能な溝95aが形成され、
リーダ側部材96の先端には上記ロッド状レール20を
両外側から抱き込む形状の摺動部96aが形成されてい
る。従って、このリーダ側部材96はその摺動部96a
がロッド状レール20と摺動するようにしながらこのロ
ッド状レール20に対して昇降できるようになってお
り、このリーダ側部材96とフレーム側部材95とは昇
降方向に相対移動可能でかつ同方向に抜き差しできるよ
うになっている。
【0068】一方、上部旋回体14には油圧ウインチ1
5が搭載され、そのウインチドラム15aから引き出さ
れたワイヤ98が、上側掘削フレーム23の上部に設け
られたシーブ31に掛けられた状態で、このワイヤ98
の端部が上記昇降拘束部材94に固定されており、上記
油圧ウインチ15によるワイヤ98の巻取り及び巻出し
によって昇降拘束部材94が昇降駆動されるようになっ
ている。また、リーダ16の下端部にはストッパ99が
固定され、このストッパ99と上記昇降拘束部材94と
の当接により、このストッパ99の配設位置よりも下方
への昇降拘束部材94の降下が阻止されるようになって
いる。
【0069】このような装置によれば、前記第1実施例
において上記図10に示したように溝掘削体駆動装置2
2がリーダ16よりも上方にある状態で、昇降拘束部材
94をほぼ最下端の位置まで下げておき、この状態から
上記図11に示すように溝掘削体の本体フレーム24を
溝掘削体駆動装置22側の上部掘削フレーム23に連結
した後、油圧ウインチ15のワイヤ巻取りによって昇降
駆動部材94を上昇させ、その溝95a内に本体フレー
ム24側の固定拘束部材92の突条92aを嵌入しなが
ら上記昇降駆動部材94をほぼ最上端の位置まで引き上
げることにより、図17に示すように本体フレーム24
の上部を上記固定拘束部材92及び昇降駆動部材94を
介してリーダ16側に拘束することができる。従って、
たとえこの状態で溝掘削体駆動装置22がリーダ16か
らフリーであっても、溝掘削体の貫入時にその本体フレ
ーム24の上部がふらつくことがなく、この溝掘削体を
正確に鉛直に貫入することができる。
【0070】この貫入の際、溝掘削体駆動装置22は次
第に下降することになるが、これに伴い油圧ウインチ1
5によるワイヤ巻出し動作を行って昇降拘束部材94を
適宜下降させることにより、この昇降拘束部材94と溝
掘削体駆動装置22との干渉を避けることができる。ま
た、ワイヤ98を過剰に巻出しても、これに伴う昇降拘
束部材94の落下はストッパ99で阻止されるため、誤
って昇降拘束部材94がロッド状レール20から抜け落
ちるおそれがなく、よって作業者は安心して昇降拘束部
材94の下降を行わせることができる。
【0071】なお、本願請求項6記載の発明における掘
削体拘束部材は、例えば上記固定拘束部材92と昇降拘
束部材94とが一体化されて両部材92,94がともに
本体フレーム24側に固定されたものであってもよい。
ただし、この場合には、掘削体拘束部材全体が比較的大
きくなるため、この掘削体拘束部材を溝掘削体と一緒に
地中へ貫入することができず、従って溝掘削体を完全に
貫入する前にこの溝掘削体の本体フレーム24から掘削
体拘束部材を取り外さなければならない不便があるが、
上記実施例のように掘削体拘束部材を固定拘束部材92
と昇降拘束部材94とに分離可能に構成しておけば、昇
降拘束部材94はリーダ16側に残して比較的小さい固
定拘束部材92のみを溝掘削体と一緒に地中へ貫入する
ことにより、この溝掘削体の本体フレームから掘削体拘
束部材を取り外す手間を省いて作業性をさらに高めるこ
とができる利点がある。
【0072】また、本発明は以上のような実施例に限定
されるものではなく、例として次のような態様を採るこ
とも可能である。
【0073】(1) 上記第1実施例では、溝を掘削するた
めの溝掘削体を貫入する装置を示したが、本発明はこれ
に限らず、前記図18〜21に示したように掘削軸を回
転させながら地中に貫入する装置等にも適用が可能であ
る。第2実施例も、上記溝掘削体ではなく自転しながら
地中に貫入される掘削軸に適用することが可能であり、
この場合には、上記掘削軸を回転可能に保持する軸受を
当該掘削軸の外周に設け、この軸受を掘削体拘束部材を
介してリーダ16側に拘束するようにすればよい。ただ
し、前記実施例に示したような溝掘削体を用いる場合、
その継足しを行うには、まず両スプロケット26,28
からチェーン30を外し、上下両端の掘削フレーム2
3,24の間に新たなフレームユニットを介在させると
ともに、このフレーム継足しを行った分だけチェーン3
0も継足しを行い、その後にこのチェーン30を再び上
記両スプロケット26,28に掛け渡すといった極めて
面倒な作業を行わなければならないので、このような溝
掘削体の継足しを省略しあるいは継足し回数を削減する
ことによる効果はより顕著となる。
【0074】(2) 上記実施例では、ロッド36を一旦リ
ーダ16の側部に保持するものを示したが、このロッド
36は別に設置した保持装置に保持しておくようにして
もよい。ただし、上記実施例のように、リーダ16の側
部にロッド36を立直状態で保持するロッド保持装置8
0を設ければ、結合部材35の旋回操作と昇降操作だけ
で上記ロッド36を結合部材35と溝掘削体駆動装置2
2との間に介在させることができる利点がある。
【0075】(3) 本願請求項2,4記載の発明では、少
なくとも結合部がリーダ16等の昇降支持部材に対して
旋回すれば良く、例えば昇降部材全体を昇降支持部材に
対して旋回させるようにしてもよい。ただし、上記実施
例のように、昇降駆動軸34は旋回させないで結合部材
35のみを旋回させるようにすれば、この旋回に要する
駆動エネルギを削減し、また旋回駆動装置70をより小
型化することができる利点がある。
【0076】(4) 本発明では、旋回駆動手段の具体的な
構造を問わず、例えば昇降部材の旋回可能部位に歯車を
固定し、この歯車に噛み合う歯車をモータ等の回転駆動
源に連結して両歯車を回転駆動するようにしても、上記
旋回可能部位を旋回させることが可能である。
【0077】(5) 第2実施例において、固定拘束部材9
2の上下寸法及び本体フレーム24への固定箇所は、こ
の固定拘束部材92と昇降拘束部材94とで溝掘削体を
リーダ16側に拘束できる範囲で適宜設定すれば良い。
また、固定拘束部材92と昇降拘束部材94の形状につ
いても、両拘束部材92,94が昇降方向にのみ係脱可
能でかつ係合状態で相対的に昇降できる範囲内で自由に
設定すればよい。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明は、掘削体駆動装置
と結合部材とを直結した状態で昇降部材を下降させるこ
とにより一旦掘削体を貫入した後、上記掘削体駆動装置
と結合部材との間に連結部材を介在させて再び昇降部材
を下降させて貫入するようにしたものであるので、昇降
部材の昇降ストロークを増大させることなく、掘削体を
継ぎ足さずに貫入可能な掘削体の貫入深さを増大させる
ことができる。従って、上記掘削体の継足し貫入を不要
にし、あるいは継足し回数を削減することができ、これ
によって施工サイクルタイムを短縮することができる効
果がある。
【0079】特に、請求項3,5記載の方法及び装置で
は、上記掘削体として、表面に掘削刃をもつ無端状体を
上下の回転体の間に掛けわたしてなる溝掘削体を用いて
おり、この溝掘削体の継足しには多大な手間を要するの
で、この溝掘削体の継足しを不要にし、あるいは継足し
必要回数を削減することにより、施工サイクルタイムを
より顕著に短縮することができる。
【0080】また、請求項2記載の方法及び請求項4記
載の装置では、上記連結部材を予め昇降支持部材におい
て上記掘削体駆動装置の支持部分と周方向に異なる位置
に連結部材を立直状態で保持するようにしたものである
ので、掘削体駆動装置と結合部材とを直結した状態で一
旦掘削体を貫入した後、上記結合部材を旋回、昇降させ
るだけの操作で、上記掘削体駆動装置と結合部材との間
に連結部材を介在させることができる効果がある。
【0081】上記請求項4,5記載の装置において、さ
らに、請求項6記載の装置によれば、上記昇降支持部材
に係合される掘削体拘束部材によって上記掘削体を昇降
支持部材側に拘束するようにしているので、この掘削体
がふらついてその貫入方向がぶれることを防ぎ、より精
度の高い掘削体の貫入を行うことができる効果がある。
しかも、上記掘削体拘束部材は昇降支持部材に対して昇
降可能であるので、掘削体の貫入に支障を与えることは
ない。
【0082】さらに、請求項7記載の装置では、上記掘
削体拘束部材を掘削体側の固定拘束部材と、昇降支持部
材側の昇降拘束部材とに分離し、昇降拘束部材を残して
比較的小さい固定拘束部材のみを掘削体とともに地中へ
貫入できるようにしているので、貫入時に掘削体から掘
削体拘束部材全体を取り外す手間を省き、作業性をより
高めることができる効果がある。また、掘削体駆動装置
の降下に伴って適宜昇降拘束部材も降下させることによ
り、この昇降拘束部材と掘削体駆動装置との干渉も避け
ることができる。
【0083】ここで、請求項8記載の装置では、ウイン
チによるワイヤの巻取り及び巻出し動作のみによって上
記昇降拘束部材を昇降させることができるとともに、昇
降支持部材に設けられたストッパによってその配設位置
よりも下方への昇降拘束部材の降下を阻止することによ
り、上記ウインチによるワイヤの過剰の巻出しによって
昇降拘束部材が誤って昇降支持部材から抜け落ちるのを
確実に防ぐことができ、作業者は安心して昇降拘束部材
の下降を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における掘削装置の全体正
面図である。
【図2】上記掘削装置の全体側面図である。
【図3】上記掘削装置の平面図である。
【図4】上記掘削装置の上端部の一部断面正面図であ
る。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】(a)は図1のA−A線断面図、(b)は
(a)の一部拡大図である。
【図7】上記掘削装置による溝掘削体の貫入手順を示す
概略正面図である。
【図8】上記掘削装置による溝掘削体の貫入手順を示す
概略正面図である。
【図9】上記掘削装置による溝掘削体の貫入手順を示す
概略正面図である。
【図10】上記掘削装置による溝掘削体の貫入手順を示
す概略正面図である。
【図11】上記掘削装置による溝掘削体の貫入手順を示
す概略正面図である。
【図12】上記掘削装置による溝掘削体の貫入手順を示
す概略正面図である。
【図13】上記掘削装置による溝掘削体の貫入手順を示
す概略正面図である。
【図14】上記掘削装置による溝掘削体の貫入手順を示
す概略正面図である。
【図15】本発明の第2実施例における掘削装置の全体
正面図である。
【図16】上記掘削装置の要部を示す断面平面図であ
る。
【図17】上記掘削装置において掘削体拘束部材により
溝掘削体を拘束している状態をを示す概略正面図であ
る。
【図18】従来の掘削装置による掘削軸の貫入手順を示
す概略正面図である。
【図19】従来の掘削装置による掘削軸の貫入手順を示
す概略正面図である。
【図20】従来の掘削装置による掘削軸の貫入手順を示
す概略正面図である。
【図21】従来の掘削装置による掘削軸の貫入手順を示
す概略正面図である。
【符号の説明】
10 ベースマシン 15 油圧ウインチ 16 リーダ(昇降支持部材) 22 溝掘削体駆動装置 24 本体フレーム 25,26 スプロケット(回転体) 30 掘削チェーン(無端状体) 34 昇降駆動軸(昇降部材) 35 結合部材(結合部) 36 ロッド(連結部材) 70 旋回駆動装置 80 ロッド保持装置(連結部材保持手段) 92 固定拘束部材 94 昇降拘束部材 98 ワイヤ 99 ストッパ
フロントページの続き (72)発明者 中島 雄治 兵庫県明石市大久保町八木740番地 株 式会社神戸製鋼所 大久保建設機械工場 内 (72)発明者 西嶋 義治 兵庫県明石市大久保町八木740番地 株 式会社神戸製鋼所 大久保建設機械工場 内 (56)参考文献 特開 平5−156638(JP,A) 特開 平3−158590(JP,A) 特開 平5−118037(JP,A) 特開 昭59−4793(JP,A) 実開 平6−76429(JP,U) 実開 平3−29533(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 5/02 E21B 15/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削体を保持してこれを駆動する掘削体
    駆動装置と、この掘削体駆動装置を昇降可能に支持する
    昇降支持部材と、この昇降支持部材に昇降可能に設置さ
    れ、上記掘削体駆動装置と結合された状態でこれと一体
    に昇降する昇降部材とを備えた掘削装置による掘削体の
    貫入方法であって、上記昇降部材に掘削体駆動装置を直
    結し、かつこの掘削体駆動装置によって掘削体を保持し
    かつ駆動しながら上記昇降部材及び掘削体駆動装置を下
    降させて掘削体を地中に貫入した後、上記昇降部材と掘
    削体駆動装置とを切離して昇降部材を上昇させ、この昇
    降部材と上記掘削体駆動装置との間に上下方向に延びる
    連結部材を介在させてから再び昇降部材を下降させるこ
    とにより上記掘削体をさらに地中に貫入することを特徴
    とする掘削装置による掘削体の貫入方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の掘削装置による掘削体の
    貫入方法において、上記昇降部材の上端に上記掘削体駆
    動装置と結合される結合部を略水平方向に突出させ、こ
    の結合部に掘削体駆動装置を直結した状態で掘削体を貫
    入する前に、上記昇降支持部材において上記掘削体が昇
    降可能に支持される位置と周方向に異なる位置に上記連
    結部材を立直状態で予め保持しておき、上記掘削体を貫
    入した後に上記昇降部材における少なくとも上記結合部
    を昇降支持部材に対して旋回させ、この結合部に上記昇
    降支持部材に保持されている連結部材の上端を連結し、
    その後、昇降部材を上昇させ、かつ昇降部材における少
    なくとも上記結合部を上記連結部材とともに昇降支持部
    材に対して旋回させ、上記連結部材の下端を上記掘削体
    駆動装置に連結し、この状態から再び昇降部材を下降さ
    せることにより上記掘削体をさらに地中に貫入すること
    を特徴とする掘削装置による掘削体の貫入方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の掘削装置による
    掘削体の貫入方法において、上記掘削体として、表面に
    掘削刃をもつ無端状体を上下の回転体の間に掛けわたし
    てなる溝掘削体を用い、上記昇降支持部材を地盤上を走
    行する走行機に設置したことを特徴とする掘削装置によ
    る掘削体の貫入方法。
  4. 【請求項4】 掘削体を保持してこれを駆動する掘削体
    駆動装置と、この掘削体駆動装置を昇降可能に支持する
    昇降支持部材と、この昇降支持部材に昇降可能に設置さ
    れ、その上端に上記掘削体駆動装置と結合される結合部
    が略水平方向に突設された昇降部材とを備え、上記掘削
    体駆動装置によって掘削体を保持しかつ駆動しながらこ
    れらを上記昇降部材と一体に下降させることにより上記
    掘削体を地中に貫入するように構成された掘削装置にお
    いて、上記昇降部材の少なくとも上記結合部を上記昇降
    支持部材に対して旋回可能に構成し、かつ、この結合部
    と上記掘削体駆動装置とが切離し可能となるように構成
    するとともに、上記旋回可能部位を上記昇降支持部材に
    対して旋回駆動する旋回駆動手段と、上記掘削体駆動装
    置とこの掘削体駆動装置から切り離された結合部との間
    に介在可能な連結部材と、上記昇降支持部材において上
    記掘削体が昇降可能に支持される位置と周方向に異なる
    位置に設けられ、上記連結部材を立直状態で保持する状
    態と解放する状態とに切換えられる連結部材保持手段と
    を備えたことを特徴とする掘削装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の掘削装置において、上記
    掘削体として、上下に配された回転体の間に表面に掘削
    刃をもつ無端状体を掛けわたしてなる溝掘削体を備え、
    上記昇降支持部材を地盤上を走行する走行機に設置した
    ことを特徴とする掘削装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の掘削装置におい
    て、上記昇降支持部材に昇降可能に係合された状態でこ
    の昇降支持部材と上記掘削体とを連結する掘削体拘束部
    材を備えたことを特徴とする掘削装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の掘削装置において、上記
    掘削体拘束部材を、上記昇降支持部材側に昇降可能に係
    合される昇降拘束部材と、上記掘削体側に固定され、上
    記昇降拘束部材に対して昇降方向にのみ係脱可能な固定
    拘束部材とに分離し、これら昇降拘束部材と固定拘束部
    材とを両者が係合された状態で相対的に昇降可能となる
    ように構成するとともに、上記昇降拘束部材を昇降駆動
    する拘束部材駆動手段を備えたことを特徴とする掘削装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の掘削装置において、上記
    拘束部材駆動手段として、上記昇降拘束部材に接続され
    たワイヤの巻取り及び巻出しを行うウインチを備えると
    ともに、上記昇降支持部材の下部にその配設位置よりも
    下方への上記昇降拘束部材の降下を阻止するストッパを
    設けたことを特徴とする掘削装置。
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