JP3249008B2 - サーマルプリンタ - Google Patents

サーマルプリンタ

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JP3249008B2
JP3249008B2 JP5008794A JP5008794A JP3249008B2 JP 3249008 B2 JP3249008 B2 JP 3249008B2 JP 5008794 A JP5008794 A JP 5008794A JP 5008794 A JP5008794 A JP 5008794A JP 3249008 B2 JP3249008 B2 JP 3249008B2
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eccentric
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラテンとサーマルヘ
ッドとの間に挿通された記録紙に印字し、プラテンの回
転により記録紙を搬送するサーマルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】まず、一般的なサーマルプリンタの構造
を図4に示す。1はプラテンである。このプラテン1か
ら突出するプラテン軸2を回転自在に支承する軸受3は
相対向する側板4に設けられている。これらの側板4に
は、サーマルヘッド5を支持するヘッド支持体6が支軸
7により回動自在に取り付けられている。サーマルヘッ
ド5は、多数の発熱素子(図示せず)がプラテン1の軸
方向に沿って形成された基板8とこの基板8を保持する
ベース9とよりなる。このベース9は支軸10によりヘ
ッド支持体6に回動自在に保持されている。また、ヘッ
ド支持体6の内面の両側とベース9の両側との間には複
数の圧縮ばね11が介装されている。なお、ヘッド支持
体6は、図示しないがプリンタの開閉カバーにより上方
への動きが阻止され、この状態で、サーマルヘッド5は
圧縮ばね11の付勢力によりプラテン1に圧接される。
したがって、プラテン1とサーマルヘッド5との間に図
示しないが記録紙とインクリボンとを挿通し、サーマル
ヘッド5の所望の発熱素子を発熱させることにより、イ
ンクリボンのインクが記録紙に転写される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サーマルヘッド5をプ
ラテン1に圧接する圧縮ばね11の強さは、製造条件に
よって所望の設定値に対してバラツキが生じる。一方、
サーマルヘッド5は支軸10の周囲の遊びの範囲で多少
動き得るため、圧縮ばね11の強さにバラツキがある
と、サーマルヘッド5に対する接離方向にプラテン1が
相対的に傾き、プラテン1の両側においてサーマルヘッ
ド5の圧接力に差異が生ずる。また、プラテン1の傾き
は軸受3の取付位置のバラツキによっても発生するが、
その場合の傾き方向はサーマルヘッド5に対する接離方
向及びその接離方向と直交する紙送り方向である。プラ
テン1が何れの方向に傾いても記録紙の斜行の原因とな
るが、サーマルヘッド5に対する接離方向にプラテン1
が傾斜した場合には、プラテン1の両端においてサーマ
ルヘッド5の圧接力が異なるので、記録紙の両側で印字
の濃淡差が生ずる。
【0004】なお、圧縮ばね11のバラツキによるサー
マルヘッド5に対するプラテン1の相対的な傾きを防止
するためには、圧縮ばね11の強さを選別して強さの等
しいもの同士をセットにしてプラテン1の両側における
サーマルヘッド5の圧接力を等しくする方法もあるが、
そのような作業は極めて面倒であり、生産性が低下する
ので避けなければならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、相対向する側
板に保持された回転自在のプラテンにサーマルヘッドを
接触させてなるサーマルプリンタにおいて、それぞれ前
記プラテンの少なくとも一端を回転自在に支承する軸受
孔を有し外周面の半径の中心が前記軸受孔の中心に対し
て偏心された第一の偏心軸受及び第二の偏心軸受を設
け、幅寸法が前記第一の偏心軸受の外周面を回転自在に
嵌合させる寸法に定められ長手方向が前記サーマルヘッ
ドに対する接離方向に沿わされた第一の長孔を有する第
一の案内部を前記側板に設け、幅寸法が前記第二の偏心
軸受の外周面を回転自在に嵌合させる寸法に定められ長
手方向が紙送り方向に沿わされた第二の長孔を有する第
二の案内部を前記側板に設けたサーマルプリンタであ
る。
【0006】
【作用】本発明によれば、第二の偏心軸受を所定の位置
で静止させた状態では、プラテンのサーマルヘッドに対
する接離方向への動きは第二の偏心軸受により規制さ
れ、この状態で第一の偏心軸受を回転すると、プラテン
の軸心が第一の偏心軸受の外周面の半径の中心の回りを
相対的に変位するが、第一の偏心軸受の紙送り方向への
変位動作が第一の長孔の幅により規制され、第一の偏心
軸受が第一の長孔の長手方向に沿ってサーマルヘッドに
対する接離方向に変位するため、紙送り方向におけるプ
ラテンの傾きを調整することが可能となる。
【0007】また、第一の偏心軸受を所定の位置で静止
させた状態では、プラテンの紙送り方向への動きが第一
の偏心軸受により規制され、この状態で第二の偏心軸受
を回転するとプラテンの軸心が第二の偏心軸受の外周面
の半径の中心の回りを相対的に変位するが、第二の偏心
軸受のサーマルヘッドに対する接離方向への変位動作が
第二の長孔の幅により規制され、第二の偏心軸受が第二
の長孔の長手方向に沿って紙送り方向に変位するため、
サーマルヘッドに対する接離方向におけるプラテンの傾
きを調整することが可能となる。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図3に基づい
て説明する。図4において説明した従来例と同一部分は
同一符号を用い説明も省略する。図1に示すように、プ
ラテン1の両端を支承する第一の偏心軸受12と第二の
偏心軸受13とが二つずつ設けられている。第一の偏心
軸受12は、プラテン1が両端に有するプラテン軸2を
回転自在に支承する軸受孔14と、この軸受孔14の中
心に対して半径の中心が偏心された外周面15と、この
外周面15よりやや大きなフランジ16と、このフラン
ジ16の一部から突出するレバー17とを有する。第二
の偏心軸受13は、プラテン軸2を回転自在に支承する
軸受孔18と、この軸受孔18の中心に対して半径の中
心が偏心された外周面19と、この外周面19よりやや
大きなフランジ20と、このフランジ20の一部から突
出するレバー21とを有する。
【0009】また、相対向する側板4の内側面には、幅
寸法が前記第一の偏心軸受12の外周面15を回転自在
に嵌合させる寸法に定められ長手方向がサーマルヘッド
5に対する接離方向(以下Y方向と称する)に沿わされ
た第一の長孔22aを有する第一の案内部22が設けら
れている。さらに、側板4の外側面には、幅寸法が前記
第二の偏心軸受13の外周面19を回転自在に嵌合させ
る寸法に定められ長手方向が紙送り方向(以下X方向と
称する)に沿わされた第二の長孔23aを有する第二の
案内部22が設けられている。
【0010】さらに、前記側板4の内側面には、前記第
一の偏心軸受12のレバー17の先端に形成された突起
17a(図2参照)が弾性的に噛合される多数の係止溝
24が前記第一の長孔22aの真下に配置されて形成さ
れている。これらの係止溝24は、各係止溝24の中心
が第一の長孔22aの中心を半径として弧状に配列され
ているが、第一の偏心軸受12がY方向に変位した場合
でも突起17aとの噛合状態を維持するように長手方向
がY方向に沿う小判形の形状に定められている。
【0011】同様に、前記側板4の外側面には、前記第
二の偏心軸受13のレバー21の先端に形成された突起
21a(図3参照)が弾性的に噛合される多数の係止溝
25が前記第二の長孔23aの側方に配置されて形成さ
れている。これらの係止溝25は、各係止溝25の中心
が第二の長孔23aの中心を半径として弧状に配列され
ているが、第二の偏心軸受13がX方向に変位した場合
でも突起21aとの噛合状態を維持するように長手方向
がX方向に沿う小判形の形状に定められている。
【0012】前記プラテン1は、両端から突出するプラ
テン軸2を第一の偏心軸受12と第二の偏心軸受13と
に挿入したのちに、プラテン軸2の先端部に形成された
環状の溝26に止め輪27を止着することにより軸方向
の抜け止めがなされる。
【0013】このような構成において、図2及び図3を
参照してプラテン1の軸心の傾き調整及びその軸心の位
置調整の方法について説明する。図2(a)(b)は図
1に示すR−R線部においてフランジ16を含まない位
置で第一の偏心軸受12の外周面15上で断面にした縦
断側面図、図3(a)(b)は図1に示すL−L線部に
おいてフランジ20を含まない位置で第二の偏心軸受1
3の外周面19上で断面にした縦断側面図である。
【0014】図2(a)(b)に示すように、突起21
aと係止溝25との噛合により第二の偏心軸受13を所
定の位置で静止させた状態では、Y方向へのプラテン軸
2の動きは第二の偏心軸受13により規制される。この
状態で第一の偏心軸受12を回転するとプラテン1の軸
心Cが第一の偏心軸受12の外周面15の半径の中心の
回りを相対的に変位するが、第一の偏心軸受12のX方
向への変位動作が第一の長孔22aの幅により規制さ
れ、第一の偏心軸受12が第一の長孔22aの長手方向
に沿ってY方向に変位するため、プラテン1の軸心Cを
Y方向へ変位させることが可能となる。そのときの変位
量ΔX、変位方向は第一の偏心軸受12の回転角、回転
方向により決まる。図2(a)に示すように、第一の偏
心軸受12を反時計方向に回転させた場合には、プラテ
ン1の軸心Cは第一の長孔22aの中心を通る垂直線C
Yに対してX方向左側に変位し、図2(b)に示すよう
に、第一の偏心軸受12を時計方向に回転させた場合に
は、プラテン1の軸心Cは第一の長孔22aの中心を通
る垂直線CYに対してX方向右側に変位する。
【0015】この場合、プラテン1の一端に位置する一
つの第一の偏心軸受12のみを回転しても、また、両端
の第一の偏心軸受12を任意方向に任意角回転してもプ
ラテン1のX方向における傾きを調整することができ
る。また、両端の第一の偏心軸受12を回転することに
より、プラテン1の傾き調整だけでなくX方向における
プラテン1の軸心Cの位置調整を行うことも可能であ
る。
【0016】図3(a)(b)に示すように、突起17
aと係止溝24との噛合により第一の偏心軸受12を所
定の位置で静止させた状態では、X方向へのプラテン軸
2の動きは第一の偏心軸受12により規制される。この
状態で第二の偏心軸受13を回転するとプラテン1の軸
心Cが第二の偏心軸受13の外周面19の半径の中心の
回りを相対的に変位するが、第二の偏心軸受13のY方
向への変位動作が第二の長孔23aの幅により規制さ
れ、第二の偏心軸受13が第二の長孔23aの長手方向
に沿ってX方向に変位するため、プラテン1の軸心Cを
X方向へ変位させることが可能となる。そのときの変位
量ΔY、変位方向は第二の偏心軸受13の回転角、回転
方向により決まる。図3(a)に示すように、第二の偏
心軸受13を時計方向に回転させた場合には、プラテン
1の軸心Cは第二の長孔23aの中心を通る水平線CX
に対してY方向上側に変位し、図3(b)に示すよう
に、第二の偏心軸受13を反時計方向に回転させた場合
には、プラテン1の軸心Cは第二の長孔23aの中心を
通る水平線CXに対してY方向下側に変位する。
【0017】この場合、プラテン1の一端に位置する一
つの第二の偏心軸受13のみを回転しても、また、両端
の第二の偏心軸受13を任意方向に任意角回転してもプ
ラテン1のY方向における傾きを調整することができ
る。また、両端の第二の偏心軸受13を回転することに
より、プラテン1の傾き調整だけでなくY方向における
プラテン1の軸心Cの位置調整を行うことも可能であ
る。
【0018】なお、第一、第二の偏心軸受12,13の
それぞれを一つずつプラテン1の端部に設ける場合に
は、それらの第一、第二の偏心軸受12,13をプラテ
ン1の一端にのみ集中して配設してもよい。或いは、プ
ラテン1の一端に第一の偏心軸受12を設け他端に第二
の偏心軸受13を設けてもよい。前者の場合は片側の側
板4にのみ第一、第二の案内部22,23を設け、後者
の場合は両側の側板4に第一の案内部22又は第二の案
内部23を設ければよい。また、前記実施例において、
第一、第二の案内部22,23は側板4に一体に形成し
て設けたが、別部材により形成して側板4に固定的に設
けてもよいものである。
【0019】
【発明の効果】本発明は、プラテンの少なくとも一端を
回転自在に支承する軸受孔を有し外周面の半径の中心が
前記軸受孔の中心に対して偏心された第一の偏心軸受及
び第二の偏心軸受を設け、幅寸法が前記第一の偏心軸受
の外周面を回転自在に嵌合させる寸法に定められ長手方
向がサーマルヘッドに対する接離方向に沿わされた第一
の長孔を有する第一の案内部を側板に設け、幅寸法が前
記第二の偏心軸受の外周面を回転自在に嵌合させる寸法
に定められ長手方向が紙送り方向に沿わされた第二の長
孔を有する第二の案内部を前記側板に設けたので、第二
の偏心軸受を所定の位置で静止させてサーマルヘッドに
対する接離方向へのプラテンの動きを第二の偏心軸受に
より規制した状態で第一の偏心軸受を回転したときに、
プラテンの軸心が第一の偏心軸受の外周面の半径の中心
の回りを相対的に変位するが、第一の偏心軸受の紙送り
方向への変位動作が第一の長孔の幅により規制され、第
一の偏心軸受が第一の長孔の長手方向に沿ってサーマル
ヘッドに対する接離方向に変位するため、紙送り方向に
おけるプラテンの傾きを調整することができ、これによ
り、紙送り方向にプラテンが傾くことに起因する記録紙
の斜行を防止することができ、さらに、第一の偏心軸受
を所定の位置で静止させて紙送り方向へのプラテンの動
きを第一の偏心軸受により規制した状態で、第二の偏心
軸受を回転したときに、プラテンの軸心が第二の偏心軸
受の外周面の半径の中心の回りを相対的に変位するが、
第二の偏心軸受のサーマルヘッドに対する接離方向への
変位動作が第二の長孔の幅により規制され、第二の偏心
軸受が第二の長孔の長手方向に沿って紙送り方向に変位
するため、サーマルヘッドに対する接離方向におけるプ
ラテンの傾きを調整することができ、これにより、プラ
テンの両端において印字の濃淡差が生ずることを防止す
ることができ、また、サーマルヘッドに対する接離方向
にプラテンが傾くことに起因する記録紙の斜行を防止す
ることができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】図1におけるR−R線部で断面にして第一の偏
心軸受による調整作業を示す縦断正面図である。
【図3】図1におけるL−L線部で断面にして第二の偏
心軸受による調整作業を示す縦断正面図である。
【図4】従来例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 プラテン 4 側板 5 サーマルヘッド 12 第一の偏心軸受 13 第二の偏心軸受 14 軸受孔 15 外周面 18 軸受孔 19 外周面 22 第一の案内部 22a 第一の長孔 23 第二の案内部 23a 第二の長孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向する側板に保持された回転自在の
    プラテンにサーマルヘッドを接触させてなるサーマルプ
    リンタにおいて、それぞれ前記プラテンの少なくとも一
    端を回転自在に支承する軸受孔を有し外周面の半径の中
    心が前記軸受孔の中心に対して偏心された第一の偏心軸
    受及び第二の偏心軸受を設け、幅寸法が前記第一の偏心
    軸受の外周面を回転自在に嵌合させる寸法に定められ長
    手方向が前記サーマルヘッドに対する接離方向に沿わさ
    れた第一の長孔を有する第一の案内部を前記側板に設
    け、幅寸法が前記第二の偏心軸受の外周面を回転自在に
    嵌合させる寸法に定められ長手方向が紙送り方向に沿わ
    された第二の長孔を有する第二の案内部を前記側板に設
    けたことを特徴とするサーマルプリンタ。
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JP5428046B2 (ja) * 2009-05-08 2014-02-26 石沢 昭宏 材料送り装置
JP7129232B2 (ja) * 2018-06-12 2022-09-01 イーデーエム株式会社 サーマルプリンタ

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