JP3247144B2 - 発泡ポリウレタン及びポリイソシアヌレートの製造において発泡剤として使用されるヒドロクロロフルオロカーボンの分解を抑制するための方法 - Google Patents

発泡ポリウレタン及びポリイソシアヌレートの製造において発泡剤として使用されるヒドロクロロフルオロカーボンの分解を抑制するための方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】ヒドロクロロフルオロカーボンはそれらの
様々な適用においてクロロフルオロカーボンに置き代わ
るが、後者と比較して低い化学安定性を示し、したがっ
てそれらはそれらの様々な使用中に接触する様々な物質
の存在下で分解をよりうけやすいことが知られている。
【0002】この問題は、ヒドロクロロフルオロカーボ
ンが発泡ポリウレタン又はポリイソシアヌレートの製造
に際して発泡剤として使用された場合に特に生じる。公
知のように、これらの生成物はアミン系及び有機金属系
触媒と約70℃以下の沸点を有するヒドロクロロフルオ
ロカーボンからなる発泡剤との存在下でポリアルコール
をポリイソシアネートと反応させることにより製造でき
る。
【0003】クロロフルオロカーボンが発泡剤として使
用される場合には、ポリオール、触媒及び発泡剤に基づ
く処方物が事前に製造される。このような処方物は反応
を行うちょうどそのときにポリイソシアネートと混ぜら
れる。数ヵ月も処方物を貯蔵することが普通であるた
め、クロロフルオロカーボンはポリオール及びアミン系
触媒のような活性水素含有有機化合物と反応しがちであ
る。
【0004】更に、容器から出る金属はクロロフルオロ
カーボンと活性水素原子含有有機化合物との反応におい
て触媒作用を発揮する。したがって、処方物には最後に
記載された反応を抑制できる少量の安定剤が加えられ
る。
【0005】このような剤の添加のおかげで、クロロフ
ルオロカーボンとポリオールとの不適合性に起因する問
題はポリオールとポリウレタンとの反応に際しても解決
される。
【0006】英国特許第1,009,041号によれ
ば、クロロフルオロカーボン、特にCFClとポリオ
ールとの反応はα‐メチルスチレンのような特定のエチ
レン性不飽和化合物を加えることで抑制される。
【0007】英国特許第1,018,809号によれ
ば、同反応は同様のα‐メチルスチレン又は他のエチレ
ン性不飽和化合物により抑制される。特定不飽和炭化水
素の使用は英国特許第1,149,458号及び米国特
許第4,463,189号明細書で記載されている。米
国特許第3,085,116号によれば、上記反応はモ
ノニトロアルカンにより抑制される。
【0008】上記処方物においてヒドロクロロフルオロ
カーボンの安定化に関する文書はほとんどない。
【0009】これら文書の中で、特願平第1‐2115
38号明細書は少なくともヒドロキシル系、エーテル系
又はエポキシ基を有するアクリル系又はメタクリル系エ
ステルを用いることでHCFC123のようなヒドロク
ロロフルオロカーボンを安定化する方法について記載し
ている。
【0010】特願平第1‐211539号明細書では上
記エステルのうち1つと下記式の炭化水素を用いること
で同様のヒドロクロロフルオロカーボンを安定化する方
法について記載している:
【0011】
【化1】 上記においてR、R、R及びRは水素原子又は
炭素原子1〜3を有する炭化水素基である。
【0012】本発明者は、例えばHCFC123のよう
ないくつかのヒドロクロロフルオロカーボンに関して、
処方物に安定剤を加えるだけでは不充分であり、特に発
泡ポリウレタンの形成反応中にそれらを安定化させるこ
とが必要であることをここに発見したのである。このよ
うな反応中にいくつかのHCFCは分解してしまい、こ
のためHCFC含有ポリオールの貯蔵中に生成するもの
とは異なる他の分解生成物を生じる。
【0013】これらの分解生成物及び上記貯蔵中に生じ
る生成物は通常毒性がある。
【0014】例えば貯蔵中にHCFC123(CF
CHCl)は不純物HCFC133a(CHCl‐
CF)に分解しがちであるが、発泡ポリウレタンの形
成反応に際してそれはオレフィンCFC1112a(C
=CCl)を形成する脱ヒドロフルオロ化反応を
生じる。
【0015】発泡ポリウレタンの形成に際して生じる分
解反応は、反応媒体中に存在するルイス塩基の付随作用
及び温度に依存していると考えられる。反応媒体中に存
在するルイス塩基はポリアルコール及びアミン系触媒で
ある。
【0016】既に記載されたように、HCFC123は
オレフィンCFC1112aを形成するようになる。
【0017】逆に、HCFC123a(CHClF‐C
Cl)はオレフィンCFC1113(CClF=C
)を形成するようになる。
【0018】双方のオレフィンとも毒性である。
【0019】上記発泡生成物の製造に関して特に重要な
発泡剤である市販HCFC123は製造プロセスに応じ
てある量のHCFC123aを含有できるが、HCFC
123及びHCFC123aの混合物の使用は上記オレ
フィン系不純物の同時形成を起こすことがある。
【0020】逆に、HCFC141b(CH‐CCl
F)はオレフィンHCFC1131a(CH=CC
lF)を形成することがあり、これも毒性である。
【0021】通常毒性不純物の生成とは別に、上記分解
反応は反応媒体及び発泡生成物へのHCl及び/又はH
Fの導入に起因して他の欠点を生じる。第一にこれらの
酸は腐蝕性であり、それらが接触する構造体の金属及び
非金属物質にダメージを与えてしまう。
【0022】更に、それらは発泡体生成速度が重合速度
と一致するように制御する上で筆頭的役割を果たす塩基
性触媒を不活性化しがちである。
【0023】一部のケースにおいて、毒性オレフィンは
発泡剤として用いられたHCFCの脱ヒドロハロゲン化
によるのではなく、発泡HCFCの他の分解反応のせい
で生成した他のHCFCから出発したことにより生じる
ことがある。特に、HCFC C336 CF‐CHCl‐CHCl‐CFを生
じ、更にこれは脱ヒドロクロロ化で毒性オレフィンHC
FC1326 CF‐CH=CCl‐CFに変換さ
れる。最後に記載されたタイプの分解反応では、発泡剤
として用いられたHCFCの脱ヒドロハロゲン化反応で
生じる場合と同様の欠点を勿論生じる。
【0024】既にここで記載されたように、上記分解反
応を抑制する方法についてはこれまで提案されたことが
なかった。
【0025】このため、本発明の目的は、発泡ポリウレ
タン又はポリイソシアヌレートの形成反応の開始前に、
即ちいわゆる“発泡”前に、少量の安定剤を反応媒体に
加えることでこのような反応を抑制する方法を提供する
ことである。
【0026】もう1つの目的は発泡中に毒性オレフィン
の形成を抑制することである。
【0027】更にもう1つの目的は発泡中におけるHC
l及び/又はHFの形成を抑制し、それによりこのよう
な形成による欠点を解消又は減少させることである。
【0028】これらの及び更に他の目的は、2つの炭素
原子を有し、その第一の上には塩素又はフッ素原子が存
在して第二の上には水素原子が存在し、一方で2つの炭
素原子上に存在する他の原子は無関係にH、Cl又はF
であり、分子中に存在するF原子の総数は4以下であ
り、約−15〜約70℃範囲内の沸点を有するヒドロク
ロロフルオロカーボンに関してこのようなヒドロクロロ
フルオロカーボンがポリオール及びポリイソシアネート
から出発する発泡ポリウレタン又はポリイソシアヌレー
トの形成反応に際して発泡剤として使用された場合にお
ける脱ヒドロハロゲン化による分解を抑制するためのか
つ上記反応に際する上記発泡剤の分解副生成物として生
成するヒドロクロロフルオロカーボンの脱ヒドロハロゲ
ン化を抑制するための本発明による方法で達成される。
【0029】この方法はニトロメタン、ニトロエタン及
び1‐ニトロプロパンからなる群より選択される少量の
安定剤が反応開始前に反応媒体に加えられることで特徴
付けられる。
【0030】添加されるニトロメタンの量はHCFCに
対して計算された場合に通常0.3〜4重量%の範囲で
あり、添加されるニトロエタンの量は通常0.5〜5重
量%の範囲であり、1‐ニトロプロパンの量は通常0.
5〜5重量%の範囲である。
【0031】ニトロメタン0.5〜1重量%、ニトロエ
タン1〜2%及び1‐ニトロプロパン1〜3%の量を用
いることが通常好ましい。
【0032】好ましい安定剤はニトロメタンである。
【0033】本発明による方法で安定化されるヒドロク
ロロフルオロカーボンの中では、特にHCFC123
(CF‐CHCl)、HCFC141b(CH
CCl F)、HCFC123a(CHClF‐CCl
)、HCFC141a(CHCl‐CHF)並
びに123及び123aの混合物と141b及び141
aの混合物が挙げられる。
【0034】前記のように分解副生成物として生成する
ヒドロクロロフルオロカーボンは通常4つの炭素原子を
有するが、その場合に2つの隣接炭素原子のうち一方に
はCl又はF原子が存在して他方の炭素原子上にはH原
子が存在し、一方で2つの隣接炭素原子上に存在する他
の原子は無関係にH、Cl又はF原子である。
【0035】HCFCがポリオールベース処方物中に含
有されるポリオール及びアミンと反応しうるケースにお
いて(このようなケースは貯蔵試験で確認されてい
る)、発泡ポリマー製造用の成分(ポリオール、ポリイ
ソシアネート及びHCFCに基づく処方物)を発泡開始
直前に安定剤と混ぜるか又は安定剤含有HCFCを発泡
開始の少し前(即ち、例えば24時間以内)にポリオー
ルベース処方物もしくはポリイソシアネートと混ぜるこ
とが都合よい。HCFC中における安定剤の溶液は数ヵ
月にわたり貯蔵できる。
【0036】しかしながら、ニトロメタン、ニトロエタ
ン及び1‐ニトロプロパンはこのようなHCFCを含有
したポリオールベース処方物が貯蔵に付された場合に前
記多数のHCFCの分解を効率的に抑制する。それはH
CFC123及びHCFC141bのケースである。安
定剤の量は発泡に使用される場合と同様である。
【0037】いくつかのHCFC、例えばHCFC12
3及びHCFC141bの有効な安定化は後に記載され
る特定の不飽和物質でも得られる。
【0038】逆に、HCFC123aのケースにおい
て、前記群の生成物はいずれもポリオール貯蔵中にオレ
フィン1113(CClF=CF)に関するその分解
を効率的に抑制することができない。
【0039】したがって、発泡前にヒドロクロロフルオ
ロカーボンとニトロメタン、ニトロエタン又は1‐ニト
ロプロパンを加える代わりに、様々なケースにおいてポ
リオールベース処方物にその貯蔵前にそれらを加えるこ
とが可能である。
【0040】様々なケースにおいて、特定のエチレン性
不飽和添加物で安定化されたHCFCをポリオールベー
ス処方物にその貯蔵前に加え、しかる後発泡開始前にニ
トロメタン、ニトロエタン又は1‐ニトロプロパンを加
えることも可能である。
【0041】エチレン性不飽和添加物は比較例9で示さ
れるように発泡中にいかなる安定化作用も発揮しない。
【0042】ポリオール貯蔵に際していくつかの上記H
CFC、特にHCFC123及びHCFC141bを安
定化させるために適したエチレン性不飽和添加物に関し
て、本発明の目的である第一群は少なくとも一対の共役
エチレン性二重結合を含み、直鎖部分に炭素原子4〜8
を有しかつ場合により1以上の置換基‐OCHを含む
直鎖又は分岐鎖ポリアルケンからなる。
【0043】処方物貯蔵中におけるいくつかのHCFC
とポリオールとの前記反応を抑制するために適した他の
安定剤は、脂肪族炭素原子2〜9及び芳香族基1〜3を
通常含むアリールアルケンである;このアリールアルケ
ンは1つの芳香核と共役したエチレン性二重結合を少な
くとも有しかつ場合により脂肪族炭素原子上及び/又は
芳香族基中に1以上の‐OCH置換基を含む;芳香族
基はフェニル、ジフェニル、p‐オキシフェニルフェニ
ル及びナフチルからなる群より通常選択される。
【0044】適切なポリアルケンの例はアロシメンCH3
-CH=C(CH3 )-CH=CH-CH=C(CH3 2- 、2,5‐ジメチ
ル‐2,4‐ヘキサジエン、1‐メトキシ‐1,3‐ブ
タジエン、ブタジエン及びイソプレンである。
【0045】適切なアリールアルケンの例はα‐メチル
スチレンの二量体(異性体2,4‐ジフェニル‐4‐メ
チル‐1‐ペンテン及び2,4‐ジフェニル‐4‐メチ
ル‐2‐ペンテンの混合物;前者が明らかに優勢であ
る)、アネソール、m‐ジイソプロペニルベンゼン、
1,3,5‐トリイソプロペニルベンゼンである。
【0046】ヒドロクロロフルオロカーボンに対して表
示されるポリアルケン又はアリールアルケンの量は通常
0.1〜2.5重量%、好ましくは0.5〜1.5%の
範囲である。
【0047】下記例は説明目的で示されており、本発明
の範囲の制限として解釈してはいけない。例1‐3 ポリオールベース処方物は400のヒドロキシル数及び
ポリオール100部に対して2.4部に相当する含水量
を有するダウ・ケミカル(Dow Chemical)製のVORANOL XZ
00 88 011であった。HCFCは88重量%の123及
び12%の123aを含有した混合物であった。安定剤
及びその量は表1で示されている。
【0048】ポリイソシアネートは31重量%に相当す
るイソシアネート基数及び2.7に相当する平均官能価
を有するエニケム(Enichem) 製のTEDIMONT 31 であっ
た。
【0049】発泡は径15cm及び高さ30cmを有する円
筒厚紙容器で行った。ポリオール処方物50gを均一溶
液となるまでHCFC123+123a 18gと混ぜ
た。次いでポリイソシアネート80gを数秒間で加え、
混合物を容器中に注いだ。発泡体の形成中に、試験に応
じて140〜150℃範囲内の最大温度に達した。発泡
の最後に、全体を24時間放置させた。
【0050】次いで泡状体を既に脱気された容器中で破
壊し、発生したガスをガスクロマトグラフィーで分析し
た。
【0051】CFC1113/HCFC123+123
a比及びCFC1112a/HCFC123+123a
比を調べた;それらは表1で報告されている。
【0052】 表 1 試験 安定剤wg%/ CFC1113 ppm/ CFC1112a ppm/ No. HCFC123+123a HCFC123+123a HCFC123+123a 1 0 6300 514 2 CH3 NO2 0.5 73 27 3 CH3 NO2 1 21 15 3 bis C2 H5 NO2 1 2050 161 例4‐6 これらの例において、HCFCは95.5重量%の12
3及び4.5%の123aの混合物からなっていた。
【0053】それを例1‐3の場合と同様に操作した。
【0054】得られた結果は表2で報告されている。
【0055】 表 2 試験 安定剤wg%/ CFC1113 ppm/ CFC1112a ppm/ No. HCFC123+123a HCFC123+123a HCFC123+123a 4 0 3257 800 5 CH3 NO2 0.6 36 19 6 CH3 NO2 1 25 21 例7‐9 これらの例において、HCFCは123aを含まない1
23であった。
【0056】それを例1‐3の場合と同様に操作した。
【0057】試験 No.9は比較例としてオレフィン系安
定剤、即ちα‐メチルスチレンで行った。
【0058】得られた結果は表3で報告されている。
【0059】 表 3 試験 安定剤wg%/ CFC1113 ppm/ CFC1112a ppm/ No. HCFC123 HCFC123 HCFC123 7 0 0 1065 8 CH3 NO2 1 0 22 9 α‐メチルスチレン 1 0 1010 例10‐12 ポリオールベース処方物は400〜500範囲内のヒド
ロキシル数を有するポリオール‐ポリエーテルを含有
し、ポリオール‐ポリエーテル100部に対して2.5
部に相当する含水量を有していた。
【0060】HCFCは95.5重量%の123及び
4.5%の123aを含有した混合物であった。
【0061】ポリイソシアネートは例1‐3の場合と同
様であった。
【0062】ポリオールベース処方物50g、HCFC
123+123a 16.5g及びポリイソシアネート
73.5gを導入して例1‐3の場合と同様に操作し
た。
【0063】得られた結果は表4で報告されている。
【0064】 表 4 試験 安定剤wg%/ CFC1113 ppm/ CFC1112a ppm/ No. HCFC123+123a HCFC123+123a HCFC123+123a 10 0 77 0 11 CH3 NO2 0.3 29 0 12 CH3 NO2 1 24 0 12 bis C2 H5 NO2 1.5 39 0 12 ter C3 H7 NO2 2.5 32 0 例13‐14 例10‐12の場合と同様に操作したが、但し非外部加
熱容器で発泡を行う代わりに140℃で熱調節されるオ
ーブン中におかれた例1‐3で用いられたのと同様の容
器で行った。反応の最後として約30分間後に、泡状物
質をオーブンから取出し、24時間放置させた。得られ
た結果は表5で報告されている。
【0065】 表 5 試験 安定剤wg%/ CFC1113 ppm/ CFC1112a ppm/ No. HCFC123+123a HCFC123+123a HCFC123+123a 13 0 778 123 14 CH3 NO2 1 35 24 例15‐26 これらの例は様々な安定剤の存在下又は非存在下でHC
FC123を含有したポリウレタンの製造用のポリエー
テル‐ポリオールベース処方物の促進貯蔵試験に関す
る。
【0066】25gの量で用いられる処方物はヒドロキ
シル数490のポリエーテル‐ポリオールと少量の水及
び有機金属触媒を含有したバイエル(Bayer) 製の組成物
BVH-D040116 であった。
【0067】安定剤はHCFC123に対して0.4重
量%の量で用いた。
【0068】試験は50℃で21日間行った。
【0069】様々な剤の量は表6で示されている。安定
化有効性は試験終了時にガスクロマトグラフィーにより
HCFC123に対する毒性不純物HCFC133aの
ppm数を測定することにより評価した。
【0070】同一条件下で行われた試験15‐18は本
発明による2種の安定剤の有効性(試験16及び17)
及び本発明によらないエチレン性不飽和物質の無視しう
る安定化効果(試験18)について示す。
【0071】試験19‐21では、分解傾向を高めるア
ミン系触媒(トリエチルアミン)が存在した。
【0072】試験22‐24では、混合物cm3 当たり
0.22cm2 の表面積を示す既に脱脂された鉄板が存在
した。
【0073】試験25‐26では、トリエチルアミン及
び鉄板が同時に存在した。安定剤なしの試験は行わなか
ったが、但しそれが試験22の場合よりも悪い結果を示
すことは明らかである。例27‐29 試験27‐29では、ニトロエタン量増加の影響が示さ
れている。
【0074】処方物(25g)は例15‐26の場合と
同様であった。
【0075】様々な剤の量及び得られた結果は表7で報
告されている。HCFC133aの量はガスクロマトグ
ラフィーで調べた。
【0076】安定剤なしの試験は行わなかったが、但し
それが表6の試験22の場合よりも悪い結果を示すこと
は明らかである。例30‐33 これらの試験は高温(120℃)で24時間行った。
【0077】ポリウレタン用のポリオールに基づく処方
物を用いる代わりに、ジグリム: CH‐(OCH‐CH‐OCH を反応性水素原子含有の有機物質として用いた。
【0078】NMRにより試験終了時に調べたHCFC
133aの量はHCFC123に対するppmとして示
される。
【0079】試験の全データは結果と一緒に表8で報告
されている。
【0080】試験30‐31では鉄屑を加えた;試験3
2‐33ではポリウレタン形成反応用の触媒(ジブチル
スズジラウレートからなる)を加えた。
【0081】 表 6 HCFC トリエチル 安定剤 HCFC133a 試験 処方物 123 アミン 鉄板 (HCFC123に ppm 対し 0.4重量%) 15 100 35 なし 706 16 100 35 アロシメン 125 17 100 35 ニトロエタン 70 18 100 35 ジイソブチレン 600 19 100 35 2 なし 1050 20 100 35 2 アロシメン 205 21 100 35 2 ニトロエタン 145 22 100 35 存在 なし 2735 23 100 35 存在 アロシメン 435 24 100 35 存在 ニトロエタン 290 25 100 35 2 存在 アロシメン 460 26 100 35 2 存在 ニトロエタン 315 表 7 HCFC トリエチル 安定剤 HCFC133a 試験 処方物 123 アミン 鉄板 (HCFC123に ppm 対する重量%) 27 100 35 2 存在 ニトロエタン 0.34 280 28 100 35 2 存在 ニトロエタン 0.69 150 29 100 35 2 存在 ニトロエタン 1.01 95 表 8 試験 ジグリム HCFC123 鉄屑 有機金属触媒 安定剤 HCFC133a ppm 30 217mg 650mg 25mg なし 3234 31 217mg 650mg 25mg アロシメン 10mg 411 32 217mg 650mg 2.5mg なし 2328 33 217mg 650mg 2.5mg アロシメン 10mg <10 (分析限界) 例34‐42 バイエル組成物BVH-D040116 を使用して、但しHCFC
123の代わりにHCFC141bをポリオール100
部に対して34.56重量部の量で用いて、例15‐2
6の場合と同様に操作した。更に、試験は各々31、5
3及び85日間の長期にわたり行った。使用された安定
剤はニトロメタン及びニトロエタンであった。
【0082】安定剤の量及び得られた結果は表9で報告
されている。
【0083】その表の検討から、2種の安定剤はHCF
C141bから毒性であるHCFC151aへの分解を
抑制することがわかる。
【0084】 表 9 試験 老化時間 安定剤重量%/ HCFC151a:重量 NO. (日数) HCFC141b ppm/HCFC141b 34 31 0 145 35 31 CH3 NO2 0.409 13 36 31 C2 H5 NO2 0.409 20 37 53 0 169 38 53 CH3 NO2 0.319 23 39 53 C2 H5 NO2 0.409 32 40 85 0 207 41 85 CH3 NO2 0.319 46 42 85 C2 H5 NO2 0.409 64 例43‐46 バイエル組成物BVH-D040116 を使用し、ポリオール10
0部に対してHCFC123 35重量部を用いて、例
15‐26の場合と同様に操作した。
【0085】使用された安定剤、それらの量、試験期間
及び得られた結果は表10で報告されている。
【0086】 表10 試験 老化期間 安定剤重量%/ HCFC133a: NO. (日数) HCFC123 ppm/HCFC 43 40 0 1790 44 40 CH3 NO2 1.05 50 45 40 C2 H5 NO2 1.28 60 46 40 C3 H7 NO2 1.46 90
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08G 101:00) C08G 18/08 C08L 75:04 101:00) (72)発明者 クラウディオ、トネリ イタリー国ミラノ、コンコレッツォ、ビ ア、ジノ、バラグスタ、25 (72)発明者 サウロ、ジロロモニ イタリー国アレッサンドリア、スピネッ タ、マレンゴ、ビア、ガンバレラ、34 /ア (56)参考文献 特開 平1−128944(JP,A) 特開 昭63−75020(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42 C07C 17/42 C07C 19/08 C08G 18/00 - 18/87

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニトロメタン、ニトロエタン、および1−
    ニトロプロパンを使用して、発泡ポリウレタン、または
    ポリオール及びポリイソシアネートから得られるポリイ
    ソシアヌレートの形成途中におけるヒドロクロロフルオ
    ロカーボンの脱ヒドロハロゲン化による分解を抑制す
    る、発泡ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートの製
    造法であって、 前記ハイドロクロロフルオロカーボンが形成に際して発
    泡剤として用いられるとき、前記ハイドロクロロフルオ
    ロカーボンが、2つの炭素原子を有し、その第一の上に
    は塩素又はフッ素原子が存在して第二の上には水素原子
    が存在し、一方で2つの炭素原子上に存在する他の原子
    は無関係にH、Cl又はFであり、分子中に存在するF
    原子の総数は4以下であり、−15〜70℃範囲内の沸
    点を有するものであり、 反応を開始する前に、0.3〜4重量%のニトロメタン
    又は0.5〜5重量%のニトロエタンもしくは1‐ニト
    ロプロパン(上記%量はヒドロクロロフルオロカーボン
    に対するものである)を反応媒体に加えることを特徴と
    する方法。
  2. 【請求項2】添加されるニトロメタン量がヒドロクロロ
    フルオロカーボンに対して計算された場合に0.5〜1
    重量%の範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】ヒドロクロロフルオロカーボンに対して、
    ニトロエタンを1〜2重量%添加する、または又は1‐
    ニトロプロパンを1〜3重量%添加する、請求項1に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】ヒドロクロロフルオロカーボンがHCFC
    123、141b、123a、141a並びに123と
    123aの混合物、および141bと141aの混合物
    からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の方法。
  5. 【請求項5】ヒドロクロロフルオロカーボン及び安定剤
    が発泡を開始させる直前にポリオールベース処方物及び
    ポリイソシアネートと混ぜられる、請求項1〜4のいず
    れか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】安定剤を含有したヒドロクロロフルオロカ
    ーボンが発泡を開始させる前にポリオールベース処方物
    と、又はポリイソシアネートと混合する、請求項1〜4
    のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】ヒドロクロロフルオロカーボンとニトロメ
    タン、ニトロエタン又は1‐ニトロプロパンがポリオー
    ル含有処方物にその貯蔵前に加えられる、請求項1〜4
    のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】1)ポリオール含有処方物にその貯蔵中に
    おけるヒドロクロロフルオロカーボンと処方成分との反
    応を抑制できる安定剤及びヒドロクロロフルオロカーボ
    ンを上記貯蔵前に加え(上記安定剤は下記群: a)少なくとも2つの共役エチレン性二重結合を含み、
    直鎖部分に炭素原子4〜8を有しかつ場合により1以上
    の‐OCH置換基を含む直鎖又は分岐鎖ポリアルケン b)脂肪族炭素原子2〜9及び芳香族基1〜3を含み、
    1つの芳香核と共役したエチレン性二重結合を少なくと
    も1つ有しかつ場合により脂肪族炭素原子上及び/又は
    芳香族基中に1以上の‐OCH置換基を含むアリール
    アルケンのうち1つから選択される)、 2)発泡ポリウレタン又はポリイソシアヌレートの形成
    反応を開始させる前に、請求項1記載の安定化物質を反
    応媒体に加える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    方法。
JP11962292A 1991-04-11 1992-04-13 発泡ポリウレタン及びポリイソシアヌレートの製造において発泡剤として使用されるヒドロクロロフルオロカーボンの分解を抑制するための方法 Expired - Fee Related JP3247144B2 (ja)

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