JP3246683B2 - 細胞増殖促進物質及びそれを含有する組成物 - Google Patents

細胞増殖促進物質及びそれを含有する組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オタネニンジン(Pana
x ginseng C.A.Mayer)の根またはその培養物より抽出さ
れる細胞増殖促進物質およびそれを含む組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】従来より
細胞増殖因子として、上皮増殖因子、インターロイキ
ン、サイトカインなどが知られている。
【0003】しかし、これらはin vitroで種々の有効性
が確認されているものであるが、invivo では種々の副
作用が認められるなどの問題を有するゆえに広く用いら
れるには至っていない。
【0004】そこで、本発明者らは毒性の低い細胞増殖
促進物質を得ることを目的として、一般的に用いられて
いる生薬をターゲットとして、細胞増殖因子の検索を行
ってきた。
【0005】本発明の目的は、安全性の高い細胞増殖促
進物質およびそれを含有する組成物を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく種々研究を重ねたところ、オタネニンジンの
根またはその培養物からの抽出物にオルニチン脱炭酸酵
素活性およびM2型ピルビン酸キナーゼ活性を上昇させ
る作用を認めた。M2型ピルビン酸キナーゼは心臓、
脳、小腸、肺、肝臓などの多くの組織に分布し、細胞の
増殖機能に影響を与えている酵素である。これらの知見
を基に、本発明者らはさらなる研究の結果、当該抽出物
が in vivoにおいて細胞増殖促進作用を示すことを見出
して本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明の要旨は、次のおよび
の通りである。 オタネニンジン(Panax ginseng C.A.Mayer)の根また
はその培養物より、アルコールおよび/または水にて抽
出され、かつオクタデシルカラムにおいて32%アセト
ニトリル溶液を溶離液として用いた時ジンセノサイドR
b2の保持時間±5%の保持時間をもって溶出される画
分に含有される細胞増殖促進物質。 オタネニンジン(Panax ginseng C.A.Mayer)の根また
はその培養物より、アルコールおよび/または水にて抽
出され、かつオクタデシルカラムにおいて32%アセト
ニトリル溶液を溶離液として用いた時ジンセノサイドR
b2の保持時間±5%の保持時間をもって溶出される画
分よりなる細胞増殖促進物質含有組成物。
【0008】本発明でいう培養物とは、オタネニンジン
の根組織を適当条件下培養して得られる細胞(塊)を示
し、例えばカルス誘導法等により培養されるカルス、懸
濁培養により得られるものなどが挙げられる。
【0009】本発明の細胞増殖促進物質およびそれを含
有する組成物は、オタネニンジン、特にその根またはそ
の培養物から抽出取得することができる。具体的には、
オタネニンジンの根またはその培養物をアルコールおよ
び/または水にて1回ないしは数回抽出し、得られた抽
出成分を、オクタデシルカラム上で溶媒分画することに
よって得ることができる。
【0010】抽出操作において用いられる抽出溶媒とし
ては、水および/またはアルコールが挙げられる。アル
コールとしては、好適には炭素数1〜4の低級アルコー
ルが挙げられ、例えばメタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられ
る。アルコールはそれ単独または2種以上の混合物とし
て用いてもよく、また水と適当な割合〔例えば、エタノ
ール/水(50/50)〕で混合して用いてもよい。特
に、エタノールまたはエタノールと水との混合物にて抽
出後、ブタノールを用いて抽出することが好ましい。
【0011】上記の抽出操作によって得られる抽出物
は、次にアセトニトリル系溶媒を溶離液とするオクタデ
シルカラムに付される。本発明の細胞増殖促進物質は、
例えばオクタデシルカラムにおいて32%のアセトニト
リル溶液を溶離液として用いた時、ジンセノサイドRb
2の保持時間の±5%の位置に溶出する画分に含まれ
る。
【0012】本発明の細胞増殖促進物質およびその含有
組成物は、in vivo において細胞増殖促進作用を示すも
のであり、当該作用は当該細胞増殖促進物質またはその
組成物をマウス、ラット、ウサギ等の哺乳類等に投与し
た後、その肝臓、心臓、小腸、肺または脳中のM2型ピ
ルビン酸キナーゼ活性を測ることによって測定すること
ができる。
【0013】本発明でいう細胞増殖促進物質および組成
物は、ヒト、マウス、ラット、ウサギ等哺乳類に対して
細胞増殖促進作用を示し、例えば角膜創傷部位あるいは
皮膚創傷部位に対する改善・治癒に有用である。
【0014】本発明の細胞増殖促進物質および組成物は
そのままで、または適当な担体、添加物とともに製剤化
処理、加工処理等を行うことによって、医薬製剤、化粧
品、食品などとすることができる。例えば、担体、添加
剤としては、医薬上許容されるもの(例えば崩壊剤、賦
形剤、保存量、緩衝剤、等張剤など)、食品衛生上許容
されるもの、及び化粧品成分として許容されるものを使
用すればよい。また、細胞増殖促進物質および組成物は
液状、乳液状、懸濁状、クリーム状、固体状、粉末状な
どのいずれの態様をもつことができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例、比較例および実験例をもって
本発明を詳細に述べるが、本発明はこれによって何ら限
定されるものではない。
【0016】実施例1 ジンセノサイドRb2分画 オタネニンジンより、水/エタノール(50/50)に
て抽出後、さらにブタノールで抽出し、前処理し、オク
タデシルカラムを用い、アセトニトリル32%で溶出
後、ジンセノサイドRb2の保持時間±5%に位置する
分画を回収して乾固後、ジンセノサイドRb2分画を得
た。
【0017】比較例1 ジンセノサイドRb1分画 実施例1に記載のジンセノサイドRb2分画と同様ジン
セノサイドRb1の保持時間±5%に位置する分画を回
収し、乾固後ジンセノサイドRb1分画を得た。
【0018】比較例2 ジンセノサイドRg1分画 オタネニンジンより、水/エタノール(50/50)に
て抽出後、さらにブタノールで抽出し、前処理し、オク
タデシルカラムを用い、アセトニトリル23%で溶出
後、ジンセノサイドRg1の保持時間±5%に位置する
分画を回収し、乾固後ジンセノサイドRg1分画を得
た。
【0019】比較例3 ジンセノサイドRb2 ジンセノサイドRb2分画を水にて再結晶を2度行い、
ジンセノサイドRb2を得た。その後乾固しジンセノサ
イドRb2を得た。
【0020】実験例1 細胞増殖促進作用(肝臓M2
型ピルビン酸キナーゼ活性) 実施例1で得られたジンセノサイドRb2分画、比較例
1〜3で得られたジンセノサイドRb1分画、ジンセノ
サイドRg1分画及びジンセノサイドRb2をそれぞれ
100mg/kgの割合で、1週間ICR系マウスに腹
腔内投与した。その後、マウス肝臓を取り出し肝臓のM
2型ピルビン酸キナーゼ活性(比活性U/mg)を、田
中らの方法〔生化学実験講座12,「エネルギー代謝と
生体酸化」日本化学会編,p144〜161,東京化学
同人(1976年)参照〕に従って測定した。図1にそ
の結果を示す。
【0021】その結果、ジンセノサイドRb2分画に著
しく高いM2型ピルビン酸キナーゼ活性が認められた。
一方、ジンセノサイドRb2自身は低い活性しか有して
いなかった。このことから、本発明の物質は、ジンセノ
サイドRb2とは異なる細胞増殖促進作用を有する物質
であることが明らかとなった。
【0022】 実験例2 細胞増殖促進作用(角膜治癒作用) モルモットの眼に1N水酸化ナトリウムを添加し、人工
的に角膜損傷モルモットを作成した。この角膜損傷モル
モットに対して実施例1で得られたジンセノサイドRb
2分画100mg/mlを10μlずつ、1日2回2週
間にわたって投与した。対照として、生理食塩水を用い
て同様の処理を行った。表1に当該処理による角膜治癒
効果を示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の細胞増殖促進物質およびそれを
含有する組成物は、皮膚、粘膜など細胞増殖機能の低下
した細胞の増殖機能を上昇させるのみならず、正常な細
胞増殖機能も一時的に上昇させる作用を有する。しかも
本物質および本組成物は安全性も高く、細胞の増殖促進
(細胞の賦活)を目的とする医療用製剤、化粧品および
食品などに用いられて極めて有用なものである。更に本
物質および組成物はインターロイキン、サイトカインな
どのペプチドと異なり、熱および有機溶媒に対して比較
的安定であり、さらには分子量も小さい。このため当該
組成物の応用範囲は広く、例えば外用剤として用いた場
合の深部への高い浸透性は、従来の細胞増殖物質(ペプ
タイド)とは異なる、極めて有用な効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジンセノサイドRb1分画、ジンセノサイドR
b2分画、ジンセノサイドRg1分画及びジンセノサイ
ドRb2分画をそれぞれICR系マウスに腹腔内投与し
た後の、それぞれのマウス肝臓中のM2型ピルビン酸キ
ナーゼ活性(比活性U/mg)を比較した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/78 BIOSIS(STN) CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オタネニンジン(Panax ginseng C.A.Ma
    yer)の根またはその培養物より、アルコールおよび/ま
    たは水にて抽出され、かつオクタデシルカラムにおいて
    32%アセトニトリル溶液を溶離液として用いた時ジン
    セノサイドRb2の保持時間±5%の保持時間をもって
    溶出される画分に含有される細胞増殖促進物質。
  2. 【請求項2】 オタネニンジン(Panax ginseng C.A.Ma
    yer)の根またはその培養物より、メタノールおよびエタ
    ノールから選ばれる少なくとも一種のアルコールおよび
    /または水にて抽出後、さらにブタノールにて抽出さ
    れ、かつオクタデシルカラムにおいて32%アセトニト
    リル溶液を溶離液として用いた時ジンセノサイドRb2
    の保持時間±5%の保持時間をもって溶出される請求項
    1記載の細胞増殖促進物質。
  3. 【請求項3】 オタネニンジン(Panax ginseng C.A.Ma
    yer)の根またはその培養物より、アルコールおよび/ま
    たは水にて抽出され、かつオクタデシルカラムにおいて
    32%アセトニトリル溶液を溶離液として用いた時ジン
    セノサイドRb2の保持時間±5%の保持時間をもって
    溶出される画分よりなる細胞増殖促進物質含有組成物。
  4. 【請求項4】 オタネニンジン(Panax ginseng C.A.Ma
    yer)の根またはその培養物より、メタノールおよびエタ
    ノールから選ばれる少なくとも一種のアルコールおよび
    /または水にて抽出後、さらにブタノールにて抽出さ
    れ、かつオクタデシルカラムにおいて32%アセトニト
    リル溶液を溶離液として用いた時ジンセノサイドRb2
    の保持時間±5%の保持時間をもって溶出される画分よ
    りなる請求項1記載の細胞増殖促進物質含有組成物。
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