JP3246582B2 - 水溶性(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

水溶性(メタ)アクリレートの製造方法

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JP3246582B2 JP15949794A JP15949794A JP3246582B2 JP 3246582 B2 JP3246582 B2 JP 3246582B2 JP 15949794 A JP15949794 A JP 15949794A JP 15949794 A JP15949794 A JP 15949794A JP 3246582 B2 JP3246582 B2 JP 3246582B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線或いは紫外線等
の活性エネルギー線の照射により、又は常温或いは加熱
によって硬化可能な水溶性(メタ)アクリレートの製造
方法、及び該製造方法により得られる(メタ)アクリレ
ートからなる紫外線硬化型組成物に関する。本発明によ
り得られる(メタ)アクリレートは、紙用艶ニス等のコ
ーティング材、金属用或いは木工用等の塗料、印刷イン
キ、接着剤、充填剤、成形材料又はレジスト等の各種産
業分野において有用である。尚、本明細書においては、
アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アク
リレートと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メ
タ)アクリル酸と表す。
【0002】
【従来の技術】近年、各種産業等で使用する有機溶剤や
洗浄剤が大気中に放出されることにより、地球規模の大
気汚染が進み、生物への影響が懸念されている。そのた
め塗料、インキ又は接着剤等の各種の用途に使用する化
合物又は樹脂に水溶性乃至水分散性を与える試み、即ち
の水性化の試みがなされている。化合物或いは樹脂の水
性化手段としては、化合物或いは樹脂中にカルボン酸
基、スルホン酸基を導入した後、これらを無機アルカリ
或いは有機アミン等により中和することにより、水溶性
を付与するか、又は水やアルコール等を含有する有機溶
剤含有水溶液等の媒体中への懸濁性或いは乳化性を付与
する方法、場合によってはさらに乳化剤を使用し、前記
媒体中への懸濁性或いは乳化性を付与する方法がある。
従って、これらの水性化化合物或いは樹脂は、限られた
pH内(塩基性)のみでしか使用できなかったり、水溶
液での長期の保存安定性が不十分であったり、又乳化剤
を使用した場合には、乳化剤のブリードが懸念され、さ
らに中和に有機アミンを使用した場合には、乾燥時に有
機アミンが揮発することによる臭気の問題があった。
又、これらの化合物或いは樹脂は、得られる硬化物の耐
水性、耐溶剤性、基材への密着性及び耐摩耗性が充分な
ものではなく、従ってこれらを各種塗料、インキ、接着
剤等に使用する場合、実用上種々の問題を有するもので
あった。
【0003】
【発明が解決する課題】本発明者らは、幅広いpH域で
使用可能であり、長期保存安定性に優れ、乳化剤を使用
することなく水性化でき、有機アミン等の低分子量物の
揮発といった問題を解決し、さらに硬化物が耐水性、耐
溶剤性、基材への密着性及び耐摩耗性に優れる水溶性化
合物の製造方法について鋭意検討を行ったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水系の
(メタ)アクリレートについて鋭意検討した結果、多価
カルボン酸、特定の構造を有するエポキシ樹脂及び(メ
タ)アクリル酸を特定の割合で反応させる方法によっ
て、水に懸濁或いは乳化するのではなく完全に溶解する
ため、幅広いpH域で使用でき、水溶液で長期保存が可
能であり、乳化剤も不要で、さらに有機アミン等による
中和が不必要なため乾燥時に臭気が発生することもない
水溶性(メタ)アクリレートを製造できることを見い出
し本発明を完成した。本発明における第1発明は、nの
値が2〜10であるn価の多価カルボン酸の1モルに対
し、0.6n〜3.0nモルの下記式[1]で示される
エポキシ樹脂及び0.2n〜5.0nモルの(メタ)ア
クリル酸とを、前記多価カルボン酸のモル数にnを乗じ
た値と(メタ)アクリル酸のモル数の和が、前記エポキ
シ樹脂のモル数の1.6〜2.4倍の範囲内において反
応させることを特徴とする、水溶性(メタ)アクリレー
トの製造方法であり、
【0005】
【化2】
【0006】(但し、式[1]において、R1 は他のオ
キシアルキレン基が付加されていても良いオキシエチレ
ン基であって、これらの基の総数は1〜10である。)
第2発明は、上記製造方法によりにより得られる水溶性
(メタ)アクリレート及び光ラジカル重合開始剤からな
る紫外線硬化型組成物である。以下、本発明を詳細に説
明する。
【0007】○式[1]で示されるエポキシ樹脂 本発明では、上記式[1]で示される2価のエポキシ樹
脂(以下単にエポキシ樹脂という)を必須成分として使
用する。エポキシ樹脂において、R1 はオキシエチレン
基、又はオキシエチレン基とそれ以外のオキシアルキレ
ン基からなる基であり、これらの基の総数は1〜10で
ある。これらの基の総数が10を越える場合には、得ら
れる(メタ)アクリレートの硬化物の耐水性、強度、耐
磨耗性が低下する。オキシエチレン基に付加されても良
いその他のオキシアルキレン基としては、オキシプロピ
レン基、オキシブチレン基及びオキシヘキシレン基等が
挙げられ、その付加の割合としては、30モル%以下が
好ましい。30モル%を越える場合には、得られる化合
物が不水溶性になる場合がある。エポキシ樹脂は、2種
以上を併用することもできる。
【0008】○n価の多価カルボン酸 本発明では、価数nが2〜10の多価カルボン酸を使用
する。nが1のものは、得られる(メタ)アクリレート
の硬化物が3次元構造を有しないため、硬化物の耐水
性、耐溶剤性及び耐磨耗性に劣り、他方nが10を越え
るものは、高粘度となり取扱いが困難となる。多価カル
ボン酸としては、炭素数4〜20の脂肪族又は芳香族多
価カルボン酸を使用することが好ましい。脂肪族多価カ
ルボン酸の具体例としては、コハク酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、テトラ
ヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、クエン
酸、リンゴ酸及びブタンテトラカルボン酸〔市販品とし
ては、例えば新日本理化(株)製の商品名リカシッドB
T−W等がある〕等が挙げられる芳香族多価カルボン酸
の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等が挙げられ
る。多価カルボン酸は、2種以上を併用することもでき
る。
【0009】○製造方法 本発明は、上記のn価の多価カルボン酸1モルに対し、
0.6n〜3.0nモルのエポキシ樹脂及び0.2n〜
5.0nモルの(メタ)アクリル酸を反応させる。n価
の多価カルボン酸1モルに対し、エポキシ樹脂が0.6
nモルに満たない割合で反応させると、得られる生成物
の粘度が高くなり、場合によってはゲル化してしまい、
他方3.0nモルを越えて反応を行う場合には、エポキ
シ樹脂に(メタ)アクリル酸が付加したジ(メタ)アク
リレートの含有割合が大きくなるため、硬化物がもろく
なったり、基材に対する硬化物の密着性が低下するとい
う問題が生じる。又、本発明において、n価の多価カル
ボン酸のモル数にnを乗じた値と(メタ)アクリル酸の
モル数の和、即ち総カルボキシル基数は、エポキシ樹脂
のモル数の1.6〜2.4倍の範囲内でなければならな
い。総カルボキシル基数が、エポキシ樹脂のモル数の
1.6倍に満たない場合には、生成物の粘度が高くな
り、場合によってはゲル化することがあり、他方2.4
倍を越える場合には、生成物中に未反応の(メタ)アク
リル酸が残存するため、臭気や皮膚刺激性が問題となっ
たり、基材への硬化物の密着性が低下する。
【0010】本発明の好ましい製造方法の一例として
は、攪拌機、温度計を備えた反応器に、多価カルボン
酸、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル酸及び反応を円滑
に行うための触媒を仕込み、又は必要に応じて反応溶媒
及び/或いは(メタ)アクリロイル基のラジカル重合を
抑制するための重合防止剤を仕込み、所定時間加熱する
方法がある。この場合、まず多価カルボン酸とエポキシ
樹脂を反応させた後、(メタ)アクリル酸を添加して反
応させることもできる。反応溶媒としては、メチルエチ
ルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン化合
物、並びにトルエン及びキシレン等の芳香族化合物等が
挙げられる。触媒としては、トリエチルアミン及びN,
N−ジメチルベンジルアミン等の3級アミン、ジメチル
アミン塩酸塩等の1,2級アミン、テトラブチルアンモ
ニウムブロミド等の各種4級アンモニウム塩、並びにト
リフェニルホスフィン等の各種含リン化合物等が挙げら
れる。重合防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル及びフェノチアジン等が挙げ
られる。反応温度としては、60℃〜140℃が好まし
い。反応温度が60℃に満たない場合は反応が遅くなる
ことがあり、一方反応温度が140℃を越える場合は、
反応系が不安定になることがあったり、不純物が生成し
たり、ゲル化する場合がある。
【0011】○使用方法 本発明により得られる水溶性(メタ)アクリレートは、
電子線或いは紫外線等の活性エネルギー線の照射によ
り、又は室温或いは加熱により硬化させることができ
る。紫外線の照射により硬化させる場合は、(メタ)ア
クリレートに光ラジカル重合開始剤を配合する。又、室
温或いは加熱により硬化させる場合には、熱重合開始剤
を配合する。これらの配合は常法に従って行なえば良
い。紫外線或いは電子線等の活性エネルギー線の照射方
法及び加熱方法等については、ラジカル重合性化合物の
硬化方法として一般的な方法及び条件を採用することが
できる。本発明により得られる水溶性(メタ)アクリレ
ートの好ましい硬化方法は、紫外線の照射である。
【0012】第2発明は、上記製造方法により得られる
水溶性(メタ)アクリレート及び光ラジカル重合開始剤
からなる紫外線硬化型組成物である。光ラジカル重合開
始剤としては、水溶性又は親水性の光開始剤を使用する
ことが好ましい。これらの具体例としては、1−〔4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔ダロキュ
ア2959、メルク(株)製〕2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニル−プロパン−1−オン〔ダロキュア
1173、メルク(株)製〕1−ヒドロキシ−シクロヘ
キシル−フェニル−ケトン〔イルガキュア184、チバ
ガイギー(株)製〕、4−ベンゾイル−N,N,N−ト
リメチルベンゼンメタンアンモニウムクロリド〔カンタ
キュアBTC、シェル化学(株)製〕、2−ヒドロキシ
−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−ト
リメチル−1−プロパンアンモニウム クロライド モ
ノハイドレート〔カンタキュアBPQ、シェル化学
(株)製〕、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル
−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)
−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアンモニウム
クロライド、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロ
キシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサ
ンテン−9−オン メトクロライド等が挙げられる。
又、これら以外にも、通常溶剤系又は無溶剤系で用いら
れている、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール及び2,4−
ジメチルチオキサントン等も使用することができる。光
ラジカル重合開始剤は、必要に応じて2種類以上を組み
合わせて使用することもでき、市販品としては、2−ヒ
ドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H
−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリ
メチル−1−プロパンアンモニウム クロライド、及び
2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキ
シ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−9−
オン メトクロライドからなるカンタキュアQTX〔シ
ェル化学(株)製〕等がある。光ラジカル重合開始剤の
好ましい配合量は、組成物100重量部に対して、0.
05〜10重量である。
【0013】第1発明により得られる(メタ)アクリレ
ート又は第2発明の組成物は、そのまま無溶剤で使用す
ることが、乾燥工程が不要となるため好ましい。又、必
要に応じ、水或いは有機溶剤含有水溶液を用いて任意の
割合で希釈し、所望の粘度に調整して使用することもで
きる。又、必要に応じて増粘剤、流動性調整剤、顔料、
染料又はフィラー等の無機充填剤等を混合して使用する
こともできる。
【0014】第1発明により得られる(メタ)アクリレ
ート又は第2発明の組成物には、必要に応じて他の水溶
性(メタ)アクリレート化合物を配合するもできる。他
の水溶性(メタ)アクリレート化合物の具体例として
は、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの(メ
タ)アクリル酸付加物、N−アクリロイルモルホリン、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド及びN−ビニルピロリドン等が挙げられる。
又、場合によっては、ポリビニルアルコール或いはガゼ
イン等の(メタ)アクリロイル基を有さない水溶性樹
脂、又はアクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリウレ
タン等の非水溶性の樹脂と混合して用いることもできる
し、又用途によっては適量の水溶性(メタ)アクリレー
トを配合することもできる。
【0015】第1発明により得られる(メタ)アクリレ
ート及び第2発明の組成物は、塗料、印刷インキ、接着
剤、充填剤、成形材料又はレジスト等として有用であ
る。具体的には、金属用塗料として用いた場合には、そ
の硬化物が溶剤や薬品に対する耐性に優れ、温度による
金属の膨張や収縮に追随し、適度な弾性を有するため加
工後の曲げに対しても強い。又、木工塗料に用いた場合
は、その硬化物が溶剤や薬品に対する耐性に優れ、木材
の親水部との密着性が良好であるため、木材の温度、湿
度による膨張や収縮に追随する弾性を有する。さらに、
紙用艶ニス等のコーティング剤として用いた場合には、
硬化物に弾性があるため紙の曲げに対して耐性があり、
密着性にも優れる。
【0016】
【作用】本発明により得られる(メタ)アクリレート
は、特定の割合で親水性の(ポリ)エチレンオキシド部
及び水酸基を有するため、任意の濃度で水溶液中で安定
に存在することができるので、従来のように樹脂にカル
ボン酸基やスルホン酸基導入し、さらにこれらを無機ア
ルカリ又は有機アミン等で中和することにより、樹脂に
水溶性を付与する場合に生じる問題を発生することがな
い。又、本発明により得られる(メタ)アクリレートの
硬化物は、3次元構造を有するため、耐水性、耐溶剤性
及び耐磨耗性に優れるものとなる。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。尚、得られた水溶性(メタ)ア
クリレートは、以下に方法により評価した。
【0018】1)水溶性 得られた水溶性(メタ)アクリレートと蒸留水を10:
90、50:50又は90:10(重量比)の割合で攪
拌した混合後静止し、目視で確認した。表1及び表2に
おいて○、△及び×は、以下の意味を示す。 ○:任意の割合で溶解 △:濁る ×:二層分離
【0019】2)臭気 表1及び表2において○、△及び×は、以下の意味を示
す。 ○:臭気無し △:わずかに臭う ×:臭気有り
【0020】3)粘度 25℃において、E型粘度計で測定した。
【0021】4)硬化性及び密着性 得られた水溶性(メタ)アクリレート100部に対し
て、2重量部の割合で光開始剤のダロキュア2959
〔メルクジャパン(株)製〕を添加混同した。得られた
組成物を、ボンデライト鋼板に膜厚10μmで塗布し、
80W/cm集光型高圧水銀灯を使用して、コンベアス
ピード10m/min の条件で、水銀灯下を繰り返し通過さ
せることにより硬化させた。硬化性は、塗膜表面のタッ
クが無くなるのに要するパス回数(通過回数)で評価し
た。密着性は、上記硬化物膜に、1mm間隔で碁盤目状
の切り込みを入れ、JISK−5400に従い、クロス
カット・セロテープ剥離試験を行った。表1及び表2に
おいて○、△及び×は、以下の意味を示す。 ○:100/100 △:20〜99 ×:0〜19
【0022】5)耐溶剤性及び耐水性 4)で得た塗膜を、メチルエチルケトンをしみこませた
布又は水で湿らせた布でこすり、塗膜に異常が認められ
るまでの回数で評価した。表1及び表2において○、△
及び×は、以下の意味を示す。 ○:50回以上でも以上が認められない △:10〜50回で異常が認められる ×:10回以下で異常が認められる
【0023】○実施例1 攪拌機、温度計を備えた反応器に、多価カルボン酸とし
てコハク酸59.0g(0.5モル)、エポキシ樹脂と
して共栄社化学(株)製エポライト200E〔式[1]
において、R1 は4個のエチレンオキサイド基を付加し
た基である〕を380.0g(1.0モル)及び反応触
媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド5.1gを
仕込み、90℃で攪拌下2時間反応させた。反応混合物
に、アクリル酸72.1g(1.0モル)及び重合防止
剤としてハイドロキノン0.3gを仕込み、さらに11
0℃で攪拌下10時間反応させた。反応終了後の酸価は
2であった。得られた水溶性(メタ)アクリレートにつ
いて評価を行った。それらの結果を表1に示す。
【0024】○実施例2 攪拌機、温度計を備えた反応器に、多価カルボン酸とし
てアジピン酸36.5g(0.25モル)、エポキシ樹
脂としてエポライト200Eを196.8g(0.5モ
ル)、アクリル酸36.0g(0.5モル)、反応触媒
としてテトラブチルアンモニウムブロミド5.4g、重
合防止剤としてハイドロキノン0.3g及び反応溶剤と
してトルエン270gを仕込んだ後、攪拌下110℃で
7時間反応させた。反応終了後、反応液を1mmHgの
減圧下、60℃で1時間攪拌して、トルエンを留去し
た。反応終了後の酸価は1であった。得られた水溶性
(メタ)アクリレートについて評価を行った。それらの
結果を表1に示す。
【0025】○実施例3 攪拌機、温度計を備えた反応器に、多価カルボン酸とし
てコハク酸29.5g(0.25モル)、エポキシ樹脂
として共栄社化学(株)製エポライト400E〔式
[1]において、R1 は9個のエチレンオキサイド基を
付加した基である〕を280.1g(0.5モル)、ア
クリル酸36.0g(0.5モル)、反応触媒としてト
リフェニルホスフィン3.5g及び重合防止剤としてハ
イドロキノン0.2gを仕込んだ後、攪拌下100℃で
9時間反応させた。反応終了後の酸価は1であった。得
られた水溶性(メタ)アクリレートについて評価を行っ
た。それらの結果を表1に示す。
【0026】○実施例4 攪拌機、温度計を備えた反応器に、多価カルボン酸とし
てクエン酸(無水)34.6g(0.18モル)、エポ
キシ樹脂として共栄社化学(株)製エポライト100E
〔式[1]において、R1 は2個のエチレンオキサイド
基を付加した基である〕を207.6g(0.67モ
ル)及び反応触媒としてジメチルアミン塩酸塩3.0g
を仕込み、攪拌下90℃で2時間反応させた。反応混合
物に、アクリル酸57.9g(0.8モル)及び重合防
止剤としてハイドロキノン0.3gを仕込み、さらに攪
拌下100℃で9時間反応させた。反応終了後の酸価は
2であった。得られた水溶性(メタ)アクリレートにつ
いて評価を行った。それらの結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】○比較例1 攪拌機、温度計を備えた反応器に、多価カルボン酸とし
てコハク酸59.0g(0.5モル)、エポキシ樹脂と
してエポライト400Eを本発明の範囲に満たない32
4.9g(0.58モル)、アクリル酸14.4g
(0.2モル)、反応触媒としてトリエチルアミン2.
1g及び重合防止剤としてハイドロキノン0.2gを仕
込んだ後、攪拌下100℃で6時間反応させた。反応生
成物は、半固体状であった。また、反応終了後の酸価は
6であった。得られた水溶性(メタ)アクリレートにつ
いて評価を行った。それらの結果を表2に示す。
【0029】○比較例2 攪拌機、温度計を備えた反応器に、多価カルボン酸とし
てアジピン酸43.8g(0.3モル)、エポキシ樹脂
としてエポライト400Eを本発明の範囲を大幅に越え
る1092.4g(6.5モル)、アクリル酸を本発明
の範囲を大幅に越える237.8g(11.0モル)、
反応触媒としてトリフェニルホスフィン13.7g及び
重合防止剤としてハイドロキノン0.69gを仕込んだ
後、攪拌下100℃で7時間反応させた。反応終了後の
酸価は1であった。得られた水溶性(メタ)アクリレー
トについて評価を行った。それらの結果を表2に示す。
【0030】○比較例3 攪拌機、温度計を備えた反応器に、多価カルボン酸とし
てクエン酸(無水)34.6g(0.18モル)、エポ
キシ樹脂としてエポライト100Eを207.6g
(0.67モル)及び反応触媒としてジメチルアミン塩
酸塩3.0gを仕込み、攪拌下90℃で2時間反応させ
た。反応混合物にアクリル酸86.5g(1.2モル)
及び重合防止剤としてハイドロキノン0.3gを仕込ん
だ後、さらに攪拌下100℃で15時間反応させた。反
応終了後の酸価は24であった。得られた水溶性(メ
タ)アクリレートについて評価を行った。それらの結果
を表2に示す。比較例3は、エポキシ樹脂に対する総カ
ルボキシル基数が本発明の範囲を越える場合の例であ
る。
【0031】○比較例4 攪拌機、温度計を備えた反応器に、多価カルボン酸とし
てコハク酸59.0g(0.5モル)、エポキシ樹脂と
してエポライト200Eを380.0g(1.0モル)
及び反応触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド
5.1gを仕込み、攪拌下90℃で2時間反応させた。
反応混合物に、アクリル酸36.0g(0.5モル)及
び重合防止剤としてのハイドロキノン0.3gを仕込
み、さらに攪拌下100℃で反応させたが、反応2時間
後ゲル化を起こした。得られた水溶性(メタ)アクリレ
ートについて評価を行った。それらの結果を表2に示
す。比較例4は、エポキシ樹脂に対する総カルボキシル
基数が本発明の範囲に満たない場合の例である。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、得られる水溶性(メ
タ)アクリレートが完全に水に溶解するため、幅広いp
H域で使用でき、長期保存が可能で、乳化剤を添加する
必要もなく、さらに有機アミン等による中和が不必要な
ため乾燥時の臭気が発生することもなく、さらに使用に
際しては必ずしも水により希釈しなくとも液状であるた
め扱いやすく、必要に応じて任意の割合で水により希釈
することもできる。またその硬化物は、耐水性、耐溶剤
性、基材への密着性及び耐摩耗性に優れるため、塗料、
印刷インキ、接着剤、充填剤、成形材料又はレジスト等
の各種産業分野において有用である。従って、本発明に
よって製造される(メタ)アクリレート及び本発明の組
成物は、各種工業分野において優れた硬化性を有するた
め製造ラインの速度を速めることができ、又場合によっ
ては水で希釈することにより任意の粘度に調製すること
ができるため、種々の塗装装置により使用することがで
き、又使用後の装置の洗浄を水で行うことができるた
め、溶剤を使用した場合に比較して安全であり、その工
業的価値はきわめて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−230621(JP,A) 特開 昭53−137291(JP,A) 特開 昭60−188413(JP,A) 特開 平1−132615(JP,A) 特開 平2−212544(JP,A) 特開 平4−136018(JP,A) 特開 平4−136021(JP,A) 特開 平3−247678(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/14 - 59/17 C07C 67/26 C07C 69/54 C08F 299/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】nの値が2〜10であるn価の多価カルボ
    ン酸の1モルに対し、0.6n〜3.0nモルの下記式
    [1]で示されるエポキシ樹脂及び0.2n〜5.0n
    モルの(メタ)アクリル酸とを、前記多価カルボン酸の
    モル数にnを乗じた値と(メタ)アクリル酸のモル数の
    和が、前記エポキシ樹脂のモル数の1.6〜2.4倍の
    範囲内において反応させることを特徴とする、水溶性
    (メタ)アクリレートの製造方法。 【化1】 (但し、式[1]において、R1は他のオキシアルキレ
    ン基が付加されていても良いオキシエチレン基であっ
    て、これらの基の総数は1〜10である。)
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